JP2003197509A - 異常検出方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

異常検出方法、露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法

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JP2003197509A
JP2003197509A JP2001397780A JP2001397780A JP2003197509A JP 2003197509 A JP2003197509 A JP 2003197509A JP 2001397780 A JP2001397780 A JP 2001397780A JP 2001397780 A JP2001397780 A JP 2001397780A JP 2003197509 A JP2003197509 A JP 2003197509A
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Kazuo Mazaki
和生 真崎
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 デバイスの生産性を向上する。 【解決手段】 マスクと基板の同期移動中に所定間隔で
検出した同期誤差信号に基づいて、移動標準偏差信号を
算出し、該信号の周波数解析及び時系列解析を行う(ス
テップ152、164)。そして、各結果からマスクと
基板の位置に依存しない第1の異常、位置に依存する第
2の異常の有無を判断する(ステップ154、16
6)。この結果、第1の異常が存在した場合には、例え
ば補正する(ステップ160)ことで、不良ショットの
発生を抑制することができ、第2の異常が存在した場合
には、装置を停止して修理等の適切な処理を行うこと
で、装置のダウンタイムの短縮や、無駄な露光処理動作
の回避が可能となる。従って、最終製品であるデバイス
の歩留まりを不要に低下させることなく、しかも装置の
稼動効率を向上することができ、結果的にデバイスの生
産性を向上することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、異常検出方法、露
光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法に係り、
更に詳しくは、マスクと基板とを同期して所定の走査方
向に移動して前記マスクに形成されたパターンを基板上
に転写する露光方法及び露光装置、該露光装置の異常検
出方法、及び前記露光装置を用いるデバイス製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成された
パターンをレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプ
レート等の基板(以下、「ウエハ」と総称する)上に転
写する露光装置が用いられている。近年、この種の露光
装置としては、ステップ・アンド・リピート方式の縮小
投影露光装置、すなわちいわゆるステッパや、ステップ
・アンド・スキャン方式の走査型露光装置、すなわちい
わゆるスキャニング・ステッパ等の逐次移動型の投影露
光装置が主として用いられている。
【0003】この種の投影露光装置では、レチクルに形
成されたパターンをウエハ上の複数のショット領域に順
次転写する必要から、ウエハを保持して2次元移動可能
なウエハステージが用いられている。また、走査型の投
影露光装置にあっては、レチクルを保持するレチクルス
テージについても走査方向に移動可能なものが用いられ
ている。
【0004】しかるに、集積回路の高集積化に伴うパタ
ーンの微細化が進むにつれ、現在では、より高解像度な
露光を可能とする走査型の投影露光装置が主流となりつ
つある。この走査露光型の投影露光装置では、ウエハス
テージとレチクルステージとを同期して移動しながら、
レチクルパターンがウエハ上の各ショット領域に順次転
写される。このため、レチクルパターンのウエハ上への
転写、すなわち走査露光中の両ステージの同期誤差が、
基板上に形成されるパターン像の劣化又は重ね合わせ誤
差の要因となる。
【0005】従来においても、例えば、ウエハ上の任意
のショット領域に対する露光中の同期誤差の平均値(移
動平均)あるいは移動標準偏差を算出することで同期誤
差のある程度の定量的な評価を行い、当該同期誤差の評
価が許容範囲を超えている場合には、そのショットを不
良ショットと判定し、その不良ショットを以降のレイヤ
の露光対象から除外する発明が、例えば特開平9−68
812号公報などに開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載の発明の如く、同期誤差の評価により不良ショ
ットと判定されたショットを、以降のレイヤの露光対象
から除外する方法では、露光装置により製造されるデバ
イスの歩留まりを単に低下させる要因となりかねない。
すなわち、不良ショットか否かの判断及びその判断結果
に基づく不良ショットの一律的な除外のみでは、必ずし
も十分とは言えないのである。
【0007】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、デバイスの生産性の向上に貢献
する異常検出方法、露光方法及び露光装置を提供するこ
とにある。
【0008】また、本発明の第2の目的は、高集積度の
デバイスの生産性を向上させることができるデバイス製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の異常検
出方法は、マスク(R)と基板(W)とを同期して所定
の走査方向に移動して前記マスクに形成されたパターン
を前記基板上に転写する露光装置における異常検出方法
であって、前記マスクと前記基板とを前記走査方向に同
期移動する同期移動工程と;前記同期移動中に前記マス
クと前記基板との同期誤差に対応する同期誤差信号を所
定のサンプリング間隔で検出する同期誤差検出工程と;
前記同期誤差信号に基づいて前記マスクと前記基板との
移動標準偏差信号を所定間隔で算出する移動標準偏差算
出工程と;前記移動標準偏差信号を周波数解析し、該解
析結果に基づいて第1の種類の異常の有無を判断する第
1異常判断工程と;前記移動標準偏差信号の時系列解析
を行い、該解析結果に基づいて第2の種類の異常の有無
を判断する第2異常判断工程と;を含む異常検出方法で
ある。
【0010】これによれば、マスクと基板との同期移動
中にマスクと基板との同期誤差に対応する同期誤差信号
を所定のサンプリング間隔で検出し、その同期誤差信号
に基づいてマスクと基板との移動標準偏差信号を所定間
隔で算出する。また、この移動標準偏差信号を周波数解
析し、その解析結果に基づいて第1の種類の異常の有無
の判断を行うとともに、移動標準偏差信号の時系列解析
を行い、その解析結果に基づいて第2の種類の異常の有
無の判断を行う。従って、移動標準偏差信号の周波数解
析により、マスクと基板とを同期移動させる際のそれら
の位置(及び時間)に依存しない第1の種類の異常の有
無を判断することができるとともに、移動標準偏差信号
の時系列解析により、マスクと基板の位置(及び時間)
に起因する第2の種類の異常の有無を判断することがで
きる。これにより、異常の種類に対応して、適切な対応
が可能となる。例えば第1の種類の異常は、マスク、基
板の位置(及び時間)に依存しないので、補正が可能な
場合があり、これを補正することにより、いわゆる不良
ショットの必要以上の発生を未然に防止することができ
る。また、例えば、第2の種類の異常は、マスク、基板
の位置(及び時間)に依存するので、補正不能であり、
この検出結果に基づいて、直ちに装置を停止して修理を
行うなどの適切な処理を迅速に行うことが可能となり、
装置のダウンタイムの短縮や、無駄な露光処理動作を回
避することができる。従って、最終製品であるデバイス
の歩留まりを不要に低下させることなく、しかも装置の
稼動効率の向上が可能となるので、結果的にデバイスの
生産性を向上させることが可能となる。
【0011】この場合において、請求項2に記載の異常
検出方法の如く、前記第1異常判断工程では、特定の少
なくとも1つの周波数成分の値を各周波数成分について
予め定められた基準値と比較した結果に基づいて前記異
常の有無を判断することとすることができる。
【0012】この場合において、請求項3に記載の異常
検出方法の如く、前記基準値は、同一種類の装置につい
て実験により予め求めた平均的な値であることとするこ
とができる。
【0013】上記請求項2及び3に記載の各異常検出方
法において、請求項4に記載の異常検出方法の如く、前
記比較の結果、前記少なくとも1つの特定の周波数成分
に基づいて第1の種類の異常があると判断されたとき、
各特定の周波数成分の値を各特定の周波数成分毎に予め
定めた閾値と個別に比較して、その周波数成分に対応す
る前記第1の種類の異常に起因する前記マスクと基板と
の同期誤差がソフトウェア的に補正が可能であるか否か
を判断する補正可否判断工程を更に含むこととすること
ができる。
【0014】この場合において、請求項5に記載の異常
検出方法の如く、前記同期誤差をソフトウェア的に補正
することが可能と判断した場合に、前記マスクと前記基
板との同期誤差を補正するため、前記マスクと前記基板
の移動を制御する制御系の伝達関数を変更する伝達関数
変更工程と;前記同期誤差をソフトウェア的に補正する
ことが不可能と判断した場合に、警報情報を発する補正
不能警報発生工程と;を更に含むこととすることができ
る。
【0015】この場合において、請求項6に記載の異常
検出方法の如く、前記伝達関数の変更は、前記制御系に
フィルタを挿入することにより行われることとすること
ができる。
【0016】上記請求項1〜6に記載の各異常検出方法
において、請求項7に記載の異常検出方法の如く、前記
第2異常判断工程では、前記移動標準偏差信号の波形と
所定のテンプレート波形との相互相関値を求め、その相
関値が所定の閾値を超えていたときに、第2の種類の異
常が有ると判断することとすることができる。
【0017】この場合において、請求項8に記載の異常
検出方法の如く、前記第2の種類の異常が有ると判断さ
れたとき、警報情報を発する異常検出警報発生工程を更
に含むこととすることができる。
【0018】上記請求項4及び7に記載の各異常検出方
法において、請求項9に記載の異常検出方法の如く、前
記閾値を、露光対象パターンに応じて変更する閾値変更
工程を更に含むこととすることができる。
【0019】請求項10に記載の異常検出方法は、マス
ク(R)と基板(W)とを同期して所定の走査方向に移
動して前記マスクに形成されたパターンを前記基板上に
転写する露光装置における異常検出方法であって、前記
マスクと前記基板とを前記走査方向に同期移動する同期
移動工程と;前記同期移動中に前記マスクと前記基板と
の同期誤差に対応する同期誤差信号を所定のサンプリン
グ間隔で検出する同期誤差検出工程と;前記同期誤差信
号に基づいて前記マスクと前記基板との移動標準偏差信
号を所定間隔で算出する移動標準偏差算出工程と;前記
移動標準偏差信号の時系列解析を行い、該解析結果に基
づいて異常の有無及びその要因を判断する異常判断工程
と;を含む異常検出方法である。
【0020】これによれば、マスクと基板との同期移動
中にマスクと基板との同期誤差に対応する同期誤差信号
を所定のサンプリング間隔で検出し、その同期誤差信号
に基づいてマスクと基板との移動標準偏差信号を所定間
隔で算出する。また、移動標準偏差信号の時系列解析を
行い、その解析結果に基づいて異常の有無及びその要因
の判断を行う。すなわち、移動標準偏差信号の時系列解
析により、マスクと基板の位置(及び時間)に起因する
異常の有無及びその要因を判断することができる。従っ
て、マスクと基板の位置(及び時間)に起因する異常
が、例えばサービスエンジニア等により解消されること
により、次露光時以降の不良ショットの発生を防止する
ことができる。これにより、最終製品であるデバイスの
歩留まりの低下を防止して、結果的にデバイスの生産性
を向上させることが可能となる。
【0021】請求項11に記載の露光方法は、マスク
(R)と基板(W)とを同期して所定方向に移動し、前
記マスクに形成されたパターンを前記基板上に転写する
露光装置(10)で行われる露光方法であって、請求項
1〜10のいずれか一項に記載の異常検出方法を用い
て、前記露光装置の異常を検出し、該異常検出結果を考
慮して露光を行う工程を含む露光方法である。
【0022】これによれば、請求項1〜10のいずれか
一項に記載の異常検出方法を用いて、前記露光装置の異
常を検出し、該異常検出結果を考慮して露光を行う。こ
のため、例えば異常検出結果に基づいて異常原因が解消
可能な場合は、その異常原因を解消した状態で露光を行
ったり、異常原因が解消不能な場合は、その異常が検出
された基板上の特定のショット領域を不良ショットとし
て、露光対象から外した状態で露光を行ったりすること
ができる。従って、最終製品であるデバイスの歩留まり
を必要以上に低下させることなく、デバイスの生産性を
向上させることが可能となる。
【0023】請求項12に記載の露光装置は、マスク
(R)と基板(W)とを同期して所定の走査方向に移動
して前記マスクに形成されたパターンを前記基板上に転
写する露光装置であって、前記マスクを保持するマスク
ステージ(RST)と;前記基板を保持する基板ステー
ジ(WST)と;前記マスクステージと前記基板ステー
ジとを同期して前記走査方向に駆動するステージ制御系
(92)と;前記マスクステージと前記基板ステージの
前記同期移動中に前記両ステージの相対位置ずれを示す
同期誤差信号を所定のサンプリング間隔で検出する同期
誤差検出装置(68)と;前記同期誤差信号に基づいて
前記両ステージの移動標準偏差信号を所定間隔で算出す
る算出装置(68)と;前記移動標準偏差信号を周波数
解析し、該解析結果に基づいて第1の種類の異常の有無
を判断する第1の判断装置(68)と;前記移動標準偏
差信号の時系列解析を行い、該解析結果に基づいて第2
の種類の異常の有無を判断する第2の判断装置(68)
と;を備える露光装置である。
【0024】これによれば、ステージ制御系により、マ
スクを保持するマスクステージと基板を保持する基板ス
テージとが同期して走査方向に駆動され、この両ステー
ジの同期移動中に、同期誤差検出装置によって、両ステ
ージの相対位置ずれを示す同期誤差信号が所定のサンプ
リング間隔で検出される。この同期誤差信号に基づい
て、算出装置により、両ステージの移動標準偏差信号が
所定間隔で算出される。そして、第1の判断装置によ
り、この移動標準偏差信号を周波数解析した結果に基づ
いて第1の種類の異常の有無が判断され、第2の判断装
置により、移動標準偏差信号を時系列解析した結果に基
づいて第2の種類の異常の有無が判断される。従って、
第1の判断装置が、移動標準偏差信号の周波数解析によ
り、マスクと基板とを同期移動させる際のそれらの位置
(及び時間)に依存しない第1の種類の異常の有無を判
断することができるとともに、第2の判断装置が、移動
標準偏差信号の時系列解析により、マスクと基板の位置
(及び時間)に起因する第2の種類の異常の有無を判断
することができる。これにより、異常の種類に対応し
て、適切な対応が可能となる。ここで、例えば第1の種
類の異常は、マスク、基板の位置(及び時間)に依存し
ないので、補正が可能な場合があり、これを補正するこ
とにより、いわゆる不良ショットの必要以上の発生を未
然に防止することができる。また、例えば、第2の種類
の異常は、マスク、基板の位置(及び時間)に依存する
ので、補正不能であり、この検出結果に基づいて、直ち
に装置を停止して修理を行うなどの適切な処理を迅速に
行うことが可能となり、装置のダウンタイムの短縮や、
無駄な露光処理動作を回避することができる。従って、
最終製品であるデバイスの歩留まりを不要に低下させる
ことなく、しかも装置の稼動効率の向上が可能となるの
で、結果的にデバイスの生産性を向上させることが可能
となる。
【0025】この場合において、請求項13に記載の露
光装置の如く、前記第1の判断装置は、特定の少なくと
も1つの周波数成分の値を各周波数成分について予め定
められた基準値と比較した結果に基づいて前記異常の有
無を判断することとすることができる。
【0026】この場合において、請求項14に記載の露
光装置の如く、前記基準値は、同一種類の装置について
実験により予め求めた平均的な値であることとすること
ができる。
【0027】上記請求項13及び14に記載の各露光装
置において、請求項15に記載の露光装置の如く、前記
第1の判断装置による前記比較の結果、前記少なくとも
1つの特定の周波数成分に基づいて第1の種類の異常が
あると判断したとき、各特定の周波数成分の値を各特定
の周波数成分毎に予め定めた閾値と個別に比較して、そ
の周波数成分に対応する前記第1の種類の異常に起因す
る前記マスクと基板との同期誤差がソフトウェア的に補
正が可能であるか否かを判断する第3の判断装置(6
8)を更に備えることとすることができる。
【0028】この場合において、請求項16に記載の露
光装置の如く、前記第3の判断装置が、前記同期誤差の
補正が可能と判断した場合に、前記両ステージの同期誤
差を補正するため、前記ステージ制御系の伝達関数を変
更する補正装置(68、82)と;前記第3の判断装置
が前記同期誤差の補正が不可能と判断した場合に、警報
情報を発する第1の警報情報発生装置(90)と;を更
に備えることとすることができる。
【0029】上記請求項12〜16に記載の各露光装置
において、請求項17に記載の露光装置の如く、前記第
2の判断装置は、前記移動標準偏差信号の波形と所定の
テンプレート波形との相関値を求め、その相関値が所定
の閾値を超えていたときに、前記第2の種類の異常が有
ると判断することとすることができる。
【0030】この場合において、請求項18に記載の露
光装置の如く、前記第2の判断装置により前記第2の種
類の異常が有ると判断されたとき、警報情報を発生する
第2の警報情報発生装置(68)を更に備えることとす
ることができる。
【0031】この場合において、請求項19に記載の露
光装置の如く、前記第2警報情報発生装置は、前記警報
情報とともに装置の運転停止の問い合わせ情報を出力
し、前記問い合わせに応答して運転停止指示が入力され
た場合に、装置の運転を停止する制御装置(68)を更
に備えることとすることができる。
【0032】上記請求項15及び17に記載の各露光装
置において、請求項20に記載の露光装置の如く、前記
閾値を、露光対象のパターンに応じて変更する閾値変更
装置(68)を更に備えることとすることができる。
【0033】上記請求項12〜20に記載の各露光装置
において、請求項21に記載の露光装置の如く、前記第
1,第2の種類の異常のいずれかがあると判断されたと
き、前記移動標準偏差信号及びその解析結果の情報を、
通信回線を介して外部に送信する通信制御装置(68)
を更に備えることとすることができる。
【0034】請求項22に記載の露光装置は、マスク
(R)と基板(W)とを同期して所定の走査方向に移動
して前記マスクに形成されたパターンを前記基板上に転
写する露光装置であって、前記マスクを保持するマスク
ステージ(RST)と;前記基板を保持する基板ステー
ジ(WST)と;前記マスクステージと前記基板ステー
ジとを同期して前記走査方向に駆動するステージ制御系
(92)と;前記マスクステージと前記基板ステージの
前記同期移動中に前記両ステージの相対位置ずれを示す
同期誤差信号を所定のサンプリング間隔で検出する同期
誤差検出装置(68)と;前記同期誤差信号に基づいて
前記両ステージの移動標準偏差信号を所定間隔で算出す
る算出装置(68)と;前記移動標準偏差信号の時系列
解析を行い、該解析結果に基づいて異常の有無及びその
要因を判断する判断装置(68)と;を備える露光装置
である。
【0035】これによれば、ステージ制御系により、マ
スクを保持するマスクステージと基板を保持する基板ス
テージとが同期して走査方向に駆動される。この両ステ
ージの同期移動中に、同期誤差検出装置により、両ステ
ージの相対位置ずれを示す同期誤差信号が所定のサンプ
リング間隔で検出される。この同期誤差信号に基づい
て、算出装置により、両ステージの移動標準偏差信号が
所定間隔で算出される。そして、判断装置により、移動
標準偏差信号を時系列解析した結果に基づいて異常の有
無及び、異常がある場合のその要因が判断される。従っ
て、マスクステージと基板ステージの位置(及び時間)
に起因する異常が、例えばサービスエンジニア等により
排除されることにより、次露光時以降の不良ショットの
発生を防止することができる。これにより、最終製品で
あるデバイスの歩留まりの低下を防止して、結果的にデ
バイスの生産性を向上させることが可能となる。
【0036】請求項23に記載のデバイス製造方法は、
リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前
記リソグラフィ工程では、請求項12〜22のいずれか
一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴と
する。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図9に基づいて説明する。
【0038】図1には、一実施形態に係る露光装置10
の概略構成が示されている。この露光装置10は、ステ
ップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置である。
【0039】この露光装置10は、照明光ILによりマ
スクとしてのレチクルRを照明する照明系IOP、レチ
クルRをY軸方向(図1における左右方向)に走査する
とともにXY面内で微少駆動するマスクステージとして
のレチクルステージRST、このレチクルステージRS
Tの下方に配置された投影光学系PL、この投影光学系
PLの下方に配置され基板としてのウエハWをXY面内
で2次元移動する基板ステージとしてのウエハステージ
WST、及びこれらの制御系等を備えている。
【0040】前記照明系IOPは、例えば特開平10−
112433号公報などに開示されるように、光源、オ
プティカルインテグレータ(フライアイレンズ、内面反
射型インテグレータ(ロッドインテグレータ)、又は回
折光学素子)等からなる照度均一化光学系、リレーレン
ズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダイ
クロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成さ
れている。この照明系IOPでは、回路パターン等が描
かれたレチクルR上のX軸方向に細長く伸びる長方形ス
リット状の照明領域IAR部分(照明系IOP内のレチ
クルブラインドで規定される)を照明光ILによりほぼ
均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、
KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、ArFエ
キシマレーザ光(波長193nm)等の遠紫外光等、あ
るいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外
光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ラ
ンプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いること
も可能である。
【0041】前記レチクルステージRSTは、不図示の
レチクルベース上方を走査方向(Y軸方向)に沿って移
動するレチクル粗動ステージ34と、このレチクル粗動
ステージ34上に載置されレチクルRを保持してXY平
面内で微動(回転を含む)するレチクル微動ステージ3
6とを備えている。
【0042】前記レチクル粗動ステージ34は、その中
央部近傍に照明光ILを通過させるための不図示の開口
が形成された、上方から見て矩形の板状部材から成り、
不図示のリニアモータにより、走査方向であるY軸方向
に所定ストローク範囲で駆動される。また、レチクル粗
動ステージ34の上面の+Y方向端部近傍には、移動鏡
32が設けられ、この移動鏡32に対向する位置には、
移動鏡32に対してレーザビームを投射し、その反射光
を受光することによりレチクル粗動ステージ34のY軸
方向の位置を検出するレチクル粗動レーザ干渉計42が
設けられている。このレチクル粗動レーザ干渉計42の
出力は、主制御系20に供給されており、主制御系20
ではこのレチクル粗動レーザ干渉計42の出力に基づい
てレチクル粗動ステージ34のY軸方向の位置を計測す
るようになっている。
【0043】前記レチクル微動ステージ36は、前記レ
チクル粗動ステージ34よりも一回り小さい板状部材か
ら成り、その中央部近傍には照明光ILを通過させるた
めの不図示の開口が形成されている。この開口の周囲に
は、レチクルRを保持するための不図示のレチクルホル
ダが設けられている。このレチクル微動ステージ36
は、不図示のボイスコイルモータにより、Y軸方向、こ
れに直交するX軸方向及びZ軸回りの回転方向に微小駆
動可能とされている。また、レチクル微動ステージ36
の上面には、移動鏡38が設けられており、この移動鏡
38に対向した位置には、該移動鏡38に対してレーザ
ビームを投射し、その反射光を受光することによりレチ
クル微動ステージ36の位置を検出するレチクル微動レ
ーザ干渉計40が設けられている。
【0044】ここで、実際には、図2(A)の平面図に
示されるように、レチクル微動ステージ36上のX軸方
向一側(+X方向)の端部にはY軸方向に長手方向を有
するX軸移動鏡38Xが固定され、また、Y軸方向一側
(+Y方向)の端部にはコーナーキューブより成る一対
のY軸移動鏡38YL,38YRがそれぞれ固定されてい
る。また、これに対応してX軸移動鏡38Xに対向する
位置には、図1のレチクル微動レーザ干渉計40を構成
するレチクル微動X軸干渉計40Xが設けられ、Y軸移
動鏡38YL,38YRそれぞれに対向する位置には一対
のレチクル微動Y軸干渉計40YL,40YRがそれぞれ
設けられている。レチクル微動X軸干渉計40Xから
は、X軸移動鏡38Xに向けて、X軸に平行にレーザビ
ームLRXが照射され、レチクル微動Y軸干渉計40
L,40YRのそれぞれからは、移動鏡38YL,38
Rに向けてそれぞれY軸に平行にレーザビームLRL
LRRが照射されている。
【0045】この場合、走査方向であるY軸方向の移動
鏡(コーナーキューブ)38YL,38Yで反射され
たレーザビームLRL,LRRはそれぞれ反射ミラー39
A,39Bで反射されてレチクル微動Y軸干渉計40Y
L,40YRに戻されている。同様に、レチクル微動X軸
干渉計40XはX軸移動鏡38Xで反射されたレーザビ
ームLRxが不図示の反射ミラーで反射されるダブルパ
ス方式である。なお、レチクル微動ステージ36の端面
を鏡面加工して反射面を形成し、この反射面を移動鏡3
8の代わりに用いても良い。また、レチクル微動ステー
ジ36のX,Y方向の位置及びZ軸回り(XY面内で)
の回転量(ヨーイング量)に加えて、レチクル微動X軸
干渉計40Xを用いてY軸回り(ZX面内で)の回転量
(ローリング量)を計測し、レチクル微動Y軸干渉計4
0YL,40YRの少なくとも一方を用いてX軸回り(Y
Z面内で)の回転量(ピッチング量)を計測しても良
い。
【0046】上記3軸のレチクル微動レーザ干渉計の出
力は、図1に示されるように主制御系20に供給されて
おり、主制御系20ではレーザビームLRXを測長軸と
する干渉計40Xの出力(RX)に基づいてレチクル微
動ステージ36のX位置を計測し、レーザビームL
L,LRRを測長軸とする2つのY軸干渉計40YL
40YRの出力(RL,RR)の平均値に基づいてレチク
ル微動ステージ36のY位置を算出し、2つのY軸干渉
計40YL,40YRの出力の差分とレーザビームL
L,LRRの間隔Lとに基づいてレチクル微動ステージ
36のXY面内での回転角を算出するようになってい
る。
【0047】図1に戻り、前記投影光学系PLは、不図
示の第1コラムを介して不図示の定盤上にその光軸方向
がXY平面に直交するZ軸方向となるように支持されて
いる。この第1コラム上に不図示の第2コラムが設けら
れており、この第2コラム上に前記レチクルベースが設
けられている。投影光学系PLとしては、例えば両側テ
レセントリックで所定の縮小倍率β(ここでは、β=1
/4とする)を有する屈折光学系が用いられている。こ
のため、露光時には、レチクルRのパターン領域内のス
リット状の照明領域IARのパターンが投影光学系PL
を介して前記照明領域IARに共役なウエハW上の露光
領域IAに縮小投影され、ウエハW表面のフォトレジス
ト層にレチクルパターンの像が転写されるようになって
いる。
【0048】前記ウエハステージWSTは、実際には、
例えば上記第1コラムの下側で吊り下げ支持された不図
示のウエハベース上をXY2次元方向に移動するXYス
テージと、このXYステージ上に設けられたZチルトス
テージ等を含んで構成されている。
【0049】ウエハステージWST上には、移動鏡46
が設けられており、この移動鏡46にレーザビームを投
射し、その反射光を受光することによりウエハステージ
WSTの位置を検出するウエハレーザ干渉計48が、移
動鏡46に対向して設けられている。ここで、実際に
は、図2(B)の平面図に示されるように、ウエハステ
ージWSTの上面のX軸方向の一側(+X側)の端部に
はY軸方向を長手方向とするX軸移動鏡46Xが固定さ
れ、Y軸方向の一側(+Y側)の端部にはX軸方向を長
手方向とするY軸移動鏡46Yがそれぞれ固定されてい
る。また、これに対応してX軸移動鏡46Xに対向した
位置には、図1のウエハレーザ干渉計48を構成するウ
エハX軸干渉計48Xが設けられ、Y軸移動鏡46Yに
対向した位置には、ウエハY軸干渉計48Yが設けられ
ている。移動鏡46Xには、ウエハX軸干渉計48Xか
ら、X軸に平行で且つそれぞれ投影光学系PLの光軸A
X及び不図示のアライメント系の検出中心を通る光路に
沿って間隔DでレーザビームLWX1及びLWX2が照射
され、移動鏡46Yには、Y軸に平行な光路に沿ってレ
ーザビームLWX1,LWX2と同じ間隔Dで2本のレー
ザビームLWY1及びLWY2が照射されている。この場
合、2本のレーザビームLWY1、LWY2は、投影光学
系PLの光軸AX及び不図示のアライメント系の検出中
心を通る直線を挟んで等距離(D/2)の位置に照射さ
れている。
【0050】なお、ウエハステージWST(Zチルトス
テージ)の端面を鏡面加工して反射面を形成し、この反
射面を移動鏡46の代わりに用いても良い。このとき、
ウエハステージWSTのX,Y方向の位置及びZ軸回り
(XY面内で)の回転量(ヨーイング量)に加えて、ウ
エハX軸干渉計48Xを用いてY軸回り(ZX面内で)
の回転量(ローリング量)を計測し、ウエハY軸干渉計
48Yを用いてX軸回り(YZ面内で)の回転量(ピッ
チング量)を計測することが好ましい。また、ウエハス
テージWST(Zチルトステージ)に斜設される反射面
と、投影光学系PLを支持する第1コラムの下面に設け
られる反射面とにレーザビームを照射して、投影光学系
PLの光軸AXに沿った方向(Z軸方向)に関するウエ
ハステージWSTの位置(投影光学系PLとの間隔)を
計測するウエハ干渉計を設けても良い。さらにウエハス
テージWSTを粗微動ステージとする、例えばボイスコ
イルモータ又はEIコア等を用いて、Zチルトステージ
をZ軸方向への微動及び2次元傾斜(YZ面及びZX面
内での各微小回転)だけでなく、X軸及びY軸方向にそ
れぞれ微動可能とし、かつXY面内で微小回転可能とし
ても良い。これにより、ウエハステージWSTはXYス
テージが粗動ステージで、Zチルトステージがこの粗動
ステージに対して6自由度で微動可能な微動ステージと
なる。
【0051】ウエハX軸干渉計48X、ウエハY軸干渉
計48Yの出力は、図1の主制御系20に供給されてお
り、主制御系20ではレーザビームLWX1を測長軸と
する干渉計の出力(WX1)に基づいてウエハステージ
WSTのX位置を計測し、レーザビームLWY1,LW
2を測長軸とする2つのY軸干渉計の出力(WY1,W
2)の平均値に基づいてウエハステージWSTのY位
置を計測し、レーザビームLWX1を測長軸とするX軸
干渉計48Xの出力とレーザビームLWX2を測長軸と
するX軸干渉計48Xの出力(WX2)との差と間隔D
とに基づいてウエハステージWSTのXY面内での回転
角を算出するようになっている。また、不図示のアライ
メント系を使用する場合のX軸方向の位置は、いわゆる
アッベ誤差が生じないように、レーザビームLWY2
使用する干渉計の出力(WY2)に基づいて制御され
る。
【0052】制御系は、図1中、主制御系20によって
主に構成される。主制御系20は、CPU(中央演算処
理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM
(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマ
イクロコンピュータ(又はワークステーション)を含ん
で構成され、装置全体を統括して制御する。
【0053】また、主制御系20には、メモリ88、第
1の警報情報発生装置及び第2の警報情報発生装置とし
ての表示装置90、及び入力装置89が併設されてい
る。表示装置90としては、例えばCRTディスプレイ
や液晶表示装置が用いられ、入力装置89としては、キ
ーボードやマウス等のポインティングデバイス等が用い
られる。
【0054】主制御系20は、露光時に、例えば、不図
示のリニアモータを介してレチクル粗動ステージ34を
所定の走査速度で+Y方向(又は−Y方向)に走査する
のと同期して、不図示のウエハ駆動装置を介してウエハ
ステージWSTを−Y方向(又は+Y方向)に所定の走
査速度で走査し、この際に生ずるレチクル粗動ステージ
34とウエハステージWSTとの相対速度誤差を吸収
し、レチクルRとウエハWとの相対速度と位置がここで
は4:1になるように不図示のボイスコイルモータを介
してレチクル微動ステージ36の動作を制御する。これ
により、照明光ILで照明されたスリット状の照明領域
IARに対してレチクルRが+Y方向(又は−Y方向)
に走査されるのと同期して照明領域IARと共役な露光
領域IAに対してウエハWが投影光学系PLの投影倍率
に応じた速度で−Y方向(又は+Y方向)に走査され、
レチクルRのパターン形成面に形成されたパターンがウ
エハW上のショット領域に逐次転写される。
【0055】図3には、本実施形態に係る露光装置10
のウエハステージWST及びレチクルステージRSTの
制御系(ステージ制御系92)の機能ブロック図が示さ
れている。この図3は、図1の主制御系20を構成する
マイクロプロセッサ68と共に、種々の制御プログラム
(ソフトウェア)によって実現される種々の機能をブロ
ック化して示したものである。なお、各構成要素を対応
する個々のハードウェアにて構成しても良いことは勿論
である。
【0056】このステージ制御系92は、マイクロプロ
セッサ68からの指示に応じ、ウエハステージWSTの
速度指令値VW’を出力するスキャン速度発生器51
と、このスキャン速度発生器51から出力される速度指
令値VW’に基づいてウエハステージWSTの速度を制
御するウエハステージ速度制御系52と、スキャン速度
発生器51からの速度指令値VW’を1/β倍(ここで
は4倍)した速度指令値VR’に基づいてレチクル粗動
ステージ34の速度を制御するレチクル粗動ステージ速
度制御系54と、ウエハステージWSTの位置に基づき
後述する行列式を用いてレチクルRの同期位置を演算す
る同期位置演算部62と、この同期位置演算部62の演
算結果である同期位置の位置情報に基づいてレチクル微
動ステージ36の位置(及び速度)を制御するレチクル
微動ステージ制御系56と、ウエハレーザ干渉計48の
計測値及びレチクル微動レーザ干渉計40の計測値をモ
ニタしたり、後述する同期誤差解析等を行うマイクロプ
ロセッサ68とを備えている。
【0057】これを更に詳述すると、前記ウエハステー
ジ速度制御系52は、例えば、スキャン速度発生器51
から出力された速度指令値VW’と、ウエハステージW
STの実際の速度との差である速度偏差を演算する減算
器、この減算器からの速度偏差を動作信号として(比例
+積分)制御動作を行うPIコントローラ等(いずれも
図示せず)を含む1型の閉ループ制御系によって構成す
ることができる。なお、ウエハステージWSTの速度
は、実際にはウエハレーザ干渉計48の計測値の微分値
から得られるものである。
【0058】前記レチクル粗動ステージ速度制御系54
は、例えば、レチクル粗動ステージ34の速度指令値V
R’(=VW’/β=4・VW’)とレチクル粗動ステー
ジ34の実際の速度との差である速度偏差を演算する減
算器、この減算器からの速度偏差を動作信号として(比
例+積分)制御動作を行うPIコントローラ等(いずれ
も図示せず)を含む1型の閉ループ制御系によって構成
することができる。なお、レチクル粗動ステージ34の
速度は、実際にはレチクル粗動レーザ干渉計42の計測
値の微分値から得られるものである。
【0059】前記同期位置演算部62は、ウエハステー
ジ速度制御系52の出力を積分回路64で積分して得ら
れるウエハステージの位置の情報(WX1,WX2,WY
1,WY2)に基づき次式(1)で示される行列の演算を
行ってレチクル微動ステージ36(レチクルR)の目標
値、すなわちレチクル微動ステージ36の位置を計測す
るレチクル微動レーザ干渉計40(40X,40YL
40YR)の3軸の計測値(RX、RL、RR)の目標値
(RX’、RL’、RR’)を演算する。なお、上記ウエ
ハステージの位置の情報(WX1,WX2,WY1,W
2)は実際には、ウエハレーザ干渉計の計測値であ
る。
【0060】
【数1】
【0061】式(1)において、右辺第1項の3行4列
の行列は変換係数行列であり、右辺第2項の3行1列の
行列はオフセットである。
【0062】前記レチクル微動ステージ制御系56は、
同期位置演算部62で演算された位置情報(RX’,
L’,RR’)を目標位置として入力し、この目標位置
と後述する積分回路76の出力であるレチクル微動ステ
ージ36の位置情報(レチクル微動レーザ干渉計40の
出力に相当)(RX,RL,RR)との差である位置偏差
(ΔRX,ΔRL,ΔRR)を算出する減算器74、この
減算器74から出力される位置偏差を動作信号として
(比例+積分+微分)制御動作を行うPIDコントロー
ラ78、このPIDコントローラ78で演算される制御
量に基づくレチクル微動ステージ36の位置制御応答特
性(定常応答特性、過渡特性)を改善するための位相補
償器80と、この位相補償器80の出力を必要に応じて
調整して目標推力信号を出力する調整部82と、該調整
部82からの目標推力信号に基づいて制御動作を行うレ
チクル微動ステージ制御系60、及びこのレチクル微動
ステージ制御系60の出力を積分してレチクル微動ステ
ージ36の位置に変換する積分回路76等から構成され
ている。
【0063】なお、前記PIDコントローラ78及び位
相補償器80に代えて、位置偏差(ΔRX,ΔRL,ΔR
R)を目標速度に変換する位置ループのゲインを用いる
ことも可能である。また、PIDコントローラ78は、
通常、定常応答特性、過渡特性を改善するための位相遅
れ補償、位相進み補償機能を有するので、位相補償器は
必ずしも用いなくとも良い。
【0064】前記減算器74では、次式(2)で示され
る位置偏差(ΔRX、ΔRL、ΔRR)が求められる。
【0065】
【数2】
【0066】ここで、式(2)の右辺第3項の3行1列
の行列中の各要素はレチクル微動レーザ干渉計40の実
際の計測値である。
【0067】前記調整部82は、位相補償器80とレチ
クル微動ステージ制御系60との間に並列に配置された
フィルタ部FR及びスイッチSWとを備えている。フィ
ルタ部FRには、マイクロプロセッサ68からセレクト
信号SS、及び制御信号CLが入力されるようになって
いる。セレクト信号SSは、フィルタ部FRの選択信
号、すなわちスイッチSWをオン・オフする信号であ
る。具体的に説明すると、セレクト信号SSがハイ
(H)レベルであるときは、フィルタ部FRが選択され
た状態を意味し、このときセレクト信号SSに応じてス
イッチSWはオフ(OFF)になる。一方、セレクト信
号SSがロー(L)レベルであるときは、フィルタ部F
Rが選択されない状態を意味し、このときセレクト信号
SSに応じてスイッチSWはオン(ON)になる。
【0068】前記フィルタ部FRは、位相補償器80の
出力信号からそれぞれ異なる特定の周波数成分を除去す
る複数のノッチフィルタを含んで構成されており、前記
スイッチSWがオフである場合に、マイクロプロセッサ
68からの制御信号CLに応じて、1又は複数種類のノ
ッチフィルタが選択されるようになっている。
【0069】前記レチクル微動ステージ制御系60は、
例えば調整部82から出力される目標推力信号が示す目
標速度とレチクル微動ステージ36の実際の速度との差
である速度偏差を演算する減算器、この減算器からの速
度偏差を動作信号として(比例+積分)制御動作を行う
PIコントローラ等(いずれも図示せず)を含む1型の
閉ループ制御系によって構成することができる。なお、
レチクル微動ステージ36の速度は、実際にはレチクル
微動レーザ干渉計40の計測値の微分値から得られるも
のである。
【0070】なお、実際には、ウエハステージWST、
レチクル微動ステージ36の位置は、ウエハレーザ干渉
計48、レチクル微動レーザ干渉計40により直接計測
されるのであって、ウエハステージ速度制御系52、レ
チクル微動ステージ制御系60の速度を積分して得られ
るわけではないが、説明の便宜上及び制御ブロック図の
書き方の慣習に従って、図3においては、実際の制御系
と等価な制御系を示している。また、レーザ干渉計とは
別に速度センサ又は加速度センサを設けて速度情報など
を得るようにしても良い。
【0071】次に、本実施形態の露光装置10で行われ
る、異常検出処理を含む露光処理ルーチンの動作につい
て、主制御系20内のマイクロプロセッサ68の主要な
制御アルゴリズムを簡略化して示す、図4、図5、図9
のフローチャートに沿って、かつ適宜他の図面を参照し
つつ説明する。ここでは、予定枚数(あるいは予定ロッ
ト数)のウエハに対する連続的な露光を行う場合につい
て説明する。
【0072】前提として、レチクルステージRST(よ
り詳しくはレチクル微動ステージ36)上には、回路パ
ターンが形成されたレチクルRが不図示のレチクルロー
ダを介してロードされ、レチクルアライメント、及び不
図示のウエハアライメント系のいわゆるベースライン計
測等の準備作業が終了しているものとする。また、例え
ばレチクル情報に基づき、転写対象であるパターンに応
じて後述する周波数解析の結果に基づく補正可能可否の
判断の基準となる第1の閾値(SL1)、及び後述する
時系列解析の結果に基づく異常要因かどうかの判断の基
準となる第2の閾値(SL2)が設定されているものと
する。ここでは、例えば、転写対象のパターンがラフレ
イヤ又はミドルレイヤ等で用いられる比較的精度の要求
されない露光に用いられるパターンである場合は、各閾
値を高めに設定し、転写対象のパターンがクリティカル
レイヤ等で用いられる精度が要求される露光に用いられ
るパターンである場合には各閾値を低めに設定するとい
うようにして、各閾値の設定が行われる。
【0073】まず、ステップ102において、不図示の
ウエハ交換機構を用いてウエハステージWST上のウエ
ハ交換を行う(ウエハステージWST上にウエハがない
場合には単にウエハWをロードする)とともに、ウエハ
アライメントを行う。ウエハアライメントとしては、例
えば特開昭61−44429号公報などに詳細に開示さ
れるEGA(エンハンスト・グローバル・アライメン
ト)方式のウエハアライメントが行われる。このウエハ
アライメントの結果、ウエハW上の全てのショット領域
(ここでは、K個のショット領域)の配列座標が求めら
れる。
【0074】次のステップ104では、ウエハW上のシ
ョット領域の番号を示すカウンタのカウント値kを
「1」に初期設定する(k←1)。
【0075】次のステップ106では、上で求めた配列
座標を基に、ウエハレーザ干渉計48の計測値をモニタ
しつつ、第k番目(ここでは第1番目)のショット領域
を露光するための走査開始位置(加速開始位置)に、不
図示のウエハ駆動装置を介してウエハステージWST
(ウエハW)を移動する。同時にレチクル粗動レーザ干
渉計42(及びレチクル微動レーザ干渉計40)の計測
値をモニタしつつ不図示のリニアモータ等を介してレチ
クルステージRSTを走査開始位置(加速開始位置)に
移動する。
【0076】次のステップ108では、レチクルステー
ジRST(レチクルR)とウエハステージWST(ウエ
ハW)との同期移動を開始して走査露光を実行する。具
体的には、図3に示されるスキャン速度発生器51に指
示を与えてレチクルステージRST(レチクルR)とウ
エハステージWST(ウエハW)とのY軸方向への相対
走査を開始するとともに不図示の露光コントローラに指
令を与えて光源の発光を開始する。そして、両ステージ
RST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達し、等速
同期状態になり、露光開始位置に達した時点で、照明系
IOPからの紫外パルス光(照明光IL)によってレチ
クルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始
される。なお、両ステージが等速同期状態に達する以前
に光源の発光は開始されているが、マイクロプロセッサ
68からの指示に基づき、照明系IOP内の不図示の可
動レチクルブラインドの移動がレチクルステージRST
と同期して不図示のブラインド駆動装置によって制御さ
れているので、両ステージがそれぞれ露光開始位置に達
した時点から照明光ILのレチクルRに対する照射が開
始されるようになっている。
【0077】上記の走査露光について更に説明すると、
スキャン速度発生器51からウエハステージWSTの速
度指令値VW’が出力されると、前述したウエハステー
ジ速度制御系52及びレチクル粗動ステージ速度制御系
54により、例えば、ウエハステージWSTが−Y方向
に走査速度VWで走査されるのと同期してレチクル粗動
ステージ34が所定の走査速度VR’で+Y方向に走査
される。また、この際に生ずるレチクルRとウエハWと
の相対速度と位置が4:1となるように、同期位置演算
部62及びレチクル微動ステージ制御系56により、レ
チクル微動ステージ36の動作が制御される。これによ
り、照明光ILで照明されたスリット状の照明領域に対
してレチクルRが+Y方向(又はーY方向)に走査され
るのと同期して照明領域と共役な露光領域に対してウエ
ハWが投影光学系PLの縮小倍率に応じた速度で−Y方
向(+Y方向)に走査され、レチクルRのパターンがウ
エハW上のショット領域に逐次転写される。
【0078】上記の走査露光が開始されると、以後、ス
テップ110〜ステップ118の処理、判断が、所定の
間隔で繰り返し行われる。
【0079】ステップ110では、ウエハレーザ干渉計
48の計測値(WX1、WX2、WY 1、WY2)とレチク
ルレーザ干渉計40の計測値(RX、RL、RR)とを所
定のサンプリング間隔(例えば1m秒間隔)で同時に取
り込み、メモリ88に記憶する。すなわち、このように
してレチクルRの位置とウエハWとの位置をモニタす
る。
【0080】次のステップ112では、メモリ88内に
同時刻に記憶されているデータ(WX1、WX2、W
1、WY2、R、RL、RR)を用いて、X、Y、θ
(Z軸回りの回転方向)の各方向についてレチクルRと
ウエハWの同期誤差ErrX、ErrY、Errθを求
める。具体的には、まず、前述した式(2)により、位
置誤差ΔRX、ΔRL、ΔRRを演算し、この演算した位
置誤差RX、ΔRL、ΔRRを用いて次式(3)に基づい
て、X、Y、θ(Z軸回りの回転方向)の各方向につい
てレチクルRとウエハWの同期誤差ErrX、Err
Y、Errθを求め、メモリ88内に記憶する。
【0081】
【数3】
【0082】次のステップ114では、上記ステップ1
12においてメモリ88内に記憶したデータを用いて、
X、Y、θz方向についての移動標準偏差の計算を行
い、その結果をメモリ88に記憶する。より具体的に
は、X、Y、θz方向についての移動標準偏差σ(Er
rX)n、σ(ErrY)n、σ(Errθ)nを、次式
(4)に従って計算する。
【0083】
【数4】
【0084】この式(4)中のAv(ErrX)n、A
v(ErrY)n、Av(Errθ) nは、ウエハW上の
任意の点がスリット領域としての照明領域IAR、すな
わちこれと共役な露光領域IAに入ってから出るまでの
間の前記同期誤差の平均値であって、上式(3)にて求
められた同期誤差を用いて、次式(5)にて表されるも
のである。なお、上式(4)及び次式(5)では、任意
の点が露光領域IAに入ってから出るまでの間のデータ
の取り込み回数、すなわちn番目のデータを中心に、ス
リット幅(露光領域IAの走査方向の幅)でデータを取
り出したときのデータ数をmとしている。
【0085】
【数5】
【0086】そして、次のステップ118において、第
k番目(ここでは第1番目)のショット領域の露光が終
了したか否かを判断し、ここでの判断が否定されると、
ステップ110に戻り、以後ステップ118における判
断が肯定されるまで、上記ステップ110〜118の処
理・判断を繰り返す。これにより、所定の間隔でX、
Y、θz方向についての移動標準偏差が順次計算され、
その結果がメモリ88に記憶されることとなる。この結
果、例えば図6(A)に示されるような移動標準偏差信
号の波形を得ることができる。
【0087】なお、図6(A)においては、ウエハステ
ージWST、レチクルステージRSTの走査方向である
Y軸方向の移動標準偏差信号の波形のみが代表的に示さ
れている。その他の方向(X軸方向、及びθz方向)の
移動標準偏差信号の波形も同時に得ることができるが、
以下においては、説明の便宜上、走査方向であるY軸方
向のみを代表的に採り挙げて説明するものとする。
【0088】図4に戻り、第k番目(ここでは第1番
目)のショット領域の露光が終了し、ステップ118に
おける判断が肯定されると、ステップ120に進んで不
図示の露光コントローラに指令を与えて光源からの照明
光ILの照射を停止させた後、ステップ122の異常検
出処理のサブルーチンへ移行する。
【0089】このサブルーチンでは、まず、図5のステ
ップ152において、第k番目(ここでは第1番目)の
ショット領域の走査露光中に得られた図6(A)に示さ
れるような移動標準偏差信号の周波数解析を行う。
【0090】ここでは、一例として、移動標準偏差信号
を周知のFFT(fast Fourier transform;高速フーリ
エ変換)を用いて周波数解析する。図6(B)には、そ
の解析結果(図6(A)の移動標準偏差σ(ErrY)
n信号の解析結果)の波形の一例が示されている。
【0091】次のステップ154では、周波数解析の結
果、第1の異常が存在したか否かを判断する。この判断
は、露光装置を構成する各部(例えば、投影光学系PL
や、各部を保持するコラム等)の共振モード(機械共振
周波数(f1,f2,f3,f4…fN))の成分、すなわ
ちfn成分(n=1、2、3、4、…、N)とそれぞれ
の基準値SVnとを比較することにより判断する。な
お、各部の機械共振周波数fn成分についての、基準値
SVnとしては、同一の種類の複数の露光装置を用いて
行った実験値の平均値が採用されている。図6(C)に
は、基準値SVnを各部の共振モード成分として有する
標準的なマシン(仮想のマシン)の周波数成分の分布の
一例が示されている。
【0092】すなわち、ステップ154では、一例とし
て図6(B)の波形と図6(C)の波形とが比較され、
その結果、図6(D)に示されるように、f2成分が第
1の異常成分であると判断される。
【0093】この結果、ステップ154の判断が肯定さ
れ、次のステップ158に進んで、その異常成分、この
場合f2成分がソフトウェア的に補正可能であるか、否
かを判断する。この判断は、具体的には、異常成分とそ
の基準値との差が、予め設定されている第1の閾値SL
1より小さいか否かを判断することにより行う。図6
(D)の場合には、f2成分の値F2と基準値SV2との
差(F2−SV2)が第1の閾値SL1より小さいか否
かが判断される。
【0094】そして、この判断が肯定された場合、すな
わち、異常成分とその基準値との差が、予め設定されて
いる第1の閾値SL1より小さい場合、例えば(F2−
SV 2)<SL1が成立する場合には、ステップ160
に進んで、最適なフィルタの選択及び設定を行った後、
ステップ164に移行する。この場合、フィルタの選択
及び設定は、具体的には、移動標準偏差の解析結果に基
づいてHレベルのセレクト信号SSを図3に示されるフ
ィルタ部FRに出力し、スイッチ部SWをオフするとと
もに、制御信号CLを出力して、フィルタFRの選択を
行う。この場合、f2成分が第1の異常成分であるの
で、フィルタ部FRのノッチフィルタのうち、図7
(A)に示されるような、周波数f2をノッチ周波数と
し、目標推力信号からf2成分を除去するノッチフィル
タを選択する。なお、通常、セレクト信号はLレベル
(スイッチSWはオン状態)であり、位相補償器80か
らの出力である目標推力信号は、フィルタ部FRを介す
ることなく、レチクル微動ステージ制御系60に直接入
力されるようになっている。
【0095】なお、上記のノッチフィルタを用いる代わ
りに、図7(B)に示される、機械共振周波数f2を含
む所定幅の周波数領域の入力信号を除去するバンドエリ
ミネートフィルタ(BEF)等を使用しても良い。
【0096】一方、ステップ158における判断が否定
された場合、すなわち異常成分とその基準値との差が、
第1の閾値SL1以上である場合、例えば(F2−SV
2)≧SL1が成立する場合には、ソフトウェア的には
補正が不可能であるため、次のステップ162に進む。
このステップ162では、その異常内容を表示装置90
に表示するとともにアラーム音を鳴らして、オペレータ
に警報情報を発した後、次のステップ164に移行す
る。
【0097】この一方、上記ステップ154における判
断が否定された場合、すなわち第1の異常が存在しなか
った場合には、直ちにステップ164に移行する。
【0098】ステップ164では、移動標準偏差信号の
時系列解析を行う。この時系列解析は、次のようにし
て、移動標準偏差信号と所定のテンプレートとの相互相
関をとる(例えば、コンボリューションや内積を求め
る)ことにより移動標準偏差信号の解析を行う。
【0099】ここで、図8(A)〜図8(C)に基づい
て、移動標準偏差信号の時系列解析について更に説明す
る。図8(A)には、図6(A)に示される移動標準偏
差信号の領域H部分の波形のみが取り出され、拡大して
示されている。また、図8(A)内に(a),(b)と
して示される波形は、例えば、(a)の波形がウエハス
テージWSTに連結されたケーブルに起因して発生する
移動標準偏差信号を示すテンプレートであり、(b)の
波形がレチクルステージRSTに連結されたケーブルに
起因して発生する移動標準偏差信号を示すテンプレート
である。
【0100】なお、図8(A)内に示されるテンプレー
ト(a),(b)は、図示の便宜上、実際よりも拡大し
て示すものであって、実際には、ウエハステージの位置
1,P2において上下に振れている三角波状の波形とほ
ぼ同一の大きさを有するものである。また、実際には、
メモリ88内には多数のテンプレートが記憶されている
のであるが、本実施形態では説明の便宜上、上記2種類
のテンプレートのみがメモリ88内に記憶されているも
のとする。
【0101】まず、図8(A)に示されるテンプレート
(a)をウエハステージ位置(又はレチクルステージ位
置)の方向に沿って走査しながら、テンプレート(a)
と移動標準偏差σ(ErrY)nとの相関(例えばコン
ボリューション)をとる。このときの相互相関値の一例
が図8(B)に示されている。この図8(B)から分か
るように、テンプレート(a)の波形と移動標準偏差信
号の波形とがほぼ一致する位置(ウエハステージ位置P
1)で相関値のピークが発生している。
【0102】次に、テンプレート(b)を同様に走査
し、テンプレート(b)と移動標準偏差との相関をと
る。図8(C)には、このときの相関値の波形が示され
ている。この場合もテンプレート(a)の場合と同様
に、テンプレート(b)の波形と移動標準偏差信号の波
形がほぼ一致する位置(レチクルステージ位置P2’)
で相関値のピークが発生している。
【0103】そして、各相互相関値の波形について、予
め設定された第2の閾値SL2との比較を行う。この場
合において、第2の閾値SL2を超えていた相関値を、
時系列解析によって得られた異常成分(以下、適宜「第
2の異常成分」という)とするものとする。
【0104】上記のようにして、移動標準偏差の時系列
解析が終了すると、図5のステップ166に進み、移動
標準偏差の時系列解析の結果、第2の異常が存在したか
否かを判断する。上記の例では、図8(B)、図8
(C)から分かるように、第2の閾値を超えている相互
相関値が存在するので、このステップ166の判断は肯
定され、次のステップ168に進んでその異常内容を表
示装置90に表示するとともにアラーム音を鳴らして、
オペレータに警報情報を発した後、図4のメインルーチ
ンのステップ124にリターンする。
【0105】一方、上記ステップ166における判断が
否定された場合、すなわち第2の異常が存在しなかった
場合には、直ちにメインルーチンのステップ124にリ
ターンする。
【0106】図4に戻り、ステップ124では、ウエハ
ステージWST上に載置されたウエハWの全ショットに
対する露光が終了したか否かを判断する。ここでは、ま
だ第1ショットに対する露光が終了したのみなので、こ
の判断は否定され、ステップ126においてカウンタを
インクリメント(k←k+1)した後、ステップ106
に戻り、上記ステップ106〜ステップ124の処理、
判断を繰り返す。これにより、ウエハW上の第2番目の
ショット領域に対して上記と同様の走査露光が行われた
後、サブルーチン122の異常検出処理が行われる。こ
の際、第1の異常及び第2の異常の少なくとも一方が検
出され、異常内容の表示が必要な場合には、表示装置9
0の画面上にその異常内容が追加して表示されるように
なっている。
【0107】そして、ステップ124で、再び、ウエハ
ステージWST上に載置されたウエハWの全ショットに
対する露光が終了したか否かを判断する。ここでは、ま
だ第2ショットに対する露光が終了したのみなので、こ
の判断は否定され、ステップ126においてカウンタを
インクリメント(k←k+1)した後、ステップ106
に戻り、以後、第3番目以降のショット領域の露光、異
常検出処理が、全てのショット領域についての露光及び
異常検出処理が終了するまで繰り返し行われる。
【0108】このようにして、ウエハW上の全てのショ
ット領域についての露光及び異常検出処理が終了する
と、ステップ124における判断が肯定され、ステップ
128の異常処理のサブルーチンへ移行する。
【0109】この異常処理のサブルーチンでは、まず、
図9のステップ180において、図5のステップ162
で、表示装置90に何らかの異常内容が表示されている
か否か(何らかの異常内容を表示したか否か)を判断す
る。そして、この判断が否定された場合、すなわち表示
すべき異常がそれまでに存在しなかった場合(通常は、
このケースが最も多い)には、直ちに図4のメインルー
チンのステップ130にリターンする。
【0110】一方、上記ステップ180における判断が
否定された場合には、ステップ182に進み、表示装置
90の画面上に、例えば続行か運転停止かの選択ボタン
を表示して装置の運転を停止すべきか、続行すべきかの
問い合わせを行った後、次のステップ184に進む。
【0111】ステップ184では、上記ステップ182
における問い合わせに対して、オペレータが、続行ボタ
ンを選択したか否かを判断し、この判断が肯定された場
合には、次のステップ186に進んで、前述した第1の
閾値SL1及び第2の閾値SL2の内、表示装置の画面
上に表示した異常内容に対応する閾値を変更した後、図
4のメインルーチンのステップ130にリターンする。
ここで、ステップ186における閾値の変更は、閾値を
大きくすることである。その理由は、表示装置90の画
面上に異常内容を表示して警報を発し、これに対してオ
ペレータが、その警報(表示)を無視して続行を指示し
た場合(多少の異常があってもオペレータはスループッ
トを重視したものと考えられる場合)に、再度、同内容
又は同程度の異常を検出し、再度、オペレータに対して
警報を発したり、上記の問い合わせをしたりすることが
無いようにする一方、より重度の異常が発生した場合に
は、これを検出して警報を発し、オペレータに注意を喚
起できるようにするためである。
【0112】この一方、上記ステップ184における判
断が否定された場合、すなわち運転停止ボタンが選択さ
れた場合には、ステップ188に進み、装置の運転を停
止した後、ステップ190に進んで、オペレータから運
転再開の指示が入力されるのを待つ。
【0113】上記の運転停止中に、オペレータによっ
て、表示装置に表示されている異常内容に基づき、その
異常を解消する作業が可能な範囲で行われる。勿論、異
常内容が重度である場合には、オペレータ等から連絡を
受けた露光装置メーカーのサービスエンジニア等により
必要な修理作業が行われる。例えば、前述した例の場
合、図8(B)からウエハステージWSTが位置P1
位置するときにケーブルに起因する異常が発生し、図8
(C)からレチクルステージRSTが位置P2’に位置
するときにケーブルに起因する異常が発生することが明
らかとなっているので、これらの異常を解消するような
適切な処置が採られることとなる。
【0114】この場合において、露光装置10と、該露
光装置が設置されているクリーンルームの所有者である
デバイスメーカーの社内LANとを接続し、さらにその
社内LANと露光装置メーカーの社内LAN等とを専用
回線又は公衆回線を介して接続し、前述した重度の異常
が発生した場合に、マイクロプロセッサ68により、そ
の異常検出の元となった移動標準偏差信号及びその解析
結果の情報を、通信回線を介して、露光装置メーカーの
集中管理センターなどに電子メール等で自動的に送信さ
れることとしても良い。このようにすると、サービスエ
ンジニアに対して連絡がなされるまでの時間が短くなる
とともに、サービスエンジニアは、予め異常個所を知る
ことができるので、適切な対応をより迅速かつ的確に行
うことが可能となるとともに、交換すべき部品も予め用
意することができ、結果的に修理のための装置の運転停
止によるダウンタイムを短縮することができる。従っ
て、デバイスの生産性の向上を図ることが可能である。
【0115】そして、上記のような修理作業が終了し、
オペレータ又はサービスエンジニア等により運転再開の
指示が入力装置90(図3参照)を介して入力される
と、ステップ190の判断が肯定され、次のステップ1
92に進み、装置を運転可能な状態に復帰した後、図4
のメインルーチンのステップ130にリターンする。こ
のステップ192の復帰時に、必要に応じて、不図示の
ウエハアライメント系のベースライン量の再計測などの
必要な処理が行われる。
【0116】図4に戻り、ステップ130では、予定枚
数のウエハの処理が終了したか否かを判断し、この判断
が否定されると、ステップ102に戻り、ウエハ交換・
ウエハアライメントを行い、以後予定枚数のウエハに対
する処理が終了するまで、ステップ102〜ステップ1
30の処理、判断が繰り返され、予定枚数のウエハに対
する処理が終了すると、本ルーチンの一連の処理を終了
する。
【0117】なお、ここまでの説明では、走査方向であ
るY軸方向の移動標準偏差の解析についてのみ説明した
が、実際には、走査方向に直交するX軸方向、及びZ軸
回りの回転方向についても、Y軸方向と同様の解析が行
われ、解析結果に応じて、同様の処理が行われる。
【0118】以上詳細に説明したように、本実施形態に
係る露光装置10によると、ウエハW上の各ショット領
域に対する走査露光に際し、ステージ制御系92によ
り、レチクルRを保持するレチクルステージRSTとウ
エハWを保持するウエハステージWSTとが同期して走
査方向に駆動され、この両ステージの同期移動中に、マ
イクロプロセッサ68では、両ステージの相対位置ずれ
を示す同期誤差信号を所定のサンプリング間隔で検出す
る(図4ステップ108〜ステップ112参照)。ま
た、マイクロプロセッサ68では、同期誤差信号に基づ
いて、両ステージの移動標準偏差信号を所定間隔で算出
する(図4ステップ114参照)。そして、露光終了
後、マイクロプロセッサ68では、移動標準偏差信号を
周波数解析した結果に基づいて、同期移動中の両ステー
ジの位置に依存しない第1の種類の異常(例えば、両ス
テージの速度に起因する許容できない同期誤差)の有無
を判断する(図5ステップ154参照)。また、マイク
ロプロセッサ68では、移動標準偏差信号を時系列解析
した結果に基づいて同期移動中の両ステージの位置に依
存する第2の種類の異常(両ステージの位置に依存する
許容できない同期誤差)の有無を判断する(図5ステッ
プ166参照)。
【0119】また、マイクロプロセッサ68では、両ス
テージの位置に依存しない異常の有無の判断を、移動標
準偏差の特定の複数の周波数成分と各周波数成分につい
て予め定められた基準値とをそれぞれ比較した結果に基
づいて行うこととしているので、簡易且つ迅速に第1の
種類の異常の有無を判断することができる。なお、この
第1の種類の異常の有無の判断は、1つの特定の周波数
成分について行うこととしても良い。
【0120】また、マイクロプロセッサ68では、少な
くとも1つの特定の周波数成分に基づいて第1の種類の
異常があると判断したとき、各特定の周波数成分の値を
各特定の周波数成分毎に予め定めた閾値と個別に比較し
て、その周波数成分に対応する第1の種類の異常に起因
するレチクルRとウエハWの同期誤差がソフトウェア的
に補正が可能であるか否かを判断する(図5ステップ1
58参照)。従って、簡易に第1の種類の異常の補正可
否を決定することができる。
【0121】また、マイクロプロセッサ68では、前記
同期誤差の補正が可能と判断した場合には、両ステージ
の同期誤差を補正するため、レチクル微動ステージ36
に対する目標推力信号中の、第1の種類の異常の要因と
なっている周波数成分を相殺して目標推力信号中からそ
の周波数成分を除去する(あるいは、入力信号中の周波
数成分をカットする)ノッチフィルタ(あるいはBE
F)を前述したフィルタ部FRの中から選択し、かつ設
定することにより、レチクル微動ステージ制御系56の
閉ループ伝達関数、ひいてはステージ制御系92の全体
の伝達関数を変更する(図5のステップ160参照)。
このため、本実施形態によると、次ショット領域以降の
露光の際には、機械共振が抑制されることで、上記第1
の種類の異常の要因となっていた周波数成分に起因する
同期誤差が解消され、動作が安定的になるため、これに
より、いわゆる不良ショットの発生を抑制することが可
能となる。
【0122】また、マイクロプロセッサ68では、前記
同期誤差の補正が不可能と判断した場合に、異常内容を
表示装置90に表示するとともに、例えばアラーム音を
発して、オペレータに警報を発する(図5ステップ16
2参照)。これにより、オペレータは、異常の発生を視
覚、聴覚により認識できるとともに、表示内容を見て異
常内容を認識することができ、後の対処を迅速に行うこ
とが可能となる。
【0123】また、マイクロプロセッサ68では、前記
第2の種類の異常の有無の判断に際し、移動標準偏差信
号の波形と所定のテンプレート波形との相関値を求め、
その相関値が所定の閾値を超えていたときに、第2の種
類の異常が有ると判断する。従って、簡易に第2の種類
の異常の有無を判断することができる。
【0124】また、マイクロプロセッサ68では、前記
第2の種類の異常が有ると判断したとき、異常内容を表
示装置90に表示するとともに、例えばアラーム音を発
して、オペレータに警報を発する(図5ステップ168
参照)。これにより、オペレータは、異常の発生を視
覚、聴覚により認識できるとともに、表示内容を見て異
常内容を認識することができ、後の対処を迅速に行うこ
とが可能となる。
【0125】また、マイクロプロセッサ68では、表示
装置90に異常内容(警報情報)が表示されていると
き、装置の運転停止の問い合わせ情報(続行か運転停止
かの選択ボタン)を重ねて表示し、前記問い合わせに応
答して運転停止指示が入力された場合に、装置の運転を
停止する(図9ステップ182〜ステップ188参
照)。これにより、運転停止指示が入力されない場合に
は、運転が続行され、運転停止指示がなされたときにの
み運転が停止されることとなる。従って、オペレータ
は、異常内容を見て運転を続行したい場合には、運転を
続行して、不要なダウンタイムの発生によるスループッ
トの不要な低下、ひいては生産性の向上を図ることが可
能になる。この一方、オペレータは、異常内容を見て、
重度の障害(異常)が発生し、修理の必要があると判断
した場合には、直ちに露光装置メーカーのサービスセン
ター等に連絡する等迅速な対応が可能となる。
【0126】これまでの説明から明らかなように、本実
施形態では、マイクロプロセッサ68により、同期誤差
検出装置、算出装置、第1の判断装置、第2の判断装
置、第3の判断装置、制御装置、閾値変更装置、通信制
御装置、及び判断装置が実現されている。また、マイク
ロプロセッサ68と調整部82とにより、補正装置が構
成されている。
【0127】以上のように、本実施形態の露光装置10
によると、異常の種類に対応して、適切な対応が可能と
なるので、最終製品であるデバイスの歩留まりを不要に
低下させることなく、しかもダウンタイムの短縮による
装置の稼動効率の向上が可能となる。従って、結果的に
デバイスの生産性を向上させることが可能となる。
【0128】なお、上記実施形態では、検出した異常が
ソフトウェア的に補正できない場合に、さらに運転続行
が指示されたとき、異常が検出されたショット領域を露
光対象から除くことなく、その前のウエハと同様に露光
を続行する場合について説明したが、これに限らず、そ
の異常が検出された不良ショットとしてそのウエハの次
レイヤ以降の露光対象から除外したり、次のウエハ以降
のウエハの露光の際にそのショット領域を露光対象から
除外したりすることにより、無駄な露光処理動作を回避
することとしても勿論良い。
【0129】また、上記実施形態では、実際の露光動作
中に、異常検出処理を行う場合について説明したが、本
発明がこれに限定されるものではない。すなわち、実際
の露光処理の開始に先立って、露光動作中と同様の手順
で、レチクルステージRSTとウエハステージWSTの
ステップ・アンド・スキャン動作を行い、この動作中に
異常検出処理を行うこととしても良い。そして、このと
き検出された異常内容が、例えばフィルタの設定により
補正可能な第1の種類の異常のみである場合には、その
異常を解消すべく、実際の露光動作の開始に先立って、
適切なフィルタ設定を行うこととしても良い。あるい
は、検出された異常内容が、例えばフィルタの設定によ
り補正不可能な第2の種類の異常のみであり、その異常
が特定のショット領域が露光されるときにのみ、発生す
ることが明らかであれば、そのショット領域を露光対象
から外すようなショットマップデータの変更を行うこと
としても良い。
【0130】また、上記実施形態では、干渉計計測値の
モニタ(図4ステップ110)、同期誤差計算(図4ス
テップ112)、及び移動平均・移動標準偏差計算(図
4ステップ114)を走査露光中(両ステージの同期移
動中)に行うものとしたが、これに限らず、両ステージ
の同期移動中は、ステップ110のみ、あるいはステッ
プ110及びステップ112のみを行い、ステップ11
4の処理は、露光終了後に行うようにしても良い。ある
いは、図4ステップ122の異常検出処理を同期移動中
に行うこととしても良い。この場合には、同期誤差計算
や移動平均・移動標準偏差計算などをより短時間で行う
ため、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等を
用いて、これらの計算を行うこととしても良い。
【0131】なお、上記実施形態では、ステージ制御系
92(レチクル微動ステージ制御系56)の伝達関数を
変更する方法として、フィルタ部FRのフィルタを選択
設定する場合について説明したが、これに限らず、制御
系のゲインを調整することにより、伝達関数を変更し、
同期誤差の原因とされる周波数成分の影響を極力低減す
ることとしても良い。また、フィルタ部FRとして、カ
ット周波数が自在に変更可能なソフトウェアフィルタな
どを用いても良い。さらに、上記実施形態では移動標準
偏差の解析をX軸方向、Y軸方向、及びZ軸回りの回転
方向θzの少なくとも1つで行うものとしたが、X軸回
りの回転方向θx、Y軸回りの回転方向θy、及びZ軸
方向の少なくとも1つで行うようにしても良い。
【0132】また、上記実施形態では、基準値SVn
して、同一種類の露光装置について実験により予め求め
た平均的な値を用いるものとしたが、本発明がこれに限
られるものではなく、基準値としては、例えば、同期精
度を満足するために必要な理論値など、様々な値を設定
することができる。
【0133】また、第1の閾値SL1、第2の閾値SL
2としては、上記実施形態の如く、露光対象パターンに
応じて変更(設定)するのみならず、各周波数毎に別々
の値を設定したり、テンプレートごとに別々の値を設定
することとしても良い。
【0134】なお、上記実施形態では、異常を検出する
手段として、周波数解析、及び時系列解析を行うものと
したが、本発明がこれに限られるものではなく、時系列
解析のみを行い、この解析結果に基づいてソフトウェア
的に補正不能な第2の種類の異常の有無及びその要因を
迅速かつ的確に検出することとしても良い。かかる場合
には、その第2の種類の異常要因が、例えばサービスエ
ンジニア等により排除されることにより、次露光時以降
の不良ショットの発生を防止することができる。これに
より、最終製品であるデバイスの歩留まりを低下を防止
して、結果的にデバイスの生産性を向上させることが可
能となる。この場合も、異常内容を表示したり、その解
析結果を通信回線を介して露光装置メーカーに通知する
ことにより、前述と同様の装置のダウンタイムの短縮に
よる、デバイスの生産性の向上が可能となる。
【0135】なお、上記実施形態では、位置に依存する
異常の発生要因が、一例として、レチクルステージやウ
エハステージに連結されたケーブルに起因するものとし
て説明したが、これに限らず、例えば、各ステージを駆
動するリニアモータのリップルや、ステージをステージ
定盤上で浮上支持する場合に、所定の位置において、定
常的にエアパッド等の軸受けとステージ定盤との間隔が
変化する場合等も考えられるので、これらのテンプレー
トを予め求め、これらを用いた時系列解析を行うことと
しても勿論良い。
【0136】なお、上記実施形態では、異常内容を表示
装置90に表示するとともにアラーム音を鳴らして、オ
ペレータに認識させるものとしたが、これに限らず、異
常内容をコンピュータの音声等を発することにより、オ
ペレータに認識させることとしても良い。また、音声等
を表示装置90と併せて用いても良い。更に、警報情報
としては、アラーム音を鳴らすのみならず、警報ランプ
など視覚的に認識させるものを、単独であるいはアラー
ム音と併せて用いることとしても良い。また、携帯電
話、PHS、PDAなどの携帯端末にメールを送信して
も良く、オペレータへの通知はいかなる方法を採用して
も良い。
【0137】なお、上記実施形態で説明したステージ制
御系92の構成は、一例であって本発明がこれに限定さ
れるものではない。上記実施形態では、例えば、ステー
ジ制御系92を構成するレチクル微動ステージ制御系5
6が、位置ループとこの位置ループのマイナーループと
しての速度ループを有する多重ループ制御系によって構
成される場合について説明したが、位置ループのみのシ
ングル・ループ制御系によってレチクル微動ステージ制
御系を構成しても良い。図10には、かかるシングル・
ループ制御系から成るレチクル微動ステージ制御系5
6’が示されている。このレチクル微動ステージ制御系
56’について簡単に説明する。
【0138】この図10のレチクル微動ステージ制御系
56’は、目標値演算部62’、減算器74、逆動力学
解析部354、制御器部370、推力分配部358、及
びレチクル微動メカニズム(以下、「Rfメカニズム」
と呼ぶ)360とを含んで構成されている。
【0139】前記Rfメカニズム360は、後述する実
推力指令値FRacに応じて駆動されるアクチュエータ
(前述のボイスコイルモータ)、該アクチュエータによ
って駆動されるレチクル微動ステージ36、及びレチク
ル微動ステージ36の位置を計測するレチクル微動レー
ザ干渉計40などを含んで構成される機構部である。こ
のRfメカニズム360の出力は、レチクル微動レーザ
干渉計40の現在のカウント値Rifである。
【0140】前記目標値演算部62’は、ウエハレーザ
干渉計48の出力、すなわち前述の積分回路64の出力
(現在のカウント値)Rewifを回転行列(回転変換行
列)を用いてレチクル微動レーザ干渉計40のカウント
値(計測値)ReRif(前述のレチクル微動レーザ干渉
計40の計測値の目標値に相当)に変換するもので、前
述の同期位置演算部62に相当する。
【0141】減算器74は、目標値演算部62’の出力
ReRifとRfメカニズム360の出力であるレチクル
微動ステージ36の現在位置(レチクル微動レーザ干渉
計40の現在のカウント値)Rifとの差である位置偏
差DifRifを演算するものである。
【0142】前記逆動力学解析部354は、減算器74
の出力である位置偏差(すなわち、レチクル微動レーザ
干渉計40の計測軸で規定されるレチクル微動ステージ
座標系で観察されるレチクル微動ステージ36の追従誤
差)DifRifをヤコビアン行列を用いて、レチクル微
動ステージ36の重心座標系上の値DifRcgに変換す
るものである。
【0143】制御器部370は、このレチクル微動ステ
ージ制御系56’の心臓部で、逆動力学解析部354か
ら出力されるDifRcgを動作信号としてPI(比例+
積分)制御動作を行い、前述の重心座標系における3自
由度方向(X,Y、θz)の推力指令値FRcgをその操
作量として出力するPIコントローラ356及びその出
力段に設けられた前述の調整部82とを含んで構成され
ている。
【0144】前記推力分配部358は、制御器部370
から出力される推力指令値FRcgを逆ヤコビアン行列
(推力分配行列)を用いてRfメカニズム360を構成
するアクチュエータに対する実推力指令値FRacに変換
するものである。
【0145】このようにして構成されたレチクル微動ス
テージ制御系56’を用いても、マイクロプロセッサ6
8によって調整部82が前述と同様にして制御され、P
Iコントローラ356の出力である推力指令値FRcg
必要に応じて調整されて推力分配部358に出力される
ので、前述の実施形態と同等の効果を得ることができ
る。
【0146】なお、上記実施形態では、光源としてKr
Fエキシマレーザ光源などの紫外光源、F2レーザ、A
rFエキシマレーザ等の真空紫外域のパルスレーザ光源
を用いるものとしたが、これに限らずAr2レーザ光源
(出力波長126nm)などの他の真空紫外光源を用い
ても良い。また、例えば、真空紫外光として上記各光源
から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ
又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視
域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)
(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)が
ドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結
晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良
い。
【0147】なお、複数のレンズから構成される照明光
学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整
をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステ
ージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線
や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認
等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造
することができる。なお、露光装置の製造は温度及びク
リーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望
ましい。
【0148】なお、本発明は、半導体製造用の露光装置
に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造
に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に
転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられる
デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光
装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、
DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも
適用することができる。また、半導体素子などのマイク
ロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、
X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレ
チクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシ
リコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置に
も本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光や
VUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的
に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石
英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フ
ッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、
プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装
置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレ
ンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウ
エハなどが用いられる。
【0149】《デバイス製造方法》次に上述した露光装
置をリソグラフィ工程で使用するデバイスの製造方法の
実施形態について説明する。
【0150】図11には、デバイス(ICやLSI等の
半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、
マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示され
ている。図11に示されるように、まず、ステップ20
1(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設
計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、そ
の機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続
き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、
設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一
方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、
シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0151】次に、ステップ204(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ201〜ステップ203で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステッ
プ)において、ステップ204で処理されたウエハを用
いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、
ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージン
グ工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれ
る。
【0152】最後に、ステップ206(検査ステップ)
において、ステップ205で作成されたデバイスの動作
確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程
を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0153】図12には、半導体デバイスにおける、上
記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図
12において、ステップ211(酸化ステップ)におい
てはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CV
Dステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成す
る。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウ
エハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214
(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオン
を打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214そ
れぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成して
おり、各段階において必要な処理に応じて選択されて実
行される。
【0154】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ2
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステッ
プ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露
光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンを
ウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステッ
プ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ2
18(エッチングステップ)において、レジストが残存
している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより
取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステ
ップ)において、エッチングが済んで不要となったレジ
ストを取り除く。
【0155】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0156】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上
記実施形態の露光装置及びその露光方法が用いられるの
で、不良ショットの発生の低減と、露光装置の稼動効率
の向上により、微細パターンが形成された高集積度のマ
イクロデバイスの生産性を向上することができる。
【0157】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る異常
検出方法、露光方法及び露光装置によれば、デバイスの
生産性の向上に貢献することができる。
【0158】また、本発明に係るデバイス製造方法によ
れば、高集積度のデバイスの生産性を向上させることが
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図
である。
【図2】図2(A)は図1の露光装置を構成するレチク
ルステージの概略平面図、図2(B)はウエハステージ
の概略平面図である。
【図3】図1の露光装置のステージ制御系の構成を示す
ブロック図である。
【図4】異常検出処理を含む露光処理ルーチンの動作に
ついて、主制御系内のマイクロプロセッサの主要な制御
アルゴリズムを簡略化して示す図である。
【図5】図4の異常検出サブルーチン122を示すフロ
ーチャートである。
【図6】図6(A)は、図4のステップ114で得られ
る移動標準偏差信号の波形を示す図であり、図6(B)
は、図6(A)の移動標準偏差信号の解析結果の一例を
示す図であり、図6(C)は、標準的なマシン(仮想の
マシン)の周波数成分の分布の一例を示す図であり、図
6(D)は、図6(B)と図6(C)の波形を比較した
状態を示す図である。
【図7】図7(A)は、ノッチフィルタの一例を示す図
であり、図7(B)はバンドエリミネートフィルタの一
例を示す図である。
【図8】図8(A)は、図6(A)の移動標準偏差の領
域Hに含まれる部分を取り出して拡大して示す図であ
り、図8(B)は、図8(A)に示されるテンプレート
(a)を走査し、移動標準偏差との相関をとった場合の
相関値の変化の一例を示すグラフであり、図8(C)
は、図8(A)に示されるテンプレート(b)を走査
し、移動標準偏差との相関をとった場合の相関値の変化
の一例を示すグラフである。
【図9】図4の異常処理サブルーチン128を示すフロ
ーチャートである。
【図10】シングル・ループ制御系から成るレチクル微
動ステージ制御系を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るデバイス製造方法を説明するた
めのフローチャートである。
【図12】図11のステップ204の具体例を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10…露光装置、68…マイクロプロセッサ(同期誤差
検出装置、算出装置、第1の判断装置、第2の判断装
置、第3の判断装置、補正装置の一部、制御装置、閾値
変更装置、通信制御装置、判断装置)、82…調整部
(補正装置の一部)、90…表示装置(第1の警報情報
発生装置、第2の警報情報発生装置)、92…ステージ
制御系、R…レチクル(マスク)、RST…レチクルス
テージ(マスクステージ)、W…ウエハ(基板)、WS
T…ウエハステージ(基板ステージ)。

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスクと基板とを同期して所定の走査方
    向に移動して前記マスクに形成されたパターンを前記基
    板上に転写する露光装置における異常検出方法であっ
    て、 前記マスクと前記基板とを前記走査方向に同期移動する
    同期移動工程と;前記同期移動中に前記マスクと前記基
    板との同期誤差に対応する同期誤差信号を所定のサンプ
    リング間隔で検出する同期誤差検出工程と;前記同期誤
    差信号に基づいて前記マスクと前記基板との移動標準偏
    差信号を所定間隔で算出する移動標準偏差算出工程と;
    前記移動標準偏差信号を周波数解析し、該解析結果に基
    づいて第1の種類の異常の有無を判断する第1異常判断
    工程と;前記移動標準偏差信号の時系列解析を行い、該
    解析結果に基づいて第2の種類の異常の有無を判断する
    第2異常判断工程と;を含む異常検出方法。
  2. 【請求項2】 前記第1異常判断工程では、特定の少な
    くとも1つの周波数成分の値を各周波数成分について予
    め定められた基準値と比較した結果に基づいて前記異常
    の有無を判断することを特徴とする請求項1に記載の異
    常検出方法。
  3. 【請求項3】 前記基準値は、同一種類の装置について
    実験により予め求めた平均的な値であることを特徴とす
    る請求項2に記載の異常検出方法。
  4. 【請求項4】 前記比較の結果、前記少なくとも1つの
    特定の周波数成分に基づいて第1の種類の異常があると
    判断されたとき、各特定の周波数成分の値を各特定の周
    波数成分毎に予め定めた閾値と個別に比較して、その周
    波数成分に対応する前記第1の種類の異常に起因する前
    記マスクと基板との同期誤差がソフトウェア的に補正が
    可能であるか否かを判断する補正可否判断工程を更に含
    むことを特徴とする請求項2又は3に記載の異常検出方
    法。
  5. 【請求項5】 前記同期誤差をソフトウェア的に補正す
    ることが可能と判断した場合に、前記マスクと前記基板
    との同期誤差を補正するため、前記マスクと前記基板の
    移動を制御する制御系の伝達関数を変更する伝達関数変
    更工程と;前記同期誤差をソフトウェア的に補正するこ
    とが不可能と判断した場合に、警報情報を発する補正不
    能警報発生工程と;を更に含むことを特徴とする請求項
    4に記載の異常検出方法。
  6. 【請求項6】 前記伝達関数の変更は、前記制御系にフ
    ィルタを挿入することにより行われることを特徴とする
    請求項5に記載の異常検出方法。
  7. 【請求項7】 前記第2異常判断工程では、前記移動標
    準偏差信号の波形と所定のテンプレート波形との相互相
    関値を求め、その相関値が所定の閾値を超えていたとき
    に、第2の種類の異常が有ると判断することを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか一項に記載の異常検出方法。
  8. 【請求項8】 前記第2の種類の異常が有ると判断され
    たとき、警報情報を発する異常検出警報発生工程を更に
    含むことを特徴とする請求項7に記載の異常検出方法。
  9. 【請求項9】 前記閾値を、露光対象パターンに応じて
    変更する閾値変更工程を更に含むことを特徴とする請求
    項4又は7に記載の異常検出方法。
  10. 【請求項10】 マスクと基板とを同期して所定の走査
    方向に移動して前記マスクに形成されたパターンを前記
    基板上に転写する露光装置における異常検出方法であっ
    て、 前記マスクと前記基板とを前記走査方向に同期移動する
    同期移動工程と;前記同期移動中に前記マスクと前記基
    板との同期誤差に対応する同期誤差信号を所定のサンプ
    リング間隔で検出する同期誤差検出工程と;前記同期誤
    差信号に基づいて前記マスクと前記基板との移動標準偏
    差信号を所定間隔で算出する移動標準偏差算出工程と;
    前記移動標準偏差信号の時系列解析を行い、該解析結果
    に基づいて異常の有無及びその要因を判断する異常判断
    工程と;を含む異常検出方法。
  11. 【請求項11】 マスクと基板とを同期して所定方向に
    移動し、前記マスクに形成されたパターンを前記基板上
    に転写する露光装置で行われる露光方法であって、 請求項1〜10のいずれか一項に記載の異常検出方法を
    用いて、前記露光装置の異常を検出し、該異常検出結果
    を考慮して露光を行う工程を含む露光方法。
  12. 【請求項12】 マスクと基板とを同期して所定の走査
    方向に移動して前記マスクに形成されたパターンを前記
    基板上に転写する露光装置であって、 前記マスクを保持するマスクステージと;前記基板を保
    持する基板ステージと;前記マスクステージと前記基板
    ステージとを同期して前記走査方向に駆動するステージ
    制御系と;前記マスクステージと前記基板ステージの前
    記同期移動中に前記両ステージの相対位置ずれを示す同
    期誤差信号を所定のサンプリング間隔で検出する同期誤
    差検出装置と;前記同期誤差信号に基づいて前記両ステ
    ージの移動標準偏差信号を所定間隔で算出する算出装置
    と;前記移動標準偏差信号を周波数解析し、該解析結果
    に基づいて第1の種類の異常の有無を判断する第1の判
    断装置と;前記移動標準偏差信号の時系列解析を行い、
    該解析結果に基づいて第2の種類の異常の有無を判断す
    る第2の判断装置と;を備える露光装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の判断装置は、特定の少なく
    とも1つの周波数成分の値を各周波数成分について予め
    定められた基準値と比較した結果に基づいて前記異常の
    有無を判断することを特徴とする請求項12に記載の露
    光装置。
  14. 【請求項14】 前記基準値は、同一種類の装置につい
    て実験により予め求めた平均的な値であることを特徴と
    する請求項13に記載の露光装置。
  15. 【請求項15】 前記第1の判断装置による前記比較の
    結果、前記少なくとも1つの特定の周波数成分に基づい
    て第1の種類の異常があると判断したとき、各特定の周
    波数成分の値を各特定の周波数成分毎に予め定めた閾値
    と個別に比較して、その周波数成分に対応する前記第1
    の種類の異常に起因する前記マスクと基板との同期誤差
    がソフトウェア的に補正が可能であるか否かを判断する
    第3の判断装置を更に備えることを特徴とする請求項1
    3又は14に記載の露光装置。
  16. 【請求項16】 前記第3の判断装置が、前記同期誤差
    の補正が可能と判断した場合に、前記両ステージの同期
    誤差を補正するため、前記ステージ制御系の伝達関数を
    変更する補正装置と;前記第3の判断装置が前記同期誤
    差の補正が不可能と判断した場合に、警報情報を発する
    第1の警報情報発生装置と;を更に備えることを特徴と
    する請求項15に記載の露光装置。
  17. 【請求項17】 前記第2の判断装置は、前記移動標準
    偏差信号の波形と所定のテンプレート波形との相関値を
    求め、その相関値が所定の閾値を超えていたときに、前
    記第2の種類の異常が有ると判断することを特徴とする
    請求項12〜16のいずれか一項に記載の露光装置。
  18. 【請求項18】 前記第2の判断装置により前記第2の
    種類の異常が有ると判断されたとき、警報情報を発生す
    る第2の警報情報発生装置を更に備えることを特徴とす
    る請求項17に記載の露光装置。
  19. 【請求項19】 前記第2警報情報発生装置は、前記警
    報情報とともに装置の運転停止の問い合わせ情報を出力
    し、 前記問い合わせに応答して運転停止指示が入力された場
    合に、装置の運転を停止する制御装置を更に備えること
    を特徴とする請求項18に記載の露光装置。
  20. 【請求項20】 前記閾値を、露光対象のパターンに応
    じて変更する閾値変更装置を更に備えることを特徴とす
    る請求項15又は17に記載の露光装置。
  21. 【請求項21】 前記第1,第2の種類の異常のいずれ
    かがあると判断されたとき、前記移動標準偏差信号及び
    その解析結果の情報を、通信回線を介して外部に送信す
    る通信制御装置を更に備えることを特徴とする請求項1
    2〜20のいずれか一項に記載の露光装置。
  22. 【請求項22】 マスクと基板とを同期して所定の走査
    方向に移動して前記マスクに形成されたパターンを前記
    基板上に転写する露光装置であって、 前記マスクを保持するマスクステージと;前記基板を保
    持する基板ステージと;前記マスクステージと前記基板
    ステージとを同期して前記走査方向に駆動するステージ
    制御系と;前記マスクステージと前記基板ステージの前
    記同期移動中に前記両ステージの相対位置ずれを示す同
    期誤差信号を所定のサンプリング間隔で検出する同期誤
    差検出装置と;前記同期誤差信号に基づいて前記両ステ
    ージの移動標準偏差信号を所定間隔で算出する算出装置
    と;前記移動標準偏差信号の時系列解析を行い、該解析
    結果に基づいて異常の有無及びその要因を判断する判断
    装置と;を備える露光装置。
  23. 【請求項23】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
    方法であって、 前記リソグラフィ工程では、請求項12〜22のいずれ
    か一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴
    とするデバイス製造方法。
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