JP5765682B2 - 繊維編成マスク - Google Patents

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Description

本発明は人体の鼻と口を覆って顔に着用して使用されるマスクに関する。
人体の鼻と口を覆って顔に着用して使用されるマスクとしては、使用目的、構成材料および形状構成に分類されて種々のマスクが知られている。構成材料に分類されるマスクとしては、不織布により構成される不織布製マスク、ガーゼにより構成されるガーゼ製マスク、織布により構成される織布製マスクなどがある。形状構成に分類されるマスクとしては、立体形状に成形された立体成型マスク、展開可能な折り目を形成した展開折目マスクなどがある。使用目的に分類されるマスクとしては、食品工場などにおいて使用される衛生面から作業服・帽子・作業靴などと一緒に着用される衛生用マスク、花粉や塵埃などの人体への吸入を防止するために使用される防塵マスク、風邪などのウイルスの飛散や吸入を防止するために使用される抗菌マスクなどがある。
構成材料に分類されるマスクとしては、例えば、次のマスクが公知である。特開2005−7072号公報には、化学繊維からなる化繊マスク部材と不織布からなる不織布マスク部材と木綿地またはガーゼ地からなる綿布用部材を積層した多層式マスクが開示されている。特開2007−229222号公報には、ポリプロピレン・スパンボンド不織布を使用した多層式マスクが開示されている。特開2010−201140号公報には、ポリエステルを主原料とする不織布に電界分極性を半永久的に保持できるように加工を施した不織布を積層した衛生マスクが開示されている。特開2004−24620号公報には、ガーゼからなる布地製立体形状マスクが開示されている。特開2006−43227号公報には、ガーゼ製の織布と化学繊維製の低収縮性不織布とを積層してカップ状に形成された立体マスクが開示されている。特開2009−273910号公報には、綿と化学繊維の織布を縫製して構成されたマスクが開示されている。実用新案登録第3153416号公報には、丸編み機を用いて筒状にメリヤス編成したマスクが開示されている。
形状構成に分類されるマスクとしては、例えば、次のマスクが公知である。特開2009−273910号公報には、立体的構造を保つためにひだ状の折り目を配しこれにステッチを入れた本体に簡単に取り付けられる口当てシートを貼り付けた立体型マスクであって、食品工場などで着用され、作業者の鼻や口から排出される不衛生物が食品に付着しないように、衛生面から、人体の鼻や口を覆って顔に着用して、繰り返し使用でき、経済的かつ衛生的で着用性に優れたマスクが開示されている。特開2004−351190号公報には、布地で構成され、少なくとも口と鼻を覆うマスク本体の中央部でかつ上下方向、左右方向及び斜め方向のうちの少なくともいずれか一つの方向に布地を補強し、着用した状態で内側に呼吸用空間を形成可能に布地を前方へ湾曲させ保持する剛性部を備え、これにより、呼吸が楽に行え、かつ容易に低コストで製造できるマスクが開示されている。実用新案登録第3153416号公報には、マスク本体を丸編み機を用いて筒状にメリヤス編成するとともに、該マスクの中央部において紙リンダの略半周にあるニードルを非編成レベルに置き、残る略半円周のニードルにてシリンダの正逆往復回転により減らし目を行いながら編成することで立体形状にし、これにより、通気性がよく、顔面にフィットし、洗濯可能な立体マスクが開示されている。
使用目的に分類されるマスクとしては、例えば、下記の衛生用マスクや抗菌性マスクが公知である。特開2008−272375号公報には、光触媒アパタイト微粒子を付着したポリ乳酸繊維製のニット編布地を複数回折りたたみ所定形状に成形するとともに、所定部分を縫製しマスク本体とした構成であって、顔面へのフィット感に優れ、マスク内に侵入した有害な物質や臭気を分解して無害化することができる衛生用マスクが開示されている。特開2005−131072号公報と特開2003−334262号公報には、酸化チタン水溶液を高圧含浸させた織布によって形成されて、花粉症やシックハウス症候群等の化学物質過敏症やウイルス感染症に対して効果のあるマスクが開示されている。特開2005−245835号公報には、導電性繊維が縞状または格子状に織り込まれた放電性生地と、粒状活性炭を含有した不織布と、抗菌性ポリエステル繊維または抗菌性ナイロン繊維により構成された抗菌性生地とを積層してなり、これにより、病原菌等の増殖を防ぐとともに、塵埃や花粉等の侵入防止を向上させつつ充分な通気性を有するマスクが開示されている。特開2010−162209号公報には、ブラックシリカ微粉末を含有するポリエステル繊維がマスクの表側と裏側に相当する面だけに、平行ライン状にプレーティング編みされたマスクであって、これにより、通気性が高く呼吸が楽でありながら色調選択の自由度が高く、花粉症の改善効果が期待できるマスクが開示されている。
ヨウ素を含有する抗菌性マスクとしては、例えば、次の抗菌性マスクが公知である。特開平9−132867号公報には、毛、絹、ナイロン等のアミン基が含まれる繊維に及びブラシにヨウ素又はポリヨウ素イオンを作用させることを特徴とするヨウ素付加抗菌繊維の製造方法であって、既存の繊維を簡単に抗菌繊維にする方法が開示されている。特開2001−89974号公報には、繊維表面に少なくともポピドンヨードが水溶性ポリマーと共に担持された繊維基材、繊維表面に少なくともヨードホールが微粒子状非水溶性熱可塑性ポリマーによって担持された繊維基材、繊維表面に少なくともポピドンヨードがコロイダルシリカ複合メタアクリル樹脂エマルジョンを用いて担持された繊維基材、ポリビニルピロリドンを共重合させた非水溶性熱可塑性ポリマーとヨウ素を反応させて得られたポピドンヨードが繊維表面に担持された繊維基材、親水化処理した化学繊維にポピドンヨードが担持されているシート及びフィルター基材などが開示され、これにより、優れた抗菌性のある繊維基材が提供されることが開示されている。特開平11−50376号公報には、ヨウ素化合物を担持させてなり、殺菌性および熱水可溶性に優れたビニロン繊維または不織布が開示されている。特開平1−124688号公報には、化学繊維又は天然繊維のヨード錯体付加物を含む殺菌性布地であって、この殺菌性布地によって、交差汚染が抑えられ、食中毒、病原菌の伝搬が防がれ、手、器具、装置等が微生物的に清潔に保たれ、また、この殺菌性布地を傷口に適用することにより化膿を防ぎ、治癒する効果を奏することが開示されている。特開昭59−163474号公報には、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド繊維と他の繊維との混用された繊維製品に、ジョードメチルトリルスルホン等の抗菌加工剤を付与した後、フィックス剤を付与してなる抗菌性を有するポリアミド系繊維製品の製造方法が開示されている。特開平9−273075号公報には、ニトリル系化合物、ピリジン化合物、有機ヨード系化合物などの生物抵抗性を有する薬剤を繊維製造工程における油剤とともに繊維に付与した後、過熱工程によって前記繊維に対して所定量固着せしめる繊維の製造方法が開示されている。
特開2005−7072号公報 特開2007−229222号公報 特開2010−201140号公報 特開2004−24620号公報 特開2006−43227号公報 特開2009−273910号公報 実用新案登録第3153416号公報 特開2004−351190号公報 特開2008−272375号公報 特開2005−131072号公報 特開2003−334262号公報 特開2005−245835号公報 特開2010−162209号公報 特開平9−132867号公報 特開2001−89974号公報 特開平11−50376号公報 特開平1−124688号公報 特開昭59−163474号公報 特開平9−273075号公報
一般にガーゼを用いたマスクは、洗濯により繰り返しの使用が可能であるという利点があるが、しかしながら、伸縮性が乏しく、鼻、口及び顔面のすべてにフィットした感触がなく、吸う息に伴いマスク本体が鼻孔に吸着されて息苦しさを伴うという課題がある。また、不織布を用いたマスクは、呼吸しやすいような立体形状に加工するとともに顔面に密着するような形状に加工または成形加工でき、また、量産性に適し、安価に製造できるという利点があるが、しかしながら、不織布を用いたマスクは、伸縮性に乏しく、所定の立体形状に成形した不織布製マスクは高い鼻を持つヒトや低い鼻を持つヒトなどの多様な顔を持つヒトに対応できないという課題、及び、洗濯が不可能であるために使い捨てせざるを得なく省資源を目指した環境に適合しないという課題などがある。
また、前述したような種々の衛生用マスクや抗菌性マスクが提案されているが、人体の顔に着用したときにおける呼吸のしやすさ、顔へのフィット感、及び、量産容易性などの全てを満足する抗菌性マスクは開示されていない。
本発明は、人体の顔に着用したときに、呼吸用立体空間を形成可能であるとともに、鼻孔と口の周囲領域に隙間を形成しない程度に密着して該隙間を通る外気の通過を防止でき、さらに、繊維を編むことにより容易に量産可能であり、洗濯などにより繰り返し使用が可能である、などのすべての効果を備えた繊維編成マスクを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、前記のすべての効果を有する繊維編成マスクであるとともに、細菌、ウイルス、カビ、バクテリアなどの人体の健康に悪影響を与える病原体の飛散や吸入を防止する効果を備えた繊維編成マスクを提供することを目的とする。
本発明の繊維編成マスクは、人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスクであって、繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、人体顔に着用時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されていることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、前記抗菌剤は、病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、人体顔に着用時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、人体顔に着用時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、人体顔に着用時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有するヨウ素系抗菌剤であることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記抗菌剤は、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤であることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基とが化学的相互作用により複合化されて前記抗菌性動物繊維を形成してなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維を有し、前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記ポリアミド系繊維のアミド基が化学的な相互作用により複合化されて前記抗菌性化学繊維を形成してなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、植物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性植物繊維を有し、前記植物繊維は、木綿、麻、及び、リンネルからなる群から選ばれる少なくともひとつの植物繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、ポピドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記植物繊維の物理的な相互作用により複合化されて前記抗菌性植物繊維を形成してなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、(a)動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維、(b)化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維、及び、(c)植物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性植物繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌性繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、前記植物繊維は、木綿、麻、及び、リンネルからなる群から選ばれる少なくともひとつの植物繊維であり、前記抗菌剤は、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記繊維の相互作用により複合化されて前記抗菌性繊維を形成してなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのペプチド基を有する動物繊維であり、前記抗菌性動物繊維は、前記動物繊維のペプチド基とヨウ素を溶解したヨウ化カリウム溶液との化学的相互作用により生成された抗菌性動物繊維であることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、前記抗菌性繊維と、さらに、抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維との双方の繊維を含有し、前記無抗菌性繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、木綿、麻、リンネル、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの無抗菌性繊維であり、前記抗菌性繊維と前記無抗菌性繊維とが混紡状態で織られて編成されてなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の略中央領域に形成され、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の周囲領域に形成されてなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の横方向の略中央領域に形成され、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の両側領域に形成されてなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部は平面図における横方向の略中央領域に形成された略二等辺三角形状領域を有し、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の少なくとも両側領域に形成され、人体顔に着用時に前記略二等辺三角形状領域が鼻の突起に対応して少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されてなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部は、互いに、同じ繊維により連続して編成されていることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部は伸縮可能に形成されてなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、人体顔に着用しない時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有し、前記密着形成繊維編成部は略平面形状を有し、人体顔に着用した時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起を覆うことが可能な立体形状を形成し、前記密着形成繊維編成部は人体顔に密着される略平面形状を形成することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は互いに同じ伸縮性を有するように編成されてなり、人体顔に着用した時に、立体形状の前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起を覆うとともに、鼻と口の凹凸形状にも対応するように伸縮した状態で鼻と口を覆う形状を形成し、前記密着形成繊維編成部は伸縮した状態で人体顔に密着される形状を形成することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は互いに異なる伸縮性を有するように編成され、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きい伸縮性を有して編成され、人体顔に着用した時に、前記密着形成繊維編成部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に伸縮した状態で密着形成可能な形状を形成し、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を形成することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、人体顔に着用しない時の形状において、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は略平面形状を有し、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は互いに異なる伸縮性を有するように編成され、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きい伸縮性を有して編成され、人体顔に着用した時の形状において、前記密着形成繊維編成部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に密着形成可能な形状を形成し、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を形成することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも細かく密な網目になるように編まれて編成されてなることを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクにおいて、前記繊維編成マスク本体を左右対称になるように2つに折り重ねた状態の平面図において、前記繊維編成マスク本体は、折重境界線が外側に突出した円弧状線と該円弧状線の両端を結んだ直線とにより囲まれる円弧形状平面部と、前記円弧形状平面部を除く残部形状平面部を有する平面形状を有し、折り重ねた前記繊維編成マスク本体を広げて人体顔に着用した時において、前記円弧形状平面部は、断面が前記折重境界線を頂点とする略三角形の呼吸用立体空間を形成可能な前記立体形成繊維編成部を形成し、前記残部形状平面部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能な前記密着形成繊維編成部を形成することを特徴とする。
本発明の繊維編成マスクの製造方法は、繊維に抗菌剤を担持させて前記に記載の抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程と、前記抗菌性繊維を使用して、前記に記載の繊維編成マスクを編成する繊維編成マスク編成工程と、を備える。
本発明の繊維編成マスクの製造方法は、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体と、前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、人体顔に着用時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、前記繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクの製造方法であって、繊維に抗菌剤を担持させて抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程と、少なくとも前記抗菌性繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、前記繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程と、を備えたことを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクの製造方法において、前記抗菌剤はヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、ポピドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記抗菌性繊維調製工程は、前記ヨウ素系抗菌剤を溶剤に溶解してヨウ素系抗菌剤含有溶液を調製し、得られたヨウ素系抗菌剤含有溶液と前記繊維を接触して、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を担持したヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維を調製し、その後、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維から前記溶剤を除去して、ヨウ素担持繊維を調製する工程を有することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクの製造方法において、前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、前記抗菌剤はヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、ポピドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記抗菌性繊維調製工程は、前記ヨウ素系抗菌剤を溶剤に溶解してヨウ素系抗菌剤含有溶液を調製し、得られたヨウ素系抗菌剤含有溶液と前記動物繊維を接触して、これにより、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を担持したヨウ素系抗菌剤含有溶液担持動物繊維を調製し、その後、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持動物繊維から前記溶剤を除去して、ヨウ素担持動物繊維を調製する工程を有することを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクの製造方法において、前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、前記抗菌剤はヨウ素系抗菌剤であり、前記抗菌性繊維調製工程は、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液の中に前記動物繊維を浸漬して、これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持動物繊維を得る工程と、得られたヨウ素含有溶液担持動物繊維を、前記ヨウ素含有溶液から取り出して後、洗浄剤により洗浄し、これにより、前記ヨウ素含有溶液担持動物繊維からカリウム成分を除去する工程と、洗浄したヨウ素含有溶液担持動物繊維から前記溶媒と前記洗浄剤を除去し、これにより、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素系抗菌剤担持動物繊維を得る工程と、を備えたことを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクの製造方法において、さらに、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、木綿、麻、リンネル、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維を準備する工程を有し、前記マスク本体編成工程は、前記抗菌性繊維と前記無抗菌性繊維を使用して、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を混紡して編成して調製する工程を有することを特徴とする。
本発明の他の繊維編成マスクの製造方法は、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体と、前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、人体顔に着用時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、前記繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクの製造方法であって、繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、前記繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程と、少なくとも前記繊維編成マスク本体に抗菌剤を担持させて抗菌性を有する繊維編成マスク本体を調製する工程と、を備えたことを特徴とする。
望ましくは、前記繊維編成マスクの製造方法において、前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、前記抗菌剤はヨウ素系抗菌剤であり、前記繊維編成マスク本体を調製する工程は、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液に前記繊維編成マスク本体を浸漬して、これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体を得る工程と、
得られたヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体を、前記ヨウ素含有溶液から取り出して後、洗浄剤により洗浄し、これにより、前記ヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体からカリウム成分を除去する工程と、洗浄したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体から前記溶媒と前記洗浄剤を除去し、これにより、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素系抗菌剤担持繊維編成マスク本体を得る工程と、を備えたことを特徴とする。
なお、本発明の繊維編成マスクにおいて、「繊維の編成により形成された繊維編成マスク本体」は、「繊維を編むことにより形成されたマスク本体」を意味する。
「繊維」は、「編むことが可能な、細長く、柔軟な紐状の素材であって、動物繊維や植物繊維等の天然繊維、及び、化学的に合成された化学繊維や合成繊維」を意味する。「動物繊維」は動物の毛、羽、皮革、体液、卵、蚕繭などを原料として製造された繊維を意味する。「植物繊維」は植物の茎、葉、種などを原料として製造された繊維を意味する。
「担持する」は、「含有する」、「有する」、「付着する」、「保持する」、「吸着する」、「化学的イオンにより引き合う」、「化学的にイオン結合する」、「化学的に共有結合する」、又は、「化学的又は物理的に、結合、吸着、又は、吸引する」などを意味する。
「抗菌剤」は、「病原菌の増殖を抑制したり、活性を弱めたり、又は、死滅したりする等の働きのある物質」を意味する。「抗菌性繊維」は、「病原菌の増殖を抑制したり、活性を弱めたり、又は、殺したりする等の働きを有する繊維」を意味する。「病原菌」は、ウイルス、細菌、カビ、バクテリアなどの人間に病気を引き起こす原因となるものを意味する。
(a)本発明の、人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスクであって、繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、人体顔に着用時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されていることを特徴とする繊維編成マスク、の構成により、以下に述べる作用効果が得られる。
繊維編成マスク本体は繊維を編むことにより形成された繊維編成体であるため、繊維の種類、編み方法、編み形状、等を選択することにより、形状・物性・伸縮性・その他性質等の所望する性質を有する立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を設計構成した繊維編成マスクが容易に得られる。また、このような所望する性質を有する繊維編成マスク本体を、繊維編成用機械を使用して容易に量産可能であり、大量生産により安価に市場に供給できる繊維編成マスクが得られる。また、繊維編成マスク本体は繊維により編まれた構成であるために、洗濯による変形や破損が生じることなく、洗濯などによる繰り返し使用が可能であり、使い捨てることなく経済的および環境的に有利な繊維編成マスクが得られる。
さらに、前記立体形成繊維編成部が少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されているため、人体の顔に着用したときに、立体形成繊維編成部が鼻孔または口に密着して呼吸が妨げられるという現象が抑制されて、呼吸用立体空間を介して息苦しさを伴うことなく違和感なく楽に呼吸が可能となる。このような効果と同時に、密着形成繊維編成部が顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されているため、人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止できる。従って、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となる。その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる。
このようなすべての作用効果を奏する繊維編成マスクが得られる。
(b)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、前記抗菌剤は、病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、人体顔に着用時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成により、前述の作用効果に加えて、次に述べる作用効果が得られる。
前記繊維が、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有する構成であるために、人体顔に着用したときに、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を奏する繊維編成マスクが得られる。
繊維としては、特に限定されることなく、動物繊維、植物繊維、化学繊維が使用できる。動物繊維としては、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどが使用できる。植物繊維としては、木綿、麻、リンネルなどが使用できる。化学繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン繊維、レーヨン、ポリオレフィン繊維などが使用できる。
抗菌剤としては、ウイルス、細菌、カビ、バクテリアなどの人間に病気を引き起こす原因となる病原菌を、死滅、増殖抑制、活性弱体化、等の作用を有する物質が使用でき、特に限定されることなく、例えば、(イ)ヨウ素、塩素などのイオン、分子、化合物、(ロ)銀、銅などのイオン、分子、化合物、(ハ)ヒノキチオール、カテキン、フィトンチッドなどの天然植物から抽出した天然系抗菌剤、(ニ)医薬品として使用されている抗生物質、などが使用できる。
繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維としては、抗菌剤が繊維に化学的にイオン結合、抗菌剤が繊維にファンデルワース力により複合化された形態、錯体結合または共有結合された形態、抗菌剤が繊維に物理的に吸引担持または吸着担持された形態、抗菌剤が繊維に形状的に包括、付着または含有された形態、抗菌剤と繊維がこれらの複数の要素により凝集された形態、などが使用出来る。
一般に、動物繊維や植物繊維の一つ一つの繊維は、数ミクロンから数十ミクロンの直径で、数十ミクロンから数ミリの長さの略円柱形状の単繊維で、その単繊維の表面は多少の凹凸が形成されている。そして、これらの単繊維が互いに凝集または絡み合って所定の太さと連続した長さを有する編成用繊維が形成される。このような単繊維が互いに凝集または絡み合って所定の太さと連続した長さを有する編成用繊維には、連続した空隙が存在することになり、その編成用繊維の空隙に物理的に抗菌剤が保持された抗菌性編成用繊維が容易に得られる。また、繊維と抗菌剤を選択して使用することにより、繊維と抗菌剤とが化学的又は/及び物理的な相互作用により強固に結合または吸着された抗菌性編成用繊維が得られる。
この抗菌性編成用繊維を使用して、所定の編み方で編むことにより繊維編成マスクが製造される。また、抗菌剤を担持しない編成用繊維を編んで繊維編成マスクを形成した後に、その繊維編成マスクと所定の抗菌剤とを処理して、その編成用繊維の空隙又は/及び繊維表面に、抗菌剤が担持された繊維編成マスクを製造することもできる。
このようなすべての効果を奏する繊維編成マスクが得られる。
(c)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維が、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、人体顔に着用した時に、前記抗菌性動物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成により、前述の作用効果に加えて、次に述べる作用効果が得られる。
動物繊維は他の物質と化学的に相互作用しやすいタンパク質のペプチド基を含有する化学構造を有しているため、このペプチド基に抗菌剤が動物繊維に化学的に担持しやすく、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い性質を有する。また、顕微鏡的な形状において抗菌剤を保持し易い凹凸のある表面形状を有しているため、物理的にも、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い性質を有する。このように、化学的作用と物理的作用との相乗効果により、抗菌剤が動物繊維に担持されやすく、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い抗菌性動物繊維が得られる。その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性動物繊維が得られる。従って、このような抗菌性動物繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用したときに、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が動物繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。
(d)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維が、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、人体顔に着用した時に、前記抗菌性動物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成により、前述の作用効果に加えて、次に述べる効果が得られる。
羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラなどの動物繊維は他の物質と化学的に相互作用しやすいタンパク質のペプチド結合を有する化学構造を有しているため、抗菌剤がこれらの動物繊維に化学的に担持しやすく、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い。また、このような動物繊維は顕微鏡的な形状において抗菌剤を保持し易い凹凸のある表面形状を有しているため、また、微細な繊維が互いにからまりあった形状の集合体として繊維を形成しているため、物理的にも担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い。このように、化学的作用と物理的作用との相乗効果により、抗菌剤が動物繊維に担持されやすく、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い抗菌性動物繊維が得られる。
(e)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記抗菌剤が、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有するヨウ素系抗菌剤であることを特徴とする構成により、前述の作用効果に加えて、次に述べる作用効果が得られる。
ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤は優れた殺菌、消毒、菌の増殖抑制、菌の活動抑制などの抗菌性能を有し、これらの抗菌剤は動物繊維に容易に担持されて抗菌性繊維を形成する性質を有する。
特に、繊維が動物繊維である場合には、動物繊維は化学構造的にペプチド結合のアミド基を含有しているため、そのアミド基とヨウ素系抗菌剤との化学的相互作用により、ヨウ素系抗菌剤が強固に動物繊維に担持されるとともに、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い性質を有する。その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性動物繊維が得られる。また、抗菌剤を担持したこれらの羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維は、特別な編成装置を使用することなく、汎用されている公知の編み機を使用した編成技術により所望の製品に容易に編むことが可能である。
このように、優れた抗菌作用を発揮し、また、水分や高湿度雰囲気中においてもその抗菌作用が長期間維持できるとともに、さらに、汎用の編成装置を使用して容易に編成マスクを構成することが可能な繊維編成マスクが得られる。
従って、抗菌剤を担持したこれらの繊維によって編まれて編成された繊維編成マスクを人体顔に装着した場合、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が動物繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。また、唾液や息などの口や鼻から出される物質などにより、繊維に担持された抗菌剤が遊離することなく、長時間の着用に耐える抗菌性が保持された繊維編成マスクが得られる。さらに、洗濯などによっても担持された抗菌剤が遊離することなく抗菌性が保持され、洗濯により繰り返しの使用が可能な繊維編成マスクが得られる。
(f)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維が繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維、前記繊維が動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維、または、前記動物繊維が羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維であるとともに、前記抗菌剤は、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤であることを特徴とする構成により、前述の作用効果に加えて、以下の作用効果が得られる。
ポピドンヨードは1−ビニル−2−ピロリドンの重合物であるポリビニルピロリドンとヨウ素の複合物であり、日本薬局方にも掲載されている医薬品である。本品自体は常温で粉末形状で、水やアルコールに可溶であり、これらの溶液は殺菌剤、消毒剤、うがい薬として使用されている。化学構造的にポリビニルピロリドンとヨウ素は錯化合物の形態で存在し、そのヨウ素の酸化作用により殺菌、抗菌、消毒、などの効果を発揮することが確認されている。このようなポピドンヨード溶液中に所定の繊維を浸漬し、乾燥、洗浄、乾燥することにより、ポピドンヨードを担持した抗菌性繊維が得られる。
化学繊維であるポリエステル繊維製の編成用繊維を使用してポピドンヨードを担持した抗菌性繊維は、繰り返し水洗後においても、ポピドンヨードが繊維に含有されていることが確認されている。このことから、互いに絡み合った編成用繊維の空隙にポピドンヨードが担持されているものと推測できる。
特に、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維の編成用繊維を使用することにより、前述のポリエステル繊維製の編成用繊維を使用した場合と比べて、より多くの繰り返し水洗後においても、ポピドンヨードが繊維に含有されていることが確認される。このことは、これらの動物繊維のアミド基とポピドンヨードのヨウ素とが互いに化学的または物理的な相互作用により互いに強固に結合、吸着、又は凝集されている効果と前述の絡み合った編成用繊維の空隙にポピドンヨードが担持される効果との相乗効果に起因するためであると推測できる。
従って、抗菌剤としてポピドンヨードを担持した繊維、動物繊維または羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維によって編まれて編成された繊維編成マスクを人体顔に装着した場合、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が動物繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。また、唾液や息などの口や鼻から出される物質などにより、繊維に担持された抗菌剤が遊離することなく、長時間の着用に耐える抗菌性が保持された繊維編成マスクが得られる。さらに、洗濯などによっても担持された抗菌剤が遊離することなく抗菌性が保持され、洗濯により繰り返しの使用が可能な繊維編成マスクが得られる。
(g)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基とが化学的相互作用により複合化されて前記抗菌性動物繊維を形成してなり、人体顔に着用した時に、前記抗菌性動物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成により、前述の作用効果の相乗効果により、以下の作用効果が得られる。
ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤は優れた殺菌、消毒、菌の増殖抑制、菌の活動抑制などの抗菌性能を有し、これらの抗菌剤は動物繊維に容易に担持されて抗菌性繊維を形成する性質を有する。特に、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラなどの動物繊維は化学構造的にペプチド結合のアミド基を含有しているため、そのアミド基とヨウ素系抗菌剤との化学的相互作用により、ヨウ素系抗菌剤が強固に動物繊維に担持されるとともに、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い性質を有する。また、このような動物繊維は顕微鏡的な形状において抗菌剤を保持し易い凹凸のある表面形状を有しているため、また、微細な繊維が互いにからまりあった形状の集合体として編成用繊維を形成しているため、物理的にも担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い。このように、化学的作用と物理的作用との相乗効果により、抗菌剤が動物繊維に担持しやすく、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い抗菌性動物繊維が得られる。
その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性動物繊維が得られる。また、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤を担持したこれらの羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維は、特別な編成装置を使用することなく、汎用されている公知の編み機を使用した編成技術により所望の製品に容易に編むことが可能である。
従って、このようなヨウ素系抗菌剤を担持した羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維によって編まれて編成された繊維編成マスクを人体顔に装着した場合、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が動物繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。また、唾液や息などの口や鼻から出される物質などにより、繊維に担持された抗菌剤が遊離することなく、長時間の着用に耐える抗菌性が保持された繊維編成マスクが得られる。さらに、洗濯などによっても担持された抗菌剤が遊離することなく抗菌性が保持され、洗濯により繰り返しの使用が可能な繊維編成マスクが得られる。特に、上記の効果が著しく優れた繊維編成マスクが得られる。
(h)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維を有し、前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記ポリアミド系繊維のアミド基が化学的な相互作用により複合化されて前記抗菌性化学繊維を形成してなり、人体顔に着用した時に、前記抗菌性化学繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成により、以下の作用効果が得られる。
ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤は優れた殺菌、消毒、菌の増殖抑制、菌の活動抑制などの抗菌性能を有し、これらの抗菌剤はポリアミド系繊維のアミド基に容易に担持されて抗菌性繊維を形成する性質を有する。特に、ポリアミド系繊維のアミド基とヨウ素系抗菌剤との化学的相互作用により、ヨウ素系抗菌剤が強固にポリアミド系繊維に担持されるとともに、また、担持されたヨウ素系抗菌剤がポリアミド系繊維から遊離され難い性質を有する。
また、微細な繊維が互いにからまりあった形状の集合体として編成用繊維を形成しているため、物理的にも担持されたヨウ素系抗菌剤がポリアミド系繊維から遊離され難い。このように、化学的作用と物理的作用との相乗効果により、ヨウ素系抗菌剤がポリアミド系繊維に担持しやすく、また、担持されたヨウ素系抗菌剤がポリアミド系繊維から遊離され難い抗菌性繊維が得られる。
その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性繊維が得られる。また、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤を担持したポリアミド系繊維は、特別な編成装置を使用することなく、汎用されている公知の編み機を使用した編成技術により所望の製品に容易に編むことが可能である。
このようなアミド基を有するポリアミド系繊維としては、6−ナイロン、66ナイロン、12−ナイロン、11−ナイロン、610−ナイロン、46−ナイロン、その他のナイロンなどが使用できる。
従って、このようなヨウ素系抗菌剤を担持したポリアミド系繊維によって編まれて編成された繊維編成マスクを人体顔に装着した場合、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌がポリアミド系繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。また、唾液や息などの口や鼻から出される物質などにより、繊維に担持された抗菌剤が遊離することなく、長時間の着用に耐える抗菌性が保持された繊維編成マスクが得られる。さらに、洗濯などによっても担持された抗菌剤が遊離することなく抗菌性が保持され、洗濯により繰り返しの使用が可能な繊維編成マスクが得られる。
(i)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、植物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性植物繊維を有し、前記植物繊維は、木綿、麻、及び、リンネルからなる群から選ばれる少なくともひとつの植物繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、ポピドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記植物繊維の物理的な相互作用により複合化されて前記抗菌性植物繊維を形成してなり、人体顔に着用した時に、前記抗菌性植物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成により、以下の作用効果が得られる。
ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤は優れた殺菌、消毒、菌の増殖抑制、菌の活動抑制などの抗菌性能を有し、これらの抗菌剤は植物繊維に容易に担持されて抗菌性繊維を形成する性質を有する。特に、木綿、麻、リンネル等の植物繊維を使用した編成用繊維は、微細な繊維が互いにからまりあった集合体として、空隙を形成した形状の編成用繊維を形成しているため、その空隙にヨウ素系抗菌剤が担持されやすい性質を有する。また、担持されたヨウ素系抗菌剤が植物繊維から遊離され難い性質を有する。また、このような植物繊維は顕微鏡的な形状において抗菌剤を保持し易い凹凸のある表面形状を有しているため、また、微細な繊維が互いにからまりあった形状の集合体として編成用繊維を形成しているため、物理的にも担持された抗菌剤が植物繊維から遊離され難い。このように、抗菌剤が植物繊維に担持しやすく、また、担持された抗菌剤が植物繊維から遊離され難い抗菌性植物繊維が得られる。
その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性植物繊維が得られる。また、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤を担持したこれらの木綿、麻、リンネル等の植物繊維は、特別な編成装置を使用することなく、汎用されている公知の編み機を使用した編成技術により所望の製品に容易に編むことが可能である。
従って、このようなヨウ素系抗菌剤を担持した木綿、麻、リンネル等の植物繊維によって編まれて編成された繊維編成マスクを人体顔に装着した場合、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が植物繊維に担持されたヨウ素系抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。また、唾液や息などの口や鼻から出される物質などにより、繊維に担持された抗菌剤が遊離することなく、長時間の着用に耐える抗菌性が保持された繊維編成マスクが得られる。さらに、洗濯などによっても担持された抗菌剤が遊離することなく抗菌性が保持され、洗濯により繰り返しの使用が可能な繊維編成マスクが得られる。
(j)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、(a)動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維、(b)化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維、及び、(c)植物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性植物繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌性繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、前記植物繊維は、木綿、麻、及び、リンネルからなる群から選ばれる少なくともひとつの植物繊維であり、前記抗菌剤は、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記繊維の相互作用により複合化されて前記抗菌性繊維を形成してなり、人体顔に着用した時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成により、以下の作用効果が得られる。
動物繊維、植物繊維、化学繊維を使用した編むことが可能な編成用繊維は、互いの繊維が絡み合って空隙を形成した形態を有し、その空隙にポピドンヨードが担持されることが可能である。
ポピドンヨードは1−ビニル−2−ピロリドンの重合物であるポリビニルピロリドンとヨウ素の複合物であり、化学構造的にポリビニルピロリドンとヨウ素は錯化合物の形態で存在し、そのヨウ素の酸化作用により殺菌、抗菌、消毒、などの効果を発揮することが確認されている。このようなポピドンヨードを溶かした溶液中に所定の繊維を浸漬し、乾燥、洗浄、乾燥することにより、ポピドンヨードを担持した抗菌性繊維が得られる。
羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維製の編成用繊維を使用することにより、繰り返し水洗後においても、ポピドンヨードが繊維に含有されていることが確認される。このことは、これらの動物繊維のアミド基とポピドンヨードのヨウ素とが互いに化学的または物理的な相互作用により互いに強固に結合、吸着、又は凝集されている効果と、絡み合った編成用繊維の空隙にポピドンヨードが担持される効果との相乗効果に起因するためであると推測できる。
アミド基を有するポリアミド系繊維製の編成用繊維を使用することにより、繰り返し水洗後においても、ポピドンヨードが繊維に含有されていることが確認される。このことは、これらのポリアミド系繊維のアミド基とポピドンヨードのヨウ素とが互いに化学的または物理的な相互作用により互いに強固に結合、吸着、又は凝集されている効果と、絡み合った編成用繊維の空隙にポピドンヨードが担持される効果との相乗効果に起因するためであると推測できる。なお、アミド基を有するポリアミド系繊維としては、6−ナイロン、66ナイロン、46−ナイロン、11ナイロン、12−ナイロンなどが使用出来る。
木綿、麻、リンネルなどの植物繊維製の編成用繊維を使用することにより、繰り返し水洗後においても、ポピドンヨードが繊維に含有されていることが確認される。このことは、これらの植物繊維の絡み合った編成用繊維の空隙にポピドンヨードが担持される効果に起因するためであると推測できる。
従って、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維、ナイロンなどのアミド基を有するポリアミド系化学繊維、木綿、麻、リンネルなどの植物繊維に、抗菌剤としてポピドンヨードを担持した抗菌性繊を使用して編まれて編成された繊維編成マスクを人体顔に装着した場合、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。また、唾液や息などの口や鼻から出される物質などにより、繊維に担持された抗菌剤が遊離することなく、長時間の着用に耐える抗菌性が保持された繊維編成マスクが得られる。さらに、洗濯などによっても担持された抗菌剤が遊離することなく抗菌性が保持され、洗濯により繰り返しの使用が可能な繊維編成マスクが得られる。
(k)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのアミド基を有する動物繊維であり、前記抗菌性動物繊維は、前記動物繊維のアミド基とヨウ素を溶解したヨウ化カリウム溶液との化学的相互作用により生成された抗菌性動物繊維であることを特徴とする構成により、以下の作用効果が得られる。
羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維はアミド基を含有する分子構造を有し、この動物繊維をヨウ素を溶解したヨウ化カリウム溶液の中に浸漬し、その後に、水洗、乾燥等の方法により、動物繊維にヨウ素を化学的に担持した抗菌性動物繊維を得ることができる。この場合、ヨウ素は、三ヨウ化物イオンとヨウ素分子とがポリヨウ素の形態を示して、動物繊維のアミド基の対イオン付加体として形成されて担持される化学的作用効果とともに、さらに、動物繊維製の互いに絡み合って形成された編成用動物繊維の空隙にヨウ素化合物が担持される形状的作用効果との相乗作用効果により、ヨウ素系抗菌剤が繊維に強固に担持された抗菌性動物繊維が得られる。その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性動物繊維が得られる。また、このようなヨウ素系抗菌剤を担持したこれらの羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維は、特別な編成装置を使用することなく、汎用されている公知の編み機を使用した編成技術により所望の製品に容易に編むことが可能である。
従って、このようなヨウ素系抗菌剤を担持した羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維によって編まれて編成された繊維編成マスクを人体顔に装着した場合、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が動物繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。また、唾液や息などの口や鼻から出される物質などにより、繊維に担持された抗菌剤が遊離することなく、長時間の着用に耐える抗菌性が保持された繊維編成マスクが得られる。さらに、洗濯などによっても担持された抗菌剤が遊離することなく抗菌性が保持され、洗濯により繰り返しの使用が可能な繊維編成マスクが得られる。特に、上記の効果が著しく優れた繊維編成マスクが得られる。
(l)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、前述の抗菌性繊維と、さらに、抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維との双方の繊維を含有し、前記無抗菌性繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの無抗菌性繊維であり、前記抗菌性繊維と前記無抗菌性繊維とが混紡状態で織られて編成されてなることを特徴とする構成により、次に述べる作用効果が得られる。
抗菌剤を担持した抗菌性繊維はその抗菌性繊維に特有の、前述で説明したような作用効果を有し、その抗菌性繊維に特有の物性を有しているために、編成されたマスクの物性も使用する抗菌性繊維の物性に左右されるが、本構成の抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維と混紡することにより、所望の物性を有する繊維編成マスクを得ることが可能となり、繊維編成マスクの設計の幅が広くなる効果が得られる。
例えば、ヨウ素系抗菌剤を担持した動物繊維と、ポリエステル繊維製の無抗菌性繊維とを使用して、これらの抗菌性動物繊維とポリエステル繊維製無抗菌性繊維との混紡により編成された繊維編成マスクは、前述の作用効果を有するとともに、さらに、ポリエステル繊維製無抗菌性繊維に固有の性質を発揮する繊維編成マスクが得られる。
従って、抗菌性繊維の種類と、無抗菌性繊維の種類とを選択して使用することにより、所望の性質を有する繊維編成マスクを得ることが可能である。
(m)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維が少なくとも抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有するとともに、前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の略中央領域に形成され、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の周囲領域に形成されてなることを特徴とする構成により、前述の(a)から(l)のそれぞれの作用効果に加えて、特に、次の作用効果が顕著に得られる。
立体形成繊維編成部が少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されるとともに、密着形成繊維編成部が鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されているため、人体の顔に着用したときに、立体形成繊維編成部が鼻孔または口に密着して呼吸が妨げられるという現象が抑制されて、呼吸用立体空間を介して息苦しさを伴うことなく違和感なく楽に呼吸が可能となるとともに、密着形成繊維編成部が鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されているため、人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止できる。従って、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となる。
(n)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の横方向の略中央領域に形成され、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の両側領域に形成されてなることを特徴とする構成により、前述の(a)から(l)のそれぞれの作用効果に加えて、特に、次の作用効果が顕著に得られる。
繊維編成マスクを顔に着用した時に、大きい凹凸を有する鼻と口を覆って立体形成繊維編成部が位置するように着用できるために、呼吸用立体空間を違和感なく形成可能となり、さらに、密着形成繊維編成部が鼻孔と口の両側領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されているために人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止できる。特に、顔の長さ方向に著しく高い鼻であって目頭近くまで高い鼻を持った顔に対しても、呼吸用立体空間を違和感なく形成可能となり、より一層に呼吸用立体空間を違和感なく形成可能となる。
(o)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部は平面図における横方向の略中央領域に形成された略二等辺三角形状領域を有し、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の少なくとも両側領域に形成され、人体顔に着用時に前記略二等辺三角形状領域が鼻の突起に対応して少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されてなることを特徴とする構成により、前述の(a)から(l)のそれぞれの作用効果に加えて、特に、次の作用効果が顕著に得られる。
正面から見た一般的な人体顔の鼻の形状は、両目の間を頂点として口方向に拡がった二等辺三角形状である。この鼻の立体形状に合致するように立体形成繊維編成部が略二等辺三角形状領域を有するために、人体顔に着用時に鼻孔と口近辺に呼吸用立体空間を形成され息苦しさを伴うことなく違和感なく楽に呼吸が可能となるとともに、特に、両目の間の近辺の鼻上部の凹凸に対応して顔に隙間を形成しない程度に、密着形成繊維編成部が位置するために、顔とマスクの隙間を通る外気の通過をより防止できる効果がさらに向上する。従って、違和感なく楽に呼吸が可能となるとともに、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気が顔とマスクの隙間から漏れることなく繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる。このようなすべての効果をさらに向上した繊維編成マスクが得られる。
(p)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部は、互いに、同じ繊維により連続して編成されていることを特徴とする構成により、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部とが連続して縫合されるために所定の一つの繊維編成用機械で連続して一貫的に製造可能であり、さらに一層、安価に量産できる繊維編成マスクが得られる。さらに、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部との境界部に縫合接合部などの突起部が存在しないために、顔に着用した時、及び、また、長時間の着用においても、その縫合接合部に起因する着用不快感を防止でき、違和感なく着用できる繊維編成マスクが得られる。
(q)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部は、伸縮可能に形成されてなることを特徴とする構成により、人体顔に着用時に、突起している鼻や口の形状に対応して伸びて、立体的な立体形成繊維編成部を形成することが可能となり、息苦しさを伴うことなく楽に呼吸することがより一層可能となる。さらに、額や頬に対応して収縮して顔に密着する密着形成繊維編成部を形成して、顔とマスクとの隙間を通る外気の通過をより完全に防止可能となる。このように、顔全体に圧迫感なく着用可能であるとともに、さらに、「呼吸用立体空間を介して息苦しさを伴うことなく違和感なく楽に呼吸が可能となると同時に、人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止できる。従って、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。
(r)本発明の繊維編成マスクにおいて、人体顔に着用しない時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有し、前記密着形成繊維編成部は略平面形状を有し、人体顔に着用した時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起を覆うことが可能な立体形状を形成し、前記密着形成繊維編成部は人体顔に密着される略平面形状を形成することを特徴とする構成により、前記それぞれの作用効果に加えて、さらに、次の効果が得られる。
立体形成繊維編成部は、人体顔に着用しない時及び人体顔に着用した時のいずれの形状においても、人体の鼻と口の大突起に対応して鼻と口を覆うことが可能な立体形状を有するため、「立体形成繊維編成部の伸縮性が小さい場合であっても、人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止でき、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。また、特に、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部が伸縮可能に編成された構成においては、人体顔に着用した時には、その人の顔の凹凸形状に合致して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部が伸縮できる。その結果、上記の「人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止でき、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。
(s)本発明の繊維編成マスクにおいて、人体顔に着用しない時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有し、前記密着形成繊維編成部は略平面形状を有し、人体顔に着用した時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起を覆うことが可能な立体形状を形成し、前記密着形成繊維編成部は人体顔に密着される略平面形状を形成するとともに、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は互いに同じ伸縮性を有するように編成されてなり、人体顔に着用した時に、立体形状の前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起を覆うとともに、鼻と口の凹凸形状にも対応するように伸縮した状態で鼻と口を覆う形状を形成し、前記密着形成繊維編成部は伸縮した状態で人体顔に密着される形状を形成することを特徴とする構成により、前記の作用効果において、人体顔に着用しない時における立体形成繊維編成部の形状が人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有するとともに、人体顔に着用した時の形状においても、さらに、人体の鼻と口の大突起の形状に合致して伸縮して鼻と口を覆うことができ、また、密着形成繊維編成部も人体顔に密着される伸縮できる。その結果、上記の「人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止でき、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。
(t)本発明の繊維編成マスクにおいて、人体顔に着用しない時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有し、前記密着形成繊維編成部は略平面形状を有し、人体顔に着用した時の形状において、前記立体形成繊維編成部は人体の鼻と口の突起を覆うことが可能な立体形状を形成し、前記密着形成繊維編成部は人体顔に密着される略平面形状を形成するとともに、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は互いに異なる伸縮性を有するように編成され、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きい伸縮性を有して編成され、人体顔に着用した時に、前記密着形成繊維編成部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に伸縮した状態で密着形成可能な形状を形成し、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を形成することを特徴とする構成により、次の効果が得られる。
人体顔に着用しない時における立体形成繊維編成部の形状が人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有するとともに、人体顔に着用した時の形状においても、密着形成繊維編成部よりも大きく伸縮できて人体の鼻と口の大突起の形状に合致して伸縮して鼻と口を覆って充分な呼吸用立体空間を形成することが可能となり、さらに、密着形成繊維編成部も人体顔の形状に合致して密着される伸縮できる。その結果、上記の「人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止でき、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。
(u)本発明の繊維編成マスクにおいて、人体顔に着用しない時の形状において、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は略平面形状を有し、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は互いに異なる伸縮性を有するように編成され、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きい伸縮性を有して編成され、人体顔に着用した時の形状において、前記密着形成繊維編成部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に密着形成可能な形状を形成し、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を形成することを特徴とする構成により、次の効果が得られる。
人体顔に着用しない時には立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部は略平面形状を有するが、人体顔に着用した時には、立体形成繊維編成部は密着形成繊維編成部よりも大きく伸張して人体の鼻と口の大突起の形状に合致して伸縮して鼻と口を覆って充分な呼吸用立体空間を形成することが可能な形状を有するため、さらに、密着形成繊維編成部も人体顔の形状に合致して密着される伸縮できる。その結果、前述の「人体顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止でき、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。
(v)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも細かく密な網目になるように編まれて編成されてなることを特徴とする構成により、前記それぞれの作用効果に加えて、さらに、次の効果が得られる。
人体顔に着用したときに、立体形成繊維編成部が密着形成繊維編成部よりも細かく密な網目になるように編まれて編成された形状であるため、呼吸時の吐く息及び吸う空気は細かく密な網目に編成された繊維編成マスク本体を通って出入りすることになるために、より一層小さい花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入及び放出が防止可能となる。その結果、前述の「人体顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止でき、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。
(w)本発明の繊維編成マスクにおいて、前記繊維編成マスク本体を左右対称になるように2つに折り重ねた状態の平面図において、前記繊維編成マスク本体は、折重境界線が外側に突出した円弧状線と該円弧状線の両端を結んだ直線とにより囲まれる円弧形状平面部と、前記円弧形状平面部を除く残部形状平面部を有する平面形状を有し、折り重ねた前記繊維編成マスク本体を広げて人体顔に着用した時において、前記円弧形状平面部は、断面が前記折重境界線を頂点とする略三角形の呼吸用立体空間を形成可能な前記立体形成繊維編成部を形成し、前記残部形状平面部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能な前記密着形成繊維編成部を形成することを特徴とする構成により、次の効果が得られる。
製造された繊維編成マスクの製品が包装された場合に、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部とを含む繊維編成マスク本体が突起のない平面形状となるため、包装形態が嵩低くなりコンパクトに包装可能となり、また、複数枚の繊維編成マスクが一緒に包装された場合にも、包装形態が嵩低くなりコンパクトに包装可能となり、包装製品の保管や輸送が容易になる効果が得られる。この効果と同時に、人体顔に着用した時において、繊維編成マスク本体を広げることにより呼吸用立体空間を形成できるために、容易に呼吸できる呼吸用立体空間を確保できる効果も得られる。
(x)繊維に抗菌剤を担持させて前記それぞれの抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程と、前記抗菌性繊維を使用して前記繊維編成マスクを編成する繊維編成マスク編成工程とを備えた抗菌性繊維編成マスの製造方法、の構成により、前述のそれぞれの作用効果を発揮する繊維編成マスクを、量産性良く、容易に製造することができる。
(y)本発明の、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体と、前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、人体顔に着用時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、前記繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクの製造方法であって、繊維に抗菌剤を担持させて抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程と、少なくとも前記抗菌性繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、前記繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程と、を備えた繊維編成マスクの製造方法により、前述の(a)の作用効果を有する繊維編成マスクを、量産性良く、容易に製造することができる作用効果が得られるとともに、さらに、次の作用効果が得られる。
繊維に抗菌剤を担持して抗菌性繊維を調製し、その抗菌性繊維を使用して所定形状の繊維編成マスクを製造することにより、繊維に効率よく抗菌剤を担持させた抗菌性繊維を得ることが可能であり、その抗菌性繊維を使用し、編成して、任意形状の立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部とを有する繊維編成マスクを製造することが可能となる。また、他の抗菌剤を担持した抗菌性繊維を併用して、複数種類の抗菌剤を有する繊維編成マスクを製造することが可能となる。また、使用する繊維の太さ、微細形状、紐状繊維形状等の繊維の種類に最適な抗菌剤を担持する製造方法を選択することにより、所望の性能を有する抗菌性繊維を製造でき、その所望性能を有する抗菌性繊維を使用して編成して所望の性能を有する繊維編成マスクを製造することが可能となる。
また、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部とを互いに異なった構成に容易に編んで編成することができる。例えば、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部とを、立体形状または平面形状、大きい網目密度または小さい網目密度、大きい伸張性または小さい伸張性、などを所望に設計して、編成して、所望の形状構成を有する繊維編成マスクを製造することが可能となる。このように、繊維編成マスクの設計の自由度が広くなる効果が得られる。
(y−1)本発明の繊維編成マスクの製造方法において、前記抗菌剤はヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、ポピドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記抗菌性繊維調製工程は、前記ヨウ素系抗菌剤を溶剤に溶解してヨウ素系抗菌剤含有溶液を調製し、得られたヨウ素系抗菌剤含有溶液と前記繊維を接触して、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を担持したヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維を調製し、その後、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維から前記溶剤を除去して、ヨウ素担持繊維を調製する工程を有することを特徴とする繊維編成マスクの製造方法により、前述の(y)の作用効果を奏する繊維編成マスクを、量産性良く、容易に製造することができる作用効果が得られるとともに、前記(e)、(f)の作用効果を奏する繊維編成マスクが得られる。
特に、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、ポピドンヨードなどのヨウ素系抗菌剤は優れた殺菌、消毒、菌の増殖抑制、菌の活動抑制などの抗菌性能を有するとともに、これらのヨウ素系抗菌剤は所定の溶剤に容易に溶解して均一に溶解されたヨウ素系抗菌剤含有溶液を容易に調製することができ、従って、得られたヨウ素系抗菌剤含有溶液を使用して、繊維とヨウ素系抗菌剤含有溶液とを接触、または、ヨウ素系抗菌剤含有溶液に繊維を浸漬し、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を担持したヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維を調製し、その後、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維から付着した溶剤を加熱・減圧・送風・などの乾燥等による溶剤除去手段により溶剤を除去することにより、ヨウ素系抗菌剤を担持させたヨウ素担持繊維を得ることができる。これにより、均一に、強固に、歩留まり良く、ヨウ素系抗菌剤を繊維に担持させることができ、また、量産性良く、抗菌性繊維を得ることができる。特に、これらのヨウ素系抗菌剤は溶剤に溶けやすく、容易に、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を調製することができる。さらに、この、抗菌性繊維を使用して、編んで編成して、所望の繊維編成マスクを容易に製造できる。
(y−2)本発明の繊維編成マスクの製造方法において、前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、前記抗菌剤はヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、ポピドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記抗菌性繊維調製工程は、前記ヨウ素系抗菌剤を溶剤に溶解してヨウ素系抗菌剤含有溶液を調製し、得られたヨウ素系抗菌剤含有溶液と前記動物繊維を接触して、これにより、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を担持したヨウ素系抗菌剤含有溶液担持動物繊維を調製し、その後、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持動物繊維から前記溶剤を除去して、ヨウ素担持動物繊維を調製する工程を有することを特徴とする繊維編成マスクの製造方法により、前述の(g)及び(y−1)の作用効果を有する繊維編成マスクを、量産性良く、容易に製造することができる作用効果が得られるとともに、さらに、次の作用効果が得られる。
前述の(g)の作用効果で説明したように、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラなどの動物繊維は化学構造的にペプチド基を含有しているため、そのペプチド基とヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤との化学的相互作用により、ヨウ素系抗菌剤が強固に動物繊維に担持されるとともに、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い性質を有する。また、このような動物繊維は顕微鏡的な形状において抗菌剤を保持し易い凹凸のある表面形状を有しているため、また、微細な繊維が互いにからまりあった形状の集合体として編成用繊維を形成しているため、物理的にも担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い。このように、化学的作用と物理的作用との相乗作用効果により、抗菌剤が動物繊維に担持しやすく、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い抗菌性動物繊維が得られる。特に、ヨウ素系抗菌剤を溶剤に溶解したヨウ素系抗菌剤含有溶液と、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどのペプチド基を有する動物繊維とを接触させることにより、動物繊維のペプチド基にヨウ素系抗菌剤が、化学的に強固に担持された抗菌性動物繊維を製造することができる。ヨウ素系抗菌剤含有溶液と動物繊維を接触させる方法としては、特に限定されないが、例えば、ヨウ素系抗菌剤含有溶液の中に動物繊維を浸漬する方法が適用でき、この場合、所定温度に加熱、又は、繊維とヨウ素系抗菌剤含有溶液との接触度を完全にするための減圧脱泡、等の条件下で浸漬する方法により、遊離され難く強固に担持された抗菌性動物繊維が得られる。その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性動物繊維が得られる。
また、このようなヨウ素系抗菌剤を担持したこれらの羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの抗菌性動物繊維は、特別な編成装置を使用することなく、汎用されている公知の編み機を使用して編成して、所望する形状構成の立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスクを製造することができる。
(y−3)また、本発明の繊維編成マスクの製造方法において、前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、前記抗菌剤はヨウ素系抗菌剤であり、前記抗菌性繊維調製工程は、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液の中に前記動物繊維を浸漬して、これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持動物繊維を得る工程と、得られたヨウ素含有溶液担持動物繊維を、前記ヨウ素含有溶液から取り出して後、洗浄剤により洗浄し、これにより、前記ヨウ素含有溶液担持動物繊維からカリウム成分を除去する工程と、洗浄したヨウ素含有溶液担持動物繊維から前記溶媒と前記洗浄剤を除去し、これにより、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素系抗菌剤担持動物繊維を得る工程と、を備えたことを特徴とする繊維編成マスクの製造方法により、前述の(j)及び(x−1)の作用効果を有する繊維編成マスクを、量産性良く、容易に製造することができる作用効果が得られるとともに、さらに、次の作用効果が得られる。
ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液の中に、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどのペブチド基を有する動物繊維とを接触させることにより、動物繊維のペブチド基にヨウ素またはヨウ素イオンが、化学的に強固に担持された抗菌性動物繊維を製造することができる。その結果、優れた抗菌作用を発揮するとともに、さらに、水分や高湿度雰囲気中においても、その抗菌作用が長期間維持できる抗菌性動物繊維が得られる。また、このようなヨウ素系抗菌剤を担持したこれらの羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの抗菌性動物繊維は、特別な編成装置を使用することなく、汎用されている公知の編み機を使用して編成して、所望する形状構成の立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスクを製造することができる。
(y−4)また、本発明の繊維編成マスクの製造方法において、さらに、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、木綿、麻、リンネル、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維を準備する工程を有し、前記マスク本体編成工程は、前記抗菌性繊維と前記無抗菌性繊維を使用して、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を混紡して編成して調製する工程を有することを特徴とする繊維編成マスクの製造方法により、前述の(l)及び(y−1)の作用効果を有する繊維編成マスクを、量産性良く、容易に製造することができる作用効果が得られるとともに、さらに、次の作用効果が得られる。
抗菌剤を担持した抗菌性繊維はその抗菌性繊維に特有の、前述で説明したような作用効果を有し、その抗菌性繊維に特有の物性を有しているために、編成されたマスクの物性も使用する抗菌性繊維の物性に左右されるが、本構成の抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維と混紡することにより、所望の物性を有する繊維編成マスクを容易に製造することが可能となり、繊維編成マスクの設計の幅が広くなる効果が得られる。
例えば、ヨウ素系抗菌剤を担持した動物繊維と、ポリエステル繊維製の無抗菌性繊維とポリウレタン繊維製の無抗菌性繊維を使用して、これらの抗菌性動物繊維とポリエステル繊維製無抗菌性繊維とポリウレタン製無抗菌性繊維製の混紡により編成された繊維編成マスクは、前述の作用効果を有するとともに、さらに、ポリエステル繊維製無抗菌性繊維とポリウレタン製無抗菌性繊維に固有の性質を発揮する繊維編成マスクを製造することが可能となる。 従って、抗菌性繊維の種類と、無抗菌性繊維の種類とを選択して使用することにより、所望の性質を有する繊維編成マスクを容易に製造できる。
(y−5)また、本発明の繊維編成マスクの製造方法において、繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、少なくとも前記繊維編成マスク本体に抗菌剤を担持させて抗菌性を有する繊維編成マスク本体を調製する工程と、を備えた繊維編成マスクの製造方法により、繊維編成マスクの形状構成に対応した前述の(a)から(w)の作用効果を奏する繊維編成マスクが得られるとともに、繊維編成マスク本体の全領域にわたって抗菌剤を均一に担持させた繊維編成マスク本体を容易に得ることが可能となり、優れた抗菌性能を発揮できる繊維編成マスクを製造できる。
(y−6)また、本発明の繊維編成マスクの製造方法において、前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、前記抗菌剤はヨウ素系抗菌剤であり、前記繊維編成マスク本体を調製する工程は、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液に前記繊維編成マスク本体を浸漬して、これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体を得る工程と、得られたヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体を、前記ヨウ素含有溶液から取り出して後、洗浄剤により洗浄し、これにより、前記ヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体からカリウム成分を除去する工程と、洗浄したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体から前記溶媒と前記洗浄剤を除去し、これにより、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素系抗菌剤担持繊維編成マスク本体を得る工程と、を備えたことを特徴とする繊維編成マスクの製造方法により、繊維編成マスクの形状構成に対応した前述の(a)から(w)、及び、(y−3)の作用効果を奏する繊維編成マスクが得られるとともに、繊維編成マスク本体の全領域にわたって抗菌剤を均一に担持させた繊維編成マスク本体を容易に得ることが可能となり、優れた抗菌性能を発揮できる繊維編成マスクを製造できる。
本発明にかかる繊維編成マスクの一実施形態の概略構成図であり、(a)は人体に着用する前の繊維編成マスクの概略平面図であり、(b)は人体顔に着用した時の繊維編成マスクと顔の概略構成説明図である。 本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図であり、(a)は人体に着用する前の繊維編成マスクの概略平面図であり、(b)は人体顔に着用した時の繊維編成マスクと顔の概略構成説明図である。 本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図であり、(a)は人体に着用する前の繊維編成マスクの概略平面図であり、(b)は人体顔に着用した時の繊維編成マスクと顔の概略構成説明図である。 本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図であり、(a)は繊維編成マスクを構成する繊維編成マスク本体の平面図、(b)と(c)は断面図である。 本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図であり、(a)は繊維編成マスクを構成する繊維編成マスク本体の平面図、(b)と(c)は断面図である。 本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図であり、(a)は繊維編成マスクを構成する繊維編成マスク本体の平面図、(b)と(c)は断面図、(d)は折重ねた時の繊維編成マスク本体の平面図である。
(実施形態1)
本発明にかかる繊維編成マスクの一実施形態の概略構成図が図1に示される。図1の(a)は人体に着用する前の繊維編成マスクの概略平面図であり、図1の(b)は人体顔に着用した時の繊維編成マスクと顔の概略説明図であり、太点線は人体顔の模式図を示し、実線は繊維編成マスクを示す。図1(a)において、繊維編成マスク1は、人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスクであって、繊維編成マスク1は繊維編成マスク本体2と繊維編成マスク本体2に連結された一対の耳掛部3を備える。繊維編成マスク本体2は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22を有する。図1(b)に示されるように、人体顔に着用時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されている。なお、図1(b)において、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部の境界は細点線により示される。
繊維編成マスク本体2において、人体顔に着用時に人体の鼻孔と口を覆って装着する部分に、呼吸用立体空間を形成可能に編成されて立体形成繊維編成部21が形成されている。人体の顔に着用したときに、立体形成繊維編成部21が鼻孔または口に密着して呼吸が妨げられるという現象が抑制されて、呼吸用立体空間を介して息苦しさを伴うことなく違和感なく楽に呼吸が可能となる。密着形成繊維編成部22は人体顔との隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されている。人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止できる。従って、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体2の立体形成繊維編成部21を透過して出入りすることが可能となる。その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる。
繊維編成マスク本体1は繊維を編むことにより形成されている。繊維の種類、編み方法、編み形状、等を選択することにより、形状・物性・伸縮性・その他性質等の所望する性質を有する立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22を設計構成した繊維編成マスク1が容易に得られる。このような所望する性質を有する繊維編成マスク本体2を繊維編成用機械を使用して容易に量産可能であり、大量生産により安価に市場に供給できる繊維編成マスクが得られる。
繊維の種類としては、動物繊維、植物繊維、化学繊維等が使用可能である。動物繊維としては羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、その他の動物の羽毛により製造された繊維が使用できる。植物繊維としては、木綿、麻、リンネル、その他の植物により製造された繊維が使用できる。化学繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、ポリオレフィン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、テンセル繊維、ポリ塩化ビニル繊維、牛乳や大豆などの再生タンパク繊維、その他の人工的に合成又は再生されて製造された繊維が使用できる。
使用する繊維の形態としては、所定の繊維原材料を所望太さに集合して形成された連続繊維が使用される。編み方法としては、特に限定されることなく任意の編み方法が適用可能である。例えば、経編み又は緯編みなどが適用され、横編み機、丸編み機、その他の公知の編み機、等が使用される。また、これらのいずれかの編み機に分類される平編機、ゴム編機、両面編機、両頭編機等が使用される。編まれて編成されたマスクの形態としては、所定の網目大きさ、網目形状、所定の伸縮度合いを有する伸縮可能なゴム形態、等を有する繊維編成マスクが適用できる。
繊維編成マスク本体2の形状は、特に限定されることなく、略四角形、楕円、多角形などの任意の形状が適用できる。例えば、図1(a)に示されるように、繊維編成マスク本体2の形状が四角形であって、その中央部に立体形成繊維編成部21が形成され、その立体形成繊維編成部21の周囲領域に密着形成繊維編成部22が形成されている。この形状においては、図1(b)に示されるように、人体の顔に着用したときに、鼻孔と口を覆う位置に立体形成繊維編成部21が位置し、鼻と目との境界近辺に密着形成繊維編成部22の上領域が位置し、口の下側近辺に密着形成繊維編成部22の下領域が位置し、顔の頬の位置に密着形成繊維編成部22の両側領域が位置する。すなわち、鼻と口を覆う位置に容易に呼吸可能な立体形状を形成する立体形成繊維編成部21が形成されるとともに、その立体形成繊維編成部21の周囲領域に密着形成繊維編成部22が形成されて、その密着形成繊維編成部22が鼻上領域、口下領域、及び、鼻口の両側領域の顔頬に密着して装着される。
一対の耳掛部3は、繊維編成マスク本体2の両側の左右対称の位置に連結されて構成されている。この一対の耳掛部3が人体の耳に引っかけられ、繊維編成マスク本体2の立体形成繊維編成部21が鼻口を覆う位置になるような状態で繊維編成マスク1が人顔に装着されて使用される。耳掛部3は繊維編成マスク本体2に直接に固定された構成、または、耳掛部3が連結部材により繊維編成マスク本体2に連結された構成などが実施可能である。例えば、これらが直接に固定される構成の場合、所定の繊維により編まれて互いに固定連結された構成、接着剤の使用により互いに固定連結された構成などが使用出来る。連結部材が使用される構成の場合、連結部材としては、互いに凹凸形状を有してそれぞれの凹凸が互いに絡み合って脱着自在に構成された連結部材、ボタンなどの脱着自在に構成された連結部材などが使用出来る。
繊維編成マスク本体2は繊維により編まれた構成であるために、人体に装着されて使用された後においても、洗濯による変形や破損が生じることなく、繊維編成マスク本体2に付着した汚染物質を洗濯などにより除去して、繰り返し使用が可能であり、使い捨てることなく経済的および環境的に有利な繊維編成マスクが得られる。
本実施形態の繊維編成マスク本体2において、例えば、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部21は、互いに、同じ繊維により連続して編成されている構成の繊維編成マスク1が使用可能である。立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部21とを編んでいく場合、同じ繊維を使用して連続して編んで繊維編成マスク本体2が編成された構成の繊維編成マスク1が使用可能である。また、複数種類の繊維を使用して編成する場合にも、その複数種類の同じ繊維を使用して立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部21とを編んで、繊維編成マスク1を形成した構成が可能である。
本実施形態の繊維編成マスク本体2において、例えば、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22は、伸縮可能に形成されてなる構成の繊維編成マスク1が使用可能である。伸縮可能に形成して繊維編成マスク本体2を構成する方法としては、ゴム編方法のように編み方を選択することにより伸縮可能に編成する方法、および、使用する繊維自体が伸縮可能な繊維を使用する方法が適用できて、設計により選択可能である。
立体形成繊維編成部22が伸縮可能に編成された構成においては、人体顔に着用時に、突起している鼻や口の形状に対応して伸びて立体的な立体形成繊維編成部22を形成することが可能となる。さらに、密着形成繊維編成部21が伸縮可能に編成された構成においては、鼻と目の間の領域、口の下領域、鼻口の両側の頬に対応して収縮して顔に密着する密着形成繊維編成部を形成して、顔とマスクとの隙間を通る外気の通過をより完全に防止可能となるように構成できる。
なお、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22は、繊維の編成により、全方向のうちの少なくとも一方向に110%から800%までの範囲で所定の伸縮割合で伸縮可能に編成されてなることが望ましい。前記立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部は、繊維の編成により、全方向のうちの少なくとも一方向に110%から800%までの範囲であって所定の伸縮割合で伸縮可能に編成されてなることを特徴とする構成により、前述の(c)項で説明した作用効果がさらに一層向上した繊維編成マスクが得られる。伸縮割合が110%未満の場合には、これらの効果が若干に劣る場合がある。また、伸縮割合が800%を超える場合には、編成された立体形成繊維編成部が伸びた状態の時に、網目が粗くなり、その粗くなった網目の立体形成繊維編成部を花粉、塵埃、ウイルス、病原菌などが透過してしまう傾向があり、上記効果が若干に劣る場合がある。
本実施形態の繊維編成マスクにおいて、例えば、人体顔に着用した時に、密着形成繊維編成部22は、鼻孔と口の周囲領域に加えて、更に、人体顔の顎を覆って人体顔に密着可能な程度の伸縮性を有するように編成されてなる構成も使用可能である。この構成においては、密着形成繊維編成部22の人体顔の顎を覆う部分が、人体に密着するように形成されている。特に、密着形成繊維編成部22が伸縮可能に編成されている構成において、人密着形成繊維編成部22が人体の顔と顎の凹凸に対応して伸縮し、人体の顔顎に密着する。
この構成において、密着形成繊維編成部が人体顔の顎を覆って人体顔に密着可能な程度の伸縮性を有するように編成して形成されているために、人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止でき、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間がら漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となり、その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる」という作用効果がさらに著しく向上した繊維編成マスクが得られる。特に、本繊維編成マスクが繊維の編成により構成されているため、繊維の種類、編み方法、編み形状、等の繊維の編成を選択することにより、所望の形状および伸縮度合を有する密着形成繊維編成部を構成した繊維編成マスクが得られる。
また、本実施形態の繊維編成マスク本体2において、例えば、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22が、伸縮性のないように編成されるとともに、立体形成繊維編成部21が少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に立体的に編成され、また、密着形成繊維編成部が人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されている構成も実施可能である。
本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を構成した実施形態については後述する。
(実施形態2)
本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図が図2に示される。図2の(a)は人体に着用する前の繊維編成マスクの概略平面図であり、図2の(b)は人体顔に着用した時の繊維編成マスクと顔の概略説明図である。図2において、繊維編成マスク1は繊維編成マスク本体2と繊維編成マスク本体2に連結された一対の耳掛部3を備える。繊維編成マスク本体2は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22を有する。人体顔に着用時に、立体形成繊維編成部21は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、密着形成繊維編成部22は鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されている。図1の繊維編成マスク1と比較して異なる構成は、図2に示される繊維編成マスク1において、特に、立体形成繊維編成部21は繊維編成マスク本体2の横方向の略中央領域に形成され、密着形成繊維編成部22は立体形成繊維編成部21の両側領域に形成されてなる。
本実施形態において、その他の構成は、前述の実施形態1で説明した構成と同じ構成が実施可能であり、また、前述の実施形態1で説明した変形例が実施可能である。
また、本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。
(実施形態3)
本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図が図3に示される。図3の(a)は人体に着用する前の繊維編成マスクの概略平面図であり、図3の(b)は人体顔に着用した時の繊維編成マスクと顔の概略説明図である。図3において、繊維編成マスク1は繊維編成マスク本体2と繊維編成マスク本体2に連結された一対の耳掛部3を備える。繊維編成マスク本体2は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22を有する。人体顔に着用時に、立体形成繊維編成部21は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、密着形成繊維編成部22は鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されている。図1と図2の繊維編成マスク1と比較して異なる構成は、図3に示される繊維編成マスク1において、特に、立体形成繊維編成部21は平面図における横方向の略中央領域に形成された略二等辺三角形状領域を有し、密着形成繊維編成部22は立体形成繊維編成部21の少なくとも両側領域に形成され、人体顔に着用時に前記略二等辺三角形状領域が鼻の突起に対応して少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されてなる。
本実施形態において、その他の構成は、前述の実施形態1で説明した構成と同じ構成が実施可能であり、また、前述の実施形態1で説明した変形例が実施可能である。
また、本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。
(実施形態4)
本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図が図4に示され、(a)は繊維編成マスクを構成する繊維編成マスク本体の平面図であり、(b)はAA線の断面図であり、(c)はBB線の断面図である。図4において、繊維編成マスク本体2は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22を有する。人体顔に着用しない時の形状において、立体形成繊維編成部21は人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有し、密着形成繊維編成部22は略平面形状を有する。人体顔に着用した時の形状において、立体形成繊維編成部21は人体の鼻と口の大突起を覆うことが可能な立体形状を形成し、密着形成繊維編成部22は人体顔に密着される略平面形状を形成する。そして、人体顔に着用時に、立体形成繊維編成部21は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、密着形成繊維編成部22は鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されている。
すなわち、本実施形態の繊維編成マスクにおいて、図4の(b)、(c)に示されるように、人体顔に着用しない時の形状において、立体形成繊維編成部21は人体の鼻と口の突起に対応する立体形状を有し、また、密着形成繊維編成部22は人体顔に密着される程度の略平面形状を有する。
また、立体形成繊維編成部21の鼻孔を覆う領域は、鼻の形状に合致するように、上領域を頂点とする略三角形の形状を有する形状が実施できる。
この構成において、立体形成繊維編成部21が伸縮性を有する構成、立体形成繊維編成部21が伸縮性を有さない構成、密着形成繊維編成部22が伸縮性を有する構成、密着形成繊維編成部22が伸縮性を有さない構成、などのそれぞれの構成の組み合わせにより、繊維を使用して編成された繊維編成マスクが実施可能である。
本実施形態において、その他の構成は、前述の実施形態1で説明した構成と同じ構成が実施可能であり、また、前述の実施形態1で説明した変形例が実施可能である。
また、本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。
図4に示される繊維編成マスクにおいて、特に、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22は互いに同じ伸縮性を有するように編成されてなり、人体顔に着用した時に、立体形状の立体形成繊維編成部21は人体の鼻と口の突起を覆うとともに、鼻と口の凹凸形状にも対応するように伸縮した状態で鼻と口を覆う形状を形成し、密着形成繊維編成部21は伸縮した状態で人体顔に密着される形状を形成する繊維編成マスクが実施可能である。このような構成において、前述の実施形態1で説明した構成および変形例が実施可能である。また、本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。
図4に示される繊維編成マスクにおいて、特に、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22は互いに異なる伸縮性を有するように編成され、立体形成繊維編成部21が密着形成繊維編成部22よりも大きい伸縮性を有して編成され、人体顔に着用した時に、密着形成繊維編成部22が鼻孔と口の周囲領域の顔に伸縮した状態で密着形成可能な形状を有し、立体形成繊維編成部21が密着形成繊維編成部22よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を有する繊維編成マスクが実施可能である。このような構成において、前述の実施形態1で説明した構成および変形例が実施可能である。また、本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。
(実施形態5)
本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図が図5に示され、(a)は繊維編成マスクを構成する繊維編成マスク本体の平面図であり、(b)はCC線の断面図であり、(c)はDD線の断面図である。図5において、繊維編成マスク本体2は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22を有する。人体顔に着用しない時の形状において、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22は略平面形状を有し、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22は互いに異なる伸縮性を有するように編成され、立体形成繊維編成部21は密着形成繊維編成部21よりも大きい伸縮性を有して編成され、人体顔に着用した時の形状において、密着形成繊維編成部22は鼻孔と口の周囲領域の顔に密着形成可能な形状を形成し、立体形成繊維編成部21は密着形成繊維編成部22よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を形成するように構成されている。
すなわち、本実施形態の繊維編成マスクにおいて、図5の(b)、(c)に示されるように、人体顔に着用しない時の形状において、立体形成繊維編成部21と密着形成繊維編成部22は略平面形状を有し、さらに、立体形成繊維編成部21は密着形成繊維編成部21よりも大きい伸縮性を有して編成されている。
本実施形態において、その他の構成は、前述の実施形態1で説明した構成と同じ構成が実施可能であり、また、前述の実施形態1で説明した変形例が実施可能である。また、本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。
(実施形態6)
本実施形態における繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5において、立体形成繊維編成部21が密着形成繊維編成部22よりも細かく密な網目になるように編まれて編成されて構成されている。この構成により、繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、立体形成繊維編成部が密着形成繊維編成部よりも細かく密な網目になるように編まれて編成されている。
(実施形態7)
本発明にかかる繊維編成マスクの他の実施形態の概略構成図が図6に示され、(a)は繊維編成マスクを構成する繊維編成マスク本体の平面図であり、(b)はEE線の断面図であり、(c)はFF線の断面図であり、(d)はFF線で折重ねた時の繊維編成マスク本体の平面図である。図6において、(d)の繊維編成マスク本体2を左右対称になるように2つに折り重ねた状態の平面図において、繊維編成マスク本体2は、折重境界線が外側に突出した円弧状線21dと円弧状線21dの両端を結んだ直線とにより囲まれる円弧形状平面部21eと、円弧形状平面部21eを除く平面形の状残部形状平面部を有し、その残部形状平面部が密着形成繊維編成部22を形成する。そして、折り重ねた前記繊維編成マスク本体2を広げて人体顔に着用した時において、円弧形状平面部21eは、断面が折重境界線を頂点とする略三角形の呼吸用立体空間を形成可能な立体形成繊維編成部21を形成し、残部形状平面部は鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能な密着形成繊維編成部22を形成する。
本実施形態において、その他の構成は、前述の実施形態1で説明した構成と同じ構成が実施可能であり、また、前述の実施形態1で説明した変形例が実施可能である。
また、本実施形態において、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクも実施可能である。
(実施形態8)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスクにおいて、構成される繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、その抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有する。そして、その抗菌性繊維を有する繊維編成マスクを人体顔に着用した時に、抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする構成を有する繊維編成マスクである。
前述の作用効果の項で説明したように、繊維としては、特に限定されることなく、動物繊維、植物繊維、化学繊維が使用できる。動物繊維としては、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどが使用できる。植物繊維としては、木綿、麻、リンネルなどが使用できる。化学繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン繊維、レーヨン、ポリオレフィン繊維などが使用できる。
抗菌剤としては、ウイルス、細菌、カビ、バクテリアなどの人間に病気を引き起こす原因となる病原菌を、死滅、増殖抑制、活性弱体化、等の作用を有する物質が使用でき、特に限定されることなく、例えば、(イ)ヨウ素、塩素などのイオン、分子、化合物、(ロ)銀、銅などのイオン、分子、化合物、(ハ)ヒノキチオール、カテキン、フィトンチッドなどの天然植物から抽出した天然系抗菌剤、(ニ)医薬品として使用されている抗生物質、などが使用できる。但し、これらの抗菌剤を使用する場合には、人体の健康を害しないことが充分に確認され、また、法令に遵守して使用する必要がある。
カテキンは緑茶から抽出される天然系抗菌剤であり、ヒノキチオールは天然のシダーやヒバから抽出される天然系抗菌剤であり、フィトンチッドは植物から抽出されるテルペノイドに含まれる。例えば、繊維をヨウ素を含む物質の溶液に浸漬、水洗、乾燥することにより、ヨウ素を担持した抗菌性繊維が得られる。また、繊維を、カテキン溶液又はヒノキチオール溶液に浸漬、水洗、乾燥することにより、カテキン又はヒノキチオールを担持した抗菌性繊維が得られる。また、繊維を銀化合物または銅化合物の溶液中に浸漬、水洗、乾燥することにより、銀イオン又は銅イオンを担持した抗菌性繊維が得られる。この抗菌性繊維を編成して繊維編成マスクを得ることができる。
(実施形態9)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスク、および、実施形態8の抗菌性を奏する繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、人体顔に着用した時に、前記抗菌性動物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする繊維編成マスクである。
抗菌剤としては、前述の、ウイルス、細菌、カビ、バクテリアなどの人間に病気を引き起こす原因となる病原菌を、死滅、増殖抑制、活性弱体化、等の作用を有する物質が使用できる。
本実施形態の繊維編成マスクにおいて、特に、動物繊維としては、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどが使用され、人体顔に着用した時に、前記抗菌性動物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する。このような動物繊維は前述の作用効果の項で説明したように、化学的作用と物理的作用との相乗効果により、抗菌剤が動物繊維に担持しやすく、また、担持された抗菌剤が動物繊維から遊離され難い抗菌性動物繊維が得られ、この抗菌性動物繊維を含有する繊維編成マスクが得られる。
(実施形態10)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスク、および、実施形態8、9の抗菌性を奏する繊維編成マスクにおいて、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物などのヨウ素系抗菌剤が担持された抗菌性繊維が構成された繊維編成マスクである。
例えば、ヨウ素系抗菌剤が担持された抗菌性繊維としては、例えば、(イ)アミド基などの官能基を有する繊維の官能基にヨウ素イオンまたは三ヨウ化物イオンが対イオンとして付加体を形成した抗菌性繊維、(ロ)アミド基などの官能基を有する繊維の官能基に三ヨウ化物イオンと分子ヨウ素とがポリヨウ素の形態を呈して対イオンとして付加体を形成した抗菌性繊維、(ハ)官能基を有する繊維に分子ヨウ素、ジヨウドメチル−P−トリスルホン、ヨウドメチル−p−トリスルホンまたはヨウドスルホニルベンゼン誘導体などのヨウ素化合物を担持した抗菌性繊維、(ニ)微細な繊維が互いにからまりあった形状の集合体として繊維に物理的に分子ヨウ素または上記のヨウ素化合物を担持した抗菌性繊維、等が実施できる。
ヨウ素系抗菌剤が担持された抗菌性繊維を調製する方法としては、例えば、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素/ヨウ化カリウム溶液、又は、ヨウ素/ヨウ化水素水溶液の中に繊維を浸漬する方法、繊維に上記のヨウ素含有溶液をシャワー状に塗布する方法、繊維にヨウ素の蒸気を接触させる方法、繊維の上に配置されたヨウ素粉末から揮散するヨウ素蒸気を繊維に接触させる方法、などの方法によって、ヨウ素系抗菌剤を担持した抗菌性繊維を得ることができる。また、ヨウ素をジクロロメタン、クロロホルム、メタノール、水、などの溶媒に溶解した溶液中に繊維を浸漬し、そこに、ヨウ化水素酸を加える方法によってヨウ素系抗菌剤を担持した抗菌性繊維を得ることができる。繊維に担持させるヨウ素系抗菌剤の量は、繊維の単位重量当たり、約1重量%〜約30重量%の範囲が好ましく使用される。
(実施形態11)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスク、および、実施形態8、9の抗菌性を奏する繊維編成マスクにおいて、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤が担持された抗菌性繊維が構成された繊維編成マスクである。
ポピドンヨードは1−ビニル−2−ピロリドンの重合物とヨウ素の複合体であり、日本薬局方にも掲載されている医薬品であって、通常、水溶液またはアルコール溶解されて外用消毒剤等として使用されている。本実施形態においては、例えば、ポピドンヨードと純水、メタノール、又はエタノールとの混合溶液の中に、繊維を浸漬し、その後、ポピドンヨウド溶液を担持したポピドンヨウド溶液担持繊維を混合溶液から取り出して、水洗して、溶媒を除去し、そして、溶媒や水分を除去乾燥して、抗菌性繊維が調製され、このようにして得た抗菌性繊維を使用して、所定のマスク形状に編まれて編成して繊維編成マスクが製造される。
または、前述のポピドンヨードの混合溶液の中に、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスク本体を浸漬し、その後、ポピドンヨウド溶液を担持したポピドンヨウド溶液担持繊維編成マスク本体を混合溶液から取り出して、水洗して、溶媒を除去し、そして、溶媒や水分を除去乾燥して、繊維編成マスクが製造される。
(実施形態12)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から暹ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基とが化学的相互作用により複合化されて前記抗菌性動物繊維を形成してなる構成を有する。そして、人体顔に着用した時に、前記抗菌性動物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクである。ここで、前述の実施形態9で説明した抗菌性動物繊維が構成され、前述の実施形態10で説明したヨウ素系抗菌剤が構成される。
なお、動物繊維はタンパク質のペプチド基を有し、化学構造式において、ペプチド基はアミド基を有する。従って、動物繊維はアミド基を有する繊維であるとも言える。
(実施形態13)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維を有し、前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記ポリアミド系繊維のアミド基が化学的な相互作用により複合化されて前記抗菌性化学繊維を形成してなる構成を有する。そして、人体顔に着用した時に、前記抗菌性化学繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクである。ここで、ポリアミド系繊維としては、6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロン、11−ナイロン、610−ナイロン、46−ナイロン、その他のナイロンなどの化学構造式において分子中にアミド基を含有する繊維などが使用される。また、前述の実施形態10で説明したヨウ素系抗菌剤が構成される。
(実施形態14)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、植物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性植物繊維を有し、前記植物繊維としては、木綿、麻、リンネルなどが使用され、前記抗菌剤としては、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、ポピドンヨード、などのヨウ素系抗菌剤が使用され、前記ヨウ素系抗菌剤と前記植物繊維の物理的な相互作用により複合化されて前記抗菌性植物繊維を形成して構成される。そして、人体顔に着用した時に、前記抗菌性植物繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクである。ここで、前述の実施形態10と実施形態11で説明したヨウ素系抗菌剤が構成される。
(実施形態15)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、(a)動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維、(b)化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維、及び、(c)植物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性植物繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌性繊維を有する。前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、前記植物繊維は、木綿、麻、及び、リンネルからなる群から選ばれる少なくともひとつの植物繊維である。前記抗菌剤は、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤であり、前記ヨウ素系抗菌剤と前記繊維の相互作用により複合化されて前記抗菌性繊維を形成してなる構成である。そして、人体顔に着用した時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクである。
ここで、抗菌性動物繊維としては、前述の実施形態9で説明した抗菌性動物繊維が構成される。抗菌性化学繊維としては、実施形態13で説明した抗菌性化学繊維が構成される。抗菌性植物繊維としては、実施形態14で説明した抗菌性植物繊維が構成される。ポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤としては、実施形態11で説明したヨウ素系抗菌剤が構成される。
(実施形態16)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスクにおいて、前記繊維は、少なくとも、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ等のペプチド基を有する動物繊維に、抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有する。そして、抗菌性動物繊維としては、この動物繊維のペプチド基とヨウ素を溶解したヨウ化カリウム溶液との化学的相互作用により生成された抗菌性動物繊維が構成される。
ここで、抗菌性動物繊維としては、ヨウ素を溶解したヨウ化カリウム水溶液、または、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶解可能な溶剤に溶解したヨウ化カリウム溶液に、所定の動物繊維を浸漬し、その後、水洗して、乾燥して得られた抗菌性動物繊維が使用される。または、ヨウ素を溶解したヨウ化カリウム水溶液、または、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶解可能な溶剤に溶解したヨウ化カリウム溶液に、前述の実施形態1、2、3、4、5、6、7の繊維編成マスクを浸漬し、その後、水洗して、乾燥して得られた繊維編成マスクが適用できる。
具体的方法しては、例えば、繊維として、市販されている羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ等のそれぞれの繊維(繊維の推測太さは約10μm〜約50μm)であって、長さが約1cm〜5cmの繊維を使用し、それぞれの約1gの繊維を、50mlの0.1Nヨウ素/ヨウ化カリウム溶液に950mlの純水を加えた溶液中に浸漬し、約1時間浸漬した後、繊維を溶液中から取り出して、流水により充分に洗浄し、その後、熱風乾燥により繊維に含有されている水分を除去して、ヨウ素系抗菌剤を担持したそれぞれの抗菌性動物繊維を得ることができる。約1gの繊維に担持されるヨウ素系抗菌剤は約0.05g〜約0.3gであり、また、褐色に着色した抗菌性動物繊維が得られる。このようにして得た抗菌性動物繊維は、約5回の水洗洗濯を繰り返しても、その重さ及び着色度に変化はなく、水洗洗濯に対して十分な抗菌耐久性を維持する。この場合、繊維に担持されるヨウ素系抗菌剤の種類は、明確に特定していないが、ヨウ素分子、ヨウ素イオン、三ヨウ化物イオンなどの形態で繊維に担持されているものと推測される。
(実施形態17)
本実施形態の繊維編成マスクは、前述の実施形態8から実施形態16の繊維編成マスクにおいて、前記繊維として、前述の実施形態8から実施形態16の抗菌性繊維と、さらに、抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維との双方の繊維を含有する構成である。
前記無抗菌性繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、木綿、麻、リンネル、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの無抗菌性繊維であり、前記抗菌性繊維と前記無抗菌性繊維とが混紡状態で織られて編成されてなる構成を有する繊維編成マスクである。
例えば、羊毛にヨウ素イオンを担持した抗菌性羊毛繊維と、無抗菌性ポリアミド繊維と無抗菌性ポリウレタン繊維と無抗菌性ポリエステル繊維を使用して混紡編成した繊維編成マスクが構成される。または、ポリアミド繊維にヨウ素イオンを担持した抗菌性ポリアミド繊維と無抗菌性木綿と無抗菌性ポリエステル繊維を使用して混紡編成した繊維編成マスクが構成される。
(実施形態18)
本実施形態の繊維編成マスクの製造方法は、繊維に抗菌剤を担持させて抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程と、少なくとも前記抗菌性繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、前記繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程と、を備えた繊維編成マスクの製造方法である。
繊維に抗菌剤を担持させて抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程としては、前述の実施形態8から実施形態16において説明したそれぞれの形態の抗菌性繊維が調製される。その後、これらの抗菌性繊維を使用して、前述の実施形態1から実施形態7において説明したそれぞれの形態の繊維編成マスク本体が編まれて編成して調製される。そして、実施形態1の中で説明した方法により、その繊維編成マスク本体に耳掛部が連結されて、繊維編成マスクが製造される。
(実施形態19)
前述の実施形態18において、抗菌剤として、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、ポピドンヨード、などのヨウ素系抗菌剤が使用される。そして、そのヨウ素系抗菌剤を溶剤に溶解してヨウ素系抗菌剤含有溶液を調製する。溶剤としては、特に限定されなく、ヨウ素系抗菌剤を溶解可能な液体が使用され、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、アルコール、水などが使用可能であり、これらの溶液中において、ヨウ素系抗菌剤はイオンまたは分子の形態で存在する。得られたヨウ素系抗菌剤含有溶液と繊維を接触して、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を担持したヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維を調製する。ヨウ素系抗菌剤含有溶液と繊維との接触方法としては、特に限定されなく、例えば、ヨウ素系抗菌剤含有溶液の中に繊維を浸漬する方法、繊維にシャワー状のヨウ素系抗菌剤含有溶液をあてて接触させる方法、などが使用される。これにより、ヨウ素系抗菌剤含有溶液が繊維に担持され。その後、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維から溶剤成分のみを除去して、ヨウ素イオンまたは分子ヨウ素等のヨウ素成分のみを担持したヨウ素担持繊維を調製する。ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維から溶剤成分のみを除去する方法としては、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維を水またはアルコールなどの洗浄液の中に浸漬接触、または、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維にシャワー状の洗浄液を噴射接触、等により、繊維に担持されている溶剤成分を洗浄液成分に置換し、その後、熱風乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、等の乾燥手段により、繊維に担持されている洗浄液成分を除去して、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素担持繊維を調製する。または、洗浄液を使用することなく、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持繊維を熱風乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、等の乾燥手段により、繊維に担持されている溶剤成分のみを除去する方法により、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素担持繊維を調製する。このようにして調製した抗菌性繊維を使用して、前述の実施形態1から実施形態7において説明したそれぞれの形態の繊維編成マスク本体が編まれて編成して調製される。そして、実施形態1の中で説明した方法により、その繊維編成マスク本体に耳掛部が連結されて、繊維編成マスクが製造される。
なお、繊維としては、特に限定されることなく、動物繊維、植物繊維、化学繊維などが使用可能である。
(実施形態20)
前述の実施形態18において、繊維として、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維が使用され、また、抗菌剤として、実施形態19で説明したヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、ポピドンヨード、等のヨウ素系抗菌剤が使用される。そして、この動物繊維とヨウ素系抗菌剤を使用して、実施形態19で説明した製造方法と同じようにして、繊維編成マスクが製造される。
(実施形態21)
前述の実施形態18において、繊維として、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維が使用され、また、抗菌剤として、ヨウ素系抗菌剤が使用される。具体的製造方法としては、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液を調製し、このヨウ素含有溶液の中に動物繊維を浸漬する。溶媒としては、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶解可能な溶媒が使用され、特に限定されないが例えば水が使用可能である。これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持動物繊維が得られる。得られたヨウ素含有溶液担持動物繊維をヨウ素含有溶液から取り出し、その後、洗浄剤により洗浄する。洗浄剤としては、使用した溶剤と相互に混ざり合うことができるとともにカリウム成分を溶解できる洗浄剤が使用可能であり、例えば、水を使用して洗浄する。これにより、ヨウ素含有溶液担持動物繊維からカリウム成分を除去する。その後、洗浄したヨウ素含有溶液担持動物繊維から溶媒と洗浄剤を除去する。溶媒と洗浄剤を除去する方法としては、例えば、熱風乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、等の乾燥手段が使用可能である。これにより、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素系抗菌剤担持動物繊維が得られる。そして、このヨウ素系抗菌剤担持動物繊維を使用して、前述の実施形態1から実施形態7において説明したそれぞれの形態の繊維編成マスク本体が編まれて編成して調製される。そして、実施形態1の中で説明した方法により、その繊維編成マスク本体に耳掛部が連結されて、繊維編成マスクが製造される。この場合、前述の実施形態16において説明したように、繊維に担持されるヨウ素系抗菌剤の種類は、明確に特定していないが、ヨウ素分子、ヨウ素イオン、三ヨウ化物イオンなどの形態で繊維に担持されているものと推測される
(実施形態22)
本実施形態の繊維編成マスクの製造方法は、抗菌剤を担持した抗菌性繊維と、抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維とを使用して、繊維編成マスク本体を混紡して編成して調製する繊維編成マスクの製造方法である。
前述の実施形態18、19、20、21で説明したように、それぞれの抗菌性繊維を調製する。さらに、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、木綿、麻、リンネル、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維を準備する。そして、抗菌性繊維と無抗菌性繊維とを使用して、前述の実施形態1から実施形態7において説明したそれぞれの形態の立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を混紡して編成して調製する。そして、実施形態1の中で説明した方法により、その繊維編成マスク本体に耳掛部が連結されて、繊維編成マスクが製造される。
(実施形態23)
本実施形態の繊維編成マスクの製造方法は、繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、その得られた繊維編成マスク本体に抗菌剤を担持させて抗菌性を有する繊維編成マスク本体を調製する工程と、繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程とを備えた繊維編成マスクの製造方法である。マスク本体編成工程としては、前述の実施形態1から実施形態7において説明したそれぞれの繊維および形状の立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体であって、抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維を使用して編成した無抗菌性の繊維編成マスク本体が適用できる。そして、その無抗菌性の繊維編成マスク本体を使用して、前述の実施形態8から実施形態16において説明した抗菌剤を使用して、繊維編成マスク本体に抗菌剤を担持させて抗菌性を有する繊維編成マスク本体を調製する。
耳掛部としては、特に限定されることなく、繊維編成マスク本体の製造に使用した同じ繊維、ゴム紐等のこれらの繊維とは異なる材料、などが使用可能である。繊維編成マスク本体と耳掛部を連結する方法としては、特に限定されることなく、例えば、接着剤による連結、マスク本体と同じ繊維により連続して編成する連結、などの連結方法が実施可能である。
(実施形態24)
前述の実施形態23において、特に、繊維として、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラなどの動物繊維が使用され、また、抗菌剤として、ヨウ素系抗菌剤が使用される。具体的製造方法としては、この動物繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する無抗菌性の繊維編成マスク本体を編成して調製する。他方、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液を調製する。このヨウ素含有溶液の中に無抗菌性の繊維編成マスク本体を浸漬する。溶媒としては、ヨウ素とヨウ化カリウムを溶解可能な溶媒が使用され、特に限定されないが例えば水が使用可能である。これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体が得られる。得られたヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体をヨウ素含有溶液から取り出し、その後、洗浄剤により洗浄する。洗浄剤としては、使用した溶剤と相互に混ざり合うことができるとともにカリウム成分を溶解できる洗浄剤が使用可能であり、例えば、水を使用して洗浄する。これにより、ヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体からカリウム成分を除去する。その後、洗浄したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体から溶媒と洗浄剤を除去する。溶媒と洗浄剤を除去する方法としては、例えば、熱風乾燥、送風乾燥、減圧乾燥、等の乾燥手段が使用可能である。これにより、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素系抗菌剤担持繊維編成マスク本体が得られる。
繊維編成マスク本体は繊維を編むことにより形成された繊維編成体であるため、繊維の種類、編み方法、編み形状、等を選択することにより、形状・物性・伸縮性・その他性質等の所望する性質を有する立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を設計構成した繊維編成マスクが容易に得られる。
また、このような所望する性質を有する繊維編成マスク本体を繊維編成用機械を使用して容易に量産可能であり、大量生産により安価に市場に供給できる繊維編成マスクが得られる。
また、繊維編成マスク本体は繊維により編まれた構成であるために、洗濯による変形や破損が生じることなく、洗濯などによる繰り返し使用が可能であり、使い捨てることなく経済的および環境的に有利な繊維編成マスクが得られる。
さらに、前記立体形成繊維編成部が少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されているため、人体の顔に着用したときに、立体形成繊維編成部が鼻孔または口に密着して呼吸が妨げられるという現象が抑制されて、呼吸用立体空間を介して息苦しさを伴うことなく違和感なく楽に呼吸が可能となる。このような効果と同時に、密着形成繊維編成部が鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されているため、人体の顔に着用したときに、顔とマスクの隙間を通る外気の通過を防止できる。従って、鼻孔または口で呼吸をするとき、呼吸時の吐く息及び吸う空気は、顔とマスクの隙間から漏れることなく、繊維編成マスク本体を通って出入りすることが可能となる。その結果、花粉、塵埃、ウイルス、細菌、カビ、バクテリア、等の吸入が防止可能となり、また、マスク着用者本人の唾液、ウイルス、細菌、等の放出放散が防止可能となる。
特に、前記繊維が、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、前記抗菌剤は病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有する構成においては、人体顔に着用したときに、繊維編成マスク本体を通って出入りするウイルスや細菌等の人体に有害な病原菌が繊維に担持された抗菌剤により、殺菌されたり、菌の繁殖が抑制されたり、または、菌の活性を弱めたりして、病原菌の吸入を抑制防止するとともに病原菌の飛散を抑制防止できる作用効果を有する繊維編成マスクが得られる。
1 繊維編成マスク
2 繊維編成マスク本体
21 立体形成繊維編成部
21d 円弧状線
21e 円弧形状平面部
22 密着形成繊維編成部
3 耳掛部

Claims (21)

  1. 繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、
    前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、
    前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は、
    (i)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の周囲領域に形成されてなる、
    (ii)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の横方向の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の両側領域に形成されてなる、
    及び
    (iii)前記立体形成繊維編成部は平面図における横方向の略中央領域に形成された略二等辺三角形状領域を有し、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の少なくとも両側領域に形成され、人体顔に着用時に前記略二等辺三角形状領域が鼻の突起に対応して少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されて形成されてなる、
    からなる群から選ばれる一つの構成を有してなる繊維編成マスクであって、
    前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも細かく密な網目になるように編まれて編成されてなることを特徴とする人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスク。
  2. 繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、
    前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、
    前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は、
    (i)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の周囲領域に形成されてなる、
    (ii)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の横方向の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の両側領域に形成されてなる、
    及び
    (iii)前記立体形成繊維編成部は平面図における横方向の略中央領域に形成された略二等辺三角形状領域を有し、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の少なくとも両側領域に形成され、人体顔に着用時に前記略二等辺三角形状領域が鼻の突起に対応して少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されて形成されてなる、
    からなる群から選ばれる一つの構成を有してなる繊維編成マスクであって、
    前記立体形成繊維編成部は、前記密着形成繊維編成部と異なる伸縮性を有するように編成されるとともに前記密着形成繊維編成部よりも大きい伸縮性を有して編成され、
    前記立体形成繊維編成部は、人体顔に着用しない時の形状において人体の口と鼻の突起に対応する立体形状を有するとともに、人体顔に着用した時の形状においても前記立体形成繊維編成部は人体の口と鼻の突起を覆うことが可能な立体形状を形成し、
    前記密着形成繊維編成部は、人体顔に着用しない時の形状において略平面形状を有するとともに、人体顔に着用した時の形状においても前記密着形成繊維編成部は人体顔に密着される略平面形状を形成し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、
    前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を形成し、前記密着形成繊維編成部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に伸縮した状態で密着形成可能な形状を形成するように編まれて編成されてなることを特徴とする人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスク。
  3. 繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、
    前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、
    前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は、
    (i)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の周囲領域に形成されてなる、
    (ii)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の横方向の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の両側領域に形成されてなる、
    及び
    (iii)前記立体形成繊維編成部は平面図における横方向の略中央領域に形成された略二等辺三角形状領域を有し、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の少なくとも両側領域に形成され、人体顔に着用時に前記略二等辺三角形状領域が鼻の突起に対応して少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されて形成されてなる、
    からなる群から選ばれる一つの構成を有してなる繊維編成マスクであって、
    前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は互いに異なる伸縮性を有するように編成され、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きい伸縮性を有して編成され、
    人体顔に着用しない時の形状において、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は略平面形状を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記密着形成繊維編成部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に密着形成可能な形状を形成し、前記立体形成繊維編成部は前記密着形成繊維編成部よりも大きく伸張して鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能な形状を形成するように編まれて編成されてなることを特徴とする人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスク。
  4. 繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、
    前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、
    前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部は、
    (i)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の周囲領域に形成されてなる、
    (ii)前記立体形成繊維編成部は前記繊維編成マスク本体の横方向の略中央領域に形成され、
    前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の両側領域に形成されてなる、
    及び
    (iii)前記立体形成繊維編成部は平面図における横方向の略中央領域に形成された略二等辺三角形状領域を有し、前記密着形成繊維編成部は前記立体形成繊維編成部の少なくとも両側領域に形成され、人体顔に着用時に前記略二等辺三角形状領域が鼻の突起に対応して少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成されて形成されてなる、
    からなる群から選ばれる一つの構成を有してなる繊維編成マスクであって、
    前記繊維編成マスク本体を左右対称になるように2つに折り重ねた状態の平面図において、
    前記繊維編成マスク本体は、折重境界線が外側に突出した円弧状線と該円弧状線の両端を結んだ直線とにより囲まれる円弧形状平面部と前記円弧形状平面部を除く残部形状平面部を有する平面形状を有し、
    前記繊維編成マスク本体を広げて前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、
    前記円弧形状平面部は、断面が前記折重境界線を頂点とする略三角形の呼吸用立体空間を形成可能な前記立体形成繊維編成部を形成し、
    前記残部形状平面部は前記鼻孔と口の周囲領域の顔に隙間を形成しない程度に密着形成可能な前記密着形成繊維編成部を形成するように編まれて編成されてなることを特徴とする人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスク。
  5. 前記耳掛部は、
    (i)前記耳掛部が前記繊維編成マスク本体に直接に固定された構成、又は、
    (ii)前記耳掛部が連結部材により繊維編成マスク本体に連結された構成、
    を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の繊維編成マスク。
  6. 前記繊維は、少なくとも、繊維に抗菌剤を担持した抗菌性繊維を有し、
    前記抗菌剤は、病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の繊維編成マスク。
  7. 前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の繊維編成マスク。
  8. 前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、
    前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の繊維編成マスク。
  9. 前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有するヨウ素系抗菌剤であることを特徴とする請求項6、7又は8に記載の繊維編成マスク。
  10. 前記抗菌剤は、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤であることを特徴とする請求項6、7又は8に記載の繊維編成マスク。
  11. 前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、
    前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのペプチド基を有する動物繊維であり、
    前記抗菌性動物繊維は、前記動物繊維のペプチド基とヨウ素を溶解したヨウ化カリウム溶液との化学的相互作用により生成された抗菌性動物繊維であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の繊維編成マスク。
  12. 前記繊維は、少なくとも、(a)動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維、(b)化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維、及び、(c)植物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性植物繊維、からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌性繊維を有し、
    前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、
    前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、
    前記植物繊維は、木綿、麻、及び、リンネルからなる群から選ばれる少なくともひとつの植物繊維であり、
    前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨード、からなる群から選ばれる少なくとも一つを含有するヨウ素系抗菌剤であり、
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記繊維の相互作用により複合化されて前記抗菌性繊維を形成してなり、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載の繊維編成マスク。
  13. 繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、
    前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、
    前記繊維は、少なくとも、動物繊維に抗菌剤を担持した抗菌性動物繊維を有し、
    前記動物繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、及び、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのタンパク質のペプチド基を有する動物繊維であり、
    前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基とが、化学的イオン結合、ファンデルワース力による複合化、錯体結合、及び、共有結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの化学的相互作用により複合化された前記抗菌性動物繊維を形成し、
    前記抗菌剤は、病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスク。
  14. 繊維編成マスク本体と前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、
    前記繊維編成マスク本体は、繊維の編成により形成され、立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、
    前記繊維は、少なくとも、化学繊維に抗菌剤を担持した抗菌性化学繊維を有し、
    前記化学繊維は、アミド基を有するポリアミド系繊維であり、
    前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、及び、ヨウ素化合物からなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記ポリアミド系繊維のアミド基とが、化学的イオン結合、ファンデルワース力による複合化、錯体結合、及び、共有結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの化学的な相互作用により複合化された前記抗菌性化学繊維を形成してなり、
    前記抗菌剤は、病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を有し、
    人体顔に着用時に、前記抗菌性繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスク。
  15. 前記抗菌剤は、ポリビニルピロリドンとヨウ素との複合体であるポピドンヨードを含有するヨウ素系抗菌剤であり、
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記繊維との、化学的イオン結合、ファンデルワース力による複合化、錯体結合、及び、共有結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの化学的な相互作用により複合化された前記抗菌性繊維を形成してなることを特徴とする請求項13又は14に記載の繊維編成マスク。
  16. 前記抗菌剤は、ヨウ化カリウムを含有するヨウ素系抗菌剤であり、
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基との、化学的イオン結合、ファンデルワース力による複合化、錯体結合、及び、共有結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの化学的な相互作用により生成された前記抗菌性動物繊維を形成してなることを特徴とする請求項13又は14に記載の繊維編成マスク。
  17. 前記繊維は、前記抗菌性繊維と、抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維との双方の繊維を含有し、
    前記無抗菌性繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、木綿、麻、リンネル、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの無抗菌性繊維であり、
    前記抗菌性繊維と前記無抗菌性繊維とが混紡状態で織られて編成されてなり、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、抗菌機能を奏することを特徴とする請求項13乃至16のいずれか一項に記載の人体の鼻と口を覆って顔に着用するための繊維編成マスク。
  18. 立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体と、前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、前記繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクの製造方法であって、
    繊維に抗菌剤を担持させて抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程と、
    少なくとも前記抗菌性繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、
    前記繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程と、
    を備え、
    前記繊維は、羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのペプチド基を有する動物繊維であり、
    前記抗菌剤は、ヨウ素イオン、分子ヨウ素、ヨウ素化合物イオン、ヨウ素化合物、及び、 ポピドンヨードからなる群から選ばれる少なくとも一つのヨウ素系抗菌剤であり、
    前記抗菌性繊維調製工程は、
    前記ヨウ素系抗菌剤を溶剤に溶解してヨウ素系抗菌剤含有溶液を調製し、
    得られたヨウ素系抗菌剤含有溶液と前記動物繊維を接触して、これにより、ヨウ素系抗菌剤含有溶液を化学的に担持したヨウ素系抗菌剤含有溶液担持動物繊維を調製し、
    その後、ヨウ素系抗菌剤含有溶液担持動物繊維から前記溶剤を除去して、ヨウ素担持動物繊維を調製する工程を有し、
    前記抗菌性繊維調製工程において、
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基とが、化学的イオン結合、ファンデルワース力による複合化、錯体結合、及び、共有結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの化学的相互作用により複合化された前記抗菌性動物繊維を形成す
    ことを特徴とする繊維編成マスクの製造方法。
  19. 立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体と、前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、前記繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクの製造方法であって、
    繊維に抗菌剤を担持させて抗菌性繊維を調製する抗菌性繊維調製工程と、
    少なくとも前記抗菌性繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、
    前記繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程と、
    を備え、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は人体顔との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成されてなる繊維編成マスクの製造方法であって、
    前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつのペプチド基を有する動物繊維であり、
    前記抗菌剤はヨウ素系抗菌剤であり、
    前記抗菌性繊維調製工程は、
    前記ヨウ素系抗菌剤としてのヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液の中に前記動物繊維を浸漬して、これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持動物繊維を得る工程と、
    得られたヨウ素含有溶液担持動物繊維を、前記ヨウ素含有溶液から取り出して後、洗浄剤により洗浄し、これにより、前記ヨウ素含有溶液担持動物繊維からカリウム成分を除去する工程と、
    洗浄したヨウ素含有溶液担持動物繊維から前記溶媒と前記洗浄剤を除去し、これにより、ヨウ素系抗菌剤を化学的に担持したヨウ素系抗菌剤担持動物繊維を得る工程とを備え、
    前記ヨウ素系抗菌剤担持動物繊維を得る工程において
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基とが、化学的イオン結合、ファンデルワース力による複合化、錯体結合、及び、共有結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの化学的相互作用により複合化された前記抗菌性動物繊維を形成することを特徴とする繊維編成マスクの製造方法。
  20. さらに、羊毛、絹、カシミヤ、アンゴラ、木綿、麻、リンネル、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ビニロン、及び、ポリオレフィン繊維からなる群から選ばれる少なくともひとつの抗菌剤を担持しない無抗菌性繊維を準備する工程を有し、
    前記マスク本体編成工程は、前記抗菌性繊維と前記無抗菌性繊維を使用して、前記立体形成繊維編成部と前記密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を混紡して編成して調製する工程を有し、
    前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に前記繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏することを特徴とする請求項18又は19に記載の繊維編成マスクの製造方法。
  21. 立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体と、前記繊維編成マスク本体に連結された一対の耳掛部を備え、前記耳掛部を人体耳に掛けて人体顔に着用した時に、前記立体形成繊維編成部は少なくとも鼻孔と口を覆いながら呼吸用立体空間を形成可能に編成され、前記密着形成繊維編成部は該密着形成繊維編成部と人体顔の前記鼻孔と口を除く領域との間に隙間を形成しない程度に密着形成可能に編成され、前記繊維と接触する病原菌を死滅又は増殖抑制する抗菌機能を奏する繊維編成マスクの製造方法であって、
    繊維を使用して立体形成繊維編成部と密着形成繊維編成部を有する繊維編成マスク本体を編成して調製するマスク本体編成工程と、
    前記繊維編成マスク本体に耳掛部を連結する耳掛部形成工程と、
    少なくとも前記繊維編成マスク本体に抗菌剤を担持させて抗菌性を有する抗菌性繊維編成マスク本体を調製する工程と、を備え、
    前記繊維は羊毛、絹、カシミヤ、および、アンゴラからなる群から選ばれる少なくともひとつの動物繊維であり、
    前記抗菌剤はヨウ素系抗菌剤であり、
    前記抗菌性繊維編成マスク本体を調製する工程は、
    ヨウ素とヨウ化カリウムを溶媒に溶解したヨウ素含有溶液に前記繊維編成マスク本体を浸漬して、これにより、ヨウ素含有溶液を担持したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体を得る工程と、
    得られたヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体を、前記ヨウ素含有溶液から取り出し て後、洗浄剤により洗浄し、これにより、前記ヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体からカリウム成分を除去する工程と、
    洗浄したヨウ素含有溶液担持繊維編成マスク本体から前記溶媒と前記洗浄剤を除去し、これにより、ヨウ素系抗菌剤を担持したヨウ素系抗菌剤担持繊維編成マスク本体を得る工程と、を備え、
    前記ヨウ素系抗菌剤担持動物繊維編成マスク本体を得る工程において、
    前記ヨウ素系抗菌剤と前記動物繊維のペプチド基とが、化学的イオン結合、ファンデルワース力による複合化、錯体結合、及び、共有結合から成る群から選ばれる少なくとも一つの化学的相互作用により複合化された前記ヨウ素系抗菌剤担持動物繊維編成マスク本体を形成することを特徴とする繊維編成マスクの製造方法。
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