以下、一実施形態を、図1ないし図8を参照して説明する。
図5に照明システム10を示す。照明システム10では、交流電源Eに対して、負荷(照明負荷)Lと2線式の調光装置11とが直列に接続されている。交流電源Eおよび調光装置11に対して出力が同じ種類の複数の負荷Lが並列に接続可能であるが、負荷Lの最大数接続可能とする規定接続数は決まっている。
図1に調光装置11のブロック図を示す。調光装置11は、交流電源Eおよび負荷Lにそれぞれ接続される端子14,15を有し、これら端子14,15間に、制御回路部16と、この制御回路部16に制御電源を供給する制御電源部17とが並列に接続されている。
制御回路部16は、負荷Lに供給する交流電圧を位相制御するスイッチ部19、このスイッチ部19を駆動するスイッチドライブ部20、調光の調整や設定の操作機能および表示機能を有する操作表示部21、交流電源Eの交流電圧波形に同期した同期信号を発生する同期信号発生部22、負荷Lに流れる電流を検出する検出部23、操作表示部21および同期信号発生部22および検出部23からの信号に基づいてスイッチドライブ部20や制御電源部17を制御する制御部24を有している。また、制御部24は、調光下限値の設定情報などを記憶する記憶部25を有している。
次に、図2および図3に調光装置11の回路図を示す。なお、図2に示す回路と図3に示す回路とに分けて図示しているが、図2に示す回路と図3に示す回路とはコネクタCN1およびコネクタCN2で電気的に接続されている。
端子14,15間にヒューズF1およびバリスタVZ1が接続され、バリスタVZ1の両端に制御回路部16および制御電源部17が接続されている。
制御回路部16のスイッチ部19は、ヒューズF1に接続されたバリスタVZ1の一端にダイオードD1のカソードが接続され、バリスタVZ1の他端にダイオードD2のカソードが接続され、これらダイオードD1,D2のアノードが互いに接続されているとともにコネクタCN1を介して制御電源部17の接地側ラインに接続されている。各ダイオードD1,D2のカソードにスイッチング素子としての電界効果トランジスタQ1,Q2のドレインが接続され、各ダイオードD1,D2のアノードに電界効果トランジスタQ1,Q2のソースが抵抗R1,R2を介して接続されている。
電界効果トランジスタQ1,Q2のゲートとダイオードD1,D2のアノードとの間に、バイアス用のコンデンサC1,C2と、トランジスタQ3,Q4のコレクタ・エミッタおよびコンデンサC3,C4の直列回路と、サイリスタSR1,SR2のアノード・カソードとが並列に接続されている。トランジスタQ3,Q4のベースは制御部24のマイコンIC1に接続され、マイコンIC1からの「H」、「L」の信号でトランジスタQ3,Q4がオンオフする。
サイリスタSR1,SR2のゲートが抵抗R3,R4を介して電界効果トランジスタQ1,Q2のソースに接続され、サイリスタSR1,SR2のゲート・カソード間に抵抗R5,R6およびコンデンサC5,C6が接続されている。そして、サイリスタSR1,SR2、抵抗R1〜R6およびコンデンサC5,C6により、電界効果トランジスタQ1,Q2を含む電流回路に過電流が流れたときに電界効果トランジスタQ1,Q2をオフさせる過電流保護回路が構成されている。
電界効果トランジスタQ1,Q2のゲートはコネクタCN2および抵抗R7,R8を介してスイッチドライブ部20に接続されている。そして、スイッチドライブ部20からの「H」、「L」の信号で電界効果トランジスタQ1,Q2がオンオフする。また、コンデンサC1,C2、トランジスタQ3,Q4、コンデンサC3,C4および抵抗R7,R8により、電界効果トランジスタQ1,Q2のオフ制御時(遮断制御時)の交流電圧の立下りに傾斜角を設定するとともに、制御部24のマイコンIC1の制御によって傾斜角を変化させることが可能な傾斜制御手段26としての時定数回路27a,27bが構成されている。なお、時定数回路27a,27bは、トランジスタQ3,Q4およびコンデンサC3,C4に代えて、図3に2点鎖線で示すように、抵抗R7,R8と並列にトランジスタQ51,Q52のエミッタ・コレクタおよび抵抗R51,R52を接続し、トランジスタQ51,Q52のベースを制御部24のマイコンIC1に接続するようにしてもよい。
また、スイッチドライブ部20は、電界効果トランジスタQ1,Q2をオンオフする制御信号を供給するバッファ用の集積回路IC2,IC3を備えている。集積回路IC2,IC3のポート5に制御電源部17から10〜11Vの制御電源が供給される制御電源供給ラインが接続されている。制御電源供給ラインは、抵抗R9,R10を介して集積回路IC2,IC3のポート2に接続され、コンデンサC7,C8を介して集積回路IC2,IC3のポート3に接続されている。抵抗R9,R10と集積回路IC2,IC3のポート2との間にトランジスタQ5,Q6のコレクタが接続され、制御電源部17の接地側ラインにトランジスタQ5,Q6のエミッタが接続されている。トランジスタQ5,Q6のベースは制御部24のマイコンIC1に接続されている。そして、マイコンIC1からの「H」、「L」の信号によってトランジスタQ5,Q6がオンオフし、これに応じて集積回路IC2,IC3のポート4から「H」、「L」の信号が電界効果トランジスタQ1,Q2に出力される。
また、操作表示部21は、調光を変更操作するための可変抵抗器VR1、負荷Lのオフ時に点灯するとともに設定時に所定の表示形態で点灯表示する表示部29としてのLED30、および調光下限値の設定および解除を操作するための押ボタンスイッチSW1を有している。これら可変抵抗器VR1、LED30および押ボタンスイッチSW1は、それぞれ制御部24のマイコンIC1の各ポートと制御電源部17の接地側ラインとの間に接続されている。
また、同期信号発生部22は、正極用と負極用の2つのゼロクロス検出部22a,22bで構成されており、バリスタVZ1の両端にダイオードD3,D4のアノードが接続され、ダイオードD3,D4のカソードと制御電源部17の接地側ラインとの間に抵抗R11,R12の分圧回路および抵抗R13,R14の分圧回路が接続されている。抵抗R11,R12の中間点および抵抗R13,R14の中間点にトランジスタQ7,Q8のベースが接続され、抵抗R12および抵抗R14と並列にトランジスタQ7,Q8のベース・エミッタが接続されているとともにコンデンサC9,C10が並列に接続されている。トランジスタQ7,Q8のコレクタは抵抗R15,R16を介して制御電源部17の3.3Vの制御電源供給ラインに接続されている。トランジスタQ7,Q8のコレクタ・エミッタ間にコンデンサC11,C12が接続され、トランジスタQ7,Q8のコレクタとコンデンサC11,C12との間が制御部24のマイコンIC1に接続されている。
そして、端子14側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じたときにトランジスタQ7がオンし、トランジスタQ8がオフし、また、端子15側が交流電圧の負極性の半サイクルの期間に転じたときにトランジスタQ8がオンし、トランジスタQ7がオフする。これらトランジスタQ7,Q8のオンオフに応じて、交流電圧の位相およびゼロクロスが検出される。
また、検出部23は、スイッチ部19の電界効果トランジスタQ1,Q2のソースと抵抗R1,R2との間が制御部24のマイコンIC1のポート12に接続されており、抵抗R1,R2を介して負荷Lに流れる負荷電流を検出する。なお、検出部23は、電流の検出に代えて、電圧を検出するようにしてもよい。すなわち、図3に2点鎖線で示すように、制御電源部17の正極側ラインと接地側ラインとの間に抵抗R41,R42の分圧回路を接続し、抵抗R41,R42間を制御部24のマイコンIC1のポート12に接続する。
また、制御部24は、タイミング発生部であり、マイコンIC1を具備している。マイコンIC1のポート1に制御電源部17から3.3Vの制御電源が供給され、ポート1とポート14との間にコンデンサC13が接続されている。ポート2,13に同期信号発生部22のトランジスタQ7,Q8のコレクタが抵抗R17,R18を介して接続されている。ポート3に操作表示部21の可変抵抗器VR1の中間接点が抵抗R19を介して接続され、ポート8に可変抵抗器VR1の端部接点が接続されている。ポート4に押ボタンスイッチSW1が接続され、ポート4とポート8との間に抵抗R20が接続されている。ポート5にLED30が抵抗R21を介して接続されている。ポート6,7にスイッチドライブ部20のトランジスタQ5,Q6のベースが接続されている。
制御部24は、さらにリセット用の集積回路IC4を具備している。集積回路IC4のポート2に制御電源部17から3.3Vの制御電源が供給され、ポート1がマイコンIC1のポート10に接続されている。ポート1とポート2との間に抵抗R22が接続され、ポート1および抵抗R22の間と制御電源部17の接地側ラインとの間にコンデンサC14が接続されている。
マイコンIC1は、スイッチドライブ部20および制御電源部17を制御する機能を有している。また、マイコンIC1は、タイマ機能を有し、タイマ機能を含む必要最低限の機能のみを残してその他を休止させて消費電力を極力抑えるスリープモードの機能も有している。
また、制御電源部17には、バリスタVZ1の両端にアノードが接続されたダイオードD5,D6を介して接続される正極側ラインと、バリスタVZ1の両端にダイオードD1,D2を介して接続される接地側ラインとが接続されている。正極側ラインにはドロッパ回路の制御素子として用いられる電界効果トランジスタQ9のドレインが抵抗R23および電流検出部32の電流トランスCTの一次巻線を介して接続され、接地側ラインには電界効果トランジスタQ9のソースが電解コンデンサC15を介して接続されている。正極側ラインと接地側ラインとの間には分圧回路の抵抗R24,R25が接続され、これら抵抗R24,R25の中間点が電界効果トランジスタQ9のゲートに接続され、抵抗R24,R25の中間点と電界効果トランジスタQ9のゲートとの間にカソードを接続したツェナーダイオードZD1が抵抗R25と並列に接続されている。そして、電界効果トランジスタQ9の動作時に電解コンデンサC15に電荷が蓄積され、電解コンデンサC15を介して10〜11Vの制御電源がスイッチドライブ部20に供給される。
電解コンデンサC15の両端に、コンデンサC16、3.3Vの電圧に変換するレギュレータIC5、コンデンサC17および容量性素子としての電解コンデンサC18が並列に接続されている。そして、電界効果トランジスタQ9の動作時に電解コンデンサC18に電荷が蓄積され、電解コンデンサC18を介して3.3Vの制御電源が制御部24に供給される。
電界効果トランジスタQ9のベースと接地側ラインとの間にトランジスタQ10のコレクタ・エミッタが接続され、トランジスタQ10のベースが制御部24のマイコンIC1のポート9に接続されている。そして、マイコンIC1からの「H」、「L」の信号でトランジスタQ10がオンオフし、トランジスタQ10のオン時に電界効果トランジスタQ9が停止され、トランジスタQ10のオフ時に電界効果トランジスタQ9が動作される。
電流トランスCTの二次巻線の両端間に抵抗R26が接続され、抵抗R26の一端がマイコンIC1のポート12に接続され、抵抗R26の他端が接地側ラインに接続されている。そして、電流検出部32では、電流トランスCTによって負荷L側に流れる電流(ブリーダ電流)が検出され、検出された電流信号がマイコンIC1に入力される。
次に、図4に調光装置11の斜視図を示す。調光装置11は、配線ボックス取付用のサポート34を有し、このサポート34に制御回路部16および制御電源部17などを収容した本体35が取り付けられている。本体35の前面にはカバー36が着脱可能に取り付けられている。カバー36には、可変抵抗器VR1を操作する調光操作部37が突出されているとともに、LED30の光が透過する表示窓38(表示部29)が形成されている。本体35の前面には、カバー36を外すことで操作可能とする押ボタンスイッチSW1が配置されている。
次に、図6に照明システム10の回路図を示す。
負荷Lは、光源としての半導体発光素子である複数のLED素子41、およびLED素子41を点灯させる電源回路42を備えている。
電源回路42は、交流電源Eに調光装置11と直列に接続される端子43,44を有し、端子43,44間にコンデンサやチョークコイルを備えたフィルタ回路45が接続されている。フィルタ回路45の両端に全波整流器RECの一対の入力端子が接続され、全波整流器RECの一対の出力端子にダイオードD30および電解コンデンサC31の平滑回路が接続されている。電解コンデンサC31の両端にコンバータ46の入力部が接続され、コンバータ46の出力部にLED素子41が接続されている。また、全波整流器RECの一対の出力端子とダイオードD30および電解コンデンサC31でなす平滑回路との間に、調光装置11によって位相制御された電圧の位相を検知する位相検知回路47が接続されている。位相検知回路47で検知された位相情報はコンバータ46に入力される。
コンバータ46は、例えば降圧チョッパによって構成され、図示しない点灯制御回路により降圧チョッパのスイッチング素子をオンオフ制御するとともに位相検知回路47からの位相情報に応じてスイッチング素子のオンデューティを制御することにより、整流および平滑された直流電圧をLED素子41を点灯させるための所定の出力電圧に変換する。
また、全波整流器RECの一対の出力端子とダイオードD30および電解コンデンサC31でなす平滑回路との間には、位相検知回路47と並列に、抵抗R30および電界効果トランジスタQ30を有するブリーダ回路48が接続されている。このブリーダ回路48は、図示しない点灯制御回路により調光レベルに応じて電界効果トランジスタQ30をオン制御し、抵抗R30によって決定されるブリーダ電流を引き出す。なお、ブリーダ回路48の抵抗R30の抵抗値すなわち抵抗R30によって決まるブリーダ電流は、負荷Lの出力の種類毎に決まった一定値となっている。
電源回路42がブリーダ回路48を備えるため、調光レベルを調光下限付近にしたときにコンバータ46に電流が流れ込まなくなる期間においても、ブリーダ回路48を介してブリーダ電流が流れることにより、調光装置11において電源電圧の波形を監視することができるとともにゼロクロスを検出することができる。
なお、交流電源Eおよび調光装置11に対して、出力が同じ種類の複数の負荷Lが並列に接続可能である。
次に、調光装置11の動作を説明する。
調光装置11の制御電源部17が交流電源Eを所定の制御電源に変換し、変換した制御電源を制御部24のマイコンIC1やスイッチドライブ部20の集積回路IC2,IC3に供給する。
マイコンIC1は、同期信号発生部22で検出される交流電圧の位相およびゼロクロスの情報、調光操作部37の操作に連動して可変抵抗器VR1で設定される調光レベル情報、および検出部23によって検出される負荷Lに流れる電流値情報を取得する。
そして、マイコンIC1は、交流電圧の位相に同期してポート6およびポート7から「H」、「L」の信号を出力し、トランジスタQ5,Q6をオンオフ制御する。トランジスタQ5,Q6のオンオフに応じて集積回路IC2,IC3のポート4から「H」、「L」の信号を出力し、スイッチ部19の電界効果トランジスタQ1,Q2をオンオフ制御する。
マイコンIC1の制御により、交流電圧の正極性の半サイクルの期間中に電界効果トランジスタQ1をオンオフさせ、交流電圧の負極性の半サイクルの期間中に電界効果トランジスタQ2をオンオフさせる。なお、同期信号発生部22が正極用と負極用の2つのゼロクロス検出部22a,22bで構成されており、交流電圧のゼロクロスとともに正負極性の位相も検出できるため、マイコンIC1が交流電圧の正負極性の位相に応じて2つの電界効果トランジスタQ1,Q2を制御できる。
そして、マイコンIC1による電界効果トランジスタQ2をオンオフ制御には、第1の制御方法(図8(b)参照)および第2の制御方法(図8(c)参照)があり、いずれを用いてもよい。
第1の制御方法では、端子14側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じると、集積回路IC2のポート4からの信号を「L」から「H」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ1をオン制御する。そして、交流電源EがヒューズF1、電界効果トランジスタQ1、抵抗R1、ダイオードD2の経路を通じて端子15に流れ、負荷Lに電流が流れる。マイコンIC1は、端子14側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じたゼロクロスから調光レベルに応じた所定の時間後に、集積回路IC2のポート4からの信号を「H」から「L」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ1をオフ制御する。
同様に、端子15側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じると、集積回路IC3のポート4からの信号を「L」から「H」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ2をオン制御する。そして、交流電源Eが電界効果トランジスタQ2、抵抗R2、ダイオードD1およびヒューズF1の経路を通じて端子14に流れ、負荷Lに電流が流れる。マイコンIC1は、端子15側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じたゼロクロスから調光レベルに応じた所定の時間後に、集積回路IC3のポート4からの信号を「H」から「L」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ2をオフ制御する。
また、第2の制御方法では、端子14側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じたときには、電界効果トランジスタQ1がオンしている。そのため、端子14側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じると、交流電源EがヒューズF1、電界効果トランジスタQ1、抵抗R1、ダイオードD2の経路を通じて端子15に流れ、負荷Lに電流が流れる。そして、マイコンIC1は、端子14側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じたゼロクロスから調光レベルに応じた所定の時間後に、集積回路IC2のポート4からの信号を「H」から「L」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ1をオフ制御する。同時に、マイコンIC1は、集積回路IC3のポート4からの信号を「L」から「H」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ2をオン制御する。電界効果トランジスタQ2をオンしても、端子14側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間は、逆極性となるために電流は流れない。
同様に、端子15側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じたときには、電界効果トランジスタQ2がオンしている。そのため、端子15側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じると、交流電源Eが電界効果トランジスタQ2、抵抗R2、ダイオードD1およびヒューズF1の経路を通じて端子14に流れ、負荷Lに電流が流れる。そして、マイコンIC1は、端子15側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間に転じたゼロクロスから調光レベルに応じた所定の時間後に、集積回路IC3のポート4からの信号を「H」から「L」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ2をオフ制御する。同時に、マイコンIC1は、集積回路IC2のポート4からの信号を「L」から「H」に切り換えさせ、電界効果トランジスタQ1をオン制御する。電界効果トランジスタQ1をオンしても、端子15側が交流電圧の正極性の半サイクルの期間は、逆極性となるために電流は流れない。
第2の制御方法では、ゼロクロスの時点で電界効果トランジスタQ1,Q2がオンしているため、ゼロクロスからの電圧の立上りをスムーズにできる。
このように、マイコンIC1により、調光操作部37で設定された調光レベルに応じて、交流電圧の毎半サイクルの期間途中で負荷Lへの導通を遮断する逆位相制御(後切り位相制御)を行う。
また、スイッチ部19が2つの電界効果トランジスタQ1,Q2を用いて毎半サイクル毎に位相制御する構成であるため、スイッチ部19での電力ロスを少なくできる。この場合、2つの電界効果トランジスタQ1,Q2を制御するマイコンIC1が交流電圧のゼロクロスとともに正負極性の位相も把握する必要がある。そこで、同期信号発生部22を正極用と負極用の2つのゼロクロス検出部22a,22bで構成し、交流電圧のゼロクロスとともに正負極性の位相も検出できるようにしている。そのため、マイコンIC1が交流電圧のゼロクロスとともに正負極性の位相の情報も取得し、交流電圧の正負極性の位相に応じて2つの電界効果トランジスタQ1,Q2を制御できる。
また、調光装置11で位相制御された交流電圧が負荷Lの電源回路42に供給される。電源回路42では、点灯制御回路が調光装置11で位相制御された交流電圧の波形から調光情報を取得してコンバータ46を制御し、LED素子41を調光点灯する。
また、電源回路42では、交流電圧を全波整流器RECで整流するとともに電解コンデンサC31で平滑し、コンバータ46に供給する。
図7(a)(b)は調光装置11で位相制御された交流電圧を電源回路42で整流した後の波形を示す。図7(a)には全光調光レベルに相当する整流後の波形を示し、図7(b)には所定の調光レベルに位相制御した整流後の波形を示す。整流後は電源回路42の電解コンデンサC31で所定の平滑電圧Vcに平滑する。平滑電圧Vcより低い区間は、コンバータ46に電流が流れ込まず、インピーダンスが非常に大きくなる。
電源回路42はブリーダ回路48を備えているため、コンバータ46に電流が流れ込まない期間においても、ブリーダ回路48から抵抗R30によって決まるブリーダ電流を流す。これにより、調光装置11において、電源電圧の波形を監視することができるとともに、ゼロクロスを検出することができる。
ところで、交流電源Eおよび調光装置11に対して出力が同じ種類の複数の負荷Lを並列に接続し、1つの調光装置11により複数の負荷Lを一括して調光制御可能としている。
負荷Lの最大数接続可能とする規定接続数には限りがあり、1つの調光装置に規定接続数以上の負荷が接続された場合、調光装置11に過電流が流れ、調光装置11が壊れる不具合が生じる。
そこで、制御部24のマイコンIC1は、交流電源Eの導通開始から所定の位相期間において電流検出部32で検出される負荷Lのブリーダ回路48を流れる電流値に基づいて負荷Lの接続数を判別し、負荷Lの接続数が予め決められている規定接続数より多い場合に、スイッチ部19を異常処理制御する機能を有する。異常処理制御は、スイッチ部19を所定の調光レベル以下に調光制御、およびスイッチ部19をオフ制御といった保護制御や、外部に警報音を発する警報制御が含まれ、少なくとも1つが用いられる。警報音を発する場合には、調光装置11がスピーカなどの音発生源を備えていればよい。また、警報制御は、警報音に限らず、表示器を用いた警報表示でもよい。
交流電源Eの導通開始から所定の位相期間は、図7において、ゼロクロスから電源回路42の電解コンデンサC31で平渇する平滑電圧Vcより低い位相期間であって、コンバータ46に電流が流れ込まない位相期間であるとともに、ブリーダ回路48の抵抗R30によって決まるブリーダ電流が流れる位相期間である。
そのため、電流検出部32では、負荷Lのブリーダ回路に流れるブリーダ電流を検出することができる。1つの調光装置11に複数の負荷Lが接続されている場合、電流検出部32によって検出される電流値は負荷Lの接続数に比例して大きくなる。
ブリーダ回路48の抵抗R30によって決まるブリーダ電流は、負荷Lの出力の種類毎に決まった一定値となっているため、電流検出部32で検出される電流値から負荷Lの接続数をマイコンIC1が判別することが可能となっている。
そして、マイコンIC1は、交流電源Eの導通開始から所定の位相期間において電流検出部32で検出される負荷Lのブリーダ回路48を流れる電流値に基づいて負荷Lの接続数を判別し、予め設定されている規定接続数と比較する。負荷Lの接続数が規定接続数より少ないと判別すると、上述したように調光レベルに応じた通常の調光制御を行う。また、負荷Lの接続数が規定接続数より多いと判別すると、異常処理制御する。例えば、スイッチ部19を所定の調光レベル以下であって例えば調光下限値に制御したり、スイッチ部19をオフ制御し、調光装置11に過電流が流れないように保護制御を行う。
なお、1つの負荷Lのブリーダ電流の値、1つの調光装置11に接続可能な規定接続数などは記憶部25に予め記憶されている。
このように、交流電源Eの導通開始から所定の位相期間において電流検出部32で検出される電流値に基づいて負荷Lの接続数を判別し、負荷Lの接続数が規定接続数より多い場合に、異常処理制御により例えばスイッチ部19を所定の調光レベル以下またはオフに保護制御するため、調光装置11に過電流が流れるのを未然に防止し、調光装置11を保護することができる。
なお、制御部24は、交流電源Eの導通開始から所定の位相期間において電流検出部32で検出される電流値が規定電流値より大きい場合に、異常処理制御により例えばスイッチ部19を所定の調光レベル以下またはオフに保護制御するようにしてもよい。この場合、規定電流値を記憶部25に予め記憶させておけばよい。
また、本実施形態は、調光レベルに応じて交流電圧の毎半サイクルの期間途中から負荷Lへ導通する位相制御方式にも適用できる。
また、スイッチ部19は、2つの電界効果トランジスタQ1,Q2を用いて毎半サイクル毎に位相制御する場合に限らず、全波整流器を併用することで1つのスイッチング素子を用いて毎半サイクル毎に位相制御してもよいし、他のスイッチ構成を用いても構わない。
また、負荷Lは、ブリーダ回路48を備えた電球形ランプやその他の照明装置のいずれでもよい。光源は、LED素子41に限らず、EL素子などの他の半導体発光素子でもよいし、放電灯でもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。