JP5778118B2 - Ti−TiC合成材の製造方法 - Google Patents

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本発明は、Ti−TiC合成材を成型し熱間加工する方法に関するものである。
純チタンやチタン合金などの金属チタン(以下「Ti」という。)は、軽くて高強度であり錆びないという特徴を有する一方、耐摩耗性に劣るという問題を有している。これに対し、Ti粉末と炭化チタン(以下「TiC」という。)粉末とを混合して成型した材料であるTi−TiC合成材は、金属チタンの特質を保持した上で耐摩耗性が優れる材料として注目されている。
特許文献1には、チタン基合金材料からなるエンジンバルブにして、弁フェース面がチタンと金属炭化物の硬化肉盛部で構成されるエンジンバルブが開示されている。チタンと金属炭化物の組み合わせとしてTi−TiCが挙げられている。
特許文献2には、チタンもしくはチタン合金マトリックスに炭化チタンが分散した複合組織を有する焼結金属からなる金属層を有する積層金属部材であって、ダイカストマシン用プランジャースリーブに用いられるものが記載されている。積層金属部材は、金属層の形成材料と熱絶縁層の形成材料とを積層し、金属層形成材料の重ね合わせ面同士を押圧する向きの加工荷重を含む熱間等方圧加圧成形(HIP),熱間押出成形,冷間等方圧加圧成形(バルジ加工)等の加圧成形加工を行なうことにより製造される。
特許文献3には、チタン合金中にセラミック粒子が分散した粒子分散型チタン基複合材であって、その表面の一部又は全部に金属チタンが被覆されている材料が記載されている。同文献に記載のものは、チタン合金としてTi−6Al−4Vを対象とし、セラミック粒子としてTiCを用いている。この組み合わせの場合、加熱温度700〜800℃の熱間圧縮試験を行うと、被圧縮材の外周面に割れが発生する。そこで同文献では、複合材の表面に純チタンを被覆し、HIP処理及び溶体化処理によりその純チタンを複合材表面に拡散接合することにより、その後の熱間圧縮でも割れの発生が防止できるとしている。
特開平8−192274号公報 特開2004−232059号公報 特開2000−178671号公報
Ti−TiC合成材は、熱間加工が困難な材料として知られている。特許文献1に記載のものは、エンジンバルブのフェース面にTi−TiC材料を形成するに際し、硬化肉盛部として形成しており、熱間加工は行われない。特許文献2に記載のものも、金属層形成材料の重ね合わせ面同士を押圧する目的でのみ熱間成形が適用されている。
特許文献3では、チタン合金とTiCとの複合材を金属チタンで被覆し、HIP処理及び溶体化処理によりその純チタンを複合材表面に拡散接合することにより、その後の熱間圧縮でも割れの発生が防止できるとしている。Ti−TiC合成材を耐摩耗性に優れる材料として用いるためには、表面にTi−TiC合成材部分が露出している必要があるが、特許文献3に記載のものは表面にTiが拡散接合で被覆されているので、別途加工しない限り耐摩耗性を享受することができない。また、特許文献3に記載のものは熱間圧縮で割れが発生しないことが確認できているのみであり、熱間加工の可否については不明である。
本発明は、Ti−TiC合成材を熱間加工によって製造するに際し、熱間加工前の材料表面にTiを拡散接合することなく、熱間加工で割れの発生しない製造方法を提供することを目的とする。
Ti粉末とTiC粉末を混合して加圧成型し合成材とするに際し、800℃を超える高温加圧を行うと、高温で維持している間に合成材中のTiCがTiとCに分解し、分解したCが拡散し、Tiの当該温度におけるCの飽和濃度まで、Ti粉末のTi中に移動する。例えば温度が1400℃であれば、β相Ti中へのCの飽和濃度は0.3質量%程度である。加圧成型後に常温まで冷却する過程において、Tiはβ相からα相に変態するとともに、温度の低下とともにTi中の飽和C濃度が低下し、Ti中にδ相を晶出する。従って、常温に冷却した成型体において、Ti粉末部分にはα相とδ相が見られることとなる。δ相はきわめて脆いので、このあとに熱間加工を行うと、この部分が割れの原因となる。これにより、TiCの性能を劣化させるとともにTi粉末部分の延性を下げることとなる。
それに対し、Ti粉末とTiC粉末を混合して加圧成型するに際して95℃以下の温度で加圧成型を行えば、たとえそのあとに800℃を超える温度に加熱して熱間加工を行ったとしても、加熱から熱間加工までの間でδ相の析出を抑えることが可能であるため、熱間加工中の割れを発生させることなく、熱間加工が可能であることがわかった。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
(1)純チタン又はチタン合金(Ti)粉末と炭化チタン(TiC)粉末を混合して95℃以下の温度で加圧成型して成型体とし、800℃を超える高温から冷却する処理を行うことなく、該成型体を300〜1200℃の温度に加熱した上で熱間圧延又は熱間鍛造によって熱間加工を行うことを特徴とするTi−TiC合成材の製造方法。
(2)熱間加工前の加熱温度が920℃以上の場合には、熱間加工終了温度を920℃以上とすることを特徴とする上記(1)に記載のTi−TiC合成材の製造方法。
(3)前記加圧成型を冷間等方圧加圧(CIP)によって行うことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のTi−TiC合成材の製造方法。
(4)前記成型体を鉄板で密封した上で加熱及び熱間加工を行うことを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のTi−TiC合成材の製造方法。
(5)前記熱間加工を熱間圧延によって行うことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のTi−TiC合成材の製造方法。
(6)Ti粉末を1mm以下、TiC粉末を100μm以下の大きさとし、Ti粉末の含有量は50〜95at%、TiC粉末の含有量は5〜50at%とすることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載のTi−TiC合成材の製造方法。
本発明は、Ti粉末とTiC粉末を混合して加圧成型し合成材とするに際し、95℃以下の温度で加圧成型して成型体とし、その成型体を300〜1200℃の温度に加熱した上で熱間加工を行うことにより、熱間加工で割れの発生しない製造方法を提供することができる。
本発明において、まずTi粉末とTiC粉末を混合して加圧成型して成型体とする。
Ti粉末としては、純チタンでもチタン合金でもよい。純チタンの場合、Ti含有量は99質量%以上が好ましい。チタン合金の場合、Ti含有量が60質量%以上であればよく、Ti含有量が70質量%以上であれば好ましい。Ti粉末の大きさの最大値は円相当径で1mm以下、最も好ましくは100μm以下である。
TiC粉末は、粉末中のTiC含有量が90質量%以上、好ましくは99質量%以上のものである。TiC粉末の大きさの最大値は円相当径で100μm以下、好ましくは10μm以下のものを用いる。
Ti粉末とTiC粉末を混合するに際し、さらにバインダーを添加すると好ましい。バインダーとして好ましくは、高分子系の有機バインダーとしてポリビニールアルコールやメチルセルロース等であり、低分子系の有機バインダーとしてはグリセリンやエチレングリコールやエタノール等の有機バインダーを用いることができる。バインダーの含有量は、Ti粉末とTiC粉末の合計100質量%に対し、1〜5質量%とすると好ましい。バインダーの含有量を2〜3質量%とするとより好ましい。
Ti粉末とTiC粉末の混合割合は、Ti粉末とTiC粉末の合計を100at%としたとき、Ti粉末:50〜95at%、TiC粉末:5〜50at%の範囲内とする。TiC粉末含有割合を5at%以上とするのは、これ以上であれば合成材の耐摩耗性を確保することが可能だからである。また、硬度を大として刃物の切れを良くすることができるからである。また、TiC粉末含有割合を50at%以下とするのは、これ以下であれば合成材の強度低下等の問題が生じないためである。また、耐摩耗性も確保できるからである。
Ti粉末、TiC粉末に必要に応じてバインダーを添加して混合した後、加圧成型して成型体とする。本発明では、この加圧成型を95℃以下の温度で行うことを特徴とする。
従来、加圧成型に際しては、熱間等方圧加圧成形(HIP)が採用されていた。例えば特許文献3においては、1350℃×20分でHIP処理を行い、さらに1050℃×60分の溶体化処理を行っていた。成型後は当然ながら常温まで冷却される。このような高温処理を行うと、高温で維持している間に合成材中のTiCがTiとCに分解し、分解したCが拡散し、Tiの当該温度におけるCの飽和濃度まで、Ti粉末のTi中に移動する。例えば温度が1400℃であれば、β相Ti中へのCの飽和濃度は0.3質量%程度である。加圧成型後に常温まで冷却する過程において、Tiはβ相からα相に変態するとともに、温度の低下とともにTi中の飽和C濃度が低下し、Ti中にδ相が晶出する。従って、常温に冷却した成型体において、Ti粉末だった部分はα相とδ相が見られることとなる。δ相はきわめて脆い上に、通常の熱間加工前の加熱ではこのδ相を消失させることができない。そのため、このあとに熱間加工を行うと、Ti中のδ相を含む部分が割れの原因となる。
一方、加熱温度が800℃以下であれば、その後に常温まで冷却してもδ相が晶出することがないので、上記のような熱処理による材質の劣化が生じないことが判明した。そこで本発明においては、加圧成型を95℃以下の温度で行って成型体とすることとした。95℃以下であれば、冷間で行われる通常の加圧成型手段を問題なく実施することができる。
冷間で加圧成型するに際しては、粉末の混合体にできるだけ均一に圧力をかける方法を採用する。冷間での加圧成型手段として好ましくは、冷間等方圧加圧(CIP:cold isostatic pressing)を用いることができる。CIPとは、水などを圧力媒体として100MPaやそれ以上の圧力を粉体製品に等方的に加圧する方法である。ラバープレスともいう。高圧力を均等にかけ、粉体を強く締め固めることができるため、Ti粉末とTiC粉末を混合して加圧成型するに際して最も好ましく用いることができる。粉体製品をゴム等の皮膜にくるんで圧媒に沈めて加圧する湿式法と、ゴム型を有した圧力容器に粉を入れて加圧する乾式法のいずれを用いてもよい。冷間での加圧成型手段として上記CIP処理のほかに、ロール成形法、油圧プレス法を用いることもできる。
上記のように冷間で加圧成型して成型体とし、次にこの成型体を用いて熱間加工を行う。熱間加工としては、熱間圧延又は熱間鍛造を用いることができる。熱間加工を行うことによって、Ti−TiC合成材は所定の延性や靱性を有する材料特性を確保することができる。
熱間加工に際しては、熱間加工前に成型体を加熱する。本発明において、成型体を300〜1200℃の温度に加熱した上で熱間加工を行う。加熱温度が低すぎると、その後に行う熱間加工において、変形抵抗が大きくなり、大きな加工力、あるいは圧延力が必要となり、加工が困難となる。加熱温度が300℃以上であればこのような問題を生じることなく熱間加工を行うことができる。また、後述のように、成型体を鉄板で密封した上で加熱及び熱間加工を行う場合において、加熱温度が300℃未満であれば鉄の青熱脆性によって密封に用いた鉄が割れることがあるが、加熱温度が300℃以上であればこのような問題は生じない。また、熱間加工前の加熱温度が1200℃を超えると、混合したTi粉末とTiC粉末とが反応しやすくなり、TiC中のCがTi粉末中により一層拡散し、Ti粉末部分とTiC粉末部分の両方が変質することとなる。そこで、本発明では熱間加工前の加熱温度の上限を1200℃とする。
加熱温度が920℃以上であり、熱間加工終了温度が920℃未満であると、圧延の途中でβ相からα相への相変態が発生し、同時にδ相を晶出する。それにより圧延途中より、α相とδ相を同時に圧延することになり、δ相の部分が割れるという問題が生じることがある。本発明において、熱間加工前の加熱温度が920℃以上の場合には、熱間加工終了温度を920℃以上とすることにより、β相圧延(加工)となるので、このような問題を回避することができる。加熱温度が920℃未満であれば、熱間加工終了温度を特に限定することなく、この問題を回避することができるので好ましい。さらに、加熱温度が800℃以下であれば、熱間加工後に成型体を常温まで冷却してもδ相の析出がないため、成型体の加工性が維持され、好ましい。
熱間加工前のTi−TiC合成材は、混合した粒子間に空隙が存在するため、熱間加工前加熱に際して酸化雰囲気で加熱を行うと、合成材の内部まで酸化雰囲気が浸入してTi粒子表面が酸化することとなり好ましくない。加熱に際して無酸化炉を用いれば、合成材の酸化を防止することができる。本発明において好ましくは、成型体を鉄板で密封した上で加熱及び熱間加工を行う。これにより、酸化雰囲気で加熱を行っても、成型体のTi粒子が酸化することを防止できる。さらに、成型体を鉄板で密封することにより、均一加熱効果を得ることもできる。また、成型体を鉄板で密封したままで熱間圧延を行うことにより、加熱炉を出てから、圧延までの温度降下も小さくすることができ、かつ圧延力の均一化という効果を得ることもできる。密封に用いた鉄板と成型体との間は、熱間加工終了後にも何ら接合されていないので、熱間加工終了後に鉄板を外すことによって簡単に成型体と鉄板を分離することができる。
Ti粉末とTiC粉末とを混合して種々の方法で成型し、その後加熱した上で熱間圧延を行った。詳細条件を表1に基づいて説明する。
Figure 0005778118
Ti粉末として、粒径1mm以下のものを用いた。平均粒径は0.1mm程度である。大部分の水準において、Ti材質としてJIS2種の純チタン(Ti純分99質量%以上)を用いた。表1の本発明例7はJIS60種のTi合金(主要成分:Al=5.5〜6.7%、V=3.5〜4.5%、残部Ti)、本発明例8はAMS4914規格のTi合金(主要成分:Al=2.5〜3.5%、V=14.0〜16.0%、Sn=2.5〜3.5%、Cr=2.5〜3.5%、残部Ti)を用いている。
TiC粉末として、TiC純分が90質量%以上のものを用いた。大部分の水準において、粒径100μm以下(平均粒径5μm)のものを用いた。表1の本発明例8は粒径100μm以下(平均粒径6μm)のものを用いた。
Ti粉末とTiC粉末を合計100at%とし、表1に示す比率で両者を配合した。これに、バインダーとしてエタノールを用い、Ti粉末とTiC粉末を合計100質量%としたときに3質量%添加した。この混合物を、粉が均一に混じるようにミキサーを用いて混合した。
この混合粉を、表1の「成型法」に示した方法で、表1の「成型体サイズ」に示す寸法の円盤状に成型した。ここで、CIPは冷間等方圧加圧、HIPは熱間等方圧加圧、OPは油圧プレス、RPはロールプレスを意味する。それぞれ、表1の「成型温度」に示す温度で処理を行った。本発明例3は油圧プレス成型(OP)、本発明例4はロールプレス成型(RP)を用い、それ以外の本発明例はいずれも冷間等方圧加圧(CIP)を用いている。CIPは圧力150MPaで10分間加圧した。
この成型体を熱延前加熱した上で熱間圧延を行った。熱延前加熱については、表1に示すように無酸化雰囲気の加熱炉、又は大気雰囲気の加熱炉を用いた。無酸化雰囲気とは具体的には、炉内の空気をアルゴンガスで置換したアルゴンガス雰囲気炉である。加熱温度と加熱時間は表1に示すとおりである。熱間圧延により、表1の「熱延後板厚」に示す板厚のTi−TiC合成材の板を製造した。なお、表1の「鉄板密封」に「有り」と記載した水準については、加熱前において、鉄板を用いた密封箱の中に成型体を入れて全体を密封し、その後に加熱及び熱間圧延を行った。圧延後に密封箱を開封して内部の成型体を取り出した。密封箱の材質はSS400を使用し、サイズは25mm厚×150mm幅×450mm長さの鉄板を2枚重ね、周囲を溶接して密封した。
加熱温度が920℃以上である実施例については、加熱炉を出てから圧延までの温度降下を小さくするため、成型体を鉄板で密封したままで熱間圧延を行うこととした。その結果、加熱炉を出てから圧延までの温度降下を約20℃と小さくすることができ、いずれも、熱間圧延終了温度が920℃以上であったため、本発明例については大きな割れもエッジ割れもなく良好な合成体の板が得られた。
圧延結果については、成型体全体の割れ発生状況、エッジ部の割れ発生状況、表面性状を観察した。結果を表1に示す。また、総合評価として、無欠陥で、そのまま製品加工が可能なものを◎、酸洗による脱スケール工程やエッジのトリミングによりエッジ割れを除去すれば製品として使用可能なものを○、形状矯正工程を含め2工程必要なものを△、製品が取れないものを×とし、結果を表1に示している。
表1の本発明例1〜13については、いずれも製造条件が本発明で規定する要件を満たしている。熱延前加熱時の酸化を防止する手段として、無酸化雰囲気炉を用いた本発明例、鉄板製の密封箱に封入した上で大気雰囲気炉を用いた本発明例のいずれも、酸化の影響を受けることなく熱間圧延を行うことができた。鉄板製の密封箱に封入した水準について、圧延後に開封して内部の成型体を取り出したところ、鉄板製の密封箱と成型体との間は何ら接合しておらず、容易に取り出すことができた。本発明例のいずれの水準についても、圧延後の製品については、板中央の割れや大きな割れの発生は見られなかった。
本発明例1〜10については、板のエッジに発生する小さな割れ(エッジ割れ)の発生もなかった。一方、本発明例11〜13については、エッジ部に小さなエッジ割れが多数発生していた。これらの例は、加熱温度が低く、加熱炉を出て以降、圧延中にかけてエッジ部の温度が放熱により降下したため、エッジ部の変形能が下がった状態で圧延したため、エッジ部に割れが発生した。本発明例11についてはエッジ割れ部分をトリムにより除去することにより、板の中央部は良好な0.79mmの合成体の圧延板が得られた。本発明例12はエッジ割れとともにエッジ部に耳波も発生していた。圧延温度が低い場合には、材料の変形抵抗が大きくロールの中央部のタワミが大きくなり、エッジ部の圧延量が大きくなる。そのため、板中央部に比して、エッジ部の伸び代が大きくなるため、耳波が発生する。そこで本発明例12については、エッジ割れをトリム除去した後、矯正冷間圧延を行い耳波を除去した。これらの作業を実施した後の材料は良好な圧延体だった。本発明例13はエッジ割れとともに板の形状がフラットではなく波を打っていた。圧延温度が低い場合、材料の変形抵抗が大きく材料のロールへの噛み込み速度のバラツキが大となり、板厚が不均一となる。そのため、板に凹凸が生じ、波打ち発生の原因となる。そこで本発明例13については、形状矯正の冷間圧延を実施し、板をフラットにした後、エッジ割れをトリム除去した。これらの作業を実施した後の合成体の板は良好であった。
本発明例の表面の色調については、本発明例1〜5、11〜13は良好であった。本発明例6〜8は表面が灰色に変色していた。薄い酸化被膜起因と思われる。高温での圧延であったため、圧延後の成形体の表面が空気にふれたために生成したものである。これら本発明例6〜8は、製品の外観及び加工上問題がないので酸洗除去せず製品とした。本発明例9、10は表面が黒色に変色していた。酸化被膜起因と思われる。チタンは酸化力が極めて強い金属であるので、高温で空気に触れるとすぐに酸化膜ができて着色する。これら本発明例9、10は、酸洗処理を行い、酸化被膜を除去した。
本発明例1〜13について、得られた合成体を表1に示すように歯車、刃物、包丁のいずれかに加工した。本発明例1は切れ味の良い包丁が得られた。本発明例2は軽量で摩耗の少ない長寿命の歯車が得られた。本発明例3は軽量で摩耗の少ない歯車が得られた。補発明例4は切れ味の良い包丁が得られた。本発明例5は軽量で摩耗の少ない長寿命の歯車が得られた。本発明例6は軽量で摩耗の少ない歯車が得られた。本発明例7は切れ味の良い包丁が得られた。本発明例8は切れ味が極めて良好な刃物が得られた。本発明例9は軽量で摩耗の少ない歯車が得られた。本発明例10は軽量で摩耗の少ない歯車が得られた。本発明例11は摩耗の少ない長寿命の歯車が得られた。本発明例12は軽量で摩耗の少ない歯車が得られた。本発明例13は切れ味が極めて良好な刃物が得られた。
比較例1〜3については、成型方法としてHIPを用いた。HIPの加熱温度はいずれも1400〜1500℃として焼結成型体を得た。成型体を熱間圧延前加熱して熱間圧延を行ったところ、比較例1については圧延途中で大きな割れが発生し板が2分割され圧延不能となるとともに、板のエッジには多数のエッジ割れもあった。比較例2については圧延途中で大きな割れが発生し、4ケに分散し圧延不能となるとともに、板のエッジには多数のエッジ割れもあった。比較例3は圧延途中で大きな割れが発生し、3分割に割れて圧延不能となった。
比較例4は、本発明例1と同じ方法でCIP成型加工したあと、加熱せず、25℃の室温で圧延したところ、圧延機の力が不足し、圧延不能となった。

Claims (6)

  1. 純チタン又はチタン合金(以下総称して「Ti」という。)粉末と炭化チタン(以下「TiC」という。)粉末を混合して95℃以下の温度で加圧成型して成型体とし、800℃を超える高温から冷却する処理を行うことなく、該成型体を300〜1200℃の温度に加熱した上で熱間圧延又は熱間鍛造によって熱間加工を行うことを特徴とするTi−TiC合成材の製造方法。
  2. 熱間加工前の加熱温度が920℃以上の場合には、熱間加工終了温度を920℃以上とすることを特徴とする請求項1に記載のTi−TiC合成材の製造方法。
  3. 前記加圧成型を冷間等方圧加圧(以下「CIP」という。)によって行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のTi−TiC合成材の製造方法。
  4. 前記成型体を鉄板で密封した上で加熱及び熱間加工を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のTi−TiC合成材の製造方法。
  5. 前記熱間加工を熱間圧延によって行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のTi−TiC合成材の製造方法。
  6. Ti粉末を1mm以下、TiC粉末を100μm以下の大きさとし、Ti粉末の含有量は50〜95at%、TiC粉末の含有量は5〜50at%とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のTi−TiC合成材の製造方法。
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