JP5770273B2 - ブルーチーズの製造方法及びブルーチーズ - Google Patents

ブルーチーズの製造方法及びブルーチーズ Download PDF

Info

Publication number
JP5770273B2
JP5770273B2 JP2013514750A JP2013514750A JP5770273B2 JP 5770273 B2 JP5770273 B2 JP 5770273B2 JP 2013514750 A JP2013514750 A JP 2013514750A JP 2013514750 A JP2013514750 A JP 2013514750A JP 5770273 B2 JP5770273 B2 JP 5770273B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cheese
milk
mold
channels
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013514750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013528392A (ja
Inventor
ギヨトー ジャン−クロード
ギヨトー ジャン−クロード
Original Assignee
フロマジェリ ギヨトー
フロマジェリ ギヨトー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フロマジェリ ギヨトー, フロマジェリ ギヨトー filed Critical フロマジェリ ギヨトー
Publication of JP2013528392A publication Critical patent/JP2013528392A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5770273B2 publication Critical patent/JP5770273B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/02Making cheese curd
    • A23C19/028Making cheese curd without substantial whey separation from coagulated milk
    • A23C19/0285Making cheese curd without substantial whey separation from coagulated milk by dialysis or ultrafiltration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/02Making cheese curd
    • A23C19/032Making cheese curd characterised by the use of specific microorganisms, or enzymes of microbial origin
    • A23C19/0325Making cheese curd characterised by the use of specific microorganisms, or enzymes of microbial origin using yeasts, alone or in combination with lactic acid bacteria or with fungi, without using other bacteria
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C19/00Cheese; Cheese preparations; Making thereof
    • A23C19/06Treating cheese curd after whey separation; Products obtained thereby
    • A23C19/068Particular types of cheese
    • A23C19/0682Mould-ripened or bacterial surface ripened cheeses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23CDAIRY PRODUCTS, e.g. MILK, BUTTER OR CHEESE; MILK OR CHEESE SUBSTITUTES; MAKING THEREOF
    • A23C2250/00Particular aspects related to cheese
    • A23C2250/30Blue veined cheeses, e.g. Roquefort, Gorgonzola, Stilton

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Dairy Products (AREA)

Description

本発明は、乳を完全限外濾過することにより得られる液状のプレ・チーズからつくられるブルーチーズであって、穿孔によってあけた孔にのみ青カビが生えるブルーチーズを製造する方法に関する。本発明はまた、この方法によって得られるブルーチーズに関する。
内部に青カビの生えたチーズの製造の歴史は非常に古い。例えば、ロックフォール(Roquefort)、ブルー・デ・コース(Bleu des Causses)、ブルー・ドーヴェルニュ(Bleu d'Auvergne)、フルム・ド・モンブリゾン(Fourme de Montbrison)、およびブルー・ド・サスナージュ(Bleu de Sassenage)などの多くの原産地統制呼称(appellation d'origine controlee、AOCとも略称される)がある。これらのチーズはすべて、乳を凝固させ、カード(凝乳)をバット内で処理して乳清が排出されるようにし、比較的堅いカードの粒を得、これらのカード粒を適当な型に型詰めすることにより製造されるという共通点をもつ。青カビ、特に、チーズの内部および外側で成長するペニシリウム・ロックフォルティ(penicillium roqueforti)株は、乳または型詰めする前のカードに混入される。
カード粒を型に集めることで得られるチーズに、青カビの生育を可能とする多数の間隙、ひび、または空洞が物理的作用により形成されるようにするためには、比較的堅いカード粒を得ること、およびチーズを強く圧搾しないことが重要である。すなわち、ペニシリウム・ロックフォルティは好気性であり、生育のために酸素を必要とする。
しかしながら、内部にこれらの間隙があっても、型からの取出しおよび加塩の後に、これらの空洞に入ってくる空気が存在してはじめて、青カビの生育が可能となる。加塩は、カード塊に食塩を加えることにより行ってもよいし(フルム・ド・モンブリゾンの場合)、チーズの表面に乾燥状態の食塩を加えることによって行ってもよい。ただし、内部の間隙が満たされてしまうので、塩水(brine)を加えてはならない。
型からの取出しおよび加塩の後には、ブルーチーズに穿孔作業が行われる。これは、物理的作用によって形成された内部の間隙を空気に曝して青カビを生育させるべく、チーズに孔を比較的密集させてあけることを目的に行われる。このような方法は、独国特許出願公開19546345号明細書(Vereinigte Cooperative Melkindustrie Coberco B.A.)に記載されている。
青カビチーズを製造する方法としては、仏国特許出願公開第2818094号明細書(D. Thuaire)に、1回目の圧搾の後、カード状のチーズをスライスし、青カビをスライスしたチーズの表面に塗り広げた後に、再度重ねる方法も提案されている。
本発明に係る方法は、液状のプレ・チーズを得るために、限外濾過によって乳を好ましくは完全に濃縮する工程と、食塩と青カビを加えて前記液状プレ・チーズを醸成(maturation)させる工程と、型詰め工程と、熟成(aging)工程とを含む。
さらに詳細には、本発明の方法は、穴あき型を用いる従来のドレイニングの代わりに、薄膜を使用して行う乳の限外濾過工程を含む。この薄膜による限外濾過により、チーズ成分を含む液状の中間製品ができる。この中間製品は、「液状プレ・チーズ」と呼ばれ、成形のために型詰めされるが、従来の方法とは異なり、型詰め工程ではドレイニングは行われない。
実際に、穴あき型を用いてドレイニングを行う従来の方法においては、ドレイニングによって排出されるホエイとともに、可溶性タンパク質と可溶性塩類の大部分が排出される。穴あき型にはカードの粒が集められる。チーズ内には間隙が自然に形成されてもよく、青カビはその間隙のなかで生育できる。
一方、本発明に係る方法は、液状プレ・チーズの使用に基づいており、なめらかなチーズが製造できる。該なめらかなチーズには、その後の工程、特に熟成工程を通じて、自然に間隙が形成されることはない。実際に、前記限外濾過によって、従来の方法においては乳清とともに排出されてしまう可溶性タンパク質(特にラクトアルブミンおよびラクトグロブリン)の全量を保持することが可能になる。これらのタンパク質が、チーズの構造を柔軟にし、チーズになめらかさを与える。液体の状態で型詰めされるこのチーズ内では、自然に間隙が形成されることはない。よって、本発明の方法においては、青カビの生育を可能とするために、チーズ内に通気チャネルを人工的に形成することが必要である。
凝固の後、チーズは型内で冷却され、その後、型から取り出される。チーズは、典型的には12〜22℃の温度で冷却された後、本発明に必須の穿孔工程において、チーズ内部にチャネルが形成される。
青カビは、レンネッティング(renneting)の前に液状チーズ塊に添加してもよいし、チーズ内のチャネルの形成時(または形成後)に行ってもよい。
説明のために付言すると、白い外皮のチーズの製造が所望される場合には、青カビを接種したチーズに穿孔を行ったのち、白カビ、特に、ペニシリウム・カンディダム(penicillium candidum)およびジオトリカム・カンディダム(geotrichum candidum)を含む水溶液またはプレ・チーズ溶液をチーズの表面に噴霧する。青カビの接種がチーズ塊に対して行われた場合、白カビの接種は、型からの取出しから10時間以内に行わなければならない。これは、白カビと青カビが対抗するからである。
チーズへの青カビ接種は穿孔時に、例えば穿孔針の中央導管に圧力下で青カビを含む溶液を供給することにより行うことも可能である。すなわち、針がチーズ内部で移動するのに伴って排出される前記溶液によって、針によって形成される孔の内部にのみ青カビが接種される。チーズの表面には、上述の例のようにカビおよびジオトリカム・カンディダムを接種してもよい。この場合、白カビと青カビの対抗はないので、より安全に接種できる。
本発明は、第1に、乳、特に低温殺菌した乳を使用して、内部に青カビが生えたチーズを製造する方法に関し、(i)前記乳に、乳を浸透液と保持液(リテンテート)に分離する限外濾過処理を行い、「液状プレ・チーズ」と呼ばれる保持液を得、この保持液の体積は、前記限外濾過工程に供される乳の体積の多くとも1/3、好ましくは多くとも1/4に減少しており、(ii)前記液状プレ・チーズに、少なくとも部分的にラクトースを乳酸に変化させることのできる発酵体を接種し、(iii)レンネット(rennet)を添加し、型詰めし、凝固させてチーズを得、(iv)型から取り出した後、青カビの生育を可能とすべく、前記チーズに複数の孔またはチャネルを形成する穿孔を行い、前記青カビが、前記液状プレ・チーズ塊、または、前記チーズに形成された前記の孔またはチャネルのいずれかに添加されることを特徴とする製造方法に関する。
1つの実施形態においては、前記孔またはチャネルの少なくともいくつかはチーズを貫通し、十分な空気を確実に循環させる。チャネルは交差してもよいが、交差するチャネルが同一平面上に位置する場合、この交差がチャネルの詰まりを招くことがある。これらの孔またはチャネルは、有利には、チーズの外形と水平に形成される。この外形は、(円筒形またはレンガ形の小片の場合は、)概して平たい。前記孔またはチャネルの直径は、有利には3〜10mm、好ましくは4〜7mmである。
前記(i)の限外濾過工程に供せられる乳は生乳であってもよいが、例えばクリームを添加することにより、高脂肪化された乳であってもよい。有利には、脂肪含有率は6%よりも高く、好ましくは8%よりも高く、11%またはさらには12%であってもよい。前記限外濾過の収率は温度に左右される。前記限外濾過は、30〜55℃、好ましくは38〜50℃、より好ましくは、40〜50℃の温度で行う。
青カビの生育を可能とするために、本発明の方法は、穿孔後のチーズを温度管理された場所、特に、温度および湿度管理された場所に保存する、熟成(aging)工程を少なくとも1工程含む。
1つの実施形態においては、前記チーズの外表面が白カビ、特に、ペニシリウム・カンディダムおよびジオトリカム・カンディダムを含む水様媒体で処理される。
本発明に係る有利な実施形態においては、本発明の方法に使用される青カビは、ペニシリウム・ロックフォルティである。
本発明の方法は、特に、牛乳、羊乳、山羊乳、水牛乳またはこれらの乳の混合物からなる群から選択される乳を使用して実施することができる。
特に好ましい実施形態においては、前記熟成が、(i)熟成時間Dを2〜4日、温度TAg1を14〜18℃、好ましくは相対湿度RHを85〜95%、好ましくは90〜95%で行う工程、(ii)熟成時間Dを5〜7日、温度TAg2を10〜15℃(ただし、TAg2はTAg1より低く設定される)、好ましくは前記相対湿度RHよりも高い相対湿度RH、より好ましくは95〜99%の相対湿度RHで行う工程、および(iii)熟成時間Dを2〜4日、温度TAg3を8〜11℃(ただし、TAg3はTAg2より低く設定される)、好ましくは前記相対湿度RHよりも低い相対湿度RH、より好ましくは88〜95%の相対湿度RHで行う工程、の3つの連続した工程を経て行われる。
本発明は、第2には、本発明の方法によって得られる青カビチーズに関する。このチーズの特徴は、特に、針の使用や水の噴射といった適当な手段によって穿孔することにより形成される、直線で囲まれた断面を有する孔またはチャネルがあることである。前記孔またはチャネルは、有利には水平に、チーズを貫通してもよく、交差してもよい。複数の孔またはチャネルは平行であってもよく、および/または、複数の平行な面上に配置されてもよい。前記孔またはチャネルの内部では、少なくともその長さの中央部にわたって、好ましくは多量の青カビが見られる。典型的には、前記孔またはチャネルの外側には青カビは見られない。これは、前記チーズのもつなめらかな粘稠性が、製造中に自然に間隙が形成されることを促進しないからである。このなめらかな粘稠性は、一部には、前記プレ・チーズを製造するための限外濾過処理によって生じる。本発明によるチーズの切り口は非常に特徴的なものとなり、見た目によって公知のブルーチーズと識別される。さらに、上述したような限外濾過工程を有する方法により製造することで、本発明のチーズは、公知のブルーチーズとは異なるなめらかな粘稠性を有する。
図1aは、本発明のチーズを得るために、穿孔器具とともに使用されるホルダの一例の正面図である。 図1bは、図1aに示したホルダの上面図である。 図1cは、図1aに示したホルダの側面図である。
本発明の方法における、必須の工程および任意の工程を含む様々な工程を詳細に説明する。
最初に乳を供給するが、乳は特に牛乳、羊乳、山羊乳、水牛乳、またはこれらの乳の混合物であってもよい。次に、前記乳は標準化される。すなわち、脂肪/タンパク質の比率を調べ、必要に応じて、所望の値に調整する。ほとんどの場合、この標準化工程は、前記比率を高くするために、つまり、乳の脂肪含有率を高くするために行われる。前記標準化は、当業者に公知の技術、例えば、高脂肪化乳の所望の脂肪含有率に応じてクリームを添加することにより、行うことが可能である。乳の脂肪含有率を高めることにより、よりなめらかでより柔らかいチーズが製造される。1つの好ましい実施形態においては、限外濾過する乳の脂肪含有率は、6〜11%であり、この場合、典型的には、タンパク質の含有率は2.8〜3.2%である。最終製品であるチーズは、乳固形分の脂肪含有率が60〜70%のオーダーである。
次いで、前記乳は、当業者に公知の方法によって、低温殺菌される。この工程は、本発明の方法を実施するために必須ではないが、製造されたチーズの保存性を向上させるためには、この工程を行うことが非常に好ましい。
次に、前記乳を、有利には低温殺菌した乳を、限外濾過処理する。この限外濾過処理は本発明に必須である。限外濾過によって、前記乳は保持液(リテンテート(retentate))と水様の浸透液とに分けられる。前記浸透液は、乳の可溶性塩類とラクトースを含む水溶液である。この限外濾過工程により得られる前記保持液は、一般に「液状プレ・チーズ」と呼ばれ、乳のタンパク質および脂肪のほとんど全量を含む。この限外濾過は、有利には30〜55℃、好ましくは38〜50℃、さらに好ましくは40〜50℃の温度で行われる。これは、この温度範囲内において、限外濾過の収率が最良となるからである。
セラミック膜、ポリスルホン膜または酢酸セルロース膜を用いた限外濾過処理によって液状プレ・チーズが得られることが当業者に知られている。(例えば、J.L. MauboisおよびG. Mocquot、“Preparation de fromage a partir de 'prefromage liquide' obtenu par ultrafiltration du lait”(乳を限外濾過することにより得られる「液状プレ・チーズ」からのチーズの製造)、Le Lait、1971年9−10月、508号、495−533頁を参照。)また、そのようなプレ・チーズを用いてチーズを製造することも知られている。(例えば、仏国特許発明2837669号明細書(Fromagerie Guilloteau)および米国特許第5912036号明細書(Celia)、英国特許出願公開第2105167号明細書(Pasilac A/S)および国際公開第2005/046344号(P. Elston 他)を参照。)しかしながら、内部に青カビが生えたチーズを製造するために、プレ・チーズを用いることは想定されていない。
本発明による方法では、低温殺菌後の乳を低温殺菌温度から限外濾過温度に冷却した後に、直接に、好ましくは連続して、限外濾過処理を行う。あるいは、前記乳を中間保存のためにより低い温度、典型的には1〜4℃で冷却した後、限外濾過温度まで加熱してもよい。
本発明に係る方法は、チーズを成形するための型詰め工程を含む。伝統的には、チーズを製造するために、穴あき型が使用される。この型は2つの機能を有する。すなわち、カード粒を圧搾することによりチーズを成形する機能と、チーズをドレイニングする機能、つまり、「ホエイ」と呼ばれる水様の液体、すなわち乳清を型の穴から排出することを可能にする機能を有する。
本発明の方法においては、前記限外濾過工程は、浸透液すなわち乳清を、保持液すなわち液状プレ・チーズから分離することを意図して行われる。したがって、前記限外濾過工程により、乳の水含有率を低下させ、よって、乳をタンパク質と脂肪に濃縮する。有利には、前記限外濾過は完全限外濾過である。有利には、濃縮比は3〜7であって、すなわち、得られるプレ・チーズの量が、乳の最初の量、すなわち、限外濾過処理される乳の量の1/3〜1/7に相当する。好ましくは、濃縮比は4〜7、さらに好ましくは、5〜6である。
前記保持液、すなわち前記限外濾過処理で得られる液状プレ・チーズのpHは中性であり、典型的には6.6のオーダーである。バットの中で、液状プレ・チーズに、糖(ラクトース)を乳酸に変化させる発酵体を接種する。典型的にはバットの中で、管理された温度T1において行われる、この工程の間、pHは低下する。前記作業温度T1は、使用される発酵体によって変わる。中温性の発酵体を使用する場合は、15〜40℃、好ましくは20〜35℃、さらに好ましくは23〜33℃の間の温度がよい。pHは、典型的には、6.6から4.80に低下する。好熱性の発酵体を使用する場合は、30〜55℃、好ましくは38〜46℃、さらに好ましくは40〜45℃の間の温度がよい。この醸成の間に、pHは4.5前後の値に低下してもよい。
このようにして、中間製品が得られる。この中間製品に、典型的には、約0.8質量%の食塩が加えられる。この段階で(好ましくは、レンネッティング(renneting)の直前に)、青カビを添加することも可能である。あるいは、後の工程、具体的には後述するように、穿孔工程において青カビを添加することも可能である。
次に、前記の中間製品を、典型的には型に注ぎ入れることにより、型詰めする。この型には、ドレイニングのための穴がない。中間製品の型詰めの前に、レンネットを添加する。このレンネットは、典型的には、混合エリアにおいて計量ポンプを使用して、液状の中間製品の流れに連続して注入することにより添加する。代案としては、レンネットを型に加えてもよいが、これは産業的実用性の面で劣る。
レンネットの添加は、18〜50℃、好ましくは35〜41℃の温度で行う。完成品のチーズの食感によってpHの選択が左右される場合には、レンネットの添加はpH4.90〜6.30において行われる。上限により近いpHを選択すると、チーズの食感はよりもろいものとなり、下限により近いpHを選択するとよりなめらかなチーズができる。
型としては、どのような形のものでもよい。例えば、寸法48cm×72cm×8cmの平行六面体(厚さが8cm)の型が使用可能である。または、直径が約20〜25cm(例えば、23cm)、高さが約8cmの円形の型や、その他の適当な形および大きさのものが使用可能である。後述するような、より小さい型も使用可能である。より大きい型の場合には、穿孔工程の前に、チーズをより小さく切り分けることも可能である。
次に、前記製品は、温度T2が管理された凝固室内に、型詰めされた状態で置かれ、醸成される。この醸成は、ラクトースが乳酸に完全に変化することで完成する。凝固室内に置かれる時間は、使用される発酵体とレンネッティング(renneting)のpHによって左右され、3〜15時間であってよい。温度T2は、有利には、前記温度T1とほぼ同じ温度である。凝固室からの取出しのとき、pHは4.25〜5.00、好ましくは、4.50〜4.80である。そして、型詰めした状態で14〜22℃の温度で冷却されたチーズが得られる。
次に、前記チーズは型から取り出され、穿孔される。この穿孔工程は、何らかの適当な手段で、典型的には針を使用して、チーズ内に孔あるいはチャネルを形成することにより行われる。これらの針は、有利には、円錐形の入口を有する。この穿孔工程が所望の青カビの生育を可能にするので、同工程は本発明に係る方法に必須である。実際に、青カビは酸素を必要とするので、空気に触れないと生育できない。型に流し込まれる前の液状チーズに青カビを添加した場合、チーズを穿孔することにより、チャネルすなわち空気の入り口を形成する。このチャネルによって、青カビは空気に触れて生育可能となり、好ましくは、熟成工程の完了時には、前記チャネルの容積のほぼ全体を満たすようになる。液状のチーズに青カビを添加していない場合には、穿孔工程中または穿孔工程後に、典型的には所望のカビを含む水性媒体を放出する中空の針を用いて、青カビを添加しなければならない。その後、青カビは生育し、好ましくは、熟成工程の完了時には、前記孔またはチャネルの容積のほぼ全体を満たす。
有利には、穿孔工程において、ほぼ円筒形をした貫通チャネルが複数形成される。これらのチャネルまたは孔の断面は、特に、円形、正方形、長方形、三角形または楕円形など、どのようなものであってもよい。1つの実施形態によれば、その直径(または断面のもっとも大きい部分の寸法)は3〜10mmであり、好ましくは、4〜7mmである。チーズの表面に液状の白カビを接種する場合には、概して、3mmより小さい孔は、毛管現象によって当該の液で満たされてしまうおそれがある。白カビが青カビを駆逐する場合には、これは好ましい現象ではない。これらのチャネルは、好ましくはチーズの外形に対して水平である(すなわち、保存時にチーズが置かれる平面に平行である)。このようにチャネルを形成すると、青カビが偏りなく生育する。水平に穿孔することで、青カビを穿孔時に添加する場合には、青カビを含む液体の流出を防止することもでき、また、白カビを含む液体をチーズの外表面に塗布する場合には、当該の液が浸入することを防ぐこともできる。1つの実施形態によれば、複数のチャネルが同一平面上に位置する。チーズの厚さによって、2または3つの平行な平面上に、チャネルを形成することも可能である。図1a〜1cに、一例を示す。
特に好ましい態様においては、前記チャネルがチーズを貫通するだけでなく、チーズ内で交差するように穿孔を行う。このようにすれば、チーズの通気が良くなり、所望の青カビの生育を促進する。また、チーズの切り口の見栄えを良くすることも可能である。典型的には、穿孔は複数の針を備えた器具を用いて行われる。
第1の実施形態では、前記チーズまたは前記器具における第1ポジションでの第1の一群の穿孔の後、チーズまたは器具を90°回転させ、第2ポジションでの第2の一群のチャネルが、前記第1の穿孔と直交するように形成される。
しかしながら、チャネルの少なくともいくつかが詰まってしまうおそれがあるので、前記2つの一群のチャネルが同一平面上で交差するのは有利ではない。
別の好ましい実施形態では、すべての針を、好ましくは同時に、すべての平面上に刺し、チーズを膨張すべく、針を一定の時間刺したままの状態にする。このようにすることで、針を抜き去った後に、チャネルが再度閉じてしまうのを防止する。
概して、本発明に係る方法においては、チーズの内部での青カビの偏りのない且つ完全な生育を可能にするために、前記チャネルが詰まってしまわないことが重要である。これに関連し、また、必要に応じてクリームの添加によって濃厚化した乳を完全限外濾過することによって得られる液状プレ・チーズから製造されるチーズの独特でなめらかな粘稠性を考慮すると、前記針の形状および直径ならびに正確な穿孔作業が重要な役割を果たす可能性がある。本発明の発明者は、特に特定の大きさのチーズにおいては、直径3mm未満の針では、チャネルが詰まってしまうおそれがあることを見出した。このため、前記孔の呼び径は少なくとも3.5mmであることが好ましい。本明細書においては、「呼び径」という用語は、前記針の外径を意味する。実際、針を刺すことによりチーズは膨張し、引き抜くことによりチーズは弛緩する。針が抜かれた後の孔の直径は、常に針の直径よりも小さい。しかし、太すぎる針では、チーズがくずれてしまう。このため、7mmを超えない呼び径が好ましく、6.5mmを超えない呼び径がより好ましい。より大きいチーズでは、針の直径は4.0〜6.0mmであることが好ましい。有利には、針先は尖っていない。
さらに、発明者は、クリームの添加により事前に濃厚化された乳を完全限外濾過することにより得られる液状プレ・チーズを使用してつくられるチーズの特異な事例において、1本の針、または一群の針、または(好ましくは)すべての針を完全に刺してから、抜き始めるまでの間に、針を数秒間休止させると、孔が詰まってしまう傾向が減少することを見出した。典型的な1実施形態では、この休止は1〜15秒、好ましくは5〜10秒である。ここに一例として記載する実施形態においては、すべての針が同時に1つの平面上において刺され、数秒間の休止の後、すべての針が同時に抜かれる(「穿刺後の針を休止させる」実施形態と呼ぶ)。すべての針を同時にチーズ内部で休止させることも可能であり、より好ましい。
図1a〜1cは、後述するように、穿孔器具とともに使用することを目的としたホルダ1を示す。前記ホルダ1により、穿孔針をチーズに刺すときに、この針をガイドすることが可能である。(図1aにおいて点線で示される)チーズ2は、前記ホルダ1の穴を貫通する針による穿孔作業の間、ホルダ1によって固定される。図1に示すチーズ2は円筒形で、水平な支持板(図示せず)上に、底面を接した状態で、垂直に配置される。ホルダ1は直角定規の形状を有し、その厚さは、少なくとも、穿孔するチーズの厚さと同じである。ホルダ1の傾斜部分6は、チーズ2が配置される半円筒形状の凹部5を有する。前記凹部の形状は、穿孔されるチーズの形に合わせられている。ホルダ1の第1の側面7は、第1の一群の針(図示せず)をガイドするための第1の貫通穴群3を有する。前記ホルダ1の第1の側面7に垂直な第2の側面8は、第2の一群の針(図示せず)をガイドするための第2の貫通穴群4を有する。前記第1の貫通穴群3は、軸が互いに平行で且つ互い違いに配置された複数の穴を含む。添付の図面に示した例では、第1の貫通穴群3は、1列目に3つの穴、続く2列目に4つの穴、3列目に3つの穴を配置して構成されている。前記第2の貫通穴群4は、軸が互いに平行で且つ互い違いに配置された複数の穴を含み、第2の貫通穴群4の穴の軸は第1の貫通穴群3の穴の軸と垂直である。第2の貫通穴群4は、1列目に5つの穴、続く2列目に4つの穴、3列目に5つの穴を配置して構成されている。前記の貫通穴群4の穴は角度α(例えば、20°)にラッパ型に広がった部分を有し、これにより針をより好適にガイドできる。
前記第1の貫通穴群3の穴と第2の貫通穴群4の穴の直径は、針の直径よりわずかに大きく、よって針を好適にガイドすること、および針の通過の際の隙間を小さくすることが可能である。隙間は、0.1mm程度である。
図1a〜1cに示す例では、貫通穴の間隔および数は、ホルダ1の2つの側面7および8で異なっている。他の例(図示せず)では、ホルダのそれぞれの側面の貫通穴の数を同じにすることが可能である。さらに他の例(図示せず)では、ホルダ1の1つの側面だけに貫通穴を設けることが可能である。
前記の針は長方形の板に固定されており、この板が水平面上を、ホルダ1に装着された状態のチーズの縦軸に直交する方向に動かされる。前記針は所定の長さを有し、その長さは当該針が貫通するチーズの直径(または厚さ)よりも大きくなければならない。針の先は円錐形である。針の数、平行な列または互い違いに並べるかという針の配置、および針の直径(この直径がチーズに形成されるチャネルの直径に相当する)は、穿孔されるチーズの大きさと得ようとする青カビの量によって変わる。
別の例示的実施形態では、前記ホルダ1は、側面8を水平面に接地して配置され、水平に配置されるチーズ2の受部となる。
さまざまな大きさのチーズの穿孔のために、以下に数例を挙げる。
・直径23cm、高さ(厚さ)4.5cmの円筒形のチーズの場合:互い違いに且つ3列に並んだチャネルの形成を2回行う。前記3つの列にはそれぞれ、7本、6本、7本のチャネルが水平に且つ90°の角をなすように形成され、チーズの内部でチャネルが交差する(図1参照)。あるいは、好ましくは、2つの異なる平面に形成され、チャネルは交差しない。
・12cm×12cm、厚さ4.5cmの平行六面体のチーズの場合:互い違いに且つ3列に並んだチャネルの形成を2回行う。前記3つの列にはそれぞれ、4本、3本、4本のチャネルが水平に且つ90°の角をなすように形成され、チーズの内部でチャネルが交差する。あるいは、好ましくは、2つの異なる平面に形成され、チャネルは交差しない。
・6cm×6cm、厚さ4.5cmの平行六面体のチーズの場合:互い違いに且つ3列に並んだチャネルの形成を2回行う。前記3つの列にはそれぞれ、2本、1本、2本のチャネルが水平に且つ90°の角をなすように形成され、チーズの内部でチャネルが交差する。あるいは、好ましくは、2つの異なる平面に形成され、チャネルは交差しない。
・3cm×3cm×3cmの立方体のチーズの場合:2本のチャネルを形成する。前記チャネルは、1本は水平に、もう1本は90°の角をなすように、好ましくは交差しないように形成される。
本発明の独特な1つの実施形態によれば、チャネルは機械的にではなく、水の噴射によって形成される。この穿孔方法には、穿孔作業中、穿孔された材料が連続して取り除かれるので、同一平面上でのチャネルの交差があっても、穿孔の後にチャネルが詰まるおそれが小さくなるという特徴がある。この方法は、本発明によるあらゆる種類のチーズに応用できる。この方法は、羊乳ベースまたは山羊乳ベースのチーズに用いるのが特に好ましい。これらのチーズは、牛乳ベースのチーズよりも高密度であるためである。
他のどの実施形態とも組み合わせ可能な、本発明に係る別の方法では、穿孔作業の後に、白カビを含有する水性媒体をチーズの外表面に塗布する。これは、一定の消費者が好む、白色の乾燥した外皮をチーズの外表面に形成するために行われる。青カビが液状のチーズに添加されている場合は、白カビは、遅くとも穿孔作業の約10時間後には、型から取り出したチーズの外表面に塗布しなければならない。そうしないと、白カビが生育しないからである。
本方法の最終工程は、熟成である。すなわち、チーズを管理された温度・湿度条件下で保存し、カビの生育を可能とする。熟成は、低温殺菌したチーズの味と香りのために必須のものとして知られている。本発明に係る方法の1実施形態では、熟成は8〜18℃の温度で、好ましくは16℃を超えない温度で行われ、相対湿度は少なくとも80%、熟成の少なくとも一部では相対湿度は少なくとも85%である。この熟成は、複数の工程を経ることが、非常に好ましい。
1つの有利な熟成は、以下のような3つの連続する工程を経てなされる。
(工程i)熟成時間Dを2〜4日、温度TAg1を14〜18℃、好ましくは相対湿度RHを85〜95%、好ましくは90〜95%で行う工程。
(工程ii)熟成時間Dを5〜7日、温度TAg2を10〜15℃(ただし、TAg2はTAg1より低く設定される)、好ましくは前記相対湿度RHよりも高い相対湿度RH、より好ましくは95〜99%の相対湿度RHで行う工程。
(工程iii)熟成時間Dを2〜4日、温度TAg3を8〜11℃(ただし、TAg3はTAg2より低く設定される)、好ましくは前記相対湿度RHよりも低い相対湿度RH、より好ましくは88〜95%の相対湿度RHで行う工程。
特に好ましい3工程を経る熟成においては、以下のパラメータが使用される。
(工程i)D=2.5〜3.5日、TAg1=15〜16.5℃、RH=90〜95%
(工程ii)D=5〜7日、TAg2=11〜13℃、RH=95〜99%
(工程iii)D=2.5〜3.5日、TAg3=8〜10℃、RH=88〜95%
本発明の発明者は、限外濾過工程によって得られる液状プレ・チーズからは、なめらかで且つタンパク質とカルシウムの含有量の多いブルーチーズが製造できることを見出した。このカルシウム含有量は、熟成後のチーズの香りを安定させ、パッケージ後のチーズの官能的品質を低下させることなく長期保存を可能にする。
さらに、ブルーチーズの一般的な製造方法に比較して、本願の方法では、乳をより好適に濃厚化できる。実際に、浸透液(乳清)のタンパク質含有率は非常に低く、ほとんど全量のタンパク質が保持液に含まれ、チーズになる。また、製造されるチーズの品質に対して、本発明の方法は公知の方法に比して、使用するレンネットの量が少ない。
この実施例は、本発明の方法による、乳固形分中60%の脂肪を含むブルーチーズの製造に関する。
生乳を、タンパク質含有量の2倍の脂肪を含むように標準化した。タンパク質の含有量は、1リットルあたり32グラムであり、よって、クリームを添加することにより、脂肪の量を1リットルあたり64グラムに調整した。この標準化された乳を80℃で4秒間低温殺菌した。低温殺菌後の乳を、中間貯蔵のために3℃で冷却した。次に、この乳を40℃まで加熱し、4段限外濾過装置に投入した。限外濾過により率4.5で濃縮物が生成され、以下の成分を有する保持液(液状プレ・チーズ)が得られた。
・脂肪=288g/L (64g/L×4.5)
・タンパク質=144g/L (32g/L×4.5)
この液状プレ・チーズを醸成バットで30℃まで冷却し、中温性の発酵体を接種し、pHを常時モニターした。pH値が6.30になった時点で、食塩(約0.8質量%)および青カビを加えた。次に、このプレ・チーズをレンネットし、適当な型に入れた。この型を凝固室に入れ、10時間、30℃で保持した。10時間後、凝固したチーズを型ごと冷却室に移し、22〜14℃で冷却した。
次に、チーズを型から取り出し、直ちに穿孔した。チーズを約2時間乾燥させたのち、白い外皮を得るため、白酵母(white yeast)を接種した水溶液(または、プレ・チーズ)を噴霧した。
熟成は、以下の3工程を経て行った。
・3日間、16℃、湿度測定法による相対湿度90〜95%
・6日間、12℃、湿度測定法による相対湿度95〜99%
・3日間、9℃、湿度測定法による相対湿度88〜95%
この一連の熟成の完了時に、チーズを味見してみたところ、良好であった。
非常に類似した、直径23cmの円筒形チーズを製造する実施例において、前記の実施形態(チャネルが交差している実施形態)を、チャネルが交差しない「穿刺後の針を休止させる」タイプの実施形態と比較した。熟成後、青カビの生育度を評価するために、チャネルをその長さ方向に沿って開いた。チャネルの全長と青カビで満たされた部分長さの比で表される青カビ含有率は、40または50%(多少の変動あり)から80〜90%の間の値に変化した。

Claims (16)

  1. 乳を使用して、内部に青カビが生えたチーズを製造する方法であって、
    (i)前記乳に、乳を浸透液と保持液に分離する限外濾過処理を行い、「液状プレ・チーズ」と呼ばれる保持液を得、この保持液の体積は、前記限外濾過工程に供される乳の体積の多くとも1/3に減少しており、
    (ii)前記液状プレ・チーズに、少なくとも部分的にラクトースを乳酸に変化させることのできる発酵体を接種し、
    (iii)レンネットを添加し、型詰めし、凝固させてチーズを得、
    (iv)型から取り出した後、青カビの生育を可能とすべく、前記チーズに複数の孔またはチャネルを形成する穿孔を行い、
    前記青カビが、前記液状プレ・チーズ塊、または、前記チーズ内に形成された前記の孔またはチャネルのいずれかに添加されることを特徴とする製造方法。
  2. 前記(i)の工程で使用される乳が、クリームを添加することによって、脂肪含有率6〜11%に、事前に高脂肪化されていることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記複数の孔またはチャネルの少なくともいくつかが、前記チーズを貫通しており、且つ交差していてもよい、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記孔またはチャネルが水平に形成される、請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 青カビの生育を可能にするために、穿孔後の前記チーズを管理された温度下および相対湿度下において保存する熟成工程を、少なくとも1工程有する、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記孔またはチャネルの直径が3〜10mmであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記チーズの表面が白カビを含む水様媒体で処理されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記限外濾過が、30〜50℃の温度で行われることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記乳が、牛乳、羊乳、山羊乳、水牛乳またはこれらの乳の混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記(iv)の穿孔工程が、直径3.0〜7.0mmの針を使用して行われることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 1本の針、一群の針、またはすべての針を完全に刺した後、当該針を抜き去る前に、1〜15秒間の休止時間があることを特徴とする、請求項10に記載の製造方法。
  12. 前記(iv)の穿孔工程が、水の噴射によって行われることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  13. 前記熟成工程が、
    (iv)熟成時間Dを2〜4日、温度TAg1を14〜18℃、相対湿度RHを85〜95%で行う工程、
    (v)熟成時間Dを5〜7日、温度TAg2を10〜15℃(ただし、TAg2はTAg1より低く設定される)、前記相対湿度RHよりも高い相対湿度RH 行う工程、および
    (vi)熟成時間Dを2〜4日、温度TAg3を8〜11℃(ただし、TAg3はTAg2より低く設定される)、前記相対湿度RHよりも低い相対湿度RH 行う工程、
    の3つの連続した工程を経て行われる、請求項5に記載の製造方法。
  14. 請求項1〜13に記載のいずれかの方法によって得られる、内部に青カビの生えたチーズ。
  15. 請求項14に記載のチーズであって、複数のチャネルが形成されており、前記チャネルが、少なくともその長さの中央部の全体にわたって青カビで満たされていることを特徴とするチーズ。
  16. 請求項15に記載のチーズであって、前記チャネルが、チーズが保存時に置かれる平面に平行であることを特徴とするチーズ。
JP2013514750A 2010-06-16 2011-06-16 ブルーチーズの製造方法及びブルーチーズ Expired - Fee Related JP5770273B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR1002538 2010-06-16
FR1002538A FR2961377B1 (fr) 2010-06-16 2010-06-16 Procede de fabrication d'un fromage bleu
PCT/FR2011/000348 WO2011157909A1 (fr) 2010-06-16 2011-06-16 Procédé de fabrication d'un fromage bleu

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013528392A JP2013528392A (ja) 2013-07-11
JP5770273B2 true JP5770273B2 (ja) 2015-08-26

Family

ID=42675239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013514750A Expired - Fee Related JP5770273B2 (ja) 2010-06-16 2011-06-16 ブルーチーズの製造方法及びブルーチーズ

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20130266690A1 (ja)
EP (1) EP2582250A1 (ja)
JP (1) JP5770273B2 (ja)
AU (1) AU2011266924B2 (ja)
CA (1) CA2795916A1 (ja)
FR (1) FR2961377B1 (ja)
MX (1) MX2012013766A (ja)
WO (1) WO2011157909A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3049821B1 (fr) 2016-04-08 2019-06-14 Savencia Sa Procede de fabrication d'un fromage aromatise
CN107801785B (zh) * 2017-10-26 2021-01-15 光明乳业股份有限公司 一种红纹半硬质干酪及其制备方法
CN107691657B (zh) * 2017-10-26 2020-08-28 光明乳业股份有限公司 一种红纹软质干酪制备方法及其产品
JP2021129536A (ja) * 2020-02-20 2021-09-09 学校法人日本医科大学 麹菌による熟成チーズおよびその製造法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4341801A (en) * 1977-10-17 1982-07-27 Dorr-Oliver Incorporated Ultrafiltration process for the preparation of cream cheese
US4248897A (en) * 1978-12-14 1981-02-03 Patent Technology, Inc. Processed blue cheese blend and method of formation
GB2105167A (en) * 1981-09-07 1983-03-23 Pasilac As A method for the production of cheese
DK170035B1 (da) * 1992-05-04 1995-05-08 Md Foods Amba Fremgangsmåde til regulering af mælketørstofbestanddele i koncentrerede mælkeprodukter i forbindelse med ultrafiltrering
FR2711894A1 (fr) * 1993-11-03 1995-05-12 Celia Sa Procédé d'élaboration de produits laitiers.
FR2722721B1 (fr) * 1994-07-21 1996-10-04 Initiatives Et Dev Alimentaire Procede de decoupe de fromage au jet de liquide sous pression et applications
NL194906C (nl) * 1994-12-12 2003-07-04 Ver Coop Melkind Werkwijze voor het bereiden van kaas, in het inwendige waarvan zich schimmel ontwikkelt, alsmede een kaas die volgens deze werkwijze verkrijgbaar is.
GB2315203B (en) * 1996-07-13 2000-12-20 Long Clawson Dairies Ltd Apparatus for piercing cheese
JPH1063336A (ja) * 1996-08-23 1998-03-06 Toyota Motor Corp 路面情報検出装置
FR2818094B1 (fr) * 2000-12-15 2005-03-04 Didier Thuaire Fromage a pate pressee et son procede de fabrication
DE10156729A1 (de) * 2001-11-19 2003-06-05 Alpma Alpenland Masch Pikiervorrichtung
FR2837669B1 (fr) 2002-03-29 2005-02-11 Fromagerie Guilloteau Procede de fabrication de fromage
NZ529554A (en) * 2003-11-14 2006-08-31 Fonterra Cooperative Group Ltd Dairy product and process
GB2413475A (en) * 2004-04-28 2005-11-02 Shepherds Purse Cheeses Piercing cheeses

Also Published As

Publication number Publication date
EP2582250A1 (fr) 2013-04-24
FR2961377A1 (fr) 2011-12-23
AU2011266924B2 (en) 2014-04-17
FR2961377B1 (fr) 2014-05-02
US20130266690A1 (en) 2013-10-10
JP2013528392A (ja) 2013-07-11
AU2011266924A1 (en) 2013-01-10
MX2012013766A (es) 2013-01-24
WO2011157909A1 (fr) 2011-12-22
CA2795916A1 (fr) 2011-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Mistry et al. Application of membrane separation technology to cheese production
US4205090A (en) Preparation of cheese using ultrafiltration
JP5770273B2 (ja) ブルーチーズの製造方法及びブルーチーズ
NZ594785A (en) Methods for casein production
CA1248815A (en) Hard cheese from milk concentrate
RU2671701C1 (ru) Сыр творожный, способ и сыроизготовитель для его производства
CN102100258B (zh) 一种低脂奶豆腐及其制备方法
EP2658382A1 (en) Method of making cheese
BG61208B1 (en) Method of producing a cheese and preparing it for distribution
US5232720A (en) Method of producing a cheese and preparing it for distribution
Mukhiddinov et al. Investigation of the process of molding, pressing and salting hard and soft cheeses
JP2021159055A (ja) チーズ製造用の穿孔機及び当該穿孔機を用いたチーズの製造方法
RU2298926C2 (ru) Способ производства сырного продукта
JP2011193838A (ja) 調味付け繊維状チーズの製造方法
RU2432767C1 (ru) Способ производства мягкого кисломолочного сыра
Banks Ultrafiltration of cheesemilk
RU2169475C2 (ru) Способ получения сыра
GB2105167A (en) A method for the production of cheese
JP2021141865A (ja) ナチュラルチーズの製造方法
Scott et al. Selected cheese recipes
WO2021222296A1 (en) Methods and systems for processing non-dairy cheese
IE59536B1 (en) Process for manufacturing uncooked or part-cooked pressed cheeses
SU382408A1 (ru) Способ производства сыра
SU516394A1 (ru) Способ производства сыра "рокфор"
BG100005A (bg) метод за получаване на бяло саламурено сирене откраве мляко

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20121211

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7426

Effective date: 20121210

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140516

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140924

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150609

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150624

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5770273

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees