JP5773954B2 - ガラス基板エッチング装置およびガラス基板エッチング方法 - Google Patents

ガラス基板エッチング装置およびガラス基板エッチング方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板エッチング装置およびガラス基板エッチング方法に関し、特に、薄膜および結晶系の太陽電池に用いられるソーダガラス基板のエッチングに用いて好適なガラス基板エッチング装置およびガラス基板エッチング方法に関するものである。
太陽光発電は、火力発電や原子力発電の代替エネルギーとして大いに期待されており、従来からの単結晶あるいは多結晶シリコン基板を用いる結晶系の太陽電池に加え、近年、安価なソーダガラス上にシリコン等の薄膜を堆積して太陽電池セルを形成する薄膜太陽電池が注目されている。
薄膜アモルファスシリコン太陽電池は、例えばガラス基板上に、透明導電膜からなる第1電極層と、P型アモルファスシリコン膜、発電層であるI型アモルファスシリコン膜およびN型アモルファスシリコン膜からなるアモルファスシリコンセルと、透明導電膜および金属電極膜からなる第2電極層と、が積層された構造を有する。このような薄膜太陽電池では、ガラス基板を介して入射した太陽光を効率的に発電に利用するため、たとえばガラス基板の表面にテクスチャと呼ばれる微細な凹凸形状を形成して入射光を散乱させ、発電層内での光路長を長くすることで高い発電電流を得ている。このようなテクスチャ付ガラス基板は、上述した薄膜アモルファスシリコン太陽電池のみならず、他の薄膜太陽電池にも用いられており、さらに結晶系の太陽電池モジュールのカバーガラスにも利用されている。
ガラス基板の表面に微細な凹凸形状を形成する方法として、シリカ(SiO)に加えて、アルカリ金属元素(Na、Ca等)も成分に含むソーダガラスをフッ化水素(HF)ガスに曝すと、アルカリ金属の存在によりガラス表面が部分的にエッチングされ、表面に微細な凹凸形状が形成されることが知られている(たとえば、特許文献1参照)。HFガスを用いたエッチング装置として、半導体LSI(Large-Scale Integrated)デバイスやMEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)の製造分野では、気相HFエッチング装置が用いられている(たとえば、特許文献2、非特許文献1参照)。
これらの気相HFエッチング装置では、真空チェンバ内に基板を設置する基板ステージに対向してガスシャワーヘッドが配置されており、このガスシャワーヘッドのシャワープレートに設けられた多数の小孔を通じてHFガス(および添加ガス)がチェンバ内に供給される。基板ステージ上にガラス基板が置かれていると、ガラス表面に入射したHFガス粒子は比較的大きな付着確率(S〜0.1)で表面に付着し、ガラス中のSiO成分との間で以下の(1)式に示されるエッチング反応が起こる。
4HF+SiO→SiF↑+2HO↑ ・・・(1)
そして、未反応のHFガス、およびエッチングにより生じたガス状の反応生成物(たとえば、SiFやHO)は、ガラス基板の表面に沿って基板の周辺部に向かい、最終的には基板ステージと真空チェンバの内壁との隙間から下方に排気される。
特許第2737901号公報 特開2008−187105号公報
W. I. Jang, C. A. Choi, J. H. Lee, C. H. Jun, H. Yang, Y. T. Kim, "Characterization of Residues on Anhydrous HF Gas-Phase Etching of Sacrificial Oxides for Surface Micromachining", Jpn. J. Appl. Phys., Vol.39, pp.337-342(2000)
しかしながら、従来の気相HFエッチング装置は、直径φ6〜10インチ程度のシリコン基板の表面に形成された半導体装置のシリコン酸化膜やシリコン窒化膜をエッチングするための装置であり、太陽電池で使用されるメートル級の大型ガラス基板(たとえば、基板寸法が1.4m×1.1m)の表面をエッチングして表面に微細な凹凸形状を形成するための装置ではない。このため、従来の気相HFエッチング装置を単純にスケールアップして大型ガラス基板を処理すると、以下のような問題点があった。
ガスシャワーヘッドから放出されたHFガスは、上記の(1)式に示される反応によりガラス基板の表面で消費されながらガラス基板の周辺部に輸送されるため、ガラス基板の中央部と周辺部とではHFガス濃度が異なり、周辺部ではHFガス濃度が低下する。このため、ガラス基板の周辺部では、ガラスのエッチング量が不十分となり、表面のラフネス度合いが小さすぎる凹凸形状になる。
このようなHFガスの流れに起因するエッチングの不均一性は、ガラス基板が大きくなるほど顕著になり、太陽電池で用いられるメートル級の大型ガラス基板では、ガラス基板の面内でのエッチング特性、すなわち凹凸形状の均一性が〜数10%にまで悪化する。その結果、面内で不均一なテクスチャ付ガラス基板上に作製された太陽電池セルの発電特性も面内で不均一になり、太陽電池モジュールの性能が低下するという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エッチングガスを用いて太陽電池用のガラス基板をエッチングする際に、ガラス基板の全面を均一にエッチングしてガラス表面に均一な凹凸形状を形成することができるガラス基板エッチング装置およびガラス基板エッチング方法を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるガラス基板エッチング装置は、ガラス基板のエッチング処理を行う処理室と、前記処理室内でガラス基板を保持する基板保持手段と、前記エッチング処理に用いる処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記基板保持手段の基板保持面に対向して配置され、前記処理ガスが供給される貯気室と、前記基板保持手段側に設けられて複数の孔を介して前記処理室と前記貯気室とを連通させるシャワープレートと、を有する処理ガス吐出手段と、前記貯気室内のガスを排気する排気手段と、を備え、前記処理ガス供給手段と前記排気手段とが前記処理ガス吐出手段に接続され、前記処理ガス吐出手段は、前記処理ガス供給手段から前記貯気室に供給される前記処理ガスを前記シャワープレートの前記孔を介して処理室内に向けて吐出し、前記排気手段は、前記貯気室を介して前記処理室内のガスを排気し、前記処理ガス供給手段と前記排気手段とを遮断することにより、前記孔を介して前記貯気室が前記処理室と連通した状態で前記処理室と前記処理ガス吐出手段とを密閉可能であること、を特徴とする。
本発明によれば、ガラス基板の表面を均一にエッチング処理し、全面にわたって一様な凹凸形状を形成することができるという効果を有する。その結果、太陽電池モジュールの発電特性の向上、製品歩留まりの向上、ならびに製造コストの低減を実現することができるという効果を有する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかるガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1におけるガラス基板のエッチング処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図3は、ガラス基板のエッチング処理時のHOガスの流量とHFガスの流量と真空チェンバ(反応室)内のガス圧力の時間変化との一例を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる他のガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の実施の形態2にかかるガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。 図6は、図5中のシャワープレートのA部の拡大図である。 図7は、図5中のシャワープレートのA部の他の形態の拡大図である。 図8は、本発明の実施の形態3にかかるガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。 図9は、本発明の実施の形態3におけるガラス基板のエッチング処理と洗浄処理との手順の一例を示すフローチャートである。
以下に、本発明にかかるガラス基板エッチング装置およびガラス基板エッチング方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。このガラス基板エッチング装置は、ガラス基板をエッチングする処理室としての真空チェンバ11を備え、この真空チェンバ11の内部に基板保持手段である基板ステージ12と、ガス吐出手段であるガスシャワーヘッド13と、が対向して配置されている。この例では、基板ステージ12は、真空チェンバ11内の下部に配置され、ガスシャワーヘッド13は、真空チェンバ11内の上部に配置される。基板ステージ12上には、エッチング処理を施すガラス基板100が載置される。また、真空チェンバ11の壁部、基板ステージ12、およびガスシャワーヘッド13には図示しない加熱機構が設けられ、これらの温度は室温〜70℃程度に保持される。また、真空チェンバ11の側面には、真空チェンバ11内のガス圧力を絶えず計測・監視する圧力計14が接続される。
ガスシャワーヘッド13の上部には、ガラス基板100をエッチングする際に用いる処理ガスとしてのエッチングガスやその他のガスを供給するガス供給手段20が配置されており、ガス供給手段20はガスシャワーヘッド13の上部とガス供給をオン/オフさせるガス供給バルブを介して接続される。ガス供給バルブ21aはHFガスのガス供給配管22aと接続され、このガス供給配管22aの上流にはHFガスの流量を制御するマスフローコントローラ23aが設けられる。また、ガス供給バルブ21bは水蒸気(HO)のガス供給配管22bと接続され、このガス供給配管22bの上流にはHOの流量を制御するマスフローコントローラ23bが設けられる。
さらに、ガスシャワーヘッド13には、エッチング時に使用するHFやHOに加え、真空チェンバ11を大気解放する際にガス供給手段20から窒素(N)ガスを供給する。このため、ガスシャワーヘッド13の上部にはガス供給バルブ21cを介してNガスのガス供給配管22cも接続され、このガス供給配管22cの上流にはNガスの流量を制御するマスフローコントローラ23cが設けられる。なお、Nガスは大気解放用のパージガスであるため、マスフローコントローラ23cは無くてもかまわない。なお、これらのガス供給バルブを総称してガス供給バルブ21と呼ぶ場合がある。
この例では、ガラス基板100のエッチングを行う際には、HFガスとHOガスとを用いているが、HFガスの代わりにフッ酸蒸気(すなわちHFとHOの混合ガス)を供給してもよい。また、添加ガスとして用いているHOガスの代わりに、メタノール(CHOH)、エタノール(COH)、イソプロピルアルコール(COH)などのアルコールガスなどを用いることができる。また、パージ用ガスは、N以外にも、Arなどの希ガスや乾燥空気などでもよい。
また、この装置でエッチング処理を行うガラス基板100は、薄膜太陽電池の支持基板あるいは結晶系太陽電池のカバーガラスに用いられる、いわゆるソーダガラスであって、主成分のSiOに加え、アルカリ金属元素が総量で10〜30wt%含まれている。ガラス組成の一例として、SiO(72wt%)、NaO(13wt%)、CaO(9wt%)、MgO(4wt%)、Al(1wt%)、等である。また、ガラス基板の寸法に関しては特に制約はないが、本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置がその効果を特に発揮するのは、従来の装置では均一なエッチング処理が困難である大型のガラス基板、すなわち外形が1m×1m以上のガラス基板であり、本実施の形態では、例えば外形が1.4m×1.1mのG5サイズと呼ばれる大型ガラス基板を使用する。
図1に示しているように、ガスシャワーヘッド13内部の貯気室131には、ガス供給手段20から供給されるエッチングガスを均一に拡散させるためのガス拡散板132が備えられ、また、ガスシャワーヘッド13の基板ステージ12と対向する面には、ガスが面内から均一に噴出するよう、多数の小孔(図示せず)を有するシャワープレート133が設けられている。なお、真空チェンバ11内の空間は、シャワープレート133により、大まかに上下の空間、すなわち貯気室131と反応空間である反応室10とに分割された状態となる。そして、真空チェンバ11と、ガス供給系および排気系とを遮断することにより、シャワープレート133の小孔を介して貯気室131が処理室10と連通した状態で、貯気室131と処理室10とを密閉可能である。
さらに、ガスシャワーヘッド13の上部には、内部の貯気室131を真空状態まで排気できるように排気口31が設けられ、この排気口31は排気バルブ33を介して排気配管32と接続されている。排気配管32には真空排気手段30が接続され、この真空排気手段30にはドライポンプやターボ分子ポンプなどの真空ポンプ(図示せず)が備えられている。真空排気手段30を駆動させて排気バルブ33をオン(開状態)にすると、直ちに貯気室131内のガスが排気されるが、このとき、シャワープレート133に設けられた多数の小孔を通じて、真空チェンバ11の反応室10内のガスも排気される。なお、シャワープレート133の小孔は、例えば、直径〜φ1mm程度で、シャワープレート133の1.4m×1.1mの領域に20mm間隔で個数〜1万5千個程度が均一に分布する。
このように、本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、真空チェンバ11や貯気室131を、ガスシャワーヘッド13に設けた排気口31からガス排気するようにしているので、従来の装置のように、真空チェンバ11の側面や底面(反応室10側)に排気口を設ける必要がなく、ガスシャワーヘッド13と基板ステージ12との距離を極狭くすることができる。また、ガスシャワーヘッド13や基板ステージ12と真空チェンバ11の側壁との隙間も極小さくすることができる。こうして、HFガスを供給する反応空間(反応室10)の容積を必要最小限にすることが可能となる。
また、本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、圧力計14で計測している真空チェンバ11内の圧力の監視と、HFガスのガス供給バルブ21a、HOガスのガス供給バルブ21b、パージ用Nガスのガス供給バルブ21cおよび排気バルブ33の開閉等、ガラス基板エッチング装置の駆動制御を行う制御手段40が備えられている。この制御手段40の制御により、予め決められた手順に沿って、真空チェンバ11へのHOやHFガス等の供給や真空チェンバ11内のガスの排気を自動的に行うことができる。この制御手段40には、例えば汎用のパソコンや専用の制御装置等を用いることができる。制御手段40がガス供給バルブやマスコントローラ等に開閉信号や流量制御信号等の制御信号を送ることで、ガス供給バルブやマスコントローラ等では、制御信号にしたがって自動でバルブの開閉や流量調整を行う。
次に、具体的な装置寸法を記しながら説明する。薄膜太陽電池で一般的に用いられる外形1.4m(幅)×1.1m(奥行)サイズのガラス基板に対応する本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、真空チェンバ11の内寸を、例えば1.5m(幅)×1.2m(奥行)にまで小さくすることができ、ガスシャワーヘッド13と基板ステージ12との隙間も〜5mm−10mm程度にまで狭くすることができる。この場合、ガスを供給する反応室10の容積Vは〜9リットル(L)−18リットル(L)である。
一方、特許文献2や非特許文献1に示されている従来のエッチング装置では、真空チェンバの底面にガスの排気口を設けているため、基板ステージと真空チェンバの底面との間に大きな排気空間が生じてしまい、この場合、チェンバの反応室の容積は少なくとも〜360Lになる。このように、本実施の形態にかかるエッチング装置では、エッチングガスを供給する反応室の容積を従来のエッチング装置の〜1/20−1/40程度にまで大幅に低減させることができる。
なお、ガスを供給する際には、反応室10のみならず、ガスシャワーヘッド13の貯気室131にもガスが充填するので、この貯気室131の容積も可能な限り小さくすることが好ましい。このため、貯気室131内の高さを〜5mm−10mm程度にし、更にガス供給バルブ21や排気バルブ33も、ガスシャワーヘッド13に可能な限り近づけて配置することで、貯気室131の容積を〜8L−16Lに抑えることができる。
本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、基板ステージ12上に設置されたガラス基板100をエッチングする際、先ず真空チェンバ11を真空排気した後、真空チェンバ11を封じ切り、その後、例えばHFとHOとから成るエッチングガスを短時間(Tgas≦1秒(s))で真空チェンバ11内に供給し、ガラス基板100をエッチングガスの静止雰囲気中に保持する(エッチング時間:Tetch=10秒(s)−60秒(s))。このような封じ切りプロセスでは、エッチング時(Tetch)には、HFガス密度は反応室10内でほぼ一様であり、エッチングは面内で均一に進行する。一方、HFガスを供給している間(Tgas)は、HFガス密度に偏りが生じ、エッチングは不均一に進行する。したがって、ガス供給時間(Tgas)をエッチング時間(Tetch)に比べて極力短くすることが重要である。
本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、上述したように、反応室10の容積が従来の装置と比較して〜1/20−1/40程度であるので、ガス流量が同じであれば、所望の圧力に到達するまでのガス供給時間を容積の差分だけ大幅に短くすることができる。具体的には、ガス流量を10slmとし、真空チェンバ11(反応室10)内の圧力を5Torrにまで昇圧するには、従来の装置ではガス供給時間がTgas〜30sとなるが、本実施の形態にかかるエッチング装置ではTgas≦1sで済む。既に上述したように、エッチング時間はTetch=10s−60sに設定するので、従来の装置では、ガス供給時間(Tgas〜30s)の間にガラス表面が相当量不均一にエッチングされる。一方、本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、ガス供給時間をTgas≦1sにまで短縮することが可能であり、このガス供給時間にはガラス表面は殆どエッチングされない。
次に、このような構造のガラス基板エッチング装置における基板エッチング処理方法の一例について詳細に説明する。図2は、実施の形態1におけるガラス基板100のエッチング処理の手順の一例を示すフローチャートである。図3は、ガラス基板100のエッチング処理時のHOガスの流量とHFガスの流量と真空チェンバ11(反応室10)内のガス圧力の時間変化との一例を示す。図3において、図3(a)はガラス基板100のエッチング処理時のHOガスの流量を、図3(b)はガラス基板100のエッチング処理時のHFガスの流量を、図3(c)は、ガラス基板100のエッチング処理時の真空チェンバ11(反応室10)内のガス圧力の時間変化を示す。
ここに示す処理例では、真空封じした真空チェンバ11内に添加ガスであるHOガスを予め導入しておき、その後エッチングガスであるHFガスを導入してガラス基板100の表面をエッチングする場合について説明するが、HFガスとHOガスとを同時に供給してもよいし、予めHFガスとHOガスとを混合した状態でガス供給を行ってもよい。また、HFガスを先に導入し、その後HOガスを導入しても同様の効果を得る。
図2に示すように、エッチング処理が開始されると、先ず真空チェンバ11をNガスでパージして真空チェンバ11内の圧力を大気圧に戻してからガラス基板100を設置する(ステップS10)。また、ガラス基板エッチング装置が既に大気開放中である場合には、大気開放中のガラス基板エッチング装置の基板ステージ12上にガラス基板100を設置する。次に、排気バルブ33を開け(ステップS20)、真空排気手段30によって真空チェンバ11内を大気圧の状態から所定の真空度になるまで真空排気する(ステップS30)。このとき、ガス供給バルブ21aおよびガス供給バルブ21bは、閉めた(オフした)状態としておく。これにより、貯気室131内のガスが排気され、またシャワープレート133に設けられた多数の小孔を通じて真空チェンバ11内の反応室10のガスも排気される。
真空チェンバ11内が所定の真空度になった時点で排気バルブ33を閉め(オフとし)、真空チェンバ11と排気系を遮断して、真空チャンバ11を封じ切った状態にする(ステップS40)。この状態で、先ずガス供給手段20からHOガスを、所定の流量となるようにマスフローコントローラ23bで調整してガス供給配管22bに供給し、ガス供給バルブ21bを開ける(オンする)ことで、HOガスがガスシャワーヘッド13に供給される(ステップS50)。
ガスシャワーヘッド13内の貯気室131に供給されたHOガスは、ガス拡散板132により貯気室131全体に均一に拡散され、シャワープレート133から面内で均一に反応室10内へと吐出される。このとき、真空チェンバ11(反応室10)内の圧力は、図3に示すように、HOガスのガス供給バルブ21bを開けた時点(t=T)から、時間と共に直線的に増加(昇圧)する(ステップS60)。そして、時間がt=Tになった時点で、ガス供給バルブ21bを閉じる(ステップS70)。この場合、HOガスの供給時間はTH2O=T−Tである。
次に、ガス供給手段20からHFガスを、マスフローコントローラ23aで所定の流量となるように調整してガス供給配管22aに供給し、ガス供給バルブ21aを開ける(オンする)ことで、HFガスがガスシャワーヘッド13に供給される(ステップS50)。ガスシャワーヘッド13内の貯気室131に供給されたHFガスは、ガス拡散板132により貯気室131全体に拡散され、シャワープレート133から面内で均一に反応室10内へと吐出される。このとき、真空チェンバ11(反応室10)内の圧力は、図3に示すように、HFガスのガス供給バルブ21aを開けた時点(t=T)から、時間と共に直線的に増加(昇圧)する(ステップS60)。そして、時間がt=Tになった時点で、ガス供給バルブ21aを閉じて真空チェンバ11とガス供給系を遮断する(ステップS70)。この場合、HFガスの供給時間はTHF=T−Tである。これにより、真空チェンバ11と、ガス供給系および排気系とが遮断され、シャワープレート133の小孔を介して貯気室131が処理室10と連通した状態で、貯気室131と処理室10とが密閉される。
このような処理により、反応室10内では、HFガスとHOガスとが混合した状態になっており、ガラス基板100の表面では、エッチング反応がスタートする(ステップS80)。所定の時間(Tetch=T−T)だけエッチングを行った後、排気バルブ33を開状態(オン)とし(ステップS90)、所定の時間(Tevac=T−T)だけ真空チェンバ11内(反応室10および貯気室131)のガスを排気して(ステップS100)、十分に排出した後、排気バルブ33を閉める(ステップS110)。
上記のTetch時間内でのエッチング(ステップS80)においてガラス基板100がエッチングされる量は、例えばHFガス圧力が5Torrの場合、全てのHFガス粒子がエッチングに寄与したと仮定すると、ガラス基板100の表面から〜23nmの深さと見積もることができる。このため、〜数100nmから〜数μmのエッチング深さが必要となる場合には、図2に示しているように、ガス供給工程(ステップS50〜ステップS70)、エッチング工程(ステップS80)、ガス排気工程(ステップS80〜ステップS110)のステップを複数回繰り返す必要がある。
この繰り返し回数が所定の数に達すると、パージ用Nガスラインであるガス供給配管22cのガス供給バルブ21cを開け(オン)、真空チェンバ11内にNガスを供給して大気圧に戻すNパージ処理を行う(ステップS120)。その後、装置を大気解放して、基板ステージ12からガラス基板100を取り出して(ステップS130)、一連のエッチング処理が完了する。なお、上述した一連のエッチング処理における真空チェンバ11(反応室10)内の圧力の監視および各バルブの改正の制御は、制御手段40により自動で行われる。
上述したように、大型ガラス基板を均一にエッチングするためには、HFガスの供給時間(THF)はエッチング時間(Tecth)よりも充分に短くすることが重要である。HFガス圧力に依るが、エッチング時間はTetch=10s−60sの範囲に設定する場合には、ガス供給時間(THF)は5秒(s)以内、より好ましくは1秒(s)以内とすることが好ましい。ガス供給時間(THF)を5秒(s)以内とすることにより、ガス供給時にガラス表面が不均一にエッチングされることを防止でき、1秒(s)以内とすることにより、ガス供給時にガラス表面が不均一にエッチングされることをより確実に防止できる。HFガス流量を高めることで、所望の圧力に到達するまでの時間、すなわち、このガス供給時間(THF)を原理的にはどこまでも短くすることは可能であるが、HFガスは蒸気圧があまり高くなく(〜0.05MPa、室温)、ガス流量を〜10slm以下に抑える必要がある。
本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、真空チェンバ11においてガスを供給する空間(反応室+貯気室)の容積が〜17L−34Lであるので、HFガス流量を10slmとすると、HFガス圧力を〜数Torrにまで昇圧するのに要する時間は〜0.1s−3sとなる。このように、本実施の形態にかかるガラス基板エッチング装置では、ガス供給時間を1s以内にまで設定することが可能である。
また、上述したエッチングにおいては、エッチングガスを真空チェンバ11内に供給した後、真空チェンバ11内を封じ切って密閉し、ガラス基板100をエッチングガスの静止雰囲気中に保持してエッチングを行うため、エッチング後のガス排気時には未反応のHFガスはガス中に殆ど存在していない。このため、排気時間が長くてもエッチングの均一性には悪影響を及ぼさない。しかしながら、エッチング処理のスループットを上げるためには、排気時間も短い方が好ましく、Tevac=5s−10s程度に設定することが好ましい。
なお、図1に示した例では、ガスシャワーヘッド13へのガス供給とガスシャワーヘッド13からのガス排気は、それぞれ異なる位置で行っているが、貯気室131内でのガス流れの均一性を向上させるために、図4に示すように排気口31をガスシャワーヘッド13の中心軸上に配置し、さらにガス供給も排気口31から行うようにしてもよく、この場合にはシャワープレート133からのガスの吐出やガスの吸い込みが、面内でより均一になり、エッチングの均一性は更に向上する。図4は、実施の形態1にかかる他のガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。
上述したように、実施の形態1においては、ガスシャワーヘッド13に真空排気手段30を接続し、真空チェンバ11内(反応室10内、貯気室131内)のガス排気をこのガスシャワーヘッド13から行えるようにしている。これにより、真空チェンバ11の側面や底面に排気口を設ける必要がなく、反応室10および真空チェンバ11の容積を大幅に小さくすることができる。このような実施の形態1にかかる装置は、真空チェンバ11を封じ切り、ガス流れが無い静止雰囲気でガラス基板をエッチングするプロセスに適しており、HFガス供給を短時間(THF≦1s)で行うことができ、大型ガラス基板のエッチングの場合にも、エッチングの面内均一性を向上させることができる。すなわち、ガラス基板100の全面を均一にエッチングしてガラス基板100の表面に均一な凹凸形状を形成することができる。その結果、太陽電池の製造に用いられるメートル級の大型ガラス基板全面に一様なテクスチャ形状を形成することができ、太陽電池モジュールの発電特性の向上および製造コストの低減を実現することができる。
また、上述した、実施の形態1においては、真空チェンバ11に供給したHFガスの殆どをエッチング反応に使用してから排気しているので、HFガスの利用効率が高いという利点もある。さらに、ガスシャワーヘッド13にガス供給手段20、真空排気手段30を搭載しているので、ガラス基板を設置する真空チェンバ11を小型化でき、さらにロードロック室が不要であり、装置構成を極めてシンプルにすることができる。すなわち、ガラス基板エッチング装置の低コスト化、更にはエッチング処理の低コスト化、を実現できる効果がある。
なお、上記においてはガスシャワーヘッド13を真空チェンバ11内に配置したが、例えば一面が開口された容器の開口部にガスシャワーヘッド13を密着させることにより、上記と同様の機能を備える構成としてもよい。また、ガスシャワーヘッド13の下方に真空チェンバ11の側壁部が接続された一体構造であってもよく、この場合にはガスシャワーヘッド13を基板ステージ12に密着させることにより、反応空間である反応室10が形成される。さらに、基板ステージ12のガラス基板搭載面を窪ませて、窪みを反応室10として用いる構成を用いてもよい。
実施の形態2.
図2のフローチャートに示すように、エッチング処理が開始すると、先ず真空チェンバ11をNパージして真空チェンバ11内の圧力を大気圧に戻してからガラス基板100を設置し(ステップS10)、その後、真空チェンバ11を大気圧から所定の真空度になるまで真空排気する(ステップS20、ステップS30)。実施の形態1で説明したガラス基板エッチング装置では、反応室10を排気する時は、シャワープレート133に設けられた多数の小孔を通じてガス排気を行うが、この小孔の排気コンダクタンスが小さいため、真空引きには比較的長時間要する。そこで、実施の形態2では、上述したステップS30の真空引きに要する時間を短縮し、エッチング処理のスループットを高めることができるガラス基板エッチング装置について説明する。なお、実施の形態2にかかるガラス基板エッチング装置は、以下において説明する構成以外は、実施の形態1にかかるガラス基板エッチング装置と同様の構成を有する。
図5は、実施の形態2にかかるガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。この図では装置の制御手段は省略している。また、図6は、図5中のシャワープレート133のA部の拡大図であり、図6(a)は、貯気室131からシャワープレート133を通じて反応室10にガスを供給している状態を、図6(b)は、反応室10内のガスをシャワープレート133を通じて排気している状態を表している。
実施の形態2にかかるガラス基板エッチング装置は、実施の形態1にかかるガラス基板エッチング装置においてシャワープレート133の周辺部に排気コンダクタンスが大きい排気孔134を複数個備え、この排気孔134には、貯気室131と反応室10との圧力差により自動的に開閉動作を行なう排気弁135が組み込まれた構造になっている。
排気弁135は、シャワープレート133の面方向において排気口134よりも大きな面積を有し、且つシャワープレート133の上面側(ガス供給における上流側)に設けられたザグリ部(凹部)138内において排気口134の全体を塞ぐ位置に配置されている。また、排気弁135の上方には、排気弁135の上方への移動を制限するためのストッパ136が設けられている。なお、実施の形態1にかかるガラス基板エッチング装置と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略する。
次に、排気弁135の動作について説明する。シャワープレート133の周辺部に設けられた排気弁135は貯気室131と反応室10とを隔てている。図6(a)に示すように、貯気室131から反応室10にエッチングガスを流している状態では、排気弁135は排気孔134を上方(ガス供給における上流側)から塞ぎ、排気孔134におけるガスの流路は閉じられた状態になっている。この場合には、実施の形態1の場合と同じく、ガスはシャワープレート133に設けられた多数の小孔139を通過してシャワープレート133の面内で一様に反応室10内に吐出(噴霧)される。
一方、図6(b)に示すように、大気圧下の反応室10からガス排気を行う際には(図2のステップS30に相当)、当初は反応室10の圧力が貯気室131の圧力よりも高く、且つ反応室10と貯気室131との間の圧力差ΔPが大きく、ΔP>W/Sの関係が満たされる。ここで、Wは排気弁135の重さ、Sは排気孔134の断面積である。この場合には、排気弁135が上方に力を受けてストッパ136の位置まで浮き上がり、排気孔134にガスの流路が形成される。
このように、反応室10と貯気室131との圧力差ΔPが大きい場合には、排気弁135が自動的に開き、シャワープレート133では多数の小孔139に加えて排気コンダクタンスが大きい排気孔134からもガスが排気されるので、反応室10をより大きな排気速度で短時間に真空引きを行うことができる。そして、反応室10の圧力が十分に下がった時点、すなわちΔP<W/Sの関係になると、排気弁135は自重により自然に下方に落ちて排気孔134を塞ぎ、排気孔134におけるガスの流路が閉状態に戻る。このような排気口134および排気弁135を設けることにより、ステップS30での排気時間を大幅に短縮することができ、エッチング処理のスループットを高めることが可能となる。
なお、上記においては、排気弁135がその自重により排気孔134を塞いでいるが、より確実に排気孔134をシールするためには、排気孔134のザグリ部(凹部)138あるいは排気弁135にOリングを使用するとよい。また、例えば図7に示すように、排気弁135とストッパ136との間にスプリングあるいは板状のバネ部材137を挿入し、このバネ部材137の弾性力を利用して排気弁135を排気孔134側に押さえつけるようにしてもよい。図7は、図5中のシャワープレート133のA部の他の形態の拡大図であり、図7(a)はガス供給時の排気弁135の状態を、図7(b)はガス排気時の排気弁135の状態を、それぞれ模式的に示している。
上述したように、実施の形態2によれば、真空チェンバ11の真空引きに要する時間を短縮し、エッチング処理のスループットを高めることができる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1および実施の形態2では、ガラス基板のエッチング処理を終えた後に、直ぐにガラス基板をガラス基板エッチング装置の外に取り出す場合について説明した。一方、取り出したガラス基板の表面には、不揮発性の反応生成物(主にNaF、NaSiF)の膜が堆積しており、これらの堆積物を除去する洗浄処理が別途必要となる。このため、エッチング処理後のガラス基板は、別の洗浄装置を用いてガラス基板表面の洗浄が行われる。
製造ラインの処理能力を上げる、あるいは製造コストを下げるためには、エッチング処理に引き続き、ガラス基板のエッチング装置内においてガラス基板表面の洗浄を行うことが好ましい。そこで、実施の形態3では、ガラス基板エッチング装置内でガラス基板の洗浄を行うことができるガラス基板エッチング装置およびガラス基板エッチング方法について説明する。
図8は、実施の形態3にかかるガラス基板エッチング装置の概略構成を模式的に示す断面図である。この図では装置の制御手段は省略している。実施の形態3にかかるガラス基板エッチング装置は、実施の形態1にかかるガラス基板エッチング装置において、真空チェンバ11(貯気室131や反応室10)の内部に洗浄水を導入するための給水機構50を有している。すなわち、このガラス基板エッチング装置は、実施の形態1にかかるガラス基板エッチング装置におけるガスシャワーヘッド13に、洗浄水を供給する給水管52と、供給される洗浄水を所定の温度に加熱する洗浄水加熱部53と、洗浄水の供給のオン/オフを切り替える給水バルブ51と、が接続されている。
洗浄水は特に限定されないが、脱イオン水、より好ましくは純水を用いることが好ましい。また、洗浄効果を高めるために、洗浄水に界面活性剤を加えてもよい。また、洗浄水加熱部53は、ヒータと温度計とを有し、洗浄水の温度が所定の温度となるように制御手段により制御される。また、ガスシャワーヘッド13と給水バルブ51との間の給水管52には、パージ用Nガスのガス供給配管22cが接続される。
ソーダガラスをHFガス中でエッチングすると、不揮発性の反応生成物であるNaFやNaSiFがガラス基板100の表面に堆積し、同時にシャワープレート133や真空チェンバ11の壁面にも多量のパーティクル等が付着する。これらの堆積膜やパーティクルは可溶性であり、真空チェンバ11内に洗浄水を導入することによって容易に溶解・除去することができる。
例えば、堆積物のNaFの溶解度は25℃で4.1g/100mlであり、NaSiFの溶解度は25℃で0.76g/100ml、100℃で2.45g/100mlである。洗浄水の液温を上げることで積膜やパーティクルの溶解度は増加するので、洗浄水の液温を室温〜90℃の範囲で所望の値に設定すると洗浄効果を向上させることができる。洗浄水の温度としては、30℃以上が好ましく、より好ましくは50℃以上である。洗浄水の温度を30℃以上とすることにより、より洗浄効果を向上させることができる。洗浄水の温度をこのような温度とすることによって、真空チェンバ11内の洗浄後に、ガラス基板100や真空チェンバ11内の壁面の水分を速やかに蒸発させることもできる。
さらに、真空チェンバ11には、真空チェンバ11内の洗浄水を排出する排水機構60を有している。排水機構60は、真空チェンバ11の底部に設けられた排水口61と、排水口61に接続された排水管62と、排水管62上に設けられて排水のオン/オフを切替える排水バルブ63と、を備える。この図8では、給水バルブ51と排水バルブ63とが開けられ、真空チェンバ11内に洗浄水を導入している状態を表している。
このように、このガラス基板エッチング装置は、真空チェンバ11内、すなわち貯気室131や反応室10の内部に洗浄水を充填させることにより、基板ステージ12上のガラス基板100の表面の堆積膜のみならず、シャワープレート133や真空チェンバ11内の壁面に付着している堆積膜やパーティクルも同時に溶解させながら除去する構造とされている。なお、実施の形態1と同一の構成要素には、同一の符号を付してその説明を省略している。
つぎに、このような構造を有するガラス基板エッチング装置でのエッチング処理および洗浄処理について説明する。図9は、実施の形態3におけるガラス基板のエッチング処理と洗浄処理との手順の一例を示すフローチャートである。ここで、洗浄処理は、ガラス基板表面の洗浄と真空チェンバ11内部のクリーニングとの両方を含む。
まず、実施の形態1における図2のステップS10〜ステップS110と同様にして、真空チェンバ11内の基板ステージ12に載置したガラス基板100をHFガスやフッ酸蒸気を用いてエッチング処理した後、真空チェンバ11にパージ用Nガスを供給して真空チェンバ11内を大気圧に戻した後(ステップS120)、真空チェンバ11の排水バルブ63を開ける(ステップS210)。このとき、洗浄水加熱部53により洗浄水を例えば50℃に加熱する。
ついで、給水バルブ51を開けて洗浄水をガスシャワーヘッド13に供給すると(ステップS220)、貯気室131内部の水位が上昇すると同時に、洗浄水がシャワープレート133に設けられた多数の小孔からガラス基板100の表面に散水される。散水された洗浄水は、ガラス基板100の表面の堆積物を溶解・除去しながら、真空チェンバ11の底面の排水口61から排水される。このようにして、所定の時間、ガラス基板100の表面を洗浄する(ステップS230)。
このとき、洗浄水の給水速度を排水速度よりも大きく設定すると、真空チェンバ11内の水位も上昇するようになる。そして、真空チェンバ11の内部が洗浄水でほぼ満たされた時点で給水速度と排水速度とが釣り合うように給水速度を調整し、真空チェンバ11の内部全体をクリーニングすることもできる。これにより、ガラス基板100の表面のみならず、ガスシャワーヘッド13や基板ステージ12等の隙間にも洗浄水を行き渡らせることができ、真空チェンバ11内のクリーニングをより効果的に行うことができる。
所定の時間が経過した後、すなわちガラス基板100および真空チェンバ11内部の水洗を十分に実施した後、給水バルブ51を閉め(ステップS240)、洗浄水が排水されるのを待つ。このとき、洗浄水が自然に排水され、また貯気室131や反応室10の内面およびガラス基板100から蒸発されるのを待ってもよいが、これらの乾燥を短時間で充分なものにするために、排水の途中からガス供給バルブ21cを開き、給水管52内、貯気室131内、反応室10内にパージ用Nガスを導入し、これらに溜まっている水分を強制的に排出させ、内部を乾燥させるパージ処理を行ってもよい(ステップS250)。このようにして、乾燥用ガスとしてパージ用Nガスを用いて真空チェンバ11内の水分を充分に蒸発させた後、ガス供給バルブ21cを閉じてパージ用Nガスの供給を停止し、排水バルブ63を閉める。
以上のようにして、真空チェンバ11内、すなわち貯気室131内および反応室10内の水分を充分に蒸発させた後、排水バルブ63を閉め(ステップS260)、ガラス基板100をエッチング装置から取り出して(ステップS270)、一連のエッチング処理および洗浄処理が完了する。
上述したように、実施の形態3にかかるガラス基板エッチング装置では、ガラス基板100のエッチング処理後に、引き続きガラス基板100の洗浄も行うことができるので、取り出したガラス基板100は他の装置での洗浄工程を省略して、直ちに次の工程に進めることができ、製造の低コスト化に有効である。また、ガラス基板100のエッチング処理後に、ガラス基板エッチング装置のクリーニングも同時に行うことができるので、ガラス基板エッチング装置のメンテナンス頻度を大幅に下げることができ、製造の低コスト化や製品歩留まりの向上に有効である。
以上のように、本発明にかかるガラス基板エッチング装置は、エッチングガスを用いたエッチングによりガラス基板の全面を均一にエッチングしてガラス表面に均一な凹凸形状を形成する場合に有用であり、特に、太陽電池用の大型ガラス基板のエッチングに適している。
10 反応室
11 真空チェンバ
12 基板ステージ
13 ガスシャワーヘッド
14 圧力計
20 ガス供給手段
21 ガス供給バルブ
21a、21b、21c ガス供給バルブ
22a、22b、22c ガス供給配管
23a、23b、23c マスフローコントローラ
30 真空排気手段
31 排気口
32 排気配管
33 排気バルブ
40 制御手段
50 給水機構
51 給水バルブ
52 給水管
53 洗浄水加熱部
60 排水機構
61 排水口
62 排水管
63 排水バルブ
100 ガラス基板
131 貯気室
132 ガス拡散板
133 シャワープレート
134 排気口
134 排気孔
135 排気弁
136 ストッパ
137 バネ部材
139 小孔

Claims (15)

  1. ガラス基板のエッチング処理を行う処理室と、
    前記処理室内でガラス基板を保持する基板保持手段と、
    前記エッチング処理に用いる処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
    前記基板保持手段の基板保持面に対向して配置され、前記処理ガスが供給される貯気室と、前記基板保持手段側に設けられて複数の孔を介して前記処理室と前記貯気室とを連通させるシャワープレートと、を有する処理ガス吐出手段と、
    前記貯気室内のガスを排気する排気手段と、
    を備え、
    前記処理ガス供給手段と前記排気手段とが前記処理ガス吐出手段に接続され、
    前記処理ガス吐出手段は、前記処理ガス供給手段から前記貯気室に供給される前記処理ガスを前記シャワープレートの前記孔を介して処理室内に向けて吐出し、
    前記排気手段は、前記貯気室を介して前記処理室内のガスを排気し、
    前記処理ガス供給手段と前記排気手段とを遮断することにより、前記孔を介して前記貯気室が前記処理室と連通した状態で前記処理室と前記処理ガス吐出手段とを密閉可能であること、
    を特徴とするガラス基板エッチング装置。
  2. 前記貯気室への前記処理ガスの供給をオン/オフするためのガス供給バルブを前記処理ガス供給手段と前記処理ガス吐出手段との間に有し、
    前記貯気室内のガスの排気をオン/オフするための排気バルブを前記排気手段と前記処理ガス吐出手段との間に有すること、
    を特徴とする請求項1に記載のガラス基板エッチング装置。
  3. 前記ガス供給バルブおよび前記排気バルブの制御を行う制御手段を備え、
    前記ガス供給バルブおよび前記排気バルブは、前記制御手段からの制御信号に基づいて開閉動作を自動的に行うこと、
    を特徴とする請求項1または2に記載のガラス基板エッチング装置。
  4. 前記シャワープレートは、前記孔よりも大径の他の孔を有し、
    前記処理室内のガスを排気するときに開状態となり前記他の孔を塞ぐ排気弁を有すること、
    を特徴とする請求項3に記載のガラス基板エッチング装置。
  5. 前記排気弁は、前記貯気室と前記処理室との圧力差に応じて開閉動作を行うこと、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のガラス基板エッチング装置。
  6. 前記処理ガスは、少なくともフッ化水素を含むこと、
    を特徴とする1〜5のいずれか1つに記載のガラス基板エッチング装置。
  7. 前記処理室内に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
    前記処理室内に貯留した前記洗浄水を排水する排水手段と、
    を備え、
    前記洗浄水供給手段は、配管により前記処理ガス供給手段に接続され、前記処理ガス供給手段を介して前記洗浄水を前記処理室内に供給すること、
    を特徴とする1〜6のいずれか1つに記載のガラス基板エッチング装置。
  8. 前記洗浄水供給手段は、前記洗浄水を加熱する加熱手段を有すること、
    を特徴とする請求項7に記載のガラス基板エッチング装置。
  9. 前記配管を介して前記処理ガス供給手段および前記処理室に乾燥用ガスを供給する乾燥用ガス供給手段を有すること、
    を特徴とする7または8に記載のガラス基板エッチング装置。
  10. 処理室と、前記処理室に連通した処理ガス吐出手段と、前記処理ガス吐出手段に接続された処理ガス供給手段と、前記処理ガス吐出手段に接続された排気手段と、を有するガラス基板エッチング装置を用いたガラス基板エッチング方法であって、
    ガラス基板をエッチング処理するための処理ガスを前記処理室に配置されたガラス基板に向けて一様に前記処理ガス吐出手段から吐出供給する第1の工程と
    前記処理ガスを前記処理室内に封じ込めた状態で前記処理ガスにより前記ガラス基板の表面をエッチングする第2の工程と、
    前記ガラス基板のエッチング後に、未反応の前記処理ガスと前記ガラス基板のエッチングにより生じた反応生成物とを前記処理ガス吐出手段を介して前記処理室から排気する第3の工程と、
    を含むことを特徴とするガラス基板エッチング方法。
  11. 前記第1の工程と前記第2の工程と前記第3の工程とを単位処理として、前記単位処理を繰返し行うこと、
    を特徴とする請求項10に記載のガラス基板エッチング方法。
  12. 前記ガラス基板は、主成分のシリカ(SiO)に加えてアルカリ金属元素を10wt%〜30wt%の範囲で含むこと、
    を特徴とする請求項10または11に記載のガラス基板エッチング方法。
  13. 前記ガラス基板の基板面積が1m以上であり、前記第1の工程の時間が5秒以内であること、
    を特徴とする請求項10〜12のいずれか1つに記載のガラス基板エッチング方法。
  14. 前記第3工程の後に、前記処理室内の前記ガラス基板の表面に洗浄水を供給して前記ガラス基板をクリーニングするクリーニング工程を有すること、
    を特徴とする請求項10〜13のいずれか1つに記載のガラス基板エッチング方法。
  15. 前記クリーニング工程では、前記洗浄水を30℃以上に加熱して供給すること、
    を特徴とする請求項14に記載のガラス基板エッチング方法。
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