以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜図10は本発明をパチンコ機1に採用した第1の実施形態を例示する。パチンコ機1は、図1に示すように、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に装着された前枠3とを備えている。
前枠3は左右一端側が上下一対の前枠用ヒンジ4により外枠2に縦軸廻りに開閉自在に枢支され、左右他端側が前枠用施錠手段5A(図6参照)により外枠2に閉状態で施錠されている。前枠3の上部側の遊技盤装着部6には遊技盤7が着脱自在に装着され、その遊技盤7の前側にガラス扉(開閉扉)8が、ガラス扉8の下側に前面扉9が夫々配置されている。
遊技盤装着部6は遊技盤7が前側から挿脱可能な矩形枠状であり、図5、図6に示すように、左右の縦枠部10a,10bの内、前枠用ヒンジ4側の縦枠部10aの左右幅を反対側の縦枠部10bに比較して小さくする等により、前枠3全体の左右幅を変えることなく左右幅の大きい遊技盤7を装着できるようになっている。
なお、遊技盤7の上下方向の中間部が前枠用ヒンジ4側へと側方に張り出す場合には、それに対応して遊技盤装着部6の前枠用ヒンジ4側の縦枠部10aに張り出し部を設けると共に、その張り出し部に対応する切欠き部を外枠2に設ける等によって、遊技盤7の左右幅を拡大してもよい。
ガラス扉8、前面扉9は左右方向の一端側がガラス扉用ヒンジ11、前面扉用ヒンジ12により前枠3に開閉自在に枢支され、左右方向の他端側が閉状態でガラス扉用施錠手段5B、前面扉用施錠手段(図示省略)により前枠3に施錠されている。なお、各ヒンジ4,11,12は略同一軸心上に配置されている。前枠用施錠手段5A、ガラス扉用施錠手段5B等の各施錠手段は、共通の施錠操作手段13(図2、図3参照)のキー操作により適宜解除できるようになっている。
前面扉9の前側には、発射用の遊技球を貯留する球供給皿14と、余剰球を貯留する球受け皿15とが上下に配置され、その側方に遊技球を発射する発射手段16の発射ハンドル17が設けられている。球供給皿14の前側にはチャンスボタン18、回転発光演出手段19等が設けられている。
遊技盤7の前面には、前枠用ヒンジ4等に近い側にガイドレール21が、このガイドレール21と反対側に前飾り部材22が夫々装着され、その内側が略円形状の遊技領域23となっている。ガイドレール21は所定の間隔を置いて内外に配置された略円弧状の内レール24と外レール25とを有し、発射手段16から発射された遊技球を両レール24,25間の球案内通路26を経て遊技領域23へと案内するようになっている。発射手段16は前面扉9の裏側で前枠3の下部側に配置されている。
ガイドレール21の内レール24及び外レール25は、遊技領域23の上下方向の略中央側が前枠用ヒンジ4側に大きく膨らむ円弧状であり、その外レール25の膨らみ部25aは遊技領域23の拡大化に伴って遊技盤7の前枠用ヒンジ4側の端縁の極近傍に配置されている。
遊技領域23には画像表示手段28、普通図柄始動手段29、特別図柄始動手段30、可変入賞手段31、普通入賞手段32、普通図柄表示手段33、特別図柄表示手段34等の各種の遊技部品が配置されている。
画像表示手段28は遊技領域23の左右方向の略中央の上部に配置され、また特別図柄始動手段30、可変入賞手段31は画像表示手段28の下側に上下に配置されている。普通入賞手段32は可変入賞手段31の左右両側に設けられている。特別図柄始動手段30は非開閉式入賞口30aと開閉式入賞口30bとを有する。普通図柄始動手段29は画像表示手段28とガイドレール21との間に配置されている。
画像表示手段28は液晶式等の画像表示部27aと、画像表示部27aに対応する表示窓27bを有し且つ遊技盤7の前面に装着された前飾り枠35とを備えている。前飾り枠35の上部側の前面に普通図柄表示手段33と特別図柄表示手段34とが装着されている。
普通図柄表示手段33は普通図柄を変動表示するためのもので、複数種類の普通図柄(例えば二種類の「○」「×」)に対応する複数個の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段29が遊技球を検出することを条件に2個の発光素子が交互に点灯するように所定時間点滅して、普通図柄始動手段29の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合に当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止する。
特別図柄表示手段34は発光部位の変化等で特別図柄を変動表示可能なセグメント式等により構成されており、特別図柄始動手段30が遊技球を検出することを条件に、特別図柄が所定時間変動して、特別図柄始動手段30の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた大当たり判定値と一致した場合に所定の大当たり態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
特別図柄始動手段30の開閉式入賞口30bは、普通図柄表示手段33の変動後の停止図柄が特定態様となったときに所定時間(短時間)だけ開放するようになっている。可変入賞手段31は可変入賞口31aを開閉する開閉板31bを有し、特別図柄表示手段34の変動後の特別図柄が特別態様となって特別遊技状態が発生したときに開閉板31bが前側に開放して、上方から落下する遊技球を入賞させるようになっている。特別遊技状態中は開閉板31bの開放から所定時間(例えば30秒程度)が経過するか、その間に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板31bを閉じる動作を1ラウンドとし、この動作を所定回数(例えば16ラウンド)継続するようになっている。
画像表示部27aは特別図柄表示手段34の特別図柄に対応する演出図柄36a〜36cを変動表示する等、遊技の進行に従って適宜タイミングで各種の演出画像を随時表示するものである。即ち、特別図柄表示手段34の特別図柄の変動に際しては、その特別図柄の変動に同期して1個又は複数個、例えば3個の演出図柄36a〜36cが画像表示部27aに変動表示される。このとき演出図柄36a〜36cは特別図柄始動手段30の遊技球の検出を条件に、抽選により決定された所定の演出図柄変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序(例えば左、右、中等の順序)で順次停止する。
演出図柄36a〜36cの変動後の停止図柄は、特別図柄が特別態様で停止する場合には全てが揃う特別演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。
例えば、演出図柄36a〜36cには0〜9までの数字図柄が使用されており、特別図柄が特別態様で停止する場合には演出図柄36a〜36cは「7・7・7」等の特別演出態様で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄36a〜36cは「2・3・4」等の外れ演出態様で停止する。
画像表示手段28は変動後の特別図柄が特別態様となる信頼度の高い演出図柄変動パターンを抽選したとき等、遊技者に対して期待感を抱かせる所定の遊技状態、例えば1個の演出図柄36bを除く2個の演出図柄36a,36cが同じとなるリーチとなった場合に、画像表示部27aの所定箇所にチャンスボタンの操作を指示する操作指示画像が表示される。
そして、例えば特別図柄始動手段30が遊技球を検出したときに特別遊技を抽選しており、変動後の特別図柄が特別態様となった後に特別遊技状態が発生する場合には、その操作指示画像に従って図柄変動中に適宜タイミングでチャンスボタンを操作すれば、チャンスボタンが明滅発光する発光状態となって、その後の大当たり態様での特別図柄の停止、及びこれに続く特別遊技状態の発生を予告する。
ガラス扉8は図2、図3に示すように、遊技盤7の遊技領域23に対応する窓孔37を有する扉主体38と、この扉主体38の裏側に係合手段39及び締結手段40を介して着脱自在に装着されたガラス板ユニット41と、ガラス扉8の少なくとも左右両側部及び下部を補強する第1〜第3補強部材42〜44とを備え、窓孔37内のガラス板ユニット41を介して遊技領域23を前面から透視するようになっている。なお、ガラス板ユニット41は略全周が扉主体38の裏面に当接した状態で装着可能であり、その装着状態では扉主体38を裏側から補強するように構成されている。
ガラス板ユニット41は図4〜図9に示すように、所定の間隔を置いて配置された前後2枚の第1・第2ガラス板45,46と、この両ガラス板45,46を外周側で保持する保持枠47とを備え、内部に密閉空間ができるように両ガラス板45,46と保持枠47とが接着等で固定されている。
両ガラス板45,46には、左右一対の上下方向の側縁と、この側縁の下端間に円弧縁を介して連続する左右方向の下縁と、側縁の上端間を接続する上向き円弧状又は略台形状の上縁とを有する略同一形状のもの又は近似形状のものが使用されており、その両ガラス板45,46が左右方向に偏位量αだけ偏位して配置されている。
従って、第1ガラス板45のガイドレール21(前枠用ヒンジ4)と反対側には第2ガラス板46よりも左右方向の外側に突出する突出部45aが設けられ、第2ガラス板46のガイドレール21側には第1ガラス板45よりも左右方向の外側に突出する突出部46aが設けられている。
保持枠47は両ガラス板45,46間の間隔を保持する間隔保持部48と、この間隔保持部48の前後両側で各ガラス板45,46の外周部を保持する第1・第2保持部49,50とを一体に備えている。
この保持枠47の第1・第2保持部49,50は第1・第2ガラス板45,46の形状に対応して形成されており、第1・第2ガラス板45,46の突出部45a,46a側では両ガラス板45,46の形状に沿って第1・第2保持部49,50が左右方向の外側に突出する形状となっている。このため保持枠47の左右両側には、両ガラス板45,46の突出部45a,46aに対応する段差部51が設けられている。
即ち、保持枠47のガイドレール21と反対側には、第1保持部49が第2保持部50よりも外側に突出するよう段差部51が裏側に形成され、またガイドレール21側には、第2保持部50が第1保持部49よりも外側に突出するように段差部51が前側に形成されている。従って、左右の段差部51は第1・第2ガラス板45,46のズレに対応して逆向きになっている。
第1・第2保持部49,50の周壁部49a,50aは、両ガラス板45,46の前後方向の反対側に若干突出しており、その第1保持部49の周壁部49aの前端縁の略全周が扉主体38の裏面に当接している。なお、両周壁部49a,50aは両ガラス板45,46の前後方向の反対側の面と面一状でもよい。
ガラス板ユニット41は、窓孔37の形状が異なる複数種類のガラス扉8に共通に使用できるように、保持枠47に対応する部分を除く両ガラス板45,46の前後の重なり部分が扉主体38に形成可能な大きさの窓孔37よりも大きく構成されており、ガラス扉8を閉じたときに保持枠47が遊技領域23及びガラス扉8の窓孔37の外側に位置するようになっている。
ガイドレール21の膨らみ部25a分を含む上下方向の所定領域は、ガラス板ユニット41の第2ガラス板46の突出部46aの裏側に対応しており、この突出部46aにより、ガイドレール21の内・外レール24,25間の球案内通路26に沿って移動する遊技球をその前側で案内する張り出し案内部53が構成されている。
扉主体38は図2〜図7に示すように、外周形状が前枠3の前面扉9よりも上側の部分に対応する矩形状であって、左右一対の側枠部55a,55b、下枠部55c及び上枠部55dが一体に形成された合成樹脂製の扉枠55と、この扉枠55の前面に装着された化粧カバー56とを有し、上下一対のガラス扉用ヒンジ11を介して前枠3に枢着されている。
側枠部55a,55bは遊技領域23の外側で前枠3及び遊技盤7の前側に対応する形状であり、遊技領域23の上下方向の略中央に対応する中間部が狭幅となっている。ガラス板ユニット41の張り出し案内部53はヒンジ4,11,12側の側枠部55aの裏側に対応して設けられており、側枠部55aによって前側から覆われている。また下枠部55cは遊技領域23の外側で遊技盤7の前側に対応する形状であり、遊技領域23の左右略中央に対応する中間部分が狭幅となっている。なお、扉主体38は遊技領域23の外側に対応する形状でもよいし、遊技領域23の外周部分に一部が突出する形状でもよい。
扉枠55の側枠部55aの裏面には第1補強部材42が、側枠部55bの裏面には第2補強部材43が夫々上下方向に装着され、下枠部55cの裏面には第3補強部材44が左右方向に装着されており、これらの第1〜第3補強部材42〜44により、扉枠55の各枠部55a〜55cを裏側から補強するようになっている。また扉枠55の上枠部55dの左右両側にスピーカユニット52が組み込まれている。
扉枠55の内側は窓孔37よりも若干大きい開口となっている。化粧カバー56は周方向に複数個に分割されている。化粧カバー56は内部のスピーカユニット52等を覆い、また化粧カバー56の内周側には、扉枠55の内周縁近傍に嵌合して窓孔37を形成する内周壁56aが設けられている。
扉主体38にはガラス扉用ヒンジ11と反対側の側枠部55a,55bの下部に施錠操作手段13が設けられ、この施錠操作手段13にキーを挿入して所定方向に回動操作したときに前枠用施錠手段5Aが、逆方向に回動操作したときにガラス扉用施錠手段5Bが夫々施錠を解除するようになっている。
なお、扉枠55の上枠部55dは上側が左右方向の直線状であり、下側が窓孔37の開口縁に沿ってアーチ状又は円弧状であって、他の側枠部55a,55b、下枠部55cよりも上下幅、前後幅が大である上に、その裏側にはスピーカユニット52等を覆う合成樹脂製の裏カバー57が装着されている。そのため扉主体38の上枠部55dは十分な強度があり、その裏面には第1〜第3補強部材42〜44に相当する補強部材は設けられていない。
扉枠55の側枠部55a,55b、下枠部55c及び上枠部55dには、図2、図3に示すように、その外周縁の略全長に前後両側又は片側へと屈曲する補強縁58a〜58cが一体に形成されており、また側枠部55a,55b及び下枠部55cの裏側にはその補強縁58a〜58cに近接して第1〜第3補強部材42〜44が上下方向、左右方向に夫々固定されている。
第1〜第3補強部材42〜44は帯板状の板金材を所定形状に屈曲形成したものであって、補強縁58a〜58cの内側近傍で扉枠55の裏面に形成された凹部内に配置され、長手方向に所定間隔をおいて配置された複数個のネジにより裏側から扉枠55に固定されている。ガラス板ユニット41の外周部は扉枠55の裏面に密着している。
なお、ガラス板ユニット41はその保持枠47が扉枠55に裏側から当接してもよいし、第1〜第3補強部材42〜44に裏側から当接してもよい。
第1補強部材42、第2補強部材43は、図2、図3に示すように扉枠55の各側枠部55a,55bの上下方向の略全長にわたって上下方向に配置され、上下両端部を含む複数箇所でネジにより扉枠55の裏面に固定されている。第1補強部材42は図4、図6に示すように、補強縁58aの内側近傍で裏側へと屈曲する屈曲縁42aと、屈曲縁42aの後端から左右方向の外側へと屈曲する重合縁42bと、内端側から裏側へと屈曲する内側屈曲縁42cとが上下方向の略全長にわたって設けられている。
重合縁42bは図6に示すようにガラス扉8を閉じたときに前枠3の重合縁59aの裏側に重合して両者間の隙間を封じるためのものである。前枠3側の重合縁59aはガラス扉用ヒンジ11の外側で前枠3に装着された補強板59の前端内側に形成されている。第1補強部材42の内側屈曲縁42cは、ガラス扉8から裏側に突出する構成部材の一例であり、ガラス板ユニット41の前枠用ヒンジ4側の段差部51に対応しており、第2保持部50側へと屈曲している。
第2補強部材43は図2、図3に示すように、補強縁58bの内側近傍で裏側へと屈曲する屈曲縁43aを上下方向の略全長に備えると共に、この屈曲縁43aから裏側に突出して内側に屈曲する平面視L字状の受け具60が上下両端部、中間部等の所要箇所に曲げ加工により一体に設けられている。
第3補強部材44は第1補強部材42と第2補強部材43との下端部間を左右に連結するもので、図2〜図4に示すように、扉枠55の下枠部55cの左右方向の略全長にわたって配置され、左右方向の複数箇所でネジ等により扉枠55の裏面に固定されている。この第3補強部材44には、ガラス板ユニット41を下側から受ける受け部44aと、補強縁58cの内側近傍に位置する屈曲縁44bとが上下両側から裏側へと屈曲して設けられている。
受け部44aは第3補強部材44の左右方向の中央とその左右両側とに設けられており、その上面でガラス板ユニット41を下側から受けるようになっている。屈曲縁44bは下枠部55cの補強縁58cに近接して第3補強部材44の下端の略全長に設けられている。
前枠用施錠手段5Aは、図6に示すように、外枠2の内側に固定された受け具62と、前枠3に設けられ且つ前枠3を閉じたときに受け具62に係脱自在に係合する掛け具63とを有する。またガラス扉用施錠手段5Bは、図6に示すように、ガラス扉8の裏側に固定された受け具60と、前枠3により設けられ且つガラス扉8を閉じたときに受け具60に係脱自在に係合する掛け具64とを有する。
係合手段39は図3〜図5に示すように、ガラス板ユニット41の保持枠47から下方に突出する係合突起(係合部)39aと、第3補強部材44の受け部44aに形成され且つ係合突起39aが上側から係脱自在に係合する係合孔(被係合部)39bとを備え、左右方向に所定の間隔をおいて2個設けられている。なお、係合手段39は3個の受け部44aの内、左右の受け部44aに対応して設けられているが、中央の受け部44aに対応して設けてもよい。
締結手段40は図2、図3及び図10に示すように、ガラス板ユニット41の保持枠47から外側に突出する被締結部67と、この被締結部67を裏側から扉枠55側へと押圧する締結部材68と、この締結部材68を扉枠55の裏側で押圧・解除自在に枢支する支軸69とを備え、ガラス板ユニット41の上部側の左右両側に設けられている。締結部材68は摘まみ部68aを有し、また解除位置Aと締結位置Bとに保持可能になっている。
ガラス板ユニット41を扉主体38に装着する際には、先ずガラス板ユニット41の下部を扉主体38の第3補強部材44に係合する。この場合、ガラス板ユニット41の下部側の左右の係合突起39aを第3補強部材44の左右の受け部44aに形成された係合孔39bに上側から挿入すればよい。そして、係合突起39aを係合孔39bに挿入すれば、ガラス板ユニット41の下部が左右方向の3個の受け部44a上に載り、この受け部44aによりガラス板ユニット41が下側から支持された状態となる。
次に係合手段39を支点としてガラス板ユニット41の上部側を扉主体38の裏面に当接させた後、このガラス板ユニット41の上部を左右の締結手段40により締結して、ガラス板ユニット41を扉主体38の裏面に押圧して固定する。
ガラス板ユニット41を扉主体38の裏側に装着した状態でガラス扉8をガラス扉用施錠手段5Bにより施錠すると、そのガラス板ユニット41の張り出し案内部53、取り分けその第2ガラス板46の突出部46aがガイドレール21の膨らみ部25aの前側に位置する。そのため遊技に際して発射手段16により発射された遊技球をガイドレール21の球案内通路26を経て遊技領域23へと案内する場合に、その球案内通路26の前側の第2ガラス板46の突出部46aにより遊技球を案内することができる。
またガラス板ユニット41を扉主体38の裏側の所定位置に装着したときには、第1補強部材42の内側屈曲縁42cがガラス板ユニット41の前枠用ヒンジ4側の段差部51に位置することとなる。このため遊技領域23の左右幅の拡大化に伴い、ガイドレール21にガラス扉8の窓孔37の外側に膨らむ膨らみ部25aがあるにも拘わらず、扉主体38の裏面から裏側に突出する内側屈曲縁42c等の突出部分を備えた構造の第1補強部材42を採用した場合でも、その第1補強部材42とガラス板ユニット41との干渉を容易に解消することが可能であり、扉主体38の前枠用ヒンジ4側を十分に補強するに必要な断面形状の第1補強部材42を適宜採用することができる。従って、ガラス扉8の扉主体38の剛性の低下を防止しながら、遊技盤7の前側の遊技領域23の左右幅を拡大できる利点がある。
またガラス板ユニット41には略同一形状の第1・第2ガラス板45,46を使用して、その両ガラス板45,46を左右方向に若干偏位させた状態で保持枠47により保持する構造であるため、単一種類のガラス板45,46を使用でき、ガラス板ユニット41の製作コストの低減を図ることができる。
図11は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、扉枠55の側枠部55aの裏側に、後方に突出する補強部(構成部材)70が段差部51に対応して一体に形成されている。補強部70はリブ状であって、側枠部55aの上下方向の略全長に設けられている。なお、第1補強部材42には第1の実施形態と同様に内側屈曲縁42cを設けてもよい。他の構成は第1の実施形態と同様である。
このように扉主体38の裏側で段差部51に対応して後方に突出する補強部70は、扉枠55に一体に設けたものでもよい。従って、扉主体38から段差部51に対応して後方に突出する突出部材は、第1の実施形態に例示する第1補強部材42の内側屈曲縁42cの他、この第2の実施形態に例示する扉枠55の補強部70等の補強構造でもよいし、その他の構成部材でもよい。つまり、扉主体38から後方に突出するものであれば何であってもよい。
図12〜図14は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、保持枠47の第1・第2保持部49,50側に、ガラス板45,46の外周部分の相対向面に対応して周溝49b,50bが形成され、その周溝49b,50bに各ガラス板45,46を接着する接着剤71が充填され、また各保持部49,50間に肉厚調整溝72が形成されている。
各保持部49,50にはガラス板45,46の相対向面側に開口する周溝49b,50bが全周に形成され、この周溝49b,50bに接着剤71が充填されている。第2保持部50の対向部の前側、前枠用ヒンジ4と反対側の段差部51側には、第1保持部49から外側への突出量が大きい部分に肉厚調整溝72が形成されている。
なお、前枠用ヒンジ4と反対側の段差部51は前後及び左右に逆であって、第1保持部49の裏面に肉厚調整溝72が形成されている。他の構成は各実施形態の何れかと同様である。
このように各保持部49,50に周溝49b,50bを形成して、その周溝49b,50bに接着剤71を充填してガラス板45,46を保持枠47に固定するようにしてもよい。また各保持部49,50に周溝49b,50bを形成すると共に、その第1保持部49と第2保持部50との段差部51に肉厚調整溝72を形成することにより、保持枠47の略全体に跨がってその肉厚の均一化を図ることができる。
図15〜図20は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態では、図15に示すように、ガラス扉8の裏側にガラス板ユニット41を装着する際に、ガラス板ユニット41を扉主体38に対して上下及び左右の適正位置に位置決めするための位置決め手段81,82と、着脱、運搬等の取り扱い時に指を掛けるための指掛け部83とが上部側の左右両側に設けられている。
この位置決め手段81,82には、図16〜図18に示すように、ガラス板ユニット41の上下位置を位置決めする第1位置決め手段81と、ガラス板ユニット41の左右位置を位置決めする第2位置決め手段82とがある。
第1位置決め手段81は、保持枠47の各被締結部67から外側に突出する被持ち上げ案内部84と、ガラス扉8の扉主体38の裏面から被持ち上げ案内部84の下側へと後方に突出する位置決め突起85とを備えている。
第2位置決め手段82は、保持枠47の各被締結部67の外側面に形成された被横寄せ部86と、ガラス扉8の扉主体38の裏面から被横寄せ部86の外側へと後方に突出する位置決め突起85とを備えている。
なお、位置決め突起85は第1・第2位置決め手段81,82毎に別々に設けてもよい。また被締結部67、被持ち上げ案内部84及び被横寄せ部86は、保持枠47の第2保持部50の外側に一体に設けられているが、これらも別々に設けてもよい。またこの実施形態では、第1・第2ガラス板45,46を左右に偏位させて配置したガラス板ユニット41を例示しているが、ガラス板ユニット41は第1・第2ガラス板45,46が左右に偏位しない構造のものでもよい。
位置決め突起85は後部上面に持ち上げ案内面87を、後部内面に横寄せ案内面88を夫々備えている。持ち上げ案内面87は、係合手段39を支点としてガラス板ユニット41の上部側が扉主体38の裏側へと接近してきたときに被持ち上げ案内部84を下側から案内して、下端の係合突起39aが第3補強部材44の係合孔39bから離脱しない範囲でガラス板ユニット41を受け部44aから適正高さまで持ち上げるためのもので、位置決め突起85の後部上面に後下がりの傾斜状に形成されている。
横寄せ案内面88はガラス板ユニット41の上部側が扉主体38の裏側へと接近してきたときに持ち上げ案内面87によりガラス板ユニット41を持ち上げた状態で、被横寄せ部86を外側から案内してガラス板ユニット41を適正位置へと横方向に寄せるためのもので、位置決め突起85の後部内面に後外側へと傾斜状に形成されている。
持ち上げ案内面87と横寄せ案内面88は、図18(A)及び(B)に各位置a〜d毎の変化を示すように、ガラス板ユニット41と一体に被持ち上げ案内部84及び被横寄せ部86を順次扉主体38側へとP矢示方向に移動させたときに、先ず持ち上げ案内面87が被持ち上げ案内部84を介してガラス板ユニット41を持ち上げ、その後にガラス板ユニット41を持ち上げながら横寄せ案内面88が被横寄せ部86を介してガラス板ユニット41を横方向に寄せるようになっている。
ガラス板ユニット41の上部には、被締結部67の上側等の適当箇所に保持枠47と一体に指掛け部83が設けられている。指掛け部83は図19に示すように保持枠47の前後幅と略同じ前後幅を有し、保持枠47の第1・第2保持部49,50に跨がって形成され、裏側から指を掛けるように裏面側から前側に凹入状に形成されている。他の構成は各実施形態と同様である。
ガラス板ユニット41を扉主体38の裏側に装着する際には、図20に示すように、ガラス板ユニット41の下端の係合突起39aを第3補強部材44の係合孔39bに挿入してガラス板ユニット41を第3補強部材44の受け部44a上に載せた後、係合手段39を支点としてガラス板ユニット41の上部側を扉主体38側へとP矢示方向に移動させる。
すると先ず第1位置決め手段81側の被持ち上げ案内部84が、図18(A)及び(B)に示すように位置aから位置b,cを経て位置決め突起85の持ち上げ案内面87により案内されて、ガラス板ユニット41が図20に示すように第3補強部材44の受け部44a上から持ち上げられて行く。
そして、ガラス板ユニット41が受け部44aから持ち上がると、第2位置決め手段82の被横寄せ部86が位置決め突起85の横寄せ案内面88により案内されて、ガラス板ユニット41が左右方向へと移動する。従って、第1・第2位置決め手段81,82によりガラス板ユニット41を扉主体38に対して上下及び左右の適正位置に位置決めすることができる。
また前後2枚のガラス板45,46の外周側を保持枠47により保持したガラス板ユニット41は非常に重たいため、第3補強部材44の受け部44a上に載せた状態のままでは左右方向の位置決めが困難であるが、第1位置決め手段81の持ち上げ案内面87によりガラス板ユニット41を第3補強部材44の受け部44aから持ち上げながら、第2位置決め手段82の横寄せ案内面88によりガラス板ユニット41を左右方向に案内するため、ガラス板ユニット41を適正位置に容易に位置決めすることができる。
ガラス板ユニット41を適正位置に位置決めした後、締結部材68により被締結部67を締結してガラス板ユニット41を扉主体38の裏面に締結する。
ガラス板ユニット41を扉主体38から取り外す場合には、先ず締結部材68による被締結部67の締結を解除する。そして、左右の指掛け部83の何れか又は両方に適宜指を掛けて、ガラス板ユニット41を支えながら取り外せばよい。従って、指掛け部83を設けることによって、ガラス板ユニット41を容易且つ安全に取り外すことができる。なお、指掛け部83はガラス板ユニット41の装着時に利用してもよい。
図21は本発明の第5の実施形態を例示する。この実施形態では、ガラス板ユニット41の下部側を第3補強部材44の受け部44a及び係合手段39により、上部を左右一対の係合固定手段90により夫々固定するようになっている。なお、第3補強部材44の受け部44a及び係合手段39は、各実施形態と略同様である。
係合固定手段90は、保持枠47の上部から左右両側に突出する係合突部91と、扉主体38から裏側に突出し且つ係合突部91が上側から係脱自在に係合する係合受け具92とを備え、係合突部91が係合受け具92に係合することにより、ガラス板ユニット41の上部側を扉主体38に固定するようになっている。
係合突部91は各実施形態の被締結部67と同様の位置で保持枠47に設けられており、この係合突部91よりも上側に指掛け部83が配置されている。指掛け部83は係合突部91よりも下側でもよい。係合突部91は他の位置に設けてもよい。
係合受け具92はガラス板ユニット41が扉主体38の裏面に当接した状態で係合突部91が上側から係脱自在に係合す係合部92aと、ガラス板ユニット41を第3補強部材44の受け部44a上に載せた状態でP矢示方向に回動させたときに、係合突起39aが係合孔39bから外れない範囲で係合突部91を持ち上げながら係合部92aへと案内する持ち上げ案内部92bとが設けられている。他の構成は各実施形態と同様である。また係合手段39、係合固定手段90によるガラス板ユニット41の固定とは別に締結手段40による締結を併用してもよい。
ガラス板ユニット41を扉主体38に装着する際には、ガラス板ユニット41の下端の係合突部39aを第3補強部材44の係合孔39bに挿入してガラス板ユニット41を第3補強部材44の受け部44a上に載せた後、係合手段39を支点としてガラス板ユニット41の上部側を扉主体38側へとP矢示方向に移動させる。
すると先ず係合固定手段90の係合突部91が係合受け具92の持ち上げ案内部92bに沿って案内されるため、係合突部39aが係合孔39bから外れない範囲内でガラス板ユニット41が上昇する。そして、係合突部91が持ち上げ案内部92bを通過すると、ガラス板ユニット41が受け部44aに載った状態で係合突部91が係合部92aに係合する。これによってガラス板ユニット41は、受け部44a上で係合手段39と左右一対の係合固定手段90とによって扉主体38の裏側に固定できる。
ガラス板ユニット41を取り外す場合には、指掛け部83に指を掛けてガラス板ユニット41を持ち上げることにより、係合手段39、係合固定手段90による固定を解除できる。
図22、図23は本発明の第6の実施形態を例示する。この実施形態のガラス板ユニット41は、第2ガラス板46のガイドレール21の膨らみ部25aに対応する部分の形状が第1ガラス板45と異なっている。第2ガラス板46は張り出し案内部53側を除く外周形状が第1ガラス板45と略同じであり、その外周形状が同じ部分では両ガラス板45,46の外周縁が揃うように保持枠47により保持されている。
張り出し案内部53側では、第2ガラス板46に第1ガラス板45よりも外側に突出する突出部46aが設けられ、またその突出部46aの突出量に応じて保持枠47の第2保持部50が第1保持部49よりも外側に突出している。他の構成は各実施形態の何れかと同様である。
このようにガラス板ユニット41は、その張り出し案内部53に対応して突出部46aが形成された第2ガラス板46を使用したものでもよい。この場合には、第1ガラス板45と第2ガラス板46との形状が異なるため、二種類のガラス板45,46を準備する必要があるが、第2ガラス板46に突出部46aを設ければよいので、ガラス板45,46用の材料の無駄を防止できる。
図24〜図26は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態では、ガイドレール21の膨らみ部25aに対応する張り出し案内部53は、保持枠47の第2保持部50から外側へと一体に突出して形成されている。
そして、張り出し案内部53の裏面は第2ガラス板46の裏面と略面一状に形成され、張り出し案内部53と第2ガラス板46との間で遊技球をスムーズに案内できるようになっている。なお、前後2枚のガラス板45,46の外周形状は略同じである。他の構成は各実施形態の何れかと同様である。
このように張り出し案内部53は保持枠47から外側に一体に突出して形成してもよい。なお、張り出し案内部53は裏面に耐摩耗性の皮膜を設けてもよい。
図27、図28は本発明の第8の実施形態を例示する。この実施形態では、張り出し案内部53は、第2ガラス板46の突出部46aと保持枠47の第2保持部50から一体に突出する突出部50cとに跨がって設けられている。他の構成は各実施形態の何れかと同様である。
このように張り出し案内部53は、第2ガラス板46と保持枠47とに跨がって形成してもよい。
図29、図30は本発明の第9の実施形態を例示する。この実施形態では、張り出し案内部53の外周側に、ガイドレール21の外レール25の膨らみ部25aの外側で外レール25の前端よりも後方に突出する不正防止用突出部74が設けられており、この不正防止用突出部74と外レール25との重なりによって、ピアノ線等の不正部材の遊技領域23側への挿入を阻止するようになっている。なお、不正防止用突出部74は張り出し案内部53を含む外レール25の長手方向の両側にわたって設けてもよい。他の構成は各実施形態の何れかと同様である。
前枠3の前枠用ヒンジ4側の縦枠部3aの左右幅を小さくする等により遊技盤7を大型化して遊技領域23の左右幅を拡大する場合、ガイドレール21の最大膨らみ部25aが前枠3の左端側に最接近するため、最大膨らみ部25a又はその近傍部分からガイドレール21の前側を経て遊技領域23へとピアノ線等の不正部材を挿入される惧れがある。
しかし、ガラス板ユニット41側に最大膨らみ部25a又はその近傍部分の使用範囲βに不正防止用突出部74を設けることによって、ガイドレール21の膨らみ部25a側からの不正部材の挿入を防止することができる。
図31、図32は本発明の第10の実施形態を例示する。この実施形態では、発射手段16は図31に示すように、前面扉9の裏側で前枠3のヒンジ4,11,12側の下部に上向きに配置されており、この発射手段16から遊技盤7のガイドレール21の球案内通路26へと上向き(R方向)に遊技球を発射するようになっている。
ガラス板ユニット41は図32に示すように第1の実施形態と同様に左右の下隅部41a,41bが角形に近い形状をしている。ガイドレール21の下部側はガラス板ユニット41の左下隅部41a近傍へと第2ガラス板46に沿って下方に伸びており、その下端側が発射手段16からの遊技球の受け入れ口となっている。ガイドレール21の下部側はガラス扉8により前側から覆われている。なお、ガイドレール21の膨らみ部25aから上側は各実施形態と同様である。
このように発射手段16を配置した弾球遊技機においても、各実施形態と同様にそのガラス板ユニット41のガイドレール21側に張り出し案内部53を設けることにより、遊技領域23を拡大でき、しかもその遊技領域23へと遊技球を円滑に案内することができる。
図33〜図35は本発明の第11の実施形態を例示する。この実施形態では、ガラス板ユニット41の第1・第2ガラス板45,46の下隅部94が略同程度の半径の円弧状であり、第2ガラス板46にはこの下隅部94から上側で第2ガラス板46が第1ガラス板45の端縁から外側に張り出すように張り出し案内部53が設けられている。ガラス板ユニット41の保持枠47は、間隔保持部48の前後両側に第1・第2保持部49,50が設けられており、その第1保持部49の周壁部49aは下端側の下隅部94の段差95を介して第2保持部50の周壁部50aの外周面と連続するようになっている。ガラス板ユニット41の下側では、第1・第2保持部49,50の周壁部49a,50aは面一状になっている。
このように第2ガラス板46の張り出し案内部53側の側縁が下隅部94で第1ガラス板45の外周に一致又は略一致する場合には、保持枠47の第1保持部49側の周壁部49aの下端側に段差95を設けてもよい。この場合には、保持枠47の成型に使用する金型の構造を簡素化することができ、その製作が容易になる利点がある。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施形態では、透明板にガラス板45,46を用いた場合を例示し、透明板ユニット41をガラス板ユニット41とし、開閉扉をガラス扉8としているが、透明板にはガラス板45,46以外のもの、例えば耐摩耗性を有する合成樹脂製の透明板を使用してもよい。
また実施形態では、左右の側枠部55a,55bに第1・第2補強部材42,43を、下枠部55cに第3補強部材44を夫々備えた扉主体38を例示しているが、上枠部55dにも補強部材を設けてもよい。第1〜第3補強部材42〜44を相互に連結するに当たっては、前後に重ねて扉枠55に固定する他、一方に他方を係合又は挿入して連結してもよい。
前後2枚のガラス板45,46の外周形状は任意であり、略同一形状のものを使用してもよいし、第2ガラス板46のヒンジ側に突出部を備えたものを使用してもよい。ガラス板ユニット41には保持枠47の適宜箇所に、内部空間を除湿するための除湿剤を入れる部分を設けてもよい。保持枠47は各実施形態に例示の構造以外のものでもよい。発射手段16の位置は適宜変更可能である。