JP5776918B2 - 中空状多孔質膜の製造装置及び製造方法 - Google Patents

中空状多孔質膜の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、中空状多孔質膜の製造装置及び製造方法に関し、特に、乾湿式紡糸法を用いた中空状多孔質膜の製造装置及び製造方法に関する。
近年、環境汚染に対する関心の高まりと規制の強化により、水処理方法として、分離の完全性やコンパクト性などに優れた中空状多孔質膜を用いた方法が注目を集めている。中空状多孔質膜の製造方法としては、高分子溶液を非溶媒により相分離させて多孔化する非溶媒相分離法が知られており、また非溶媒相分離法としては、乾湿式紡糸法が知られている。(例えば特許文献1、及び2)
特許文献1に記載された乾湿式紡糸法では、中空状多孔質膜の機械的強度を向上させるために、中空紐状物を紡糸ノズル中心の貫通孔から凝固液に向けて走行させ、中空紐状物の表面に紡糸ノズル下面から環状に吐出された膜形成性樹脂溶液を塗布した後、凝固液から蒸発した非溶媒成分を含んだ空気中を走行させている。その後、膜形成性樹脂溶液を凝固液中に導入し、凝固液内で凝固させることにより、内部に強度支持体を有する中空状多孔質を製造できることとしている。
また、特許文献2に記載された乾湿式紡糸法では、中空状多孔質膜の品質を向上させるために、紡糸ノズルと凝固槽との間で、紡糸ノズルから吐出された膜形成性樹脂溶液を容器で囲んでいる。そして、容器の内部の雰囲気を、紡糸ノズル側から凝固槽側に向けて、低湿低温雰囲気領域、低湿高温雰囲気領域、高湿高温雰囲気領域とし、高湿高温雰囲気領域で膜形成性樹脂溶液に非溶媒成分を吸収させた後、膜形成性樹脂溶液を凝固液中に導入し、膜形成性樹脂溶液を凝固させ中空状多孔質を製造している。
特開2008−126199号公報 特許4084103号
しかしながら、特許文献1に記載されているように、紡糸ノズルと凝固液面の間の非溶媒成分を含んだ空気中を走行させる場合、雰囲気中の非溶媒成分が、低温の紡糸ノズルの下面で結露してしまうという問題があった。これを防ぐためには、紡糸ノズルの温度を結露温度より高く設定しなければならない。また、紡糸ノズル下面から円環状に吐出された膜形成性樹脂溶液は、走行する中空紐状支持体表面に接合するまで直径が細化しているが、その細化区間で膜形成性樹脂溶液が多量の非溶媒成分を吸収してしまうと、膜形成性樹脂溶液の相分離が開始してしまい、細化挙動が不安定になり、その結果、得られる中空状多孔質膜の周方向で膜厚斑が発生したり、不規則な直径変動が発生してしまう場合があった。
これらの問題を解決するために、特許文献2に記載されているように、紡糸ノズルと凝固槽との間に容器を設け、容器内の雰囲気を、紡糸ノズル側から凝固槽側に向けて、低湿低温雰囲気領域、低湿高温雰囲気領域、高湿高温雰囲気領域とすることが考えられる。しかしながら、この場合、各領域の間に、膜形成性樹脂溶液が通過するための連通孔を設ける必要があり、各領域は、連通孔を通して連通されることとなる。そして、各領域が連通孔を通して連通されることにより、領域間の空気の流れが生じ、この流れが、連通孔を走行する膜形成性樹脂溶液雰囲気の流動に影響を及ぼす、という問題があった。即ち、空気の流れが安定していない各領域内の温度・湿度の状態を、容器内の空間の水平方向、及び時間軸方向において一定に保つことは非常に困難であり、容器内の空間の温度、及び湿度は、水平方向、及び時間軸方向で変動し、斑があるものとなってしまう。このように湿度・温度が不均一で不安定な雰囲気内に膜形成性樹脂溶液を通しながら相分離構造形成を行うと、膜形成性樹脂溶液の径方向、及び時間軸方向において、相分離構造形成の斑が生じてしまい、中空状多孔質膜の周方向での膜厚斑の発生、及び不規則な直径変動を防止することができない。
そこで本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、紡糸ノズルの結露を防止すると共に、均一な膜構造を有する中空状多孔質膜を製造することができる製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、膜形成性樹脂溶液を凝固させて中空状多孔質膜を製造する中空状多孔質膜製造装置であって、膜形成性樹脂溶液を下方に向けて糸状に吐出する吐出口を有する紡糸ノズルと、膜形成性樹脂溶液を凝固するための凝固液を収容し、凝固液の液面が紡糸ノズルの吐出口から所定の距離だけ下方に離れるように配置された凝固槽と、吐出口と凝固槽内の凝固液の液面との間を走行する膜形成性樹脂溶液の表面を覆って膜形成性樹脂溶液の周囲に掃気用気体を流す掃気手段と、を備え、前記掃気用気体は、膜形成性樹脂溶液の非溶媒成分の相対湿度が50%未満の気体であることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、掃気手段によって、膜形成性樹脂溶液の非溶媒成分の相対湿度が50%未満の気体を流すことにより、吐出口と凝固液面の間の雰囲気を、相対湿度50%未満に保つことができ、紡糸ノズル下面の吐出口近傍に結露が生じるのを防止することができる。また、掃気用気体によって膜形成性樹脂溶液の表面を覆ってその周囲を掃気することにより、膜形成性樹脂溶液が紡糸ノズルと凝固液の液面との間を走行している間に非溶媒成分を吸収し相分離が開始するのを防止することもでき、膜形成性樹脂溶液の相分離の開始を凝固液内とすることができるため、相分離の開始、進行時における膜形成性樹脂溶液の径方向の湿度・温度を均一にすることができる。これにより、均一な膜構造を有する中空状多孔質膜を製造することができる。
また、本発明において、好ましくは、掃気手段は、凝固液面から上昇する前記非溶媒成分を含んだ気体を、膜形成性樹脂溶液の表面から除去することを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、膜形成性樹脂溶液が凝固液面から上昇する非溶媒を含んだ高温、高湿度の雰囲気中の前記非溶媒を吸収し、膜形成性樹脂溶液が凝固液と接触するまでに相分離が開始するのを防止することができる。これにより膜形成性樹脂溶液の相分離の開始を凝固液内とすることができるため、相分離の開始、進行時における膜形成性樹脂溶液の径方向の湿度・温度を均一にすることができる。
また、本発明において、好ましくは、前記吐出口と前記凝固液の間に、膜形成性樹脂溶液に非溶媒成分を吸収させる機構が無く、前記紡糸ノズルから吐出された前記膜形成性樹脂溶液が、前記吐出口と前記凝固液の空間を走行することを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、掃気用気体を膜形成性樹脂溶液の周囲を覆うように流すことができる。
また、本発明において、好ましくは、吐出口と凝固液の液面との間を走行する膜形成性樹脂溶液の周囲を囲む筒部材を有し、掃気手段は、筒部材の内部に掃気用気体を流すように構成されている。
このように構成された本発明によれば、掃気手段から流れてくる掃気用気体を筒部材内部に流すことができ、これにより掃気用気体が膜形成性樹脂溶液から離れるのを防止し、膜形成性樹脂溶液の周囲に、常に掃気用気体が流れている環境を作り出すことができる。
また、本発明において、好ましくは、掃気手段は、紡糸ノズルの吐出口から吐出された膜形成性樹脂溶液の径方向外方から掃気用気体を膜形成性溶液樹脂に向けて流すための掃気ノズルを備えている。この場合において、掃気ノズルは、膜形成性樹脂溶液の周方向全周にわたって均一に掃気用気体を流すようになっていることが好ましい。
このように構成された本発明によれば、掃気手段は、膜形成性樹脂溶液の径方向外方から、好ましくは全周にわたって均一に、掃気用気体を膜形成性樹脂溶液に向けて流すことができる。これにより、膜形成性樹脂溶液の周辺を均一に掃気することができる。
また、本発明において、好ましくは、掃気手段は、掃気用気体を濾過する気体濾過手段を備えていることが好ましい。
このように構成された本発明によれば、掃気用気体に含まれる異物が膜形成性樹脂溶液に付着し、それに起因した膜欠陥の発生を抑制することができる。
また、本発明において、好ましくは、掃気手段は、掃気用気体の湿度を調整する湿度調整手段を有している。また、本発明において、好ましくは、掃気手段は、掃気用気体の温度を調整する温度調整手段を有している。
これらの構成を有する本発明によれば、湿度調整手段によって掃気用気体の湿度を調整し、及び/又は温度調整手段によって掃気用気体の温度を調整することができ、これにより、膜形成性樹脂溶液が吐出口と凝固液の液面との間を走行している間に相分離し始めるのを好適に抑制することができる。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、膜形成性樹脂溶液を凝固させて中空状多孔質膜を製造する中空状多孔質膜の製造方法であって、膜形成性樹脂溶液を下方に向けて糸状に吐出する紡糸工程と、吐出口から所定の距離だけ下方に離れた位置に設けられた凝固槽内において膜形成性樹脂溶液を凝固させる工程と、を備え、紡糸工程を行っている間、吐出口と凝固槽内の凝固液の液面との間を走行する膜形成性樹脂溶液の表面に向けて掃気用気体を流し、膜形成性樹脂溶液の周囲を掃気する掃気工程をさらに備えており、前記掃気用気体は、非溶媒成分の相対湿度が50%未満の気体であることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、膜形成性樹脂溶液の非溶媒成分の相対湿度が50%未満の気体を流すことにより、吐出口と凝固液面の間の雰囲気を、相対湿度50%未満に保つことができ、紡糸ノズル下面の吐出口近傍に結露が生じるのを防止することができる。また、掃気用気体によって膜形成性樹脂溶液の表面を覆ってその周囲を掃気することにより、膜形成性樹脂溶液が紡糸ノズルと凝固液の液面との間を走行している間に非溶媒成分を吸収し相分離が開始するのを防止することもでき、膜形成性樹脂溶液の相分離の開始を凝固液内とすることができるため、相分離の開始、進行時における膜形成性樹脂溶液の径方向の湿度・温度を均一にすることができる。
また本発明においては、前記掃気用気体として、膜形成性樹脂溶液の非溶媒成分の相対湿度が10%未満の気体を用いることを特徴としている。
このように構成された本発明によれば、膜形成性樹脂溶液が紡糸ノズルと凝固液の液面との間を走行している間に非溶媒成分を吸収し相分離が開始するのを更に抑制することができる。
また本発明においては、前記凝固液として、温度が50℃以上90℃以下の凝固液を用いることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、凝固液と接触した膜形成性樹脂溶液が昇温することにより、非溶媒成分の吸収による膜形成性樹脂溶液の相分離が停止し、構造が固定化されるまでの非溶媒吸収量が増大し凝固遅延が起こるため、得られる中糸膜の表面構造が緻密になりすぎ、透水能が低下するのを抑制することができる。
また本発明においては、前記膜形成性樹脂溶液を、温度が30℃以上60℃以下で紡糸ノズルから吐出させることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、膜形成性樹脂溶液の温度が低い場合に比べ、非溶媒成分の吸収による膜形成性樹脂溶液の相分離が停止し、構造が固定化されるまでの非溶媒吸収量が増大し凝固遅延が起こるため、得られる中糸膜の表面構造が緻密になりすぎ、透水能が低下するのを抑制することができる。
また本発明においては、前記凝固液として、前記膜形成性樹脂溶液の良溶媒成分と非溶媒成分の質量比が20:80から60:40の凝固液を用いることを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、凝固液と接触した膜形成性樹脂溶液への非溶媒成分の拡散速度が低下することで凝固遅延が起こるため、得られる中空糸膜の表面構造が緻密になりすぎ、透水能が低下するのを抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、紡糸ノズルの結露を防止すると共に、均一な膜構造を有する中空状多孔質膜を製造することができる。
本発明の実施形態による中空状多孔質膜の製造装置を示す模式図である。 本発明の実施形態による掃気ノズルの底面図である。 本発明の実施形態の変形例による中空状多孔質膜の製造装置を示す模式図である。 本発明の実施形態の変形例による中空状多孔質膜の製造装置を示す模式図である。 本発明の実施形態の変形例による中空状多孔質膜の製造装置を示す模式図である。
本発明の中空状多孔質膜の製造装置(以下、「製造装置」ということがある。)の第1の実施形態について説明する。
図1に、本実施形態の製造装置を示す。本実施形態の製造装置1は、疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーが良溶媒に溶解した膜形成性樹脂溶液を中空紐状支持体の表面に塗布した後、凝固液中に導入し膜形成性樹脂溶液を凝固液内で凝固させ、内部に強度支持体を有した中空状多孔質膜を製造する装置であり、紡糸ノズル3と、凝固液5を収容する凝固槽7と、紡糸ノズル3から吐出された膜形成性樹脂溶液に掃気用気体を送気する掃気手段9を備えている。
紡糸ノズル3は、中空紐状支持体A1を通過させる支持体用貫通孔11と、膜形成性樹脂溶液の樹脂溶液用流路13とが形成されたノズルである。紡糸ノズル3の下面には、樹脂溶液用流路13の吐出口(以下、「樹脂溶液吐出口」ということがある。)および支持体用貫通孔11の吐出口(以下、「支持体吐出口」ということがある。)が形成されている。樹脂溶液吐出口は環状であり、支持体吐出口よりも外側に、支持体用貫通孔11の支持体吐出口と同心円状に形成されている。
この紡糸ノズル3では、支持体用貫通孔11に中空紐状支持体A1を通過させ、支持体吐出口から下方に吐出させると共に、樹脂溶液用流路13に膜形成性樹脂溶液を流動させ、樹脂溶液吐出口から下方に吐出する。これにより、中空紐状支持体A1の外周面に膜形成性樹脂溶液の塗膜A2を形成して中空の糸状体A’を作製するようになっている。
中空紐状支持体A1としては、編紐または組紐を使用することができる。編紐または組紐を構成する繊維として、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維等が挙げられる。また、繊維の形態は、モノフィラメント、マルチフィラメント、紡績糸のいずれであってもよい。
膜形成性樹脂溶液は、通常、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとこれらを溶解する良溶媒とを含む。膜形成性樹脂溶液は、必要に応じてその他の添加成分を含んでもよい。
疎水性ポリマーとしては、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートなどが挙げられる。また、これらの共重合体であってもよい。疎水性ポリマーを1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記疎水性ポリマーのなかでも、次亜塩素酸などの酸化剤に対する耐久性が優れる点から、フッ素系樹脂が好ましく、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデンと他の単量体からなる共重合体が好ましい。
親水性ポリマーは、膜形成性樹脂溶液の粘度を中空状多孔質膜Aの形成に好適な範囲に調整し、製膜状態の安定化を図るために添加されるものであって、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンなどが好ましく使用される。これらの中でも、得られる中空状多孔質膜Aの孔径の制御や中空状多孔質膜Aの強度の点から、ポリビニルピロリドンやポリビニルピロリドンに他の単量体が共重合した共重合体が好ましい。
また、親水性ポリマーには、2種以上の樹脂を混合して使用することもできる。例えば親水性ポリマーとして、より高分子量のものを用いると、膜構造の良好な中空状多孔質膜Aを形成しやすい傾向がある。一方、低分子量の親水性ポリマーは、中空状多孔質膜Aからより除去されやすい点で好適である。よって、目的に応じて、分子量が異なる同種の親水性ポリマーを適宜ブレンドして用いてもよい。
良溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルモルホリン−N−オキシドなどが挙げられ、これらを1種以上使用できる。また、溶媒への疎水性ポリマーや親水性ポリマーの溶解性を損なわない範囲で、疎水性ポリマーや親水性ポリマーの非溶媒を混合して使用してもよい。
膜形成性樹脂溶液の温度は、特に制限はないが通常は10〜100℃である。膜形成性樹脂溶液は同一組成の場合、温度が高くなるほど相分離・構造固定化後の相分離構造が粗大化し、膜透水能も高くなる。
ところで、膜形成性樹脂溶液の種類、組成によっては高温で長時間保持すると膜形成性樹脂溶液のゲル化や変質が発生する場合があり、また形成性樹脂溶液中のポリマー成分として分子量の高い物を用いたり、膜形成性樹脂溶液のポリマー組成比が高い場合、膜形成性樹脂溶液の溶液粘度が高くなり、低温では安定製膜が困難になる場合がある。したがって、それらの観点からの紡糸時の膜形成性樹脂溶液温度の好ましい範囲としては20〜80℃、更に好ましくは30〜60℃である。
ただし、高温で長時間保持するとゲル化や変質が発生し易い膜形成性樹脂溶液を用いた場合でも、紡糸ノズル直前まで膜形成性樹脂溶液をゲル化や変質が生じない温度で供給し、紡糸ノズル直前、あるいは紡糸ノズル内で急速に所定温度まで昇温させ、高温保持時間を可能な限り短くするような手法を用いると、紡糸ノズルから吐出する膜形成性樹脂溶液がゲル化や変質が生じ易い温度域であっても安定製膜を行うことも可能となる場合もある。
膜形成性樹脂溶液中における疎水性ポリマーの濃度は、薄すぎても濃すぎても製膜時の安定性が低下し、目的の中空状多孔質膜Aが得られ難くなる傾向にあるため、下限は10質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。また、上限は30質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。一方、親水性ポリマーの濃度の下限は、中空状多孔質膜Aをより形成しやすいものとするために1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。親水性ポリマーの濃度の上限は、膜形成性樹脂溶液の取扱性の点から20質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。
凝固槽7は、疎水性ポリマーの非溶媒を含む凝固液5を貯めた貯槽であり、膜形成性樹脂溶液の塗膜A2を凝固する凝固槽5を膜形成性樹脂溶液と接触させる。膜形成性樹脂溶液の塗膜A2を凝固することによって、糸状体A’は中空状多孔質膜Aとなる。
凝固液5は、疎水性ポリマーの非溶媒で、親水性ポリマーの良溶媒であり、水、エタノール、メタノール等やこれらの混合物が挙げられるが、なかでも、膜形成性樹脂溶液に用いた溶媒と水との混合液が安全性、運転管理の面から好ましい。凝固液の良溶媒と非溶媒の組成比、凝固液の温度は、特に制限はないが通常は良溶媒:非溶媒の組成比は5:95〜80:20、温度は10〜110℃である。
同温度の凝固液は良溶媒の含有率が高くなるほど、凝固液に浸漬された膜形成性樹脂溶液の相分離・構造固定化後の相分離構造が粗大化し、膜透水能も高くなるが、相分離・構造固定化後の中空状多孔質膜中の良溶媒と、凝固液中の非溶媒の相互拡散速度が低下し機械的強度発現が遅延する場合がある。そのような機械的強度が十分発現していない状態の中空状多孔質膜がガイド等と接触すると、中空状多孔質膜の断面変形や表面損傷などが生じる場合がある。
したがって、凝固液の良溶媒:非溶媒の組成比としては、好ましくは10:90〜70:30、更に好ましくは20:80〜60:40である。
また同組成の凝固液は凝固液温度が低いほど、凝固液に浸漬された膜形成性樹脂溶液の相分離・構造固定化後の相分離構造は緻密化するが、相分離構固定化後の中空状多孔質膜中の良溶媒と凝固液中の非溶媒の相互拡散速度が低下し、機械的強度発現が遅延する場合がある。逆に凝固液温度が高い場合、凝固液に浸漬された膜形成性樹脂溶液の相分離・構造固定化後の相分離構造は粗大化し、膜透水能も高くなり、相分離・構造固定化後の中空状多孔質膜中の残存良溶媒と凝固液中の非溶媒の相互拡散速度は速くなるため機械的強度発現は早くなる。
ただ、凝固液の温度が高くなるほど凝固液温度を一定に保つための保温手段を強化する必要がある。また、凝固液中の良溶媒、および非溶媒の凝固液面からの蒸散も激しくなり低温部での結露が発生し易くなる。また凝固液温度が凝固液の沸点以上の場合、凝固液の沸騰によって凝固液面が遥動し安定した製膜が困難となる。
したがって、凝固液の温度としては、好ましくは40℃〜凝固液沸点温度未満、更に好ましくは50〜90℃である。
すなわち、凝固液に浸入する膜形成性樹脂溶液温度が高く、凝固液の良溶媒の含有率が高く、凝固液温度が高い組み合わせとすると、従来の乾湿式法のように空気中で膜形成性樹脂溶液に非溶媒成分は吸収させず凝固液に浸漬させても、表面構造が粗大で透水能が高い相分離構造を形成することが可能となる。
凝固槽7には、その底部近傍に配置された第1のガイドロール15と、凝固槽7の縁部の近傍に配置された第2のガイドロール17とが設けられている。第1のガイドロール15は、糸状体A’を凝固液5中で巻き掛けて走行方向を斜め上方に反転させるようになっている。第2のガイドロール17は、凝固液5中を通過することによって形成した中空状多孔質膜Aを凝固槽7の外に導くようになっている。
凝固槽7の上部には、凝固液5の蒸散を抑制するための天板19が設けられている。天板19には、紡糸ノズル3から吐出される糸状体A’、及び紡糸ノズル3下面に設けられた掃気ノズル23の円形開口部23aから吐出される掃気用気体が、凝固液5の液面に向って流入する開口部19aと、第2のガイドロール17によって凝固液5から凝固槽7の外に導かれる中空状多孔質膜Aが通過し、掃気ノズル23の円形開口部23aから吐出される掃気用気体が凝固槽7の外に流出する開口部19bが形成されている。開口部19bは、糸状体A’が天板19と接触せずに通過しながら、天板19の下方空間に供給された掃気用気体がスムースに排出できる最小限の開口面積とすることが好ましい。掃気用気体は、例えば、室内空気、工場圧縮空気、工場乾燥圧縮空気などを用いることができ、この場合、掃気用気体は、膜形成性樹脂溶液の非溶媒成分の相対湿度が50%未満である。
掃気手段9は、凝固槽7から上昇してきた凝固液の非溶媒成分を含んだ雰囲気の非溶媒成分及び熱を糸状体A’の周囲から除去し、糸状体A’の周囲を掃気する手段である。掃気手段9は、紡糸ノズル3の下面に設けられた掃気ノズル23と、掃気ノズル23に掃気用気体を供給する気体供給手段25とを備えている。
掃気ノズル23は、環状の部材であり、天板19の開口部19aの垂直方向上側に位置する中央の円形開口部23aと、気体供給手段25に接続されて掃気用気体が導入される環状の空間からなる気体導入室23bと、円形開口部23aにて露出した紡糸ノズル3に向けて、気体導入室23bから供給された掃気用気体を吐出する環状の気体吐出口23cとを備えている。
掃気ノズル23は、凝固槽7の天板19に密着して配置されており、掃気ノズル23と凝固槽7内の凝固液5の液面との間には、膜形成性樹脂溶液が掃気ノズル23の円形開口部23aから吐出された掃気用気体中を走行する走行区間Rが形成されている。走行区間R内には、膜形成性樹脂溶液に非溶媒成分を吸収させる機構が設けられていない。
走行区間Rは、掃気ノズル23の円形開口部23aから吐出された掃気用気体が凝固液5の液面に沿って周囲に流出するのを妨げず、紡糸ノズル3から吐出された環状の膜形成性樹脂溶液が中空紐状支持体との接合点が凝固液5の液面より上方に位置するように設定される。ここで、掃気ノズル23の円形開口部23aの奥行きを深くすると、走行区間Rは同じままで、紡糸ノズル3の下面と凝固液5の液面間の距離は長くなり、紡糸ノズル3から吐出された環状の膜形成性樹脂溶液が中空紐状支持体と接合する点を凝固液5の液面から離すこともできる。走行区間Rは短すぎると、円形開口部23aから吐出される掃気用気体の流動によって、凝固液5の液面が遥動し糸状体A’と凝固液5の接触状態が変動する恐れがある。逆に長すぎると、凝固液5の液面から蒸発する非溶媒成分を糸状体A’の周囲から十分除去するために必要な掃気用気体の供給量が増大する。したがって本発明における好ましい走行区間Rの長さは5〜30mm、更に好ましくは10〜20mmである。
円形開口部23aは、その中心が、支持体吐出口および樹脂溶液吐出口の中心と一致するように配置される。したがって、円形開口部23aには、糸状体A’が通過するようになっている。気体導入室23bは、円形開口部23aよりも外周側に、掃気ノズル23と同心円状に形成されている。
図2は、掃気ノズルの底面図である。
気体吐出口23cは、気体導入室23bと連通し、図2に示すように、円形開口部23aの中心に向かって開口しているため、掃気用気体を、円形開口部23aの外周側から中心に向かって吐出するようになっている。円形開口部23aから吐出された掃気用気体は、糸状体A’に当たり、矢印Y1によって示すように、糸状体A’の走行方向に沿って即ち下向きに方向を変えて凝固液5の液面まで流れる。
本実施形態では、気体吐出口23cの上下方向の長さが、気体導入室23bの上下方向の長さと同じになっており、気体吐出口23cには、気体吐出口23cから吐出する掃気用気体に吐出抵抗を付与する環状の抵抗付与体23dが設けられている。抵抗付与体23dは、掃気用気体を透過しつつも流路抵抗になるものであり、例えば、メッシュ、連続発泡体、多孔質体などが使用される。抵抗付与体23dを気体吐出口23cに設け、気体導入室23b内の環状の空間の気体流動圧損に対し、気体吐出圧損を十数倍から数十倍程度大きく取ると、気体吐出口23cに作用する圧力斑が小さくなる。そのため、気体吐出口23cからの気体の吐出量を周方向でより均一化できるようになり、より安定して掃気できるようになる。また、気体吐出口23cには、気体吐出口23cから吐出する掃気用気体の流れを整流する整流体を設けることが好ましい。整流体を気体吐出口23cに設けると、気体吐出口23cから吐出された掃気用気体の指向性が高まり、掃気効率が向上する。整流体としては、例えば、板状物からなる格子、ハニカム構造体、メッシュなどが使用される。また、本実施形態における掃気手段9は、気体供給手段25の下流側に、掃気用気体を濾過する気体濾過手段27と、掃気ノズル23に供給する掃気用気体の温度および湿度を調整する気体調整手段29とを備えている。本実施形態では、気体濾過手段27の下流側に気体調整手段29が配置されている。
気体濾過手段27としては、公知のフィルタ、例えば繊維を多穴状の筒に巻いたもの、多孔質シートを加工したもの、筒状の多孔質焼結体、中空状多孔質膜等を用いることができる。掃気手段9が気体濾過手段27を備えていれば、掃気用気体に含まれる埃等の異物を除去できるため、円形開口部23aを通過する糸状体A’に異物が付着することを防止できる。これにより、得られる中空状多孔質膜Aの品質を向上させることができる。
気体濾過手段27の気体濾過精度は、掃気ノズル23に供給する気体の清浄度、製造する中空状多孔質膜Aの濾過精度などによって適宜選択されるが、糸状体A’に付着した異物によって、凝固工程で生じるおそれのある膜構造形成異常、凝固工程以降の工程で生じるおそれのある膜表面損傷などに起因する膜欠陥の発生を抑制する観点からは高いことが好ましい。具体的には、気体濾過精度としては1μm以下であることが好ましく、0.1μm以下であることがより好ましく、0.01μm以下であることがさらに好ましい。
気体調整手段29は、掃気ノズル23に供給する掃気用気体の湿度を調整する気体湿度調整手段、および、掃気ノズル23に供給する掃気用気体の温度を調整する気体温度調整手段の少なくとも一方を有し、掃気用気体の湿度及び温度の少なくとも一方を制御できるようになっている。
掃気用気体中の非相対湿度を低下させるために掃気用気体を除湿するには、気体調整手段29として冷却コンデンサー等の除湿装置を用い、気体温度調整手段として気体加熱装置を用いることができる。この気体調整手段29では、除湿装置に気体を通過させて気体中の非溶媒成分が紡糸ノズル3の下面で結露したり、膜形成性樹脂溶液が非溶媒成分を吸収し相分離を開始したりしない相対湿度まで除去し、気体加熱装置により、必要に応じて、所定温度に加熱する。また、工場などで室温下での相対湿度が1%程度の乾燥空気が供給されている場合には、気体湿度調整手段を省略し、乾燥空気を気体温度調整手段によって所定温度に調整して加熱乾燥空気とし、これを掃気ノズル23に供給してもよい。
そのため、従来の乾湿式製膜法ではノズル面を結露させてしまうような高温高湿雰囲気が発生する凝固液内に、紡糸ノズルから吐出した膜形成性樹脂溶液に非溶媒成分を吸湿させずに導入させることができる。
次に、上述の製造装置1を用いた中空状多孔質膜Aの製造方法について詳述する。
本実施形態における製造方法では、先ず、紡糸ノズル3の支持体吐出口から中空紐状支持体A1を下方に吐出させながら、樹脂溶液吐出口から膜形成性樹脂溶液を下方に吐出することによって、中空紐状支持体A1の外周面に膜形成性樹脂溶液の塗膜A2を形成して中空の糸状体A’を作製する。そして作製された糸状体A’は、走行区間Rを走行した後、天板19の開口部19aを通じて凝固槽7内に送られる。
また、糸状体A’を作製している間、製造装置1は、掃気手段9を作動させることによって、走行区間Rを走行している糸状体A’の周囲を掃気する。
この場合、まず、気体供給手段25から供給した掃気用気体を気体濾過手段27により濾過し、気体調整手段29によって温度および湿度を調整した後、気体導入室23bに供給する。その際、吐出面10aの結露をより防止できることから、気体調整手段29によって、掃気用気体は、露点が紡糸ノズル3の吐出面の表面温度よりも低くなるように調整されることが好ましい。また、紡糸ノズル3や糸状体A’の温度を設定状態から変化しないようにしたい場合は、掃気用気体の温度を紡糸ノズル3の設定温度と同じ温度として供給することが好ましい。
次いで、気体導入室23bにて、気体吐出口23cに設けられた抵抗付与体23dによって掃気用気体の圧力分布を均一化する。次いで、気体導入室23b内の掃気用気体を、気体吐出口23cの抵抗付与体23dを通して、円形開口部23aの中心に向けて吐出して、紡糸ノズル3の下面に掃気用気体を送気する。円形開口部23aに吐出した掃気用気体は、円形開口部23aの外周側から中心に向けて流れ、その後、下向きに方向を変えて凝固液5の液面の方向に流れる。これにより、紡糸ノズル3の下面近傍に到達した凝固液の蒸気や空気を押し退けながら糸状体A’の周囲を掃気用気体で囲む。
次に、走行区間Rを走行し終えた糸状体A’を凝固液5に浸漬させて凝固させて中空状多孔質膜Aを得る。
具体的には、凝固工程では、紡糸工程にて膜形成性樹脂溶液の塗膜A2が形成された糸状体A’を、凝固槽7の天板19の開口部19aを通過させて凝固槽7内の凝固液5に導き、凝固液5と接触させる。糸状体A’を凝固液5に浸漬させると、凝固液5と接触した塗膜A2には、凝固液5に含まれる非溶媒成分が拡散浸入し、塗膜A2の膜形成性樹脂溶液の疎水性ポリマーが、溶液中で液相として存在できる限界を超えると、疎水性ポリマーは良溶媒や良溶媒に溶解している親水性ポリマーと分離し始め、液相から固相へ移行する。これにより、膜の骨格となる網目構造が発達する。膜形成性樹脂溶液の疎水性ポリマーは完全に相分離を起こし、網目構造の発達が停止すると、膜の骨格となる網目構造が固定される。ただし、この時点では疎水性ポリマーは良溶媒によって膨潤した状態のため、機械強度が弱く、外力で容易に変形する状態にある。塗膜A2の内部の良溶媒が凝固液5に拡散するにつれて、塗膜A2中の液相部分の成分は良溶媒成分が減少し、非溶媒成分が増加することになり、疎水性ポリマーは膨潤状態から固化状態に変化し、塗膜A2の機械的強度は大幅に増加する。疎水性ポリマーとゲル状の親水性ポリマーとが相互に入り組んだ、外力に対しての耐変形力が増加した状態の三次元網目構造が外周面及び膜内部に形成された、中空状多孔質膜Aとなる。凝固により得られた中空状多孔質膜Aは、第2のガイドロール17を介して、凝固槽7の外側の次工程に移送される。
以上のように、製造装置1によれば、掃気手段9によって、糸状体A’の周囲から凝固液5の蒸気を除去して糸状体A’の周囲を掃気することができるため、紡糸ノズル3の下面の周辺雰囲気の湿度が上昇するのを抑制し、紡糸ノズル3の下面での結露を抑制することができる。これにより、得られる中空状多孔質膜Aの膜表面構造の精密な制御、膜表構造の均一化、中空状多孔質膜Aの品質を向上させることができる。
また、製造装置1によれば、糸状体A’が走行区間Rを走行している間は掃気用気体により囲まれており相分離が開始せず、相分離の開始を凝固槽7の凝固液5と接触したときとすることができる。これにより、相分離を開始するときの膜形成性樹脂溶液の径方向の湿度・温度を均一にすることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
図3は、変形例による中空状多孔質膜の製造装置を示す模式図である。図3に示すように、変形例による製造装置51は、製造装置1の構成に加えて、筒部材53を有している。
筒部材53は、走行区間Rを走行する糸状体A’を囲むように構成されている。筒部材53は、掃気ノズル23の下面に気密に取り付けられており、掃気ノズル23の下面から、凝固槽7内の凝固液5の液面近傍まで延びている。筒部材53は、円形断面を有し、その中心軸は掃気ノズル23の円形開口部23aの中心軸上と一致するように設置されている。また、筒部材53は、その上端にフランジ部55を有しており、このフランジ部55は、マグネット等を用いて掃気ノズル23の下面に取り付けられるようになっている。そして筒部材53を掃気ノズル23の下面に取り付けることにより、掃気ノズル23の円形開口部23aから凝固液5の液面近傍にかけて円形の流路が形成され、掃気ノズル23の円形開口部23aから吐出された掃気用気体は、この流路内で糸状体A’の走行方向に流れる。また、筒部材53の下端と、凝固液5の液面との間には、液面に到達した掃気用気体を筒部材53内から流出させるための隙間57が形成されている。
このように走行区間Rを走行する糸状体A’の周囲を筒部材53によって囲み、筒部材53内部に掃気用気体を流すことにより、掃気用気体が糸状体A’に沿って流れている間に糸状体A’から剥離するのを抑制することができる。これにより、走行区間Rの全域にわたって糸状体A’を掃気用気体で囲み、走行区間Rの全域にわたって糸状体A’の周囲を掃気することができる。
筒部材53の円形流路直径は小さいほど、少ない掃気用気体供給量で高い掃気効率を得ることができるが、筒部材の着脱作業や製膜中の糸状体A’の振動などによって糸状体A’が内壁に接触しない適切な大きさに設定することが望ましく、通常は内部を走行する糸状体A’直径4〜16倍程度に設定される。
また筒部材53の円形流路長さは、ノズルから吐出された環状の膜形成性樹脂溶液の中空紐状支持体との接合点が、筒部材53の下端より上方に位置し、筒部材53内の掃気用気体の流動状態が安定する長さであることが好ましい。
掃気ノズル23から筒部材53に掃気用気体が流入する際、その流動方向・速度が変化するため、筒部材53の円形流路長が短すぎると筒部材53の掃気用気体の流れが乱れ易く、糸状体A’の振動を誘発したり、掃気効率が低下してしまう恐れがある。逆に必要以上に長く設定すると、表面からの放熱により内部を流れる掃気用気体の温度変化が生じる場合がある。その場合には筒部材53周囲を断熱材で覆ったり温度調整手段を設けるなどの保温手段を講じることが好ましい。
本実施形態における、筒部材53の円形流路長/円形流路直径の値は好ましくは2〜40更に好ましくは4〜20である。
図4は、更なる変形例による中空状多孔質膜の製造装置を示す模式図である。図4に示すように、更なる変形例による製造装置61は、製造装置1の掃気ノズル23に代えて、掃気ノズル63を備えている。
掃気ノズル63は、気体供給手段25等から流れてくる掃気用気体を受け入れる流入口65と、掃気用気体を糸状体A’に向けて吐出する吐出部67とを備えている。吐出部67は、水平方向に掃気用気体を吐出するようになっており、走行区間Rとほぼ同一の高さを有している。従って、掃気ノズル63は、走行区間R全域にわたって水平方向に掃気用気体を吐出するようになっている。
このような掃気ノズル63を設けることによっても、走行区間R全域にわたって糸状体A’の周囲を掃気することができる。
また、図5に示すように、走行区間Rの周囲を囲む側部導風板68と、走行区間Rの下端、即ち凝固液5の液面に沿って配置され糸状体A’が通過する開口部69を有する底部導風板71とを設けてもよい。側部導風板68及び底部導風板71を設けることにより、掃気ノズル63から吐出した掃気用気体が水平方向に流れるように促すことができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
実施例では、図3に示すような紡糸ノズルの下面に掃気ノズルが設けられ、その掃気ノズル下面に取り付けられた筒部材の下端開口面が凝固槽内の凝固液の液面から5mmに設定された製造装置を用いた。
製造装置の紡糸ノズルとして、下面に中空紐状支持体が吐出される支持体吐出孔を有し、その支持体吐出孔と同芯円状に形成された膜形成性樹脂溶液を環状に吐出する樹脂溶液吐出口を有するものを用いた。
掃気手段として、直径60mm、開口径30mm、高さ10mmで、開口内壁面が内径30mm、厚さ2mm、高さ8mm、公称濾過精度1μのSUS製金属粒子焼結体の内壁面となっている磁性ステンレスのSUS430製の掃気ノズルと、直径30mm、内径12mm、長さ150mmで、上端がネオジム磁石が埋め込まれた直径60mm、厚さ8mmの円形フランジのポリプロピレン製の筒部材を用いた。筒部材は磁性ステンレス製の掃気ノズル下面にフランジ面を磁力で吸着させ固定した。
膜形成性樹脂溶液として、ポリフッ化ビニリデンP1(アルケマ社製、商品名:カイナー761A)、ポリフッ化ビニリデンP2(アルケマ社製、商品名:カイナー301F)、ポリビニルピロリドン(日本触媒社製、商品名:K−79)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)(サムソンファインケミカル社製)を以下に示す質量比で混合、60℃で攪拌溶解し、高分子量ポリフッ化ビニリデンを含む膜形成性樹脂溶液A、B、低分子量ポリフッ化ビニリデンを含む膜形成性樹脂溶液Cの3種類を調製した。
(膜形成性樹脂溶液A)
ポリフッ化ビニリデンP1(質量平均分子量(以下、Mwと略す)Mw:7.2×105)の18.8質量%と、ポリビニルピロリドンM1(Mw:9.0×104)の12.2質量%と、溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド69質量%を混合。
(膜形成性樹脂溶液B)
ポリフッ化ビニリデンP1の15.2質量%と、ポリビニルピロリドンM1の8.6質量%と、溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド76.2質量%を混合。
(膜形成性樹脂溶液C)
ポリフッ化ビニリデンP2(Mw:5.2×105)の19.2質量%と、ポリビニルピロリドンM1の10.1質量%と、溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミドの70.7質量%を混合。
中空紐状支持体として、内径1.5mm、外径2.5mm、内径1mm、外径1.4mmの低伸縮化、及び高外径寸法安定化のための加熱口金を用いた加熱引抜熱処理が施された太径の中空状編支持体A、細径の中空状編支持体Bを用いた。
(実施例1)
紡糸ノズルの温度を32℃、紡糸ノズルに供給する膜形成性樹脂溶液の温度を32℃、凝固液の温度を70℃、凝固液としてN,N−ジメチルアセトアミド:水の質量比が30:70のものを用い、製膜速度を30m/minに設定し、掃気ノズルに工場乾燥空気を熱交換器で32℃に温調し、相対湿度約1%以下となった乾燥空気を6L/min供給し、中空状編支持体A、中空状編支持体B、膜形成性樹脂溶液Aを用い、外径2.8mmの中空状多孔質膜と、外径1.6mmの中空状多孔質膜を作製した。
外径2.8mmの中空状多孔質膜を作製したときの膜形成性樹脂溶液の吐出量は、64.8cc/minであり、外径1.6mmの中空状多孔質膜を作製したときの膜形成性樹脂溶液の吐出量は、24.2cc/minであった。
(実施例2)
膜形成性樹脂溶液として膜形成性樹脂溶液Bを用いた以外は実施例1と同様にして製膜を行った。
(実施例3)
膜形成性樹脂溶液として膜形成性樹脂溶液Cを用いた以外は実施例1と同様にして製膜を行った。
(実施例4)
紡糸ノズルの温度を50℃とし、紡糸ノズルに供給する膜形成性樹脂溶液の温度を50℃とし、掃気ノズルに工場乾燥空気を熱交換器で50℃に温調し供給した以外は実施例3と同様にして製膜を行った。
(実施例5)
凝固液の温度を80℃とした以外は実施例2と同様にして製膜を行った。
(実施例6)
凝固液の組成として、N,N−ジメチルアセトアミド:水の質量比を40:60とした以外は実施例5と同様にして製膜を行った。
実施例1〜6の何れの例でも、紡糸ノズルに結露は発生しなかった。
また、製膜した中空状多孔質膜の溶媒成分であるN,N−ジメチルアセトアミドを熱水洗浄で、親水性ポリマー成分であるーポリビニルピロリドンを酸化剤で分解後に熱水洗浄で除去した後、100℃の熱風中で乾燥した中空状多孔質膜サンプルの表面を電子顕微鏡を用い3万倍の倍率で観察した結果、周方向に顕著な構造斑は見られず、さらに、膜の表面構造は製膜時間が経過しても変化はしていなかった。
そして、得られた中空状多孔質膜の平均表面孔径を比較したところ、その大きさは実施例1<実施例2<実施例3、実施例3<実施例4、実施例2<実施例5<実施例6となっていた。
比較例として、実施例1の装置構成、製膜条件で、掃気ノズルを作動させずに製膜を行った。
比較例では、時間経過とともに紡糸ノズルの下面に結露が発生した。また、作製した中空状多孔質膜を実施例1と同様な方法で処理し、作成した中空状多孔質膜サンプルの表面を観察したところ、周方向の表面構造に斑が発生しており、膜の表面構造に製膜時間経過で変化が見られた。
1,51,61 製造装置
3 紡糸ノズル
5 凝固液
7 凝固槽
9 掃気手段
23,63 掃気ノズル
53 筒部材
63 掃気

Claims (14)

  1. 膜形成性樹脂溶液を凝固させて中空状多孔質膜を製造する中空状多孔質膜製造装置であって、
    膜形成性樹脂溶液を下方に向けて糸状に吐出する吐出口を有する紡糸ノズルと、
    前記膜形成性樹脂溶液を凝固するための凝固液を収容し、前記凝固液の液面が前記紡糸ノズルの吐出口から所定の距離だけ下方に離れるように配置された凝固槽と、
    前記吐出口と前記凝固槽内の前記凝固液の液面との間を走行する膜形成性樹脂溶液の表面を覆って前記膜形成性樹脂溶液の周囲に掃気用気体を流す掃気手段と、を備え、
    前記掃気用気体は、前記膜形成性樹脂溶液の非溶媒成分の相対湿度が50%未満の気体であることを特徴としている、中空状多孔質膜製造装置。
  2. 前記掃気手段は、凝固液面から上昇する前記非溶媒成分を含んだ気体を、前記膜形成性樹脂溶液の表面から除去することを特徴とする、請求項1に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  3. 前記吐出口と前記凝固液の間に、膜形成性樹脂溶液に非溶媒成分を吸収させる機構が無く、前記紡糸ノズルから吐出された前記膜形成性樹脂溶液が、前記吐出口と前記凝固液の空間を走行することを特徴とする、請求項1又は2に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  4. 前記吐出口と前記凝固液の液面との間を走行する前記膜形成性樹脂溶液の周囲を囲む筒部材を有し、前記掃気手段は、前記筒部材の内部に掃気用気体を流すように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  5. 前記掃気手段は、前記紡糸ノズルの前記吐出口から吐出された前記膜形成性樹脂溶液の径方向外方から前記掃気用気体を前記膜形成性溶液樹脂に向けて流すための掃気ノズルを備えていることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1項に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  6. 前記掃気ノズルは、前記膜形成性樹脂溶液の周方向全周にわたって均一に前記掃気用気体を流すようになっていることを特徴とする、請求項5に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  7. 前記掃気手段は、掃気用気体を濾過する気体濾過手段を備えていることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  8. 前記掃気手段は、掃気用気体の湿度を調整する湿度調整手段を有していることを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  9. 前記掃気手段は、掃気用気体の温度を調整する温度調整手段を有していることを特徴とする、請求項1乃至8の何れか1項に記載の中空状多孔質膜製造装置。
  10. 膜形成性樹脂溶液を凝固させて中空状多孔質膜を製造する中空状多孔質膜の製造方法であって、
    膜形成性樹脂溶液を下方に向けて糸状に吐出する紡糸工程と、
    吐出口から所定の距離だけ下方に離れた位置に設けられた凝固槽内において前記膜形成性樹脂溶液を凝固させる工程と、を備え、
    前記紡糸工程を行っている間、前記吐出口と前記凝固槽内の凝固液の液面との間を走行する前記膜形成性樹脂溶液の表面に向けて掃気用気体を流し、前記膜形成性樹脂溶液の周囲を掃気する掃気工程をさらに備えており、
    前記掃気用気体は、非溶媒成分の相対湿度が50%未満の気体であることを特徴とする、中空状多孔質膜の製造方法。
  11. 前記掃気用気体として、膜形成性樹脂溶液の非溶媒成分の相対湿度が10%未満の気体を用いることを特徴とする、請求項10に記載の中空状多孔質膜の製造方法。
  12. 前記凝固液として、温度が50℃以上90℃以下の凝固液を用いることを特徴とする、請求項10又は11に記載の中空状多孔質膜の製造方法。
  13. 前記膜形成性樹脂溶液を、温度が30℃以上60℃以下で紡糸ノズルから吐出させることを特徴とする、請求項10乃至12の何れか1項に記載の中空状多孔質膜の製造方法。
  14. 前記凝固液として、前記膜形成性樹脂溶液の良溶媒成分と非溶媒成分の質量比が20:80から60:40の凝固液を用いることを特徴とする、請求項10乃至13の何れか1項に記載の中空状多孔質膜の製造方法。
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