JP5764881B2 - 露光方法、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

露光方法、露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、露光方法、露光装置及びデバイスの製造方法に関する。
近年、半導体素子、液晶表示素子、撮像装置(CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)等)、薄膜磁気ヘッド等のデバイスは高集積化が図られている。特に、半導体素子は、高機能化及び低コスト化等の要請から、種々の電気部品を1チップ上に集積した大規模集積回路(LSI:Large Scale Integration)とされることが多い。LSIは、それが搭載される電子機器全体の性能を大きく左右するため、LSI単体での性能向上が望まれている。とりわけ、LSIに形成されるトランジスタを高速化しつつ低消費電力化する要請が高まっている。
上記のデバイスは、例えばフォトリソグラフィ法によって製造される。フォトリソグラフィ法では、例えばマスクに形成されるパターンを基板上に投影する露光処理が繰り返し行われる。この露光処理では、基板上に既に形成されている転写パターンと、次に形成すべきパターンの光学像とを精確に重ね合わせる必要がある。
一方、露光処理の処理時間が経過するにつれて、露光光の照射を受けるマスクの温度が上昇し、処理時間の経過と共にマスクが変形することがある。マスクにこのような熱変形が生じると、基板上に形成された転写パターンに光学像を重ね合わせる際、転写パターンと光学像とがずれてしまう。この結果、重ね合わせの精度が低下することになり、露光精度の低下につながる虞がある。
これに対して、例えば露光処理の経過時間とマスクの熱変形量との関係をマスクの種類毎に予めモデリングしておき、同一種類のマスクを用いて露光する場合の熱変形量を予測し、予測結果に応じて投影光学系の倍率を変更することで光学像を補正する手法が知られている。
米国特許出願公開第2005/0248744号明細書
しかしながら、同一種類のマスクであっても個々に熱変形の特性が異なるため、上記手法においては、重ね合わせの精度がマスクごとにバラついてしまう場合がある。このバラつきを抑えるためには、例えばマスクごとに経過時間と熱変形量との関係をモデリングするなどの処理が必要になるため、スループットに影響を及ぼす虞がある。
本発明は、スループットにほとんど影響を及ぼすことなく、所期の転写パターン形成精度を維持することができる露光方法、サーバ装置、露光装置及びデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、マスクに設けられたパターンの露光光像を基板に投影して当該基板にパターンの転写パターンを形成する露光方法であって、当該転写パターンを計測し、この計測結果に対して投影時の所定の寄与分を補正して算出されたマスクの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値に応じて前記露光光像を調整し、調整された露光光像を基板に投影する露光方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、マスクに設けられたパターンの露光光像が基板に投影されて形成される転写パターンを計測した計測結果を含む入力信号が入力される入力部と、入力された計測結果に対して投影時の所定の寄与分を補正して算出されたマスクの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値に応じた露光光像の調整データを生成する生成部と、生成された調整データを含む出力信号が出力される出力部とを備えるサーバ装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、本発明のサーバ装置を備える露光装置が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、本発明の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された前記基板を現像することとを含むデバイスの製造方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、マスクに設けられたパターンの露光光像を基板に投影して前記基板に前記パターンの転写パターンを形成する露光装置であって、前記露光光像の投影に用いられる投影光学系と、前記投影光学系を較正する較正装置と、本発明のサーバ装置から前記露光パターンに対して最適化されたマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)と倍率キャリブレーションパターンに対して最適化されたマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)を受信する受信装置と、ロット処理中、各倍率キャリブレーション実行時刻における露光パターンでのマスク伸縮補正パラメータに基づくマスク伸縮補正量と倍率キャリブレーションパターンでのマスク伸縮補正パラメータに基づくマスク伸縮補正量との差分(倍率キャリブレーションを補正するオフセット値)を算出し、この倍率キャリブレーション補正オフセット値に応じて前記較正装置に前記投影光学系の較正を行わせる制御装置とを備える露光装置が提供される。
本発明によれば、スループットにほとんど影響を及ぼすことなく、所期の転写パターン形成精度を維持することができる。
本発明の実施の形態に係る露光システムの構成を示す図。 本実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図。 本実施形態に係る計測装置の構成を概略的に示す図。 本実施形態に係るサーバ装置の構成を示すブロック図。 本実施形態に係る露光システムによる露光処理を示すフローチャート。 本発明に係る露光システムの他の構成を示す図。 本発明の係る露光システムの他の構成を示す図。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャート。 マスクの変動状態を示す模式図。 マスクの変動状態を示す模式図。 マスクの変動状態を示す模式図。 露光パターンに基づくマスク伸縮変動量を示すグラフ。 倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮変動量を示すグラフ。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る露光システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、露光システムSYSは、露光装置EX、計測装置MS及びサーバ装置SRを備えている。露光システムSYSは、サーバ装置SRと露光装置EX及び計測装置MSとの間では情報の通信が行われるようになっており、露光装置EXから計測装置MSには、露光対象である基板が搬送されるようになっている。
図2は、露光装置EXの構成を示す図である。
図2に示すように、露光装置EXは、パターンMpを有するマスクMを介した露光光ELを基板Pに投影することで基板Pを露光する構成になっており、照明光学系IL、マスクステージMST、投影光学系PL、基板ステージPST及び制御装置CONTを有している。
以下、露光装置EXの説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
照明光学系ILは、露光光ELでマスクMを照明する。照明光学系ILは、露光光ELの光源ユニット、オプティカル・インテグレータを含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、集光レンズ系、レチクルブラインド、及び結像レンズ系等(何れも不図示)を含んで構成されている。
マスクステージMSTは、照明光学系ILの例えば−Z側に配置されている。マスクステージMSTは、マスク保持機構(不図示)及び駆動機構(不図示)を有している。マスクステージMSTは、例えばマスクMを真空吸着又は静電吸着等により保持し、X方向及びY方向に移動可能に設けられている。
投影光学系PLは、露光光ELで照明されたマスクMのパターンMpの像(露光光像)Imを基板Pに投影する。投影光学系PLは、例えば複数の投影レンズなどの光学系を有している。当該光学系は、物体面(マスクM)側と像面(基板P)側との両方がテレセントリックとなっており、所定の縮小倍率β(βは例えば1/4,1/5等)でパターンMpの像Imを基板Pに投影する。
投影光学系PLの光軸AXの方向は、Z方向に設定されている。投影光学系PLには、温度や気圧を検出するセンサと、温度、気圧等の環境変化に応じて投影光学系PLの結像特性等の光学特性を一定に制御するレンズコントローラとが設けられている。センサの温度や気圧の計測結果は制御装置CONTに出力されるようになっている。制御装置CONTは、センサから出力された温度や気圧の測定結果に基づいて、レンズコントローラを介して投影光学系PLの結像特性等の光学特性を制御するようになっている。
レンズコントローラは、投影レンズを駆動するレンズ駆動機構を有している。レンズ駆動機構は、各投影レンズを独立して駆動可能である。レンズ駆動機構により、各投影レンズのZ方向オフセット、X方向チルト及びY方向チルトが独立して調整されるようになっている。
基板ステージPSTは、投影光学系PLの−Z側に配置されている。基板ステージPSTは、不図示の基板保持機構及び駆動機構を有している。基板ステージPSTは、例えば基板Pを真空吸着又は静電吸着等により保持し、X方向及びY方向に移動可能に設けられている。
制御装置CONTは、例えば照明光学系ILの光源の動作や、マスクステージMSTのマスク保持動作及び駆動動作、投影光学系PLのレンズコントローラの動作、基板ステージPSTの基板保持動作及び駆動動作など、上記各部の動作を制御する。制御装置CONTには、例えば不図示の記憶部及び通信部が設けられている。制御装置CONTは、通信部を介してサーバ装置SRとの間で情報の通信が可能になっている。
制御装置CONTの記憶部には、例えばマスクMの種類ごとに設定されたマスク伸縮補正データが記憶されている。マスクMに露光光が照射されると、当該露光光のエネルギーによってマスクMの温度が上昇し、マスクMが熱変形することがある。マスクMが熱変形すると、当該マスクMを介して基板Pに投影される露光光像Imも変形してしまう。このため、投影光学系PLでは、マスクMの熱変形による露光光像Imの変形を矯正するためのオフセット補正も行われるようになっている。オフセット補正は、投影光学系PLの投影倍率を補正することによって行われる。マスク伸縮補正データは、この投影倍率の補正に用いられるデータである。
マスク伸縮補正データは、例えばマスクMの種類ごとのマスク伸縮量に基づいて設定されている。マスク伸縮量は、例えば露光開始からの時間の関数として設定されている。この関数は、例えば実験やシミュレーション、試験露光などによって予め求めておくことができる。したがって、制御装置CONTは、露光開始からの時間に基づいて、投影光学系PLの投影倍率を補正するようになっている。
図3は、計測装置MSの構成を示すブロック図である。
計測装置MSは、例えば露光装置EXにおいて基板P上に形成された転写パターンCpの重ね合わせ精度などを測定する。計測装置MSは、ステージ21、計測機構22及び制御装置CONT2を有している。ステージ21は、不図示の基板保持機構及び駆動機構を有している。ステージ21は、基板Pを保持して移動可能に設けられる。計測機構22は、基板P上に形成された転写パターンCpを検出する。計測結果は、制御装置CONT2に送られるようになっている。
制御装置CONT2は、不図示の記憶部、判断部及び通信部を有している。記憶部には、例えば計測機構22の計測データを含む各種データが記憶されている。計測データとしては、例えばショットスケーリングのデータなどが挙げられる。ショットスケーリングのデータは、それぞれX方向及びY方向についてのデータを含む。
判断部は、計測機構22の計測結果と記憶部に記憶された閾値とを比較し、計測結果が閾値を超えたか否かを判断する。通信部は、例えばサーバ装置SRとの間で情報の送受信を行う。計測装置MSと露光装置EXとの間には、露光装置EXから計測装置MSに基板Pを搬送する不図示の搬送装置が設けられている。
図4は、サーバ装置SRの構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ装置SRは、露光装置側通信部31、計測装置側通信部32、制御部33及び表示部34を有する。露光装置側通信部31は、露光装置EXとの間で情報を送受信する。計測装置側通信部32は、計測装置MSとの間で情報を送受信する。
制御部33は、異常検出部35、データ処理部36、ファイル作成部37、表示制御部38及び記憶部39を有している。制御部33には、例えばCPUなどの不図示の制御装置が設けられている。
異常検出部35は、計測装置側通信部32で受信される計測装置MSからの異常通知信号を検出する。異常検出部35は、異常通知信号を検出をトリガーとして、露光装置EXに対してデータ要求信号を送信する。データ要求信号は、露光装置EX内の露光データをサーバ装置SRに送信させる信号である。このときの露光データとしては、例えばマスク伸縮補正ファイルや各種ログデータなどが挙げられる。ログデータとしては、例えばレンズ制御トレース変動量、ベースライン計測時の倍率補正変動量、ショット倍率オフセット、ウエハ倍率オフセットなどが挙げられる。各データは、それぞれX方向及びY方向についてのデータを含む。マスク伸縮補正ファイルは、例えばマスクMの種類ごとに予め設定されたデータファイルである。具体的には、マスク伸縮補正ファイルには、露光開始からの時間とマスクMの変形量との関係を示す関数についての、変形量の飽和値及び時定数が含まれている。
データ処理部36は、露光装置EXからの露光データに含まれるログデータ及び計測装置MSからの計測データを用いて、基板Pごとに、実際のマスクの伸縮変動量やマスクに吸収される露光パワーを算出する。データ処理部36は、算出されたマスクの伸縮変動量とマスクに吸収される露光パワーに基づいて、最適なマスク伸縮補正値を算出する。
ここで、ログデータについて、X方向のショットスケーリングをEMesrX及びY方向のショットスケーリングをEMesrY、X方向のレンズ制御トレース変動量をELX及びY方向のレンズ制御トレース変動量をELY、ベースライン計測時のX方向の倍率補正変動量をB及びベースライン計測時のY方向の倍率補正変動量をB、X方向の倍率オフセットをS及びY方向の倍率オフセットをSとすると、露光処理中のX方向マスク伸縮変動量E及びY方向マスク伸縮変動量Eは、下記[数1]及び[数2]で示す式によって求められる。
[数1]で示されるように、マスク伸縮変動量Eは、ショットスケーリング計測結果EMesrXに対して、露光処理中の倍率補正量であるレンズ制御トレース変動量ELXとベースライン計測時の倍率補正変動量Bを加算し、予め設定された一定の倍率オフセット補正量Sを差し引いた値である。
同様に、[数2]で示されるように、マスク伸縮変動量Eは、ショットスケーリング計測結果EMesrYに対して、露光処理中の倍率補正量であるレンズ制御トレース変動量ELYとベースライン計測時の倍率補正変動量Bを加算し、予め設定された一定の倍率オフセット補正量Sを差し引いた値である。
Figure 0005764881
Figure 0005764881
また、基板ごとにマスクに吸収される露光パワーPX(t)[単位はW]は、基板Pごとの平均露光処理時刻をt[単位はsec]、1つ前の平均露光処理時刻からの経過時間をΔt[単位はsec]、時刻tにおけるX方向のレンズ制御トレース変動量をELX(t)[単位はppm]、時刻tより1つ手前のX方向レンズ制御トレース変動量(n成分、n=A、B、C)をELXn(t-Δt)[単位はppm]、露光X飽和値n成分(n=A、B、C)SXn[単位はppm/W]、露光X時定数n成分(n=A、B、C)をTXn[単位はsec]とすると、下記[数3]に示す式によって求められる。
同様に、基板ごとにマスクに吸収される露光パワーPY(t)[単位はW]は、時刻tにおけるY方向のレンズ制御トレース変動量をELY(t)[単位はppm]、時刻tより1つ手前のY方向レンズ制御トレース変動量(n成分、n=A、B、C)をELYn(t-Δt)[単位はppm]、露光Y飽和値n成分(n=A、B、C)SYn[単位はppm/W]、露光Y時定数n成分(n=A、B、C)をTYn[単位はsec]とすると、下記[数4]に示す式によって求められる。
Figure 0005764881
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また、データ処理部36は、時刻tにおけるマスク伸縮変動量ELX(t)、ELY(t)[単位はppm]を示す下記[数5]及び[数6]のモデル式において、時刻tより1つ手前のマスク伸縮変動量ELXn(t-Δt)、ELYn(t-Δt)[単位はppm](n成分、n=A、B、C)と時刻tにおいてマスクに吸収される露光パワーPX(t)、PY(t)[単位はW]に基づいて、Δt時間ごとに逐次計算を行い、マスク伸縮変動量データとモデル式との残差二乗和が最小となる飽和値Sn(SXn、SYn)及び時定数Tn(TXn、TYn)を算出する。
算出される値、飽和値Sxn(n=A、B、C)、時定数Txn(n=A、B、C)飽和値Syn(n=A、B、C)、時定数Tyn(n=A、B、C)が最適なマスク伸縮補正値となる。
Figure 0005764881
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尚、ここでは、基板ごとの平均露光処理時刻を用いたが、各基板のショットごとの平均露光処理時刻を用いて、マスクの伸縮変動量とマスクに吸収される露光パワーを算出し、最適なマスク伸縮補正値を求めてもよい。
ファイル作成部37は、データ処理部36において算出された最適補正値を用いてマスク伸縮補正ファイルを最適化し、最適補正ファイルを作成する。
表示制御部38は、データ処理部36における算出結果や、ファイル作成部37において作成された最適補正ファイルのデータを表示部34に表示させる。表示制御部38は、各算出結果を個別に表示させて当該表示を切り替えることもできるし、各算出結果を対応付けた状態で表示させることもできる。
記憶部39は、例えば露光装置側通信部31及び計測装置側通信部32を介して受信されたデータや、データ処理部36及びファイル作成部37において処理されたデータなどが記憶される。
次に、図5を参照して、上記のように構成された露光システムSYSの動作を説明する。図5は、露光システムSYSによる処理工程を示すフローチャートである。
露光装置EXにおいて基板Pの露光処理が行われる(ステップS1)。制御装置CONTは、露光装置EXの周囲の環境(温度、湿度及びクリーン度を含む)が所定の状態となるよう下位の調整手段等を制御する。環境を調整した後、制御装置CONTは、マスクMをマスクステージMSTのマスク保持部に保持させる。
制御装置CONTは、マスクMを保持させた後、マスクアライメント、ベースライン計測等の準備作業が行わせる。その後、制御装置CONTは、基板ステージPSTに基板Pを保持させ、アライメントセンサを用いた基板Pのファインアライメント(EGA;エンハンスト・グローバル・アライメント等)を行わせ、基板P上の複数のショット領域の配列座標を求める。制御装置CONTは、アライメント結果に基づいてレーザ干渉計の計測値をモニタしつつ、駆動機構を制御して基板Pの第1ショットの露光のための走査開始位置に基板ステージPSTを移動させる。制御装置CONTは、マスクステージMSTと基板ステージPSTとのY方向の走査を開始させ、両ステージがそれぞれの目標走査速度に達すると、露光用照明光によってマスクMのパターン領域を照明させ、走査露光を開始させる。
マスクMのパターン領域の異なる領域が照明光で逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、基板P上の第1ショットの走査露光が完了する。これにより、マスクMのパターンが投影光学系PLを介して基板P上の第1ショット領域に縮小転写される。
このようにして、第1ショットの走査露光が終了すると、制御装置CONTは、基板ステージPSTをX、Y方向にステップ移動させ、第2ショットの露光のため走査開始位置に移動させる。制御装置CONTは、上記第1ショット領域と同様に、第2ショット領域に対して走査露光を行わせる。当該制御により、基板P上のショット領域の走査露光と次ショット露光のためのステップ移動とが繰り返し行われ、基板P上の露光対象ショット領域の全てにマスクMのパターンが順次転写される。
露光処理の処理時間が経過するにつれ、露光光の照射を受けるマスクMの温度が上昇し、処理時間の経過と共にマスクMが変形することがある。マスクMにこのような熱変形が生じると、基板P上に形成された転写パターンCpに露光光像Imを重ね合わせる際、転写パターンCpと露光光像Imとがずれてしまう。この結果、重ね合わせの精度が低下することになり、露光精度の低下につながる虞がある。
そこで、本実施形態では、例えば露光処理の経過時間とマスクMの熱変形量との関係をマスクの種類毎に予めモデリングしておき、同一種類のマスクMを用いて露光する場合の熱変形量を予測し、予測結果に応じて投影光学系PLの投影倍率等を変更することで露光光像Imを補正する。
全てのショット領域にパターンが転写された後、制御装置CONTは、当該基板Pを搬出させる。露光装置EXから搬出された基板Pは、不図示のレジストコーター・デベロッパーによって現像処理され、そして、不図示の搬送機構によって計測装置MSに搬送され、基板Pに転写された転写パターンCpが計測される(ステップS2)。
計測装置MSの制御装置CONT2は、計測された転写パターンCpのショットスケーリング誤差が所定の閾値を超えたと判断した場合、または、ショットスケーリング誤差の変動率が所定の閾値を超えたと判断した場合は(ステップS3のYES)、制御装置CONT2は、異常通知信号をサーバ装置SRに送信すると共に、異常のあった転写パターンCpの計測データをサーバ装置SRに送信する(ステップS4)。
サーバ装置SRの制御部33の異常検出部35において、計測装置MSからの異常通知信号が検出されると(ステップS5のYES)、制御部33は露光装置EXに対してデータ要求信号を送信する(ステップS6)。露光装置EXにおいて当該信号が受信されると(ステップS7のYES)、制御装置CONTは、露光データとして、上記のマスク伸縮補正ファイル、レンズ制御トレース変動量、ベースライン計測時の倍率補正変動量、ショット倍率オフセット、ウエハ倍率オフセットをサーバ装置SRに送信する(ステップS8)。
サーバ装置SRで露光データが受信されると(ステップS9のYES)、データ処理部36は、送信された露光データ及び計測データに基づいて、基板Pごとに、マスクの伸縮変動量及びマスクに吸収される露光パワーを算出し、これらの算出結果に基づいて、最適なマスク伸縮補正値である飽和値Sxn(n=A、B、C)、時定数Txn(n=A、B、C)、飽和値Syn(n=A、B、C)、時定数Tyn(n=A、B、C)を算出する。(ステップS10)。
その後、ファイル作成部37は、算出された最適補正値{Sxn、Txn|n=A、B、C}、{Syn、Tyn|n=A、B、C}によってマスク伸縮補正ファイル内の飽和値Sxn、Syn及び時定数Txn、Tynを最適化し、最適補正ファイルを作成する(ステップS11)。作成された最適補正ファイルは、露光装置側通信部31を介して露光装置EXに送信される(ステップS12)。
露光装置EXにおいて最適補正ファイルが受信されると(ステップS13のYES)、制御装置CONTは、送信された最適補正ファイルによってマスク伸縮補正ファイルの内容(飽和値Sxn、Syn及び時定数Txn、Tyn)を更新する(ステップS14)。制御装置CONTは、更新したマスク伸縮補正ファイルに基づいて投影光学系PLのレンズコントローラLCを制御し、以降の露光処理を行わせる。
このように、本実施形態によれば、マスクMに設けられたパターンMaの露光光像Imを基板Pに投影し当該基板PにパターンMaの転写パターンCpを形成し、計測装置MSにおいて転写パターンCpを計測し、この計測結果に対して、露光処理中の倍率補正量の加算、及び、予め設定された一定の倍率オフセット補正量の減算を行って、マスクの伸縮変動量を算出する。そして、前記マスク伸縮変動量、及び、マスクに吸収される露光パワーに基づいて算出された最適なマスク伸縮補正値に基づいて、露光光像Imを調整することとしたので、個々に熱変形の特性が異なるマスクMを用いる場合であっても、更には、同じマスクMでも露光装置ごとのマスク吸着状態によって、マスク変形の特性が異なる場合であっても、露光光像Imの調整を迅速に行うことができる。これにより、スループットにほとんど影響を及ぼすことなく、所期の露光精度を維持することができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態では、上記の露光装置EXにおいて、投影光学系PLの倍率キャリブレーションを行う場合の動作を説明する。本実施形態では、第1実施形態と同一構成の露光装置EXを用いて説明する。したがって、上記実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して説明する。
露光装置EXでは、露光光ELの照射を受けることで投影光学系PLのレンズの倍率が変動する場合がある。このため、制御装置CONTは、所定のタイミングで投影光学系PLのレンズの倍率のキャリブレーション(較正)を行わせるようにしている。
従来、倍率キャリブレーションは、マスク上の倍率キャリブレーションパターンに対して、最適な倍率補正を行っていた。マスク熱変形は非線形であるため、この場合、倍率キャリブレーションパターンには倍率が合うが、露光パターンに対しては倍率ずれ(オフセット)が生じてしまう問題が発生する。例えば、露光処理中、基板5枚ごとに倍率キャリブレーションを実行した場合、基板5枚ごとに異なる値の倍率オフセットが露光パターンに生じてしまう。よって、露光パターンに対する最適なマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)と倍率キャリブレーションパターンに対する最適なマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)の両方を求めておき、露光処理中に倍率キャリブレーションを実行した際は、その時刻における露光パターンに基づくマスク伸縮補正量と倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮補正量の両方を算出し、その差分をオフセット補正値として、倍率キャリブレーション値に加算することにより、従来の倍率キャリブレーション時に発生する露光パターンに対する倍率とびをなくすることが可能となる。
この動作を行うためには、制御装置CONTは、露光パターンと同様に、まず、下記の[数7]及び[数8]に示すように、X方向及びY方向における倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮変動量(補正しない場合のマスク伸縮変動量)V及びVを算出する。
Figure 0005764881
Figure 0005764881
次に、マスク上の倍率キャリブレーションパターンに基づく、基板Pの露光時におけるマスク伸縮補正量V(t)及びV(t)を、次の[数9]及び[数10]より算出する。
Figure 0005764881
Figure 0005764881
ここで、VXm(t−Δt)は、1つ手前の基板PにおけるX方向のマスク伸縮変動量であり、Δtは1つ手前の基板Pの平均露光処理時刻と基板Pの平均露光処理時刻との時間間隔であり、P(t)は、1つ手前の基板Pから基板Pへの露光処理にかけてマスクに吸収される露光パワーであり、TXmとSXmはそれぞれマスクの倍率キャリブレーションパターンに対するX方向の伸縮の時定数と飽和値である。
また、VYm(t−Δt)は、1つ手前の基板PにおけるY方向のマスク伸縮変動量であり、Δtは1つ手前の基板Pの平均露光処理時刻と基板Pの平均露光処理時刻との時間間隔であり、P(t)は、1つ手前の基板Pから基板Pへの露光処理にかけてマスクに吸収される露光パワーであり、TYmとSYmはそれぞれマスクの倍率キャリブレーションパターンに対するY方向の伸縮の時定数と飽和値である。
次に、制御装置CONTは、露光時の時定数と飽和値を設定することにより、露光処理中でのマスクのX方向伸縮補正量V(t)及びY方向伸縮補正量V(t)を求める。制御装置CONTは、この結果と、上記算出したマスクの実際のX方向伸縮変動量VXm(t)及びY方向伸縮変動量VYm(t)との差を求める。制御装置CONTは、当該差が所定の閾値より大きい場合には、倍率キャリブレーション用のマスク伸縮補正パラメータ(飽和値と時定数)を最適化する。具体的には、例えば、X方向のマスク伸縮の場合、1つ手前の基板Pについての実際の伸縮変動量VXm(t)と、1つ手前の基板Pから基板Pへの露光処理にかけてマスクに吸収される露光パワーP(t)、及び、1つ手前の基板Pの露光と基板Pの露光との時間間隔Δtをそれぞれ上記[数9]に代入して、基板P露光時のマスク伸縮補正量を算出する。これを基板Pについて、順次、逐次計算を行い、左辺V(t)と実際のマスク伸縮変動量VXm(t)との残差二乗和が最小となるように最小二乗法を適用して、[数9]内の時定数TXmと飽和値SXmを最適化する。
そして、露光処理中に倍率キャリブレーションを実行した際は、前記最適化された露光パターン用のマスク伸縮補正パラメータと倍率キャリブレーション用のマスク伸縮補正パラメータに基づき、各倍率キャリブレーション実行時刻における、露光パターンでのマスク伸縮補正量と倍率キャリブレーションパターンでのマスク伸縮補正量の両方を算出し、その差分をオフセット補正値として、倍率キャリブレーション値に加算することにより、従来の倍率キャリブレーション時に発生する露光パターンに対する倍率とびをなくすることが可能となる。
このように、本実施形態によれば、露光パターンに対する最適なマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)と倍率キャリブレーションパターンに対する最適なマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)の両方を求めておき、露光処理中に倍率キャリブレーションを実行した際は、その時刻における露光パターンに基づくマスク伸縮補正量と倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮補正量の両方を算出し、その差分(倍率キャリブレーションオフセット補正値)を倍率キャリブレーション値に加算する処理を行わせることとしたので、投影光学系PLの倍率キャリブレーション時における重ね合わせ精度を向上させることができる。
なお、本実施形態では、最適値に更新された露光パターンに対するマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)と最適値に更新された倍率キャリブレーションパターンに対するマスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)に基づいて、倍率キャリブレーション実行時刻における露光パターンでのマスク伸縮補正量と倍率キャリブレーションパターンでのマスク伸縮補正量との差分(倍率キャリブレーションオフセット補正値)を算出し、このオフセット補正値を倍率キャリブレーション値に加算する処理を制御装置CONTにおいて行わせる場合を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えばサーバ装置SRにおいて同様の処理を行わせるように構成しても構わない。
この場合、例えば図4に示す露光装置側通信部31を用いて露光装置EXとの間でデータの送受信を行うようにすればよい。また、倍率キャリブレーションオフセット補正値などの各値の算出は、例えば図4に示すデータ処理部36などにおいて行わせるようにすればよい。また、例えばファイル作成部37においては、データ処理部36などでの算出結果に基づいて、例えば倍率キャリブレーションオフセット補正値ファイルを作成するようにしても構わない。作成された倍率キャリブレーションオフセット補正値ファイルは、例えば露光装置側通信部31を介して露光装置EXに送信されるようにすればよい。この場合、露光装置EXでは、倍率キャリブレーションオフセット補正値ファイルに基づいて投影光学系PLの倍率キャリブレーションが行われることとなる。勿論、データの送受信や各値の算出、ファイルの作成などのそれぞれの処理を行わせる処理部をサーバ装置SRに別途設けるようにしても構わない。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
上記各実施形態では、マスクMの熱変形に起因する経時的な伸縮変動量として、例えばスケーリング変動による変動量を用いる場合を例に挙げて説明した。しかしながら、マスクMのパターン構成や露光光の照明条件、マスクの冷却方法などの要因により、マスクMの熱変形が不均衡に発生し、スケーリング変動とは異なる変動が発生する場合がある。
このような変動としては、例えば0次の変動(シフト変動)、1次の変動(ローテーション変動など)、2次以上の高次変形成分の変動が挙げられる。本実施形態では、このようなスケーリング変動以外の変動が発生した場合であっても、マスク伸縮補正値を最適化する構成について説明する。
図9〜図11は、マスクMの変動の態様を示す図である。図9〜図11においては、変動する前のマスクMの状態を例えばマトリクス状に配置された基準格子点(図中白丸)で表している。また、基準格子点の移動により、マスクMの変動の態様を示している。変動後の格子点(変動後格子点)を図中黒丸で示している。また、図中左右方向がX軸方向(右方向を+X方向、左方向を−X方向と表記する)、図中上下方向がY軸方向(上方向を+Y方向、下方向を−Y方向と表記する)を示している。
まず、シフト変動について説明する。例えば、図9(a)には、基準格子点に対して変動後格子点がX方向にそれぞれ等しい距離だけ移動している態様が示されている。また、図9(b)には、基準格子点に対して変動後格子点がY方向にそれぞれ等しい距離だけ移動している態様が示されている。図9(a)及び図9(b)に示すように、変動後格子点は、基準格子点のどの点について見ても、一定の方向に一定の距離だけ移動している。このように、シフト変動は、マスクMがX方向及びY方向のいずれか一方向に均一に変形する変動の態様である。
次に、スケーリング変動について説明する。上記実施形態で述べたスケーリング変動は、例えば図9(c)及び図9(d)によって示される。図9(c)はX方向におけるスケーリング変動を示している。同図では、X方向中央の列では基準格子点と変動後格子点とが一致している(移動していない)。一方、中央の列から+X方向に離れると、基準格子点に対して変動後格子点が+X方向にずれている。このズレ量は、中央の列からの距離に比例している(1次の変動)。なお、図9(d)はY方向におけるスケーリング変動を示している。Y方向におけるスケーリング変動は、X方向におけるスケーリング変動と同様の説明が可能である。このように、スケーリング変動は、基準位置からの離れるに連れて、距離に比例して変動量が大きくなる変動の態様である。
次に、ローテーション変動について説明する。図9(e)はY軸におけるローテーション変動を示している。同図では、Y軸中央の行では基準格子点と変動後格子点とが一致している(移動していない)。一方、中央の行から+Y方向に離れると、基準格子点に対して変動後格子点が+X方向にずれている。このズレ量は、中央の行からの距離に比例している(1次の変動)。なお、図9(f)はX軸におけるローテーション変動を示している。X軸におけるローテーション変動は、X方向におけるローテーション変動と同様の説明が可能である。このように、ローテーション変動は、基準位置から所定方向に離れるにつれて、距離に比例して当該所定方向に直交する方向への変動量が大きくなる変動の態様である。
次に、高次変形成分の変動について説明する。高次の変動には多種の態様が存在するため、ここでは一部の態様を例に挙げて説明するが、勿論この例に限定されるものでは無い。例えば図9(g)及び図9(h)は、偏芯スケーリング変動の態様を示している。例えば図9(g)に示すように、X方向中央から+X方向に離れた位置と、−X方向に離れた位置とでは、同じ距離だけ離れた場合における移動量及び移動方向が異なっている。図9(h)に示す場合においても同様の説明が可能である。
図10(a)及び図10(b)は、台形状に変動する態様を示している。例えば図10(a)に示すように、X方向中央の列からX方向に離れた位置において当該X方向中央の列からの距離に比例した大きさのローテーション変動が発生している。ただし、当該中央の列から+X方向に離れた場合と−X方向に離れた場合とで、ローテーション変動の方向が逆になっている。図10(b)に示す場合においても同様の説明が可能である。
図10(c)及び図10(d)は、扇形に変動する態様を示している。例えば図10(c)に示すように、Y方向中央の行からY方向に離れた位置では、当該Y方向中央の行からの距離に比例して変動後格子が+X方向に移動している。図10(d)に示す場合においても同様の説明が可能である。
図10(e)及び図10(f)は、C字倍率変動の態様を示している。例えば図10(e)に示すように、X方向中央の列と、当該X方向中央の列に対して+X側及び−X側に1つずつ隣接する列において変動後格子は移動していない。また、X方向中央の3列から+X方向に離れた位置においては、変動後格子が+X方向に変動していると共に、移動量が距離に比例して大きくなっている。更に、当該X方向中央の3列から−X方向に離れた位置においては、変動後格子が−X方向に変動していると共に、移動量が距離に比例して大きくなっている。図10(f)に示す場合においても、同様の説明が可能である。
図10(g)及び図10(h)は、アコーディオン型の変動の態様を示している。例えば図10(g)に示すように、X方向中央の3列については変動後格子の移動が無く、当該3列に対してX方向に離れた位置において、変動後格子は距離に比例した大きさでローテーション変動している。図10(h)に示す場合においても、同様の説明が可能である。
図11(a)及び図11(b)は、C字距離変動の態様を示している。例えば図11(a)に示すように、Y方向中央の3行については変動後格子の移動が無く、当該3行に対してY方向に離れた位置において、変動後格子は距離に比例した移動量で移動している。但し、X方向中央に対して+X側の変動後格子は+X側に移動しており、X方向中央に対して−X側の変動後格子は−X側に移動している。また、X方向中央の変動後格子は、移動していない。図11(b)に示す場合においても、同様の説明が可能である。
図11(c)及び図11(d)は、川の流れ型の変動の態様を示している。例えば図11(c)に示すように、Y方向中央の3行については変動後格子の移動が無く、当該3行に対してY方向に離れた位置において変動後格子は距離に比例した移動量で移動している。但し、+Y側に離れた位置においては+X側に移動しており、−Y側に離れた位置においては−X側に移動している。図11(d)に示す場合においても、同様の説明が可能である。
本実施形態では、このような図9〜図11に示すマスクMの変動の態様を制御装置CONTに記憶させておくようにする。
本実施形態においてマスク伸縮補正値を最適化する場合、例えば上記実施形態と同様、基板Pの全てのショット領域にパターンが転写された後、基板Pに転写された転写パターンCpを計測する。このとき、本実施形態では、計測結果に含まれる0次変形成分、1次変形成分及び高次変形成分のうち少なくとも1つが所定の閾値を超えていると判断した場合、計測装置MSの制御装置CONT2は、異常通知信号をサーバ装置SRに送信すると共に、異常のあった転写パターンCpの計測データをサーバ装置SRに送信するようにする。
つまり、上記各実施形態においてスケーリング変動についてのみ行っていた計測・補正処理を、他の変形成分に対しても適用させるようにする。0次変形成分、1次変形成分、高次変形成分のいずれを閾値として用いるかについては、例えばユーザー側で適宜設定することが可能な構成としても構わない。
具体的には、上記実施形態においてはEMesrXとしてX方向のショットスケーリングの計測結果を適用し、EMesrYとしてY方向のショットスケーリングの計測結果を適用していたが、本実施形態では、EMesrXとしてX方向の0次変形成分、1次変形成分及び高次変形成分の計測結果(所定の閾値を超えたと判断されたパラメータ)を適用し、EMesrYとしてY方向の0次変形成分、1次変形成分及び高次変形成分の計測結果(所定の閾値を超えたと判断されたパラメータ)を適用する。マスク伸縮補正パラメータ(時定数と飽和値)は、0次、1次、高次の各マスク変形成分ごとに設ける。その後の処理は、上記各実施形態と同様で、マスク変形成分毎に、マスク伸縮に起因するマスク変動量を算出してマスク伸縮補正パラメータを最適化する。
以上のように、本実施形態によれば、マスクMのショットスケーリングの変動のみならず、0次のシフト変動、スケーリング以外の1次変動、上記図9(g)、図9(h)、図10(a)〜図10(d)に例示した2次の高次変形成分、図10(e)〜図10(h)、図11(a)〜図11(d)に例示した3次の高次変形成分など、2次以上の各高次変形成分について、マスク熱変形に起因する経時的な高次変動が発生した場合においても、マスク伸縮補正値を最適化することができるため、露光光像Imの調整精度を高めることができる。これにより、スループットにほとんど影響を及ぼすことなく、所期の露光精度を維持することができる。また、投影光学系PLの倍率キャリブレーション時においては、本実施形態の手法によって最適化したマスク伸縮補正値を用いるため、投影光学系PLの倍率キャリブレーション時における重ね合わせ精度を向上させることができる。
なお、本実施形態において、マスクMにおいて例えばシフト変動(0次変動成分)が発生した場合は、マスクステージMSTの位置をオフセットさせ、シフト変動の経時的な予測補正制御を行う。これにより、重ね合わせ計測結果のシフト変動を補正することができる。また、ローテーション変動(1次変動成分)が発生した場合は、マスクステージMSTの回転姿勢を経時的に変化させて、ローテーション変動の経時的な予測補正制御を行う。シフトやローテーション変動のみならず、他の変動成分が発生した場合において、例えば投影光学系PLによる調整と組み合わせてマスクステージMSTの位置や姿勢を調整させても構わない。
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同一構成の露光システムSYSを用いて説明する。したがって、上記第1実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付して説明する。本実施形態の露光システムEXでは、例えば1ロット(1ロットは25枚又は50枚)の基板Pを一まとめとして、複数ロット(例えば5ロット〜10ロット)の基板Pに対して露光処理が繰り返して行われる。
図12は、露光パターンに基づくマスク伸縮変動量を示すグラフである。グラフの縦軸は、マスク伸縮変動の大きさを示している。グラフの横軸は、複数ロットのうち例えば1ロット目の最初の基板Pに対して露光が開始される時刻を基準とした時刻の経過を示している。なお、上記第1実施形態と同様、本実施形態においても平均時刻を用いている。図12では、複数ロットのうち1ロット目及び2ロット目についてのマスク伸縮変動量を例に挙げて示している。
図12に示すように、1ロット目の最後の基板Pの平均露光時刻t1と、2ロット目の最初の基板Pの平均露光時刻t2との間には、マスク伸縮変動量のギャップ(ΔMag_exp_lot)が形成されている。これは、当該1ロット目と2ロット目との間の期間(ロット間)において露光処理が行われず、この間、マスクが冷えて、マスクMの変動量が小さくなることに基づいている。しかし、これ以外に、1ロット目と2ロット目との間のマスク伸縮変動量のギャップは、例えば露光処理を行う基板Pの下地層のパターン状態や、当該基板Pに対して露光処理の前に行われるプロセス処理などの影響により、ロット処理間で異なる値となる場合がある。
また、露光装置EXにおいては、例えば各ロットにおける最初の基板Pの露光開始前や、各ロットにおいて所定枚数(例えば、5枚〜10枚)の基板Pを露光する毎に、例えば投影光学系PLの倍率キャリブレーションが行われる。この投影光学系PLの倍率キャリブレーションは、例えば上記第2実施形態に記載の手法によって行われる。
図13は、このときのマスク伸縮変動量を示すグラフである。グラフの縦軸は、マスク伸縮変動量の大きさを示している。グラフの横軸は、複数ロットのうち例えば1ロット目の最初の基板Pに対して露光が開始される時刻を基準とした時刻の経過を示している。また、グラフの実線はサーバ装置SRによって算出された最適なマスク伸縮補正値であり、
グラフの丸印はインターバル倍率キャリブレーションによる計測値である。
図13に示すように、サーバ装置SRでは、各ロット(ここでは1ロット目及び2ロット目が示されている)における最初の基板Pの平均露光時刻から最後の基板Pの平均露光時刻までのマスク伸縮変動量が算出される。このとき、1ロット目の最後の基板Pの平均露光時刻t1におけるマスク伸縮変動量と、2ロット目の最初の基板Pの平均露光時刻t2におけるマスク伸縮変動量との間には、マスク伸縮変動量のギャップ(ΔMag_vra_lot)が形成される。これは、当該1ロット目と2ロット目との間の期間(ロット間)において露光処理が行われず、この間、マスクが冷えて、マスクMの変動量が小さくなることに基づいている。インターバル倍率キャリブレーションパターンでは、前記、露光パターンにおける下地層のパターン状態や、露光処理前のプロセス処理などの影響は発生しない。
このため、露光パターンに基づくマスク伸縮変動量のロット間のギャップと倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮変動量のロット間のギャップとの間にズレが生じる場合がある。この結果、重ね合わせの精度が低下することになり、露光精度の低下につながる虞がある。
これに対して、本実施形態では、露光パターンに基づくマスク伸縮変動量のロット間のギャップが、倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮変動量のロット間のギャップに等しくなるようにする。これにより、露光パターンに基づくマスク伸縮変動量のロット間のギャップから、下地層のパターン状態や、露光処理前のプロセス処理などの影響を除去することができる。具体的には、露光パターンに基づくマスク伸縮変動量のロット間のギャップ(ΔMag_exp_lot)から倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮変動量のロット間のギャップ(ΔMag_vra_lot)を差し引いた以下の値 (ΔMag_exp_lot)−(ΔMag_vra_lot)をオフセットとして、2ロット目(図12.の例の場合)の露光パターンに基づくマスク伸縮変動量に加算する。これにより、ロット間に対して、下地層のパターン状態や、露光処理前のプロセス処理などの影響を受けず、露光パターンに基づくマスク伸縮変動量が得られ、この適切なマスク伸縮変動量に基づいて、最適なマスク伸縮補正値の算出が行え、重ね合わせの精度の低下、露光精度の低下が抑制されることになる。
本実施形態においては、複数ロットの基板Pに対して処理を行う露光処理において、1ロット目と2ロット目との間について例を挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、2ロット目以降について、nロット目と(n+1)ロット目との間における露光パターンに基づくマスク伸縮変動量のギャップについても、上記説明が適用されうる(ただし、nは2以上の整数である)。
本実施形態において、マスクMの熱変形に起因する経時的な伸縮変動量として、例えば上記各実施形態に記載のように、スケーリング変動、0次の変動(シフト変動)、1次の変動(ローテーション変動など)、2次以上の高次変形成分の変動による変動量が挙げられる。本実施形態では、このような種類の変動がマスクMに発生した場合において、露光パターンに基づくマスク伸縮変動量を補正し、これにより、最適なマスク伸縮補正値を求めることができる。
また、本実施形態において、サーバ装置SRによって1ロット目の最後の基板Pの平均露光時刻における最適なインターバル倍率キャリブレーションパターンに基づくマスク伸縮変動量を算出する場合には、算出結果の信頼性確保の観点から、当該最後の基板Pに対して所定枚数(5枚〜10枚程度)以内のインターバル倍率キャリブレーション結果を用いて算出されるようにする。この場合、最後の基板Pに対して所定枚数以前のインターバル倍率キャリブレーション結果しか得られていない場合には、例えば不図示の出力部などを介して警告表示を行うようにしても構わない。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、露光システムSYSを構成する露光装置EX、計測装置MS、サーバ装置SRのそれぞれに制御装置を設ける構成としたが、これに限られることは無く、露光システムSYSの全体を統括する主制御装置を設け、当該主制御装置が各構成要素の動作を制御する構成としても構わない。この場合、主制御装置を露光装置EX、計測装置MS、サーバ装置SRのいずれかに設置しても良いし、各構成要素から独立して設けても構わない。
また、上記実施形態においては、例えば最適補正ファイルによって更新されたマスク伸縮補正ファイルを用いてレンズコントローラLCを制御し、投影光学系PLの倍率を補正することによって露光光像Imを調整する構成としたが、これに限られることは無く、例えば基板ステージPSTの移動速度を調整するなど、他の部位を調整することによっても露光光像Imの調整は可能である。
また、上記実施形態の構成に加えて、計測装置MSの記憶部に計測結果を蓄積させておき、当該蓄積したデータを用いて異常を検出させるようにしても構わない。この場合、例えば重ね合わせの精度が他と比べて悪くなる期間を検出し、当該期間内には例えば閾値を低くして異常を検出しやすくすることができるなど、効率的な動作が可能となる。
また、例えば上記実施形態においては、露光システムSYSの構成として露光装置EX、計測装置MS及びサーバ装置SRが1台ずつ設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば図6に示すように、露光システムSYS2が露光装置EX及び計測装置MSを有する構成とし、サーバ装置SRが例えば露光装置EXに組み込まれている構成としても構わない。また、図7に示すように、露光システムSYS3が露光装置EX及び計測装置MSを有する構成とし、サーバ装置SRが計測装置MSに組み込まれている構成としても構わない。
(4)露光方法において、
前記関数の補正は、
前記マスクの伸縮変動量を用いて前記関数の更新値を算出し、前記更新値を用いて前記関数を更新することを含む
こともできる。
(7)サーバー装置は、
マスクに設けられたパターンの露光光像が基板に投影されて形成される転写パターンを計測した計測結果を含む入力信号が入力される入力部と、
入力された前記計測結果に対して投影時の所定の寄与分を補正して算出されたマスクの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値に応じた前記露光光像の調整データを生成する生成部と、
生成された前記調整データを含む出力信号が出力される出力部と
を備える
こともできる。
(8)サーバー装置において、
前記所定の寄与分は、前記マスクの熱変形に対応する補正量を含む
こともできる。
(9)サーバー装置において、
前記補正量、または、マスクの伸縮変動量は、前記マスクの熱変形量に関する所定の関数に基づいて設定され、
前記調整データは、前記関数を補正するデータである
こともできる。
(10)サーバー装置において、
前記調整データは、前記マスクの伸縮変動量を用いて算出される更新値によって前記関数を更新するデータである
こともできる。
(11)サーバー装置において、
前記調整データの生成は、前記計測結果の倍率誤差、または、前記計測結果の倍率誤差の変動率が所定の閾値を超えている場合に行う
こともできる。
(12)サーバー装置において
前記転写パターンの計測は、前記転写パターンの形成に関する他の動作と並行して行う
こともできる。
(16)露光方法において、
前記投影光学系の倍率キャリブレーションの補正値は、前記請求項15に記載のマスクの熱変形量に関する第2関数、及び、前記請求項3に記載のマスクの熱変形量に関する第1関数に基づいて算出され、
前記投影光学系の倍率キャリブレーションの実行は、前記第2関数を補正することを含む
こともできる。
(17)露光方法において、
前記第2関数の補正は、前記マスクの伸縮変動量を用いて前記第2関数の第2更新値を算出し、
前記第2更新値を用いて前記第2関数を更新することを含む
こともできる。
(18)露光方法は、
倍率キャリブレーション結果に対して、投影時の所定の寄与分を補正して算出されたマスク上の倍率キャリブレーションパターンの伸縮変動量に基づいて算出されたマスクの伸縮補正値と、前記倍率キャリブレーションパターンの伸縮変動量との差分、または、この差分の変動率が所定の閾値を超えている場合に前記第2関数を更新することを含む
こともできる。
(19)サーバー装置において、
前記生成部は、前記マスクの伸縮変動量に基づいて、前記露光光像の投影に用いられる投影光学系の倍率キャリブレーション値を補正するデータを生成する
こともできる。
(20)サーバー装置において、
前記倍率キャリブレーション値を補正するデータは、前記マスクの熱変形量に関する第2関数と第1関数に基づいて設定され、
前記投影光学系の倍率キャリブレーションの実行は、前記第2関数を補正することを含む
こともできる。
(21)サーバー装置において、
前記第2関数の補正は、前記マスクの伸縮変動量を用いて前記第2関数の第2更新データを算出し、前記第2更新データを用いて前記第2関数を更新することを含む
こともできる。
(24)露光装置において、
前記制御装置は、前記第2関数の補正の際、前記マスクの伸縮変動量を用いて前記第2関数の第2更新値を算出し、前記第2更新値を用いて前記第2関数を更新することを含む
こともできる。
(28)露光方法において、
前記露光光像の調整は、前記所定の閾値を超えた対象についての前記関数の更新値を算出することを含む
こともできる。
(29)サーバー装置において、
前記調整データの生成は、前記計測結果の0次変形成分、1次変形成分並びに2次以上の高次変形成分のうち少なくとも1つが所定の閾値を超えている場合に行う
こともできる。
(30)サーバー装置において、
前記調整データの生成は、前記計測結果の0次変形成分の変動率、1次変形成分の変動率並びに2次以上の高次変形成分の変動率のうち少なくとも1つが所定の閾値を超えている場合に行う
こともできる。
(31)サーバー装置において、
前記露光光像の調整は、前記所定の閾値を超えた対象についての前記関数の更新値を算出することを含む
こともできる。
(35)露光方法において、
前記転写パターンの計測結果に基づく第一の単位基板群のマスク伸縮変動量と第二の単位基板群のマスク伸縮変動量との間におけるマスク伸縮変動量オフセットは、前記投影光学系の倍率キャリブレーションパターンの計測結果に基づく第一の単位基板群のマスク伸縮変動量と第二の単位基板群のマスク伸縮変動量との間におけるマスク伸縮変動量オフセットに合わせるように補正され、
この補正されたマスク伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値に応じて、前記露光光像の調整量を算出することを含む
こともできる。
(36)露光方法において、
前記投影光学系の倍率キャリブレーションパターンの計測結果に基づく第一の単位基板群のマスク伸縮変動量は、第一の前記単位基板群のうち最後の基板に対するマスク伸縮変動量を算出し、
前記投影光学系の倍率キャリブレーションパターンの計測結果に基づく第二の単位基板群のマスク伸縮変動量は、第二の前記単位基板群のうち最初の基板に対するマスク伸縮変動量を算出し、
前記2つの算出結果の差分を前記マスク伸縮変動量オフセットとする
こともできる。
(37)露光方法において
前記転写パターンの計測結果に基づく第一の単位基板群のマスク伸縮変動量と第二の単位基板群のマスク伸縮変動量との間におけるマスク伸縮変動量オフセットは、前記投影光学系の倍率キャリブレーションパターンの計測結果に基づく第一の単位基板群のマスク伸縮変動量と第二の単位基板群のマスク伸縮変動量との間におけるマスク伸縮変動量オフセットに合わせるため、前記2つのマスク伸縮変動量オフセットの差分を前記転写パターンの計測結果に基づく第二の前記単位基板群の各マスク伸縮変動量に加算する
こともできる。
(38)露光方法において、
前記投影光学系の倍率キャリブレーションの計測結果が、第一の前記単位基板群のうち最後の前記基板に対して所定数以前に行われた投影光学系の倍率キャリブレーションの計測結果である場合には、警告表示を行う
こともできる。
(39)サーバー装置において、
前記伸縮補正量は、
前記マスクに設けられた前記パターンの前記露光光像を、複数の前記基板を含む第一の単位基板群のそれぞれの前記基板に対して連続して投影すると共に、第一の前記単位基板群に対する前記露光光像の投影の後、所定の時間をおいて、前記マスクと同一のマスクに設けられた前記パターンの前記露光光像を、第二の前記単位基板群のそれぞれの前記基板に対して連続して行う場合における、第一の前記単位基板群への前記露光光像の投影と第二の前記単位基板群への前記露光光像の投影との間における前記マスクの伸縮変動量である
こともできる。
(40)サーバー装置において、
前記入力信号は、第二の前記単位基板群のうち最初の前記基板に対する計測結果を含み、
前記生成部は、
第一の前記単位基板群のうち最後の前記基板に対する前記転写パターンの形成時における前記マスク伸縮変動量を算出すると共に、
最初の前記基板に対する前記計測結果と、算出された最後の前記基板に対する前記転写パターンの形成時における前記マスク伸縮変動量と、に応じて前記調整データを生成する
こともできる。
(41)サーバー装置は、
前記入力信号に含まれる前記計測結果が、第一の前記単位基板群のうち最後の前記基板に対して所定数以前に行われた投影光学系の倍率キャリブレーションの計測結果である場合には、警告表示を行う
こともできる。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置にも適用することができる。
また、例えば対応米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置にも適用できる。また、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置などにも広く適用できる。また、露光光の光路上に液浸空間を設ける液浸露光装置においても本発明の適用は可能である。
上記実施形態の露光システムSYS、SYS2、SYS3は、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図8に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンを用いて露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
SYS…露光システム EX…露光装置 MS…計測装置 SR…サーバ装置 M…マスク P…基板 MST…マスクステージ PL…投影光学系 CONT…制御装置 LC…レンズコントローラ Ma…パターン Cp…転写パターン Im…露光光像 31…露光装置側通信部 32…計測装置側通信部 33…制御部 34…表示部 35…異常検出部 36…データ処理部 37…ファイル作成部 38…表示制御部 39…記憶部

Claims (15)

  1. 基板上に形成された第1の転写パターンに対して、第2の転写パターンを投影する露光方法であって、
    前記第1の転写パターンと前記第2の転写パターンとの重ね合わせ精度を計測することと、
    前記計測の結果に対して、投影時の所定の寄与分を補正してマスク伸縮変動量を算出することと、
    前記マスク伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値に応じて、前記投影光学系の投影倍率、または前記基板を保持して移動する基板ステージの移動速度を調整して、前記投影像の倍率を調整して前記基板に投影することと、
    を含む露光方法。
  2. 前記所定の寄与分は、前記マスクの熱変形に対応する補正量を含む
    請求項1に記載の露光方法。
  3. 前記補正量、または、前記マスクの伸縮変動量は、
    前記マスクの熱変形量に関する所定の関数に基づいて設定され、
    前記投影像の調整は、前記関数を補正することを含む
    請求項1又は請求項2に記載の露光方法。
  4. 前記投影像の調整は、前記計測結果の倍率誤差、または、前記計測結果の倍率誤差の変動率が所定の閾値を超えている場合に行う
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  5. 前記転写パターンの計測は、前記転写パターンの形成に関する他の動作と並行して行う請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  6. 基板上に形成された第1の転写パターンに対して、第2の転写パターンを投影する露光装置であって、
    前記第1の転写パターンと前記第2の転写パターンとの重ね合わせ精度を計測した計測結果を含む入力信号が入力される入力部と、
    入力された前記計測結果に対して投影時の所定の寄与分を補正して算出されたマスクの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値に応じた投影像の調整データを生成する生成部と、
    生成された前記調整データを含む出力信号が出力される出力部と、を備える露光装置。
  7. 請求項6に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと
    を含むデバイスの製造方法。
  8. 前記投影像の投影に用いられる投影光学系の倍率キャリブレーションの補正値として、前記マスクに設けられた前記露光パターンの伸縮変動量に基づいて算出された前記マスク伸縮補正値と前記マスクに設けられた倍率キャリブレーションパターンの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値との差分を算出し、この差分値で倍率キャリブレーション値の補正を行う
    請求項1、請求項2、請求項4、請求項5のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 前記投影像の投影に用いられる投影光学系の倍率キャリブレーションの補正値として、前記マスクに設けられた前記露光パターンの伸縮変動量に基づいて算出された前記マスク伸縮補正値と前記マスクに設けられた倍率キャリブレーションパターンの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値との差分を算出し、この差分値で倍率キャリブレーション値の補正を行う
    請求項3に記載の露光方法。
  10. 請求項9に記載の前記マスクの熱変形量に関する第2関数、及び、請求項3に記載の前記マスクの熱変形量に関する第1関数に基づいて倍率キャリブレーションの補正値を算出し、
    前記投影光学系の倍率キャリブレーションを実行する際には、前記第2関数を補正することを含む
    請求項9に記載の露光方法。
  11. 基板上に形成された第1の転写パターンに対して、第2の転写パターンを投影する光装置であって、
    前記投影像の投影に用いられる投影光学系と、
    前記投影光学系を較正する較正装置と、
    前記第1の転写パターンと前記第2の転写パターンとの重ね合わせ精度を計測した計測結果を含む入力信号が入力される入力部と、入力された前記計測結果に対して投影時の所定の寄与分を補正して算出されたマスクの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値に応じた前記投影像の調整データを生成する生成部と、生成された前記調整データを含む出力信号が出力される出力部と、を有するサーバ装置から、前記マスクに設けられた露光パターンの伸縮変動量と前記マスクに設けられた倍率キャリブレーションパターンの伸縮変動量とを受信する受信装置と、
    マスクに設けられた露光パターンの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値とマスクに設けられた倍率キャリブレーションパターンの伸縮変動量に基づいて算出されたマスク伸縮補正値との差分を算出し、この差分値で倍率キャリブレーション値の補正を行わせる制御装置と、
    を備える露光装置。
  12. 請求項11に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと
    を含むデバイスの製造方法。
  13. 前記投影像の調整は、前記計測結果に含まれる0次変形成分、1次変形成分及び2次以上の高次変形成分のうち少なくとも1つが所定の閾値を超えている場合に行う
    請求項1から請求項5、請求項8、請求項9のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  14. 前記投影像の調整は、前記計測結果の0次変形成分の変動率、1次変形成分の変動率及び2次以上の高次変形成分の変動率のうち少なくとも1つが所定の閾値を超えている場合に行う
    請求項1から請求項5、請求項8、請求項9、及び、請求項13のうちいずれか一項に記載の露光方法。
  15. 前記転写パターンの形成は、
    前記マスクに設けられた前記パターンの前記投影像を、複数の前記基板を含む第一の単位基板群のそれぞれの前記基板に対して連続して投影することと、
    第一の前記単位基板群に対する前記投影像の投影の後、所定の時間をおいて、前記マスクと同一のマスクに設けられた前記パターンの前記投影像を、第二の前記単位基板群のそれぞれの前記基板に対して連続して行うことと、
    を含み、
    前記投影像の調整は、第一の前記単位基板群への前記投影像の投影と第二の前記単位基板群への前記投影像の投影との間における前記マスクの伸縮変動量に基づいて算出された前記マスク伸縮補正値に応じて行うことを含む
    請求項1から請求項5、請求項8、請求項9、請求項13、請求項14のうちいずれか一項に記載の露光方法。
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