JP5771972B2 - カセッテ型放射線画像固体検出器 - Google Patents

カセッテ型放射線画像固体検出器 Download PDF

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Description

本発明は、カセッテ型放射線画像固体検出器に関する。
従来、病気診断等を目的として、X線画像に代表される、放射線を用いて撮影された放射線画像が広く用いられている。
こうした医療用の放射線画像は、従来スクリーンフィルムを用いて撮影されていたが、近年は、放射線画像のデジタル化が実現されており、例えば、被写体を透過した放射線を輝尽性蛍光体層が形成された輝尽性蛍光体シートに蓄積させた後、この輝尽性蛍光体シートをレーザ光で走査し、これにより輝尽性蛍光体シートから発光される輝尽光を光電変換して画像データを得るCR(Computed Radiography)装置が広く普及している(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
放射線画像撮影では、スクリーンフィルムや輝尽性蛍光体シート等の記録媒体を内部に収納したカセッテ(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)が用いられる。なお、CR装置での撮影に用いられるCR用のカセッテは、従来のスクリーン/フィルム用のカセッテに適合するものとして導入された既存の設備、例えばカセッテホルダーやブッキーテーブルを継続して使用可能となるように、当該スクリーン/フィルム用のカセッテにおけるJIS規格サイズに倣って、設計・製造されている。言い換えると、カセッテのサイズの互換性が維持され、施設の有効活用と画像データのデジタル化が達成されている。
また、最近では、医療用の放射線画像を得る手段として、照射された放射線を検出しデジタル画像データとして取得する検出器としてFPD(Flat Panel Detector)が知られている(例えば、特許文献3参照)。
さらに、このFPDをハウジング(筐体)に収納した可搬型の撮影装置(可搬型のFPD)も実用化されるようになってきた(例えば、特許文献4及び特許文献5参照)。このような可搬型の検出器は、持ち運びが可能であるために患者の病室等に行って撮影を行うこと等も可能であり、また、撮影部位の位置や角度等に応じて自在に位置や角度を調整することが可能であるため、広く活用されることが期待されている。
可搬型の検出器には、特許文献4及び特許文献5に記載されているように、FPDを収納する筐体の一端に取っ手が設けられており、持ち運びしやすいように構成されている。
特開2005−121783号公報 特開2005−114944号公報 特開平9−73144号公報 特開2002−311527号公報 米国特許第7,189,972号明細書
前述のように、現在普及しているCR用のカセッテは従来のスクリーン/フィルム用のカセッテにおけるJIS規格サイズに従ったサイズとなっており、ブッキーテーブル等もJIS規格サイズに合わせて作られている。このため、FPDについても、このJIS規格サイズに従ったカセッテに収納した形で用いることができれば、施設に設置されている既存の設備をFPDを用いた撮影に利用することができ、撮影手段としてFPDを導入する際の設備投資を最小限度に抑えることができる。
しかしながら、特許文献4及び特許文献5に記載されている検出器は、取っ手が設けられていることからも明らかなように、上記JIS規格サイズに従ったものではなく、既存の設備を利用することのできない形状のものである。
また、検出器が落下等により衝撃を受けると、ハウジングが変形し、内部のガラス基材や電気部品等に負荷がかかり、部品の破損や画質の劣化を生じるおそれがある。
この点、筐体に取っ手が設けられている場合には、持ち運ぶ際にこの取っ手を持って運ぶため、誤って検出器を落下させた場合には、取っ手と反対側の端部から落下することとなる。このため、特許文献4及び特許文献5に記載されているような、単なる可搬型の検出器の場合には、このような落下の予測される方向からの衝撃に耐えられるように構成すれば足りる。
これに対して、上記JIS規格サイズに従ったカセッテは、取っ手等の設けられていない薄い平板状のものであることから、持ち運ぶ際にカセッテのどこを持つかが特定されず、落下する場合も、どこからどのように落下するかを予測することができない。また、このようなカセッテの場合には、患者撮影時のカセッテ装填位置(装填方向)の自由度も大幅に向上するので、患者に対するカセッテ位置修正時にどのような方向からカセッテに患者の体重(荷重)が加わるかについても予測できない。このため、カセッテの全体的な強度向上が必要となるという問題がある。
そこで、本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、画像データのデジタル化を達成することのできるFPDであって、CR用のカセッテとの互換性を有するような薄型であっても、透過する放射線量を維持したまま、充分な強度を有し、外部からの応力に対しハウジングの変形を抑制することが可能で、外部からの衝撃に対応でき、全荷重撮影を含むポータブル撮影をすることが可能なカセッテ型放射線画像固体検出器を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明に係るカセッテ型放射線画像固体検出器は、
入射した放射線を直接的又は間接的に電気信号に変換する検出部を有する検出器ユニットと、
両端部に開口部を有しカーボン繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを用いて角筒状に形成された本体部と、前記本体部における前記開口部を覆う第1の蓋部材及び第2の蓋部材と、を有し、前記検出器ユニットを内蔵するハウジングと、
を備え、
前記本体部は、放射線入射側の面を形成する複数の前記プリプレグ、及び放射線入射側とは反対側の面を形成する複数の前記プリプレグが屈曲され、放射線入射側の面と直交する面で両者が交互に積層且つ接着されて前記角筒状に形成されていることを特徴とするものである。
本発明に係るカセッテ型放射線画像固体検出器によれば、透過する放射線量を維持したまま、充分な強度を有し、外部からの応力に対しハウジングの変形を抑制することが可能で、外部からの衝撃に対応でき、全荷重撮影を含むポータブル撮影をすることが出来る。
本実施形態に係るカセッテ型検出器を示す斜視図である。 本実施形態におけるハウジングの分解斜視図である。 ハウジング本体部の断面図である。 第3プリプレグ、第4プリプレグにおけるカーボン繊維の構造を示す説明図である。 ハウジング本体部の製造方法を示す説明図である。 本実施形態のハウジング本体部と、比較例の構造を示す説明図である。 各種材料の弾性率及び熱伝導率を比較した図である。 ハウジングの撓み量についてのシミュレーション結果を示すグラフである。 片持ち梁的に保持した場合の荷重のかかり方を説明する説明図である。 撮影姿勢ごとにガラス基材にかかる荷重を示すグラフである。 圧力測定装置の概略構成を示す図である。 ガラス基材の許容応力を示す説明図である。 4辺支持のガラス基材における最大応力、最大撓み量を示す説明図である。 4辺支持のガラス基材について説明する説明図である。 4辺支持のガラス基材における係数を示す図である。 図1に示すカセッテ型検出器の内部構成を示す概略図である。 図16のA−A断面図である。 図16のB−B断面図である。 本実施形態における検出パネルを示す平面図である。 図19に示す検出パネルを矢視F方向から見た側面図である。 図19に示す検出パネルのG−G断面図である。 信号検出部を構成する光電変換部の1画素分の等価回路構成図である。 図22に示す光電変換部を二次元に配列した等価回路構成図である。 図24(a)は、検出器ユニットが緩衝部材の傾斜に突き当てられた状態を示す図であり、図24(b)は、検出器ユニットが緩衝部材の傾斜に案内されて水平位置に移動した状態を示す図であり、図24(c)は、検出器ユニットが緩衝部材によって保持された状態を示す図である。 図1に示すカセッテ型検出器の一変形例を示す断面図である。 図1に示すカセッテ型検出器の一変形例を示す断面図である。 図1に示すカセッテ型検出器の蓋部材とハウジング本体部との係合部分の一変形例を示す断面図である。 図1に示すカセッテ型検出器の一変形例を示す断面図である。 図29(a)は、図1に示すカセッテ型検出器の一変形例を示す側面図であり、図29(b)は、図29(a)のE−E断面図である。 ハウジングの変形例を示す上面図である。 ハウジングの変形例を示す側面図である。 ハウジングの変形例を示す側面図である。 ハウジング本体部の変形例を示す断面図である。 ハウジング本体部の変形例を示す断面図である。 ハウジング本体部の変形例を示す断面図である。 ハウジング本体部の変形例を示す断面図である。 ハウジング本体部の変形例を示す上面図及び下面図である。
以下、図1から図24を参照しつつ、本発明に係るカセッテ型放射線画像固体検出器の一実施形態について説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
図1は、本実施形態におけるカセッテ型放射線画像固体検出器(以下「カセッテ型検出器」と称する。)の斜視図である。
本実施形態におけるカセッテ型検出器1は、カセッテ型のフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:以下「FPD」と称する。)であり、カセッテ型検出器1は、照射された放射線を検出しデジタル画像データとして取得する検出器ユニット2(図16等参照)と、この検出器ユニット2を内部に収納するハウジング3とを備えている。
図2は、本実施形態におけるハウジング3の分解斜視図である。
図2に示すように、ハウジング3は、両端部に開口部311,312を有する中空の角筒状に形成されたハウジング本体部31と、ハウジング本体部31の各開口部311,312を覆い、閉塞する第1の蓋部材32及び第2の蓋部材33とを備えている。
本実施形態において、ハウジング3は、その放射線入射方向の厚さが15mmとなるように形成されている。なお、ハウジング3の放射線入射方向の厚さ寸法は15mmに限定されないが、16mm以下であることが好ましく、従来のスクリーン/フィルム用のカセッテにおけるJIS規格(JIS Z 4905)に準拠するサイズ(15mm+1mmであり、かつ15mm−2mm)の範囲内に収まる寸法であることが好ましい。なお、このJIS規格(JIS Z 4905)に対応する国際規格は、IEC 60406である。
CR用のカセッテやブッキーテーブル等、既存の装置のほとんどがこのスクリーン/フィルム用のカセッテにおけるJIS規格サイズに合わせて作られているため、ハウジング3の寸法をJIS規格サイズに合わせることにより、カセッテ型のFPDであるカセッテ型検出器1による撮影を行う場合でも既存の設備を利用することができる。
第1の蓋部材32及び第2の蓋部材33は、蓋本体部321,331と、挿入部322,332とを備えており、例えば非導電性のプラスチック等の非導電性の材料によって形成されている。
蓋本体部321,331は、その外周がハウジング本体部31の各開口部311,312の外周の寸法とほぼ等しい寸法となるように形成されている。また、蓋本体部321,331の、開口部311,312に対する挿入方向における寸法は、8mmとなっている。なお、蓋本体部321,331の上記寸法をどの程度とするかは特に限定されないが、後述するアンテナ装置9が設けられている蓋本体部321については、上記寸法を6mm以上とすることが好ましく、8mm以上であればさらに好ましい。
また、挿入部322,332は、開口部311,312に対する挿入側に開口部を有する枠状となっており、挿入部322,332の外周は、ハウジング本体部31の各開口部311,312の内周の寸法よりもわずかに小さい寸法となるように形成されている。
挿入部322,332の内部には、検出器ユニット2に対して外部から伝達される外力を緩和することのできる緩衝部材323,333(図16等参照)が設けられている。緩衝部材323,333は、外力を緩和できるものであれば特に限定はされず、例えば、発泡ウレタン、シリコン等を適用することができる。
また、特に、挿入部332に設けられる緩衝部材333は、断面形状がほぼV字状となっており(図18及び図24参照)、弾性体、粘性体、粘弾性体(viscoelatic等)のいずれかで形成されていればよく、検出器ユニット2が当接した際に変形可能なものであることが好ましい。緩衝部材323,333は、検出器ユニット2をハウジング3の内部の適正位置に保持する保持部材としても機能する。
挿入部322,332の各側面からは、ハウジング本体部31と蓋部材32,33とを係合する係合手段としての係合片324,334が、開口部311,312に対する挿入方向に向かって延出している。係合片324,334の外側面には、それぞれ係合凸部325,335が設けられている。
なお、挿入部322,332の外周面には、ゴム等で形成された防水用のリング(図示せず)が設けられることが好ましい。防水用のリングを設けた場合には、ハウジング本体部31と各蓋部材32,33との密着性が増し、粉塵、患者の汗、消毒液等の水分や異物がハウジング3の内部に浸入するのを防ぐことができる。
第1の蓋部材32の蓋本体部321の一側面であって、カセッテ型検出器1の放射線入射側の面と直交する面には、カセッテ型検出器1と外部の機器との間で無線により情報の送受信を行うためのアンテナ装置9が埋め込まれている。
アンテナ装置9には、金属からなる平板状の一対の放射板91,92と、一対の放射板91,92を連結し、当該一対の放射板91,92に対して給電する給電部93とが設けられている。
本実施形態において、一対の放射板91,92のうち、一方の放射板91は、正面視形状が台形となるように形成されており、他方の放射板92は、正面視形状がほぼ円形となるように形成されている。そして、給電部93は、一方の放射板91の上底部の略中央に接続されるとともに、他方の放射板92の一部と接続されている。
給電部93によって連結されることで、一対の放射板91,92の間には、所定の間隙が形成されている。
なお、アンテナ装置9の種類・形状は、ここに例示したものに限定されない。また、アンテナ装置9は蓋本体部321に埋め込まれている場合に限定されず、蓋本体部321の外側や内側に貼付されていてもよい。ただし、アンテナ装置9は、金属やカーボン等の導電性材料からなる導電性部材に近接した位置に設けると受信感度、受信利得が低下することから、カーボン等の導電性材料で形成されているハウジング本体部31や金属等で形成されている各種電子部品22(図16等参照)からできるだけ離れた位置に設けることが好ましく、少なくとも6mm以上離れていることが好ましく、8mm以上離れていればさらに好ましい。
この点、本実施形態では、前述のように、アンテナ装置9は非導電性の材料で形成された蓋本体部321に設けられており、蓋本体部321の開口部311に対する挿入方向における寸法は、8mmとなっている。このため、アンテナ装置9は、カーボン繊維等の導電性材料を含んで形成されているハウジング本体部31から8mm離れた位置に配置されることなり、受信感度、受信利得を維持する上で好ましい。
また、蓋本体部321の一面であって、アンテナ装置9が形成されている面と同一面上には、図1及び図2に示すように、ハウジング3の内部に設けられた充電池25(図16等参照)を充電する際に外部の電源等と接続される充電用端子45が形成されており、また、カセッテ型検出器1の電源のON/OFFを切り替える電源スイッチ46が配置されている。さらに、アンテナ装置9が形成されている面と放射線入射側の面とによって形成される角部には、例えばLED等で構成され充電池25の充電状況や各種の操作状況等を表示するインジケータ47が設けられている。
本実施形態において、インターフェース用部品とは、これら充電用端子45、電源スイッチ46、インジケータ47、アンテナ装置9を含み、カセッテ型検出器1に設けられる電子/電気部品であって、検出器ユニット2の外に設けられるものをいう。
なお、本実施形態では、上記全てのインターフェース用部品が第1の蓋部材32に設けられている場合を例示しているが、これらの全部又は一部が第2の蓋部材33等に設けられる構成としてもよい。また、インターフェース用部品は、ここに例示したものに限定されず、他の部品が含まれていてもよいし、これらのうちの一部を備えない構成としてもよい。
ハウジング本体部31は、カーボン繊維により角筒状に形成されたものである。図3は、図2の一点鎖線ILにおけるハウジング本体部31の断面図であり、ハウジング本体部31の内部構造を詳細に示している。なお、図3に示す矢印は、カセッテ型検出器1を用いて撮影を行う場合の放射線入射方向を示し、UMはハウジング本体部31の上面、DMはハウジング本体部31の下面を示す。
図3に示すように、ハウジング本体部31は、第1プリプレグP1、第2プリプレグP2、第3プリプレグP3、第4プリプレグP4により一体部品として構成され、4層構造(積層された構造)となっている。第1プリプレグP1、第2プリプレグP2、第3プリプレグP3、第4プリプレグP4の各々はカーボン繊維にエポキシを樹脂を含浸させたものであり、各々の厚さは本実施例では同じとしているが、それぞれ、または一部を異なる厚さとして形成しても良い。
なお、被検者等に接触する最外層の第3プリプレグP3、第4プリプレグP4におけるカーボン繊維Cは、図4(a)に示すように、一方向に配列されたカーボン繊維の束C1と、カーボン繊維の束C1に直交する方向に配列されたカーボン繊維の束C2が織成されたものとなっている。図4(b)はカーボン繊維の束C1、C2の断面の概略を示し、カーボン繊維の束C1、C2は複数のカーボン繊維CSが密集した形で構成されている。
最外層の第3プリプレグP3、第4プリプレグP4におけるカーボン繊維の構造を図4に示すような構造にすることにより、ハウジング本体部31を強固にするとともに、落下衝撃時の損傷でカーボン繊維がささくれにくくなり安全性を確保することが出来る。
ハウジング本体部31は、図5に示すように内型K1の周囲に、第1プリプレグP1、第2プリプレグP2、第3プリプレグP3、第4プリプレグP4を巻回した後、2つの外型K2を矢印方向に移動させて加圧・接着し、高温高圧で焼き固めることにより成型し、その後、内型K1を抜き取ることによって形成する。
図5に示すような方法により製造されたハウジング本体部31は、図3に示すように、放射線入射方向(図3における上下方向)におけるハウジング本体部31は、第1プリプレグP1と第3プリプレグP3の2層で形成されており、放射線入射方向と直交する方向(図3における左右方向)におけるハウジング本体部31は、第1プリプレグP1、第2プリプレグP2、第3プリプレグP3、第4プリプレグP4の4層で形成されている。従って、放射線入射方向におけるハウジング本体部31の厚さをtとすると、放射線入射方向と直交する方向におけるハウジング本体部31の厚さは2tで2倍となっている。
放射線入射方向と直交する方向の厚さがtであるハウジング本体部の比較例(図6(a)参照)と、本実施形態のハウジング本体部31(図6(b)参照)を比較してみると、断面が簡易的な長方形と考えることが出来るため、図6(a)における断面二次モーメントI(A)は、
I(A)=t×k(係数)
であり、図6(b)における断面二次モーメントI(B)は
I(B)=2t×k(係数)
となる。そして、図6(a)におけるたわみδは、
δ=K/I(A)
であり、図6(a)におけるたわみδは、
δ=K/I(B)
となるため、δ/δ=0.5となり、図6(a)の比較例に比べて、図6(b)に示す本実施形態のハウジング本体部31は、約2倍の剛性アップとなる。
図3に示すような構造のハウジング本体部31とすることにより、透過する放射線量を維持したまま、捻じれや反り等の強度に係る側面の厚さを増加させて強度アップを図ることができ、全荷重撮影時の患者許容体重を増加することが出来る。また、取っ手のないカセッテ型検出器1は各辺縁部から落下する確率が大きいが、側面の板厚増加により、落下耐性も向上可能となりカセッテ型検出器1の破損を防止すること出来る。
このような手法によってハウジング本体部31を形成した場合には、ハウジング本体部31の内周の寸法が内型K1の外周の寸法により正確に決定されるため、寸法にばらつきのないハウジング本体部31を簡易に形成することができ、図2に示す蓋部材の嵌合方式には好ましい。
また、焼成後のハウジングは、ハウジング本体部31を継ぎ目のない、肉厚(厚さ)の異なる一体的な構造として形成することができるため、外から衝撃等が加わった場合に、その外力・外圧を分散させることができる。
なお、ハウジング本体部31を形成するカーボン繊維としては、ピッチ系カーボン繊維を用いることが好ましい。
図7は、各種材料ごとの弾性率と熱伝導率とを比較した表である。カーボン繊維としては、PAN系カーボン繊維と、ピッチ系カーボン繊維とがあるが、図7に示すように、ピッチ系カーボン繊維はPAN系カーボン繊維の3倍以上の弾性率を有しており、ハウジング本体部31の板厚を薄くしても十分な強度を得ることができる。また、カーボン繊維は一般にアルミニウム等の金属と比較して熱伝導率が低く、カーボン繊維で形成したハウジングの中で熱が発生すると、熱が放熱されずに篭ってしまうという問題がある。
この点、ピッチ系カーボン繊維はアルミニウムと同程度の高い熱伝導率であるため、ハウジング3の内部に後述する各種電子部品22や充電池25等、発熱する部品を複数備える場合でも、発生した熱を効率よく放熱することが可能であり、ハウジング3の内部に熱が篭って各部に悪影響を与えるのを防止することができる。
ハウジング本体部31の内側であって、各蓋部材32,33の係合片324,334の係合凸部325,335に対応する位置には、図2および図16に示すように、係合凸部325,335に係合する係合凹部315,316が形成されている。
ハウジング3は、ハウジング本体部31の一方側端部の開口部311に第1の蓋部材32の挿入部322を挿入し、他方側端部の開口部312に第2の蓋部材33の挿入部332を挿入して、係合凹部315,316にそれぞれ係合凸部325,335を係合させることにより、両開口部311,312が閉塞され、内部が密閉されて、一体となるようになっている。なお、ハウジング本体部31と各蓋部材32,33とを接合する手段は、ここに例示したものに限定されず、例えばねじ止めすることにより接合してもよいし、接着固定してもよい。
なお、本実施形態においては、一旦組み立てを行った後は、第1の蓋部材32及び第2の蓋部材33はハウジング本体部31に固着され、取り外すことができない構成となっている。このように構成することにより、ハウジング3内部の密閉性を高めることができる。このため、例えば充電池25の交換が必要になった際等には、蓋部材32,33を破壊してカセッテ型検出器1を分解することとなるが、樹脂等で形成されている蓋部材32,33は比較的安価なものであり、破壊しても損失が少ない一方、内部の検出器ユニット2については再利用可能に取り出すことができる。
また、ハウジング本体部31の内側の両側部には、検出器ユニット2がハウジング本体部31の内壁面と干渉して破損することのないように保護する緩衝部材317が設けられている。なお、緩衝部材317の材料は特に限定されないが、例えば、シリコン、ポリウレタン等の弾性を有する樹脂等を適用することができる。
ハウジング3内部に収納された検出器ユニット2に外部からの荷重(患者の体重等)の影響が及ばないようにするためには、カセッテ型検出器1の全体としての撓み量が検出器ユニット2の許容撓み量以内となるように規制する必要がある。
ここで、実際の患者撮影時に想定されるカセッテ型検出器1のハウジング3の最大撓み量、及び検出器ユニット2を構成するガラス基材213,214に作用する応力について、データを示しつつ説明する。
図8は、カセッテ型検出器1のハウジング3の撓み量についてシミュレーションした結果を示したものである。
このシミュレーションにおいて、ハウジング本体部31は、カーボン繊維として引張弾性率790Gpaのピッチ系カーボン繊維を使用し、ハウジング3の側面部分の高さが8mm、ハウジング本体部31の板厚が2mmの構造であるカセッテ型検出器1を用いた。また、そのサイズとしては、最も撓みを生じやすい半切サイズ(14インチ×17インチのサイズ)のものを用いた。
なお、カセッテ型検出器1にかかる荷重は、撮影姿勢によって異なるが、想定しうる使用環境の中で最も大きな荷重がかかる撮影姿勢は、患者がベッドの上に横向きに横臥して、その臀部の下にカセッテ型検出器1を配置した場合であるため(図10参照)、図8に示すシミュレーションは、このような撮影姿勢の場合に、患者の下に配置されたカセッテ型検出器1を移動させる場合について行っている。
図8において、パターン1は、図9(a)に示すように、片持ち梁的にカセッテ型検出器1の一端部のみを保持して、上から荷重のかかった状態のカセッテ型検出器1を移動させる場合のカセッテ型検出器1の最大撓み量である。例えば、ベット上に横臥している患者の臀部の下に一旦カセッテ型検出器1をセットした上で、この位置を変えるために検出器を1人で移動させる場合を想定している。パターン2は、図9(b)に示すように、対角に位置する2箇所の端部を保持して、パターン1と同様に荷重のかかった状態のカセッテ型検出器1を移動させる場合のカセッテ型検出器1の最大撓み量である。これは、例えば検出器を2人で移動させる場合を想定している。
ベッド上に横臥している患者の下に挿入されたカセッテ型検出器1を移動させる際にカセッテ型検出器1のハウジング3にかかる最大荷重は約30kgであるとの実測結果が得られたため、パターン1及びパターン2とも、カセッテ型検出器1を保持している端部に30kgの荷重のかかった状態における撓み量を測定した。
この結果、図8に示すように、いずれの場合においても、カセッテ型検出器1のハウジング3の最大撓み量を2mm未満とすることができる。
また、図10は、ブッキーテーブル等、比較的剛性の高いものの上にカセッテ型検出器1を載置して撮影を行う場合に、検出器ユニット2のガラス基材213,214(図17等参照)に作用する力(応力)について、圧力測定装置7(図11参照)を用いて測定した結果を示したものである。
圧力測定装置7は、例えば、図11に示すように、外部から加わる圧力の変化を感圧素子にて電気信号に変換し出力するセンサシート71と、センサシート71から出力された電気信号をセンサコネクタ72を介して受信するコンピュータ73とを備えるものであり、具体的には、ニッタ株式会社製 I−SCANシステムを用いて測定を行った。
測定は、患者が仰向けに横臥した状態で、その臀部の下にカセッテ型検出器1を配置した場合及び背中の下にカセッテ型検出器1を配置した場合、患者が横向きに横臥した状態で、その臀部の下にカセッテ型検出器1を配置した場合及び肩部分の下にカセッテ型検出器1を配置した場合、という4種類の撮影姿勢と撮影部位の組合せについて行い、それぞれの場合に、圧力測定装置7のセンサシート71を患者の撮影部位の下に配置して、カセッテ型検出器1のハウジング3にかかる圧力を測定した。
前述のように、カセッテ型検出器1にかかる荷重が最も大きくなる撮影姿勢は、患者がベッドの上に横向きに横臥して、その臀部の下にカセッテ型検出器1を配置した場合である。このような撮影姿勢で、例えば、体重100kgの患者の撮影を行う場合、カセッテ型検出器1の検出器ユニット2のガラス基材213,214に作用する最大荷重は、図10に示すように、11kg前後となる。
また、上記のようにカセッテ型検出器1を片持ち梁的に保持して移動させる際に生じるハウジング3の撓み量(歪み量)は2mm以下であり、一方、検出器ユニット2の許容撓み量は6mmであるので、患者の全体重がハウジング3にかかる全荷重撮影を行う際に、一旦患者の下にセットされたカセッテ型検出器1の移動、ポジション変更等を行っても、ガラス基材213,214に作用する最大応力がガラス基材213,214の許容応力を超えることがなく、ガラス基材213,214の割れ等、故障を誘発することがない。
すなわち、図12に示すように、8mm以下のガラス板(ガラス基材)の場合、カセッテ型検出器1を移動させる際等に作用する瞬間的にかかる力に対する許容応力(短期許容応力)は、ガラス基材の面内において24.5MPaである。
そして、ガラス基材213,214のように矩形状の板状部材の4辺を支持した状態で等分布荷重をかけた場合、図13に示すように、最大応力は23MPaであり、最大撓み量は6mmである。
なお、図13における最大応力は、図14に示すように、4辺を支持された矩形状の板状部材の長手方向をb、長手方向に直交する方向をaとしたときに、辺長比b/aが1.2である場合の係数α1、β1を定め(図15参照)、式(1)によって算出し、最大撓み量については、同様の条件下で、式(2)により算出した。
以上のように、カセッテ型検出器1を使用する上で想定しうる最大限の荷重をかけた場合に生じる最大応力は23MPaであり、最大撓み量は6mmであるところ、本実施形態におけるガラス基材213,214のように、8mm以下のガラス板(ガラス基材)の場合の許容応力は24.5MPaであり、また、6mm以内の撓み量を許容するものである。したがって、どのような撮影姿勢で撮影を行う場合でも、ガラス基材213,214及びこれを含む検出器ユニット2に割れ等の故障が生じることはないといえる。
図16は、検出器ユニット2がハウジング3に収納された状態を上側(撮影時の放射線入射側)から見た平面図であり、図17は、図16におけるA−A断面図、図18は、図16におけるB−B断面図である。なお、図16では、説明の便宜上ハウジング本体部31の上面を取り除いた状態とした場合のカセッテ型検出器1内部の各部材の配置を模式的に示している。
図16から図18に示すように、検出器ユニット2は、検出パネル21、各種の電子部品22を実装した回路基板23等を備えて構成されている。本実施形態では、回路基板23は、樹脂等で形成された基台24に固定され、この基台24を検出パネル21に対して接着固定等することによって回路基板23が基台24を介して検出パネル21に固定されている。なお、基台24は本発明の必須の構成要素ではなく、基台24を介さずに回路基板23等を直接検出パネル21に固定する構成としてもよい。
図16に示すように、本実施形態では、電子部品22を搭載する回路基板23が4つに分割されており、それぞれ検出パネル21の各角部近傍に寄せて配置されている。また、電子部品22は、回路基板23上に検出パネル21の外周に沿って配置されている。電子部品22は、できるだけ検出パネル21の各角部に近い位置に配置されることが好ましい。電子部品22を回路基板23上にこのように配置することによって、検出器ユニット2をハウジング3に収納した際に電子部品22がハウジング3の角部近傍及びハウジング本体部31の周縁部の、外力に対して変形し難い(高強度の)領域に沿って配置される。なお、回路基板23や電子部品22の数、配置等はここに例示したものに限定されない。
本実施形態において、回路基板23上に配置される電子部品22としては、例えば各部の制御を行う制御部27(図23参照)を構成するCPU(central processing unit)(図示せず)、ROM(read only memory)、RAM(Random Access Memory)等からなる記憶部(図示せず)、走査駆動回路16(図23参照)、信号読出し回路17(図23参照)等がある。なお、ROM、RAMとは別に、フラッシュメモリなどの書き換え可能な読出し専用メモリ等からなり検出パネル21から出力された画像信号を記憶する画像記憶部を備えていてもよい。
また、検出器ユニット2には、外部装置との間で各種信号の送受信を行う通信部(図示せず)が設けられている。通信部は、例えば、検出パネル21から出力された画像信号を前述のアンテナ装置9を介して外部装置に転送したり、外部装置から送信される撮影開始信号等をアンテナ装置9を介して受信するようになっている。
また、基台24上であって、検出器ユニット2をハウジング3の内部に収納した際に第1の蓋部材32に設けられている充電用端子45の近傍となる位置には、カセッテ型検出器1を構成する複数の駆動部(例えば、後述する走査駆動回路16(図23参照)、信号読出し回路17(図23参照)、通信部(図示せず)、記憶部(図示せず)、充電量検出部(図示せず)、インジケータ47、検出パネル21等)に電力を供給する電力供給部として充電池25が設けられている。
充電池25としては、例えばニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、小型シール鉛電池、鉛蓄電池等の充電自在な電池を適用することができる。また、充電池25に代えて、燃料電池等を適用してもよい。なお、電力供給部としての充電池25の形状、大きさ、個数、配置等は、図16等に例示したものに限定されない。
充電池25は、基台24上の所定の位置に設置することにより前述の充電用端子45と電気的に接続されるようになっており、例えば、カセッテ型検出器1を外部電源と接続されるクレードル等の充電用装置(図示せず)に装着することによって充電用装置側の端子とハウジング3側の充電用端子45とが接続されて充電池25の充電が行われるようになっている。
各種電子部品22、充電池25と接続されている回路基板23の端部には、柔軟性のある材料で構成されたフレキシブルハーネス327が設けられている。
回路基板23等は、このフレキシブルハーネス327によって、第1の蓋部材32に設けられているインターフェース用部品としての充電用端子45、電源スイッチ46、インジケータ47、及びアンテナ装置9と電気的に接続されている。なお、フレキシブルハーネス327を第1の蓋部材32の各インターフェース用部品と接続する手法は、コネクタによってもよいし、半田付けによってもよい。
図19は、検出パネル21の平面図であり、図20は、検出パネル21を図19における矢視F方向から見た側面図であり、図21は、検出パネル21の図19におけるG−G断面図である。
検出パネル21は、入射した放射線を光に変換するシンチレータとしてシンチレータ層(発光層)211が一方の面に形成された第1のガラス基材214、シンチレータ層211の下側に積層されシンチレータ層211により変換された光を検出して電気信号に変換する信号検出部151(図23参照)が一方の面に形成された第2のガラス基材213等を備えて構成されており、これらが積層された積層構造となっている。
シンチレータ層211は、例えば、蛍光体を主たる成分とし、入射した放射線に基づいて、波長が300nmから800nmの電磁波、すなわち、可視光線を中心に紫外光から赤外光にわたる電磁波(光)を出力するようになっている。
このシンチレータ層211で用いられる蛍光体は、例えば、CaWO等を母体材料とするものや、CsI:TlやCdS:Tb、ZnS:Ag等の母体材料内に発光中心物質が賦活されたものを用いることができる。また、希土類元素をMとしたとき、(Gd,M,Eu)の一般式で示される蛍光体を用いることができる。特に、放射線吸収及び発光効率が高いことよりCsI:TlやCdS:Tbが好ましく、これらを用いることで、ノイズの低い高画質の画像を得ることができる。
シンチレータ層211は、例えば、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の各種高分子材料(ポリマー)により形成された支持体(図示せず)の上に、例えば気相成長法により蛍光体を層状に形成したものであり、蛍光体の層は、蛍光体の柱状結晶からなっている。気相成長法としては、蒸着法、スパッタ法、化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)法等が好ましく用いられる。いずれの手法においても、蛍光体の層を支持体上に独立した細長い柱状結晶に気相成長させることができる。
シンチレータ層211は、第1のガラス基材214の下側(撮影時に放射線が入射する側と反対側)に貼付されており、第1のガラス基材214の上側(撮影時に放射線が入射する側)にはガラス保護フィルム215がさらに積層されている。
また、シンチレータ層211の下側(撮影時に放射線が入射する側とは反対側)には、第2のガラス基材213が積層されており、第2のガラス基材213の下側にはガラス保護フィルム216がさらに積層されている。
第1のガラス基材214及び第2のガラス基材213は、ともに厚みが0.6mm程度であり、レーザにより端面を切断することにより、端面、すなわち、切断面と、この切断面とガラス基材の上面との稜線部分、及び切断面とガラス基材の下面との稜線部分を平滑化する平滑化処理を施されている。なお、第1のガラス基材214及び第2のガラス基材213の厚みは0.6mmに限定されない。また、第1のガラス基材214と第2のガラス基材213とで厚みが異なるようにしてもよい。
ここで、レーザで第1のガラス基材214及び第2のガラス基材213の端面を切断することによる平滑化処理について説明する。
ガラスを切断する場合、まずガラス表面に硬く鋭いもので筋(傷)をつけてガラスの厚さ方向に垂直クラックを形成し(スクライブ作業)、このクラックを伸ばすように応力をかけて割る(分断作業)という二つの作業工程を経るのが一般である。そして、従来は、ガラス表面に傷を付ける作業(スクライブ作業)を超硬合金、電着ダイヤモンド、焼結ダイヤモンド等を用いて行っていた。しかし、ガラス表面に超硬合金やダイヤモンド等で傷を付けた場合には、切断(分断)されたガラスの端面に微細な凹凸ができ、曲げ等の負荷をガラスにかけた場合に、この凹凸部分に応力が集中するため、割れやすいという問題があった。
この点、本実施形態では、レーザを用いて第1のガラス基材214及び第2のガラス基材213の表面に傷を付ける作業(スクライブ作業)を行う。このようにレーザを用いた場合には、切断(分断)後のガラスの端面が平滑化されるので、曲げ等の負荷に対するガラスの強度を高めることができる。
ガラス基材の割れは、外力の大きさというよりは、むしろ、ガラス基材断裁時に応力集中の元となる部分的なバリや、部分的な凸凹部が形成されることに起因しているため、このように断裁後の端面を平滑化する処理をすることにより、かなりの外力(応力)に対してもガラス基材の割れ等の発生を防止することができる。
なお、レーザにより第1のガラス基材214及び第2のガラス基材213の端面を切断する切断装置としては、例えばレーザ発振部において、YAG(Yttrium Aluminum Garnet イットリウム・アルミニウム・ガーネット結晶)をレーザ光学媒体として用いるYAGレーザ等が好適に用いられるが、切断に用いられる切断装置はこれに限定されない。
第2のガラス基材213の上側(シンチレータ層211に対向する側)には、シンチレータ層211から出力された電磁波(光)を電気エネルギーに変換して蓄積し、蓄積された電気エネルギーに基づく画像信号の出力を行う検出部である信号検出部151が形成されている。
このように、本実施形態においては、信号検出部151が、シンチレータ層211の下側に積層されており、信号検出部151の下側に配置された第2のガラス基材213と、シンチレータ層211の上側に配置された第1のガラス基材214との間に、信号検出部151とシンチレータ層211とが対向した状態で挟み込まれる構成となっている。
従来は、ハウジングを通じて内部のガラス基材に作用する応力を抑制しなければ、ガラス基材の割れは防止できないと考えられていたため、ハウジングとガラス基材との間にスペースを設け、当該スペースに外力を緩和/減少せしめる緩衝部材を多用していた。このためハウジングが一層大型化するものであった。
この点、本発明者等は、ガラス基材の割れは、当該ガラス基材に作用する外力の大きさというよりは、むしろ、ガラス基材断裁時に応力集中の元となる部分的なバリや、部分的な凸凹部が形成されることに起因していることを見出した。そこで、上記の応力集中の元となる前記のバリや、凸凹部を除去すべく、断裁後の端面を平滑化する処理を行い、これにより、前述のような構成のハウジング3に作用する患者の体重等に起因する荷重や撓みに対して、ガラス基材213,214の割れ等の発生を防止することが可能となった。
また、第1のガラス基材214と第2のガラス基材213との外周縁に沿って封止部材217が設けられており、この封止部材217によって第1のガラス基材214と第2のガラス基材213とが接着され、結合されている。これにより、曲げ等の負荷に対してより強度を高めることができる。
さらに、第1のガラス基材214と第2のガラス基材213とを接着する際は、第1のガラス基材214と第2のガラス基材213との間の空間から空気を吸引する等により脱気した後に封止部材217による接着、結合を行うようになっており、これにより、空気に含まれる湿気がシンチレータ層211等に影響を及ぼすのを防ぐことができ、シンチレータ層211等の長寿命化を図ることができる。
また、検出パネル21の各角部及び角部同士の中間近傍には検出パネル21を外部からの衝撃等から保護するための緩衝部材218が設けられている。
ここで、検出パネル21の回路構成について説明する。図22は、信号検出部151を構成する1画素分の光電変換部の等価回路図である。
図22に示すように、1画素分の光電変換部の構成は、フォトダイオード152と、フォトダイオード152で蓄積された電気エネルギーをスイッチングにより電気信号として取り出す薄膜トランジスタ(以下「TFT」と称する。)153とから構成されている。
フォトダイオード152は、電荷を生成し蓄積する撮像素子である。フォトダイオード152から取り出された電気信号は、増幅器154により信号読出し回路17が検出可能なレベルにまで電気信号を増幅するようになっている。
具体的には、光の照射を受けるとフォトダイオード152で電荷が発生し、TFT153のゲートGに信号読出し用の電圧が印加されると、TFT153のソースSに接続されたフォトダイオード152から電荷がTFT153のドレインD側に流れ、増幅器154に並列に接続されたコンデンサ154aに蓄積される。そして、増幅器154から、コンデンサ154aに蓄積された電荷に比例して増幅された電気信号が出力されるようになっている。
また、増幅器154から増幅された電気信号が出力されて電気信号が取り出されると、増幅器154やコンデンサ154aに並列に接続されたスイッチ154bがオンされてコンデンサ154aに蓄積された電荷が放出されて、増幅器154がリセットされるようになっている。なお、フォトダイオード152は、単に規制キャパシタンスを有した光ダイオードでもよいし、フォトダイオード152と光電変換部のダイナミックレンジを改良するように追加コンデンサを並列に含んでいるものでもよい。
図23は、このような光電変換部を二次元に配列した等価回路図であり、画素間には、走査線Llと信号線Lrが直交するように配設されている。TFT153のソースSには前述のフォトダイオード152の一端側が接続されており、TFT153のドレインDは信号線Lrに接続されている。一方、フォトダイオード152の他端側は、各行に配された隣接するフォトダイオード152の他端側と接続されて共通のバイアス線Lbを通じてバイアス電源155に接続されている。
このバイアス電源155は制御部27に接続され、制御部27からの指示によりバイアス線Lbを通じてフォトダイオード152に電圧がかかるようになっている。また各行に配されたTFT153のゲートGは、共通の走査線Llに接続されており、走査線Llは走査駆動回路16を介して制御部27に接続されている。同様に、各列に配されたTFT153のドレインDは、共通の信号線Lrに接続されて制御部27に制御される信号読出し回路17に接続されている。
信号読出し回路17には、前述した信号線Lrごとの増幅器154が設けられている。信号読出し時には、選択された走査線Llに信号読出し用の電圧が印加され、それによりその走査線Llに接続されている各TFT153のゲートGに電圧が印加され、各TFT153を介して各フォトダイオード152から各信号線Lrにそのフォトダイオード152で発生した電荷が流れる。そして、各増幅器154でフォトダイオード152ごとに電荷が増幅され、1行分のフォトダイオード152の情報が取り出される。そして、この操作を走査線Llをそれぞれ切り替えてすべての走査線Llについて行うことで、全フォトダイオード152から情報を取り出すようになっている。
各増幅器154にはそれぞれサンプルホールド回路156が接続されている。各サンプルホールド回路156は信号読出し回路17に設けられたアナログマルチプレクサ157に接続されており、信号読出し回路17により読み出された信号は、アナログマルチプレクサ157からA/D変換器158を介して前述した制御部27に出力されるようになっている。
なお、TFT153は、液晶ディスプレイ等に使用されている無機半導体系のもの、有機半導体を用いたもののいずれであってもよい。
また、本実施形態では、撮像素子として光電変換素子としてのフォトダイオード152を用いた場合を例示したが、光電変換素子はフォトダイオード以外の固体撮像素子を用いてもよい。
この信号検出部151の側部には、各フォトダイオード(光電変換素子)152にパルスを送って当該各フォトダイオード152を走査・駆動させる走査駆動回路16と、各光電変換素子に蓄積された電気エネルギーを読み出す信号読出し回路17とが配されている。
次に、本実施形態におけるカセッテ型検出器1の作用について説明する。
本実施形態においては、まず、一方の面に信号検出部151を形成した第2のガラス基材213と、一方の面にシンチレータ層211を貼付した第1のガラス基材214とを、シンチレータ層211と信号検出部151とが対向するように積層し、第1のガラス基材214と第2のガラス基材213との間の空間の脱気処理を行った後、封止部材217によって両ガラス基材213,214を接着、結合させる。次に、各種電子部品22を配置した回路基板23及び充電池25を所定の位置に搭載した基台24を、回路基板23及び充電池25が搭載された側が下になるように第1のガラス基材214の裏面側に固定する。これにより、検出器ユニット2が完成する。
検出器ユニット2が完成すると、検出器ユニット2の回路基板23に接続されている電子部品22や充電池25と、第1の蓋部材32に設けられている充電用端子45、電源スイッチ46、インジケータ47、アンテナ装置9とを、フレキシブルハーネス327により電気的に接続する。
次に、ハウジング本体部31の内部に、検出器ユニット2を挿入する際に検出器ユニット2を下側から支持しつつ案内する図示しない治具を配置する。この治具は例えば棒状のものであってもよいし、板状のものであってもよい。
第1の蓋部材32をハウジング本体部31の開口部311に嵌め込む際には、第1の蓋部材32とフレキシブルハーネス327により接続された検出器ユニット2を開口部311から挿入し、検出器ユニット2を第1の蓋部材32により押圧しつつ治具の上を滑らせていき、ハウジング本体部31内に収納する。
係合片324の係合凸部325がハウジング本体部31の係合凹部315と係合するまで第1の蓋部材32を押し込み、これにより第1の蓋部材32の装着が完了する。
検出器ユニット2の収納及び第1の蓋部材32の装着が完了すると、ハウジング本体部31の開口部312から治具を取り出した上で、第2の蓋部材33を開口部312に嵌め込む。この際、図24(a)に示すように、検出器ユニット2の端部が自重によって下側に傾斜した状態で挿入されている場合には、検出器ユニット2の端部が緩衝部材333の端部の傾斜に突き当てられる。このとき、さらに第2の蓋部材33を押し込むことにより、図24(b)に示すように、検出器ユニット2の端部が緩衝部材333の端部の傾斜に沿って水平位置に案内される。そして、第2の蓋部材33を、係合片334の係合凸部335がハウジング本体部31の係合凹部316と係合する位置まで押し込むことにより、ハウジング3が内部が密閉された状態で一体化するとともに、図24(c)に示すように、緩衝部材333の形状が、検出器ユニット2の端部の形状に合わせて変形し、検出器ユニット2の端部が緩衝部材333によって保持される。
これにより、検出器ユニット2は、一方の端部が第1の蓋部材32側に設けられた緩衝部材323によって保持され、他方の端部が第2の蓋部材33側に設けられた緩衝部材333によって保持される。このように検出器ユニット2は両端部のみを保持されており、上下方向については、空間が設けられていることから、上下方向からの衝撃はこの空間によって吸収されて、外力が直接検出器ユニット2に伝達されないようになっている。
カセッテ型検出器1を撮影に使用する場合には、例えば、撮影対象である患者をベッドに寝かせ、ベッドと患者の身体との間にシンチレータ層211の設けられている側を上にしてカセッテ型検出器1を差し込み、撮影を行う。また、カセッテ型検出器1を既存のCR用のカセッテによる撮影の際に用いられるブッキーテーブル等にセットして使用することも可能である。
以上のように、本実施例によれば、カセッテ型検出器1のハウジング本体部31が、継ぎ目の無い一体成型の角筒状となっているので、薄型(厚さ15mm以下)でありながら、患者の実撮影に充分耐える全方向的な強度を有することができるとともに、従来のスクリーン/フィルム用のカセッテにおけるJIS規格サイズの範囲内に収まる寸法であるため、カセッテ型のFPDであるカセッテ型検出器1による撮影を行う場合でもCR用のカセッテ用に設けられているブッキーテーブル等、既存の装置、設備を利用することができる。
更に、カセッテ型検出器1のハウジング3を構成する部品による継ぎ目が少ないので、粉塵、患者の汗、消毒液等の水分や異物の浸入確率がさがり、ハウジング3の変形抑制による電子部品へのダメージ抑制と相俟って、内部の電子部品等の長寿命化を達成することができる。
また、カセッテ型検出器1には撮影時に患者の体重等の負荷がかかるため、負荷に対する剛性(強度)が要求されるが、本実施形態では、検出パネル21を2枚のガラス基材(第1のガラス基材214、第2のガラス基材213)でシンチレータ層211及び信号検出部151を挟み込む構成とするとともに、これらのガラス基材213,214をレーザによって切断することで端面に平滑化処理を施しているので、ガラス基材213,214の曲げ剛性(曲げ強度)が高い。
また、本実施形態では、予め検出器ユニット2と第1の蓋部材32とを電気的に接続しておき、第1の蓋部材32を開口部311に嵌め込むことによりハウジング本体部31への検出器ユニット2の挿入も完了し、さらに第2の蓋部材33を開口部312に嵌め込むことによりハウジング3の組み立てが完了するので、工場における生産過程において、効率的に作業を行うことができるとともに、検出器ユニット2の組み付け作業精度等についてあまり厳密さが要求されず、歩留まりの向上が期待できる。
また、2枚のガラス基材(第1のガラス基材214、第2のガラス基材213)でシンチレータ層211及び信号検出部151を挟み込んでいるので、外部からの負荷がかかった際等に、シンチレータ層211や信号検出部151が破損するのを防ぐことができる。
また、第1のガラス基材214と第2のガラス基材213との間の空間を脱気しているので、空気に含まれている湿気によるシンチレータ層211の腐食等を防止することができる。
また、本実施形態では、アンテナ装置9が、導電性材料で形成されている部材(ハウジング本体部31)から6mm以上離れた位置に配置されているので、アンテナ装置9の受信感度、受信利得を高く維持することができる。
なお、本実施形態では、検出器ユニット2をハウジング本体部31に挿入する際に、治具を用いて検出器ユニット2を案内するようにしたが、例えば、図25及び図26に示すように、第1の蓋部材32に検出器ユニット2を支持する支持部材328を設けて、この支持部材328の上に検出器ユニット2を載置したままハウジング本体部31に挿入するようにしてもよい。
また、第1の蓋部材32及び第2の蓋部材33の形状は、ここに例示したものに限定されない。例えば、図27に示すように、各蓋部材52,53の蓋本体部521,531と挿入部522,532がともにハウジング本体部51の内側に嵌め込まれる形状となっていてもよい。
また、図28に示すように、各蓋部材62,63の蓋本体部621,631に溝部622,632を設けるとともに、ハウジング本体部61の各開口端部に係合手段として挿入部611を設け、この挿入部611を溝部622,632に挿入することにより各蓋部材62,63とハウジング本体部61とを係合させるようにしてもよい。
また、図29に示すように、各蓋部材72,73に挿入部を設けず、蓋本体部721,731に係合手段としての係合片722,732を直接設けて、この係合片722,732に設けられた係合凸部723,733をハウジング本体部71の内側に形成された係合凹部711に係合させることにより各蓋部材72,73とハウジング本体部71とを係合させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、第1の蓋部材32及び第2の蓋部材33はハウジング本体部31に固着され、一旦組み立てを行った後は、各蓋部材32,33を壊すことなしには取り外しできない構成としたが、第1の蓋部材32及び第2の蓋部材33を着脱可能にハウジング本体部31に取り付ける構成としてもよい。この場合には、例えば、ハウジング本体部の係合凹部をハウジング本体部の内側から外側に貫通する貫通孔とし、この貫通孔を外側からシール等で塞ぐ構成とする。そして、一旦組み立てた後、第1の蓋部材及び第2の蓋部材を取り外す際には、シールを剥がして貫通孔から棒状のものを挿入し、係合凸部を押し出して係合を解除した上で、第1の蓋部材及び第2の蓋部材をハウジング本体部から取り外すようにする。
また、図2に示すハウジング3の構造とは異なり、図30から図32に示すような構造のハウジングでも良い。図30は、ハウジングの変形例を示す上面図であり、図31、図32は、図30に示す矢印Zの方向から見たハウジング本体部31の変形例を示す側面図である。
図30に示す変形例ではハウジング本体部31の両端に鍔部TBが形成されており、図31、図32に示すように鍔部TBの中央部分に開口KAが形成されている。ハウジング本体部31の開口KAを第1の蓋部材32と第2の蓋部材33により塞ぐ場合は、第1の蓋部材32と第2の蓋部材33を図30の矢印方向に移動させて、鍔部TBに填り込ませる。
図30に示すように、ハウジング本体部31の両端に鍔部TBを設けることにより、粉塵、患者の汗、消毒液等の水分や異物がハウジング本体部31の内部に浸入するのをより防ぐことができる。なお、図32に示すように、金属製の補強部材BLを開口KAに埋め込んで鍔部TBの強度を増すようにしても良い。
また、ハウジング本体部31は図3に示す構造に限らず他の構成でも良い。例えば、図33に示すように、最外層の第4プリプレグP4をハウジング本体部31の底面の一部分まで巻回し、底面に出来る凹みを基準に目印用のラベルRBを貼り付けるようにしても良い。
また、図34に示すように、最外層の第4プリプレグP4をハウジング本体部31の上面の一部分まで巻回し、上面に出来る凹みの部分を放射線の有効撮影範囲Xと一致させておく。このようにすれば、撮影技師が上面に出来る凹みを見てカセッテ型検出器1を患者に対して正確にセットし、良好に撮影動作を行うことが出来る。
また、ハウジング本体部31の側面の強度を増すために、図35に示すように側面のみ所定の厚さの第3プリプレグP3を設置すれば、上面を透過する放射線量をより一層維持したまま、捻じれや反り等の強度に係る側面の厚さを増加させて強度アップを図ることができ、全荷重撮影時の患者許容体重を増加することが出来る。
また、図36に示すように、ハウジング本体部31の上面のみを第1プリプレグP1のみで構成し、底面は2層構造、側面は3層構造にすることにより、上面を透過する放射線量を維持したまま、底面と側面の強度アップを図ることが出来る。
図37は、ハウジング本体部31の上面UM、底面DM(図3参照)を示す変形例である。破線はカーボン繊維の折目方向を示しており、図37の変形例では、上面UMと底面DMでカーボン繊維の折目方向を交差させている。このようにすることにより、捻れ剛性の方向依存性を緩和することが出来る。
また、本実施形態では、検出パネル21がシンチレータ層211と信号検出部151とによって構成されている間接変換方式のFPDを例として説明したが、FPDは間接変換方式のものに限られない。例えば、放射線を吸収し放射線を電荷に変換するアモルファス・セレン(a−Se)層を設け、このa−Se層の中に放射線フォトンを高電圧で引き込むことにより、検出器に照射された放射線の放射線エネルギーを直接電荷量に変換する(電気信号化する)直接変換方式のFPDにおいても、a−Se層を2枚のガラス基材の間に挟みこむ本発明の構成を適用することが可能である。
また、本実施形態では、シンチレータ層211が支持体に気相成長させた蛍光体層であり、これを第1のガラス基材214の一方の面に貼付することによってシンチレータ層211を第1のガラス基材214の上に形成する場合を例としたが、シンチレータ層211はこれに限定されず、例えば、第1のガラス基材の下側(放射線入射側とは反対側)の面に蛍光体を直接蒸着させる等の手法により第1のガラス基材の上にシンチレータ層を形成するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、第2のガラス基材213上に信号検出部151を形成する構成としたが、信号検出部151を第2のガラス基材とは別個のものとして形成し、これを第2のガラス基材の上に載置する構成としてもよい。
また、本実施形態では、端面を平滑化する平滑化処理の手法としてレーザを用いてガラス表面に傷を付ける場合を説明したが、平滑化処理の手法はここに例示したものに限定されない。例えば、超硬合金やダイヤモンド等を用いて第1のガラス基材及び第2のガラス基材を切断した後、その切断端面を研磨したり、又は切断端面をレーザにより加熱処理するといった事後的処理を行うことによって端面の平滑化を行ってもよい。
また、本実施形態ではレーザによりガラス表面に傷を付けてから切断(分断)するという2段階の作業工程を踏む場合を例として説明したが、レーザによりガラス基材の切断まで行うような構成としてもよい。
また、本実施形態では、電源供給部として、充電可能な二次電池(充電池25)を用いる場合を例として説明したが、電源供給部は二次電池に限定されない。例えば、マンガン電池、ニッケル・カドミウム電池、水銀電池、鉛電池等、電池交換が必要な一次電池を用いてもよい。
その他、本発明が上記実施の形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
1 カセッテ型検出器(カセッテ型放射線画像固体検出器)
2 検出器ユニット
3 ハウジング
9 アンテナ装置(インターフェース用部品)
21 検出パネル
22 電子部品
23 回路基板
24 基台
25 充電池(電力供給部)
31 ハウジング本体部(本体部)
32 第1の蓋部材
33 第2の蓋部材
45 充電用端子(インターフェース用部品)
46 電源スイッチ(インターフェース用部品)
47 インジケータ(インターフェース用部品)
151 信号検出部(検出部)
211 シンチレータ層(シンチレータ)
213 第2のガラス基材
214 第1のガラス基材
217 封止部材(接着部材)
323 緩衝部材
333 緩衝部材
324 係合片(係合手段)
334 係合片(係合手段)

Claims (1)

  1. 入射した放射線を直接的又は間接的に電気信号に変換する検出部を有する検出器ユニットと、
    両端部に開口部を有しカーボン繊維に樹脂を含浸させたプリプレグを用いて角筒状に形成された本体部と、前記本体部における前記開口部を覆う第1の蓋部材及び第2の蓋部材と、を有し、前記検出器ユニットを内蔵するハウジングと、
    を備え、
    前記本体部は、放射線入射側の面を形成する複数の前記プリプレグ、及び放射線入射側とは反対側の面を形成する複数の前記プリプレグが屈曲され、放射線入射側の面と直交する面で両者が交互に積層且つ接着されて前記角筒状に形成されていることを特徴とするカセッテ型放射線画像固体検出器。
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