JP5772401B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
特許文献1によると、ヘッド101の吐出面に対向する記録位置にプラテン203が設けられており、記録媒体はプラテン203の表面(記録位置)を通る略水平の搬送経路に沿って搬送され、排出トレイ9Aに排出される。
一方、湾曲経路が記録位置に対して吐出面とは反対側にある場合、記録媒体の先端部分が湾曲経路に位置するとき、記録媒体の後端部分に、記録位置から吐出面に向かう方向の力が作用する。この力によって記録媒体の後端部分が浮くことで、上記と同様の問題が生じ得ることを本出願人は知見した。
さらに、平面経路を形成する少なくとも2組のローラ対のうち、記録位置に対する吐出面と同じ側に配置されたローラと、中間ローラとは、記録直後の記録媒体の記録面に接触し得るものであり、記録面に対する当該ローラの接触によって、画像の乱れが生じ得る。そこで、上記のように、平面経路を形成する少なくとも2組のローラ対のうち、記録位置に対する吐出面と同じ側に配置されたローラと、中間ローラとを、複数の部分ローラで構成すると共に、当該複数の部分ローラのそれぞれを搬送方向に互いに重ならない位置に配置する。これにより、記録面において各部分ローラと接触する部分が分散されることになる。換言すると、記録面の一部に部分ローラが何度も接触することが抑制される。したがって、画像の乱れを抑制することができる。
さらに、上記構成の場合、複数の部分ローラが搬送方向に互いに重なる位置に配置されている場合と比較して、記録面において各部分ローラと接触する部分が増える。したがって、記録媒体の後端部分の浮きをより確実に抑制することができる。
記録媒体を停止することなく搬送する場合、高速記録を実現できるものの、記録媒体の後端部分の浮きによる画質低下等の問題が顕著になり得る。しかし本発明によれば、記録媒体の後端部分の浮きを抑制できるため、画質低下等の問題を抑制しつつ、高速記録を実現可能である。
特に連続的に複数の記録媒体に対する記録及び排出を行う場合に、排出位置において記録媒体の記録面が支持部材とは反対の方向を向く構成であると、ユーザが、個々の記録媒体の表裏を反転させ、記録媒体を順番に揃え直すという作業が必要になり得る。しかし上記構成によれば、このような作業が不要である。
この場合、記録媒体における第1ローラ対と第2ローラ対との間の部分に、引張力が作用する。これにより、当該部分の撓みを抑制することができ、当該部分の平面度を向上させることができる。また、記録媒体の先端部分が湾曲経路に位置することにより、記録媒体の後端部分に生じようとする吐出面に直交する方向の力は、平面経路によってより一層低減される。そのため、記録媒体の後端部分に、吐出面に直交する方向の力が作用し難く、記録媒体の後端部分の浮きをより確実に抑制することができる。
この場合、記録媒体における第1ローラ対と第3ローラ対との間の部分に、積極的に撓みを生じさせることができる。これにより、記録媒体の先端部分が第3ローラ対に到達したときの速度変動を抑制することができる。即ち、記録媒体を平面経路から湾曲経路へとスムーズに搬送することができる。
これにより、経路R1〜R4は全体として逆S字状となっている。
経路T2は、経路R2とは逆向きの副走査方向に沿った経路であり、ガイド95b及びローラ対97によって規定されている。
経路T3は、経路R1の途中部に至る斜め上向きの経路であり、ガイド95cによって規定されている。
詳細には、拍車ローラであるローラのうち、搬送方向の最も上流側に配置されている抑えローラ33を除く各ローラ25a,34,26a,27aの部分ローラは、当該ローラに対して搬送方向上流側に隣接して配置されたローラの部分ローラをそれぞれ主走査方向(図2において下方)にDずつずらして配置されている。例えば、上側ローラ25aの部分ローラ25apは、抑えローラ33の部分ローラ33pをそれぞれ主走査方向にDずつずらして配置されており、抑えローラ34の部分ローラ34pは、上側ローラ25aの部分ローラ25apをそれぞれ主走査方向にDずつずらして配置されている。
具体的には、給紙制御部102の制御により給紙トレイ20から送り出された用紙Pは、搬送制御部103の制御により経路R1,R2をこの順に通るように搬送され、経路R2において支持面61a上に支持されつつヘッド10の真下(記録位置)を順次通過する。このときに、記録制御部101の制御によりヘッド10が駆動し、吐出面10aの吐出口から用紙Pに向けて液体が吐出されることで、用紙P上に画像が形成される。その後用紙Pは、片面記録の場合、排紙部1eに排出される。両面記録の場合、用紙Pは、排紙部1eに排出されずに後戻りし、経路T1〜T3に沿って搬送され、経路R1の途中部に送り込まれ、再び経路R2〜R4を通り、裏面に画像が形成された後、排紙部1eに排出される。
例えば、本実施形態のように湾曲経路R4が記録位置に対して上側(記録位置に対して吐出面10aと同じ側)にある場合、用紙Pの後端部分に、吐出面10aから支持面61aに向かう方向(図1中下向き)の力が作用する。これにより、用紙Pの後端部分は、支持面61aに押し付けられる。しかしながら、このとき用紙Pの後端部分に、支持面61aに押し付けられる力の反力が作用し、用紙Pの後端部分が支持面61aから浮き上がる可能性がある。
一方、湾曲経路R4が記録位置に対して下側(記録位置に対して吐出面10aとは反対側)にある場合、用紙Pの後端部分に、支持面61aから吐出面10aに向かう方向(図1中上向き)の力が作用する。この場合、用紙Pの後端部分が支持面61aから浮き上がる可能性がある。
上記のように用紙Pの後端部分が支持面61aから浮き上がると、用紙Pと吐出面10aとの間隔が変化して画質が低下したり、用紙Pが吐出面10aに接触したりするという問題が生じ得る。さらには、吐出面10aが破損する可能性もある。
そこで、本実施形態のように、上側ローラ26a,27aを複数の部分ローラ26ap,27apで構成すると共に、当該複数の部分ローラ26ap,27apのそれぞれを搬送方向に互いに重ならない位置に配置する(図2参照)。これにより、記録面において各部分ローラ26ap,27apと接触する部分が分散されることになる。換言すると、記録面の一部に部分ローラ26ap,27apが何度も接触することが抑制される。したがって、画像の乱れを抑制することができる。
さらに、上記構成の場合、複数の部分ローラ26ap,27apが搬送方向に互いに重なる位置に配置されている場合と比較して、記録面において各部分ローラ26ap,27apと接触する部分が増える。したがって、用紙Pの後端部分の浮きをより確実に抑制することができる。
拍車ローラは、記録面に対する接触領域が小さく、記録面と点接触する。したがって、上記構成によれば、画像の乱れをより確実に抑制することができる。
より具体的には、記録位置の搬送方向直ぐ下流側の部分に、平面経路R3を形成するローラ対を配置するのが好ましいが、当該部分における記録位置に対する吐出面10aとは反対側(図1では下側)に、スライド軸81等の構成部材が配置されている場合、当該部分にローラ対を配置することができない。しかしこのような場合でも、本実施形態のように、当該部分の記録位置に対する吐出面10aと同じ側(図1では上側)に抑えローラ34を設けることで、記録位置の直ぐ近傍で用紙Pの後端部分の浮きを抑えることができ、ローラ対26,27と抑えローラ34との相互作用によって用紙Pの後端部分の浮きをより確実に抑制することができる。
そこで、本実施形態のように、抑えローラ34を複数の部分ローラ34pで構成すると共に、当該複数の部分ローラ34pと、上側ローラ26a,27aの部分ローラ26ap,27apとを、それぞれ搬送方向に互いに重ならない位置に配置する(図2参照)。これにより、記録面において各部分ローラ34p,26ap,27apと接触する部分が分散されることになる。換言すると、記録面の一部に部分ローラ34p,26ap,27apが何度も接触することが抑制される。したがって、画像の乱れを抑制することができる。
さらに、上記構成の場合、複数の部分ローラ34p,26ap,27apが搬送方向に互いに重なる位置に配置されている場合と比較して、記録面において各部分ローラ34p,26ap,27apと接触する部分が増える。したがって、用紙Pの後端部分の浮きをより確実に抑制することができる。
拍車ローラは、記録面に対する接触領域が小さく、記録面と点接触する。したがって、上記構成によれば、画像の乱れをより確実に抑制することができる。
用紙Pを停止することなく搬送する場合、高速記録を実現できるものの、用紙Pの後端部分の浮きによる画質低下等の問題が顕著になり得る。しかし本実施形態によれば、用紙Pの後端部分の浮きを抑制できるため、画質低下等の問題を抑制しつつ、高速記録を実現可能である。
特に連続的に複数の用紙Pに対する記録及び排出を行う場合に、排紙部1eにおいて用紙Pの記録面が支持部材1e1とは反対の方向を向く(図1において上方を向く)構成であると、ユーザが、個々の用紙Pの表裏を反転させ、用紙Pを順番に揃え直すという作業が必要になり得る。しかし本実施形態によれば、このような作業が不要である。
この場合、用紙Pにおけるローラ対26,27間の部分に、引張力が作用する。これにより、当該部分の撓みを抑制することができ、当該部分の平面度を向上させることができる。また、用紙Pの先端部分が湾曲経路R4に位置することにより、当該用紙Pの後端部分に生じようとする吐出面10aに直交する方向の力は、平面経路R3によってより一層低減される。そのため、用紙Pの後端部分に、吐出面10aに直交する方向の力が作用し難く、用紙Pの後端部分の浮きをより確実に抑制することができる。
この場合、用紙Pにおけるローラ対27,28間の部分に、積極的に撓みを生じさせることができる。これにより、用紙Pの先端部分がローラ対28に到達したときの速度変動を抑制することができる。即ち、用紙Pを平面経路R3から湾曲経路R4へとスムーズに搬送することができる。
・再搬送に係る経路を省略してもよい。
・ヘッド間に配置されたローラ対25を省略してもよい。
・抑えローラを省略してもよい。
・拍車ローラを構成する部分ローラの配置形状等を適宜変更してもよい(例えば、図2に示す抑えローラ34及び上側ローラ26a,27aの部分ローラが搬送方向に互いに重なってもよい)。
・拍車ローラは、上述の実施形態のような円盤状の部分ローラを複数含むものに限定されず、例えば円柱状のローラの周囲に複数の突起が形成されたものであってもよい(この場合でも、拍車ローラが記録面に点接触することになり、画像の乱れが抑制される)。
・記録直後の記録媒体の記録面に接触し得るローラ(中間ローラ、ローラ対の上側ローラ等)を拍車ローラとしなくてもよい。
・排出位置において記録媒体の記録面が支持部材とは反対の方向を向いてもよい。
・湾曲経路は、U字状に限定されず、S字状等であってもよい。
・湾曲経路は、記録位置の搬送方向下流側である限りは、記録位置に対して吐出面と同じ側にあることに限定されず、記録位置に対して吐出面と反対側にあってもよい。(例えば、両面記録を実行可能な液体吐出装置において、記録位置に対して吐出面と反対側(例えば図1において下側)に、記録媒体の表裏面を反転させる反転ユニットが設けられており、湾曲経路が記録位置と反転ユニットとの間(記録位置に対して吐出面と反対側)に設けられている場合にも、本発明を適用可能である。)
・V1>V2>V3の関係を、上述の実施形態ではギア比の相違によって実現しているが、これに限定されない。例えば、各ローラの径の相違、各ローラに対応する搬送モータの回転速度の相違等によって、V1>V2>V3の関係を実現してもよい。
・各ローラ対22〜29の駆動ローラには、それぞれ搬送モータが接続されているとしたが、各ローラ対22〜29の駆動ローラに1つの搬送モータが接続されていてもよい。この場合、ギア比の相違によって、V1>V2>V3の関係を実現してよい。
・V1>V2の関係のみ、又は、V1>V3の関係のみが実現されてもよい。
・V1〜V3は上記のような関係でなくてもよい(V1〜V3が互いに同じであってもよい)。
・搬送手段は、ヘッドによって記録媒体に記録が行われる間、当該記録媒体を停止しつつ搬送してもよい(間欠搬送を行ってもよい)。
・平面経路を形成するローラ対は、少なくとも2組あればよく、3組以上あってもよい。
1e 排紙部(排出位置)
1e1 支持部材
10 ヘッド
10a 吐出面
50 搬送ユニット(搬送手段)
26 ローラ対(平面搬送部,第2ローラ対)
27 ローラ対(平面搬送部,第1ローラ対)
28 ローラ対(湾曲搬送部,第3ローラ対)
33p,34p,25ap,26ap,27ap 部分ローラ
34 抑えローラ(中間ローラ)
P 用紙(記録媒体)
R3 平面経路
R4 湾曲経路
Claims (6)
- 記録媒体に対して液体を吐出する複数の吐出口が開口した主走査方向に長尺な吐出面を有するライン型のヘッドと、
前記吐出面に対向する記録位置を通るように記録媒体を搬送方向に搬送する搬送手段と、
ワイパ、前記主走査方向に沿ったスライド軸、前記ワイパを前記スライド軸に沿ってスライドさせるスライド機構、及び、前記ワイパの駆動モータを含み、前記ワイパを前記ヘッドの前記吐出面に接触させつつ前記主走査方向に移動させることで前記吐出面上の異物を除去するワイピングを行うように構成されたワイピングユニットと、を備え、
前記搬送手段は、前記記録位置よりも前記搬送方向下流側にある湾曲経路を規定する湾曲搬送部、及び、前記記録位置と前記湾曲経路との間に前記吐出面と平行な平面経路を規定する平面搬送部を含み、記録媒体の先端部分が前記湾曲経路に位置するときに当該記録媒体の後端部分が前記記録位置に位置するように構成されており、前記平面搬送部において前記平面経路を形成するように配置された、前記主走査方向に沿った軸を有する少なくとも2組のローラ対と、前記少なくとも2組のローラ対よりも前記搬送方向上流側に配置され、且つ、前記記録位置に対する前記吐出面と同じ側に配置された、前記主走査方向に沿った軸を有する中間ローラとを含み、
前記少なくとも2組のローラ対における前記記録位置に対する前記吐出面と同じ側に配置されたローラ、及び、前記中間ローラは、それぞれ、前記主走査方向に互いに離隔して配置された複数の部分ローラを含み、
前記少なくとも2組のローラ対における前記複数の部分ローラ、及び、前記中間ローラにおける前記複数の部分ローラは、それぞれ、前記搬送方向に互いに重ならない位置に配置された、外周に複数の突起を有する拍車ローラであり、
前記ワイピングユニットの前記スライド軸は、前記吐出面に直交する方向に関して前記平面経路を挟んで前記中間ローラと対向し、且つ、前記搬送方向に関して前記少なくとも2組のローラ対における前記記録位置に対する前記吐出面と反対側に配置されたローラと対向する位置に配置されていることを特徴とする、液体吐出装置。 - 前記搬送手段は、前記ヘッドによって記録媒体に記録が行われる間、当該記録媒体を停止することなく搬送することを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記湾曲経路が前記記録位置に対して前記吐出面と同じ側にあることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
- 前記湾曲経路の形状がU字状であり、
前記湾曲経路よりも前記搬送方向下流側にある排出位置に、排出された記録媒体を支持する支持部材が設けられており、
前記搬送手段は、前記記録位置において前記吐出面に対向する記録媒体の記録面が前記排出位置において前記支持部材に対向するように、記録媒体を搬送することを特徴とする、請求項3に記載の液体吐出装置。 - 前記少なくとも2組のローラ対のうち前記搬送方向の最も下流側にある第1ローラ対による記録媒体の搬送速度V1、及び、前記少なくとも2組のローラ対のうち前記第1ローラ対よりも前記搬送方向上流側に配置された第2ローラ対による記録媒体の搬送速度V2が、V1>V2の関係にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
- 前記少なくとも2組のローラ対のうち前記搬送方向の最も下流側にある第1ローラ対による記録媒体の搬送速度V1、及び、前記湾曲搬送部において前記搬送方向の最も上流側に配置された第3ローラ対による記録媒体の搬送速度V3が、V1>V3の関係にあることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
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