以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について、図面を用いて説明する。尚、本実施形態では、画像形成装置として、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の各色トナーを用いたフルカラー印刷を行うカラー画像形成装置が例示されている。
尚、画像形成装置1は、レッド、グリーン、ブルー、及びブラックの各色トナーを用いたフルカラー印刷を行ってもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略断面図である。画像形成装置1は、画像読取部200と画像形成本体部22とを備える。画像読取部200は、原稿給紙部210と、スキャナ部220と、CIS231と、画像形成本体部22の前面に露出するように配置されたユーザインタフェース部Iと、後述する反転機構を備えてなる。
原稿給紙部210は、ADF(Automatic Document Feeder)を備え、原稿トレイ211、ピックアップローラ212、プラテン213、排紙ローラ214及び排紙トレイ215を有する。原稿トレイ211には、読取対象とされる原稿が載置される。原稿トレイ211に載置された原稿は、1枚ずつピックアップローラ212によって取り込まれ、間隙を介して順次プラテン213へ搬送される。プラテン213を経由した原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215へ順次排出される。
前記プラテン213の周面に対向する位置のうち、原稿の搬送方向において読取位置Pより手前の予め定められた位置には、用紙を検出する図略のタイミングセンサが設置されており、該タイミングセンサの出力要求に基づき、前記読取位置Pへの原稿の搬送タイミングが図られる。前記タイミングセンサは、例えばフォトインタラプタにより構成される。
スキャナ部220は、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。スキャナ部220は、ガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、CCD(Charged Coupled Device)229を備える。
このスキャナ部220は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプが用いられ、前記第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿からの光をCCD229に導く。スキャナ部220は、光源222として冷陰極蛍光管等の白色蛍光ランプを用いて構成されていることから、光源として3色LED等が用いられる後述のCIS231よりも色再現性に優れる。
ガラス221には、前記原稿給紙部210によらない原稿読取時に、ユーザの手動により原稿が載置される。光源222及び第1ミラー223は第1キャリッジ226によって支持され、第2ミラー224及び第3ミラー225は第2キャリッジ227によって支持されている。
画像読取部200の原稿読取方式として、ガラス221上に載置された原稿をスキャナ部220が読み取るフラットベッド読取モードと、原稿を原稿給紙部210(ADF)によって取り込み、その搬送途中で原稿を読み取るADF読取モードがある。
フラットベッド読取モードでは、光源222がガラス221上に載置された原稿を照射し、主走査方向1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。
CCD229は一次元のイメージセンサであり、1ライン分の原稿の画像データを重複して処理する。第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)に移動可能に構成されており、1ライン分の読み取りが終了すると、副走査方向に第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227が移動し、次のラインの読み取りが行われる。
ADF読取モードでは、原稿給紙部210が原稿トレイ211に載置された原稿をピックアップローラ212によって1枚ずつ取り込む。このとき、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227は、読取窓230の下方に位置する予め定められた読取位置Pに配置される。
原稿給紙部210による原稿搬送で、原稿がプラテン213から排紙トレイ215への搬送経路に設けられた読取窓230上を通過するとき、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。続いて原稿は原稿給紙部210によって搬送され、次のラインが読み取られる。
更に、原稿給紙部210は、切換ガイド216、反転ローラ217及び反転搬送路218を備えた反転機構を有する。この反転機構が、1回目のADF読み取りによって表面が読み取られた原稿を表裏反転させて読取窓230に再搬送することで、再度CCD229によって裏面の読み取りが行われる。
この反転機構は、両面読み取り時にのみ動作し、片面読み取り時は動作しない。片面読み取り時及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、切換ガイド216は上側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は、排紙ローラ214によって排紙トレイ215に排紙される。
両面読み取り時における表面読み取り後、切換ガイド216は下側に切り替えられ、プラテン213を経た原稿は反転ローラ217によって反転搬送路218へ搬送される。その後、切換ガイド216は上側へ切り替わり、反転ローラ217が逆回転して原稿をプラテン213へ再給紙する。以下、反転機構を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面反転読取モードと表記する。
更に、本実施形態の画像読取部200は、ADF読取モード時において、前述したように原稿の搬送途中でCCD229(スキャナ部220)によって原稿の表面の読み取りを行わせると略重複して(略並行して)、CIS231によって原稿の裏面の読み取りを行わせることが可能である。この場合、原稿トレイ211から原稿給紙部210により搬送された原稿は、読取窓230上を通過するときにCCD229によって表面が読み取られ、更にCIS231の配置箇所を通過する際に裏面が読み取られる。なお、CIS231では、光源としてRGBの3色LED等が用いられる。
このようにCCD229とCIS231を用いることで、原稿給紙部210による原稿トレイ211から排紙トレイ215までの一回の原稿搬送操作(ワンパス)によって原稿の表裏両面の読み取りが可能となる。以下、このようにCCD229とCIS231を用いて原稿の両面を読み取らせるモードを両面同時読取モードと表記する。
この両面反転読取モード及び両面同時読取モードは、ADF読取モードを用いて原稿の両面読み取りを行う際の読取モードとして備えられている。両面反転読取モードは、両面の印刷画像の画質を揃えたい場合に利用される一方、両面同時読取モードは、両面の印刷画像の画質に差があっても、読取時間の短縮化を優先させたい場合に利用される。なお、本実施形態における画像形成装置1は、両面同時読取モードに初期設定されており、前記読取モードのモード設定操作が何も行われないまま画像形成指示が入力された場合には、両面同時読取モードで原稿の画像読取動作が行われるようになっている。
画像形成装置1は、画像形成本体部22と、画像形成本体部22の左方に配設されたスタックトレイ6とを有している。画像形成本体部22は、複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から記録紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部40へ搬送する給紙ローラ462と、給紙カセット461から搬送されてきた記録紙に画像を形成する画像形成部40とを備える。また、画像形成本体部22は、給紙トレイ471と該給紙トレイ471に載置された原稿を1枚ずつ画像形成部40に向けて繰り出す繰り出しローラ472とを備える。
画像形成部40は、感光体ドラム43の表面から残留電荷を除電する除電装置421と、除電後の感光体ドラム43の表面を帯電させる帯電装置422と、スキャナ部220で取得された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43の表面を露光し、当該感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置423と、前記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色のトナー像を形成する現像装置44K,44Y,44M,44Cと、感光体ドラム43に形成された各色のトナー画像が転写されて重ね合わせされる転写ドラム49と、転写ドラム49上のトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。
なお、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色の供給は、図略のトナーカートリッジから行われる。また、画像形成部40を通過した記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463,464等が設けられている。
記録紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部40で記録紙の一方の面に画像を形成した後、この記録紙を排出トレイ48側の搬送ローラ463にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ463を反転させて記録紙をスイッチバックさせ、記録紙を用紙搬送路Lに送って画像形成部40の上流域に再度搬送し、画像形成部40により他方の面に画像を形成した後、記録紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48に排出する。
図2は、画像形成装置1の機能モジュールの一例を示したブロック図である。
画像形成装置1では、後述の構成要素がバスBに接続されている。当該画像形成装置1は、画像処理用ASIC10、先述したインタフェース部I、システム制御部14、画像読取制御部15、画像形成制御部(制御部)16、管理部17、操作制御部19、及び設定部20を備える。
画像形成用ASIC10は、画像データ取得部11、度数分布取得部12、及び色設定部13を備える。画像データ取得部11は、カラー画像を表す画像データを取得し、当該画像データをなす各画素の色を、予め設定された3つの要素色、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、及び、イエロー(Y)の濃度値によって表す。また、画像データ取得部11は、各濃度値を、予め定められた基本ビット数、例えば8ビットで表す。
尚、画像データ取得部11は、画像データを、レッド、グリーン、及びブルーの濃度値によって表してもよい。この場合においても、レッド、グリーン、ブルーの各濃度値を、基本ビット数、例えば、8ビットで表す。
ここにおいて、画像データ取得部11により取得される画像データとしては、例えば、画像読取部200により得られた画像データや、図示しない通信相手先のファクシミリ装置やパーソナルコンピュータから受信した画像データ、さらにこれらの画像データに裏写り除去などの中間画像処理が施された画像データが挙げられる。
度数分布取得部12は、画像データ取得部11により取得された画像データに基づいて、当該画像データの各画素についての色を階級とし、当該各色の出現頻度を表す度数分布を取得する。
かかる構成の画像形成用ASIC10は、画像データ取得部11により取得された画像データについて、予め定められた画像処理を施す。例えば、画像形成用ASIC10は、画像データにおける背景色を予め定められた色に変更する背景色変更処理を施す(例えば、特開平11−187266号公報参照)。
かかる背景色変更処理は、カラー画像の元原稿において下地の濃度が濃い場合や、元原稿の裏ページが透けて見える場合など、カラー画像において背景色、例えば白色であるべき画素が別の色の画素となっている場合に、当該画素の色を白色に置き換えるものである。
色設定部13は、度数分布取得部12によって取得された度数分布において、各色の出現頻度に基づいて、模様色を設定する。尚、色設定部13の処理の詳細については後述する。
ユーザインタフェース部Iは、複数の操作ボタンからなる操作入力部(識別情報入力部)18と、LEDやタッチパネルなどで構成された表示部5とを備えている。そして、操作制御部19は、操作入力部18の操作ボタンの操作を受け付けて、当該操作に基づいた表示を表示部5により行う他、操作入力部18の操作ボタンの操作に応じたコマンドをバスBに送るものである。
システム制御部14は、画像形成装置1を統括的に制御するために配置されている。また、画像読取制御部15は、画像読取部200による画像読取を制御するために配置されている。
管理部17は、例えば、RAMを用いて構成された記憶装置である。管理部17には、ユーザの識別情報、例えば、IDコードが予め登録されており、モノクロコピーのみ実行可能なユーザの識別情報と、モノクロコピー及びフルカラーコピーが実行可能なユーザの識別情報とが、区分されて登録されている。尚、管理部17には、必ずしも、モノクロコピー及びフルカラーコピーが実行可能なユーザの識別情報を登録させる必要はない。
ここにおいて、モノクロコピーは、画像データをブラック(K)の色トナーのみを用いて印刷することにより、当該画像データを白黒画像として記録紙上に形成するものである。一方で、フルカラーコピーは、画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、及びブラック(K)の各色トナーを用いて印刷することにより、当該画像データをカラー画像として記録紙上に形成するものである。
尚、フルカラーコピーは、レッド、グリーン、及びブルーの各色トナーを用いて印刷するものであってもよい。
設定部20は、操作入力部18の操作ボタンの操作に応じたコマンドがバスBに送られ、当該コマンドがモノクロコピーのみ実行可能なユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定を行うことを要求しているときには、当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定を行う。
具体的には、設定部20は、例えば、管理部17に対し、単一色特定模様印刷モードの実行を許容することを表す情報を、管理部17に登録されている当該ユーザを示す識別情報と対応させて登録させる。設定部20により、かかる設定が受け付けられたときには、画像形成制御部16は、当該ユーザに対して、単一色特定模様印刷モードの実行を許容する。
また、設定部20は、操作入力部18の操作ボタンの操作に応じたコマンドがバスBに送られ、当該コマンドがモノクロコピー及びフルカラーコピーが実行可能なユーザに対して、単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定を行うことを要求しているときには、当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定を行う。
具体的には、設定部20は、例えば、管理部17に対し、単一色特定模様印刷モードの実行を許容することを表す情報を、管理部17に登録されている当該ユーザを示す識別情報と対応させて登録させる。設定部20により、かかる設定が受け付けられたときには、画像形成制御部16は、当該ユーザに対して、単一色特定模様印刷モードの実行を許容する。
尚、設定部20は、必ずしも、モノクロコピー及びフルカラーコピーが実行可能なユーザに対して、単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定を行うことを要求する必要がなく、管理部17も、必ずしも、単一色特定模様印刷モードの実行を許容することを表す情報を、当該ユーザを示す識別情報と対応させて登録する必要はない。
また、画像形成制御部16は、画像形成部40による画像形成を制御するために配置されている。当該画像形成制御部16は、管理部17において、モノクロコピーのみ許容するユーザの識別情報として登録されている識別情報のユーザに対して、モノクロコピーを許容する他、当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定が設定部20によって受け付けられているときには、モノクロコピーの他に当該単一色特定模様印刷モードの実行を許容する。
さらに、画像形成制御部16は、管理部17において、モノクロコピー及びフルカラーコピーを許容するユーザの識別情報として登録されている識別情報のユーザに対して、モノクロコピー及びフルカラーコピーを許容する他、当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定が設定部20によって受け付けられているときには、当該単一色特定模様印刷モードの実行をも許容する。尚、画像形成制御部16は、モノクロコピー及びフルカラーコピーを許容するユーザに対して、必ずしも、単一色特定模様印刷モードの実行を許容する必要はない。
図3は、画像データ取得部11により取得され、背景色変更処理が施された画像データDの一例を概念的に示した図である。かかる画像データDは、例えば、記録紙の右上に位置するロゴマークLを表すデータを含む。かかるロゴマークLは、模様の1つであり、例えば、深緑色のロゴマークとされている。
尚、本実施形態では、模様として、ロゴマークLを例示しているが、これには限られず、単色のライン、例えば、赤アンダーラインや、一部の文字全体を蛍光色などの単色で塗りつぶしたマーカー部分であってもよい。
さらにまた、画像データDは、文字Cを表すデータや、背景Bを表すデータを含む。
ここにおいて、背景(B)には、背景(B)の背景色とは異なる色が、裏写りなどによって混在している場合が考えられるが、このように混在した色は、先述の背景色変更処理によって、背景色に変更される。したがって、画像データDに存在する色は、背景色、文字色、及び、ロゴマークLの模様色のみとなる。
図4は、画像データDの各画素の色の出現頻度を表したヒストグラム例である。図4(a)及び図4(c)は、複数色のロゴマークLが存在する画像データDの各画素の色の出現頻度を表したヒストグラムである。図4(b)は、単一色のロゴマークLが存在する画像データDの各画素の色の出現頻度を表したヒストグラムである。
尚、図4では、画像データDの全画素数は、551キロピクセルとされている。画像データDの各画素の色は、第1色から第6色までのいずれかの色とされており、各色が、背景色、文字色、及びロゴマークLの模様色のいずれかとされている。
図4(a)では、背景色である第1色の出現頻度が340と最も高く、文字色である第2色の出現頻度が150と第1色の出現頻度に続いている。
そして、ロゴマークLの色は、第3色、第4色、第5色、及び第6色であり、第3色の出現頻度が40と前記第2色に続いており、第4色の出現頻度が20と前記第3色に続いており、第5色及び第6色の出現頻度が0.5と前記第4色に続いている。
また、図4(b)では、背景色である第1色の出現頻度が340と最も高く、文字色である第2色の出現頻度が150と第1色の出現頻度に続いている。
そして、ロゴマークLの色は、第3色であり、第3色の出現頻度が60と前記第2色に続いており、第4色及び第5色の出現頻度が、第3色に比べて極めて低い出現頻度である0.5とされている。そして、第6色の出現頻度が0とされている。
そしてまた、図4(c)では、背景色である第1色の出現頻度が340と最も高く、文字色である第2色の出現頻度が150と第1色の出現頻度に続いている。
そして、ロゴマークLの色は、第3色、第4色、第5色、及び第6色であり、第3色の出現頻度が20と前記第2色に続いており、第4色の出現頻度が0.5と前記第3色に続いている。そして、第5色の出現頻度が0.4と前記第4色に続いており、第6色の出現頻度が0.3と前記第5色に続いている。
以下、画像形成装置1の処理について、図5〜図8を用いて説明する。図5〜図8は、画像形成装置1の基本処理の一例を示したフローチャートである。
尚、以下の説明において、背景Bの色が第1色、文字Cの色が第2色、ロゴマークLの色が、画像データDにおいて第2色よりも出現頻度が低い色であるとする。
そして、第2色よりも出現頻度が低い色は、画像データDにおいて第2色の次に出現頻度が高い第3色、当該第3色の次に出現頻度が高い第4色、当該第4色の次に出現頻度が高い第5色、及び、当該第5色の次に出現頻度が高い第6色であるとする。
画像形成装置1では、操作入力部18が、管理部17に予め登録されているユーザを示す識別情報の入力を受け付けたときには、画像形成制御部16が、当該ユーザのログインを許容する(ステップS1のYES)。
そして、画像形成装置1が画像データ取得部11により画像データDを取得したときに(ステップS2)、画像形成制御部16が、管理部17を参照することにより、ログインが許容されたユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定がなされているか否かを判断する(ステップS3)。
そして、当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定がなされていないときには(ステップS3のNO)、色設定部13は、ステップS22(図8参照)の処理に移る。
一方で、当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定がなされているときには(ステップS3のYES)、画像形成制御部16は、度数分布取得部12、色設定部13、及び、画像形成制御部16に、例えば、以下の処理を行わせる。
尚、画像形成制御部16は、ここでは、モノクロ印刷モードのみが許容されたユーザの識別情報が入力され、かつ当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定がなされているとき、及び、モノクロ印刷モード及びフルカラー印刷モードが許容されたユーザの識別情報が入力され、かつ、当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定がなされているときに、度数分布取得部12、色設定部13、及び、画像形成制御部16に以下の処理を行わせているが、モノクロ印刷モードのみが許容されたユーザの識別情報が入力され、かつ当該ユーザに対して単一色特定模様印刷モードの実行を許容する設定がなされているときにのみ、以下の処理を行わせてもよい。
度数分布取得部12は、画像データDの各画素についての色を階級とし、各色の出現頻度を表す度数分布を取得する(ステップS4)。そして、度数分布取得部12は、ステップS4において取得された度数分布において、各色の出現頻度をカウントする(ステップS5)。
ついで、色設定部13は、ステップS4において取得された度数分布において、最も出現頻度の高い色、例えば白色を背景色に設定し(ステップS6)、2番目に出現頻度の高い色、例えば黒色、グレー、紺色等を文字色に設定する(ステップS7)。そして、色設定部13は、度数分布において、3番目に出現頻度が高い色を第3色、4番目に出現頻度が高い色を第4色としてそれぞれ抽出する(ステップS8)。
そして、色設定部13は、第3色をロゴマークLの模様色の候補に設定して(ステップS9)、以下の処理を行う。
もし、カラー画像の全画素数と、背景色と考えられる第1色及び文字色と考えられる第2色それぞれの出現頻度の合計との差、つまり、第2色よりも出現頻度が低い色の出現頻度が大きければ、第2色よりも出現頻度が低い色と考えられる特定模様を印刷するための有彩色トナーの消費量が多くなる。このことは、印刷コスト削減の点から問題がある。
その一方、もし、第2色よりも出現頻度が低い色の出現頻度が低ければ、前記特定模様を印刷するための有彩色トナーの消費量を抑制することができる。この場合、第2色よりも出願頻度が低い色の有彩色トナーを用いて特定模様を印刷したときに、有彩色トナーを用いることによるコストの増大が小さい範囲で、ユーザにとって重要な意味を持つロゴマークLの色や、アンダーライン、マーカー等の色を記録紙上に忠実に再現することができる。
かかる観点から、色設定部13は、例えば、第1色の出現頻度と第2色の出現頻度の和(SUM1)を取得し(ステップS10)、カラー画像の全画素数から、第1色及び第2色それぞれの出現頻度の和(SUM1)を減じて得た値{(全画素数)−(SUM1)}を取得する(ステップS11)。
そして、色設定部13は、{(全画素数)−(SUM1)}が、予め定められた基準頻度tf1を超えているか否かを判断する(ステップS12)。
もし、カラー画像の全画素数から、第1色及び第2色の出現頻度それぞれの和(SUM1)を減じて得た値{(全画素数)−(SUM1)}が小さければ、画像データDにおいて、第2色よりも出現頻度が低い色と考えられるロゴマークL等の模様の占める領域が小さいと考えられる。
したがって、色設定部13は、ステップS12において、当該値{(全画素数)−(SUM1)}が基準頻度tf1に満たないときには(ステップS12のYES)、模様のサイズが小さいとみなして、ステップS13の処理に移る。
一方で、値{(全画素数)−(SUM1)}が基準頻度tf1以上であるときには(ステップS12のNO)、画像形成制御部16に、値{(全画素数)−(SUM)}が基準頻度tf1以上であることを表す情報を送る。そうすると、画像形成制御部16が、ステップS26〜S28の処理を実行する。
もし、値{(全画素数)−(SUM1)}が基準頻度tf1以上であれば、画像データDにおけるロゴマークLなどの模様の占める領域が大きいと考えられるので、模様を有彩色トナーで印刷するコストを省くという観点では、画像データD全体を、ブラックトナーを用いて印刷するモノクロ印刷モードを実行することが好ましい。
しかしながら、文字色と考えられる第2色が有彩色であれば、当該第2色を、当該第2色の色トナーを用いて忠実に再現することが好ましい。そのため、ステップS26において、色設定部13は、第2色が無彩色であるか否かを判定している。
そして、色設定部13は、第2色が無彩色であれば(ステップS26のYES)、モノクロ印刷モードを実行する(ステップS28)。一方、有彩色であれば(ステップS26のNO)、色設定部13は、モノカラー印刷モードを実行する(ステップS27)。
ステップS27におけるモノカラー印刷モードでは、文字(C)が第2色の有彩色トナーを用いて印刷され、ロゴマークLがブラックのトナーを用いて印刷される。これにより、文字の色を忠実に再現することができる。
ところで、全画素数から、第1色、第2色、及び第3色それぞれの出現頻度の合計(SUM2)を減じて得た差{全画素数−(SUM2)}が、基準頻度tf2(第1基準頻度)に満たなければ、第4色、第5色、及び第6色それぞれの出現頻度が低い可能性がある。この場合、模様が第3色である可能性がある。
かかる観点で、ステップS13では、色設定部13は、全画素数から、第1色、第2色、及び第3色それぞれの出現頻度の合計(SUM2)を減じて得た差{全画素数−(SUM2)}を取得し(ステップS13)、差{全画素数−(SUM2)}が予め定められた基準頻度tf2に満たないか否かを判断する(ステップS14)。
かかる判断の結果、差{全画素数−(SUM2)}が基準頻度tf2に満たないときには(ステップS14のYES)、色設定部13は、模様が単一色であるとみなして、ステップS15(図7参照)の処理に写り、基準頻度tf2以上であるときには(ステップS14のNO)、模様が複数色とみなして、ステップS22(図8参照)の処理に移る。
ステップS15では、色設定部13は、第3色の出現頻度が、予め定められた基準頻度tf3以上であるか否かを判断する。第3色の出現頻度が基準頻度tf3以上であれば、色が第3色と考えられる模様が画像データDで一定の範囲を占めている可能性がある一方で、第3色の出現頻度が基準頻度tf3に満たなければ、第3色から第6色までの各色が模様とならずに画像データDで散らばっている可能性があるからである。
色設定部13は、第3色の出現頻度が基準頻度tf3以上であれば(ステップS15のYES)、ステップS16の処理に写り、基準頻度tf3に満たなければ、ステップS22(図8参照)の処理に移る。
ステップS16では、第3色の出現頻度が基準頻度tf4(第4基準頻度)に満たないか否かを判断する。ただし、基準頻度tf4>tf3とする。
第3色の出現頻度が基準頻度tf4に満たなければ、色が第3色と考えられる模様の画像面積が小さい一方で、基準頻度tf4以上であれば、当該模様の画像面積が大きい可能性があるからである。
色設定部13は、第3色の出現頻度が基準頻度tf4に満たないときには(ステップS16のYES)、第2色が無彩色であるか否かを判断し(ステップS17)、第2色が無彩色と判断された後(ステップS17のYES)、単一色特定模様印刷モードを設定し(ステップS18)、第3色を模様色に設定する(ステップS19)。
尚、ステップS17の処理で第2色が無彩色であるか否かを判断するのは、文字Cの色と考えられる第2色が無彩色であれば、文字Cが黒文字である可能性があるからである。
もし、文字Cが黒文字であれば、単一色特定模様印刷モードが設定された後、文字Cがブラックのトナーを用いて印刷されるので、有彩色トナーの使用量を低減することができる。
なお、このステップS17の無彩色の判断は必ずしも必要ではなく、例えば、ステップS17の判断がなくとも文字Cの色が黒であることが明確な場合には、ステップS17を省いてもよい。
色設定部13は、単一色特定模様印刷モード及び模様色を設定したときには、単一色特定模様印刷モードを設定したこと、及び、第3色を特定模様の模様色に設定したことを画像形成制御部16に通知する。
そうすると、画像形成制御部16は、単一色特定模様印刷モードを実行して(ステップS20)、色設定部13によって設定された模様色の色トナーを用いて模様を印刷し、第2色の色トナー、例えばブラックのトナーを用いて文字Cを印刷する。
画像形成装置1は、ステップS20を行った後、ユーザの課金情報を更新する(ステップS21)。例えば、画像形成装置1は、管理部17に予めユーザの識別情報毎に、当該ユーザに請求すべき金額を課金情報として登録するようにしておき、単一色特定模様印刷モードによる画像形成を実行した後に、実行されたモードに対応する金額を、ユーザの識別情報に対応する課金情報として順次登録する。
このように、単一色特定模様印刷モードに対応する金額を課金情報として順次登録するため、ユーザがどれくらいの課金が課されているかが、容易に判る。
一方で、色設定部13は、ステップS16において、第3色の出現頻度が基準頻度tf4以上であるときには(ステップS16のNO)、ステップS22(図8参照)の処理に移る。
ところで、上記のように、ログインしたユーザに単一色特定模様印刷モードが許容されていないとき(ステップS3のNO)、色設定部13は、ステップS22(図8参照)の処理に移る。
また、上記のように、{全画素数−(SUM2)}の値が基準頻度tf2以上であるときにも(ステップS14のNO)、色設定部13は、ステップS22(図8参照)の処理に移る。(全画素数−(SUM2)}の値が基準頻度tf2以上であれば、第4色、第5色、及び第6色それぞれの出現頻度が高い可能性があり、模様が複数色である可能性があるからである。
また、上記のように、第3色の出現頻度が基準頻度tf3に満たないときにも(ステップS15のNO)、色設定部13は、ステップS22(図8参照)の処理に移る。第3色の出現頻度が基準頻度tf3に満たないときには、色が第3色と考えられる模様が画像データDで一定の範囲を占めず、第3色〜第6色のそれぞれの色が画像データDにおいて模様とならずに散っている可能性があるからである。
さらに、上記のように、第3色の出現頻度が基準頻度tf4以上であるときにも(ステップS16のNO)、色設定部13は、ステップS22(図8参照)の処理に移る。第3色の出現頻度が基準頻度tf4以上であれば、色が第3色と考えられる模様の画像面積が大きい可能性があるからである。
さらに、第2色が無彩色でないときにも(ステップS17のNO)、色設定部13は、ステップS21(図8参照)の処理に移る。文字Cの色と考えられる第2色が無彩色でなければ、文字Cの色が有彩色と考えられ、文字Cをフルカラー印刷モードで印刷したほうが文字Cの色の再現性が高くなるからである。
なお、このステップS17の無彩色の判断は必ずしも必要ではなく、例えば、ステップS17の判断がなくとも文字Cの色が黒であることが明確な場合には、ステップS17を省いてもよい。
以下、ステップS22〜S24の処理を、図8を用いて説明する。
ステップS22では、色設定部13は、画像形成装置1にログインしたユーザが、フルカラーコピーの実行を許容されたユーザではないときには、(ステップS22のNO)、モノクロ印刷モードを設定する(ステップS24)。
モノクロ印刷モードでは、画像形成制御部16は、画像データDを、ブラックの色トナーのみを用いて印刷する。
一方で、色設定部13は、画像形成装置1にログインしたユーザが、フルカラーコピーの実行を許容されたユーザであるときには(ステップS22のYES)、フルカラー印刷モードを設定する(ステップS23)。
フルカラー印刷モードでは、画像形成制御部16は、全ての色トナーを用いて画像データDを印刷する。
ついで、画像形成制御部16は、ユーザの課金情報を更新する(ステップS25)。例えば、画像形成装置1は、管理部17に予めユーザの識別情報毎に、当該ユーザに請求すべき金額を課金情報として登録するようにしておき、モノクロ印刷モード或いはフルカラー印刷モードによる画像形成を実行した後に、実行されたモードに対応する金額を、ユーザの識別情報に対応する課金情報として順次登録する。
このように、実行されたモノクロ印刷モード或いはフルカラー印刷モードに対応する金額を課金情報として順次登録するため、ユーザがどれくらいの課金が課されているかが容易に判る。
尚、色設定部13は、ステップS9で第3色を模様色の候補に設定した後、ステップS10〜S12、及びステップS15の処理を経ずに、ステップS13、S14、S17、S18、及びS19の処理を実行して、第3色を模様色に設定してもよい。
ところで、色設定部13は、上記したステップS13及びS14(図6参照)の処理に代えて、以下の処理を行ってもよい。図9は、色設定部13の処理の他例を示したフローチャートである。
もし、カラー画像の全画素数と、第1色、第2色、第3色、及び第4色それぞれの出現頻度の合計との差が基準頻度tf5(第2基準頻度)に満たなければ、第1色から第4色までの色以外の色、例えば、第5色や第6色の出現頻度が低く、模様の色が、第3色及び第4色のいずれかである可能性がある。
そして、第4色の出現頻度が基準頻度tf6(第3基準頻度)に満たなければ、模様の色が第3色のみである可能性がある。
そのため、色設定部13は、ステップS12(図6参照)の処理を行った後、画像データDの全画素数と、第1色、第2色、第3色、及び第4色それぞれの出現頻度の合計との差{全画素数−(SUM3)}を取得し(ステップS100)、差{全画素数−(SUM3)}が基準頻度tf5に満たないか否かを判定する(ステップS101)。
そして、差{全画素数−(SUM3)}が基準頻度tf5に満たないときには(ステップS101のYES)、色設定部13は、第4色の出現頻度が予め定められた基準頻度tf6(第3基準頻度)に満たないか否かを判断する(ステップS102)。
一方で、差{全画素数−(SUM3)}が基準頻度tf5以上であるときには(ステップS101のNO)、色設定部13は、先述のステップS22(図8参照)の処理に移る。差{全画素数−(SUM3)}が基準頻度tf5以上であれば、模様の色が、複数色である可能性があるからである。
色設定部13は、ステップS102において、第4色の出現頻度が基準頻度tf6に満たないときには(ステップS102のYES)、色設定部13は、先述のステップS15〜S21の処理(図7参照)を順次実行する。
尚、色設定部13は、ステップS102において、第4色の出現頻度が基準頻度tf6に満たないときには(ステップS102のYES)、ステップS15及びS16(図7参照)の処理を経ずに、単一色特定模様印刷モードを設定し(ステップS18)、第3色を模様色に設定してもよい(ステップS19)。
また、色設定部13は、ステップS100の処理を、ステップS12(図6参照)の処理の後ではなく、ステップS9(図5参照)の処理の後に行ってもよい。
一方で、色設定部13は、第4色の出現頻度が基準頻度tf6以上であるときには(ステップS102のNO)、色設定部13は、先述のステップS22(図8参照)の処理に移る。第4色の出現頻度が基準頻度tf6以上であれば、模様の色が、複数色である可能性があるからである。
尚、以上の処理では、画像形成制御部16は、モノクロ印刷モード、モノカラー印刷モード、単一色特定模様印刷モード、及びフルカラー印刷モードのすべてを実行しているが、必ずしもこれらすべてのモードを実行する必要はなく、モノクロ印刷モード及び単一色特定印刷モードが実行できればよい。
以下、背景色、文字色、及び模様色の設定処理の詳細について、図10〜図14を用いて説明する。
尚、以下の処理は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の濃度値の上位4ビットを座標軸に持つ3次元座標を用いて実行されているが、この例には限られない。例えば、各色の濃度値の全ビットを座標軸に持つ3次元座標を用いて、各色を階級とした、当該色の出現頻度を表す度数分布を取得し、当該度数分布を用いて、背景色、文字色、及び模様色を設定してもよい。
また、図10〜図13では、後述する各色グループG(1)、G(2)、G(3)、G(4)、G(5)、G(6)、G(11)、G(12)を、小さなボックスの形で表している。
尚、以下の処理は、レッド、グリーン、及びブルーの各色について行われてもよい。
図10は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色についてそれぞれ上位4ビットが共通する各色グループの出現頻度を表す度数分布の一例を概念的に示した図である。
度数分布取得部12には、図10に示すように、シアン(C)の濃度値である基本ビット数における上位4ビット(16進数で表すと1〜F)をX軸で表し、マゼンタ(M)の濃度値である基本ビット数における上位4ビット(16進数で表すと1〜F)をY軸で表し、イエロー(Y)における基本ビット数における上位4ビット(16進数で表すと1〜F)をZ軸で表した3次元座標を表す3次元座標情報が予め準備されている。
そして、度数分布取得部12は、画像データDをなす各画素の色について、各色を表す、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の濃度値における上位4ビットを当該3次元座標のX座標、Y座標、Z座標に割り当てる。
このとき、度数分布取得部12は、シアンの濃度値における上位4ビットをX座標に割り当て、マゼンタの濃度値における上位4ビットをY座標に割り当て、イエローの濃度値における上位4ビットをZ座標に割り当てる。
これにより、度数分布取得部12は、上位4ビットが各要素色、つまり、シアン、マゼンタ、イエローの各々についてそれぞれ共通する色グループを階級として3次元座標上に配置する。
そして、度数分布取得部12は、各色グループに対して、当該色グループの出現頻度を対応付ける。これにより、度数分布取得部12は、色グループの度数分布を3次元度数分布情報として取得する。
そして、色設定部13は、度数分布取得部12により取得された度数分布(図10参照)において、最も出現頻度の高い色グループを第1色グループG(1)として取得し、当該第1色グループG(1)に属する色、例えば白色を第1色として設定する。そしてまた、色設定部は、第1色グループG(1)の次に高い出現頻度の色グループを第2色グループG(2)として取得し、当該第2色グループG(2)に属する色、例えば、黒色を第2色として設定する。
図11は、第1色グループG(1)及び第2色グループG(2)の各々が属するグループ集合体の構成の一例を概略的に示した図である。
色設定部13は、前記3次元度数分布度数情報を得たときには、図11に示すように、第1色グループG(1)が位置する座標との間で予め設定された判定距離に満たない階級の色のグループである色グループと、第1色グループG(1)とで、1つのグループ集合体S(1)を形成する。
また、色設定部13は、図11に示すように、第2色グループG(2)が位置する座標との間で予め設定された判定距離に満たない階級の色のグループである色グループと、第2色グループG(2)とで、1つのグループ集合体S(2)を形成する。
例えば、色設定部13は、第1グループG(1)が位置する座標と、第2色グループG(2)が位置する座標との各々との間で、ユークリッド距離が2未満である座標に位置する色グループを、1つのグループ集合体の中に含める。
ここにおいて、上記3次元座標において、第1色グループG(1)が位置する座標(X,Y,Z)を座標a(a1,a2,a3)とする一方で、任意の座標(X,Y,Z)を座標b(b1,b2,b3)としたときに、2つの座標間のユークリッド距離を、以下の数(1)の形で表すことができる。
但し、d(a,b)は、座標aと座標bとの間のユークリッド距離を示す。
図12はグループ集合体の構成の一例を模式的に示した斜視図である。図13はグループ集合体の構成の一例を模式的に示した分解斜視図である。図12及び図13では、グループ集合体S(1)の構成が例示されている。尚、グループ集合体S(2)については、グループ集合体S(1)と同様であるため図示及び説明を省略する。
グループ集合体S(1)は、図12及び図13に示すように、第1色グループG(1)と、当該第1色グループG(1)と面或いは辺同士が接し合う色グループ(以下、第1隣接色グループという)G(11)と、第1色グループG(1)とは面及び辺同士が接し合わずに点同士が接し合う色グループ(以下、第2隣接色グループという)G(12)とで構成されている。
尚、図12及び図13において、第1色グループG(1)が破線で表され、第1隣接色グループG(11)が白色で表され、第2隣接色グループG(12)が網掛け模様により表されている。
かかるグループ集合体S(1)では、第1隣接色グループG(11)と、第2隣接色グループG(12)とが、第1色グループG(1)との間でユークリッド距離が2未満である座標に位置している。
色設定部13は、かかるグループ集合体S(1)において、第1隣接色グループG(11)及び第2隣接色グループG(12)の出現頻度を、第1色グループG(1)の出現頻度に加算して、得られた出現頻度を第1色グループG(1)の出現頻度として、図示しないレジスタなどに記憶させる。
また、色設定部13は、グループ集合体S(2)においても、グループ集合体S(1)と同様に、第1隣接色グループ及び第2隣接色グループの出現頻度を、第2色グループG(2)の出現頻度に加算して、得られた出現頻度を第2色グループG(2)の出現頻度として、図示しないレジスタなどに記憶させる。
さらにまた、色設定部13は、第1色グループG(1)と第2色グループG(2)とを直線的に結んだ経路上に配置された階級であって、かつ3次元座標上における第1色グループG(1)に属する各色からの距離が、予め設定された判定距離、例えば、ユークリッド距離2を超える階級の色と、第2色グループG(2)に属する各色からの距離が前記判定距離を超える階級の色とを除外して、模様色と考えられる第3色を設定する。
例えば、色設定部13は、図11に示すように、第1色グループG(1)が属するグループ集合体S(1)と、第2色グループG(2)が属するグループ集合体S(2)とを直線的に結んで、グループ集合体S(1)及びS(2)を含む直方体形状の領域A(図11参照)を形成する。そして、色設定部13は、当該領域Aのうち、グループ集合体S(1)とグループ集合体S(2)とを除いた領域A(1)を取得する。
そして、色設定部13は、領域A(1)を除いた3次元座標において、第2色グループG(2)の次に高い出現頻度の第3色グループG(3)を取得し、当該第3色グループG(4)の次に高い出現頻度の第4色グループG(4)を取得する。
尚、領域A(1)を除いた3次元座標において、第4色グループG(4)よりも出現頻度が低い色グループ、例えば、第5色グループG(5)(図10参照)や、第5色グループG(5)よりも出現頻度が低い第6色グループG(6)(図10参照)が存在する場合には、色設定部13は、これら各色グループも取得する。
そして、色設定部13は、画像データDにおける全画素数から、第1色グループG(1)及び第2色グループG(2)の出現頻度それぞれの和(SUM1)を減じて得た差を取得し、差{(全画素数)−(SUM1)}が、基準頻度tf1に満たないときには、特定模様の画像サイズが小さいとみなす。
ついで、色設定部13は、特定模様の画像サイズが小さいとみなしたとき、画像データDにおける全画素数から、第1色グループG(1)、第2色グループG(2)、及び第3色グループG(3)それぞれの出現頻度の和(SUM2)を減じて得た差を取得する。差{(全画素数)―(SUM2)}が、基準頻度tf2に満たないときには、色設定部13は、特定模様が単一色であるとみなす。
或いは、色設定部13は、全画素数から、第1色グループG(1)、第2色グループG(2)、第3色グループG(3)、及び第4色グループG(4)それぞれの出現頻度の和(SUM3)を減じて得た差を取得し、差{(全画素数)−(SUM3)}が基準頻度tf5に満たず、かつ第4色グループG(4)の出現頻度が基準頻度tf6に満たないときに、特定模様が単一色であるとみなす。
ついで、色設定部13は、特定模様が単一色であるとみなしたとき、第3色グループG(3)の出現頻度が基準頻度tf3以上であるか否かを判断する。第3色グループG(3)の出現頻度が基準頻度tf3以上であれば、色設定部13は、第3色と考えられる模様が画像データDで一定の範囲を占めているとみなす。
ついで、色設定部13は、第3色と考えられる模様が画像データDで一定の範囲を占めているとみなしたとき、第3色グループG(3)の出現頻度が基準頻度tf4に満たないか否かを判断する。第3色グループG(3)の出現頻度が基準頻度tf4に満たないとき、色設定部13は、第3色と考えられる模様の画像面積が小さいとみなして、単一色特定模様印刷モードを設定する。
色設定部13は、単一色特定模様印刷モードを設定した後、度数分布取得部12と協働して、例えば、以下の処理を行う。以下の処理では、第3色グループ(3)から第3色が取得され、当該第3色が模様色に設定される。
図14は、単一色特定模様印刷モードが設定されたときにおける、度数分布取得部12及び色設定部13の処理について概念的に説明するための図である。
そして、図14(a)は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)について、上位4ビットをX、Y、Z軸で表した3次元座標を示しており、図14(b)は、第3色グループG(3)に属する複数色を示している。
ここにおいて、図14(b)では、第3色グループG(3)に属する各色、例えば、色CO(1)、色CO(2)、色CO(3)、色CO(4)、色CO(5)を、小さなボックスの形で表している。
度数分布取得部12には、先述したように、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)について、上位ビットをX、Y、Z軸で表した3次元座標(図14(a)参照)を表す3次元座標情報の他に、図14(b)に示すように、シアン(C)の濃度値である基本ビット数における下位4ビット(16進数で表すと1〜F)をX軸で表し、マゼンタ(M)の濃度値である基本ビット数における下位4ビット(16進数で表すと1〜F)をY軸で表し、イエロー(Y)における基本ビット数における下位4ビット(16進数で表すと1〜F)をZ軸で表した3次元座標を表す3次元座標情報が予め準備されている。
そして、度数分布取得部12は、第3色グループG(3)に属する色について、当該色をなすシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の濃度値の下位4ビットを用いて、当該色を図14(b)に示す3次元座標上に配置する。
色設定部13は、第3色グループG(3)について、3次元座標上に配置された色、例えば、色CO(1)〜色CO(5)の出現頻度を取得し、図示しないレジスタなどに記憶させる。そして、色設定部13は、図14(b)に示す3次元座標において、最も出現頻度の高い色、例えば、色CO(1)を第3色として取得して、当該第3色を特定模様の模様色に設定する。