以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成の一例を示す正面断面図である。図1に示す画像形成装置1は、例えば複合機である。図1に示すように、画像形成装置1は、本体内に画像形成部2を備える。画像形成部2は、シートPに対するカラー画像の形成(印刷)を行う。シートPは、例えば紙やOHPシートなどの記録媒体として用いられるシートである。
また、画像形成装置1のフロント部には、ユーザーインターフェイス部310が設けられている。ユーザーインターフェイス部310は、液晶ディスプレイ等からなる表示部311と、操作入力部312とを含む。操作入力部312は、例えばスタートボタンや、各種設定ボタン、あるいはタッチパネルなどによって構成されている。表示部311及び操作入力部312を、例えば液晶表示器とタッチパネルとが一体にされた表示機能付きタッチパネルにより構成してもよい。また、操作入力部312は、画像形成装置1の画像形成モードとして、例えばモノクロモード、フルカラーモード、及び模様カラーモードの設定を受け付ける。
画像形成部2は、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色別に本体内に並列された現像ユニット2M、2C、2Y、2Kと、駆動ローラ11aや二次転写対向ローラ13等の複数のローラ間に画像形成における副走査方向へ無端走行可能に張架された中間転写ベルト10と、中間転写ベルト10を挟んで現像ユニット2M、2C、2Y、2Kの各感光体ドラム3に対向する位置にそれぞれ設けられた転写ローラ(転写部)9と、中間転写ベルト10が二次転写対向ローラ13に張架される部分で中間転写ベルト10の外周面に当接し、中間転写ベルト10上のトナー像をシートPに転写させる二次転写ローラ14とを備える。
現像ユニット2M、2C、2Yおよび2Kは、トナー供給部61、例えばアモルファスシリコン等からなる感光体ドラム3、この感光体ドラム3の周囲に配設された帯電装置4、露光装置5、現像装置6、およびドラムクリーニング装置7を備え、画像データに応じたトナー像を感光体ドラム3の周面に形成して中間転写ベルト10に転写させる。
現像ユニット2M、2C、2Yの各トナー供給部61には、それぞれ、有彩色トナーであるマゼンダ、シアン、イエローのカラートナーが収容されている。また、現像ユニット2Kのトナー供給部61には、黒トナーが収容されている。
帯電装置4は、感光体ドラム3の周面を所定電位に均一に帯電させる。露光装置5は、後述の画像形成制御部113により送信されてきた画像データに基づき生成されたレーザ光を感光体ドラム3の周面に照射し、感光体ドラム3の周面に静電潜像を形成する。現像装置6は、感光体ドラム3に形成された静電潜像に対してトナー供給部61から供給されるトナーを付着させ、トナー像として静電潜像を顕在化させる。ドラムクリーニング装置7は、後述する中間転写ベルト10への前記トナー像の一次転写終了後、感光体ドラム3の周面に残留しているトナーをクリーニングする。
現像ユニット2M〜2Kの下方には、感光体ドラム3の周面に顕在化したトナー像が中間転写(一次転写)される中間転写ベルト10が配設されている。中間転写ベルト10は、各感光体ドラム3と対向配置された転写ローラ9によって感光体ドラム3に押圧された状態で、図1における右側の駆動ローラ11aと、同右側の従動ローラ11bと、駆動ローラ11aおよび従動ローラ11bの下方に位置する二次転写対向ローラ13とに無端走行可能に張架されている。
中間転写ベルト10は、駆動ローラ11aによって駆動され、上記各ローラ間を無端走行する。感光体ドラム3上に形成される各色のトナー像は、無端走行される中間転写ベルト10上に、それぞれタイミングを合わせて、M、C、Y、Kの順に転写されて重ね合わされる。これにより中間転写ベルト10上にM、C、Y、Kの4色からなるカラー画像が形成される。また、現像ユニット2Kのみによる画像形成を行うモノクロトナー像の形成も可能とされている。
二次転写ローラ14は、画像形成制御部113(図2参照)からの指示に基づいて所定の転写バイアスをシートPに印加し、中間転写ベルト10上の前記カラー画像をシートPへ二次転写させる。
また、画像形成装置1は、現像ユニット2Y〜2Kへ向けて給紙を行う給紙部15を備えている。給紙部15は、シートPを収容する給紙カセット151、シートPが搬送される経路である用紙搬送路152、および用紙搬送路152中のシートPの搬送を行う搬送ローラ153等を備え、給紙カセット151から1枚ずつ取り出されたシートPを、二次転写ローラ14の位置へ向けて搬送する。なお、給紙部15は、二次転写処理されたシートPを定着装置16へ搬送し、この定着処理されたシートPを画像形成装置1本体上部の排出トレイ17へ排出する。
定着装置16は、用紙搬送路152における二次転写ローラ14よりも下流側に設けられ、シートPに転写されたトナー像を定着させる。定着装置16は、ヒートローラ161および圧ローラ162からなり、ヒートローラ161の熱によってシートP上のトナーを溶かし、圧ローラ162によって圧力をかけてトナーをシートP上に定着させる。
画像形成装置1本体の上部には、原稿読取部20と原稿給送部24とが設けられている。原稿読取部20は、CCD(Charge Coupled Device)センサおよび露光ランプ等から構成されるスキャナ部21と、ガラス等の透明部材により構成された、原稿台22および原稿読取スリット23とを備える。スキャナ部21は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台22に載置された原稿を読み取るときは、原稿台22に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データ(各画素データ)を画像読取制御部112(図2参照)へ出力する。また、スキャナ部21は、原稿給送部24により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット23と対向する位置に移動され、原稿読取スリット23を介して原稿給送部24による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを画像読取制御部112へ出力する。
原稿給送部24は、原稿を載置するための原稿載置部25と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部26と、原稿載置部25に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット23に対向する位置へ搬送し、原稿排出部26へ排出するための給紙ローラや搬送ローラ(図示せず)等からなる原稿搬送機構27を備える。原稿搬送機構27は、さらに原稿を表裏反転させて原稿読取スリット23と対向する位置へ再搬送する用紙反転機構(図示せず)を備え、原稿の両面の画像を、原稿読取スリット23を介してスキャナ部21から読取可能にしている。
また、原稿給送部24は、その前面側が上方に移動可能となるように画像形成装置1本体に対して回動自在に設けられている。原稿給送部24の前面側を上方に移動させて原稿台22の上面を開放することにより、原稿台22の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等をユーザーが載置できるようになっている。
図2は、図1に示す画像形成装置1の電気的構成の一例を示すブロック図である。画像形成装置1は、画像処理用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)100(画像処理部)、ユーザーインターフェイス部310、システム制御部111、画像読取制御部112、画像形成制御部113、操作制御部19、画像形成部2、及び原稿読取部20を備える。
画像処理用ASIC100、操作制御部19、システム制御部111、画像読取制御部112、及び画像形成制御部113は、バスBを介して相互にデータ送受信可能に構成されている。操作制御部19はユーザーインターフェイス部310と接続され、画像読取制御部112は原稿読取部20と接続され、画像形成制御部113は画像形成部2と接続されている。
操作制御部19は、操作入力部312によって受け付けられた操作入力を示す信号を受け付けて、その操作入力を示す信号を画像形成制御部113へ出力する。
具体的には、例えば操作入力部312におけるスタートボタンが押下されたとき、操作制御部19は、画像形成の開始を要求する信号を画像形成制御部113へ送信する。また、操作入力部312によって、画像形成モードの設定が受け付けられたとき、操作制御部19は、設定された画像形成モードを示す信号を、画像形成制御部113へ送信する。
また、操作制御部19は、システム制御部111及び画像形成制御部113等から出力された表示要求に応じた表示を、表示部311によって表示させる。
システム制御部111は、例えばマイクロコンピューターを用いて構成されている。システム制御部111は、所定の制御プログラムを実行することによって、画像形成装置1の動作を統括的に制御する。
画像読取制御部112は、例えばマイクロコンピューターを用いて構成されている。画像読取制御部112は、所定の制御プログラムを実行することによって、原稿読取部20による画像の読取動作を制御する。
画像形成制御部113は、例えばマイクロコンピューターを用いて構成されている。画像形成制御部113は、所定の制御プログラムを実行することによって、画像形成部2による画像形成を制御する。
画像形成制御部113は、画像処理用ASIC100から印刷用画像データを受信する。また、画像形成制御部113は、画像形成モードとして、例えば、モノクロモード、フルカラーモード、及び模様カラーモードを実行可能とされている。
モノクロモードは、一つの色、例えば黒色、のみによって印刷用画像データに基づく画像を形成するモードである。具体的には、モノクロモードは、印刷用画像データに基づく画像をブラック(K)の色トナーのみを用いて印刷することにより、白黒画像をシートPに形成するモードである。
フルカラーモードは、複数の色、すなわち画像形成部2によって形成可能な全ての色、を用いて印刷用画像データに基づく画像を形成するモードである。具体的には、フルカラーモードは、印刷用画像データに基づく画像を、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)のカラートナーと、ブラック(K)の黒トナーとを用いて印刷することにより、カラー画像をシートPに形成するモードである。以下、画像形成部2によって形成可能な全ての色のことを、フルカラーと称する。
模様カラーモードは、印刷用画像データに基づく画像を、後述する特定色取得部108によって取得された特定色(模様色)と、黒とを用いてシートに形成するモードである。
模様カラーモードは、黒文字で書かれた文書の一部に、1色の有彩色の小さなロゴマークのようなカラーの模様が含まれている場合、文字を黒色(黒トナー)で画像形成し、カラーの模様部分のみを、その模様部分の色である特定色で画像形成することを想定したモードである。なお、模様はロゴマークに限られず、例えば下線、マーキング、あるいは”CONFIDENTIAL”といった文字図形のマークであってもよい。以下、このようなカラーの模様の画像(特定色の画像)のことを、特定画像と称する。
一般に、ビジネス文書では、黒文字が大部分の文書であっても、会社のマークであるロゴマークのみが有彩色で印刷されている場合が少なくない。ロゴマークの色も、会社を表す重要な要素だからである。一方、カラートナーは黒トナーよりも高価であるため、ビジネス文書の画像形成を行う際は、ユーザーがモノクロモードを設定することが多い。しかしながら、会社のロゴマークの色は、カラーで印刷したいというニーズがある。
そこで、カラーのロゴマークを含む画像を形成する際には、ユーザーが操作入力部312を操作して模様カラーモードを設定することによって、ロゴマークなどの模様の色が特定色として取得され、ロゴマークなどの模様部分のみ特定色のカラー(カラートナー)で画像形成され、特定色以外の画像は低コストの黒トナー(黒色)で画像形成されるようになっている。これにより、例えばロゴマークなどの、ユーザーがカラーで印刷したいニーズのある模様部分をカラートナーによって特定色(カラー)で画像形成し、それ以外の画像は低コストの黒トナーによって画像形成することができるので、画像形成コストを低減しつつ、ユーザーのニーズを満たすことが可能となる。
なお、特定色は必ずしも1色に限られず、特定色取得部108は、例えば赤い部分と紫の部分とを含むロゴマーク(模様)から、赤と紫の2色を特定色として取得してもよく、複数の色が特定色として取得される構成であってもよい。
また、模様カラーモードの設定は、必ずしも操作入力部312によって受け付けられる例に限らない。例えば、画像形成制御部113は、処理対象の画像データが、黒文字が大部分であって、かつカラーの模様画像を含むか否かを判定し、このような画像であった場合、画像形成制御部113は、モノクロモードに設定されている場合であっても、模様カラーモードを実行する構成であってもよい。
あるいは、システム制御部111は、画像形成を実行しようとしているユーザーを識別するユーザーIDの入力を受け付け、その受け付けられたユーザーIDに基づき、画像形成を実行しようとしているユーザーが予め模様カラーモードの実行が許可されたユーザーか否かを確認する。そして、画像形成を実行しようとしているユーザーが模様カラーモードの実行が許可されたユーザーであった場合に、画像形成制御部113は、モノクロモードに設定されている場合であっても模様カラーモードを実行する構成であってもよい。
画像形成制御部113は、決定された画像形成モードに応じて画像形成部2を制御することで、画像形成部2によって、シートPに画像を形成させる。以下、画像形成制御部113が画像形成部2によって画像を形成させることを、単に、画像形成制御部113が画像を形成すると記載する。
なお、システム制御部111、画像読取制御部112、画像形成制御部113、及び操作制御部19は、例えば単一のマイクロコンピューターによって、機能的に実現されていてもよい。
画像処理用ASIC100は、例えば順序回路(ステートマシン)、論理回路、その他の演算回路によって構成された所定の機能ブロックを備えている。画像処理用ASIC100は、例えばCPU(Central Processing Unit)コアを内蔵し、CPUが所定の制御プログラムを実行することによって、所定の機能ブロックとして機能する構成であってもよい。
画像処理用ASIC100は、所定の機能ブロックとして、画像データ取得部101、中間画像処理部102、縮小処理部103、縮小度数分布取得部104、縮小特定色取得部105、領域探索部106、度数分布取得部107、及び特定色取得部108を備える。領域探索部106は、縮小特定数取得部121、評価領域取得部122、評価計数部123、及び特定縮小領域取得部124を備える。
中間画像処理部102は、例えば原稿読取部20によって原稿から読み取られたカラー画像データに、シェーディング、裏写り除去、あるいは背景色変更処理などの中間画像処理を施す画像処理部である。
なお、中間画像処理部102は、シェーディング、裏写り除去、及び背景色変更処理を全て実行する必要はなく、これらの画像処理のうち一部を実行するものであってもよい。また、中間画像処理部102は、例えば拡大、縮小、階調補正等の中間画像処理を実行してもよい。また、画像処理用ASIC100は、中間画像処理部102を備えていなくてもよい。
背景色変更処理は、カラー画像の元原稿において下地の濃度が濃い場合や、元原稿の裏ページが透けて見える場合など、例えば白色であるべきカラー画像の背景(下地)の画素が、別の色の画素となっている場合にその画素の色を予め定められた色、例えば白色、に置き換える処理である(例えば、特開平11−187266号公報参照)。
画像データ取得部101は、中間画像処理部102により中間画像処理が施された画像データを原画像データDとして取得する。なお、画像データ取得部101は、例えば、原稿読取部20によって原稿から読み取られたカラー画像データを、画像読取制御部112を介して受信することによって、原画像データDとして取得してもよい。
また、画像データ取得部101は、例えば、図略のネットワークを介して、ネットワークに接続されたパーソナルコンピューター等からカラー画像データを原画像データDとして受信することによって、原画像データDを取得してもよい。また、画像データ取得部101は、例えば、図略の電話回線を介してファクシミリ装置から送信されてきたカラー画像データを原画像データDとして受信することによって、原画像データDを取得してもよい。
画像データ取得部101は、このようにして得られた原画像データDの各画素の色を、予め設定された3つの要素色、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)の濃度値によって表す。また、画像データ取得部101は、各濃度値を、予め定められた基本ビット数、例えば8ビットで表す。
このようにして、画像データ取得部101は、各画素の画素値における、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)の濃度値がそれぞれ8ビットで表された原画像データDを取得する。
縮小処理部103は、原画像データDにより表されるカラー画像である原画像を予め設定された縮小倍率Rsで縮小させるように原画像データDの画素数を減少させることによって、原画像が縮小されたカラー画像を表す縮小画像データDsを生成する。
縮小処理部103は、画素を間引いたり、あるいは複数の画素を、それらの画素の色を直線補間して得られた色の画素に置き換えたりする等、公知の画像縮小処理によって、原画像データDを縮小倍率Rsで縮小させる。縮小処理部103は、例えば原画像データDの主走査方向の画素数を1/8に減少させ、副走査方向の画素数を1/8に減少させることによって、縮小画像データDsを生成する。この場合の縮小倍率Rsは、(1/8)×(1/8)=1/64となる。
縮小度数分布取得部104は、縮小処理部103により生成された縮小画像データDsに基づいて、縮小画像データDsの各画素の色を統計における階級に割り当て、縮小画像データDsにおける各色の出現頻度を度数とする度数分布を、縮小度数分布(縮小度数分布情報)として取得する。
ここで、度数分布とは、標本がある変量を有するときに、変量の範囲を複数の階級に区分し、各階級に属する変量を有する標本の数を、度数(出現頻度)として数え、階級と度数とを対応付けた情報である。縮小度数分布取得部104は、画素を標本とし、画素の色を表す画素値を変量とし、色すなわち画素値を複数の範囲に区分して階級とする。なお、階級は一定の幅のある範囲である必要はなく、画素値すなわち色と、階級とが1対1で対応していてもよい。
例えば、赤、青、黄の三色で構成された原画像データDがあった場合、赤、青、黄が階級となり、縮小画像データDsに含まれる赤、青、黄の画素の数が、各階級の度数(出現頻度)となる。
このような階級を横軸に取り、度数を縦軸に取って、二次元の座標系に度数分布を表したものが、いわゆるヒストグラムとして知られている。
ところで、例えばA4サイズのシートPに原画像データDに基づき画像形成する際の、原画像データDの全画素数は、例えば33.2(M Pixel)、すなわち33.2×1024×1024=34812723画素というように、膨大な画素数となる。原画像データDについて上述の度数分布を取得するためには、このように膨大な画素の色(画素値)を1画素ずつ確認し、色毎に画素数を計数する必要があり、データ処理量が膨大となる。
一方、縮小度数分布取得部104は、縮小画像データDsに対しての度数分布を取得するため、原画像データDについて上述の度数分布を取得する場合と比べて縮小倍率Rsに応じてデータ処理量が減少する。例えば、縮小倍率Rsが1/64であれば、原画像データDについて上述の度数分布を取得する場合と比べて縮小画像データDsについて度数分布を取得するデータ処理量は1/64となる。
縮小特定色取得部105は、縮小度数分布取得部104によって取得された縮小度数分布に基づいて、予め設定された判定条件を満たす色を縮小特定色として取得する。具体的には、判定条件として、例えば縮小度数分布における出現頻度(画素数)が三番目に多いことが設定されている。すなわち、縮小特定色取得部105は、縮小度数分布において、三番目に出現頻度(画素数)が多い色を縮小特定色として取得する。この場合、縮小度数分布が処理対象の情報である。
文書原稿の原画像データDにおける色の出現頻度は、面積が最も大きい原稿の用紙の地色(背景色)の出現頻度が最も多く、2番目に、黒文字の出現頻度が多いと考えられる。そして、ロゴマークのような模様の色は、3番目に出現頻度が多いと考えられる。このような色の出現順序は、縮小画像データDsにおいても原画像データDと同様となる。
領域探索部106は、縮小画像データDsによって表される縮小画像の一部の領域であって、かつ縮小特定色取得部105によって取得された縮小特定色の画素を含む領域を、特定縮小領域として探索する。縮小画像の面積(画素数)に対する特定縮小領域の面積(画素数)比率は、縮小倍率Rsと等しい。
具体的には、領域探索部106は、縮小特定数取得部121、評価領域取得部122、評価計数部123、及び特定縮小領域取得部124から構成されている。
縮小特定数取得部121は、例えば縮小度数分布データから、縮小画像データDsに含まれる縮小特定色の画素の数を縮小特定画素数C0として取得する。
評価領域取得部122は、縮小画像の一部の領域を評価対象領域として取得する。
評価計数部123は、評価領域取得部122によって取得された評価対象領域に含まれる縮小特定色の画素の数を、評価特定画素数C1として計数する。
特定縮小領域取得部124は、縮小特定画素数C0と評価特定画素数C1とが実質的に等しい場合、評価領域取得部122によって前記評価対象領域の一部を新たな評価対象領域として取得する第1工程を実行させ、評価計数部123によって、新たな評価対象領域について評価特定画素数C1を新たに計数する第2工程を実行させ、第1工程で得られた新たな評価対象領域と第2工程で得られた新たな評価特定画素数とに基づき、再び第1及び第2工程を、縮小画像に対する評価対象領域の比率が縮小倍率Rs以下になるまで繰り返すことにより最後に得られた評価対象領域を、特定縮小領域とする。
縮小特定数取得部121、評価領域取得部122、評価計数部123、及び特定縮小領域取得部124によれば、縮小画像データDsによって表される縮小画像の一部の領域であって、かつ縮小特定色取得部105によって取得された縮小特定色の画素を含む領域を、特定縮小領域として探索することができる。
度数分布取得部107は、領域探索部106によって探索された特定縮小領域、すなわち特定縮小領域取得部124によって取得された特定縮小領域に基づいて、原画像データDにおける特定縮小領域と対応する領域である原画像特定領域の各画素の色を階級として割り当て、当該各色の出現頻度を表す度数分布である原画像度数分布(原画像度数分布情報)を取得する。度数分布取得部107が、度数分布を取得する方法は縮小度数分布取得部104と同様である。
原画像特定領域は、縮小画像を原画像と同じ大きさに拡大した場合におけるその拡大された画像上での特定縮小領域の位置と同じ、原画像上での位置、に対応する領域を意味する。
特定色取得部108は、度数分布取得部107によって取得された原画像度数分布に基づいて、上述の判定条件を満たす色を特定色として取得する。具体的には、判定条件として、例えば原画像度数分布における出現頻度(画素数)が三番目に多いことが設定されている。すなわち、特定色取得部108は、原画像度数分布において、三番目に出現頻度(画素数)が多い色を特定色として取得する。この場合、原画像度数分布が処理対象の情報である。
この場合、画像形成装置1によれば、度数分布取得部107が原画像データDにおける原画像度数分布を取得する際のデータ処理量を減少させることができるから、特定色を設定するためのデータ処理量を減少させることができる。
なお、特定色取得部108による特定色の判定、及び、縮小特定色取得部105による縮小特定色の判定に用いられる判定条件は、必ずしも処理対象の情報(原画像度数分布又は縮小度数分布)における出現頻度(画素数)が三番目に多いことでなくてもよい。判定条件は、処理対象の情報に基づいて、何らかの色を特定色として判定するための判定条件であればよく、処理対象の情報における出現頻度(画素数)が三番目に多いという条件に限定されない。
しかしながら、判定条件を、処理対象の情報(原画像度数分布又は縮小度数分布)における出現頻度(画素数)が三番目に多いこととすると、ロゴマーク等の模様の色を、特定色として取得できる可能性が高められる。
以下、画像形成制御部113における画像形成モードとして、模様カラーモードが設定された場合における画像形成装置1の動作について説明する。図3〜図9は、模様カラーモードにおける画像形成装置1の動作の一例を示したフローチャートである。
画像形成制御部113は、模様カラーモードの設定を受け付けると、画像処理用ASIC100へ、模様カラーモードでの動作を指示する。そして、画像処理用ASIC100は、模様カラーモードでの動作指示を受け付けると、以下の動作を実行する。
まず、画像データ取得部101は、原画像データDを取得する(ステップS1)。図10は、原画像データDによって表される文書原稿の原画像GDの一例を概念的に示した説明図である。原画像GDは、例えば、黒文字(C)が大部分を占め、原画像GDの左上に赤色のロゴマークG1の画像を含み、原画像GDの右上に”CONFIDENTIAL”を示すロゴマークG1と同じ赤色の文字図形G2の画像を含み、かつ背景(B)の色すなわち背景色が白である文書原稿の画像を表すデータである。
次に、縮小処理部103は、原画像データDを縮小倍率Rsで縮小し、縮小画像データDsを生成する(ステップS2)。図11は、縮小画像データDsによって表される縮小画像GDsの一例を概念的に示した説明図である。縮小倍率Rsは、例えば1/64である。図11に示す縮小画像GDsは、例えば、原画像GDが、主走査方向に1/8、副走査方向に1/8に縮小され、面積比で1/64に縮小されている。この場合、縮小画像データDsのデータ量も、原画像データDの縮小倍率Rs倍(1/64倍)にされている。
次に、縮小度数分布取得部104は、縮小画像データDsから縮小度数分布を取得する(ステップS3)。そうすると、縮小画像GDsは、面積比で背景色である白色の面積(画素数)が最も大きく、その次に文字色である黒色の面積(画素数)が最も大きく、三番目に、ロゴマークG1及び文字図形G2の色である赤色の面積(画素数)が大きいから、縮小度数分布は、出現頻度(画素数)が最も多い色として白色を示し、出現頻度(画素数)が二番目に多い色として黒色を示し、出現頻度(画素数)が三番目に多い色として赤色を示す。
次に、縮小特定色取得部105は、縮小度数分布において出現頻度(画素数)が三番目に多い色、例えば縮小画像データDsにおける赤色を縮小特定色として取得する(ステップS4)。すなわち、縮小画像GDsにおけるロゴマークG1及び文字図形G2の色が、縮小特定色取得部105によって縮小特定色として取得されることになる。
なお、縮小処理部103が原画像データDを縮小して縮小画像データDsを生成する際に、複数の画素を一つの画素に置き換えるときに補間処理等によって、置き換えられる一つの画素の色を決定する。そのため、縮小特定色は、ロゴマークG1、及び文字図形G2の実際の色とは、色合いが変わっている可能性がある。
次に、縮小特定数取得部121は、縮小度数分布を示すデータから、縮小画像データDsに含まれる縮小特定色の画素数を、縮小特定画素数C0として取得する(ステップS5)。
次に、評価領域取得部122は、初期処理として、縮小画像データDsの全領域を評価対象領域A0とする(ステップS6)。
次に、評価領域取得部122は、例えば図12(a)に示すように、評価対象領域A0を新たな評価対象領域(例えば領域A1)と、対象外領域(例えば領域A2)とに分割する(ステップS10)。すなわち、評価領域取得部122は、評価対象領域A0の一部を新たな評価対象領域として取得する。ステップS10は、第1工程の一例に相当している。
具体的には、評価領域取得部122は、例えば図13に示す評価対象領域A0(図13に示す例では縮小画像GDs全体が評価対象領域A0)を、主走査方向と副走査方向とのうち辺が長い(画素数が多い)方向、例えば図13に示す例では副走査方向に面積比が1/2になるように二つの領域A1,A2に分割する。そして、副走査方向上流側の領域A1を新たな評価対象領域とし、領域A2を対象外領域とする。
以下、説明を容易にするため、原画像GD及び縮小画像GDsにおける主走査方向上流側を左、主走査方向下流側を右、副走査方向上流側を上、副走査方向下流側を下、と称する。また、図12(b)に示すように、評価対象領域A0を、左右に領域A1と領域A2とに分割し、一方を新たな評価対象領域、他方を対象外領域とする分割方法を[(A)左右]と称する。また、図12(a)に示すように、評価対象領域A0を、上下に領域A1と領域A2とに分割し、一方を新たな評価対象領域、他方を対象外領域とする分割方法を、[(B)上下]と称する。
[(A)左右]、及び[(B)上下]のいずれの分割方法でも、領域A1と領域A2とが等しい面積(画素数)になるように、すなわち新たな評価対象領域と対象外領域とが等しい面積(画素数)になるように、評価対象領域A0が1/2に分割される。
次に、評価計数部123は、評価対象領域に含まれる縮小特定色の画素数を、評価特定画素数C1として計数する(ステップS11)。ステップS11は、第2工程の一例に相当している。
次に、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とを比較する(ステップS12)。そして、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しい場合(ステップS12でYES)、特定縮小領域取得部124は、特定画像は評価対象領域内に有ると判定し(ステップS13)、ステップS14へ移行する。
なお、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しい、とは、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0との差を許容するために予め設定された誤差値をXとした場合、評価特定画素数C1が、(C0−X)以上、かつ(C0+X)以下の範囲内であることを意味する。
ステップS14において、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域のサイズ(評価対象領域の面積又は評価対象領域に含まれる全画素数)が、縮小画像GDsのサイズ(縮小画像GDsの面積又は縮小画像GDsに含まれる全画素数)の縮小倍率Rs倍であるか否かを確認する(ステップS14)。
そして、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍以下であった場合(ステップS14でYES)、特定縮小領域取得部124は、現在の評価対象領域を特定縮小領域とするべくステップS31へ移行する。一方、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍より大きい場合(ステップS14でNO)、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域が領域A1であれば領域A1を評価対象領域A0とし、評価対象領域が領域A2であれば領域A2を評価対象領域A0として再びステップS10以下の処理を繰り返す。
これにより、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しい場合(ステップS12でYES)、ステップS10(第1工程)、S11(第2工程)を、縮小画像に対する評価対象領域の比率が縮小倍率Rs率以下になるまで繰り返させる。
例えば、図13に示す領域A1が評価対象領域である場合、領域A1のサイズは縮小画像GDsの1/2であり、縮小画像GDsのサイズの1/64より大きいので、ステップS10へ移行する。
ステップS10において、評価領域取得部122は、例えば図12(a)に示すように、新たな評価対象領域A0を新たな評価対象領域(例えば領域A1)と、対象外領域(例えば領域A2)とに分割する(ステップS10)。具体的には、図14に示すように、評価対象領域A0を左右に新たな評価対象領域(例えば領域A1)と、対象外領域(例えば領域A2)とに分割する。
そして、評価計数部123によって、評価対象領域(図14に示す領域A1)に含まれる縮小特定色の画素数が、評価特定画素数C1として計数され(ステップS11)、ステップS12へ移行する。
一方、ステップS12において、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しくなかった場合(ステップS12でNO)、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1が0か否かを確認する(ステップS15)。評価特定画素数C1が0であった場合(ステップS15でYES)、特定縮小領域取得部124は、特定画像は対象外領域に有ると判定し、評価対象領域と、対象外領域とを入れ替えて、再びステップS11へ移行する(ステップS16)。例えば領域A1が評価対象領域、領域A2が対象外領域であった場合、領域A1を対象外領域とし、領域A2を評価対象領域とする。
他方、ステップS15において、評価特定画素数C1が0でなかった場合(ステップS15でNO、特定縮小領域取得部124は、特定画像は評価対象領域と対象外領域との両方に跨がって存在すると判定し、ステップS17へ移行する。
例えば図14に示す例では、評価対象領域である領域A1には、文字図形G2が含まれないので、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しくならず(ステップS12でNO)、かつ評価対象領域である領域A1にはロゴマークG1が含まれているので、評価特定画素数C1は0ではない(ステップS15でNO)から、ステップS17へ移行する。
ステップS17において、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域と、対象外領域との分割方法を変更する。例えば、特定縮小領域取得部124は、図12(a)に示すように評価対象領域と、対象外領域とを上下方向に分割([(B)上下])していた場合は、図12(b)に示すように、評価対象領域と、対象外領域とを左右方向に分割([(A)左右])し直して、ステップS18へ移行する。また、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域と、対象外領域とを左右方向に分割([(A)左右])していた場合は、評価対象領域と、対象外領域とを上下方向に分割([(B)上下])し直して、ステップS18へ移行する。
例えば図14に示す例では、評価対象領域と対象外領域とが左右方向に分割([(A)左右])されているので、評価対象領域A0は、図15に示すように、新たな評価対象領域(領域A1)と、対象外領域(領域A2)とに、上下方向に分割([(B)上下])し直される。
ステップS18において、特定縮小領域取得部124は、[(A)左右]、及び[(B)上下]のいずれかの分割方法で、まだステップS11,S12,S15を実行していなかった場合(ステップS18でNO)、ステップS11へ移行する。一方、特定縮小領域取得部124は、[(A)左右]、及び(B)上下の両方の分割方法で、すでにステップS11,S12,S15を実行済みの場合(ステップS18でYES)、すなわち[(A)左右]、及び[(B)上下]のいずれの分割方法でも、特定画像が評価対象領域に有ると判定できなかった場合、分割方法を変更するべくステップS21へ移行する。
ステップS21において、特定縮小領域取得部124は、例えば図12(c)に示すように、評価対象領域A0を、評価対象領域A0における中央部分の帯状の領域A1と、領域A1の上下に分かれた領域A2とに分割する。そして、特定縮小領域取得部124は、領域A1を新たな評価対象領域とする(ステップS21)。
以下、図12(c)に示すように、評価対象領域A0を、評価対象領域A0の中央部を左右方向に延びる帯状の領域A1と、領域A1の上下に分かれた領域A2とに分割し、一方を評価対象領域、他方を対象外領域とする分割方法を[(C)中央(ヨコ)]と称する。また、図12(d)に示すように、評価対象領域A0を、評価対象領域A0の中央部を上下方向に延びる帯状の領域A1と、領域A1の左右に分かれた領域A2とに分割し、一方を評価対象領域、他方を対象外領域とする分割方法を[(D)中央(タテ)]と称する。[(C)中央(ヨコ)]、及び[(D)中央(タテ)]のいずれの分割方法でも、領域A1と領域A2とが等しい面積(画素数)になるように、すなわち新たな評価対象領域と対象外領域とが等しい面積(画素数)になるように、評価対象領域A0が1/2に分割される。
次に、評価計数部123は、評価対象領域に含まれる縮小特定色の画素数を、評価特定画素数C1として計数する(ステップS22)。
次に、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とを比較する(ステップS23)。そして、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しい場合(ステップS23でYES)、特定縮小領域取得部124は、特定画像は評価対象領域内に有ると判定し(ステップS24)、ステップS25へ移行する。
ステップS25において、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域のサイズ(評価対象領域の面積又は評価対象領域に含まれる全画素数)が、縮小画像GDsのサイズ(縮小画像GDsの面積又は縮小画像GDsに含まれる全画素数)の縮小倍率Rs倍であるか否かを確認する(ステップS25)。
そして、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍以下であった場合(ステップS25でYES)、特定縮小領域取得部124は、現在の評価対象領域を特定縮小領域とするべくステップS31へ移行する。一方、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍より大きい場合(ステップS25でNO)、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域が領域A1であれば領域A1を評価対象領域A0とし、評価対象領域が領域A2であれば領域A2を評価対象領域A0として再びステップS10以下の処理を繰り返す。
一方、ステップS23において、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しくなかった場合(ステップS23でNO)、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1が0か否かを確認する(ステップS26)。評価特定画素数C1が0であった場合(ステップS26でYES)、特定縮小領域取得部124は、特定画像は対象外領域(図12(c)に示す領域A2)に有ると判定し、ステップS27へ移行する。
ステップS27において、評価領域取得部122は、図12(c)に示す上下両端の領域A2を、新たな評価対象領域とする。そして、評価領域取得部122は、上下両端フラグFLG1をオン(1)させ(ステップS27)、ステップS41へ移行する。
一方、ステップS26において、評価特定画素数C1が0でなかった場合(ステップS26でNO)、特定縮小領域取得部124は、領域不明フラグFLG2をオン(1)させ(ステップS28)、ステップS41へ移行する。
ステップS41において、特定縮小領域取得部124は、例えば図12(d)に示すように、評価対象領域A0を、評価対象領域A0における中央部分の帯状の領域A1と、領域A1の左右に分かれた領域A2とに分割する[(D)中央(タテ)]。そして、特定縮小領域取得部124は、領域A1を新たな評価対象領域とする(ステップS41)。
次に、評価計数部123は、評価対象領域に含まれる縮小特定色の画素数を、評価特定画素数C1として計数する(ステップS42)。
次に、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とを比較する(ステップS43)。そして、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しい場合(ステップS43でYES)、特定縮小領域取得部124は、特定画像は評価対象領域内に有ると判定し(ステップS44)、ステップS45へ移行する。
ステップS45において、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域のサイズ(評価対象領域の面積又は評価対象領域に含まれる全画素数)が、縮小画像GDsのサイズ(縮小画像GDsの面積又は縮小画像GDsに含まれる全画素数)の縮小倍率Rs倍であるか否かを確認する(ステップS45)。
そして、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍以下であった場合(ステップS45でYES)、特定縮小領域取得部124は、現在の評価対象領域を特定縮小領域とするべくステップS31へ移行する。一方、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍より大きい場合(ステップS45でNO)、特定縮小領域取得部124は、評価対象領域が領域A1であれば領域A1を評価対象領域A0とし、評価対象領域が領域A2であれば領域A2を評価対象領域A0として再びステップS10以下の処理を繰り返す。
一方、ステップS43において、評価特定画素数C1と縮小特定画素数C0とが実質的に等しくなかった場合(ステップS43でNO)、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1が0か否かを確認する(ステップS46)。評価特定画素数C1が0であった場合(ステップS46でYES)、特定縮小領域取得部124は、特定画像は対象外領域(図12(d)に示す領域A2)に有ると判定し、ステップS47へ移行する。
ステップS47において、評価領域取得部122は、図12(d)に示す左右両端の領域A2を、新たな評価対象領域とする。そして、評価領域取得部122は、左右両端フラグFLG3をオン(1)させ(ステップS47)、ステップS51へ移行する。
一方、ステップS46において、評価特定画素数C1が0でなかった場合(ステップS46でNO)、特定縮小領域取得部124は、領域不明フラグFLG4をオン(1)させ(ステップS48)、ステップS51へ移行する。
ステップS51において、特定縮小領域取得部124は、上下両端フラグFLG1と左右両端フラグFLG3とを確認し(ステップS51)、上下両端フラグFLG1及び左右両端フラグFLG3が両方ともオン(1)であれば(ステップS51でYES)、特定縮小領域取得部124は、例えば図16(a)に示すように、評価対象領域A0を、主走査方向に4等分、副走査方向に4等分して得られる16個の領域のうち、特定画像は、図16(a)に斜線で示す評価対象領域A0の4隅の領域である対角領域B1,B2,B3,B4のいずれか一つに有ると判定する(ステップS511)。
次に、評価計数部123は、対角領域B1,B2,B3,B4に含まれる縮小特定色の画素数を、それぞれ計数する(ステップS512)。
次に、評価領域取得部122は、対角領域B1,B2,B3,B4のうち、縮小特定色の画素数が最大の領域を新たな評価対象領域A0とし(ステップS513)、ステップS61へ移行する。
一方、上下両端フラグFLG1及び左右両端フラグFLG3の何れかがオフ(0)であれば(ステップS51でNO)、特定縮小領域取得部124は、上下両端フラグFLG1と領域不明フラグFLG4とを確認する(ステップS52)。そして、上下両端フラグFLG1及び領域不明フラグFLG4が両方ともオン(1)であれば(ステップS52でYES)、特定縮小領域取得部124は、例えば図16(b)に示すように、評価対象領域A0を、副走査方向に4等分して得られる4個の領域のうち、特定画像は、図16(b)に示す評価対象領域A0の上下両端の領域B5,B6のいずれか一つに有ると判定する(ステップS521)。
次に、評価計数部123は、上下両端の領域B5,B6に含まれる縮小特定色の画素数を、それぞれ計数する(ステップS522)。
次に、評価領域取得部122は、上下両端の領域B5,B6のうち、縮小特定色の画素数が多い方の領域を新たな評価対象領域A0とし(ステップS523)、ステップS61へ移行する。
一方、上下両端フラグFLG1及び領域不明フラグFLG4の何れかがオフ(0)であれば(ステップS52でNO)、特定縮小領域取得部124は、領域不明フラグFLG2及び左右両端フラグFLG3を確認する(ステップS53)。そして、領域不明フラグFLG2及び左右両端フラグFLG3が両方ともオン(1)であれば(ステップS53でYES)、特定縮小領域取得部124は、例えば図16(c)に示すように、評価対象領域A0を、主走査方向に4等分して得られる4個の領域のうち、特定画像は、図16(c)に示す評価対象領域A0の左右両端の領域B7,B8のいずれか一つに有ると判定する(ステップS531)。
次に、評価計数部123は、左右両端の領域B7,B8に含まれる縮小特定色の画素数を、それぞれ計数する(ステップS532)。
次に、評価領域取得部122は、左右両端の領域B7,B8のうち、縮小特定色の画素数が多い方の領域を新たな評価対象領域A0とし(ステップS533)、ステップS61へ移行する。
一方、領域不明フラグFLG2及び左右両端フラグFLG3の何れかがオフ(0)であれば(ステップS53でNO)、特定縮小領域取得部124は、領域不明フラグFLG2及び領域不明フラグFLG4を確認する(ステップS54)。そして、領域不明フラグFLG2及び領域不明フラグFLG4が両方ともオン(1)であれば(ステップS54でYES)、特定縮小領域取得部124は、例えば図16(d)に示すように、評価対象領域A0を、主走査方向に2等分、副走査方向に2等分して得られる4個の領域B9,B10,B11,B12のうち、いずれか一つに特定画像が有ると判定する(ステップS541)。
次に、評価計数部123は、領域B9,B10,B11,B12に含まれる縮小特定色の画素数を、それぞれ計数する(ステップS542)。
次に、評価領域取得部122は、領域B9,B10,B11,B12のうち、縮小特定色の画素数が最大の領域を新たな評価対象領域A0とし(ステップS543)、ステップS61へ移行する。
ステップS61において、評価計数部123は、評価対象領域A0に含まれる縮小特定色の画素数を、評価特定画素数C1として計数する(ステップS61)。
次に、特定縮小領域取得部124は、評価特定画素数C1と、縮小特定画素数C0の4分の1((C0)/4)とを比較する(ステップS62)。そして、評価特定画素数C1が縮小特定画素数C0の4分の1を超えなかった場合(ステップS62でNO)、評価対象領域A0には、縮小画像GDsに含まれる縮小特定色の全画素のうち、1/4以下の画素しか含まれていないことになるから、特定縮小領域取得部124は、特定縮小領域の探索に失敗したと判断し(ステップS64)、処理を終了する。
なお、評価特定画素数C1が縮小特定画素数C0の1/4を超えなかった場合に特定縮小領域の探索に失敗したと判断する例を示したが、1/4は予め設定された比率の一例である。1/4の代わりに、予め設定された比率として、例えば1/8を用いてもよく、1/10を用いてもよく、その他適宜設定された比率を用いてもよい。
ステップS14,S25,S45,S63のいずれかにおいて、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍以下であった場合、特定縮小領域取得部124は、現在の評価対象領域を特定縮小領域とする(ステップS31)。
度数分布取得部107は、特定縮小領域取得部124によって取得された特定縮小領域に基づいて、原画像データDにおける特定縮小領域と対応する領域である原画像特定領域の各画素の色を階級として割り当て、当該各色の出現頻度を表す度数分布である原画像度数分布を取得する(ステップS32)。
この場合、特定縮小領域の縮小画像に対する面積比(画素数比)は、縮小倍率Rsと等しく、例えば1/64であるから、原画像特定領域の原画像に対する面積比(画素数比)もまた縮小倍率Rsと等しく、例えば1/64となる。従って、度数分布取得部107が原画像データDにおける原画像度数分布を取得する際、原画像データDの縮小倍率Rs倍(例えば1/64倍)のデータ量を処理対象とすることになるので、原画像データD全体のデータ量を処理対象とする場合と比べて、度数分布を取得するデータ処理量を例えば1/64に減少させることができる。
次に、特定色取得部108は、原画像度数分布における、出現頻度(画素数)が、一番多い色を原稿の下地色とし、二番目に多い色を文字色とし、三番目に多い色を特定色として取得する(ステップS33)。そして、特定色取得部108は、特定色を示す情報を、画像形成制御部113へ出力する。
この場合、ステップS32において、度数分布取得部107が原画像データDにおける原画像度数分布を取得する際のデータ処理量を減少させることができるから、特定色を設定するためのデータ処理量を減少させることができる。また、縮小されていない原画像データDにおける原画像度数分布に基づき、特定色が取得されるので、ロゴマーク等の模様の色(特定画像の色)が、精度よく特定色として取得される。
次に、画像形成制御部113は、画像形成部2によって、原画像データDに含まれる特定色の画素をカラートナーによってシートPに形成させ、かつ原画像データDに含まれる特定色(及び下地色)以外の画素を黒トナーによってシートPに形成させる(ステップS34)。
以上、ステップS1〜S64の処理によれば、縮小処理部103によって、原画像データDにより表されるカラー画像が縮小倍率Rsで縮小され、原画像データDより画素数が少ない縮小画像データDsが生成される。そして、縮小度数分布取得部104によって、縮小画像データDsについて、色の出現頻度を表す縮小度数分布が取得される。この場合、背景技術のように、目的とするカラー画像全体に含まれるすべての画素について各画素が示す色毎に画素数を計数するよりも、処理対象となるデータ量(画素数)を減少させることができるので、データ処理量を減少させることができる。
また、縮小特定色取得部105によって、縮小度数分布に基づき、所定の判定条件を満たす色、例えばロゴマーク等の模様の色と考えられる色が縮小特定色として取得される。そして、縮小画像GDsの一部の領域であって、かつ縮小特定色の画素を含む領域が、領域探索部106によって特定縮小領域として探索される。これにより、縮小画像GDs中、例えばロゴマーク等の模様が存在する一部の狭い領域(位置)が特定縮小領域として特定される。
ここで、縮小画像GDsは原画像GDを縮小した画像であるから、特定縮小領域を原画像GDと対応するように縮小倍率Rsの逆数で拡大して原画像データDに対応させた原画像特定領域に、例えばロゴマーク等の模様が存在すると考えられる。そこで、度数分布取得部107は、原画像データDにおける原画像特定領域の各画素の色を階級として割り当て、当該各色の出現頻度を表す度数分布である原画像度数分布を取得する。
これにより、原画像データDにおける、例えばロゴマーク等の模様が存在すると考えられる狭い領域のみに限定して、原画像データDから原画像度数分布が取得されるので、背景技術のように、目的とするカラー画像全体に含まれるすべての画素について各画素が示す色毎に画素数を計数するよりも、処理対象となるデータ量(画素数)が減少する。その結果、データ処理量を減少させることができる。
さらに、特定色取得部108によって、原画像データDから得られた原画像度数分布において判定条件を満たす色、例えばロゴマーク等の模様の色と考えられる色が特定色として取得される。この場合、縮小特定色は、縮小処理が施された縮小画像データDsに基づき取得されているので、縮小処理に伴い、原画像データDにおける模様の色から微妙に変化しているおそれがある。しかしながら、特定色は、原画像データDから得られた原画像度数分布に基づき取得されているので、例えばロゴマーク等の模様の色を特定する精度が向上する。
また、ステップS34の処理によれば、例えばロゴマークなどの、ユーザーがカラーで印刷したいニーズのある模様部分をカラートナーによって特定色(カラー)で画像形成し、それ以外の画像は低コストの黒トナーによって画像形成することができるので、画像形成コストを低減しつつ、ユーザーのニーズを満たすことが可能となる。
なお、縮小倍率Rsは、2の累乗分の一であることが望ましい。縮小倍率Rsが、2の累乗分の一である場合、ステップS14,S25,S45,S63において、評価対象領域のサイズが、縮小画像GDsのサイズの縮小倍率Rs倍と等しくなった場合に、ステップS31へ移行して、現在の評価対象領域が特定縮小領域とされることになる。
この場合、縮小画像GDsのサイズに対する特定縮小領域のサイズの比率は、縮小倍率Rsと等しい。そして、縮小画像GDsのサイズに対する特定縮小領域のサイズの比率が、縮小倍率Rsと等しいと、縮小画像データDsのデータ量と、原画像特定領域に含まれる原画像データDのデータ量とが略等しくなる。
そうすると、縮小度数分布取得部104による縮小画像データDsに基づく縮小度数分布の取得処理におけるデータ処理量と、度数分布取得部107による原画像データDの原画像特定領域に基づく原画像度数分布の取得処理におけるデータ処理量とが、略等しくなる。この二つの度数分布取得処理は、ステップS1〜S64の特定色取得処理において、最もデータ処理量の多い処理である。従って、この二つの度数分布取得処理のデータ処理量を略等しくすることによって、画像処理用ASIC100のデータ処理負荷を平準化することができる。
また、画像処理用ASIC100のデータ処理負荷を平準化することができれば、縮小度数分布取得部104及び度数分布取得部107を、論理回路や演算回路等のハードウェア回路によって構成することが容易となる。
また、ステップS12,S23,S43において、縮小特定画素数C0と評価特定画素数C1とが実質的に等しくない場合、ステップS16、S17、S27、S47、S511〜S543によって、評価領域取得部122によって前回取得された評価対象領域とは異なる評価対象領域の一部が新たな評価対象領域として取得され、新たな評価対象領域について特定縮小領域の探索が行われるので、特定縮小領域を特定できる可能性が高められる。