JP5773784B2 - 塗装用繊維構造体及びペイントローラー - Google Patents
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Description
本発明は、前記立設状態の特殊複合糸が、その基端側の撚糸部分と、その先端側の前記解撚部分とを備えたものであり、前記撚糸部分は、前記特殊複合糸の前記撚りが維持された部分であり、前記特殊複合糸が、複数本の加工糸を撚り合わせて得られ、撚りによる凸部と凹部とを糸条方向交互に備えるものであり、前記凸部及び前記凹部は、各加工糸が互いのフィラメントの山同士及び谷同士をそれぞれ螺旋状に連ねることによって形成されているものとして実施することができる。
また、本発明は、前記加工糸には仮撚り加工において加撚時の撚り数が同じのものが使用されており、前記凸部は1m当たりの個数が当該撚り数と同一であるものとして実施することができる。
そして、本発明は、上記の塗装用繊維構造体を塗装面として塗装用ロールに取り付けたペイントローラーを提供する。
図1は、本発明の実施の形態に係るペイントローラの分解斜視図であり、このペイントローラーは、塗装用ロール1と、この塗装用ロール1を回動可能に支持するためのペイントローラ用の支持軸6と、軸受け用部材とを備える。支持軸6は金属製等の剛性を有する素材から構成され、この支持軸6の基端側には把手5が設けられている。支持軸6の先端側には、軸受け用部材が取り付けられる。この軸受け用部材は、2分割された筒部材2、3と、その内部に組み込まれる固定体4とから構成される。筒部材2、3は固定体4を回動可能に内包した状態で、塗装用ロール1の内部に固定される。固定体4は、支持軸1が嵌入されて、支持軸1に対して固定される。これにより、塗装用ロール1が支持軸6に回動可能に支持され、塗料を含んだ塗装用ロール1が塗布面上を回動することで、塗布面に塗料が塗布される。塗装用ロール1は、硬質の合成樹脂等の比較的剛性の高い筒状の支持体10と、この支持体10に、熱融着や接着剤などで接着された塗布用繊維構造体11とから構成されている。
この塗布用繊維構造体11は、図2に拡大して示すように、織地の地組織12の片面に立設繊維層13を有する。なお、図2の例では織地としたが、編地でも実施することができる。立設繊維層13は、多数のカットパイルを含む。このカットパイルを構成する糸は、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、アクリル系重合体、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン等々の熱可塑性合成繊維などのマルチフィラメンの特殊複合糸14から構成されている。この特殊複合糸14以外の糸を併用することも可能であるが、カットパイルの総本数の4分の1以上が特殊複合糸14であることが望ましく、より望ましくは半分以上〜全量を特殊複合糸14によって構成させる。特殊複合糸14の量が少なすぎると、本発明の効果が発揮し難いが、コストなどの関係で全量で実施することは必ずしも必須ではない。
特殊複合糸14は、図4に示すような製造装置を用いて製造される。この製造装置においては、最も上流側(図中で上側)に第1フィードローラ21が配設されており、この第1フィードローラ21よりも下流(図中で下方)には上流側から順番に、タッチヒータ22及び第2フィードローラ23が配設されている。第1フィードローラ21及び第2フィードローラ23は、これらの間でオーバーフィード条件となるように製造装置に給糸された加工糸19を支持するものである。タッチヒータ22は、オーバーフィード条件下にある加工糸19がその内部を通過する際、内面に接触した加工糸19を加熱することにより、加工糸19の撚りを保持して特殊複合糸14とするものである。なお、このオーバーフィード条件とは、第2フィードローラ23の回転速度に比べて第1フィードローラ21の回転速度を速めることにより、第1フィードローラ21及び第2フィードローラ23の間で加工糸19を弛ませた状態とする条件をいう。また、第2フィードローラ23の側方にはドラム24及びチーズ25が設けられている。ドラム24及びチーズ25は、特殊複合糸14を製造装置外へと引き出し、同特殊複合糸14をチーズ25に巻き取ることによって回収するものである。
なお、本発明に係る塗布用繊維構造体11は、種々の形態の塗装部材に用いることができ、図1のペイントローラーに限らず、塗装用ブラシにも適用することができる。
(特殊複合糸14の製造)
加工糸:ポリエステル製で264デシテックス(240デニール)/48フィラメントのマルチフィラメント糸に、ドローレシオが1.57、撚り数が2,900t/m、加撚時の加熱温度が220℃、仮撚装置内での糸の速度を100m/mの条件で仮撚り加工を施して得られた仮撚糸。
加工糸の太さ:165デシテックス(150デニール)。
加工糸の本数:5本。
撚糸工程における撚り数:70t/m
タッチヒータの温度:215〜230℃。
オーバーフィード率:20〜100%。
製造装置内での糸の速度:100m/m。
上記のような加工条件により、大きな伸縮性を有する撚糸である特殊複合糸14を得ることができた。また、この特殊複合糸14において、1m当たりの凸部の個数は、2,900個であった。
以上のようにして製糸された特殊複合糸14を織機で製織し、特殊複合糸14を100質量%の割合で含む繊維(カットパイル)よりなる立設繊維層立設繊維層13を有する塗布用繊維構造体11を製造し、特殊複合糸14のカットパイル糸を解繊機を用いて解繊した。カットパイルの株数(本数)は、39万本/m2であり、カットパイルの全高の約50%の範囲を解撚して解撚部分を形成し、毛丈13mmの塗布用繊維構造体11を作成した。この塗布用繊維構造体11を10に接着し、図1のペイントローラーを完成させた。
完成したペイントローラーによって、次の塗料塗布量の試験を行なった。その結果を表1に示す。比較例としては、ピーアイエー株式会社製の一般内外装仕上げペイントローラー「ボンパラゴン」(登録商標)毛丈13mmを用いた。塗料塗布量の試験は、表1に示す各塗料メーカーの塗料を塗布するもので、ローラーに塗料を付けて十分に均一に馴染ませて、その時点での重量(開始時重量)を測定し、常法に従い塗料を平板状の塗布面に塗装状態を確認しながら塗布する。塗装状態にかすれが生じた時点で塗布を終了し、その時点での重量(測定時重量)を測定し、上記の開始時重量との差を求め、これを塗装量とした。表1の塗装量には、3回同じ試験を行い、3回の平均値を記載した。表1の最下段において、実施例と比較例の塗料塗布量の比率を示したとおり、実施例は従来のペイントローラーに比して、良好な塗装量を実現することが確認された。
11 塗布用繊維構造体
12 地組織
13 立設繊維層
14 特殊複合糸
15 凸部
16 凹部
17 フィラメント
17a 山
17b 谷
18 隙間
19 加工糸
20a 撚糸部分
20b 解撚部分
Claims (4)
- 地組織と、前記地組織の少なくとも一方の面に設けられた塗布用繊維層とを有し、前記塗布用繊維層が捲縮繊維を含むものである塗装用繊維構造体において、
前記塗布用繊維層は、前記地組織から立設状態とされた多数の特殊複合糸を用いて構成されたものであり、
前記特殊複合糸は、複数本の加工糸を撚り合わせて得られ、糸条方向に対する側面視での撚りによって生じた凸部及び凹部が、糸条方向へ螺旋状に連なっているものであり、
前記加工糸は、複数本のフィラメントから構成されたマルチフィラメント糸であり、且つ、前記マルチフィラメント糸は捲縮が付与されることにより、前記各フィラメントは、螺旋状をなすように延びており、糸条方向に対する側面視の状態で波の頂部に山を、波の底部に谷を有しており、
前記フィラメントの前記山同士が螺旋状に連なることによって前記特殊複合糸の前記凸部が形成され、前記フィラメントの谷同士が螺旋状に連なることによって前記特殊複合糸の前記凹部が形成されていることを特徴とする塗装用繊維構造体。 - 前記複数本の加工糸に対して、これらを撚り合わせる撚糸工程と、撚糸工程後の前記加工糸をオーバーフィード条件下で加熱してそれぞれの撚りを保持する加熱処理工程とがなされて、前記特殊複合糸が構成されたものであり、
前記撚糸工程は撚り数を60〜80t/mとして行われ、前記加熱処理工程はオーバーフィード率を20〜100%として行われたものであることを特徴とする請求項1記載の塗装用繊維構造体。 - 前記立設状態の前記特殊複合糸は、その基端側の撚糸部分と、その先端側の解撚部分とを備えたものであり、
前記解撚部分は、前記特殊複合糸の撚りが解除された部分であると共に、前記マルチフィラメントに対する捲縮による山及び谷が維持されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装用繊維構造体。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の塗装具用繊維構造体が塗装面として塗装用ロールに取り付けていることを特徴とするペイントローラー。
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