JP5773096B1 - 高周波回路モジュール - Google Patents

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Abstract

高周波回路モジュール(100)は、積層体(110)と積層体(110)の表面に実装された表面実装型部品(120)を備える。表面実装型部品(120)には、可変容量素子(VC11,VC12,VC13)が内蔵されている。積層体(110)には、インダクタ(SL11,SL12,SL13)が導体パターンによって形成されている。積層体(110)の裏面には、第1外部接続用端子(PDRF1)、第2外部接続用端子(PDRF2)が形成されており、複数のグランド接続用端子(PDG)に挟まれて配置されている。複数のグランド接続用端子(PDG)に接続する複数のグランド用ビア導体(ViaG)は、積層体(110)の表面まで伸長している。複数のグランド用ビア導体(ViaG)は、表面近傍の層において、伸長方向と直交する方向に伸長するグランド接続導体(PCG)によって接続されている。

Description

本発明は、可変フィルタ回路モジュールや可変整合回路モジュール等のように、伝送する高周波信号に対する周波数特性やインピーダンス特性を調整することが可能な高周波回路モジュールに関する。
現在、それぞれに異なる周波数帯域(通信バンド)を利用する複数の高周波信号を、これら複数の高周波信号に共通のアンテナで送受信する各種通信装置が実用化されている。このような通信装置は、通信バンド毎にインピーダンス整合を行うために、可変整合回路や可変フィルタ等の高周波回路モジュールが備えられている。例えば、可変フィルタモジュールとしては、特許文献1に記載のような構成のものがある。
特許文献1に記載の可変フィルタ装置(モジュール)は、表面実装型の可変容量素子と分布定数線路による受動素子とから構成されている。特許文献1に記載の可変フィルタモジュールは、単層基板に表面実装型の可変容量素子が実装され、当該表面に分布定数線路による受動素子が形成されている。これにより、分布定数線路による受動素子と可変容量素子との間での伝送損失を低減している。
特開2012−191521号公報
しかしながら、特許文献1に記載の可変フィルタモジュールは、単層基板の表面に可変容量素子と分布定数線路等の受動素子とが配置されているため、大面積になってしまう。
また、可変容量素子の制御信号用の線路導体と、高周波信号の線路導体とが同一平面に配置されるため、これらが干渉しやすく、伝送すべき高周波信号に対して、制御信号が混入し易いという問題が生じる。すなわち、高周波信号(通信信号)のノイズに対するアイソレーション特性が劣化し易くなる。
本発明の目的は、各種の伝送特性に優れた小型の高周波回路モジュールを提供することにある。
この発明は、受動素子と可変容量素子とを含んで構成され第1入出力端子および第2入出力端子を有する高周波回路モジュールに関するものであり、次の構成を備えることを特徴としている。
高周波回路モジュールは、複数の誘電体層を積層してなる略直方体形状の積層体を備える。受動素子は、積層体の内部に設けられた導体パターンによって形成されている。可変容量素子は、積層体の天面に実装された表面実装型部品によって形成されている。積層体の底面には、第1入出力端子に対応する第1外部接続用端子と、第2入出力端子に対応する第2外部接続用端子と、高周波回路のグランドとなる複数のグランド接続用端子と、が形成されている。
第1外部接続用端子と第2外部接続用端子は、積層体の底面の角部を除く底面の異なる辺の近傍に、辺に沿った方向においてグランド接続用端子に挟まれて配置されている。可変容量素子に接続される複数のグランド接続用端子は、該複数のグランド接続用端子毎に積層体の積層方向に沿って伸長する形状で形成された複数のグランド用ビア導体によって接続されている。これらの複数のグランド用ビア導体は、積層体の表面の近傍の層に形成されたグランド用内部接続導体パターンによって接続されている。
この構成では、可変容量素子と受動素子が、高周波回路モジュールの厚み方向に沿った異なる位置に配置されるので、小面積化が可能になる。さらに、通信信号(高周波信号)の入出力端子である第1、第2外部接続用端子がグランドに挟まれるので、第1、第2外部接続用端子と、可変容量素子の制御系信号を入力する端子(制御系端子)との間に必ずグランドが配置される。これにより、高周波回路の通信信号の入出力端子における通信信号系の伝送経路と制御系の伝送線路とのアイソレーションを確保することができる。さらに、積層体内に形成された複数のグランド用ビア導体が、積層体の表面近傍で互いに接続されることで、各グランド用ビア導体が安定し、且つ、積層体の表面および裏面に直交する面状のグランドを積層体内に構成できる。
また、この発明の高周波回路モジュールでは、次の構成であることが好ましい。高周波回路モジュールは、制御系端子、および制御系ビア導体を備える。制御系端子は、積層体の底面に形成されており、可変容量素子に制御系信号を与えるための端子である。制御系ビア導体は、積層体の内部に形成されており、制御系端子を可変容量素子に接続するためのビア導体である。制御系端子および制御系ビア導体が形成されている制御領域は、積層方向から透視して、第1外部接続用端子、第2外部接続用端子、受動素子、および、高周波回路を構成するための導体パターンとは、重ならない位置に配置することにより空間的に分離される。
この構成では、通信信号系の伝送経路と制御系の伝送線路とが積層体内で空間的に分離されるので、これら通信信号系の伝送経路と制御系の伝送線路とのアイソレーションを、さらに高く且つ確実に確保することができる。
また、この発明の高周波回路モジュールは、次の構成を備えることが好ましい。高周波回路モジュールでは、複数のグランド用ビア導体の一部は、積層体を表面に直交する方向に視て、制御系端子および制御系ビア導体が形成されている制御領域と、第1外部接続用端子、第2外部接続用端子、および受動素子が形成されている伝送領域との間に配置されている。
この構成では、通信信号系の伝送経路が形成される伝送領域と、制御系の伝送線路が形成される制御領域とが、グランド用ビア導体およびグランド用内部接続導体パターンによって形成される積層体の表面および裏面に直交する面状のグランドによって、高周波的に分離される。これにより、これら通信信号系の伝送経路と制御系の伝送線路とのアイソレーションを、さらに高く且つ確実に確保することができる。
また、この発明の高周波回路モジュールは、次の構成を備えることが好ましい。高周波回路モジュールでは、第1外部接続用端子と、該1外部接続用端子に接続される受動素子および可変容量素子とは、積層体の積層方向に沿って伸長する形状からなる第1伝送用ビア導体のみによって接続されている。
この構成では、第1外部接続用端子と受動素子または可変容量素子とが、最短距離で接続される。これにより、第1外部接続用端子と受動素子または可変容量素子とを接続する伝送線路と制御系の伝送線路との干渉を、より確実に抑制できる。
また、この発明の高周波回路モジュールは、次の構成を備えることが好ましい。高周波回路モジュールでは、第2外部接続用端子と、該2外部接続用端子に接続される受動素子および可変容量素子とは、積層体の積層方向に沿って伸長する形状からなる第2伝送用ビア導体のみによって接続されている。
この構成では、第2外部接続用端子と受動素子または可変容量素子とが、最短距離で接続される。これにより、第2外部接続用端子と受動素子または可変容量素子とを接続する伝送線路と制御系の伝送線路との干渉を、より確実に抑制できる。
また、この発明の高周波回路モジュールでは、次の構成を備えていてもよい。高周波回路モジュールは、高周波回路に含まれ積層体の天面に実装された表面実装型部品によって形成されたスイッチ素子と、積層体の底面に形成されスイッチ素子にスイッチ制御系信号を与えるためのスイッチ用端子と、積層体の内部に形成されスイッチ用端子をスイッチ素子に接続するためのスイッチ用ビア導体と、を備える。スイッチ用端子およびスイッチ用ビア導体が形成されているスイッチ制御領域は、積層方向から透視して、第1外部接続用端子、第2外部接続用端子、受動素子、制御系端子、および、制御系ビア導体とは、重ならない位置に配置することにより空間的に分離される。
この構成では、高周波回路にスイッチ素子を備える態様において、スイッチ制御系の伝送線路と、通信信号系の伝送経路および制御系の伝送線路とが積層体内で空間的に分離されるので、スイッチ制御系の伝送線路と、通信信号系の伝送経路および制御系の伝送線路とのアイソレーションを、高く且つ確実に確保することができる。
また、この発明の高周波回路モジュールは、次の構成であってもよい。可変容量素子は、第1可変容量素子、第2可変容量素子、および第3可変容量素子を含み、受動素子は、第1インダクタ、第2インダクタ、および第3インダクタを含む。第1入出力端子と第2入出力端子とは、第2インダクタと第2可変容量素子との直列回路によって接続されている。第2インダクタと第2可変容量素子との直列回路における第1入出力端子側は、第1インダクタと第1可変容量素子のそれぞれによってグランドに接続されている。第2インダクタと第2可変容量素子との直列回路における第2入出力端子側は、第3インダクタと第3可変容量素子のそれぞれによってグランドに接続されている。
また、この発明の高周波回路モジュールは、次の構成であってもよい。可変容量素子は、第1可変容量素子および第2可変容量素子を含み、受動素子は、第1インダクタ、第2インダクタ、第3インダクタ、および第4インダクタを含み、スイッチ素子は、第1スイッチ素子および第2スイッチ素子を含む。第1入出力端子と第2入出力端子とは、第3インダクタと第1可変容量素子と第4インダクタの直列回路によって接続されるとともに、第2スイッチ素子によって接続されている。第3インダクタと第1可変容量素子と第4インダクタの直列回路における第1入出力端子側は、第2インダクタと第1スイッチ素子の直列回路によってグランドに接続されている。第3インダクタと第1可変容量素子と第4インダクタの直列回路における第2入出力端子側は、第1インダクタによってグランドに接続されている。第3インダクタと第1可変容量素子との接続点は、第2可変容量素子によってグランドに接続されている。
また、この発明の高周波回路モジュールは、次の構成であってもよい。可変容量素子は、第1可変容量素子および第2可変容量素子を含み、受動素子は、第1インダクタ、第2インダクタ、および第3インダクタを含み、スイッチ素子は、第1スイッチ素子および第2スイッチ素子を含む。第1入出力端子と第2入出力端子とは、第2スイッチ素子と第1可変容量素子と第2インダクタの直列回路によって接続されるとともに、第1スイッチ素子によって接続されている。第2スイッチ素子と第1可変容量素子と接続点は、第1インダクタと第2可変容量素子のそれぞれによってグランドに接続されている。第1可変容量素子と第2インダクタとの接続点は、第3インダクタによってグランドに接続されている。
これらの構成は、高周波回路モジュールを実現する具体的な回路を示しており、これらの回路を用いることで、インピーダンス整合範囲を広くすることができる。
この発明によれば、各種の伝送特性に優れた小型の高周波回路モジュールを実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールを構成する回路のブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールの外観斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールの各誘電体層の導体パターンを示す積層図である。 本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールの底面における端子の配列パターンを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールを構成する回路のブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールの外観斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールの各誘電体層の導体パターンを示す積層図である。 本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールの底面における端子の配列パターンを示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る高周波回路モジュールを構成する回路のブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係る高周波回路モジュールの各誘電体層の導体パターンを示す積層図である。 本発明の第3の実施形態に係る高周波回路モジュールの底面における端子の配列パターンを示す図である。
本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールについて、図を参照して説明する。なお、本実施形態に係る高周波回路モジュールとは、インピーダンス特性を調整できるインピーダンス可変整合回路モジュール、周波数特性を調整できる周波数可変フィルタモジュール等の回路モジュールを意味する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールを構成する回路のブロック図である。
高周波回路10は、第1入出力端子PRF1、第2入出力端子PRF2を備える。高周波回路10は、インダクタSL11,SL12,SL13を備える。高周波回路10は、可変容量素子VC11,VC12,VC13を備える。
第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2は、インダクタSL12と可変容量素子VC12の直列回路によって接続されている。第1入出力端子PRF1とインダクタSL12とを接続する伝送ラインは、インダクタSL11と可変容量素子VC11のそれぞれによってグランドに接続されている。言い換えれば、第1入出力端子PRF1とインダクタSL12とを接続する伝送ラインは、インダクタSL11と可変容量素子VC11の並列回路によってグランドに接続されている。第2入出力端子PRF2と可変容量素子VC12とを接続する伝送ラインは、インダクタSL13と可変容量素子VC13のそれぞれによってグランドに接続されている。言い換えれば、第2入出力端子PRF2と可変容量素子VC12とを接続する伝送ラインは、インダクタSL13と可変容量素子VC13の並列回路によってグランドに接続されている。
このような回路とすることで、高周波回路10は、第1、第2入出力端子PRF1,PRF2間にシリーズ接続されたインダクタおよび可変容量素子を備え、このシリーズ接続されたインダクタおよび可変容量素子の第1、第2入出力端子PRF1,PRF2側の両端にシャント接続されたインダクタおよび可変容量素子を備える回路となる。これにより、高周波回路10は、シリーズ接続の回路素子によるインピーダンス整合機能と、シャント接続の回路素子によるインピーダンス整合機能を有する。したがって、インピーダンス整合が可能な範囲を広くすることができる。
さらに、シリーズ接続された回路素子およびシャント接続された回路素子の双方に、インピーダンスを変化させることができる可変容量素子が含まれているので、さらに広範囲で且つ高精度なインピーダンス整合を実現することができる。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールの外観斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールの各誘電体層の導体パターンを示す積層図である。図3に示す丸印は、積層方向に伸長するビア導体を示す。また、図3では、1層から9層に対して、10層、11層は左右反転した図になっている。図4は、本発明の第1の実施形態に係る高周波回路モジュールの底面における端子の配列パターンを示す図である。
上述の回路からなる高周波回路10は、図2に示すように、積層体110と表面実装型部品120とによって形成される高周波回路モジュール100によって実現される。
表面実装型部品120は、可変容量素子VC11,VC12,VC13が内蔵される構造からなり、例えば、バラクタダイオード等を用いた半導体IC、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、BST((Ba,Sr)TiO)およびCMOS技術を用いた半導体IC等によって実現される。なお、表面実装型部品120は、可変容量素子VC11,VC12,VC13が一つのパッケージ内に一体で形成されているが、可変容量素子VC11,VC12,VC13毎に個別にパッケージングされた態様であってもよい。
積層体110は、複数の誘電体層を積層し焼結した直方体形状からなる。本実施形態の積層体110は、図3に示すように、11層からなる。各誘電体層には、図3に示すように、導体パターンやビア導体が形成されており、底面には外部回路に接続するための各種の端子が形成されている。そして、これら導体パターン、ビア導体、端子によって、図1に示す高周波回路10の可変容量素子VC11,VC12,VC13以外の部分が形成されている。
積層体110と表面実装型部品120は、平面視して略同じ大きさである。すなわち、積層体110は、表面実装型部品120と同じ面積程度になるように、外形が決定されている。これにより、できる限り小面積の高周波回路モジュール100を実現することができる。
次に、積層体110のより具体的な構成を、図3、図4を参照して説明する。なお、以下では、積層体110の最上層の誘電体層を1層とし、下層になるほど層の番号が増加し、最下層の誘電体層を11層として説明する。また、各層の導体パターンの接続を分かりやすくするため、最下層である11層から順に説明する。
11層の裏面(積層体110の裏面)には、図4に示すように、外部回路に接続するための端子が配列して形成されている。端子は、制御系端子PDと、複数の伝送系端子とによって構成されている。伝送系端子は、第1外部接続用端子PDRF1、第2外部接続用端子PDRF2、複数のグランド接続用端子PD、およびベースグランド接続用端子PDG0によって構成されている。制御系端子PDは、可変容量素子VC11,VC12,VC13に駆動信号および制御信号を与えるための端子であり、複数の制御系端子PDと制御グランド用端子PDCGとによって構成されている。
第1外部接続用端子PDRF1、第2外部接続用端子PDRF2、複数のグランド接続用端子PD、および、複数の制御系端子PDと制御グランド用端子PDCGは、裏面の四辺に沿って、配列して形成されている。
第1外部接続用端子PDRF1は、裏面の第1辺の近傍に配置されており、当該第1辺の両端(第3、第4辺に交わる端部)から離間した位置に配置されている。第1辺に沿った第1外部接続用端子PDRF1の両側には、それぞれグランド接続用端子PDが配置されている。
第2外部接続用端子PDRF2は、裏面の第1辺に対向する第2辺の近傍に配置されており、当該第2辺の両端(第3、第4辺に交わる端部)から離間した位置に配置されている。第2辺に沿った第2外部接続用端子PDRF2の両側には、それぞれグランド接続用端子PDが配置されている。
複数のグランド接続用端子PDは、第4辺の近傍に当該第4辺に沿って配置されている。
複数の制御系端子PDは、第4辺に対向する第3辺と、第2辺の第3辺側の所定範囲を含む領域に、第3辺もしくは第2辺に沿って配置されている。制御グランド用端子PDCGは、第1辺の第3辺近傍に配置されている。すなわち、複数の制御系端子PDおよび制御グランド用端子PDCGが配置されている制御領域PLconは、積層体110を平面視した第3辺の近傍に設定されており、第1辺、第3辺、第2辺に沿って所定幅を有する領域となっている。これにより、制御領域PLconは、伝送系の各端子が形成される伝送領域とは区分されている。
ベースグランド接続用端子PDG0は、上述の各端子が配置される周辺部に囲まれる中央領域に配置されている。ベースグランド接続用端子PDG0は、上述の各端子よりも大きな形状で形成されている。
これらの構成により、第1外部接続用端子PDRF1と、複数の制御系端子PDおよび制御グランド用端子PDCGとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第1外部接続用端子PDRF1と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号に制御系の信号が混入することを抑制できる。
また、第2外部接続用端子PDRF2と、複数の制御系端子PDおよび制御グランド用端子PDCGとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第2外部接続用端子PDRF2と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号と制御系の信号との干渉を抑制できる。
すなわち、伝送系端子と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができる。
さらに、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2は、対向する第1辺と第2辺のそれぞれの近傍に配置されているので、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間隔を広くでき、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間のアイソレーションを高く確保することができる。さらに、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間に、部分的ではあるが、ベースグランド接続用端子PDG0が配置されているので、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間のアイソレーションをさらに高く確保することができる。
また、11層には、複数のビア導体が形成されている。ビア導体は、第1RF用ビア導体Via1、第2RF用ビア導体Via2、複数のグランド用ビア導体ViaG、および複数の制御系ビア導体からなる。第1RF用ビア導体Via1は、第1外部接続用端子PDRF1に接続されており、第2RF用ビア導体Via2は、第2外部接続用端子PDRF2に接続されている。複数のグランド用ビア導体ViaGは、複数のグランド接続用端子PDおよびベースグランド接続用端子PDG0のいずれかに接続されている。複数の制御系ビア導体は、それぞれに複数の制御系端子PDに接続されている。
10層には、内部グランド導体PiGと、複数のビア導体が形成されている。10層に形成されるグランド系の複数のビア導体は、11層に形成された複数のビア導体から、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
内部グランド導体PiGは、制御領域PLconを除く略全面、すなわち伝送領域の略全面に亘る平板状の導体パターンである。内部グランド導体PiGは、複数のグランド用ビア導体ViaGによって、複数のグランド接続用端子PD、およびベースグランド接続用端子PDG0に接続している。内部グランド導体PiGは、第1RF用ビア導体Via1が形成される位置および第2RF用ビア導体Via2が形成される位置を除くように形成されている。さらには、平面視して、11層の第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2が形成される領域を除くように形成されている。
この構成により、第1RF用ビア導体Via1は、第1辺と内部グランド導体PiGに囲まれる状態となり、第2RF用ビア導体Via2は、第2辺と内部グランド導体PiGに囲まれる状態となる。これにより、10層においても、第1RF用ビア導体Via1と第2RF用ビア導体Via2との間、および、第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2と制御系ビア導体との間のアイソレーションを高く確保することができる。さらに、第1外部接続用端子PDRF1および第2外部接続用端子PDRF2と内部グランド導体PiGが対向しないので、内部グランド導体PiGを介した第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2との間での高周波的な結合も抑制することができる。
また、制御グランド用端子PDCGと内部グランド導体PiGは、接続されていないだけでなく、対向もしていないので、制御グランド用端子PDCGと内部グランド導体PiGを介した、制御系の導体パターンと伝送系の導体パターンとの高周波的な結合も抑制することができる。
また、図3に示すように、10層に形成される複数のグランド用ビア導体ViaGは、内部グランド導体PiGに接続されている。複数のグランド用ビア導体ViaGの一部は、第1、第2辺に沿って配列して形成されており、メイン配列部AGMが構成されている。このメイン配列部AGMの第3辺側および第4辺側の端部には、複数のグランド用ビア導体ViaGが第3、第4辺に沿って配列するサブ配列部AGSが構成されている。この複数のグランド用ビア導体ViaGにより、10層は、制御領域PLconと伝送領域とが電磁界的に分離されるだけでなく、伝送領域も、第1外部接続用端子PDRF1および第1RF用ビア導体Via1を含む第1領域Re1と、第2外部接続用端子PDRF2および第2RF用ビア導体Via2を含む第2領域Re2とに電磁界的に分離される。
9層には、複数のビア導体が形成されている。9層に形成される複数のビア導体は、10層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。この構成により、9層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
8層には、複数のビア導体が形成されている。8層に形成される複数のビア導体は、9層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
8層には、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL11を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第1領域Re1に形成されており、インダクタSL13を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第2領域Re2に形成されている。
この構成により、8層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
インダクタSL11,SL13を構成するループ状線状導体の一方端は、それぞれグランド用ビア導体ViaGに接続されている。
8層には、グランド接続導体PCGが形成されている。グランド接続導体PCGは、上述のメイン配列部AGMと当該メイン配列部AGMの第3辺のサブ配列部AGSを構成する複数のグランド用ビア導体ViaGを接続する線状導体と、メイン配列部の第4辺側のサブ配列部を構成する複数のグランド用ビア導体ViaGを接続する線状導体とからなる。これにより、複数のグランド用ビア導体ViaGのグランド電位が安定する。
また、グランド接続導体PCGは、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体の間に配置されているので、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体の間の電磁界的な結合を抑制することができる。
7層には、複数のビア導体が形成されている。7層に形成される複数のビア導体は、8層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL11,SL13を構成するループ状線状導体に接続するグランド用ビア導体ViaGおよび第4辺側のサブ配列部AGSの一部のグランド用ビア導体ViaGを除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
7層には、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL11を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第1領域Re1に形成されており、インダクタSL13を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第2領域Re2に形成されている。インダクタSL12を構成するループ状線状導体は、その殆どが伝送領域の第2領域Re2に形成されており、一方端側の一部が第1領域Re1に形成されている。
この構成により、7層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
インダクタSL11,SL13を構成するループ状線状導体の一方端は、それぞれビア導体を介して、8層のインダクタSL11,SL13を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL11,SL13を構成するループ状線状導体の他方端は、それぞれビア導体を介して、6層のインダクタSL11,SL13を構成するループ状線状導体に接続されている。
インダクタSL12を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、6層のインダクタSL12を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL12を構成するループ状線状導体の他方端は、6層、5層、4層、3層、2層のビア導体、2層の引き回し導体を介して、第1RF用ビア導体Via1に接続されている。
7層では、複数のグランド用ビア導体ViaGからなるメイン配列部AGMが、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体の間に配置されているので、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体の間の電磁界的な結合を抑制することができる。また、7層では、複数のグランド用ビア導体ViaGからなるメイン配列部AGMが、インダクタSL12を構成するループ状線状導体の大半の部分と、インダクタSL11を構成するループ状線状導体の間に配置されているので、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12を構成するループ状線状導体の間の電磁界的な結合を抑制することができる。
6層には、複数のビア導体が形成されている。6層に形成される複数のビア導体は、7層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
6層には、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL11を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第1領域Re1に形成されており、インダクタSL12,SL13を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第2領域Re2に形成されている。
この構成により、6層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
インダクタSL11,SL12,SL13を構成するループ状線状導体の一方端は、それぞれビア導体を介して、7層のインダクタSL11,SL12,SL13を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL11,SL12,SL13を構成するループ状線状導体の他方端は、それぞれビア導体を介して、5層のインダクタSL11,SL12,SL13を構成するループ状線状導体に接続されている。
6層では、複数のグランド用ビア導体ViaGからなるメイン配列部AGMが、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12,SL13を構成するループ状線状導体との間に配置されているので、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12,SL13を構成するループ状線状導体との間の電磁界的な結合を抑制することができる。
5層には、複数のビア導体が形成されている。5層に形成される複数のビア導体は、6層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
5層には、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12を構成するループ状線状導体と、インダクタSL13を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL11を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第1領域Re1に形成されており、インダクタSL12,SL13を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第2領域Re2に形成されている。
この構成により、5層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
インダクタSL11,SL12,SL13を構成するループ状線状導体の一方端は、それぞれビア導体を介して、6層のインダクタSL11,SL12,SL13を構成するループ状線状導体に接続されている。
インダクタSL11を構成するループ状導体の他方端は、第1RF用ビア導体Via1に接続されている。インダクタSL13を構成するループ状導体の他方端は、第2RF用ビア導体Via2に接続されている。インダクタSL12を構成するループ状線状導体の他方端は、ビア導体を介して、4層のインダクタSL12を構成するループ状線状導体に接続されている。
5層では、複数のグランド用ビア導体ViaGからなるメイン配列部AGMが、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12,SL13を構成するループ状線状導体との間に配置されているので、インダクタSL11を構成するループ状線状導体と、インダクタSL12,SL13を構成するループ状線状導体との間の電磁界的な結合を抑制することができる。
4層には、複数のビア導体が形成されている。4層に形成される複数のビア導体は、5層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
4層では、複数のグランド用ビア導体ViaGからなるメイン配列部AGMが、インダクタSL11側の第1領域Re1と、インダクタSL12,SL13側の第2領域Re2との間に配置されているので、第1領域Re1と第2領域Re2との間の電磁界的な結合を抑制することができる。
4層には、インダクタSL12を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL12を構成するループ状線状導体は、伝送領域の第2領域Re2に形成されている。
この構成により、4層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
インダクタSL12を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、5層のインダクタSL12を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL12を構成するループ状線状導体の方端は、3層、2層のビア導体、2層の引き回し導体、1層のビア導体を介して、可変容量素子VC12に接続されている。
3層には、複数のビア導体が形成されている。3層に形成される複数のビア導体は、4層に形成された複数のビア導体の内、インダクタSL12の一方端に接続するビア導体を除く全てのビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
この構成により、3層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
2層には、複数のビア導体が形成されている。2層に形成される複数のビア導体は、3層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
2層には、グランド接続導体PCGが形成されている。グランド接続導体PCGは、メイン配列部AGMと当該メイン配列部AGMの第3辺のサブ配列部AGSを構成する複数のグランド用ビア導体ViaGを接続する線状導体からなる。これにより、複数のグランド用ビア導体ViaGのグランド電位が安定する。
2層には、複数の引き回し導体が形成されている。この際、伝送系の第1領域Re1に存在する各回路素子に対する引き回し導体は、第1領域Re1内に形成され、伝送系の第2領域に存在する各回路素子に対する引き回し導体は、第2領域Re2内に形成されている。また、制御系の引き回し導体は、制御領域PLcon内に形成されている。
この構成により、2層においても制御領域PLconと伝送領域とが区分されている。
1層には、複数のビア導体が形成されている。1層に形成される複数のビア導体は、2層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って直接もしくは引き回し導体を介して繋がるように形成されている。
1層の表面(積層体110の表面)には、表面実装型部品120を実装するための実装用ランドが形成されている。なお、図3では、1層に形成されるビア導体が記載されているが、これらビア導体の位置に実装用ランドも形成されている。
可変容量素子VC11,VC12,VC13の制御系端子が実装される実装用ランドは、積層体110の裏面に形成された制御系端子PDに、上述の制御領域PLconのビア導体によって接続されている。
可変容量素子VC11,VC12,VC13の信号伝送系端子が実装される実装用ランドは、上述の伝送領域のビア導体によって、積層体110内のインダクタSL11,SL12,SL13および積層体110の裏面に形成された伝送系端子に接続されている。
可変容量素子VC11,VC12,VC13の信号伝送系端子が実装される実装用ランドの一部は、上述のグランド用ビア導体ViaGに接続されている。グランド用ビア導体ViaGが接続する実装用ランドは、表面実装型部品120における可変容量素子VC11が構成される部分と、可変容量素子VC12,VC13が構成される部分との間に配置されている。また、別のグランド用ビア導体ViaGが接続する実装用ランドは、表面実装型部品120における可変容量素子VC12,VC13が構成される部分と、制御系の信号が入力される部分との間に配置されている。
以上のような構成とすることで、積層体110を高周波的に伝送領域と制御領域PLconとに区分することができ、これらの領域間での電磁界的な結合を抑制することができる。
さらに、第1入出力端子PRF1(第1外部接続用端子PDRF1)側の第1領域Re1と、第2入出力端子PRF2(第2外部接続用端子PDRF2)側の第2領域Re2とに、積層体110の伝送領域を区分することができ、第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2との間での電磁界的な結合を抑制することができる。
これにより、インピーダンス可変特性、周波数可変特性および伝送特性の優れる小面積な形状の高周波回路モジュールを実現することができる。
また、本実施形態の構成では、積層体110を平面視して、第1入出力端子PRF1(第1外部接続用端子PDRF1)とグランドとの間に接続するインダクタSL11のループ状線状導体が、第1外部接続用端子PDRF1の近傍の第1領域Re1内に形成され、第2入出力端子PRF2(第2外部接続用端子PDRF2)とグランドとの間に接続するインダクタSL13のループ状線状導体が、第2外部接続用端子PDRF2の近傍の第2領域Re2内に形成されている。これにより、これらのインダクタSL11,SL13間の電磁界的な結合を抑制することができる。
また、本実施形態の構成では、第1入出力端子PRF1(第1外部接続用端子PDRF1)とインダクタSL11がビア導体のみで接続され、第2入出力端子PRF2(第2外部接続用端子PDRF2)とインダクタSL13がビア導体のみで接続される。これにより、他の回路素子や伝送線路との電磁界的な結合を抑制でき、さらにインピーダンス可変特性および伝送特性の優れる小型の高周波回路モジュールを実現することができる。
また、本実施形態の構成では、積層体110の最下層付近の内部グランド導体PiGに接続し積層方向に伸長する複数のグランド用ビア導体ViaGが積層体110内の表面付近の層(2層)で、伸長方向に直交する方向に、グランド接続導体PCGによって接続されている。これにより、積層体110内でのグランドが安定して強化されるとともに表面実装型部品の実装位置の近傍(積層体110の表面近傍)でもグランドが安定して強化される。さらに、積層方向に平行な面状のグランドを形成することができる。そして、この面状のグランドにより、制御領域PLconと伝送領域とを空間的に分離でき、伝送領域の第1領域Re1と第2領域Re2を空間的に分離することができる。したがって、伝送特性の優れる小型の高周波回路モジュールを実現することができる。
また、本実施形態の構成では、表面実装型部品120のグランドに接続する実装用ランドがグランド用ビア導体ViaGのみで直接に積層体110の最下層付近の内部グランド導体PiGおよび、積層体110の裏面のグランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0に接続されている。これにより、表面実装型部品120をグランドに接続する伝送ラインを短くでき、他の伝送ラインや回路素子との電磁界的な結合を防止できるとともに、グランドを安定させることができる。これにより、さらに高精度なインピーダンス可変特性を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールについて、図を参照して説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールを構成する回路のブロック図である。
高周波回路20は、第1入出力端子PRF1、第2入出力端子PRF2を備える。高周波回路20は、インダクタSL21,SL22,SL23,SL24を備える。高周波回路20は、可変容量素子VC21,VC22を備える。高周波回路20は、スイッチ素子SW21,SW22を備える。
第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2は、インダクタSL23と可変容量素子VC21とインダクタSL24の直列回路によって接続されている。また、第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2は、スイッチ素子SW22によって接続されている。すなわち、インダクタSL23と可変容量素子VC21とインダクタSL24の直列回路とスイッチ素子SW22は、第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2の間で、並列接続されている。
第1入出力端子PRF1とインダクタSL23およびスイッチ素子SW22とを接続する伝送ラインは、インダクタSL22とスイッチ素子SW21の直列回路によってグランドに接続されている。
第2入出力端子PRF2とインダクタSL24およびスイッチ素子SW22とを接続する伝送ラインは、インダクタSL21によってグランドに接続されている。
インダクタSL23と可変容量素子VC21とを接続する伝送ラインは、可変容量素子VC22によってグランドに接続されている。
このような回路を備えることで、高周波回路20は、第1の実施形態に示した高周波回路10と同様に、広範囲で且つ高精度なインピーダンス整合を実現することができる。さらに、高周波回路20は、スイッチ素子SW21,SW22をオン/オフ制御することで、回路をさらに変化させることができる。これにより、さらに広範囲なインピーダンス整合を実現することができる。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールの外観斜視図である。図7は、本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールの各誘電体層の導体パターンを示す積層図である。図7に示す丸印は、積層方向に伸長するビア導体を示す。また、図7では、1層から12層に対して、13層は左右反転した図になっている。図8は、本発明の第2の実施形態に係る高周波回路モジュールの底面における端子の配列パターンを示す図である。
上述の回路からなる高周波回路20は、図6に示すように、積層体210と表面実装型部品221,222とによって形成される高周波回路モジュール200によって実現される。
表面実装型部品221は、可変容量素子VC21,VC22が内蔵される構造からなり、例えば、バラクタダイオード等を用いた半導体IC、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、BST((Ba,Sr)TiO)およびCMOS技術を用いた半導体IC等によって実現される。なお、表面実装型部品221は、可変容量素子VC21,VC22が一つのパッケージ内に一体で形成されているが、可変容量素子VC21,VC22毎に個別にパッケージングされた態様であってもよい。
表面実装型部品222は、スイッチ素子SW21,SW22が内蔵される構造からなり、例えば半導体スイッチ等によって実現される。なお、表面実装型部品222は、スイッチ素子SW21,SW22が一つのパッケージ内に一体で形成されているが、スイッチ素子SW21,SW22毎に個別にパッケージングされた態様であってもよい。
積層体210は、複数の誘電体層を積層し焼結した直方体形状からなる。本実施形態の積層体210は、図7に示すように、13層からなる。各誘電体層には、図7に示すように、導体パターンやビア導体が形成されており、底面には外部回路に接続するための各種の端子が形成されている。そして、これら導体パターン、ビア導体、端子によって、図5に示す高周波回路20の可変容量素子VC21,VC22およびスイッチ素子SW21,SW22以外の部分が形成されている。
平面視して、表面実装型部品221,222の実装領域は、積層体210と略同じ大きさである。これにより、できる限り小面積の高周波回路モジュール200を実現することができる。
次に、積層体210のより具体的な構成を、図7、図8を参照して説明する。なお、以下では、積層体210の最上層の誘電体層を1層とし、下層になるほど層番号が増加し、最下層の誘電体層を13層として説明する。また、各層の導体パターン接続の関係を分かりやすくするため、最下層である13層から順に説明する。
13層の裏面(積層体210の裏面)には、図8に示すように、外部回路に接続するための端子が配列して形成されている。端子は、制御系端子PDと、複数の伝送系端子とスイッチ用端子PDによって構成されている。伝送系端子は、第1外部接続用端子PDRF1、第2外部接続用端子PDRF2、複数のグランド接続用端子PD、およびベースグランド接続用端子PDG0によって構成されている。制御系端子PDは、可変容量素子VC21,VC22に駆動信号および制御信号を与えるための端子である。スイッチ用端子PDは、スイッチ素子SW21,SW22に駆動信号及び制御信号を与えるための端子である。
第1外部接続用端子PDRF1、第2外部接続用端子PDRF2、複数のグランド接続用端子PD、複数の制御系端子PD、および、複数のスイッチ用端子PDは、裏面の四辺に沿って、配列して形成されている。
第1外部接続用端子PDRF1は、裏面の第1辺の近傍に配置されており、当該第1辺の両端(第3、第4辺に交わる端部)から離間した位置に配置されている。第1辺に沿った第1外部接続用端子PDRF1の両側には、それぞれグランド接続用端子PDが配置されている。
第2外部接続用端子PDRF2は、裏面の第1辺に対向する第2辺の近傍に配置されており、当該第2辺の両端(第3、第4辺に交わる端部)から離間した位置に配置されている。第2辺に沿った第2外部接続用端子PDRF2の両側には、それぞれグランド接続用端子PDが配置されている。
複数の制御系端子PDは、第3辺と、第2辺の第3辺側の所定範囲を含む領域に、第3辺もしくは第2辺に沿って配置されている。すなわち、複数の制御系端子PDが配置されている制御領域PLconは、積層体10を平面視した第3辺の近傍に設定されており、第3辺、第2辺に沿って所定幅を有する領域となっている。これにより、制御領域PLconは、伝送系の各端子が形成される伝送領域とは区分されている。
複数のスイッチ用端子PDは、第3辺に対向する第4辺の近傍に、第4辺に沿って配置されている。すなわち、複数のスイッチ用端子PDが配置されているスイッチ制御領域PLswは、積層体10を平面視した第4辺の近傍に設定されており、第4辺に沿って所定幅を有する領域となっている。これにより、スイッチ制御領域PLswは、伝送系の各端子が形成される伝送領域および制御領域PLconとは区分されている。
ベースグランド接続用端子PDG0は、上述の各端子が配置される周辺部に囲まれる中央領域に配置されている。ベースグランド接続用端子PDG0は、上述の各端子よりも大きな形状で形成されている。
これらの構成により、第1外部接続用端子PDRF1と、複数の制御系端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第1外部接続用端子PDRF1と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号に制御系の信号が混入することを抑制できる。
また、第2外部接続用端子PDRF2と、複数の制御系端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第2外部接続用端子PDRF2と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号と制御系の信号との干渉を抑制できる。
すなわち、伝送系端子と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができる。
また、これらの構成により、第1外部接続用端子PDRF1と、複数のスイッチ用端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第1外部接続用端子PDRF1とスイッチ用端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号に制御系の信号が混入することを抑制できる。
また、第2外部接続用端子PDRF2と、複数のスイッチ用端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第2外部接続用端子PDRF2と複数のスイッチ用端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号と制御系の信号との干渉を抑制できる。
すなわち、伝送系端子とスイッチ用端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができる。
さらに、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2は、対向する第1辺近傍と第2辺近傍にそれぞれ配置されているので、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間隔を広くでき、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間のアイソレーションを高く確保することができる。さらに、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間に、ベースグランド接続用端子PDG0が配置されているので、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間のアイソレーションをさらに高く確保することができる。
また、13層には、複数のビア導体が形成されている。ビア導体は、第1RF用ビア導体Via1、第2RF用ビア導体Via2、複数のグランド用ビア導体ViaG、複数の制御系ビア導体、および複数のスイッチ用ビア導体からなる。第1RF用ビア導体Via1は、第1外部接続用端子PDRF1に接続されており、第2RF用ビア導体Via2は、第2外部接続用端子PDRF2に接続されている。複数のグランド用ビア導体ViaGは、複数のグランド接続用端子PDおよびベースグランド接続用端子PDG0のいずれかに接続されている。複数の制御系ビア導体は、それぞれに複数の制御系端子PDに接続されている。複数のスイッチ用ビア導体は、それぞれに複数のスイッチ用端子PDに接続されている。
12層には、内部グランド導体PiGと、複数のビア導体が形成されている。12層に形成される複数のビア導体は、13層に形成された複数のビア導体から、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
内部グランド導体PiGは、制御領域PLconおよびスイッチ制御領域PLswを除く略全面、すなわち伝送領域の略全面に亘る平板状の導体パターンである。内部グランド導体PiGは、複数のグランド用ビア導体ViaGによって、複数のグランド接続用端子PD、およびベースグランド接続用端子PDG0に接続している。内部グランド導体PiGは、第1RF用ビア導体Via1が形成される位置および第2RF用ビア導体Via2が形成される位置を除くように形成されている。さらには、平面視して、13層の第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2が形成される領域を除くように形成されている。
この構成により、第1RF用ビア導体Via1は、第1辺と内部グランド導体PiGに囲まれる状態となり、第2RF用ビア導体Via2は、第2辺と内部グランド導体PiGに囲まれる状態となる。これにより、12層においても、第1RF用ビア導体Via1と第2RF用ビア導体Via2との間、および、第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2と制御系ビア導体との間のアイソレーションを高く確保することができる。さらに、第1外部接続用端子PDRF1および第2外部接続用端子PDRF2と内部グランド導体PiGが対向しないので、内部グランド導体PiGを介した第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2との間での高周波的な結合も抑制することができる。
また、この構成により、12層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
11層には、複数のビア導体が形成されている。11層に形成される制御系およびスイッチ用の複数のビア導体は、12層に形成された制御系およびスイッチ用の複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。また、11層に形成される第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2は、12層に形成された第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
11層に形成される複数のグランド用ビア導体ViaGは、積層体210を平面視して、12層の内部グランド導体PiGが形成されている領域内に形成されており、複数のグランド用ビア導体ViaGは12層の内部グランド導体PiGに接続されている。この際、複数のグランド用ビア導体ViaGの一部は、第1辺付近に第1辺に沿って形成されており、第1RF用ビア導体Via1と制御系ビア導体との間に配置されている。これらの複数のグランド用ビア導体ViaGは、内部グランド導体PiGが形成されている領域内に形成されているので、伝送領域内に形成されている。
この構成により、11層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
10層には、複数のビア導体が形成されている。10層に形成される複数のビア導体は、11層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
この構成により、10層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
9層には、複数のビア導体が形成されている。9層に形成される複数のビア導体は、10層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
9層には、インダクタSL21を構成するループ状線状導体と、インダクタSL22を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL21,SL22を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、9層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL21を構成するループ状線状導体の一方端は、グランド用ビア導体ViaGに接続されている。インダクタSL22を構成するループ状線状導体の一方端は、第1RF用ビア導体Via1に接続されている。
8層には、複数のビア導体が形成されている。8層に形成される複数のビア導体は、9層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL22を構成するループ状線状導体に接続するグランド用ビア導体ViaGを除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
8層には、インダクタSL21を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL21を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、8層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL21を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、9層のインダクタSL21を構成するループ状線状導体に接続されている。
7層には、複数のビア導体が形成されている。7層に形成される複数のビア導体は、8層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL21を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
7層には、インダクタSL21,SL22,SL23,SL24を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL21,SL22,SL23,SL24を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、7層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL21を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、8層のインダクタSL21を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL22を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、9層のインダクタSL22を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL23を構成するループ状線状導体の一方端は、第1RF用ビア導体Via1に接続されている。インダクタSL24を構成するループ状線状導体の一方端は、第2RF用ビア導体Via2に接続されている。
6層には、複数のビア導体が形成されている。6層に形成される複数のビア導体は、7層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL21,SL22を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
6層には、インダクタSL21,SL23,SL24を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL21,SL23,SL24を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、6層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL21を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、7層のインダクタSL21を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL23を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、7層のインダクタSL23を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL24を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、7層のインダクタSL24を構成するループ状線状導体に接続されている。
5層には、複数のビア導体が形成されている。5層に形成される複数のビア導体は、6層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL21、SL23,SL24を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
5層には、インダクタSL21,SL22,SL23,SL24を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL21,SL22,SL23,SL24を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、5層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL21を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、6層のインダクタSL21を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL22を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、7層のインダクタSL22を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL23を構成するループ状線状導体の一方端は、6層のインダクタSL23を構成するループ状線状導体に接続されている。インダクタSL24を構成するループ状線状導体の一方端は、6層のインダクタSL24を構成するループ状線状導体に接続されている。
インダクタSL21を構成するループ状線状導体の他方端は、第2RF用ビア導体Via2に接続されている。インダクタSL22を構成するループ状線状導体の他方端は、4層、3層、2層、1層のビア導体を介して、表面実装型部品222のスイッチ素子SW21に接続されている。インダクタSL23を構成するループ状線状導体の他方端は、4層、3層、2層、1層のビア導体および2層の引き回し導体を介して表面実装型部品221の可変容量素子VC21,VC22に接続されている。インダクタSL24を構成するループ状線状導体の他方端は、4層、3層、2層、1層のビア導体および2層の引き回し導体を介して表面実装型部品221の可変容量素子VC21に接続されている。
4層には、複数のビア導体が形成されている。4層に形成される複数のビア導体は、5層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL21,SL22,SL23,SL24を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
この構成により、4層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
3層には、複数のビア導体が形成されている。3層に形成される複数のビア導体は、4層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
3層には、複数のグランド接続導体PCGが形成されている。複数のグランド接続導体PCGは、それぞれに形成位置が近接する複数のグランド用ビア導体ViaGを接続する線状導体からなる。これにより、複数のグランド用ビア導体ViaGのグランド電位が安定する。複数のグランド接続導体PCGは、伝送領域内に形成されている。
3層には、第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2の位置を微調整する引き回し導体が形成されている。これらの引き回し導体は、伝送領域内に形成されている。
この構成により、3層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
2層には、複数のビア導体が形成されている。2層に形成される複数のビア導体は、3層に形成された複数のビア導体におけるグランド用ビア導体ViaGを除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。また、2層には、3層のグランド接続導体PCGに重なる位置に、複数のグランド用ビア導体ViaGが形成されている。
2層には、複数のグランド接続導体PCGが形成されている。複数のグランド接続導体PCGは、それぞれに形成される位置が近接する複数のグランド用ビア導体ViaGを接続する線状導体からなる。これにより、複数のグランド用ビア導体ViaGのグランド電位が安定する。複数のグランド接続導体PCGは、伝送領域内に形成されている。
2層には、各種の引き回し導体が形成されている。これらの引き回し導体は、伝送領域内に形成されている。
この構成により、2層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
1層には、複数のビア導体が形成されている。1層に形成される複数のビア導体は、2層に形成された複数のビア導体におけるグランド用ビア導体ViaGを除くビア導体およびRF用ビア導体Via1,Via2に対して、それぞれ積層方向に沿って直接もしくは引き回し導体を介して繋がるように形成されている。また、1層には、2層のグランド接続導体PCGに重なる位置に、複数のグランド用ビア導体ViaGが形成されている。
1層の表面(積層体210の表面)には、表面実装型部品221,222を実装するための実装用ランドが形成されている。なお、図7では、1層に形成されるビア導体が記載されているが、これらビア導体の位置に実装用ランドも形成されている。
表面実装型部品221の可変容量素子VC21,VC22の制御系端子が実装される実装用ランドは、積層体210の裏面に形成された制御系端子PDに、上述の制御領域PLconのビア導体によって接続されている。
表面実装型部品222のスイッチ素子SW21,SW22の制御系端子が実装される実装用ランドは、積層体210の裏面に形成されたスイッチ用端子PDに、上述のスイッチ制御領域PLswのビア導体によって接続されている。
可変容量素子VC21,VC22およびスイッチ素子SW21,SW22の信号伝送系端子が実装される実装用ランドの一部は、上述のグランド用ビア導体ViaGに接続されている。ここで、上述のように、本実施形態の構成では、積層体210の最下層付近の内部グランド導体PiGに接続し積層方向に伸長する複数のグランド用ビア導体ViaGが積層体210内の表面付近の層(2層および3層)で、伸長方向に直交する方向に、グランド接続導体PCGによって接続されている。これにより、積層体210内でのグランドが安定して強化されるとともに表面実装型部品の実装位置の近傍(積層体210の表面近傍)でもグランドが安定して強化される。さらに、積層方向に平行な面状のグランドを形成することができる。本実施形態の構成では、この面状のグランド導体が積層体210の側面近傍に配置されているので、積層体210内の回路と外部との電磁界的な結合を抑制できる。したがって、さらに伝送特性の優れる小型の高周波回路モジュールを実現することができる。
また、本実施形態の構成では、表面実装型部品221,222のグランドに接続する実装用ランドがグランド用ビア導体ViaGと、グランド用ビア導体ViaGが集中する位置に形成された長さの短いグランド接続導体PCGのみで積層体210の最下層付近の内部グランド導体PiGおよび、積層体210の裏面のグランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0に接続されている。これにより、表面実装型部品221,222をグランドに接続する伝送ラインを短くでき、他の伝送ラインや回路素子との電磁界的な結合を防止できるとともに、グランドを安定させることができる。これにより、さらに高精度なインピーダンス可変特性を得ることができる。
また、本実施形態の構成では、第1入出力端子PRF1(第1外部接続用端子PDRF1)とインダクタSL22,SL23がビア導体のみで接続され、第2入出力端子PRF2(第2外部接続用端子PDRF2)とインダクタSL21,SL24がビア導体のみで接続される。これにより、他の回路素子や伝送線路との電磁界的な結合を抑制でき、さらにインピーダンス可変特性および伝送特性の優れる小型の高周波回路モジュールを実現することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る高周波回路モジュールについて、図を参照して説明する。図9は、本発明の第3の実施形態に係る高周波回路モジュールを構成する回路のブロック図である。
高周波回路30は、第1入出力端子PRF1、第2入出力端子PRF2を備える。高周波回路30は、インダクタSL31,SL32,SL33を備える。高周波回路30は、可変容量素子VC31,VC32を備える。高周波回路30は、スイッチ素子SW31,SW32を備える。
第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2は、スイッチ素子SW3と可変容量素子VC31とインダクタSL32の直列回路によって接続されている。また、第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2は、スイッチ素子SW31によって接続されている。すなわち、スイッチ素子SW3と可変容量素子VC31とインダクタSL32の直列回路とスイッチ素子SW31は、第1入出力端子PRF1と第2入出力端子PRF2の間で、並列接続されている。
スイッチ素子SW32と可変容量素子VC31とを接続する伝送ラインは、インダクタSL31と可変容量素子VC32によってそれぞれグランドに接続されている。すなわち、スイッチ素子SW32と可変容量素子VC31とを接続する伝送ラインは、インダクタSL31と可変容量素子VC32の並列回路によってグランドに接続されている。
可変容量素子VC31とインダクタSL32とを接続する伝送ラインは、インダクタSL33によってグランドに接続されている。
このような回路を備えることで、高周波回路30は、第1、第2の実施形態に示した高周波回路10,20と同様に、広範囲で且つ高精度なインピーダンス整合を実現することができる。さらに、高周波回路30は、スイッチ素子SW31,SW32をオン/オフ制御することで、回路をさらに変化させることができる。これにより、第2の実施形態に示した高周波回路20と同様に、さらに広範囲なインピーダンス整合を実現することができる。
図10は、本発明の第3の実施形態に係る高周波回路モジュールの各誘電体層の導体パターンを示す積層図である。図10に示す丸印は、積層方向に伸長するビア導体を示す。また、図10では、1層から12層に対して、13層は左右反転した図になっている。図11は、本発明の第3の実施形態に係る高周波回路モジュールの底面における端子の配列パターンを示す図である。
上述の回路からなる高周波回路30は、積層体と表面実装型部品321,322とによって形成される高周波回路モジュール300によって実現される。なお、高周波回路モジュール300の基本構造は、第2の実施形態に示した高周波回路モジュール200と同じであり、積層体内の導体パターンが異なるものである。
表面実装型部品321は、可変容量素子VC31,VC32が内蔵される構造からなり、例えば、バラクタダイオード等を用いた半導体IC、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)、BST((Ba,Sr)TiO)およびCMOS技術を用いた半導体IC等によって実現される。なお、表面実装型部品321は、可変容量素子VC31,VC32が一つのパッケージ内に一体で形成されているが、可変容量素子VC31,VC32毎に個別にパッケージングされた態様であってもよい。
表面実装型部品322は、スイッチ素子SW31,SW32が内蔵される構造からなり、例えば半導体スイッチ等によって実現される。なお、表面実装型部品322は、スイッチ素子SW31,SW32が一つのパッケージ内に一体で形成されているが、スイッチ素子SW31,SW32毎に個別にパッケージングされた態様であってもよい。
積層体は、複数の誘電体層を積層し焼結した直方体形状からなる。本実施形態の積層体は、図10に示すように、13層からなる。各誘電体層には、図10に示すように、導体パターンやビア導体が形成されており、底面には外部回路に接続するための各種の端子が形成されている。そして、これら導体パターン、ビア導体、端子によって、図9に示す高周波回路30の可変容量素子VC31,VC32およびスイッチ素子SW31,SW32以外の部分が形成されている。
平面視して、表面実装型部品321,322の実装領域は、積層体と略同じ大きさである。これにより、できる限り小面積の高周波回路モジュール300を実現することができる。
次に、積層体のより具体的な構成を、図10、図11を参照して説明する。なお、以下では、積層体の最上層の誘電体層を1層とし、下層になるほど層番号が増加し、最下層の誘電体層を13層として説明する。また、各層の導体パターンの接続の関係を分かりやすくするため、最下層である13層から順に説明する。
13層の裏面(積層体の裏面)には、図11に示すように、外部回路に接続するための端子が配列して形成されている。端子は、制御系端子PDと、複数の伝送系端子とスイッチ用端子PDによって構成されている。伝送系端子は、第1外部接続用端子PDRF1、第2外部接続用端子PDRF2、複数のグランド接続用端子PD、およびベースグランド接続用端子PDG0によって構成されている。制御系端子PDは、可変容量素子VC31,VC32に駆動信号および制御信号を与えるための端子である。スイッチ用端子PDは、スイッチ素子SW31,SW32に駆動信号及び制御信号を与えるための端子である。
第1外部接続用端子PDRF1、第2外部接続用端子PDRF2、複数のグランド接続用端子PD、複数の制御系端子PD、および、複数のスイッチ用端子PDは、裏面の四辺に沿って、配列して形成されている。
第1外部接続用端子PDRF1は、裏面の第1辺の近傍に配置されており、当該第1辺の両端(第3、第4辺に交わる端部)から離間した位置に配置されている。第1辺に沿った第1外部接続用端子PDRF1の両側には、それぞれグランド接続用端子PDが配置されている。
第2外部接続用端子PDRF2は、裏面の第1辺に対向する第2辺の近傍に配置されており、当該第2辺の両端(第3、第4辺に交わる端部)から離間した位置に配置されている。第2辺に沿った第2外部接続用端子PDRF2の両側には、それぞれグランド接続用端子PDが配置されている。
複数の制御系端子PDは、第3辺と、第2辺の第3辺側の所定範囲を含む領域に、第3辺もしくは第2辺に沿って配置されている。すなわち、複数の制御系端子PDが配置されている制御領域PLconは、積層体を平面視した第3辺の近傍に設定されており、第3辺、第2辺に沿って所定幅を有する領域となっている。これにより、制御領域PLconは、伝送系の各端子が形成される伝送領域とは区分されている。
複数のスイッチ用端子PDは、第3辺に対向する第4辺の近傍に、第4辺に沿って配置されている。すなわち、複数のスイッチ用端子PDが配置されているスイッチ制御領域PLswは、積層体を平面視した第4辺の近傍に設定されており、第4辺に沿って所定幅を有する領域となっている。これにより、スイッチ制御領域PLswは、伝送系の各端子が形成される伝送領域および制御領域PLconとは区分されている。
ベースグランド接続用端子PDG0は、上述の各端子が配置される周辺部に囲まれる中央領域に配置されている。ベースグランド接続用端子PDG0は、上述の各端子よりも大きな形状で形成されている。
これらの構成により、第1外部接続用端子PDRF1と、複数の制御系端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第1外部接続用端子PDRF1と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号に制御系の信号が混入することを抑制できる。
また、第2外部接続用端子PDRF2と、複数の制御系端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第2外部接続用端子PDRF2と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号と制御系の信号との干渉を抑制できる。
すなわち、伝送系端子と制御系端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができる。
また、これらの構成により、第1外部接続用端子PDRF1と、複数のスイッチ用端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第1外部接続用端子PDRF1とスイッチ用端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号にスイッチ制御系の信号が混入することを抑制できる。
また、第2外部接続用端子PDRF2と、複数のスイッチ用端子PDとの間に、グランドに接続される端子(グランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0)が配置される。これにより、第2外部接続用端子PDRF2と複数のスイッチ用端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができ、伝送する高周波信号とスイッチ制御系の信号との干渉を抑制できる。
すなわち、伝送系端子とスイッチ用端子PDとの間のアイソレーションを高く確保することができる。
さらに、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2は、対向する第1辺近傍と第2辺近傍にそれぞれ配置されているので、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間隔を広くでき、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間のアイソレーションを高く確保することができる。さらに、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間に、ベースグランド接続用端子PDG0が配置されているので、第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2の間のアイソレーションをさらに高く確保することができる。
13層には、複数のビア導体が形成されている。ビア導体は、第1RF用ビア導体Via1、第2RF用ビア導体Via2、複数のグランド用ビア導体ViaG、複数の制御系ビア導体、および複数のスイッチ用ビア導体からなる。第1RF用ビア導体Via1は、第1外部接続用端子PDRF1に接続されており、第2RF用ビア導体Via2は、第2外部接続用端子PDRF2に接続されている。複数のグランド用ビア導体ViaGは、複数のグランド接続用端子PDおよびベースグランド接続用端子PDG0のいずれかに接続されている。複数の制御系ビア導体は、それぞれに複数の制御系端子PDに接続されている。複数のスイッチ用ビア導体は、それぞれに複数のスイッチ用端子PDに接続されている。
12層には、内部グランド導体PiGと、複数のビア導体が形成されている。12層に形成される複数のビア導体は、13層に形成された複数のビア導体から、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
内部グランド導体PiGは、制御領域PLconおよびスイッチ制御領域PLswを除く略全面、すなわち伝送領域の略全面に亘る平板状の導体パターンである。内部グランド導体PiGは、複数のグランド用ビア導体ViaGによって、複数のグランド接続用端子PD、およびベースグランド接続用端子PDG0に接続している。内部グランド導体PiGは、第1RF用ビア導体Via1が形成される位置および第2RF用ビア導体Via2が形成される位置を除くように形成されている。さらには、平面視して、13層の第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2が形成される領域を除くように形成されている。
この構成により、第1RF用ビア導体Via1は、第1辺と内部グランド導体PiGに囲まれる状態となり、第2RF用ビア導体Via2は、第2辺と内部グランド導体PiGに囲まれる状態となる。これにより、12層においても、第1RF用ビア導体Via1と第2RF用ビア導体Via2との間、および、第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2と制御系ビア導体との間のアイソレーションを高く確保することができる。さらに、第1外部接続用端子PDRF1および第2外部接続用端子PDRF2と内部グランド導体PiGが対向しないので、内部グランド導体PiGを介した第1外部接続用端子PDRF1と第2外部接続用端子PDRF2との間での高周波的な結合も抑制することができる。
また、この構成により、12層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
11層には、複数のビア導体が形成されている。11層に形成される制御系およびスイッチ用の複数のビア導体は、12層に形成された制御系およびスイッチ用の複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。また、11層に形成される第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2は、12層に形成された第1、第2RF用ビア導体Via1,Via2に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
11層に形成される複数のグランド用ビア導体ViaGは、積層体を平面視して、12層の内部グランド導体PiGが形成されている領域内に形成されており、複数のグランド用ビア導体ViaGは12層の内部グランド導体PiGに接続されている。この際、複数のグランド用ビア導体ViaGの一部は、第1辺付近に第1辺に沿って形成されており、第1RF用ビア導体Via1と制御系ビア導体との間に配置されている。これらの複数のグランド用ビア導体ViaGは、内部グランド導体PiGが形成されている領域内に形成されているので、伝送領域内に形成されている。
この構成により、11層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
10層には、複数のビア導体が形成されている。10層に形成される複数のビア導体は、11層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
この構成により、10層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
9層には、複数のビア導体が形成されている。9層に形成される複数のビア導体は、10層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
9層には、インダクタSL31を構成するループ状線状導体と、インダクタSL32を構成するループ状線状導体と、インダクタSL33を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、9層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体の一方端は、グランド用ビア導体ViaGに接続されている。インダクタSL32を構成するループ状線状導体の一方端は、第2RF用ビア導体Via2に接続されている。
8層には、複数のビア導体が形成されている。8層に形成される複数のビア導体は、9層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体に接続するグランド用ビア導体ViaGを除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
8層には、インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体およびインダクタSL32を構成する線状導体がそれぞれ形成されている。インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体とインダクタSL32を構成する線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、8層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体およびインダクタSL32を構成する線状導体の一方端は、ビア導体を介して、9層のインダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体にそれぞれ接続されている。
7層には、複数のビア導体が形成されている。7層に形成される複数のビア導体は、8層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
7層には、インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、7層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、8層のインダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体およびインダクタSL32を構成する線状導体にそれぞれ接続されている。
6層には、複数のビア導体が形成されている。6層に形成される複数のビア導体は、7層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
6層には、インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体およびインダクタSL32を構成する線状導体が形成されている。インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体およびインダクタSL32を構成する線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、6層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体およびインダクタSL32を構成する線状導体の一方端は、ビア導体を介して、7層のインダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体にそれぞれ接続されている。
5層には、複数のビア導体が形成されている。5層に形成される複数のビア導体は、6層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
5層には、インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体が形成されている。インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体は、伝送領域に形成されている。
この構成により、5層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体の一方端は、ビア導体を介して、6層のインダクタSL31,SL33を構成するループ状線状導体およびインダクタSL32を構成する線状導体にそれぞれ接続されている。
インダクタSL31を構成するループ状線状導体の他方端は、4層、3層、2層、1層のビア導体を介して、表面実装型部品322のスイッチ素子SW32に接続されている。インダクタSL32,SL33を構成するループ状線状導体の他方端同士は接続されている。
4層には、複数のビア導体が形成されている。4層に形成される複数のビア導体は、5層に形成された複数のビア導体のうち、インダクタSL31,SL32,SL33を構成するループ状線状導体の一方端に接続するビア導体を除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
4層には、第1RF用ビア導体Via1の位置を微調整する引き回し導体が形成されている。これらの引き回し導体は、伝送領域内に形成されている。
この構成により、4層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
3層には、複数のビア導体が形成されている。3層に形成される複数のビア導体は、4層に形成された複数のビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。
この構成により、3層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
2層には、複数のビア導体が形成されている。2層に形成される複数のビア導体は、3層に形成された複数のビア導体におけるグランド用ビア導体ViaGを除くビア導体に対して、それぞれ積層方向に沿って繋がるように形成されている。また、2層には、2層に形成される次に示すグランド接続導体PCGと重なる位置に、複数のグランド用ビア導体ViaGが形成されている。
2層には、グランド接続導体PCGが形成されている。グランド接続導体PCGは、それぞれに形成される位置が近接する複数のグランド用ビア導体ViaGを接続する線状導体からなる。これにより、複数のグランド用ビア導体ViaGのグランド電位が安定する。グランド接続導体PCGは、伝送領域内に形成されている。
2層には、各種の引き回し導体が形成されている。これらの引き回し導体は、伝送領域内に形成されている。
この構成により、2層においても制御領域PLconと伝送領域とスイッチ制御領域PLswが区分されている。
1層には、複数のビア導体が形成されている。1層に形成される複数のビア導体は、2層に形成された複数のビア導体におけるグランド用ビア導体ViaGを除くビア導体およびRF用ビア導体Via1,Via2に対して、それぞれ積層方向に沿って直接もしくは引き回し導体を介して繋がるように形成されている。また、1層には、2層のグランド接続導体PCGに重なる位置に、複数のグランド用ビア導体ViaGが形成されている。
1層の表面(積層体の表面)には、表面実装型部品321,322を実装するための実装用ランドが形成されている。なお、図10では、1層に形成されるビア導体が記載されているが、これらビア導体の位置に実装用ランドも形成されている。
表面実装型部品321の可変容量素子VC31,VC32の制御系端子が実装される実装用ランドは、積層体の裏面に形成された制御系端子PDに、上述の制御領域PLconのビア導体によって接続されている。
表面実装型部品322のスイッチ素子SW31,SW32に対する制御系端子が実装される実装用ランドは、上述のスイッチ制御領域PLswのビア導体によって、積層体の裏面に形成されたスイッチ用端子PDに接続されている。
可変容量素子VC31,VC32およびスイッチ素子SW31,SW32の信号伝送系端子が実装される実装用ランドの一部は、上述のグランド用ビア導体ViaGに接続されている。ここで、上述のように、本実施形態の構成では、積層体の最下層付近の内部グランド導体PiGに接続し積層方向に伸長する複数のグランド用ビア導体ViaGが積層体内の表面付近の層(2層)で、伸長方向に直交する方向に、グランド接続導体PCGによって接続されている。これにより、積層体内でのグランドが安定して強化されるとともに表面実装型部品の実装位置の近傍(積層体の表面近傍)でもグランドが安定して強化される。さらに、積層方向に平行な面状のグランドを形成することができる。本実施形態の構成では、この面状のグランド電極が積層体の側面近傍に配置されているので、積層体内の回路と外部との電磁界的な結合を抑制できる。したがって、さらに伝送特性の優れる小型の高周波回路モジュールを実現することができる。
また、本実施形態の構成では、表面実装型部品321,322のグランドに接続する実装用ランドがグランド用ビア導体ViaGと、グランド用ビア導体ViaGが集中する位置に形成された長さの短いグランド接続導体PCGのみで積層体の最下層付近の内部グランド導体PiG、および積層体の裏面のグランド接続用端子PD、ベースグランド接続用端子PDG0に接続されている。これにより、表面実装型部品321,322をグランドに接続する伝送ラインを短くでき、他の伝送ラインや回路素子との電磁界的な結合を防止できるとともに、グランドを安定させることができる。これにより、さらに高精度なインピーダンス可変特性を得ることができる。
また、本実施形態の構成では、第2入出力端子PRF2(第2外部接続用端子PDRF2)とインダクタSL32がビア導体のみで接続される。これにより、他の回路素子や伝送線路との電磁界的な結合を抑制でき、さらにインピーダンス可変特性および伝送特性の優れる小型の高周波回路モジュールを実現することができる。
10,20,30:高周波回路
100,200,300:高周波回路モジュール
110,210:積層体
120,221,222,321,322:表面実装型部品
RF1:第1入出力端子
RF2:第2入出力端子
SL11,SL12,SL13:インダクタ
VC11,VC12,VC13:可変容量素子

Claims (9)

  1. 第1入出力端子および第2入出力端子間の信号ラインに設けられた、受動素子および可変容量素子の直列回路、または、前記信号ラインおよび高周波回路のグランド間に設けられた、受動素子および可変容量素子の並列回路の少なくとも一方を有する高周波回路モジュールであって、
    複数の誘電体層を積層してなる略直方体形状の積層体と、
    該積層体の内部に設けられた導体パターンによって形成された前記受動素子と、
    該積層体の天面に実装された表面実装型部品によって形成された前記可変容量素子と、
    前記積層体の底面にそれぞれ形成された、前記第1入出力端子に対応する第1外部接続用端子と、前記第2入出力端子に対応する第2外部接続用端子と、前記グランドとなる複数のグランド接続用端子と、
    を備え、
    前記第1外部接続用端子と前記第2外部接続用端子は、前記積層体の底面の角部を除く前記底面の異なる辺の近傍に、前記辺に沿った方向において前記グランド接続用端子に挟まれて配置されており、
    前記可変容量素子に接続される複数のグランド接続用端子は、該複数のグランド接続用端子毎に前記積層体の積層方向に沿って伸長する形状で形成された複数のグランド用ビア導体によって接続されており、
    該複数のグランド用ビア導体は、前記積層体の表面の近傍の層に形成されたグランド接続導体によって接続されている、
    高周波回路モジュール。
  2. 前記積層体の底面に形成され、前記可変容量素子に制御系信号を与えるための制御系端子と、
    前記積層体の内部に形成され、前記制御系端子を前記可変容量素子に接続するための制御系ビア導体と、を備え、
    前記制御系端子および前記制御系ビア導体が形成されている制御領域は、積層方向から透視して、前記第1外部接続用端子、前記第2外部接続用端子、前記受動素子、および、前記高周波回路を構成するための導体パターンとは、重ならない位置に配置することにより空間的に分離された、
    請求項1に記載の高周波回路モジュール。
  3. 前記複数のグランド用ビア導体の一部は、
    前記積層体を前記表面に直交する方向に視て、
    前記制御系端子および前記制御系ビア導体が形成されている制御領域と、前記第1外部接続用端子、前記第2外部接続用端子、および前記受動素子が形成されている伝送領域との間に配置されている、
    請求項2に記載の高周波回路モジュール。
  4. 前記第1外部接続用端子と、該第1外部接続用端子に接続される前記受動素子および前記可変容量素子とは、
    前記積層体の積層方向に沿って伸長する形状からなる第1伝送用ビア導体のみによって接続されている、請求項2または請求項3に記載の高周波回路モジュール。
  5. 前記第2外部接続用端子と、該第2外部接続用端子に接続される前記受動素子および前記可変容量素子とは、
    前記積層体の積層方向に沿って伸長する形状からなる第2伝送用ビア導体のみによって接続されている、請求項4に記載の高周波回路モジュール。
  6. 前記高周波回路に含まれ、前記積層体の天面に実装された表面実装型部品によって形成され、前記第1入出力端子および前記第2入出力端子間に接続されたスイッチ素子、または、前記信号ラインおよび前記グランド間に接続されたスイッチ素子の少なくとも一方と、
    前記積層体の底面に形成され、前記スイッチ素子にスイッチ制御系信号を与えるためのスイッチ用端子と、
    前記積層体の内部に形成され、前記スイッチ用端子を前記スイッチ素子に接続するためのスイッチ用ビア導体と、を備え、
    前記スイッチ用端子および前記スイッチ用ビア導体が形成されているスイッチ制御領域は、積層方向から透視して、
    前記第1外部接続用端子、前記第2外部接続用端子、前記受動素子、前記制御系端子、および、前記制御系ビア導体とは、重ならない位置に配置することにより空間的に分離された、
    請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の高周波回路モジュール。
  7. 前記可変容量素子は、第1可変容量素子、第2可変容量素子、および第3可変容量素子を含み、
    前記受動素子は、第1インダクタ、第2インダクタ、および第3インダクタを含み、
    前記第1入出力端子と前記第2入出力端子とは、前記第2インダクタと前記第2可変容量素子との直列回路によって接続されており、
    前記第2インダクタと前記第2可変容量素子との直列回路における前記第1入出力端子側は、前記第1インダクタと前記第1可変容量素子のそれぞれによってグランドに接続されており、
    前記第2インダクタと前記第2可変容量素子との直列回路における前記第2入出力端子側は、前記第3インダクタと前記第3可変容量素子のそれぞれによってグランドに接続されている、
    請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の高周波回路モジュール。
  8. 前記可変容量素子は、第1可変容量素子および第2可変容量素子を含み、
    前記受動素子は、第1インダクタ、第2インダクタ、第3インダクタ、および第4インダクタを含み、
    前記スイッチ素子は、第1スイッチ素子および第2スイッチ素子を含み、
    前記第1入出力端子と前記第2入出力端子とは、前記第3インダクタと前記第1可変容量素子と前記第4インダクタの直列回路によって接続されるとともに、前記第2スイッチ素子によって接続されており、
    前記第3インダクタと前記第1可変容量素子と前記第4インダクタの直列回路における前記第1入出力端子側は、前記第2インダクタと前記第1スイッチ素子の直列回路によってグランドに接続されており、
    前記第3インダクタと前記第1可変容量素子と前記第4インダクタの直列回路における前記第2入出力端子側は、前記第1インダクタによってグランドに接続されており、
    前記第3インダクタと前記第1可変容量素子との接続点は、前記第2可変容量素子によってグランドに接続されている、
    請求項6に記載の高周波回路モジュール。
  9. 前記可変容量素子は、第1可変容量素子および第2可変容量素子を含み、
    前記受動素子は、第1インダクタ、第2インダクタ、および第3インダクタを含み、
    前記スイッチ素子は、第1スイッチ素子および第2スイッチ素子を含み、
    前記第1入出力端子と前記第2入出力端子とは、前記第2スイッチ素子と前記第1可変容量素子と前記第2インダクタの直列回路によって接続されるとともに、前記第1スイッチ素子によって接続されており、
    前記第2スイッチ素子と前記第1可変容量素子と接続点は、前記第1インダクタと前記第2可変容量素子のそれぞれによってグランドに接続されており、
    前記第1可変容量素子と前記第2インダクタとの接続点は、前記第3インダクタによってグランドに接続されている、
    請求項6に記載の高周波回路モジュール。
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