JP6869083B2 - Frp緊張材の定着装置 - Google Patents

Frp緊張材の定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6869083B2
JP6869083B2 JP2017078142A JP2017078142A JP6869083B2 JP 6869083 B2 JP6869083 B2 JP 6869083B2 JP 2017078142 A JP2017078142 A JP 2017078142A JP 2017078142 A JP2017078142 A JP 2017078142A JP 6869083 B2 JP6869083 B2 JP 6869083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frp
gripping
tensioning
members
wedge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017078142A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018178493A (ja
Inventor
浅井 洋
洋 浅井
忠臣 竹山
忠臣 竹山
裕生 篠崎
裕生 篠崎
永元 直樹
直樹 永元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd filed Critical Sumitomo Mitsui Construction Co Ltd
Priority to JP2017078142A priority Critical patent/JP6869083B2/ja
Publication of JP2018178493A publication Critical patent/JP2018178493A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6869083B2 publication Critical patent/JP6869083B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforcement Elements For Buildings (AREA)

Description

本発明は、コンクリートにプレストレスを導入するため等に用いられる緊張材の定着装置に係り、特に束ねられた多数の連続繊維を合成樹脂によって棒状に成形したFRP緊張材の定着装置に関するものである。
FRP緊張材は、防錆の必要がないこと、磁性を有しないこと等の理由で鋼からなる緊張材に代えて用いられることがある。一般に緊張材を定着する手段としてくさびを用いるものが広く採用されているが、FRP緊張材を定着するときには、くさびが緊張材に強く押し付けられて繊維を損傷し、破断しやすくなる等の問題点が提起されている。
FRP緊張材として太径のものを用いると、定着するためにはくさびを強く圧接する必要があり、くさびによってFRP緊張材を定着することが難しくなる。このため、複数のFRP緊張材を束ねて用いることが行われる。複数のFRP緊張材を束ねて定着する定着装置は、例えば特許文献1に記載されているように、複数のFRP緊張材のそれぞれを別個にくさびで把持し、一つの定着ブロックに係止するものとなっている。
特開平11−22107号公報
しかし、複数のFRP緊張材を束ねて定着する従来の定着装置は、それぞれのFRP緊張材を個別にくさびで把持するために部品点数が多く、装着時の作業性が悪くなっている。また、定着装置の外形寸法が大きくなり、定着部分に大きなスペースが必要となる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、FRP緊張材を損傷することなく少ないスペースで定着することができるFRP緊張材の定着装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、 複数のFRP緊張材の軸線に沿って該FRP緊張材の外周面に圧接される複数の把持部材と、 内径が直線的に変化する貫通孔を備え、該貫通孔に前記FRP緊張材の前記把持部材が圧接された端部が挿通される外管と、 前記把持部材と前記貫通孔の内周面との間に圧入されるくさびと、を有し、 複数の前記FRP緊張材のそれぞれは、互いに分離した位置で複数の前記把持部材間に挟み込まれ、 複数の前記FRP緊張材を挟み込んだ状態で束ねられた複数の前記把持部材の外周部と前記貫通孔の内周面との間に前記くさびが圧入されるものであり、 前記把持部材は、前記くさびが圧接される範囲から前記FRP緊張材が伸長される方向に突き出す長さを有し、 複数の前記把持部材のうちの少なくとも一部は、前記くさびが当接される範囲から突き出した部分が、前記くさびが圧接されることによって前記FRP緊張材から離れる方向に緩やかに弾性的な曲げ変形を生じ、前記突き出した部分で前記FRP緊張材に対する圧接力が低減されるものであるFRP緊張材の定着装置を提供する。
このFRP緊張材の定着装置では、複数のFRP緊張材のそれぞれが分離した位置で複数の把持部材間に挟み込まれ、外管の一つの貫通孔に挿通して定着される。つまり、複数のFRP緊張材を挟み込んで束ねた状態の把持部材の外周部と貫通孔の内周面との間に一組のくさびが押し込まれる。把持部材はくさびの作用によってそれぞれのFRP緊張材に強く押し付けられてFRP緊張材を把持し、緊張力が導入された状態で把持部材とともに定着することができる。このとき、FRP緊張材は直接にはくさびに接触しておらず、強く押し込まれるくさびによって損傷することがない。
また、複数のFRP緊張材を束ねた状態で、一組のくさびにより定着されるので、FRP緊張材のそれぞれを別個にくさびで定着する定着装置より小さい寸法とすることができ、小さなスペースで定着することが可能となる。
さらに、この定着装置では、把持部材がくさびの作用によってFRP緊張材に強く圧接されるとともに、くさびが圧接される範囲から突き出した部分ではFRP緊張材に対する圧接力が徐々に低減する。したがって、FRP緊張材に把持部材を押し付ける圧接力が急変するのが回避され、FRP緊張材の繊維の破断が生じにくくなる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のFRP緊張材の定着装置において、 前記把持部材は、前記FRP緊張材が伸長される方向の端部で、互いに間隔を保持して連結されているものとする。
この定着装置では、複数の把持部材が連結されていることによって、複数のFRP緊張材に対して複数の把持部材を迅速かつ正確に装着することが可能となり、作業効率が向上する。また、FRP緊張材が伸長する方向の端部で間隔が保持されていても該端部とくさびが圧接される範囲との間で把持部材が弾性的に変形し、くさびが圧接される範囲ではFRP緊張材に強く押し付けることができるとともに、端部に向かって圧接力が低減されるものとなる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載のFRP緊張材の定着装置において、 複数の前記把持部材のうちの2つの把持部材の間に複数のFRP緊張材を挟み込むものとする。
この定着装置では、2つの把持部材の間に複数のFRP緊張材を挟み込むことによって把持部材の数を少なくすることができる。これにより、複数のFRP緊張材に複数の把持部材を装着して把持部材と外管との間にくさびを押し入れる作業を効率よく行うことが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3までのいずれかに記載のFRP緊張材の定着装置において、 前記把持部材は、前記外管に設けられた貫通孔の中心線上に配置される中央部材と、 前記くさびが圧接され、前記中央部材の周囲に配置された複数の前記FRP緊張材を該中央部材との間に挟む複数の外周部材と、を有するものとする。
この定着装置では、複数のFRP緊張材と複数の把持部材とが束ねられた状態で、外周部材にはくさびから中心に向かって押し付ける力が作用する。したがって、中央部材の周囲に配置された複数のFRP緊張材は、その外側に配置された外周部材によって中央部材に押し付けられる。これにより、複数のFRP緊張材を把持部材の間に挟み込んで確実に押圧することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のFRP緊張材の定着装置において、 前記外周部材に対して前記中央部材が、前記FRP緊張材が伸長される方向に相対的に変位するのを拘束する拘束手段を有するものとする。
この定着装置では、くさびと中央部材とは直接に接触していないが、くさびが圧接されることによって保持される外周部材とともに、拘束手段を介して中央部材も軸線方向の変位が拘束される。したがって、FRP緊張材に緊張力が導入されたときに、くさびの圧接によってFRP緊張材を保持すようとする力は、外周部材とFRP緊張材との接触面に作用するとともに、中央部材とFRP緊張材との接触面にも作用する。つまり、FRP緊張材を、外周部材と中央部材との双方の接触面によって保持することができる。
請求項6に係る発明は、 複数のFRP緊張材の軸線に沿って該FRP緊張材の端部の外周面に圧接される複数の把持部材と、 内径が直線的に変化する貫通孔を備え、該貫通孔に前記把持部材が圧接されたFRP緊張材の端部が挿通される外管と、を有し、 複数の前記FRP緊張材のそれぞれは、互いに分離した位置で複数の前記把持部材間に挟み込まれ、 複数の前記FRP緊張材を挟み込んで束ねられた状態の複数の前記把持部材の外周部は、前記貫通孔の内径の変化に対応して、前記FRP緊張材の端側に向かって外径が拡大するものであり、 前記把持部材は、前記外管に圧接される範囲から前記FRP緊張材が伸長される方向に突き出す長さを有し、 複数の前記把持部材のうちの少なくとも一部は、前記外管が圧接される範囲から突き出した部分が、前記外管が圧接されることによって前記FRP緊張材から離れる方向に緩やかに弾性的な曲げ変形を生じ、前記突き出した部分で前記FRP緊張材に対する圧接力が低減されるものであるFRP緊張材の定着装置を提供するものである。
このFRP緊張材の定着装置では、複数のFRP緊張材と複数の把持部材とが束ねられた状態で、外管の一つの貫通孔に挿通される。複数のFRP緊張材を挟み込んで束ねられた状態の複数の把持部材の外周部は、FRP緊張材の端側に向かって外径が拡大していることによって、FRP緊張材に緊張力が導入されたときに貫通孔の内周面に圧接される。これらの把持部材はくさびとして機能し、FRP緊張材に強く押し付けられる。これにより、FRP緊張材が把持され、緊張力が導入された状態で定着することができる。
以上説明したように、本発明に係るFRP緊張材の定着装置では、くさびによってFRP緊張材を損傷することなく、少ないスペースでFRP緊張材を定着することが可能となる。
本発明に係るFRP緊張材の定着装置を示す概略斜視図であり、くさびを装着する前の状態を示すものである。 図1に示す定着装置で用いられる把持部材を示す概略斜視図である。 図2に示す把持部材の正面図、側面図及び背面図である。 図1に示す定着装置を用いてFRP緊張材が定着された状態を示す概略断面図及び図中に示すA−A線における矢視図である。 本発明に係る定着装置で用いることができる把持部材の他の例を示す正面図、側面図及び背面図である。 本発明に係る定着装置で用いることができる把持部材の他の例の断面形状を示す概略図である。 本発明の他の実施形態であるFRP緊張材の定着装置を用いてFRP緊張材が定着された状態を示す概略断面図及び図中に示すD−D線における矢視図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るFRP緊張材の定着装置を示す概略斜視図であり、くさびを装着する前の状態を示すものである。図2は、この定着装置で用いられる把持部材を示す概略斜視図であり、図3は同じ把持部材の正面図、側面図及び背面図である。また、図4は、この定着装置を用いてFRP緊張材が定着された状態を示す概略断面図である。
この定着装置は、4本のFRP緊張材1を束ね、一組のくさびによって定着するものであり、FRP緊張材1を挟み込むように装着される複数の把持部材2と、把持部材2が装着されたFRP緊張材1が挿通される貫通孔3aを備えた円筒状の外管3と、外管3に設けられた貫通孔3aの内周面とFRP緊張材1に装着された把持部材2との間に押し入れられるくさび4とを備えている。
本定着装置は、3つの把持部材2a,2b,2cを組み合わせて用いるものであり、互いに隣り合う把持部材間に2本ずつのFRP緊張材1を挟み込むものとなっている。これらの把持部材2a,2b,2cは、4本のFRP緊張材1を挟み込んで束ねられ、2つの外周部材2a,2cが円筒曲面に沿った外周面を形成する。そして、これらの間にある中央部材2bが双方の外周部材2a,2cとの間にFRP緊張材1を挟み込むものとなっている。中央部材2bは外周部材2a,2cとの間にFRP緊張材1を挟み込んだ状態で、外管3に変位が拘束されないように、寸法が設定されている。
FRP緊張材1を挟み込む把持部材2の双方の面には、内周面が円筒曲面となる溝2dが形成されている。これらの溝内にFRP緊張材1を嵌め入れ、双方の把持部材2を互いに押し付けることによって挟み込んだFRP緊張材1を把持するものである。また、溝2dの内周面は、緊張力が導入されたFRP緊張材1が滑ることなく把持することができるように、粗面に仕上げられている。
これらの把持部材2は、FRP緊張材1の軸線方向にほぼ同じ長さとなっており、上記外管3及びくさび4の軸線方向の寸法より長くなっている。そして、軸線方向にほぼ等断面となっている。これらの把持部材2はFRP緊張材が伸長される方向の端面に鋼プレート5が接合され、図3に示すように所定の間隔を維持して連結されている。この鋼プレート5には、把持部材2a,2b,2cの溝2dの断面と対応した4つの孔5aが形成されている。そして、把持部材2a,2b,2cがこの鋼プレート5で連結された状態で、互いに対向する溝内にわずかの間隙をおいて、又は接触した状態でFRP緊張材1を挿入することができるものとなっている。また、鋼プレート5は、把持部材2の他端側で対向する面の間隔が小さな抵抗で縮小できる程度に曲げ剛性が小さいものである。
なお、複数の把持部材2を連結する部材は、上記鋼プレート5に限定されるものではなく、合成樹脂、ゴム等の他の材料を使用するものであってもよい。また、複数の把持部材は連結することなく、分離した状態で使用することもできるが、連結して用いるのが望ましい。
このように3つが組み合わされた把持部材2a,2b,2cには、図2に示すように、4本のFRP緊張材1の端部を、鋼プレート5で接合された側の端部から対向する溝内に挿入することができる。そして、図1に示すようにそれぞれのFRP緊張材1を把持部材2a,2b,2cの間に挟み込むことができる。
上記外管3は、外周面が円筒曲面となっており、中心軸線に沿って断面が円形の貫通孔3aが設けられている。貫通孔3aは挿通されたFRP緊張1材の端側から該FRP緊張材1が伸長される方向に向かって内径が直線的に縮小するものとなっている。つまり貫通孔3a内の空間が円錐台形状となっている。この貫通孔3aに把持部材2a,2b,2cが装着されたFRP緊張材1の端部が挿通され、緊張力が導入された状態でくさび4によって該外管3に固定されるものである。FRP緊張材1がくさび4によって固定された外管は、支圧板(図示しない)等を介して構造部材6に緊張力を伝達することができるものである。
上記くさび4は、2つの半割片からなるものであり、これらは互いに対向する円筒曲面を備えている。そして、FRP緊張材1を囲むように束ねられた把持部材2a,2b,2cの両側から、上記円筒曲面の間に挟み込むようにくさび4を押し付けることができるものとなっている。この円筒曲面には押し付けられる把持部材2a,2cを強固に把持することができるように小さな凹凸が形成されている。
一方、2つの半割片が対向するように配置されたときに、これらの外側の面は円錐曲面に沿った形状になるものである。また、この円錐曲面は、上記貫通孔3aの内周面と対応するものであり、貫通孔3aの内側に押し入れられたときに、内周面から把持部材2に押し付ける方向の力が作用するものとなっている。
このような定着装置では、複数の把持部材2a,2b,2cが鋼プレート5によって連結されているので、複数のFRP緊張材1を挟み込むように該把持部材2を装着することが容易となる。そして、把持部材2が装着されたFRP緊張材1の端部を外管3の貫通孔3aに挿通し、貫通孔3aの内周面とFRP緊張材1を挟み込むように装着された把持部材2の外周部との間にくさび4を押し入れるときに、FRP緊張材1に接触している把持部材2と該FRP緊張材1とは相対的に変位しないので、FRP緊張材1の表面を傷つけることが少なく、定着部でFRP緊張材1の強度が低下するのを防ぐことができる。
また、把持部材2の軸線方向の長さは外管3及びくさび4より長くなっており、把持部材2と外管3との間にくさび4を押し入れたときに、把持部材2はくさび4の先端からFRP緊張材1が伸長される方向に突き出している。そして、先端は鋼プレート5によって複数の把持部材2の相互間の間隔が保持されているので、把持部材2はくさび4が押圧される範囲では強くFRP緊張材1に強く押し付けられるとともに、くさび4の先端から突き出した部分では把持部材2の弾性変形及び鋼プレート5の変形によってFRP緊張材1への圧接力が徐々に低減される。したがって、把持部材2がFRP緊張材1に押し付けられる圧接力は急変することなく徐々に変化し、圧接力の急変部でFRP緊張材1の繊維が破断するのが回避される。
なお、上記定着装置で用いられる把持部材2は軸線方向に等断面で、端部が鋼プレート5で連結されているが鋼プレート5の剛性は小さく、把持部材間で軸線方向の相対的な変位を生じさせようとする大きな力が作用したときに、これを拘束することはできない。つまり、外周部の把持部材(外周部材)2a,2cがくさび4によって拘束されても、くさび4が圧接されていない中央部の把持部材(中央部材)2bが、FRP緊張材1とともに外管3及びくさび4から抜け出そうとするのを拘束することができない。これに対し、FRP緊張材1がくさび4から抜け出そうとするときに、くさび4が圧接されていない中央部の把持部材2bと、くさびが圧接される外周部の把持部材2a,2cと、の間で軸線方向の相対的な変位を拘束する拘束手段を設けることができる。
図5(a)に示す把持部材20は、図3に示す把持部材2に代えて用いることができるものであって、3つの把持部材20a,20b,20cを組み合わせて用いられる。それぞれの把持部材20a,20b,20cは、図3に示す把持部材2a,2b,2cと同じ断面形状を有するものである。そして、先端部は鋼プレート21によって連結されている。これらの把持部材20では、くさびが圧接されない中央部にある把持部材20bつまり中央部材が後端部に軸線と直角方向への張り出し部20dを備えている。この中央部材の張り出し部20dが、FRP緊張材1の端側でくさびが圧接される外周部材20a,20cの後端面に突き当てられる。これにより、中央部材20bがFRP緊張材1の緊張力によって伸長される側に抜け出すのを拘束するものとなっている。また、張り出し部20dは、複数の把持部材20a,20b,20cの相互間で軸線と直角方向の相対的な変位を拘束しないので、くさび4によって把持部材20がFRP緊張材1に押し付けられるのを阻害することはない。
また、図5(b)に示す把持部材22は、図3に示す把持部材2と同じ断面形状を有するもので、先端部は薄い鋼プレート5に代えて、厚い鋼プレート23によって外周部材22a,22bと連結されている。この鋼プレート23は、中央部材22bがFRP緊張材1とともに抜け出そうとするのを拘束することができる程度に厚く、高い剛性を有するものである。また、鋼プレート23で連結するのに代えて、先端の所定の長さの範囲で複数の把持部材が連続するように一体に形成されたものであってもよい。このような把持部材22を用いたときにも、把持部材間の軸線方向における相対的な変位を先端部で拘束することができ、中央部材22bがFRP緊張材1とともに抜け出そうとするのを抑えることができる。これにより、すべての把持部材22a,22b,22cとFRP緊張材1との接触面によってFRP緊張材1の緊張力がくさび4を介して外管3、構造部材6に伝達される。また、この把持部材22を用いたときには、先端部で連結された把持部材間の角度変化が生じにくくなっており、くさび4によって把持部材22をFRP緊張材1に押し付けるときの変位が阻害されない程度に、くさび4が圧接される範囲から先端部までの範囲で把持部材22が柔軟に変形するように把持部材22の長さ及び曲げ剛性が設定される。
一方、複数の把持部材の断面形状は、図3に示すものの他に、図6に示すような断面のものを採用することができる。
図6(a)に示す把持部材30は、一つの中央部材31と4つの外周部材32a,32b,32c,32dとを含むものである。そして、中央部材31とそれぞれの外周部材32との間にFRP緊張材1を挟み込んで把持するものとなっている。このような把持部材30では、くさび4によって作用する押圧力により4本のFRP緊張材1をほぼ均等な力で保持することができる。
図6(b)に示す把持部材40は、一つの中央部材41と8つの外周部材42とを含むものである。そして、それぞれのFRP緊張材1を3つの外周部材で三方を囲むように圧接するととともに中央部材41に押圧するものとなっている。このような把持部材40では、外周部材42つまりくさびが圧接される把持部材とFRP緊張材1とが接触している面積を大きくすることができ、外周部材によってFRP緊張材1を保持する力を大きくすることができる。また、中央部材41を拘束するときには、拘束力を小さくすることができる。
図6(c)に示す把持部材50は、4つの把持部材50a,50b,50c,50dを周方向に配列し、隣り合う把持部材間にそれぞれFRP緊張材1を挟み込むものである。この把持部材50では、すべての把持部材1にくさび4が圧接され、くさび4と接触しない中央部材を用いることなく、FRP緊張材1を把持部材に挟み込むことができる。そして、FRP緊張材1を挟み込むすべての把持部材50から緊張力がくさび4に伝達されるものとなる。
図7は、本発明の他の実施形態であるFRP緊張材の定着装置を示す断面図である。
この定着装置は、図1から図4までに示す定着装置と同様に、4本のFRP緊張材11を把持部材12で挟み込むように束ねて定着するものであるが、くさびを用いておらず、把持部材12の外周部の形状によって把持部材12がくさびの機能を有するものとなっている。なお、外管13は図1に示す定着装置と同様の貫通孔を有するものが用いられる。
本定着装置においても、3つの把持部材12a,12b,12cが組み合わされて、互いに隣り合う把持部材間に2本ずつのFRP緊張材11を挟み込むものとなっている。そして、4本のFRP緊張材11を囲むように束ねられた把持部材12a,12b,12cが形成する外周面は、FRP緊張材11が伸長される側の所定範囲12Aで円筒曲面に沿った形状となり、その後方側の所定範囲12Bでは円錐曲面に沿った形状となっている。つまり、中央部材12bの両側に配置される外周部材12a,12cは、FRP緊張材11の端側に向かって断面が拡大するものとなっており、4本のFRP緊張材11を挟み込んで保持した状態で外周部が外管13の貫通孔の内周面と対応する形状となる。
一方、上記外周部が円筒曲面に沿った形状となる部分12Aでは、把持部材12はほぼ等断面となっており、曲げ剛性が小さく弾性的に曲げ変形を生じるものである。
束ねられた3つの把持部材12a,12b,12cは、先端部が薄い鋼プレート15で連結され、所定の間隔が保持されている。これにより、FRP緊張材11を挟み込むように容易に装着することが可能となっている。
この定着装置では、あらかじめ4本のFRP緊張材11の端部を外管13の貫通孔に挿通しておき、該FRP緊張材11の端部に上記把持部材12a,12b,12cを装着する。そして、該FRP緊張材11が貫通孔から引き抜く方向に変位すると、束ねられた把持部材12a,12b,12cの外周部が貫通孔の内周面に圧接される。束ねられた把持部材12a,12b,12cの円錐曲面に沿った形状となる部分はくさびとして機能し、貫通孔の内周面から中心線に向かって押圧力が作用し、FRP緊張材11に圧接される。これによって4本のFRP緊張11材を保持し、緊張力が外管3を介して構造部材16に定着される。
また、外周部が円筒曲面に沿った形状となる部分は、把持部材12が貫通孔の内周面に圧接されたときに貫通孔から突き出し、弾性的に緩やかな曲げ変形を生じてFRP緊張材11との圧接力が徐々に低減される。
このようにFRP緊張材11を把持して定着することにより、装着時にFRP緊張材11を傷つけること、及び圧接力の急変部で繊維が破断することの防止が可能となるものである。
以上に説明した実施の形態では、4本のFRP緊張材を定着するものとなっているが、定着する本数は4本に限定されるものではない。また、把持部材の断面形状、把持部材の数は、図3又は図6に示されるものに限定されず、FRP緊張材を挟み込んで把持することができる様々な形状のものを採用することができる。また、くさび、外管の形状についても様々な態様とすることができる。
FRP緊張材は、アラミド繊維を用いるもの、炭素繊維を用いるもの、ガラス繊維を用いるもの、鉱物繊維を用いるもの等があり、いずれについても本発明の定着装置は適用することができるものである。
また、その他の事項に関しても、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で適宜に変更して実施することができる。
1:FRP緊張材, 2:把持部材, 2a,2c:外周部材, 2b:中央部材, 2d:把持部材に形成された溝, 3:外管, 3a:外管の貫通孔, 4:くさび, 5:鋼プレート, 6:構造部材,
11:FRP緊張材, 12:把持部材, 12a,12c:外周部材, 12b:中央部材, 12A:束ねられた把持部材の外周部が円筒曲面に沿った形状となる部分, 12B:束ねられた把持部材の外周部が円錐曲面に沿った形状となる部分, 13:外管,
15:鋼プレート, 16:構造部材,
20:把持部材, 20a,20c:外周部材, 20b:中央部材, 20d:張り出し部, 21:鋼プレート, 22:把持部材, 22a,22c:外周部材, 22b:中央部材, 23:厚い鋼プレート,
30:把持部材, 31:中央部材, 32:外周部材,
40:把持部材, 41:中央部材, 42:外周部材,
50:把持部材

Claims (6)

  1. 複数のFRP緊張材の軸線に沿って該FRP緊張材の外周面に圧接される複数の把持部材と、
    内径が直線的に変化する貫通孔を備え、該貫通孔に前記FRP緊張材の前記把持部材が圧接された端部が挿通される外管と、
    前記把持部材と前記貫通孔の内周面との間に圧入されるくさびと、を有し、
    複数の前記FRP緊張材のそれぞれは、互いに分離した位置で複数の前記把持部材間に挟み込まれ、
    複数の前記FRP緊張材を挟み込んだ状態で束ねられた複数の前記把持部材の外周部と前記貫通孔の内周面との間に前記くさびが圧入されるものであり、
    前記把持部材は、前記くさびが圧接される範囲から前記FRP緊張材が伸長される方向に突き出す長さを有し、
    複数の前記把持部材のうちの少なくとも一部は、前記くさびが当接される範囲から突き出した部分が、前記くさびが圧接されることによって前記FRP緊張材から離れる方向に緩やかに弾性的な曲げ変形を生じ、前記突き出した部分で前記FRP緊張材に対する圧接力が低減されるものであることを特徴とするFRP緊張材の定着装置。
  2. 前記把持部材は、前記FRP緊張材が伸長される方向の端部で、互いに間隔を保持して連結されていることを特徴とする請求項1に記載のFRP緊張材の定着装置。
  3. 複数の前記把持部材のうちの2つの把持部材の間に複数のFRP緊張材を挟み込むものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のFRP緊張材の定着装置。
  4. 前記把持部材は、前記外管に設けられた貫通孔の中心線上に配置される中央部材と、
    前記くさびが圧接され、前記中央部材の周囲に配置された複数の前記FRP緊張材を該中央部材との間に挟む複数の外周部材と、を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載のFRP緊張材の定着装置。
  5. 前記外周部材に対して前記中央部材が、前記FRP緊張材が伸長される方向に相対的に変位するのを拘束する拘束手段を有することを特徴とする請求項4に記載のFRP緊張材の定着装置。
  6. 複数のFRP緊張材の軸線に沿って該FRP緊張材の端部の外周面に圧接される複数の把持部材と、
    内径が直線的に変化する貫通孔を備え、該貫通孔に前記把持部材が圧接されたFRP緊張材の端部が挿通される外管と、を有し、
    複数の前記FRP緊張材のそれぞれは、互いに分離した位置で複数の前記把持部材間に挟み込まれ、
    複数の前記FRP緊張材を挟み込んで束ねられた状態の複数の前記把持部材の外周部は、前記貫通孔の内径の変化に対応して、前記FRP緊張材の端側に向かって外径が拡大するものであり、
    前記把持部材は、前記外管に圧接される範囲から前記FRP緊張材が伸長される方向に突き出す長さを有し、
    複数の前記把持部材のうちの少なくとも一部は、前記外管が圧接される範囲から突き出した部分が、前記外管が圧接されることによって前記FRP緊張材から離れる方向に緩やかに弾性的な曲げ変形を生じ、前記突き出した部分で前記FRP緊張材に対する圧接力が低減されるものであることを特徴とするFRP緊張材の定着装置。
JP2017078142A 2017-04-11 2017-04-11 Frp緊張材の定着装置 Active JP6869083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017078142A JP6869083B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 Frp緊張材の定着装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017078142A JP6869083B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 Frp緊張材の定着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018178493A JP2018178493A (ja) 2018-11-15
JP6869083B2 true JP6869083B2 (ja) 2021-05-12

Family

ID=64281457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017078142A Active JP6869083B2 (ja) 2017-04-11 2017-04-11 Frp緊張材の定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6869083B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS575373Y2 (ja) * 1976-02-19 1982-02-01
EP0232944B1 (en) * 1986-02-14 1990-10-10 Akzo N.V. A device for anchoring a tendon and a process for preparing prestressed concrete
JPH04108750U (ja) * 1991-03-07 1992-09-21 神鋼鋼線工業株式会社 非金属製緊張材用定着具
JPH11131694A (ja) * 1997-10-24 1999-05-18 Teijin Ltd ロッド定着体
FR2798409B1 (fr) * 1999-09-15 2002-01-04 Freyssinet Int Stup Systeme de connection d'un cable a une structure d'ouvrage de construction
JP2006176957A (ja) * 2004-12-20 2006-07-06 Shinko Wire Co Ltd 高張力繊維複合緊張材の定着方法及びその定着構造
CA2769575C (en) * 2009-08-12 2014-03-25 Tokyo Rope Manufacturing Co., Ltd. End anchoring structure and method for fiber-reinforced plastic filament body
CN201460240U (zh) * 2009-09-28 2010-05-12 程东辉 预应力碳纤维增强聚合物筋锚具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018178493A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6505999B2 (ja) 弾性体を介して線条体を固定する線条体固定装置
EP3460465A1 (en) Jig for ultrasonic fatigue testing machine
US20170008365A1 (en) Stabilizer bushing
JP6869083B2 (ja) Frp緊張材の定着装置
JP6869107B2 (ja) Frp緊張材の定着装置
WO2015093066A1 (ja) 高耐圧管継ぎ手と高耐力継ぎ手
EP2589471B1 (en) Optical fibre cutting device and optical fibre cutting method
JP6286271B2 (ja) 防振装置
JP3201319U (ja) 電線ケーブル組立体
US20220178772A1 (en) Strain sensor fixing device and torque sensor using the same
KR101890678B1 (ko) 철근이음장치
JP2019004123A (ja) ケーブルシース固定用スペーサ及びケーブル固定具
JP2000199280A (ja) 部材の締結構造および締結方法
JP6588206B2 (ja) 配管固定部材
JP2010019371A (ja) 高力ボルト摩擦接合構造及び高力ボルト摩擦接合方法
EP3705741A1 (en) Terminal support device and control cable assembly using terminal support device
JP6080361B2 (ja) 接合部構造
JP4580961B2 (ja) 鉄筋固定装置
JP6560114B2 (ja) スパナのヘッド構造、スパナおよびヘッド構造の製造方法
JPH0854084A (ja) パイプクランプ
KR20210001810U (ko) 철근 연결 장치
JPS61156105A (ja) 光フアイバの支持方法
JP6901965B2 (ja) 定着具
JP2001248671A (ja) ブッシュ
JP2011161600A (ja) クランプ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201208

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210330

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210413

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6869083

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250