JP5765586B2 - 新規なdnaメチル化解析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、DNAメチル化パターン及び連続性等のDNAメチル化を検出する方法に関する。
エピジェネティクス(Epigenetics)とは、ゲノムでは規定されない遺伝子発現の制御機構を明らかにしようとする、遺伝学又は分子生物学の研究分野である。当該エピジェネティクスを支える主要な分子機構がDNAのメチル化である。DNAメチル化は、化学的に安定であり、DNA配列自体に変化を加えることなく、細胞分裂を通じて伝達される情報である。このようなDNAメチル化の特性により、DNAメチル化は、例えば組織特異的な遺伝子発現、刷り込み、X染色体の不活性化、癌化等の様々な現象において重要な役割を担っていると考えられている。近年では、DNAメチル化酵素遺伝子やDNAメチル化状態の異常に起因する先天的又は後天的疾患、クローン動物におけるDNAメチル化の異常等が既に多数同定されている。
従来において、DNAメチル化を解析すべく様々な方法が存在する。種々のDNAメチル化解析方法は、解析感度、網羅性、解像度、定量性等において異なる特徴を有し、目的に応じて適宜選択される。例えば、特定の遺伝子の転写抑制機構を明らかにする場合には、1塩基レベルの解像度が必要となる。一方、メチル化の頻度を解析する場合には、定量性や精度も考慮しなければならない。
特定領域におけるメチル化DNAの検出では、重亜硫酸塩(Bisulfite)処理による塩基置換反応を行い、DNAの配列を決定する。当該塩基置換反応では、非メチル化シトシンが重亜硫酸ナトリウムと反応して、ウラシルへと変換される。メチル化シトシンは重亜硫酸ナトリウムと反応しないので、原理上全てのシトシンのメチル化状態を塩基の違いとして検出できる。従来における検出方法としては、例えばPCRを使用したメチル化特異的PCR(MSP)法、定量的PCRを使用したReal−time MSP法、TAクローニングを使用したBisulfite−sequencing法、質量分析を使用したMassARRAY法、次世代sequencerを使用したパイロシークエンス法等が挙げられる。さらに、重亜硫酸塩反応を必要としないICON−prove法も開発されている。
目的タンパク質やマイクロRNA(microRNA)の発現量は個々のCpGメチル化の程度のみでは判別が難しく、その特定領域のメチル化パターンや連続性が重要となる。CpGメチル化程度を検出する方法として様々な方法が開発されているものの、そのパターンや連続性を検出する方法としては、Bisulfite−sequencing法のみである。
一方、Bisulfite−DGGE法は、AbramsとStanton(非特許文献1)によって提案された変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis:DGGE)法を基本とし、P.Guldberg等(非特許文献2)によって開発された方法である。当該方法では、重亜硫酸塩処理後のサンプルをPCRによって増幅した後、そのアプリコンを、ポリアクリルアミドと変性剤の濃度勾配から成るゲルを使用した電気泳動に供する。ポリアクリルアミドの濃度勾配に基づき二本鎖DNAの分子量の違いによる分離を行い、さらに変性剤の濃度勾配に基づき二本鎖DNAの変性度の差異による分離を行い、目的領域中のウラシル(非メチル化シトシン)とシトシン(メチル化シトシン)の違いによる分離が行われる。当該方法は、MSP法と同様に視覚的評価を行うことができ、さらに、電気泳動後のゲル中のバンドをシークエンス反応に転用することができる。また、Bisulfite−sequencing法と比較すると、Bisulfite−DGGE法によれば大幅な時間短縮を行うことができる。
しかしながら、Bisulfite−DGGE法では、重亜硫酸塩処理後にPCRによる増幅を行うため、非メチル化シトシンがチミンに変換され、もとからDNA配列に存在するチミンと混在するため類似した配列が増加することとなる。当該増加に伴い、PCRにおいてミスアニーリングが生じやすく、PCRのサイクル数を上げると、非特異的アンプリコンが増幅されてしまうこととなる。微量サンプルの解析やマイナーなDNAメチル化パターンの検出を行う際には、PCRのサイクル数を上げることが必須であり、その結果、Bisulfite−DGGE法によると、解像度の低下が生じる。また、Bisulfite−DGGE法は、電気泳動ゲルの作製に、ポリアクリルアミドと変性剤の二つのグラジエントを必要とする。そのため、確認したい標的を変更する場合に、ゲルの最適化を検討する必要があり、大変煩雑である。
Abrams,E.S.及びStanton,V.P.Jr.,Use of denaturing gradient gel electrophoresis to study conformational transitions in nucleic acids.「Methods Enzymol.」,1992年,第212巻,pp.71−104 Guldberg,P.,Gronbak,K.,Aggerholm,A.,Platz,A.,thor Straten,P.,Ahrenkiel,V.,Hokland,P.,及びZeuthen,J.,Detection of mutations in GC−rich DNA by bisulphite denaturing gradient gel electrophoresis.「Nucleic Acids Res.」,1998年,第26巻,第6号,pp.1548−1549
そこで、本発明は、上述した実情に鑑み、DNAメチル化を効率良く検出できる方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、DNAを重亜硫酸塩処理(以下、「Bisulfite処理」と称する場合がある)に供し、重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供し、次いでNested PCRに供し、増幅DNA(アンプリコン)を変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(以下、「DGGE」と称する場合がある)に供することで、標的領域のDNAメチル化を効率良く検出できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下を包含する。
(1)DNAを重亜硫酸塩処理に供する工程と、標的領域の外側の領域に対応する第1プライマーセットを用いて重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供する工程と、標的領域に対応する第2プライマーセットを用いて第1のPCR後の増幅DNAを第2のPCRに供する工程と、第2のPCR後の増幅DNAを変性剤濃度勾配ゲル電気泳動に供する工程とを含み、第2プライマーセットのプライマーのアニーリング位置は、標的領域に対して第1プライマーセットのプライマーのアニーリング位置の内側に存在する、DNAメチル化検出方法。
(2)第2プライマーセットの一方のプライマーは、5’側にGC−clamp配列を有する、(1)記載の方法。
(3)変性剤濃度勾配ゲルが濃度勾配として変性剤濃度勾配のみを有する、(1)記載の方法。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2010−098163号の明細書及び/又は図面に記載される内容を包含する。
図1は、ヒトムチンコアタンパク質1(MUC1)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号2;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。
図2は、本発明に係る方法を用いたMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した結果を示す。
図3は、ヒトムチンコアタンパク質2(MUC2)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号7;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。
図4は、本発明に係る方法を用いたMUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した結果を示す。
図5は、ヒトムチンコアタンパク質4(MUC4)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号12;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。
図6は、本発明に係る方法を用いたMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した結果を示す。
図7は、本発明に係る方法の検出限界を検討した結果を示す。
図8は、ヒト大腸の正常粘膜と癌組織における本発明に係る方法によるヒトMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と当該遺伝子からのmRNAの発現解析及び免疫組織化学染色によるタンパク質発現解析との比較を示す。
図9は、ヒト大腸の正常粘膜と癌組織における本発明に係る方法によるヒトMUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と当該遺伝子からのmRNAの発現解析及び免疫組織化学染色によるタンパク質発現解析との比較を示す。
図10は、ヒト大腸の正常粘膜と癌組織における本発明に係る方法によるヒトMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と当該遺伝子からのmRNAの発現解析及び免疫組織化学染色によるタンパク質発現解析との比較を示す。
図11は、ヒト手術症例サンプルにおける本発明に係る方法によるヒトMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較を示す。
図12は、ヒト手術症例サンプルにおける本発明に係る方法によるヒトMUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較を示す。
図13は、ヒト手術症例サンプルにおける本発明に係る方法によるヒトMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較を示す。
図14は、ヒトの膵嚢胞性腫瘍の嚢胞内液サンプルと膵癌症例から得られた膵液サンプルにおける本発明に係る方法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較を示す。
図15は、ヒトの膵嚢胞性腫瘍の嚢胞内液サンプルと膵癌症例から得られた膵液サンプルにおける本発明に係る方法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較を示す。
図16は、ヒトの胆管嚢胞性腫瘍の嚢胞内液サンプルと肝外胆管癌(EHBDC)の胆汁サンプルにおける本発明に係る方法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較を示す。
図17は、ホルマリン固定時間及びパラフィン包埋時間によるDNAメチル化への影響に関する本発明に係る方法による評価を示す。
図18は、ヒトムチンコアタンパク質5AC(MUC5AC)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号29;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。
図19は、本発明に係る方法を用いたMUC5AC遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した結果を示す。
図20は、Bisulfite−DGGE法と本発明に係る方法とを比較した結果を示す。
図21は、細胞株においてBisulfite−DGGE法と本発明に係る方法との検出力を比較した結果を示す。
図22は、組織サンプルにおいてBisulfite−DGGE法と本発明に係る方法との検出力を比較した結果を示す。
図23は、体液サンプルにおいてBisulfite−DGGE法と本発明に係る方法との検出力を比較した結果を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るDNAメチル化検出方法(以下、「MSE(Methylation Specific Electrophoresis)法」と称する)は、(1)DNAを重亜硫酸塩処理に供する工程、(2)標的領域の外側の領域に対応する第1プライマーセットを用いて重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供する工程、(3)標的領域に対応する第2プライマーセットを用いて第1のPCR後の増幅DNAを第2のPCRに供する工程、(4)第2のPCR後の増幅DNAを変性剤濃度勾配ゲル電気泳動に供する工程を含む方法である。MSE法によれば、例えば微量のDNAサンプルにおいてもDNAメチル化を検出でき、またDNAメチル化パターン又は連続性を効率良く検出できる。
ここで、MSE法に適用するDNAは、DNAメチル化の現象が生じるいずれの生物(例えば細菌、ヒト等の哺乳動物等)由来の生物学的サンプル(例えば器官、組織、細胞、体液等)に由来する(抽出した)DNAであってもよい。例えば、癌組織由来の組織、体液及び細胞等から抽出したDNAをMSE法に適用することができる。
以下に、MSE法の各工程について説明する。
(1)DNAを重亜硫酸塩処理に供する工程
MSE法では、先ずDNAを重亜硫酸塩処理に供する。当該処理により、非メチル化シトシンが重亜硫酸塩によりスルホン化され、さらに加水分解により脱アミノ化され、さらに、アルカリ存在下での脱スルホン化により、ウラシルに変換される。これに対して、メチル化されたシトシンは、重亜硫酸塩処理してもウラシルに変換されない。このため、CpG含有DNAの塩基配列中のシトシンがメチル化されているか否かを、重亜硫酸塩処理により、ウラシルに変換されているかどうかで区別する。なお、市販の重亜硫酸塩処理用のキット(例えば、EpiTect Bisulfite Kits(QIAGEN社製))を使用して、当該キットのマニュアルに準じて、DNAを重亜硫酸塩処理に供することができる。
(2)重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供する工程
MSE法では、次いで標的領域の外側の領域に対応する第1プライマーセットを用いて重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供する。重亜硫酸塩処理後にPCRによる増幅により、非メチル化シトシンがチミンに変換され、もとからDNA配列に存在するチミンと混在するため類似した配列が増加することとなる。当該増加に伴い、PCRにおいてミスアニーリングが生じやすく、PCRのサイクル数を上げると、非特異的アンプリコンが増幅されてしまうこととなる。そこでMSE法では、このようなノイズの発生を防止すべく、標的領域の外側に対応する第1プライマーセットを用いて第1のPCRを行い、次いで、第2のPCR(Nested PCR)を行うことで、当該ノイズを低下させる。当該ノイズの低下により、PCRサイクル数の増加が可能となり、検出限界を向上させることができる(すなわち、微量のDNAサンプルを使用することができる)。
ここで、標的領域とは、DNAにおける検出対象のメチル化状態を有する領域を意味する。標的領域としては、例えばCGのジヌクレオチドが偏って存在する領域であり、メチル化の対象であるCpGアイランド(又はCpG部位)が挙げられる。例えば哺乳動物の多くの遺伝子の5’上流領域にCpGアイランドが存在することが知られている。また、MassARRAY法によって事前にDNAにおけるCpG部位を決定し、重要なCpG部位のみを含む領域を標的領域とすることもできる。当該標的領域決定方法によれば、検出解像度を向上させることができる。標的領域の長さとしては、200〜400塩基が挙げられる。
第1プライマーセットの一対のプライマーは、標的領域の外側の領域に対応し、当該外側の領域にアニーリングするように設計される。当該外側の領域は、標的領域の両末端の各々から外側方向に例えば10〜100塩基(好ましくは20〜80塩基)離れた位置とすることができる。また、第1プライマーセットのプライマーの長さとしては、例えば15〜30塩基、好ましくは18〜22塩基が挙げられる。
PCRは、例えば増幅産物の長さやGC含量等を考慮し、PCR反応液組成(例えばPCRバッファー、ポリメラーゼ、dNTPミックス、プライマー等を含む)、熱変性、アニーリング、伸長反応等における温度設定並びにサイクル数を適宜決定し、行うことができる。このようなPCR条件は、例えば使用するポリメラーゼに最適な条件下で行う等適宜決定することができる。なお、当該PCRによれば、非メチル化シトシンから変換されたウラシルは、チミンへと変換される。
(3)第1のPCR後の増幅DNAを第2のPCRに供する工程
MSE法では、第1のPCR後、標的領域に対応する第2プライマーセットを用いて第1のPCR後の増幅DNA(増幅産物)を第2のPCRに供する。当該第2のPCRは、nested PCRと呼ばれるものである。すなわち、第1のPCR後の増幅産物の内側に第2のプライマーセットのプライマーを設計し、第1のPCR後の増幅産物を新たな鋳型として第2のPCRを行う。
第2プライマーセットのプライマーは、アニーニング位置が、標的領域を基準として第1プライマーセットのプライマーのアニーニング位置の内側に存在するように設計する。すなわち、第2プライマーセットのプライマーのアニーニング位置は、標的領域の両末端又はその隣接領域とする。なお、第2プライマーセットのプライマーと第1プライマーセットのプライマーとは、第2プライマーセットのプライマーのアニーリング位置が第1プライマーセットのプライマーのアニーニング位置の内側にある限り、一部重複していてもよい。第2プライマーセットのプライマーの長さとしては、例えば15〜30塩基、好ましくは18〜22塩基が挙げられる。なお、第2のプライマーの一方のプライマー(例えば、フォワード(センス)プライマー)の5’側にGC−clamp配列を付加することで、後続の変性剤濃度勾配ゲル電気泳動工程において、分離能を向上させることができる。ここで、GC−clamp配列とは、30〜50塩基程度のG−Cが豊富で安定な配列を意味し、例えば配列番号1に記載の塩基配列が挙げられる。
また、第1のPCRと同様に、PCRは、標的領域の長さやGC含量等を考慮し、PCR反応液組成(例えばPCRバッファー、ポリメラーゼ、dNTPミックス、プライマー等を含む)、熱変性、アニーリング、伸長反応等における温度設定並びにサイクル数を適宜決定し、行うことができる。
(4)第2のPCR後の増幅DNAを変性剤濃度勾配ゲル電気泳動に供する工程
MSE法では、第2のPCR後、増幅DNAを変性剤濃度勾配ゲル電気泳動に供することで、増幅DNAを分離し、視覚的にメチル化パターンや連続性を評価することができる。
従来のBisulfite−DGGE法では、サンプル中に非特異的増幅断片が多く、DNA鎖長による分離のために分離効率を上げるべく、電気泳動ゲルの作製において、ゲル成分であるアクリルアミドと変性剤の双方の濃度勾配を必要とした。このように、従来のBisulfite−DGGE法では、2種の濃度勾配を必要とし、標的領域毎にゲルの最適化操作が煩雑であった。一方、MSE法では、上記第1のPCR及び第2のPCR(Nested PCR)を行うことで、非特異的な増幅を抑え、非特異的増幅断片によるノイズを低下させる。従って、高い検出感度の増幅DNAを使用することで、MSE法に使用するゲルは変性剤の濃度勾配のみを有するものとすることができ、再現性を向上させ、且つゲルの最適化を容易に行うことができる。
変性剤濃度勾配ゲルは、例えばゲル成分(アクリルアミド)、尿素とホルムアミドとの組合せ等の変性剤、TAEバッファー等を使用して作製される。具体的には、例えばポリアクリルアミドゲルを使用し、且つ変性剤として尿素及びホルムアミドの組合せを使用する場合には、増幅産物の長さ等に応じて、ゲルにおいて例えば6〜15%(好ましくは8〜10%)のアクリルアミド濃度となるように、且つ尿素及びホルムアミドの組合せの濃度勾配が例えば10%→50%〜20%→30%(好ましくは濃度勾配の幅が10%以上)となるように作製する。また、最適条件の検討としては、濃度勾配の幅の広い(10%〜50%)ゲルで検討し、濃度勾配の幅を狭くする方法を検討する。また、検出したバンドがスメアを呈する場合はアクリルアミドの濃度を上げる。なお、変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(DNAが泳動する方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつける。
MSE法では、第2のPCR後の増幅DNA(例えば4〜15μl、好ましくは5〜10μl)を変性剤濃度勾配ゲルにアプライし、電気泳動に供する。電気泳動条件としては、例えば泳動槽温度:60℃、定電圧:70〜250V及び泳動時間:300〜900分が挙げられる。
電気泳動後、変性剤濃度勾配ゲルをエチジウムプロマイド染色、もしくはゲルレッドによる染色に供することで、アプライした増幅DNAのバンドを視覚的に観察することができる。GとCとの対における水素結合は3本であり、一方、AとTとの対における水素結合は2本である。従って、GCの結合は、ATの結合よりも変性剤に対して耐性を有する。そのため、GCの結合を多数有するDNAは、ATの結合を多数有するDNAと比べて変性剤濃度勾配ゲルにおいてより泳動することとなる。
MSE法では、DNAにおける非メチル化シトシンがウラシル、そしてチミンに変換されているため、非メチル化シトシンを有する標的領域に対応する増幅DNAは、メチル化シトシンを有する標的領域に対応する増幅DNAよりも泳動速度が遅く、変性剤濃度勾配ゲルの陰極に近い側に位置することとなる。一方、メチル化シトシンを有する標的領域に対応する増幅DNAは、泳動速度が早く、変性剤濃度勾配ゲルの陽極に近い側に位置することとなる。従って、当該泳動の違いにより、メチル化シトシンを有する標的領域と非メチル化シトシンを有する標的領域とを判断でき、標的領域におけるメチル化パターン又は連続性を評価することができる。
さらに、電気泳動後の変性剤濃度勾配ゲルから目的のバンドを切り出し、バンド中の増幅DNAを抽出し、当該抽出した増幅DNAの塩基配列を決定することで、DNAメチル化の状態を一塩基レベルで評価することもできる。
以上に説明したMSE法によれば、DNAメチル化を効率的に且つ簡便に検出できる。DNAメチル化は、例えば組織特異的な遺伝子発現、刷り込み、X染色体の不活性化、癌化等の様々な現象において重要な役割を担っており、またDNAメチル化酵素遺伝子やDNAメチル化状態の異常に起因する先天的又は後天的疾患、クローン動物におけるDNAメチル化の異常が知られている。従って、DNAメチル化が関与する疾患等の診断にMSE法を有効に利用することができる。
また、MSE法は、従来のDNAメチル化検出方法と比べて以下のような利点を有する。
従来、エピジェネティクスな領域で多用されているMSP法は、視覚的にDNAメチル化を評価できる。MSP法におけるメチル化検出は、プライマーを設計したCpG部位に依存する。そのため、標的領域中のCpG部位のメチル化パターンが均一な場合には高い解像度で評価を行うことができるものの、モザイク状の場合、そのメチル化解析の解像度が低下してしまう。また、リアルタイムMSP法におけるメチル化検出は、プローブを設計したCpG部位に依存しているため、評価可能な標的領域が狭く、MSP法と同様に標的領域中のCpG部位のメチル化パターンがモザイク状の場合には解像度が落ちる。一方、MSE法は、増幅した標的領域において、CpG部位のメチル化パターン全てを視覚的に評価することができる。
また、Bisulfite−sequencing法では、増幅した標的領域をTAクローニングにより配列決定を行う。しかしながら、当該方法では、「確からしさ」を得るために、10クローン以上が必要であり、時間を要する。また、メチル化パターンの多数を決定するためには低コストで評価できるが、少数のメチル化パターンの評価には向かない。一方、MSE法は、PCRにおける増幅数(サイクル数)を増やすことで、マイナーなメチル化パターンも評価することができる。また、電気泳動後に個々のバンドを切り出し、精製し、当該バンド中の標的領域の配列決定を行うことで、メチル化パターンについて配列を確認することができ、Bisulfite−sequencing法と同等の評価を全ての配列で行うことができる。
さらに、MassARRAY法は、個々のCpGのメチル化を評価するには定量性、解像度ともに優れた方法である。しかしながら、CpGメチル化パターンの決定を行うことができない。従って、CpGメチル化パターンが標的領域中に混在する場合には、MassARRAY法での評価は難しい。一方、MSE法は、MassARRAY法と同等の検出感度を有し、メチル化パターンの評価を行うことができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例に限定されるものではない。
MSE法を用いたムチンコアタンパク質1(MUC1)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析
本実施例では、MSE法を使用して、ヒトMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した。図1は、ヒトMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号2;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。当該領域は、CpG部位172−181を有する。本実施例では、当該CpG部位を含む領域を標的領域とする。なお、論文(Norishige Yamada,Yukari Nishida,Hideaki Tsutsumida,Tomofumi Hamada,Masamichi Goto,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2008)MUC1 expression is regulated by DNA methylation and histone H3−K9 modification in cancer cells.Cancer Res.,68(8):2708−16)と同様に、CpG部位の番号は、ヒトMUC1遺伝子の推定プロモーター上流(当該遺伝子の転写開始点より上流2,753bp)より順にナンバリングされている。
1−1.サンプル作製及び方法
各細胞株(HPAF II(ヒト膵癌由来)、BxPC3(ヒト膵癌由来)、PANC1(ヒト膵癌由来)、MCF−7(ヒト乳癌由来)、T−47D(ヒト乳癌由来)、MDA−MB−453(ヒト乳癌由来)、Caco2(ヒト結腸腺癌由来)、LS174T(ヒト大腸癌由来)、A427(ヒト肺癌由来)及びNCI−H292(ヒト肺癌由来))からDNAを、DNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN社製)を使用して抽出した。
次いで、EpiTect Bisulfite Kits(QIAGEN社製)を使用して、抽出したDNAをBisulfite処理に供した。
Bisulfite処理後のDNAを、以下のプライマーを使用したPCRに供した。
プライマーセット(小文字の塩基配列はGC clampである):
各PCRは、図1に示すように、1stPCRは上記Primer 1−1とPrimer 1−2を用いて、2ndPCR(nested PCR)は上記Primer 1−3とPrimer 1−4を用いて行った。ポリメラーゼは、AmpliTaq Gold(登録商標)Fast PCR Master Mix(Applied Biosystem社製)を使用した。PCR条件及び温度設定を下記表1に示す。
次いで、下記表2に示すDGGEゲル条件下の変性剤濃度勾配ゲルを使用し、2ndPCR後の反応液をDGGEに供した。なお、電気泳動条件は、泳動槽温度:60℃、定電圧:230V、泳動時間:300分であった。電気泳動槽は、Dcodeシステム(BIO−RAD社製)を使用した。
1−2.解析結果
各細胞株における解析結果を図2に示す。(A)のパネルは、MassARRAY法による各細胞株のヒトMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域におけるメチル化の評価を示す。MassARRAY法は、論文(Norishige Yamada,Yukari Nishida,Hideaki Tsutsumida,Tomofumi Hamada,Masamichi Goto,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2008)MUC1 expression is regulated by DNA methylation and histone H3−K9 modification in cancer cells.Cancer Res.,68(8):2708−16)を参照して同様に行った。緑色から黄色、赤色へのグラデーションは、非メチル化(0%)からメチル化(100%)の程度を示す。四角で囲んだ領域が、本実施例における標的領域のCpG部位である。一方、(B)のパネルは、本実施例におけるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。
図2に示すように、MSE法によるメチル化の評価は、MassARRAY法による評価と高い相関を示した。A427株及びNCI−H292株については、MassARRAY法による評価を行っていないものの、そのメチル化の程度は、MDA−MB−453株やCaco2株と同等であることを容易に示唆することができる。
MSE法を用いたムチンコアタンパク質2(MUC2)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析
本実施例では、MSE法を使用して、ヒトMUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した。図3は、ヒトMUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号7;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。当該領域は、CpG部位36−43を有する。本実施例では、当該CpG部位を含む領域を標的領域とする。なお、論文(Norishige Yamada,Tomofumi Hamada,Masamichi Goto,Hideaki Tsutsumida,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2006)MUC2 expression is regulated by histone H3 modification and DNA methylation in pancreatic cancer.Int.J.Cancer,119(8):1850−7)と同様に、CpG部位の番号は、ヒトMUC2遺伝子の推定プロモーター上流(当該遺伝子の転写開始点より上流1,989bp)より順にナンバリングされている。
2−1.サンプル作製及び方法
実施例1と同様にして、各細胞株(HPAF II、BxPC3、PANC1、MCF−7、T−47D、MDA−MB−453、Caco2、LS174T、A427、NCI−H292及びACC3(腺様嚢胞癌由来))からDNAをDNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN社製)を使用して抽出した後、EpiTect Bisulfite Kits(QIAGEN社製)を使用して、抽出したDNAをBisulfite処理に供した。
Bisulfite処理後のDNAを、以下のプライマーを使用したPCRに供した。
プライマーセット(小文字の塩基配列はGC clampである):
各PCRは図3に示すように、1stPCRは上記Primer 2−1とPrimer 2−2を用いて、2ndPCR(nested PCR)は上記Primer 2−3とPrimer 2−4を用いて行った。ポリメラーゼは、AmpliTaq Gold(登録商標)Fast PCR Master Mix(Applied Biosystem社製)を使用した。PCR条件及び温度設定を下記表3に示す。
次いで、下記表4に示すDGGEゲル条件下の変性剤濃度勾配ゲルを使用し、2ndPCR後の反応液をDGGEに供した。なお、電気泳動条件及び電気泳動槽は、実施例1と同様であった。
2−2.解析結果
各細胞株における解析結果を図4に示す。(A)のパネルは、MassARRAY法による各細胞株のヒトMUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域におけるメチル化の評価を示す。MassARRAY法は、論文(Norishige Yamada,Tomofumi Hamada,Masamichi Goto,Hideaki Tsutsumida,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2006)MUC2 expression is regulated by histone H3 modification and DNA methylation in pancreatic cancer.Int.J.Cancer,119(8):1850−7)を参照して同様に行った。四角で囲んだ領域が本実施例における標的領域のCpG部位である。一方、(B)のパネルは、本実施例におけるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。
図4から判るように、MSE法によるMUC2プロモーター領域のメチル化評価においても、MassARRAY法による評価と高い相関を示した。
MSE法を用いたムチンコアタンパク質4(MUC4)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析
本実施例では、MSE法を使用して、ヒトMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した。図5は、ヒトMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号12;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。当該領域は、CpG部位108−112を有する。本実施例では、当該CpG部位を含む領域を標的領域とする。なお、論文(Norishige Yamada,Yukari Nishida,Hideaki Tsutsumida,Masamichi Goto,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2009)Promoter CpG methylation in cancer cells contributes to regulation of MUC4.Br.J.Cancer,100(2):344−51)と同様に、CpG部位の番号は、ヒトMUC4遺伝子の推定プロモーター上流(当該遺伝子の転写開始点より上流3,622bp)より順にナンバリングされている。
3−1.サンプル作製及び方法
実施例1と同様にして、各細胞株(HPAF II、BxPC3、PANC1、MCF−7、T−47D、MDA−MB−453、Caco2、LS174T、A427、NCI−H292及びACC3)からDNAをDNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN社製)を使用して抽出した後、EpiTect Bisulfite Kits(QIAGEN社製)を使用して、抽出したDNAをBisulfite処理に供した。
Bisulfite処理後のDNAを、以下のプライマーを使用したPCRに供した。
プライマーセット(小文字の塩基配列はGC clampである):
各PCRは図5に示すように、1stPCRは上記Primer 4−1とPrimer 4−2を用いて、2ndPCR(nested PCR)は上記Primer 4−3とPrimer 4−4を用いて行った。ポリメラーゼは、AmpliTaq Gold(登録商標)Fast PCR Master Mix(Applied Biosystem社製)を使用した。PCR条件及び温度設定を下記表5に示す。
次いで、下記表6に示すDGGEゲル条件下の変性剤濃度勾配ゲルを使用し、2ndPCR後の反応液をDGGEに供した。なお、電気泳動条件及び電気泳動槽は、実施例1と同様であった。
3−2.解析結果
各細胞株における解析結果を図6に示す。(A)のパネルは、MassARRAY法による各細胞株のヒトMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域におけるメチル化の評価を示す。MassARRAY法は、論文(Norishige Yamada,Yukari Nishida,Hideaki Tsutsumida,Masamichi Goto,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2009)Promoter CpG methylation in cancer cells contributes to regulation of MUC4.Br.J.Cancer,100(2):344−51)を参照して同様に行った。四角で囲んだ領域が本実施例における標的領域のCpG部位である。一方、(B)のパネルは、本実施例におけるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。
図6に示すように、MSE法によるメチル化の評価は、MassARRAY法による評価と高い相関を示した。
MSE法の検出限界の検討
MSE法の検出限界を検討するために、実施例1におけるヒトMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析においてDNA高メチル化を呈する細胞株(PANC1)とDNA低メチル化を呈する細胞株(BxPC3)の細胞数を計測し、比率に応じて混合したものよりDNAを抽出し、Bisulfite処理を行ったものをサンプルとし、そのバンドの検出限界を確認した。サンプルの調製は、BxPC3細胞株由来のDNA含有率を100%から順次0.1%まで低下させ、最終的にBxPC3細胞株由来のDNAを含まずPANC1細胞株由来のDNAのみとした。PCR及びDGGEは、実施例1と同様に行った。
結果を図7に示す。(A)のパネルは、本実施例におけるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。(B)のパネルは、同じサンプルを用いて行ったMSP法によるメチル化解析の結果である。MSP法は、primer set:MSP−UL(GGGGATTGGTATAAAGTGGTAGGT:配列番号17);MSP−UR(AAAACAAAACAATTCAAACAAACA:配列番号18);MSP−ML(GATCGGTATAAAGCGGTAGGC:配列番号19);及びMSP−MR(AAAACAAAACAAATTCAAACAAACG:配列番号20)を用いて、論文(Norishige Yamada,Yukari Nishida,Hideaki Tsutsumida,Tomofumi Hamada,Masamichi Goto,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2008)MUC1 expression is regulated by DNA methylation and histone H3−K9 modification in cancer cells.Cancer Res.,68(8):2708−16)を参照して行った。
また、(B)のパネルにおいて「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。(C)のパネルは、本実施例における非メチル化バンドの発光をImageJにより数値化し、BxPC3細胞株由来のDNA含有率に対してブロットしたグラフである。横軸はBxPC3細胞株由来のDNA含有率(%)を示す。
図7(A)に示すように、非メチル化のバンドがBxPC3細胞株由来のDNA含有率と共に低下しているのが示されている。また、図7(B)に示すように、この非メチル化バンドの発光をImageJにより数値化し、BxPC3細胞株由来のDNA含有率に対してブロットすると、そのRは0.993と非常に高い相関関係を示した。この結果、MSE法は、0.1%の含有率においても有意に検出することが可能であり、検出限界はこれ以下に存在することを示唆している。
既知のメチル化測定方法における検出限界は、MassARRAY法で10%、パイロシークエンス法で5%であることからも、MSE法は非常に高い精度で検出していると考えられる。
ヒト大腸の正常粘膜と癌組織におけるMSE法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と当該遺伝子からのmRNAの発現解析及び免疫組織化学染色によるタンパク質発現解析との比較
ヒト大腸の正常粘膜と癌組織について、間質の混入を来すことなく理想的に分離できるヒト大腸の腺管分離サンプルにおいて、ヒトMUC1(図8)、MUC2(図9)及びMUC4(図10)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析を実施例1〜3と同様にMSE法にて行い、またこれら遺伝子のmRNAの発現解析及び免疫組織化学染色によるこれら遺伝子によりコードされるタンパク質の発現確認との比較を行った。
結果を図8〜10に示す。図8〜10において、「N」はヒト大腸正常粘膜サンプルを示し、「T」はヒト大腸癌組織サンプルを示す。(A)のパネルは、RT−PCRにより検出した各サンプルにおけるmRNA発現量を示す。(B)のパネルは、MSE法によるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。従って、「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。(C)のパネルは、免疫組織化学染色によるヒトMUC遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を示す写真である。
なお、タンパク質の発現を検索する免疫組織化学染色に際して、MUC1に関しては、従来の抗MUC1抗体である「MUC1−DF3」(TFB社製)のみでなく、「MUC1 cytoplasmic tail」に対する新規開発の抗MUC1抗体(ハイブリドーマ株MUC1−common(clone 014E)由来(特願2010−028729、受託番号NITE P−867);以下、「MUC1−014E」と称する)をも用いた。また、MUC2に関しては、抗MUC2抗体「MUC2−Ccp58」(novo社製)を使用した。さらに、MUC4に関しては、N末端側subunitに対する抗体である抗MUC4抗体「MUC4−8G7」(university of nebraska medical center,omaha)とC末端側subunitに対する抗体である抗MUC4抗体「MUC4−1G8」(zymed社製)の双方を用いた。以下の実施例6〜9においても同様の抗体を使用した。
ヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化の程度とこれら遺伝子からのmRNA及びタンパク質の発現とは概ね逆相関関係を示す。
図8に示すように、MUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、従来の抗MUC1抗体である「MUC1−DF3」の染色結果とは一致しないが、RT−PCRによるMUC1mRNAの測定値、並びに「MUC1−014E」免疫組織化学染色の結果とは高い相関を示し、ヒト大腸の腺管分離サンプルにおいてMSE法によるMUC1遺伝子のメチル化解析が可能であることを示すことができた。
図9に示すように、MUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、大腸正常粘膜では、大多数の検体が「低メチル化」であり、RT−PCRによるMUC2mRNAの測定値、並びにMUC2の陽性所見と一致した。一方、癌組織においては、大多数の検体が「低メチル化」であり、RT−PCRによるMUC2mRNAの測定値と概ね一致したが、MUC2の免疫組織化学染色結果とは一致しない例がかなり多く、この所見は、大腸癌組織におけるMUC2タンパク質の発現には、MUC2mRNAの発現後の「post−transcriptional」因子の影響があることを示していると考えられる。以上を総合すると、MUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、MUC2mRNAの発現とは概ね一致しており、MSE法によるMUC2遺伝子のメチル化解析が可能であることを示すことができた。
図10に示すように、MUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、全例において、大腸正常粘膜も大腸癌も「低メチル化」であり、RT−PCRによるMUC4mRNAの測定値と一致したが、「MUC4−8G7」の免疫組織化学染色結果とは一致する例と一致しない例があり、この所見は、大腸癌組織におけるMUC4タンパク質の発現には、MUC4mRNAの発現後の「post−transcriptional」因子の影響があることを示していると考えられる。以上を総合すると、MUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、MUC4mRNAの発現とは完全に一致しており、MSE法によるMUC4遺伝子のメチル化解析が可能であることを示すことができた。
図8〜10に示すように、MSE法において、低メチル化を呈したサンプル全てにおいて、mRNAの高発現を示した。さらに、メチル化の程度は、タンパク質の発現とも高い相関を示した。従って、ヒト大腸の腺管分離サンプルにおいてもMSE法によるメチル化解析が可能であると考えられる。
ヒト手術症例サンプルにおけるMSE法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較
大腸癌及び膵癌のヒト手術症例標本の腫瘍部と正常組織から得られたサンプルにおいて、ヒトMUC1(図11)、MUC2(図12)及びMUC4(図13)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析を実施例1〜3と同様にMSE法にて行い、またこれら遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を免疫組織化学染色によって確認し、比較を行った。
結果を図11〜13に示す。図11〜13において、「N」は正常組織サンプルを示し、「T」は癌組織サンプルを示す。(A)のパネルは、MSE法によるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。従って、「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。(B)のパネルは、免疫組織化学染色によるヒトMUC遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を示す写真である。
図11に示すように、MUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、従来の抗MUC1抗体である「MUC1−DF3」の染色結果と、正常組織においては一致せず、腫瘍部でも一致しないことがあったが、MUC1のmRNA発現を反映すると考えられる「MUC1−014E」の染色性とは高い相関を示し、ヒト手術症例サンプルにおいてMSE法によるMUC1遺伝子のメチル化解析が可能であることを示すことができた。
図12に示すように、MUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、一部の大腸癌組織において不一致例をみたが、概ね高い相関を示し、常にMUC2が陽性である大腸正常粘膜では、図9の腺管分離サンプルの場合と同様全例「低メチル化」であり、常にMUC2が陰性である膵正常組織においては全例「高メチル化」、MUC2が陰性の膵癌組織でも「高メチル化」であったが、例外的に癌腺管の一部が腸上皮化生をきたした膵癌組織では「低メチル化」バンドも観察され、ヒト手術症例サンプルにおいてMSE法によるMUC2遺伝子のメチル化解析が可能であることを示すことができた。
図13に示すように、MUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、N末端側subunitに対する抗体である「MUC4−8G7」とC末端側subunitに対する抗体である「MUC4−1G8」の双方による免疫組織化学染色を総合した結果と高い相関を示し、ヒト手術症例サンプルにおいてMSE法によるMUC4遺伝子のメチル化解析が可能であることを示すことができた。
ヒトの膵嚢胞性腫瘍の嚢胞内液サンプルと膵癌症例から得られた膵液サンプルにおけるMSE法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較
ヒトの膵嚢胞性腫瘍である膵管内乳頭粘液性腫瘍・腸型(IPMN−intestinal)手術症例の嚢胞内液サンプル又は膵癌(PDAC)症例から逆行性膵管造影時に得られた膵液サンプルにおいて、ヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析を実施例1〜3と同様にMSE法にて行い、また由来する腫瘍組織におけるこれら遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を免疫組織化学染色によって検索し、比較を行った。
結果を図14に示す。図14において、(A)のパネルは、MSE法によるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。従って、「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。(B)のパネルは、免疫組織化学染色によるヒトMUC遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を示す写真である。
図14の左パネルに示すように、MUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、IPMN−intestinalとPDACの双方において「低メチル化」であり、従来の抗MUC1抗体である「MUC1−DF3」の染色結果とは一致しない場合でも、MUC1のmRNA発現を反映すると考えられる「MUC1−014E」が陽性の染色結果とは相関を示した。
図14の中央パネルに示すように、MUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、IPMN−intestinalにおいて「低メチル化」であり、MUC2陽性の染色結果と一致していたが、PDACにおける「低メチル化」が主体である結果はMUC2陰性の染色結果と一致しなかった。
図14の右パネルに示すように、MUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、IPMN−intestinalにおいて「低メチル化」から「高メチル化」にわたり、多くのバンドが認められ、「MUC4−8G7」の陽性と陰性が混じり合った免疫組織化学染色と相関を示した。PDACにおける「低メチル化」の結果は、「MUC4−1G8」の陽性の染色結果と一致していた。
以上の結果から、ヒトの膵嚢胞性腫瘍(IPMN−intestinal)の嚢胞内液サンプルや膵癌症例から得られた膵液サンプルにおいてもMSE法によるメチル化解析が有用である可能性が示された。
ヒトの膵嚢胞性腫瘍の嚢胞内液サンプルと膵癌症例から得られた膵液サンプルにおけるMSE法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較
ヒトの膵管内乳頭粘液性腫瘍・胃型(IPMN−gastric)手術症例の嚢胞内液サンプルにおいて、ヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析を実施例1〜3と同様にMSE法にて行い、由来する腫瘍組織におけるこれら遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を免疫組織化学染色によって検索し、比較を行った。なお、PDACについての結果は、図14と同一のものである。
結果を図15に示す。図15において、(A)のパネルは、MSE法によるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。従って、「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。(B)のパネルは、免疫組織化学染色によるヒトMUC遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を示す写真である。
図15の左パネルに示すように、MUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、IPMN−gastricにおいて「低メチル化」と「高メチル化」のバンドが認められ、「MUC1−014E」が陽性の染色結果とは、「低メチル化」のバンドは相関を示したが、「高メチル化」のバンドは相関を示さなかった。
図15の中央パネルに示すように、MUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、IPMN−gastricにおいて「高メチル化」であり、MUC2陰性の染色結果と一致していた。
図15の右パネルに示すように、MUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、IPMN−gastricにおいて「高メチル化」であり、「MUC4−8G7」と「MUC4−1G8」の双方とも陰性の染色結果と一致していた。
以上の結果から、ヒトの膵嚢胞性腫瘍(IPMN−gastric)の嚢胞内液サンプルや膵癌症例から得られた膵液においてもMSE法によるメチル化解析が有用である可能性が示された。
ヒトの胆管嚢胞性腫瘍の嚢胞内液サンプルと肝外胆管癌(EHBDC)の胆汁サンプルにおけるMSE法によるヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析と免疫組織化学染色による当該遺伝子によりコードされるタンパク質の発現解析との比較
ヒトの粘液産生性胆管腫瘍・円柱細胞型(MPBT−columnar)手術症例の嚢胞内液サンプル又は肝外胆管癌(EHBDC)の胆嚢管浸潤症例の胆嚢内胆汁サンプルにおいて、ヒトMUC1、MUC2及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析を実施例1〜3と同様にMSE法にて行い、また由来する腫瘍組織におけるこれら遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を免疫組織化学染色によって確認し、比較を行った。
結果を図16に示す。図16において、(A)のパネルは、MSE法によるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。従って、「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。(B)のパネルは、免疫組織化学染色によるヒトMUC遺伝子によりコードされるタンパク質の発現を示す写真である。
図16の左パネルに示すように、MUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、MPBT−columnarにおいて「低メチル化」であったが、由来する腫瘍組織の「MUC1−DF3」と「MUC1−014E」の双方とも陰性の染色結果とは相関を示さなかった。一方、EHBDCにおいては「低メチル化」のバンドは、由来する腫瘍組織の「MUC1−DF3」と「MUC1−014E」の双方とも陽性の染色結果と一致したが、「高メチル化」に近いバンドも認められた。
図16の中央パネルに示すように、MUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、MPBT−columnarにおいては「低メチル化」でありMUC2陽性の染色結果と一致し、EHBDCにおいては「高メチル化」でありMUC2陰性の染色結果と一致した。
図16の右パネルに示すように、MUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域に関するMSE法の結果は、MPBT−columnarにおいては「低メチル化」であり「MUC4−8G7」と「MUC4−1G8」の双方の免疫組織化学染色の陽性部分と相関を示した。EHBDCにおいては「低メチル化」から「高メチル化」にわたり多くのバンドが認められ、「MUC4−8G7」と「MUC4−1G8」の陽性と陰性が混じり合った免疫組織化学染色と相関を示した。
以上の結果から、ヒトの胆管嚢胞性腫瘍(MPBT−columnar)の嚢胞内液サンプルや肝外胆管癌から得られた胆汁サンプルにおいても、一部に不一致はあるものの、MSE法によるメチル化解析が有用である可能性が示された。
ホルマリン固定時間及びパラフィン包埋時間によるDNAメチル化への影響に関するMSE法による評価
本実施例では、ホルマリン固定時間及びパラフィン包埋時間によるDNAメチル化への影響が、MSE法にて詳細に解明できることを示す。
ホルマリン固定パラフィン包埋病理標本は保存性に優れ、過去の症例についての遺伝子検索も可能であるため、ホルマリン固定パラフィン包埋病理標本のマイクロディセクション標本等を用いた遺伝子解析も盛んに行われるようになってきている。しかしながら、ホルマリン固定時間やパラフィン包埋により、DNAメチル化に変化が起きてしまわないか否かの検討は十分にはなされていない。
そこで、ホルマリン固定時間及びパラフィン包埋時間によるDNAメチル化への影響をMSE法およびMSP法により解析を行った。これまでの分析でムチンに関し、発現状況とDNAメチル化の解析結果のデータの蓄積があるヒト大腸の正常粘膜組織をサンプルとして用い、各ムチン(MUC1、MUC2及びMUC4)の遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析を実施例1〜3と同様にMSE法にて行った。
MUC1に関するMSP法は、primer set:MSP−UL(GGGGATTGGTATAAAGTGGTAGGT:配列番号17);MSP−UR(AAAACAAAACAATTCAAACAAACA:配列番号18);MSP−ML(GATCGGTATAAAGCGGTAGGC:配列番号19);及びMSP−MR(AAAACAAAACAAATTCAAACAAACG:配列番号20)を用いて、論文(Norishige Yamada,Yukari Nishida,Hideaki Tsutsumida,Tomofumi Hamada,Masamichi Goto,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2008)MUC1 expression is regulated by DNA methylation and histone H3−K9 modification in cancer cells.Cancer Res.,68(8):2708−16)を参照して行った。
MUC2に関するMSP法は、primer set:MSP−UL(GTTGTTTTATTTTGAAGAAGGTTGTG:配列番号21);MSP−UR(TAACAAAAACAATATAAATTACACCCAAA:配列番号22);MSP−ML(GTTGTTTTATTTTGAAGAAGGTTGC:配列番号23);及びMSP−MR(CGATATAAATTACGCCCGAA:配列番号24)を用いて、論文(Norishige Yamada,Tomofumi Hamada,Masamichi Goto,Hideaki Tsutsumida,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2006)MUC2 expression is regulated by histone H3 modification and DNA methylation in pancreatic cancer.Int.J.Cancer,119(8):1850−7)を参照して行った。
さらに、MUC4に関するMSP法は、primer set:MSP−UL(GGTGATTAGTGTGGGGTTTTG:配列番号25);MSP−UR(CCAAACCAAATACATTTCTCCAA:配列番号26);MSP−ML(GGTGATTAGCGTGGGGTTTC:配列番号27);及びMSP−MR(CGAACCAAATACGTTTCTCCG:配列番号28)を用いて、論文(Norishige Yamada,Yukari Nishida,Hideaki Tsutsumida,Masamichi Goto,Michiyo Higashi,Mitsuharu Nomoto and Suguru Yonezawa(2009)Promoter CpG methylation in cancer cells contributes to regulation of MUC4.Br.J.Cancer,100(2):344−51)を参照して行った。
図17に示すように、ヒト大腸の正常粘膜組織を、ホルマリン固定の時間を区切って最長140時間まで行った。一方、ホルマリン固定を24時間あるいは48時間行った後、パラフィン包埋を行い、全てのサンプルについてMSE法及びMSP法により解析を行った。結果を図17に示す。MSE法において、ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける左側から右側方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。また、MSPのパネルにおいて「U」は非メチル化を示し、「M」はメチル化を示す。
(1)ホルマリン固定時間によるDNAメチル化への影響
MSE法による解析において、MUC1及びMUC4遺伝子の標的領域に対しては、140時間までのホルマリン固定による影響は示されなかった。一方、MUC2遺伝子の標的領域に対しては、116時間までのホルマリン固定では影響は認められなかったが、140時間のホルマリン固定後のサンプルにおいて、「低メチル化」を呈すバンドの消失が示された。
MSP法による解析においては、MSE法で示されたような詳細なホルマリン固定パラフィン包埋の影響を解析することが出来なかった。
この結果より、ホルマリン固定後のサンプルにおいてDNAメチル化解析を行う場合には、標的領域の処理時間における影響の検討が必要であることが示された。
(2)ホルマリン固定後パラフィン包埋によるDNAメチル化への影響
24時間あるいは48時間にわたりホルマリン固定後パラフィンに包埋したサンプルにおける、各ムチンの遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析を行った。パラフィン包埋後直ちに脱パラフィンを行いDNAの精製を行ったサンプルに限っては、標的領域にメチル化の変化は生じていなかった。
しかし、パラフィン包埋後116時間あるいは140時間にわたり室温にて放置したパラフィンブロックから得られたサンプルにおけるMSE法による解析で、MUC1及びMUC4遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域では「高メチル化」を呈すバンドの消失を確認でき、また、MUC2遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域では、「低メチル化」を呈すバンドの消失を確認することができた。
同様の解析をMSP法で行った場合、安定した結果を得られず、MSE法で示されたような詳細なホルマリン固定パラフィン包埋の影響を解析することが出来なかった。
この結果より、ホルマリン固定後パラフィン包埋したサンプルにおいても、メチル化の解析を行う場合には、標的領域への経時変化の影響の検討が必要であることが示された。
以上の結果は、安易に、長期保存されているホルマリン固定パラフィン包埋標本を用いてDNAメチル化解析を行うことへの警鐘となる。
以上の実施例5〜9に示す結果より、MSE法は、ヒト由来の手術摘出サンプルや膵液・胆汁のような体液にも応用できることを示すものであり、実際に、ヒト癌の早期診断に役立つ可能性があると考えられる。また、実施例10に示すように、MSE法は、従来のMSP法等ではその実態が分からなかったサンプルのホルマリン固定やパラフィン包埋によるDNAメチル化への影響をも明らかにできる。
MSE法を用いたムチンコアタンパク質5AC(MUC5AC)遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化解析
本実施例では、MSE法を使用して、ヒトMUC5AC遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域のメチル化を解析した。図18は、ヒトMUC5AC遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域の配列(配列番号29;ただし、Bisulfite処理後のDNA配列であり、且つ非メチル化シトシンから変換されたウラシルをチミンで表示する)を示す。図18において、四角で囲まれた太字のTGはヒトMUC5AC遺伝子プロモーターの発現に重要なCpG部位を示し、四角で囲まれたTGはそれ以外のCpG部位を示す。また、斜体のTは、Bisulfite処理によりCがTに変換されたものを示す。
11−1.サンプル作製及び方法
実施例1と同様にして、各細胞株(MCF−7、T−47D、MDA−MB−453、NCI−H292、A427、BxPC3、HPAF II、PANC1、LS174T、及びCaco2)からDNAをDNeasy Blood & Tissue Kit(QIAGEN社製)を使用して抽出した後、EpiTect Bisulfite Kits(QIAGEN社製)を使用して、抽出したDNAをBisulfite処理に供した。
Bisulfite処理後のDNAを、以下のプライマーを使用したPCRに供した。
プライマーセット(小文字の塩基配列はGC clampである):
各PCRは図18に示すように、1stPCRは上記Primer 5−1とPrimer 5−2を用いて、2ndPCR(nested PCR)は上記Primer 5−3とPrimer 5−4を用いて行った。ポリメラーゼは、AmpliTaq Gold(登録商標)Fast PCR Master Mix(Applied Biosystem社製)を使用した。さらに、PCR条件及び温度設定を下記表7に示す。
次いで、下記表8に示すDGGEゲル条件下の変性剤濃度勾配ゲルを使用し、2ndPCR後の反応液をDGGEに供した。なお、電気泳動条件は、泳動槽温度:60℃、定電圧:230V、泳動時間:300分であった。電気泳動槽は、Dcodeシステム(BIO−RAD社製)を使用した。
11−2.解析結果
各細胞株における解析結果を図19に示す。(A)のパネルは、MassARRAY法による各細胞株のヒトMUC5AC遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域におけるメチル化の評価を示す。四角で囲んだ領域が本実施例における標的領域のCpG部位である。一方、(B)のパネルは、本実施例におけるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。
図19に示すように、MSE法によるメチル化の評価は、MassARRAY法による評価と高い相関を示した。MUC5AC遺伝子において、(A)のパネルにおける左側の四角で囲んだ領域のように、−3,700付近のかなり上流のメチル化状態と、mRNAに相関があることを見出し、PyrosequenceとMSEによりそれを確認し、全てが一致していた。なお、ヒストンの修飾も、この上流領域においてMUC5AC遺伝子発現に関与していた。
〔比較例1〕Bisulfite−DGGE法とMSE法との比較
従来法であるBisulfite−DGGE法により作製したサンプルとMSE法により作製したサンプルとの比較を行った。なお、DGGEでは、変性剤のみの濃度勾配アクリルアミドゲルを使用した。DNAメチル化評価の対象は、実施例1と同様にヒトMUC1遺伝子プロモーターの発現に関与するメチル化領域である。
Bisulfite−DGGE法では、サンプルは、実施例1に記載の上記プライマーセットのPrimer 1−3とPrimer 1−4を用いてnested PCRを行わずに通常のPCRのみを行い、作製した。PCR反応液組成及び温度設定は、表1に記載の1stPCRに準じたものである。
一方、MSE法では、サンプルは、実施例1と同様にして作製した。
結果を図20に示す。(A)のパネルがBisulfite−DGGE法によるDGGE後のゲルの写真である。(B)のパネルがMSE法によるDGGE後のゲルの写真である。ゲルにおける変性剤濃度勾配は、電気泳動における陰極から陽極方向へ(パネルにおける上部から底部方向へ)低濃度から高濃度へと勾配をつけている。
図20に示すように、Bisulfite−DGGE法では、Bisulfite処理に起因する非特異的増幅や目的外領域の増幅により正確な解析が行うことができなかった。あるいは、極少量のサンプル量に起因し、PCRの増幅が十分でないためにバンドが検出できなかった。一方、MSE法では、安定した解析結果を呈した。
また、Bisulfite−DGGE法とMSE法との比較として、細胞株(図21)、組織サンプル(図22)及び体液サンプル(図23)について、DGGE後のゲルの写真におけるバンドの発光強度をImageJにより計測し、算出した。図21〜23において、(A)のパネルがMSE法に関する結果であり、(B)のパネルがBisulfite−DGGE法に関する結果である。
また、Bisulfite−DGGE法とMSE法との検出力の比較結果を下記の表9に示す。表9においては、バンド発光強度の比率を、(MSE法による発光強度/Bisulfite−DGGE法による発光強度)の値として算出した。
図21〜23及表9に示すように、MSE法は、Bisulfite−DGGE法と比較して、細胞株サンプルで平均34倍、組織サンプルで平均47倍、体液サンプルで平均53倍の検出力を示した。従って、MSE法は、Bisulfite−DGGE法と比較して全体で平均45倍(最高105倍)の検出力を示した。双方の解析方法で検出可能なバンドにおいても、MSE法は、Bisulfite−DGGE法よりも高い検出力を示した。
本発明によれば、微量のDNAサンプルであってもDNAメチル化を検出でき、またDNAメチル化パターン又は連続性を検出できる。
また、本発明に係るDNAメチル化検出方法は、エピジェネティクス等のライフサイエンス分野において有効に利用することができる。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
[配列表]

Claims (3)

  1. DNAを重亜硫酸塩処理に供する工程と、
    標的領域の外側の領域に対応する2つのプライマーから成る1組の第1プライマーセットを用いて重亜硫酸塩処理後のDNAを第1のPCRに供する工程と、
    標的領域に対応する2つのプライマーから成る1組の第2プライマーセットを用いて第1のPCR後の増幅DNAを第2のPCRに供する工程と、
    第2のPCR後の増幅DNAを変性剤濃度勾配ゲル電気泳動に供する工程と、
    を含み、第2プライマーセットのプライマーのアニーリング位置は、標的領域に対して第1プライマーセットのプライマーのアニーリング位置の内側に存在し、第1及び第2プライマーセットのプライマーのアニーリング位置にCpG部位が存在せず、且つ第2プライマーセットのプライマーは、標的領域に存在する検出対象のCpG部位にアニーリングしない、DNAメチル化検出方法。
  2. 第2プライマーセットの一方のプライマーは、5'側にGC-clamp配列を有する、請求項1記載の方法。
  3. 変性剤濃度勾配ゲルが濃度勾配として変性剤濃度勾配のみを有する、請求項1記載の方法。
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