JP5774626B2 - 測温構造及びこれを用いた棚吊り検知方法 - Google Patents

測温構造及びこれを用いた棚吊り検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属溶解炉内の溶融金属の内部温度を連続的に測定するのに好適な測温構造及びこれを用いた棚吊り検知方法に関する。
金属溶解炉の操業において、溶解炉内の溶融金属の内部温度を正確に把握することは、安全操業及び溶湯品質管理を徹底する上で極めて重要である。このため、従来、様々な測温技術が開発されているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1記載の測温装置あるいは特許文献2記載の温度測定装置がある。
特許文献1記載の測温装置は、先端部が閉塞された中空部を有する筒形状のセラミックス製の保護管と、この保護管の中空部に配置された温度センサとを備え、溶融金属が収容された溶融容器を構成する耐火煉瓦の内側に積層される耐火部材に保護管を埋め込むとともに、保護管の後端を耐火煉瓦に固定した状態で使用するものである。この測温装置は、溶融金属を低コストで、応答性良く正確に、しかも連続的に測温することができるという長所を有している。
特許文献2記載の温度測定装置は、溶融金属と接触する管前端面に開口し、その管前端面から管後端面まで管軸に沿って形成された細径の貫通孔を有する耐熱管と、溶融金属の温度を検知する光ファイバーと、光ファイバーからの温度情報を基に溶融金属の算出する温度算出部とを備えている。
ところで、操業中の金属溶解炉においては、投入された原料金属のうち、溶解炉の底部付近に位置する原料金属が溶解して溶湯となる一方、表層部分に位置する原料金属が未溶解のまま架橋状態となる、所謂、「棚吊り」という現象が発生することがある。棚吊りが発生したまま加熱を続けると、電気エネルギーなどの無駄が生じるだけでなく、過加熱された溶湯と架橋部分との間に形成される高温空気層の圧力が著しく上昇し、架橋部分が爆裂して重大事故を招くことがある。
棚吊りの発生を防止するには、溶解炉内に投入された原料金属の表層部分の溶解状況を絶えず目視確認する必要があるが、順調な溶解過程にある原料金属の表層部分と、棚吊りが発生しているときの原料金属の表層部分とは外観上識別し難いので、棚吊りの発生の有無を一般作業者の目視観察のみで判断することは困難である。このため、現場では熟練作業者の勘に基づいて判断が行われているが、完璧を期すのは困難である。そこで、溶解炉内の溶湯の温度を測定することにより、熟練作業者の勘に頼ることなく、棚吊りの発生を回避する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2008−267986号公報 特開2008−45971号公報 特開平6−82171号公報
実操業中の溶解炉内においては、高温の溶解金属と高温の大気とが交互に入れ替わる状態が連続的に繰り返されるので、温度センサを内蔵した保護管は溶解炉内において過酷な雰囲気に曝される結果、高温大気によって酸化されたり、溶融金属中で溶損されたりしている。このため、溶解炉の操業中に、保護管の酸化や溶損などが原因で、正確な温度測定ができなくなったり、測定不能となったりすることがある。
また、実際の溶解炉は連続的に操業されることが多く、溶解炉を形成する耐火材自体も高温状態に維持されるので、温度センサを内蔵した保護管と耐火材との接触領域においては、両者を形成する素材同士が反応して、保護管が損傷し、保護機能を失うことが多かった。
このような問題は、特許文献1記載の測温装置あるいは特許文献2記載の温度測定装置などを使用することにより、ある程度まで解消することができるのであるが、本発明の属する技術分野においては、操業中の安全性の確保、省エネルギー及び溶湯品質向上に対する要請は年々高まっており、特許文献1記載の測温装置や特許文献2記載の温度測定装置などは、その要請に充分対応できていない面もあるのが実状である。
一方、操業中の溶解炉内で発生することがある棚吊り現象については、特許文献3記載の技術を利用することによって予防することができるのであるが、安全性を確保する観点からは、完璧が求められている。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、金属の溶解炉において、省エネルギー及び溶湯品質向上を図り、操業中の安全性も確保することができる技術を提供することにある。
本発明の測温構造は、溶解炉の炉床部に敷設された耐火煉瓦に開設された開口部に下端部を挿入した状態で前記耐火煉瓦に係止された耐火性の基台部材と、前記基台部材に略鉛直方向に設けられた穴部に下端開口部を挿入するとともに上端部を閉塞した状態で前記基台部材上に立設された耐火性の保護管と、前記保護管内に配置された温度センサと、前記保護管の上端部と略同等高さまで前記保護管を埋設した状態で前記耐火煉瓦上に形成された耐火材層と、を備え、前記保護管の上端部に当該保護管の軸心と直交する平面部を設けたことを特徴とする。
このような構成とすれば、溶解炉の炉床部に位置する温度センサにより、溶解炉内の溶湯の温度を応答性良く、連続測温することが可能となるため、得られた測温データに基づいて溶解炉の加熱エネルギーを制御し、余剰な加熱を回避することができるので、省エネルギーを図ることができる。さらに、溶解炉内の溶融金属の内部温度を連続的かつ正確に測定することにより、溶解炉の操業状態を安定に保ち、溶湯品質管理を徹底することができるので、溶湯品質向上も図ることができる。
ここで、前記保護管を窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化イットリウムのうちのいずれか1以上を含むセラミックスで形成することが望ましい。このような構成とすれば、保護管の酸化や溶損及び保護管と耐火材層との反応を防止することができるので、耐久性の向上に有効である。
また、前記保護管内に少なくとも2個の温度センサを前記保護管の軸心方向に変位させて配置することが望ましい。このような構成とすれば、溶解炉内の溶融金属の底面(底層部分)からの距離が異なる少なくとも2個の温度センサにより、同時並行状態で温度を計測することが可能となるので、測温精度をさらに向上させることができる。また、溶湯侵入などにより上方の温度センサに異常が発生した場合、下方の温度センサでそれを検知することができるので、迅速な対応が可能となる。
さらに、前記温度センサを絶縁性の管状体に収容した状態で前記保護管内に配置することが望ましい。
一方、前記保護管の上端部の厚さを、当該保護管の外径より大きく、且つ、前記耐火材層の厚さの30%以下とすることが望ましい。
また、前記保護管の上端部の厚さを当該保護管の他の部分の厚さより大とすることが望ましい。
さらに、本発明の測温構造においては、前記保護管の上端部に当該保護管の軸心と直交する平面部を設けている。
次に、本発明の棚吊り検知方法は、前述した測温構造のいずれかを溶解炉の炉床領域に構築し、前記溶解炉内に収容されている溶融金属の内部温度を前記温度センサで連続的に測定し、前記温度センサの測定値が予め設定された値を超えたときに警報信号を発することを特徴とする。
操業中の溶解炉内で棚吊りが発生したとき、溶湯の温度が過度に上昇することが確認されている。そこで、前記構成とすれば、溶解炉の炉床部に位置する温度センサで連続的に測温される溶解炉内の溶湯温度が予め設定された値を超えたときに発される警報信号により、棚吊りの発生を検知して、迅速に対応することができるので、棚吊りに起因する事故を防止し、操業中の安全性を確保することができる。また、棚吊りの発生を検知した後、溶解炉の加熱を停止するなどの対応が可能となれば、余剰な加熱を回避することができるので、省エネルギーを図ることができる。なお、前記警報信号が発されるときに、同時に警報音や警報光を出したり、溶解炉の加熱手段を自動停止したりするような構成とすることもできる。
本発明により、金属の溶解炉において、省エネルギー及び溶湯品質向上を図ることができ、操業中の安全性も確保することができる技術を提供することができる。
本発明の第1実施形態である測温構造を使用した溶解炉を示す一部省略垂直断面図である。 図1の一部拡大図である 図2に示す領域の一部省略分解斜視図である。 図2中のA−A線における断面図である。 図2中の温度センサ及び管状体を示す一部省略側面図である。 図5中の矢線B方向から見た図である。 図1に示す測温構造を用いて得られた計測値と経過時間との関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態である測温構造を使用した溶解炉を示す一部省略垂直断面図である。 図8の一部拡大図である。 図9中の温度センサ及び管状体を示す一部省略側面図である。 本発明の第3実施形態である測温構造を使用した溶解炉を示す一部拡大垂直断面図である。
以下、図1〜図7に基づいて、本発明の第1実施形態である測温構造100について説明する。図1〜図6に示すように、本実施形態の測温構造100は、溶解炉10の炉床部11に敷設された耐火煉瓦12に開設された開口部13に下端部20aを挿入した状態で耐火煉瓦12に係止された耐火性の基台部材20と、基台部材20に略鉛直方向に設けられた穴部21に下端開口部31を連結するとともに上端部32を閉塞した状態で基台部材20上に立設された耐火性の保護管30と、保護管30内に配置された複数の温度センサ41,42と、保護管30の上端部32と略同等高さまで保護管30及び基台部材20を埋設した状態で耐火煉瓦12上に形成された耐火材層であるアルミナ系ドライスタンプ層50と、を備えている。
溶解炉10は、有底円筒状の鉄扉14に銅輻射板15を敷設し、この銅輻射板15上に複数の耐火煉瓦12を積層して耐火煉瓦層60を形成し、耐火煉瓦層60上にアルミナ系ドライスタンプ層50を形成することによって製作されている。溶解炉10内のドライスタンプ層50で覆われた領域内で溶融金属Mが形成される。また、溶融金属Mの漏れを検知するための湯漏れセンサ17がアルミナ系ドライスタンプ層50に配置されている。
図2,図3に示すように、基台部材20は、円柱状の挿入部20bと、挿入部20b上に若干偏心した状態で一体的に形成された挿入部20bより外径の小さい円柱状の突出部20cと、を備えている。突出部20cの上面から挿入部20bに向かって穴部21が開設され、穴部21の下方は、挿入部20b下面に開口するセンサ挿入穴22に同軸上で連通している。
溶解炉10内に形成された耐火煉瓦層50の最上部分の略中央に位置する耐火煉瓦12の上面12aに円形の開口部13が開設されており、この開口部13内に基台部材20の挿入部20bを挿入することによって、基台部材20が耐火煉瓦12に取り付けられている。これにより、挿入部20bの上面20dが耐火煉瓦12の上面12aと略同一平面をなし、耐火煉瓦12の上面12aから突出部20cが略鉛直方向に起立した状態となる。
保護管30は、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化イットリウムのサブミクロン粉末を原料として焼成された複合セラミックスで形成され、その上端部32の厚さ32tをその他の部分である周壁部33の厚さ33tより大としている。図4,図5に示すように、複数の温度センサ41,42は絶縁性の管状体40に収容された状態で、保護管30の軸心30cを含む領域に形成された空洞部34内に保護管30の軸心30c方向に変位した状態で配置されている。また、保護管30の上端部32には、当該保護管30の軸心30cと直交する平面部35が設けられている。従って、複数の温度センサ41,42は保護管30に内蔵された状態となっている。
図4,図5及び図6に示すように、管状体40には、その軸心40cと平行な4つの孔43,44が軸心40cの周りに等間隔に形成されている。管状体40の先端部40a寄りの部分には、軸心40c方向に変位した二つの位置に略蒲鉾形状の切欠き部45,46が設けられている。二つの孔43は先端部40a側の切欠部45に開口し、二つの孔44は切欠部45より下方側の切欠部46に開口している。
温度センサ41,42はいずれも熱電対であり、一方の温度センサ41は一対の金属線41aをそれぞれ孔43に挿通し、接点部41bを切欠部45内に配置した状態で管状体40に収容され、他方の温度センサ42は一対の金属線42aをそれぞれ孔44に挿通し、接点部42bを切欠部46内に配置した状態で管状体40に収容されている。
図1,図2に示すように、測温構造100においては、温度センサ41,42を内蔵した保護管30が溶解炉10の炉床部11に配置され、保護管30の上端部32に設けられた平面35とアルミナ系ドライスタンプ層50の上面50aとが略同一平面をなすように形成されているため、溶解炉10内の溶融金属Mの内部温度を連続的かつ正確に測定することができ、応答性にも優れている。
また、溶解炉10の炉床部11に位置する温度センサ41,42により、溶解炉10内の溶融金属Mの温度を応答性良く、連続測温することができるので、得られた測温データに基づいて溶解炉10の加熱エネルギーを制御すれば、余剰加熱を回避することが可能となり、省エネルギーを図ることができる。さらに、溶解炉10内の溶融金属Mの内部温度を連続的かつ正確に測定することにより、溶解炉10の操業状態を安定に保ち、溶湯品質管理を徹底することができるので、溶湯品質向上も図ることができる。
また、図2に示すように、保護管30の上端部32の厚さ32tを周壁部33の厚さ33tより大とするとともに、溶解炉10の操業中、保護管30は、温度測定に必要な最小限部分である平面部35のみを溶融金属Mに接触させているので、保護管30が高温大気によって酸化されたり、溶融金属Mで溶損されたりすることが少なくなり、優れた耐久性を発揮する。さらに、保護管30は、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム及び酸化イットリウムのサブミクロン粉末を原料として焼成された複合セラミックスで形成されているため、前述した酸化及び溶損を防止できるだけでなく、高温状態にあるアルミナ系ドライスタンプ層50との反応も生じず、耐久性に優れている。
さらに、複数の温度センサ41,42は絶縁性の管状体40に収容された状態で、保護管30の軸心30cを含む領域に形成された空洞部34内に保護管30の軸心30c方向に変位した状態で配置されているので、溶解炉10内の溶融金属Mの底面からの距離が異なる複数の温度センサ41,42により同時並行状態で温度を計測することが可能であり、優れた測温精度を得ることができる。また、溶湯侵入などにより上方の温度センサ41に異常が発生した場合、下方の温度センサ42でそれを検知することができるので、迅速な対応が可能となる。
次に、測温構造100を構成する温度センサ41,42による測定値と経過時間との関係をグラフ化すると、図7に示すような結果が得られる。溶解炉10が正常に操業されているときは、温度センサ41,42の測定値は図7中の通常温度域の範囲(例えば、1200〜1400℃の範囲)で昇降しながら推移する。
一方、操業中の溶解炉10内で棚吊りが発生すると、図7中の破線部分Xで示すように、溶湯Mの温度が過度に上昇していき、通常温度域の上限(例えば、1400℃)を超えて危険温度域(例えば、1500℃以上の範囲)に入ることが経験的に確認されている。
そこで、本実施形態においては、溶解炉10内の溶融金属Mの内部温度を温度センサ41,42で連続的に測定し、温度センサ41,42の測定値が予め設定された値(例えば、1400℃)を超えたときには警報信号を発する構成としている。従って、操業中の溶解炉10内で棚吊りが発生したとき、現場の作業者は前記警報信号で直ちにそれを検知することができ、その後は迅速に対応策を講ずることが可能となるので、棚吊りに起因する事故を防止し、操業中の安全性を確保することができる。
さらに、前記警報信号が発されたとき、それに基づいて、溶解炉10の加熱機能を自動停止したり、緩和させたりする手段を設ければ、余剰な加熱を回避することができるので、省エネルギーを図ることができる。なお、前述した「予め設定された値」は棚吊りが発生したことを検知する判断基準となる温度であるが、溶解炉10の構造や規模あるいは溶融金属Mの種類などに応じて適宜、設定することができる。
次に、図8〜図10及び図11に基づいて、本発明の第2実施形態である測温構造200及び第3実施形態である測温構造300について説明する。なお、測温構造200において、前述した測温構造100と共通する部分については、図1〜図6中の符号と同符号を付して説明を省略する。
図8,図9に示すように、測温構造200においては、溶解炉10の炉床部11に敷設された耐火煉瓦12に開設された開口部13に下端部20aを挿入した状態で耐火煉瓦12に係止された耐火性の基台部材20と、基台部材20に略鉛直方向に設けられた穴部21に下端開口部71を連結するとともに上端部72を閉塞した状態で基台部材20上に立設された耐火性の保護管70と、保護管70内に配置された複数の温度センサ41,42と、保護管70の上端部72の平面部75と略同等高さまで保護管70及び基台部材20を埋設した状態で耐火煉瓦12上に形成された耐火材層であるアルミナ系ドライスタンプ層50と、を備えている。
図8,図9に示すように、保護管70は、保護管30と同様、窒化ケイ素、炭化ケイ素酸化アルミニウム及び酸化イットリウムのサブミクロン粉末を原料として焼成された複合セラミックスで形成され、その上端部72の厚さ72tをその他の部分である周壁部73の厚さ73tより大としている。複数の温度センサ41,42は絶縁性の管状体80に収容された状態で、保護管70の軸心70cを含む領域に形成された空洞部74内に保護管70の軸心70方向に変位した状態で配置されている。また、保護管70の上端部72には、当該保護管70の軸心70cと直交する平面部75が設けられている。さらに、保護管70の上端部72の厚さ72tを、当該保護管70の外径70aより大きく、且つ、耐火材層(アルミナ系ドライスタンプ層50)の厚さ50tの30%以下としている。
図10に示すように、管状体80には、その軸心80cと平行な4つの孔83,84が軸心80cの周りに等間隔に形成されている。管状体80の先端部80a寄りの部分には、軸心80c方向に変位した二つの位置にそれぞれ略蒲鉾形状の切欠部85,86が設けられている。二つの孔83は先端部80a側の切欠部85に開口し、二つの孔84は切欠部85より下方側の切欠部86に開口している。
一方の温度センサ41は一対の金属線41aをそれぞれ孔83に挿通し、接点部41bを切欠部85内に配置した状態で管状体80に収容され、他方の温度センサ42は一対の金属線42aをそれぞれ孔84に挿通し、接点部42bを切欠部86内に配置した状態で管状体80に収容されている。また、温度センサ41の接点部41bの頂点部は切欠部85の上端部分(管状体80の先端部80a)と同じ高さに配置され、温度センサ42の接点部42bの頂点部は切欠部86の上端部分と同じ高さに配置されている。従って、図9に示すように、温度センサ41,42が収容された管状体80を保護管70の空洞部74内に組み込んだとき、温度センサ41の接点部41bの頂点部は保護管70の空洞部74の天井面(上端部72の下面76)に当接した状態となる。
図8〜図10に示す測温構造200においては、温度センサ41,42を内蔵した保護管70の上端部71の厚さ72tを当該保護管70の外径70aより大きく、且つ、耐火材層(アルミナ系ドライスタンプ層50)の厚さ50tの30%以下としているため、溶解炉10(図8参照)内の溶融金属Mの内部温度を連続的かつ正確に測定することができ、応答性及び耐久性にも優れている。
また、溶解炉10の炉床部11に位置する温度センサ41,42により、溶解炉10内の溶融金属Mの温度を応答性良く、連続測温することができるので、前述したように、棚吊りが発生したときの溶融金属Mの温度上昇を的確に感知して迅速な対応を講ずることが可能となり、棚吊りに起因する事故を未然に防止し、操業中の安全性を確保することができる。また、棚吊りの発生を感知し、溶解炉余剰な加熱を回避することができるので、省エネルギーを図ることができる。さらに、溶解炉10内の溶融金属Mの内部温度を連続的かつ正確に測定することにより、溶湯品質管理を徹底することができるので、溶湯品質向上にも有効である。
さらに、前述したように、複数の温度センサ41,42は絶縁性の管状体80に収容された状態で、保護管70の軸心70cを含む領域に形成された空洞部74内に保護管70の軸心70c方向に変位した状態で配置されているので、測温精度も良好である。
図7,図8に示すように、溶解炉10の測温構造200において各部のサイズは限定しないが、本実施形態においては、溶解炉10の内径10a(溶融金属Mが収容されている部分の内径)が1100mm、耐火材層(アルミナ系ドライスタンプ層50)の厚さ50tが160mm、保護管70の上端の平面部75から基台部材20の下端部20aまでの長さLが180mm、耐火煉瓦層60の厚さ60tが130mm、銅輻射板15の厚さが15mm、鉄扉14の厚さが20mmであり、保護管70の外径70aを22mmとし、上端部72の厚さ72tを25mmとしている。
次に、図10に基づいて、本発明の第3実施形態である測温構造300について説明する。図10に示すように、測温構造300は、図8に示す測温構造200を構成する管状体80を管状体90に置き換えたものである。管状体90は、図8に示す管状体80の一方の切欠部86を省略し、先端部90a側に切欠部85を設け、接点部41bを切欠部85内に配置した状態で温度センサ41が管状体90に収容されている。その他の部分の構造、機能などは測温構造200と同様である。
図10に示す測温構造300においては、1個の温度センサ41を用いているため、製造コストを低減することができるほか、簡素な構造でありながら、精度の良い連続測温値を得ることができる。
なお、図1〜図10に基づいて説明した測温構造100,200,300及び測温方法は本発明を例示するものであり、本発明の測温構造及び測温方法は前述した測温構造100,200,300及び測温方法に限定されない。
本発明の測温構造及びこれを用いた棚吊り検知方法は、銅や鋳鉄などの各種金属を溶解するための溶解炉を使用する様々な金属産業分野において広く利用することができる。
10 溶解炉
10a 内径
11 炉床部
12 耐火煉瓦
12a,20d,50a 上面
13 開口部
14 鉄扉
15 銅輻射板
16 耐火煉瓦層
17 湯漏れセンサ
20 基台部材
20a 下端部
20b 挿入部
20c 突出部
21 穴部
22 センサ挿入孔
30,70 保護管
30c,40c,80c 軸心
31,71 下端開口部
32,72 上端部
32t,33t,50t,72t,73t 厚さ
33,73 周壁部
34,74 空洞部
35,75 平面部
40,80,90 管状体
40a,80a 先端部
41,42 温度センサ
41a,42a 金属線
41b,42b 接点部
43,44 孔
45,46,85,86 切欠部
50 アルミナ系ドライスタンプ層(耐火材層)
60 耐火煉瓦層
76 下面
100 測温構造
M 溶融金属

Claims (7)

  1. 溶解炉の炉床部に敷設された耐火煉瓦に開設された開口部に下端部を挿入した状態で前記耐火煉瓦に係止された耐火性の基台部材と、前記基台部材に略鉛直方向に設けられた穴部に下端開口部を挿入するとともに上端部を閉塞した状態で前記基台部材上に立設された耐火性の保護管と、前記保護管内に配置された温度センサと、前記保護管の上端部と略同等高さまで前記保護管を埋設した状態で前記耐火煉瓦上に形成された耐火材層と、を備え、前記保護管の上端部に当該保護管の軸心と直交する平面部を設けたことを特徴とする測温構造。
  2. 前記保護管が窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化イットリウムのうちのいずれか1以上を含むセラミックスで形成された請求項1記載の測温構造。
  3. 前記保護管内に少なくとも2個の温度センサを前記保護管の軸心方向に変位させて配置した請求項1または2記載の測温構造。
  4. 前記温度センサを絶縁性の管状体に収容した状態で前記保護管内に配置した請求項1〜3のいずれかに記載の測温構造。
  5. 前記保護管の上端部の厚さを、当該保護管の外径より大きく、且つ、前記耐火材層の厚さの30%以下とした請求項1〜4のいずれかに記載の測温構造。
  6. 前記保護管の上端部の厚さを当該保護管の他の部分の厚さより大とした請求項1〜5のいずれかに記載の測温構造。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の測温構造を溶解炉の炉床領域に構築し、前記溶解炉内に収容されている溶融金属の内部温度を前記温度センサで連続的に測定し、前記温度センサの測定値が予め設定された値を超えたときに警報信号を発することを特徴とする棚吊り検知方法。
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