JP2004172600A - 露光マスク、フォーカス測定方法、露光装置管理方法及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents
露光マスク、フォーカス測定方法、露光装置管理方法及び電子デバイスの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く測定できるようにする。
【解決手段】 露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクにおいて、マスクパターンはフレネルゾーンプレートパターンを含む。基板上におけるフレネルゾーンプレートパターンの転写位置は、露光装置のデフォーカス量によって変動する。
【選択図】 図5
【解決手段】 露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクにおいて、マスクパターンはフレネルゾーンプレートパターンを含む。基板上におけるフレネルゾーンプレートパターンの転写位置は、露光装置のデフォーカス量によって変動する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、電子デバイス製造等で使用される露光マスク並びにそれを用いたフォーカス測定方法、露光装置管理方法及び電子デバイス製造方法に関する。
近年の電子デバイス製造における微細加工技術の進展に伴い、リソグラフィー工程でのフォーカスマージンが狭くなってきている。そのため、少ないプロセスマージンを有効活用して安定した歩留りを維持するために、より高精度なフォーカス管理が必要となっている。
レジストパターンを用いた従来のフォーカス測定方法としては、SMP法(特許文献1参照)又はPSFM法(特許文献2参照)等が挙げられる。
SMP法は、マスク上に形成された菱形パターンをウェハ上に転写したときに転写されたパターンの寸法がベストフォーカスで最大になることを利用したフォーカス測定方法である。
一方、PSFM法は、所謂レベンソン型の位相シフトマスク(Alternating Phase Shift Mask)を用いて、孤立線状の遮光パターンの両側で位相差が180°以外(最適値は90°)になるようなパターンをデフォーカス状態で露光したときに前述の孤立線パターンの像が横方向(孤立線パターンの延びる方向に対して垂直な方向)に移動する現象を利用したフォーカス測定方法である。
SMP法では、菱形パターンのサイズを変えたり、又は鋭角に交わる2組の周期パターンの2重露光によって菱形パターンを形成する場合において周期パターンの周期を変えたりすること等により、孤立パターンだけではなく様々な周期パターンの露光時におけるフォーカス測定に応用可能である。
一方、PSFM法では、孤立線パターン像の移動距離はベストフォーカス近傍でフォーカスに対してほぼ直線的に変化するため、1度の露光によって符号付きのデフォーカス量(フォーカス値のベストフォーカス値に対する差)を決定することができる。
米国特許第4908656号明細書
米国特許第5300786号明細書
しかしながら、SMP法及びPSFM法にはそれぞれ次のような問題がある。
まず、SMP法では、転写された菱形パターンの寸法が最大(極大)になる条件としてベストフォーカスを決定するため、フォーカス条件を徐々に変えながら複数回露光を繰り返し行なうことにより、パターン寸法変化を測定しなければならない。従って、露光装置のフォーカス制御に関する不安定性、例えばフォーカス決定精度又は露光量均一性等の不安定性に起因する測定誤差を無視することができないという問題がある。すなわち、高精度なフォーカス測定が困難であるという問題がある。
さらに、SMP法では、転写された菱形パターンの寸法とフォーカスとの関係を予め求めておいたとしても、パターン寸法変化はプラス・マイナスの両デフォーカス方向においてほぼ対称となるため、少なくとも2つのフォーカス条件で露光を行なわなければ、デフォーカスの方向を判断することができない。すなわち、符号付きのデフォーカス量を簡単に測定できないという問題がある。
一方、PSFM法では、その原理上、所謂レベンソン型の位相シフトマスクを用いなければならない。ところが、一般的に、レベンソン型の位相シフトマスクの作成には、多くの工程数と高い加工精度とが要求される。従って、バイナリマスクと比較してレベンソン型位相シフトマスクのコストパフォーマンスは必然的に悪くなる。さらに、PSFM法では、90°(180°以外)の位相シフターを用いるのに対して、一般的なデバイス製造においては180°の位相シフターを用いるため、PSFM法においては、フォーカス測定用のテストパターンをデバイス製造用マスクに配置することが難しいという問題がある。
前記に鑑み、本発明は、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く測定するために有効な露光マスク及びそれを用いたフォーカス測定方法を提供すると共に、このフォーカス測定方法を応用した露光装置管理方法及び電子デバイス製造方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第1の露光マスクは、投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクを前提とし、マスクパターンは、一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られる一のパターン、又は一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られる他のパターンを含み、基板上における投影露光装置のデフォーカス量によって、基板上における一のパターン又は他のパターンが形成される位置が変動する。
第1の露光マスクによると、一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られる一のパターン、又は一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られる他のパターンを有するマスクパターンが設けられている。このため、基板上における投影露光装置のデフォーカス量によって、基板上における一のパターン又は他のパターン(合わせてフレネルゾーンプレートパターンと称することもある)が形成される位置が変動する。従って、基板上に転写されたフレネルゾーンプレートパターンの位置の変動量に基づいて、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く見積もることが可能となる。
また、第1の露光マスクによると、露光マスクとしてバイナリマスクを用いる場合にも、フレネルゾーンプレートパターンつまりフォーカス測定用のテストパターンを露光マスク上に簡単に設けることができるので、フォーカス測定用のテストパターンをデバイス製造用マスクに配置することが容易になる。すなわち、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く測定するための露光マスクを、多くの工程数や高い加工精度を要求されることなく、コストパフォーマンス良く製造することができる。
本発明に係る第2の露光マスクは、投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクを前提とし、マスクパターンは、一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られるパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる一のパターン、又は一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られるパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる他のパターンを含み、基板上における投影露光装置のデフォーカス量によって、基板上における一のパターン又は他のパターンが形成される位置が変動する。
第2の露光マスクによると、一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られるパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる一のパターン、又は一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られるパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる他のパターンが設けられている。このため、基板上における投影露光装置のデフォーカス量により、基板上におけるフレネルゾーンプレートパターンが形成される位置が変動する。従って、基板上に転写されたフレネルゾーンプレートパターンの位置の変動量に基づいて、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く見積もることが可能となる。
また、第2の露光マスクによると、露光マスクとしてバイナリマスクを用いる場合にも、フレネルゾーンプレートパターンつまりフォーカス測定用のテストパターンを露光マスク上に簡単に設けることができるので、フォーカス測定用のテストパターンをデバイス製造用マスクに配置することが容易になる。すなわち、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く測定するための露光マスクを、多くの工程数や高い加工精度を要求されることなく、コストパフォーマンス良く製造することができる。
尚、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のパターン形成位置の変動方向は、本発明の第1の露光マスクと本発明の第2の露光マスクとでは互いに逆方向となる。従って、本発明の第1の露光マスクが有する特徴と、本発明の第2の露光マスクが有する特徴とを露光マスクに選択的に備えさせることにより、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のパターン形成位置の変動方向を制御することが可能となる。
第1又は第2の露光マスクにおいて、一のパターン又は他のパターンにおける所定の次数以下のスリットが遮蔽されていることが好ましい。
このようにすると、露光マスク上のフレネルゾーンプレートパターンからの回折光のうち、回折角の小さい低次スリットからの光が遮断される結果、回折角の大きい高次スリットからの光のみによって基板上にフレネルゾーンプレートパターンが結像される。このため、露光装置のデフォーカス量に対する基板上におけるフレネルゾーンプレートパターン形成位置の変動量が大きくなる。言い換えると、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のパターン形成位置変動の感度を向上させることができる。
第1又は第2の露光マスクにおいて、一のパターン又は他のパターンにおける最大幅を持つ最大スリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界以上のスリット幅を持つと共に、一のパターン又は他のパターンにおける最大スリット以外の他のスリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界よりも小さいスリット幅を持つことが好ましい。
このようにすると、ベストフォーカスにおいても基板上に転写されるパターン(一のパターン又は他のパターンの投影像)は1本のスペースパターンのみとなるので、パターン転写位置の計測時における視認性を向上させることができる。
本発明に係る第3の露光マスクは、投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクを前提とし、マスクパターンは、内パターン及び外パターンをそれぞれ有するBAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンを含み、BAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンの各辺のうち互いに対向する一対の辺の一方は、一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られる第1のパターン、又は一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られる第2のパターンであり、前記の一対の辺の他方は、第1のパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる第3のパターン、又は第2のパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる第4のパターンであり、基板上における投影露光装置のデフォーカス量によって、基板上における内パターン及び外パターンのそれぞれが形成される位置同士の間の相対的な位置関係が変動する。
すなわち、第3の露光マスクは、本発明の第1及び第2の露光マスクの特徴を有し且つ一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンが設けられた露光マスクである。このため、基板上における投影露光装置のデフォーカス量によって、基板上における内パターン及び外パターンの相対位置関係が変動する。このとき、内パターン及び外パターンの相対位置関係の変動量は、いずれか一方のパターンの形成位置の変動量の2倍である。従って、この相対位置関係の変動量に基づいて、露光装置のデフォーカス量を簡単且つより高精度で見積もることが可能となる。また、内パターン及び外パターンの相対位置関係の変動量を重ね合わせ測定装置により測定することが可能となる。
また、第3の露光マスクによると、露光マスクとしてバイナリマスクを用いる場合にも、フォーカス測定用のテストパターンを露光マスク上に簡単に設けることができるので、フォーカス測定用のテストパターンをデバイス製造用マスクに配置することが容易になる。すなわち、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く測定するための露光マスクを、多くの工程数や高い加工精度を要求されることなく、コストパフォーマンス良く製造することができる。
第3の露光マスクにおいて、第1のパターン、第2のパターン、第3のパターン又は第4のパターンにおける所定の次数以下のスリットが遮蔽されていることが好ましい。
このようにすると、露光マスク上のフレネルゾーンプレートパターンからの回折光のうち、回折角の小さい低次スリットからの光が遮断される結果、回折角の大きい高次スリットからの光のみによって基板上にフレネルゾーンプレートパターンが結像される。このため、露光装置のデフォーカス量に対する基板上におけるフレネルゾーンプレートパターン形成位置の変動量が大きくなる。言い換えると、露光装置のデフォーカスに伴うパターン形成位置変動の感度を向上させることができる。
第3の露光マスクにおいて、第1のパターン、第2のパターン、第3のパターン又は第4のパターンにおける最大幅を持つ最大スリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界以上のスリット幅を持つと共に、第1のパターン、第2のパターン、第3のパターン又は第4のパターンにおける最大スリット以外の他のスリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界よりも小さいスリット幅を持つことが好ましい。
このようにすると、ベストフォーカスにおいても基板上に転写されるパターン(第1のパターン、第2のパターン、第3のパターン又は第4のパターンの投影像)は1本のスペースパターンのみとなるので、パターン転写位置の計測時における視認性を向上させることができる。
本発明に係る第1のリファレンスデータ作成方法は、本発明に係る第1又は第2の露光マスクを用いてフォーカス測定用のリファレンスデータを作成する方法を前提とし、投影露光装置のフォーカスオフセット値を変えながら、基板上における一のパターン又は他のパターンが形成される位置を測定することによって、該測定された位置と基板上における投影露光装置のデフォーカス量との相関関係を求める。
第1のリファレンスデータ作成方法によると、本発明の第1又は第2の露光マスクを用いて、フレネルゾーンプレートパターン形成位置と露光装置のデフォーカス量との相関関係を求めるため、該相関関係つまりリファレンスデータを簡単且つ精度良く求めることができる。
本発明に係る第2のリファレンスデータ作成方法は、本発明に係る第3の露光マスクを用いてフォーカス測定用のリファレンスデータを作成する方法を前提とし、投影露光装置のフォーカスオフセット値を変えながら、基板上における内パターン及び外パターンのそれぞれが形成される位置同士の間の相対的な位置関係を測定することによって、該測定された相対的な位置関係と基板上における投影露光装置のデフォーカス量との相関関係を求める。
第2のリファレンスデータ作成方法によると、本発明の第3の露光マスクを用いて、内パターン及び外パターンの相対位置関係と露光装置のデフォーカス量との相関関係を求めるため、該相関関係つまりリファレンスデータを簡単且つ精度良く求めることができる。
本発明に係る第1のフォーカス測定方法は、本発明に係る第1又は第2の露光マスクを用いて基板上における投影露光装置のデフォーカス量を測定するフォーカス測定方法を前提とし、基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、投影露光装置の投影光学系を介して感光剤に露光マスクのマスクパターンを転写する第2の工程と、マスクパターンが転写された感光剤を現像して、基板上に一のパターン又は他のパターンを形成する第3の工程と、基板上における一のパターン又は他のパターンが形成された位置を測定する第4の工程と、第4の工程で測定された位置に基づいて、第2の工程でマスクパターンを転写する際の基板上における投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程とを備えている。
第1のフォーカス測定方法によると、投影露光装置の投影光学系を介して、基板上に塗布された感光剤に、本発明の第1又は第2の露光マスクのマスクパターンを転写した後、感光剤を現像して、基板上にフレネルゾーンプレートパターンを形成する。その後、フレネルゾーンプレートパターンの形成位置を測定した後、該測定値に基づいて、マスクパターンを転写する際の露光装置のデフォーカス量を求める。このため、1ショットで露光されるパターン内に、複数のフレネルゾーンプレートパターンつまり複数のフォーカス測定用のテストパターンを設けておくことにより、ショット内多数点におけるデフォーカス量を高密度且つ高精度で取得することが可能となる。
本発明に係る第2のフォーカス測定方法は、本発明に係る第3の露光マスクを用いて基板上における投影露光装置のデフォーカス量を測定するフォーカス測定方法を前提とし、基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、投影露光装置の投影光学系を介して感光剤に露光マスクのマスクパターンを転写する第2の工程と、マスクパターンが転写された感光剤を現像して、基板上に内パターン及び外パターンのそれぞれを形成する第3の工程と、基板上における内パターン及び外パターンのそれぞれが形成された位置同士の間の相対的な位置関係を重ね合わせ測定装置を用いて測定する第4の工程と、第4の工程で測定された相対的な位置関係に基づいて、第2の工程でマスクパターンを転写する際の基板上における投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程とを備えている。
第2のフォーカス測定方法によると、投影露光装置の投影光学系を介して、基板上に塗布された感光剤に、本発明の第3の露光マスクのマスクパターンを転写した後、感光剤を現像して、基板上にフレネルゾーンプレートパターンよりなる内パターン及び外パターンを形成する。その後、内パターン及び外パターンの相対位置関係を重ね合わせ測定装置を用いて測定した後、該測定値に基づいて、マスクパターンを転写する際の露光装置のデフォーカス量を求める。このため、1ショットで露光されるパターン内に複数のフォーカス測定用のテストパターンを設けておくと共に重ね合わせ測定装置の自動測定機能を用いることにより、ショット内多数点におけるデフォーカス量を高速度、高密度且つ高精度で取得することが可能となる。
本発明に係る第1の露光装置管理方法は、本発明に係る第1又は第2の露光マスクを用いて基板上における投影露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、投影露光装置のフォーカス変動のデバイス製造に対する影響を抑制する露光装置管理方法を前提とし、基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、投影露光装置の投影光学系を介して感光剤に露光マスクのマスクパターンを転写する第2の工程と、マスクパターンが転写された感光剤を現像して、基板上に一のパターン又は他のパターンを形成する第3の工程と、基板上における一のパターン又は他のパターンが形成された位置を測定する第4の工程と、第4の工程で測定された位置に基づいて、第2の工程でマスクパターンを転写する際の基板上における投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程と、第5の工程で得られたデフォーカス量に基づいて投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定する第6の工程とを備えている。
第1の露光装置管理方法によると、投影露光装置の投影光学系を介して、基板上に塗布された感光剤に、本発明の第1又は第2の露光マスクのマスクパターンを転写した後、感光剤を現像して、基板上にフレネルゾーンプレートパターンを形成する。その後、フレネルゾーンプレートパターンの形成位置を測定した後、該測定値に基づいて、マスクパターンを転写する際の露光装置のデフォーカス量を求め、その後、該デフォーカス量に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定する。このため、1ショットで露光されるパターン内に、複数のフレネルゾーンプレートパターンつまり複数のフォーカス測定用のテストパターンを設けておくことにより、ショット内多数点におけるデフォーカス量を高密度且つ高精度で取得できる。従って、該デフォーカス量に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を高精度で行なうことが可能となる。
本発明に係る第2の露光装置管理方法は、本発明に係る第3の露光マスクを用いて基板上における投影露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、投影露光装置のフォーカス変動のデバイス製造に対する影響を抑制する露光装置管理方法を前提とし、基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、投影露光装置の投影光学系を介して感光剤に露光マスクのマスクパターンを転写する第2の工程と、マスクパターンが転写された感光剤を現像して、基板上に内パターン及び外パターンのそれぞれを形成する第3の工程と、基板上における内パターン及び外パターンのそれぞれが形成された位置同士の間の相対的な位置関係を重ね合わせ測定装置を用いて測定する第4の工程と、第4の工程で測定された相対的な位置関係に基づいて、第2の工程でマスクパターンを転写する際の基板上における投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程と、第5の工程で得られたデフォーカス量に基づいて投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定する第6の工程とを備えている。
第2の露光装置管理方法によると、投影露光装置の投影光学系を介して、基板上に塗布された感光剤に、本発明の第3の露光マスクのマスクパターンを転写した後、感光剤を現像して、基板上にフレネルゾーンプレートパターンよりなる内パターン及び外パターンを形成する。その後、内パターン及び外パターンの相対位置関係を重ね合わせ測定装置を用いて測定した後、該測定値に基づいて、マスクパターンを転写する際の露光装置のデフォーカス量を求め、その後、該デフォーカス量に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定する。このため、1ショットで露光されるパターン内に複数のフォーカス測定用のテストパターンを設けておくと共に重ね合わせ測定装置の自動測定機能を用いることにより、ショット内多数点におけるデフォーカス量を高速度、高密度且つ高精度で取得できる。従って、該デフォーカス量に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を高速度且つ高精度で行なうことが可能となる。
本発明に係る第1の電子デバイス製造方法は、電子デバイス製造におけるフォトリソグラフィ工程において、一のロットの処理に関する拡散データを他のロットの処理にフィードバックすることにより、製造装置変動又はプロセス変動のデバイス製造への影響を抑制する電子デバイス製造方法を前提とし、本発明に係る第1又は第2の露光マスクであってデバイス製造用のパターンを有する露光マスクを用いて、本発明に係る第1のフォーカス測定方法により一のロットの処理に関して求められたデフォーカス量を、拡散データとして他のロットの処理にフィードバックする。
第1の電子デバイス製造方法によると、本発明の第1又は第2の露光マスクであってデバイス製造用のパターンを有する露光マスクを用いて、本発明の第1のフォーカス測定方法によりロットの露光処理時のデフォーカス量を測定する。このため、一のロットの処理に関して高精度で求められたデフォーカス量を他のロットの処理にフィードバックできるので、電子デバイス製造のフォトリソグラフィ工程においてフォーカスフィードバックを高精度で行なうことができる。
本発明に係る第2の電子デバイス製造方法は、電子デバイス製造におけるフォトリソグラフィ工程において、一のロットの処理に関する拡散データを他のロットの処理にフィードバックすることにより、製造装置変動又はプロセス変動のデバイス製造への影響を抑制する電子デバイス製造方法を前提とし、本発明に係る第3の露光マスクであってデバイス製造用のパターンを有する露光マスクを用いて、本発明に係る第2のフォーカス測定方法により一のロットの処理に関して求められたデフォーカス量を、拡散データとして他のロットの処理にフィードバックする。
第2の電子デバイス製造方法によると、本発明の第3の露光マスクであってデバイス製造用のパターンを有する露光マスクを用いて、本発明の第2のフォーカス測定方法によりロットの露光処理時のデフォーカス量を測定する。このため、一のロットの処理に関して高速度且つ高精度で求められたデフォーカス量を他のロットの処理にフィードバックできるので、電子デバイス製造のフォトリソグラフィ工程においてフォーカスフィードバックを高速度且つ高精度で行なうことができる。また、デフォーカス量測定を重ね合わせ測定装置を用いて行なうので、デフォーカス量測定工程と重ね合わせ測定工程とを同時に行なうことができる。
第1又は第2の電子デバイス製造方法において、デフォーカス量を、被露光ウェハの周縁部における欠けショット領域に対する露光によって求めてもよい。
本発明によると、基板上における投影露光装置のデフォーカス量により、基板上におけるフレネルゾーンプレートパターンが形成される位置が変動する。従って、基板上に転写されたフレネルゾーンプレートパターンの位置の変動量に基づいて、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く見積もることができる。
(本発明の基本原理)
以下、本発明の基本原理について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の基本原理について図面を参照しながら説明する。
まず、始めに、一次元フレネルゾーンプレートについて説明する。
図1は、一次元フレネルゾーンプレートの模式図である。
図1に示すように、一次元フレネルゾーンプレートにおいては、原点(本明細書ではフレネルゾーンプレートの中心線を原点と称する)を中心として左右対称にスリット(開口部)が形成されている。すなわち、原点を中心として左右対称にスリットと遮光部(閉口部)とが交互に並んでいる。ここで、スリット幅は、
(2/(λ・p))0.5 ・x=(2n+1)0.5 ・・・(数式1)
を満たすxがスリットと遮光部との境界位置となるように設定されている。尚、nは0又は自然数であり、λは入射光の波長であり、pは、後に述べるフレネル回折像の結像面とレチクルとの間の距離を表す定数である。また、(数式1)で定義される各xによって仕切られる帯はフレネル帯と呼ばれている。フレネルゾーンプレートにおいては、スリットつまり開口部と遮光部とが交互に配列されていることが本質である。また、開口部は奇数番目(n=1、3、5・・・)のフレネル帯に割り当てられてもよいし又は偶数番目(n=0、2、4・・・)のフレネル帯に割り当てられてもよい。
(2/(λ・p))0.5 ・x=(2n+1)0.5 ・・・(数式1)
を満たすxがスリットと遮光部との境界位置となるように設定されている。尚、nは0又は自然数であり、λは入射光の波長であり、pは、後に述べるフレネル回折像の結像面とレチクルとの間の距離を表す定数である。また、(数式1)で定義される各xによって仕切られる帯はフレネル帯と呼ばれている。フレネルゾーンプレートにおいては、スリットつまり開口部と遮光部とが交互に配列されていることが本質である。また、開口部は奇数番目(n=1、3、5・・・)のフレネル帯に割り当てられてもよいし又は偶数番目(n=0、2、4・・・)のフレネル帯に割り当てられてもよい。
本明細書においては偶数番目のフレネル帯を開口させてなるスリット群Seを持つフレネルゾーンプレートを一次元フレネルゾーンプレートと称すると共に、奇数番目のフレネル帯を開口させてなるスリット群Soを持つフレネルゾーンプレートを反転一次元フレネルゾーンプレートと称する。これによって、一次元フレネルゾーンプレートと反転一次元フレネルゾーンプレートとを区別することができる。また、一次元フレネルゾーンプレートを構成する各スリットを、原点0から左右方向に順に0次スリット、±2次スリット、±4次スリット、・・・、±n次スリットと称する。また、反転一次元フレネルゾーンプレートを構成する各スリットを、原点から左右方向に順に±1次スリット、±3次スリット、・・・、±n次スリットと称する。すなわち、n次スリット(0次スリットを除く)の開口範囲は、
((2n−1)λ・p/2)0.5 <x<((2n+1)・λ・p/2)0.5
と表される。−n次スリットの開口範囲についても同様である。
((2n−1)λ・p/2)0.5 <x<((2n+1)・λ・p/2)0.5
と表される。−n次スリットの開口範囲についても同様である。
次に、マスク(レチクル)上に配置された一次元フレネルゾーンプレートパターンの基板上への結像原理を図2を用いて説明する。
図2に示すように、レチクルR上には、スリットA、B及びCを持つ一次元フレネルゾーンプレートパターンが配置されている。尚、図2においては、簡単のため、スリットA、B及びCのそれぞれにおける回折光のうち0次光及び1次光のみを図示している。また、スリット幅の大小関係はA>B>Cである。
スリットA、B及びCに入射した光はそれぞれのスリットで回折する。さて、通常の投影露光を用いたパターン結像においては、スリットAでの0次及び1次回折光lA0及びlA1、スリットBでの0次及び1次回折光lB0及びlB1並びにスリットCでの0次及び1次回折光lC0及びlC1はそれぞれ露光装置の投影光学系Lを介して焦点面Pに結像する。すなわち、レチクルR上の一次元フレネルゾーンプレートパターンのスリットA、B及びCの投影像A’、B’及びC’は、原理的には焦点面P上に形成される。
一方、図2に示すように、フレネルゾーンプレートパターンの各スリットから拡がる回折光が互いに強め合う結果、これらの回折光は、フレネル回折領域と呼ばれる、レチクルRからの距離が所定値以下の領域内に存在する面RF で集束する。このようにしてレチクルRの近傍に現れる像Iはフレネル回折像と呼ばれている。フレネル回折像Iをさらに投影光学系Lを介して焦点面PF に像I’として再結像させることが可能である。尚、前述の(数式1)におけるpは、レチクルR近傍のフレネル回折像Iの結像面RF とレチクルRとの間の距離に相当する。また、以上の説明では、フレネルゾーンプレートパターンにおいて3つのスリットのみが開口しているものと仮定してきたが、(数式1)を満たす条件でスリットが開口しているフレネルゾーンプレートパターンの場合、全てのスリットからの回折光が面RF で集束する。
また、図示はしていないが、各スリットからの回折光は、集光方向(図2の場合にはスリットに対して右方向)だけではなく、その反対方向にも拡がっており、それらの回折光は、焦点面Pに関して焦点面PF と対称な関係にある面で結像する。すなわち、フレネル回折像Iの投影光学系Lによる投影像として、像I’、及び焦点面Pに関して像I’と対称な関係にある像の2つの像が、通常の焦点面Pの上下にそれぞれ現れることになる。
このように、フレネルゾーンプレートパターンが配置されたマスクを用いた投影露光においては、通常の焦点面に加えて、フレネル回折像が結像する新たな焦点面が2つ出現すると共に、基板上では、通常のレチクル上に形成されたパターン(以下、通常パターンと称する)の投影像と、フレネル回折像の投影像とが同時に形成されることになる。但し、図2に示すように、通常パターンの焦点面Pとフレネル回折像の焦点面PF とは、それぞれの位置が異なっているため、例えば、基板が焦点面P上にある場合、通常パターンの投影像はベストフォーカスで基板上に転写されると同時に、フレネル回折像の投影像はデフォーカス状態で基板上に転写される。
図4は、図2に示す結像原理に従って、投影露光によりフレネルゾーンプレートパターンを基板上に転写した場合における光強度分布のシミュレーション結果を示している。図4において、縦軸は投影光学系の光軸方向(z方向)を示しており、横軸は前記の光軸に垂直な平面に沿った一方向(x方向)を示している。また、図4の縦軸の原点は、通常パターンの焦点面(図2の焦点面P)に取られている。尚、光強度分布は、通常パターンの焦点面つまり基板表面に関して上下対称になるため、図4では縦軸が正(投影光学系側)の場合の光強度分布のみを表している。
図4に示すように、z座標(z方向位置)が増加するに従って、つまり通常パターンの焦点面から離れるに従って、光強度分布の最大点におけるx座標(x方向位置)がx負方向に移動する(点線d参照)。これは、通常パターンの結像による最大幅のスリット(図2のスリットA)の像(図2の像A’)、及びフレネル回折像(図2のフレネル回折像I)の像(図2の像I’)のそれぞれにおける、投影光学系の光軸に垂直な平面上の座標(xy座標)が異なることに起因している。すなわち、基板表面を通常パターンの焦点面から移動させるに伴い、通常パターンの投影像は徐々にデフォーカスされる一方、フレネル回折像の投影像はフォーカスされるので、光強度分布の最大点の位置が移動する結果、基板上におけるフレネルゾーンプレートパターンが形成される位置が変動する。本発明は、まさにこの原理を利用して、通常パターンの焦点面に対する基板表面の位置を、つまり露光装置のデフォーカス量を、基板上に形成されたフレネルゾーンプレートパターンの位置の変動量に基づいて把握しようとするものである。
尚、レチクルR上の一次元フレネルゾーンプレートパターンのスリットA、B及びCから拡がる回折光は、像Iとして集束されるばかりではなく(図2参照)、図3に示すように、例えば一対のスリットからそれぞれ拡がる回折光同士も互いに強め合う。その結果、フレネル回折像I2 又はI3 等が現れると共に、これらのフレネル回折像も、焦点面PF に像I’として再結像されるフレネル回折像I(図2参照)と同様に、デフォーカス状態で基板上に転写される。尚、図3において、図2と共通の要素には同一の符号を付すことにより説明を省略する。また、図3において、lA ’、lB ’及びlC ’はそれぞれスリットA、B及びCでの0次以外の回折光を示しており、I2 ’及びI3 ’はそれぞれフレネル回折像I2 及びI3 が投影光学系Lによって再結像された像を示している。
図3に示すフレネル回折像(焦点面PF (図2参照)以外で再結像されるフレネル回折像)によって、図4に示すような左右非対称の光強度分布を実現する場合、一次元フレネルゾーンプレートにおいて、必ずしも前述の(数式1)が厳密に満たされる必要はない。例えば、(数式1)を満たすスリット群に代えて、互いに幅の異なる複数のスリット群を用いてもよい。すなわち、幅の異なるスリット群を並列に配置することによって、左右非対称な光強度分布を実現することが本発明の本質である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の露光マスクは、投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクである。
以下、本発明の第1の実施形態に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の露光マスクは、投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクである。
図5は、本実施形態の露光マスク上に設けられるフレネルゾーンプレートパターンの一例を示している。
図5に示すフレネルゾーンプレートパターンは、図1に示す一次元フレネルゾーンプレートをベースとしたものであり、具体的には、図1に示すスリット群Seを持つ一次元フレネルゾーンプレートにおける0次スリット及び及び±10次以降のスリットを遮蔽することにより得られたフレネルゾーンプレートパターンである。すなわち、図5に示すフレネルゾーンプレートパターンは合計8個のスリットからなるスリット群を持つ。ここで、0次スリットを遮蔽する理由は、フレネル回折像Iの投影像I’を通り且つ光軸に平行な直線上に、通常パターンの投影像が重なることを防止するためである(図2参照)。これにより、例えば図4に示すような光強度分布が実現される。但し、図3に示すフレネル回折像(焦点面PF (図2参照)以外で再結像されるフレネル回折像)を利用する場合には、必ずしも0次スリットを遮蔽する必要はない。
第1の実施形態によると、露光マスク上にフレネルゾーンプレートパターンが設けられているため、基板上における投影露光装置のデフォーカス量によって、基板上におけるフレネルゾーンプレートパターンの形成位置が変動する。従って、該フレネルゾーンプレートパターンの形成位置の変動量に基づいて、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く見積もることが可能となる。
また、第1の実施形態によると、露光マスクとしてバイナリマスクを用いる場合にも、フレネルゾーンプレートパターンつまりフォーカス測定用のテストパターンを露光マスク上に簡単に設けることができるので、フォーカス測定用のテストパターンをデバイス製造用マスクに配置することが容易になる。すなわち、露光装置のデフォーカス量を簡単且つ精度良く測定するための露光マスクを、多くの工程数や高い加工精度を要求されることなく、コストパフォーマンス良く製造することができる。
尚、第1の実施形態において、+n次スリット群(図5の原点Oの右側のスリット群)と−n次スリット群(図5の原点Oの左側のスリット群)との間隔については、必要に応じて任意の値に設定することができる。
また、第1の実施形態において、フレネル回折像Iの結像位置RF のマスク(レチクルR)に対する相対距離p、及びマスク上に配置するフレネルゾーンプレートパターンのスリット数等については、実際に投影露光を行なう際の露光条件、具体的には、露光装置のレンズ開口数(NA)及び絞り値(σ値)等並びに使用する感光剤の種類及び解像度等を考慮して最適値を設定することが望ましい。
また、第1の実施形態において、例えばガラス基板を例えばクロム薄膜により覆うことによってマスクパターンが形成される場合、言い換えると、露光マスクとしてバイナリマスクを用いる場合、フレネルゾーンプレートパターンのスリットはガラス基板の露出部分からなり、フレネルゾーンプレートパターンの遮光部はクロム薄膜からなる。
また、第1の実施形態において、フレネルゾーンプレートパターンのスリットの幅及びスリット同士の間隔は、(数式1)を満たす条件で配置されている。また、(数式1)の定数値は露光条件等に基づいて設定することが可能である。例えば、露光光としてKrFエキシマレーザを用いる場合、入射光波長λは0.248μmと設定できると共にフレネル回折像の結像面とレチクルとの距離pは例えば2.0μmと設定できる。この場合、スリット(開口部)と遮光部(閉口部)との境界が位置する座標xは、x=0.50μm、0.86μm、1.11μm、・・・となる。但し、これらの数値は基板上での換算値である。すなわち、通常、電子デバイス製造における投影露光では、4倍縮小投影又は5倍縮小投影が用いられており、実際のマスク上サイズは、前述の座標xの場合には基板上での換算値に投影倍率を乗じた値となり、フレネル回折像の結像面とレチクルとの距離pの場合には基板上での換算値に投影倍率の自乗を乗じた値となる。
また、第1の実施形態において、露光マスク上におけるフレネルゾーンプレートパターンの周辺に、例えば孤立スペースパターンを配置することにより、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のフレネルゾーンプレートパターン形成位置の変動量を、孤立スペースパターン形成位置(基本的に変動しない)を基準として検出してもよい。
(第1の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、露光マスク上に、第1の実施形態の図5に示すフレネルゾーンプレートパターンに代えて、図6に示すフレネルゾーンプレートパターンが設けられていることである。
図6に示すフレネルゾーンプレートパターンは、図1に示す一次元フレネルゾーンプレートをベースとしたものであり、具体的には、図1に示すスリット群Soを持つ反転一次元フレネルゾーンプレートにおける±11次以降のスリットを遮蔽することにより得られたフレネルゾーンプレートパターンである。すなわち、図6に示すフレネルゾーンプレートパターンは合計10個のスリットからなるスリット群を持つ。
本変形例によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
(第1の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、露光マスク上に、第1の実施形態の図5に示すフレネルゾーンプレートパターンに代えて、図7に示すフレネルゾーンプレートパターンが設けられていることである。
図7に示すフレネルゾーンプレートパターンは、図1に示す一次元フレネルゾーンプレートをベースとしたものであり、具体的には、図6に示す反転一次元フレネルゾーンプレートパターンを原点Oを中心として左右2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを左右反転することにより得られたフレネルゾーンプレートパターンである。
本変形例によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
ところで、図7に示すフレネルゾーンプレートパターンを配置した場合と、図5又は図6に示すフレネルゾーンプレートパターンを配置した場合とでは、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のパターン形成位置の変動方向は互いに逆方向となる。従って、図5又は図6に示すフレネルゾーンプレートパターンと、図7に示すフレネルゾーンプレートパターンとを露光マスクに選択的に配置することにより、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のパターン形成位置の変動方向を制御することが可能となる。
尚、本変形例において、図7に示すフレネルゾーンプレートパターンに代えて、図5に示す一次元フレネルゾーンプレートパターンを原点Oを中心として左右2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを左右反転することにより得られるフレネルゾーンプレートパターンを露光マスク上に配置してもよい。
(第1の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る露光マスクについて説明する。
以下、本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る露光マスクについて説明する。
本変形例が第1の実施形態又はその第1変形例若しくは第2変形例と異なっている点は、露光マスク上に設けられたフレネルゾーンプレートパターンにおいて、0次スリット及び高次スリットに加えて±1次以降のスリットのうち低次スリット(所定の次数以下のスリット)も遮蔽されていることである。
本変形例によると、露光マスク上のフレネルゾーンプレートパターンからの回折光のうち、回折角の小さい低次スリットからの光が遮断される結果、回折角の大きい高次スリット(遮蔽されていない高次スリット)からの光のみによって基板上にフレネルゾーンプレートパターンが結像される。このため、露光装置のデフォーカス量に対する基板上におけるフレネルゾーンプレートパターン形成位置の変動量が大きくなる。具体的には、図4に示す点線d(光強度分布の最大点の遷移を表す)の傾きを小さくすることができる。すなわち、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のパターン形成位置変動の感度を向上させることができる。
(第1の実施形態の第4変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、露光マスク上に、第1の実施形態の図5に示すフレネルゾーンプレートパターンに代えて、図8に示すフレネルゾーンプレートパターンが設けられていることである。
図8に示すフレネルゾーンプレートパターンは、図1に示す一次元フレネルゾーンプレートをベースとしたものであり、具体的には、図5に示すフレネルゾーンプレートパターンにおける原点Oの右側部分のスリット群のみを有する。
本変形例によると、フレネルゾーンプレートパターンが、図5に示すような、左右対称にスリットが配置されたパターンではない場合でも、露光マスク上におけるフレネルゾーンプレートパターンの周辺に、例えば孤立スペースパターンを配置することにより、次のような効果が得られる。すなわち、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のフレネルゾーンプレートパターン形成位置の変動量を、孤立スペースパターン形成位置(基本的に変動しない)を基準として検出できるので、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本変形例によると、フレネルゾーンプレートパターンの配置のために必要なマスク上のスペースを節減することができる。
尚、本変形例において、図8に示すフレネルゾーンプレートパターンに代えて、図5に示すフレネルゾーンプレートパターンにおける原点Oの左側部分のスリット群のみから構成されたフレネルゾーンプレートパターンを用いてもよい。また、図6又は図7に示すフレネルゾーンプレートパターンにおける原点Oの右側部分又は左側部分のスリット群のみから構成されたフレネルゾーンプレートパターンを用いてもよい。
また、第1の実施形態及びその各変形例において、図5〜図8等に示す各フレネルゾーンプレートパターンにおける最大幅を持つ最大スリットは通常の投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界以上のスリット幅を持つと共に、各フレネルゾーンプレートパターンにおける最大スリット以外の他のスリットは通常の投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界よりも小さいスリット幅を持つことが好ましい。このようにすると、ベストフォーカスにおいても基板上に転写されるパターン(フレネルゾーンプレートパターンの投影像)は1本のスペースパターンのみとなるので、パターン転写位置の計測時における視認性を向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の露光マスクは、投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクである。
以下、本発明の第2の実施形態に係る露光マスクについて図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の露光マスクは、投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクである。
本実施形態の露光マスクの特徴は、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンが設けられていることである。
図9(a)はBAR−IN−BARパターンの一例を示しており、図9(b)はBOX−IN−BOXパターンの一例を示している。すなわち、BAR−IN−BARパターン及びBOX−IN−BOXパターンはそれぞれ、正方形状の内パターンと、それを取り囲む正方形状の外パターンとを有している。言い換えると、BAR−IN−BARパターン及びBOX−IN−BOXパターンの各辺は、隣り合う線状パターンの一組から構成されている。但し、BAR−IN−BARパターンの内パターン及び外パターンにおいては、コーナー部が存在していない。また、BOX−IN−BOXパターンについては、大小2つの正方形状パターンから構成される場合もある。
図10は、本実施形態の露光マスク上に設けられる、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターンの一例を示している。
図10に示すように、BAR−IN−BARパターンの各辺のうち互いに対向する一対の辺の一方は、一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られる反転一次元フレネルゾーンプレートパターン(第1のフレネルゾーンプレートパターン)、又は一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られる一次元フレネルゾーンプレートパターン(第2のフレネルゾーンプレートパターン)である。また、前記の一対の辺の他方は、第1のフレネルゾーンプレートパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる第3のフレネルゾーンプレートパターン、又は第2のフレネルゾーンプレートパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる第4のフレネルゾーンプレートパターンである。
図11は、本実施形態の露光マスク上に設けられる、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターンの詳細な構成を示している。
図11に示すBAR−IN−BARパターンは、第1の実施形態の図5に示すフレネルゾーンプレートパターンと、図5に示すフレネルゾーンプレートパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られるフレネルゾーンプレートパターンとから構成されている。ここで、露光光としてはKrFエキシマレーザを想定して、(数式1)の定数値についてはλ=0.248、p=2.0としている。また、一次元フレネルゾーンプレートのスリットのうち、±4次スリット、±6次スリット、±8次スリット及び±10次スリットの合計8スリットを開口させており、それ以外のスリットは全て遮蔽している。また、+n次スリット群と−n次スリット群との間隔(正確には+n次スリット群及び−n次スリット群のそれぞれの基準位置)、及び各スリット長については、図11に示すように設定されている。この配置により、基板上に転写されるBAR−IN−BARパターンは、約10μm×10μmの正方形状の内パターンと、約20μm×20μmの正方形状の外パターンとを持つ。尚、スリット群の位置等を示すために、図11においては破線で直交座標系を表すと共に、BAR−IN−BARパターンの中心を座標系の原点に取っている。また、図11中の数値の単位はμmである。
第2の実施形態によると、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターンが設けられているため、露光装置のデフォーカス量によって、基板上における内パターン及び外パターンの相対位置関係が変動する。このとき、内パターン及び外パターンの相対位置関係の変動量は、いずれか一方のパターンの形成位置の変動量の2倍である。従って、この相対位置関係の変動量に基づいて、露光装置のデフォーカス量を簡単且つより高精度で見積もることが可能となる。また、内パターン及び外パターンの相対位置関係を重ね合わせ測定装置を用いて高速度且つ高精度で測定することが可能となる。また、現在、電子デバイス製造に用いられている重ね合わせ測定装置においては高速自動計測が可能であるため、1ショットで露光されるパターン内に、一次元フレネルゾーンプレートから構成された複数のBAR−IN−BARパターンを設けておくことにより、ショット内多数点でフォーカス測定を短時間で効率よく行なうことができる。
図12は、本実施形態の露光マスクを用いて基板上に転写されたBAR−IN−BARパターンにおける内パターン及び外パターンの相対位置関係と、露光装置のデフォーカス量との相関関係を、重ね合わせ測定装置を用いて実験により調べた結果を示している。図12において、内パターン及び外パターンの相対位置関係、つまり重ね合わせ測定値は、内パターン及び外パターンのそれぞれの中心位置が一致するときを基準(0)として、各パターンの中心位置のずれの大きさをマイナス量で表している。また、実験においては、露光光としてKrFエキシマレーザを使用すると共に露光装置として5倍縮小投影ステッパを使用して、露光量を18mJ/cm2 から22mJ/cm2 まで1mJ/cm2 ずつ変化させながらデータを取得した。ここで、照明条件(露光条件)は、開口率(NA)が0.65、絞り率(σ)が0.40である。尚、フレネル回折像は、各スリットからの回折光が干渉することにより生じるため、絞り率は小さく設定することが望ましい。また、実験においては、被露光基板として、予め膜厚80nmの反射防止膜(下層)を塗布したベアウェハ上に膜厚500nmの化学増幅型ポジレジスト膜を塗布したものを用いて、該被露光基板に対して露光及び現像処理を順次行なった。
図12に示すように、デフォーカス量が増加するに従って、図3に示した結像原理に従って重ね合わせ測定値が−1.20μmから正方向に変動していることが確認できた。但し、図12に示す結果は、ベストフォーカス値のとき(露光装置に対して設定されたフォーカスオフセット値が−0.25μmのとき)に、内パターン及び外パターンの相対位置関係が−1.20μmになるように、マスク上で内パターン及び外パターンのそれぞれの中心位置をずらすことによって得られたものである。
図12に示す結果から、BAR−IN−BARパターンの配置、BAR−IN−BARパターンを構成する一次元フレネルゾーンプレートのスリット幅、及び一次元フレネルゾーンプレートにおいて開口させるスリットの選択等を最適化することにより、デフォーカスによって非常に良い感度でパターン形成位置が変動することが明らかになった。また、図12に示す結果から、露光量を18mJ/cm2 から22mJ/cm2 まで変化させた場合にも、内パターン及び外パターンの相対位置関係とデフォーカス量との相関関係を示すプロファイルに変化がほとんど見られないこともわかる。特に、図12では、デフォーカス量(正確にはフォーカスオフセット値)が−1.50から−0.50までの範囲、及びデフォーカス量が0.00から1.00までの範囲で、フォーカス変動に対するパターン形成位置変動がほぼ線形となっている。従って、これらの範囲を用いることにより、重ね合わせ測定値に基づいて符号付のフォーカス値を再現性良く測定することができる。例えば、露光時に0.5μmのフォーカスオフセット値を設定しておくと共に1ショットで露光されるパターン内に複数のフォーカス測定用のテストパターン(BAR−IN−BARパターン)を設けておくことによって、ショット内のフォーカス均一性を±0.5μmの広範囲に亘って符号も含めて測定することが可能になる。
尚、第2の実施形態において、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターンを露光マスク上に設けたが、これに代えて、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBOX−IN−BOXパターンを露光マスク上に設けてもよい。また、BAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンを構成するフレネルゾーンプレートパターンにおいて、0次スリット及び高次スリットに加えて±1次以降のスリットのうち低次スリット(所定の次数以下のスリット)が遮蔽されていてもよい。このようにすると、露光マスク上のフレネルゾーンプレートパターンからの回折光のうち、回折角の小さい低次スリットからの光が遮断される結果、回折角の大きい高次スリット(遮蔽されていない高次スリット)からの光のみによって基板上にフレネルゾーンプレートパターンが結像される。このため、露光装置のデフォーカス量に対する基板上におけるフレネルゾーンプレートパターン形成位置の変動量が大きくなる。すなわち、露光装置のデフォーカスに伴う基板上のパターン形成位置変動の感度を向上させることができる。
また、第2の実施形態において、BAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンを構成する各フレネルゾーンプレートパターンにおける最大幅を持つ最大スリットは通常の投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界以上のスリット幅を持つと共に、各フレネルゾーンプレートパターンにおける最大スリット以外の他のスリットは通常の投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界よりも小さいスリット幅を持つことが好ましい。このようにすると、ベストフォーカスにおいても基板上に転写されるパターン(各フレネルゾーンプレートパターンの投影像)は1本のスペースパターンのみとなるので、パターン転写位置の計測時における視認性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るフォーカス測定方法について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態のフォーカス測定方法は、第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクを応用したフォーカス測定用マスクを用いて、基板上における露光装置のデフォーカス量を測定するフォーカス測定方法である。
以下、本発明の第3の実施形態に係るフォーカス測定方法について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態のフォーカス測定方法は、第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクを応用したフォーカス測定用マスクを用いて、基板上における露光装置のデフォーカス量を測定するフォーカス測定方法である。
図13は、本実施形態のフォーカス測定方法で用いられるフォーカス測定用マスクの一例を示している。
図13に示すように、フォーカス測定用マスク1における1ショットで露光されるパターンの配置領域(以下、ショット領域と称する)2内には、微小チップに転写されるパターンの配置領域(以下、チップ領域と称する)3が複数個マトリックス状に設けられている。また、フォーカス測定用マスク1におけるショット領域2の近傍には、レチクルアライメントパターン配置領域4が設けられている。ここで、各チップ領域3内には、第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクに配置されていた一次元フレネルゾーンプレートパターン(図5〜図8参照)がフォーカスモニター用テストパターンとして配置されている。
本実施形態のフォーカス測定方法においては、まず、基板上に感光剤を塗布した後、図13に示すフォーカス測定用マスク1上の複数個のフォーカスモニター用テストパターンを、投影露光装置の投影光学系を介して、感光剤が塗布された基板上に転写する。その後、感光剤を現像して、基板上に、複数個のフォーカスモニター用テストパターン、つまり複数個のフレネルゾーンプレートパターンを形成する。このとき、各フレネルゾーンプレートパターンの形成位置は、露光装置のデフォーカス量(基板(ウェハ)上の凹凸等に起因してパターン毎に異なる)によって変動する。そこで、基板上に転写された各フレネルゾーンプレートパターンの形成位置を測定し、該測定値と、予め取得されているリファレンスデータとを比較することにより、フォーカスモニター用テストパターンを転写する際のショット内の多数点におけるデフォーカス量を高密度且つ高精度で取得することが可能となる。
尚、第3の実施形態においては、前述のように、リファレンスデータ、つまりフレネルゾーンプレートパターンの形成位置と露光装置のデフォーカス量との相関関係を予め取得しておく必要がある。このリファレンスデータの作成方法は次の通りである。すなわち、図13に示すフォーカス測定用マスク1を用いて、露光装置のフォーカスオフセット値を所定の間隔で変えながら(つまり一定間隔でフォーカス振りを行ないながら)、ショット毎にフレネルゾーンプレートパターンの形成位置を測定する。これにより、露光装置のデフォーカスに伴うフレネルゾーンプレートパターン形成位置の変動量が得られる。このとき、基板のフラットネス、露光装置のフォーカス再現性、及びその他のプロセス要因のバラツキを抑制するために、前記の相関関係の測定を複数回行なって、それらの測定結果の平均値をリファレンスデータとして求めることがより好ましい。
(第3の実施形態の変形例)
以下、本発明の第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法について図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法について図面を参照しながら説明する。
本変形例が第3の実施形態と異なっている点は、図13に示すフォーカス測定用マスク1の各チップ領域3内に、第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクのフレネルゾーンプレートパターンに代えて、第2の実施形態に係る露光マスクに配置されていた、一次元フレネルゾーンプレートからなるBAR−IN−BARパターン(図10及び図11参照)がフォーカスモニター用テストパターンとして設けられていることである。
本変形例のフォーカス測定方法においては、まず、基板上に感光剤を塗布した後、図13に示すフォーカス測定用マスク1上の複数個のフォーカスモニター用テストパターンを、投影露光装置の投影光学系を介して、感光剤が塗布された基板上に転写する。その後、感光剤を現像して、基板上に、複数個のフォーカスモニター用テストパターン、具体的には、複数個の内パターン及び外パターンを形成する。このとき、内パターン及び外パターンの相対位置関係は、露光装置のデフォーカス量(基板(ウェハ)上の凹凸等に起因してパターン毎に異なる)によって変動する。そこで、基板上に転写された内パターン及び外パターンの相対位置関係を測定し、該測定値と、予め取得されているリファレンスデータとを比較することにより、フォーカスモニター用テストパターンを転写する際のショット内の多数点におけるデフォーカス量を高密度且つ高精度で取得することが可能となる。
尚、本変形例において、基板上に転写された内パターン及び外パターンの相対位置関係を測定するときには、重ね合わせ測定装置を用いることが好ましい。ここで、重ね合わせ測定装置とは、基板上に形成された公知のBAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンを光学顕微鏡を用いて拡大撮影することにより、内パターン及び外パターンの相対位置関係、例えば内パターンと外パターンとの間の相対的な位置ズレ量を、高精度且つ短時間で自動測定するものである。このような重ね合わせ測定装置を使用することにより、非常に多数の点におけるフォーカス値情報を短時間に且つ全自動で取得することが可能となる。例えば、ショット内のフォーカス均一性に関する非常に高密度なデータを簡単に得ることができる。
また、本変形例においては、前述のように、リファレンスデータ、つまり内パターン及び外パターンの相対位置関係と露光装置のデフォーカス量との相関関係を予め取得しておく必要がある。このリファレンスデータの作成方法は次の通りである。すなわち、図13に示すフォーカス測定用マスク1を用いて、露光装置のフォーカスオフセット値を所定の間隔で変えながら(つまり一定間隔でフォーカス振りを行ないながら)、ショット毎に内パターン及び外パターンの相対位置関係を測定する。これにより、露光装置のデフォーカスに伴う内パターン及び外パターンの相対位置関係の変動量が得られる。このとき、基板のフラットネス、露光装置のフォーカス再現性、及びその他のプロセス要因のバラツキを抑制するために、前記の相関関係の測定を複数回行なって、それらの測定結果の平均値をリファレンスデータとして求めることがより好ましい。
また、本変形例において、フォーカスモニター用テストパターンとして、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターンを用いたが、これに代えて、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBOX−IN−BOXパターンを用いてもよい。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態に係る露光装置管理方法について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の露光装置管理方法は、第3の実施形態に係るフォーカス測定方法において第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクの一次元フレネルゾーンプレートパターン(図5〜図8参照)をフォーカスモニター用テストパターンとして用いて露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を行なうものである。
以下、本発明の第4の実施形態に係る露光装置管理方法について図面を参照しながら説明する。尚、本実施形態の露光装置管理方法は、第3の実施形態に係るフォーカス測定方法において第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクの一次元フレネルゾーンプレートパターン(図5〜図8参照)をフォーカスモニター用テストパターンとして用いて露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を行なうものである。
具体的には、まず、第3の実施形態に係るフォーカス測定方法により、ショット内の多数点におけるデフォーカス量(つまりフォーカス値)が得られる。すなわち、第3の実施形態で用いられるフォーカス測定用マスク(図13)のショット領域2内には、複数個のフォーカスモニター用テストパターンが高密度で配列されている。そして、基板上に転写された複数個のフォーカスモニター用テストパターン、つまり複数個のフレネルゾーンプレートパターンの形成位置を測定し、該測定値と、予め取得されているリファレンスデータとを比較することにより、フォーカスモニター用テストパターンを転写する際のショット内の多数点におけるフォーカス値を高密度且つ高精度で取得できる。このため、非常に精度の高いショット内フォーカス分布を得ることができる。
次に、このようにして得られたフォーカス分布つまり像面を、平均値、傾斜成分及び湾曲成分に分離する。ここで、平均値とは、ショット内のフォーカス値の平均値であり、この値が意図したフォーカス値と異なる場合には、その差を露光装置のフォーカスオフセット値として設定する。また、傾斜成分とは、レンズ収差の影響に起因する傾斜成分及び露光装置のステージ精度の両方を反映した値であり、この値がある一定値を超えている場合には、その反転値を露光装置のフォーカスセンサーオフセット値として設定するか又はステージ傾斜のオフセット値として設定する。また、湾曲成分は主にレンズに起因した値であり、この値が規定値異常となった場合(規定値から大きくかけ離れている場合)には、投影光学系に何らかの異常がある可能性が高いと考えられるので、レンズ修正等の装置改善の必要性を検討する。
第4の実施形態によると、第3の実施形態に係るフォーカス測定方法において第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクの一次元フレネルゾーンプレートパターンをフォーカスモニター用テストパターンとして用いて露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定する。このため、1ショットで露光されるパターン内に、複数のフレネルゾーンプレートパターンつまり複数のフォーカス測定用のテストパターンを設けておくことにより、ショット内多数点におけるデフォーカス量を高密度且つ高精度で取得できる。従って、該デフォーカス量に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を高精度で行なうことが可能となる。
(第4の実施形態の変形例)
以下、本発明の第4の実施形態の変形例に係る露光装置管理方法について図面を参照しながら説明する。尚、本変形例の露光装置管理方法は、第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法において、第2の実施形態に係る露光マスクのBAR−IN−BARパターン(一次元フレネルゾーンプレートからなるBAR−IN−BARパターン:図10及び図11参照)をフォーカスモニター用テストパターンとして用いて露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を行なうものである。
以下、本発明の第4の実施形態の変形例に係る露光装置管理方法について図面を参照しながら説明する。尚、本変形例の露光装置管理方法は、第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法において、第2の実施形態に係る露光マスクのBAR−IN−BARパターン(一次元フレネルゾーンプレートからなるBAR−IN−BARパターン:図10及び図11参照)をフォーカスモニター用テストパターンとして用いて露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を行なうものである。
具体的には、まず、第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法により、ショット内の多数点におけるデフォーカス量(つまりフォーカス値)が得られる。すなわち、第3の実施形態の変形例で用いられるフォーカス測定用マスク(図13)のショット領域2内には、複数個のフォーカスモニター用テストパターンが高密度で配列されている。そして、基板上に転写された複数個のフォーカスモニター用テストパターンつまり複数個の内パターン及び外パターンの各相対位置関係を測定し、該測定値と、予め取得されているリファレンスデータとを比較することにより、フォーカスモニター用テストパターンを転写する際のショット内の多数点におけるフォーカス値を高密度且つ高精度で取得できる。ここで、内パターン及び外パターンの相対位置関係を測定するときに、重ね合わせ測定装置を用いることが好ましい。これにより、非常に多数の点におけるフォーカス値情報を短時間に且つ全自動で取得することが可能となるので、非常に精度の高いショット内フォーカス分布を簡単に得ることができる。
次に、このようにして得られたフォーカス分布つまり像面を、平均値、傾斜成分及び湾曲成分に分離する。そして、平均値が意図したフォーカス値と異なる場合には、その差を露光装置のフォーカスオフセット値として設定する。また、傾斜成分の値がある一定値を超えている場合には、その反転値を露光装置のフォーカスセンサーオフセット値として設定するか又はステージ傾斜のオフセット値として設定する。また、湾曲成分の値が規定値異常となった場合には、投影光学系に何らかの異常がある可能性が高いと考えられるので、レンズ修正等の装置改善の必要性を検討する。
第4の実施形態の変形例によると、第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法において、第2の実施形態に係る露光マスクのBAR−IN−BARパターン(一次元フレネルゾーンプレートパターンからなるBAR−IN−BARパターン)をフォーカスモニター用テストパターンとして用いて露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定する。このため、1ショットで露光されるパターン内に複数のフォーカス測定用のテストパターンを設けておくと共に重ね合わせ測定装置の自動測定機能を用いることにより、ショット内多数点におけるデフォーカス量を高速度、高密度且つ高精度で取得できる。従って、該デフォーカス量に基づいて露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、露光装置の像面管理等を高速度且つ高精度で行なうことが可能となる。
尚、本変形例において、フォーカスモニター用テストパターンとして、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターンを用いたが、これに代えて、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBOX−IN−BOXパターンを用いてもよい。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法について図面を参照しながら説明する。
次に、本発明の第5の実施形態に係る電子デバイスの製造方法について図面を参照しながら説明する。
尚、本実施形態の電子デバイスの製造方法は、電子デバイス製造におけるフォトリソグラフィ工程において、一のロットの処理に関する拡散データを他のロットの処理にフィードバックすることにより、製造装置変動又はプロセス変動のデバイス製造への影響を抑制するものである。ここで、フォトリソグラフィ工程において、パターン形成後の一検査工程としてフォーカス測定を行なう。また、フォーカス測定においては、第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクの一次元フレネルゾーンプレートパターンが配置されたデバイス製造用マスク(デバイス製造用のパターンを有する露光マスク)を用いて、第3の実施形態に係るフォーカス測定方法により、露光装置のデフォーカス量を測定する。
図14は、本実施形態の電子デバイスの製造方法で用いられるデバイス製造用マスクの一例を示している。
図14に示すように、デバイス製造用マスク11における1ショットで露光されるパターンの配置領域(以下、ショット領域と称する)12内には、デバイスパターンの配置領域(以下、デバイスパターン領域と称する)13が複数個(具体的には4個)マトリックス状に設けられている。ここで、各デバイスパターン領域13はスクライブレーン領域14によって互いに区画されている。また、スクライブレーン領域14内の複数箇所(具体的には9箇所)には、第1の実施形態又はその変形例に係る露光マスクに配置されていた一次元フレネルゾーンプレートパターン(図5〜図8参照)がフォーカスモニター用テストパターン15として配置されている。また、デバイス製造用マスク11におけるショット領域12の近傍には、レチクルアライメントパターン配置領域16が設けられている。
ところで、一般的に、フォトリソグラフィー工程におけるパターン形成後の検査工程として、測長SEM(scanning electron microscope)による寸法測定及び重ね合わせ測定が行なわれる。寸法測定工程は、狙い寸法通りにパターンが形成されているかをどうかを確認する工程であり、狙い寸法とパターン実寸法との間に差がある場合には、露光量を変更する等の補正を行なう。また、重ね合わせ測定工程で得られた値つまり重ね合わせ測定値に基づいて、ショットのオフセット、倍率及びローテーション並びにウェハの倍率及びローテーション等の値を、露光装置の露光パラメータとして反映させる。ここで、寸法測定工程又は重ね合わせ測定工程で得られた検査データ(拡散データ)のフィードバック方法としては、例えば、パイロットロットを用いて拡散データを取得し、該拡散データを本体ロットの処理に反映させる方法、又は前回処理したロットの拡散データを次回処理されるロットの処理に反映させる方法等がある。
本実施形態では、前述の寸法測定及び重ね合わせ測定と共に、図14に示すデバイス製造用マスク11を用いて、第3の実施形態に係るフォーカス測定方法により、前述の9箇所におけるフォーカス値を測定してショット内フォーカス分布(像面)を高精度で求める。これにより、ショット内フォーカス分布に基づいて、ショット内のフォーカス値の平均値並びに像面の傾斜成分及び湾曲成分を把握できるので、寸法及び重ね合わせ精度のそれぞれのフィードバックに加えて、フォーカス値のフィードバックが高精度で可能となる。すなわち、通常、ロット処理時のフォーカス補正は、露光装置のオートフォーカス機能を用いて行なわれているが、それと比べて、本実施形態によると、より高精度なフォーカスフィードバック及びレベリング補正が可能となる。
尚、本実施形態では、第3の実施形態に係るフォーカス測定方法を利用する際に、デフォーカス状態で露光を行なう必要がある一方、デバイス製造においては通常ベストフォーカス状態で露光を行なう必要がある。このため、製品製造のためのショットにおいてフォーカス測定を行なうことはできない。ところで、図15に示すように、一般に、被露光ウェハ21上には、製品製造のためのショット領域22と共に欠けショット領域23が存在する。ここで、被露光ウェハ21の周縁部に位置する欠けショット領域23は、被露光ウェハ21の面内又は被露光ウェハ21の有効領域内から部分的にはみ出しており、該領域については製品製造のためのショットは行なわれない。すなわち、本実施形態では、欠けショット領域23に対するショット等の、製品製造に関係のないショットによって、フォーカス測定を行なうことができる。
(第5の実施形態の変形例)
次に、本発明の第5の実施形態の変形例に係る電子デバイスの製造方法について図面を参照しながら説明する。
次に、本発明の第5の実施形態の変形例に係る電子デバイスの製造方法について図面を参照しながら説明する。
本変形例が第5の実施形態と異なっている点は、フォトリソグラフィ工程において、パターン形成後の一検査工程としてフォーカス測定を行なうときに、第2の実施形態に係る露光マスクのBAR−IN−BARパターン(一次元フレネルゾーンプレートからなるBAR−IN−BARパターン)が配置されたデバイス製造用マスクを用いて、第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法により、露光装置のデフォーカス量を測定することである。
すなわち、本変形例では、図14に示すデバイス製造用マスク11におけるスクライブレーン領域14内の複数箇所(具体的には9箇所)には、第2の実施形態に係る露光マスクのBAR−IN−BARパターン(一次元フレネルゾーンプレートからなるBAR−IN−BARパターン:図10及び図11参照)がフォーカスモニター用テストパターン15として配置されている。そして、フォトリソグラフィー工程におけるパターン形成後の検査工程として、寸法測定及び重ね合わせ測定と共に、図14に示すデバイス製造用マスク11を用いて、第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法により、つまり重ね合わせ測定装置を用いたフォーカス測定により、前述の9箇所におけるフォーカス値を測定してショット内フォーカス分布(像面)を高速度且つ高精度で求める。これにより、ショット内フォーカス分布に基づいて、ショット内のフォーカス値の平均値並びに像面の傾斜成分及び湾曲成分を簡単に把握できるので、寸法及び重ね合わせ精度のそれぞれのフィードバックに加えて、フォーカス値のフィードバックが高速度且つ高精度で可能となる。すなわち、通常、ロット処理時のフォーカス補正は、露光装置のオートフォーカス機能を用いて行なわれているが、それと比べて、本変形例によると、より高速度且つ高精度なフォーカスフィードバック及びレベリング補正が可能となる。また、重ね合わせ測定装置を用いてフォーカス測定を行なうので、フォーカス測定工程を重ね合わせ測定工程と同時に行なうことができる。
尚、本変形例において、フォーカスモニター用テストパターン15として、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBAR−IN−BARパターンを用いたが、これに代えて、一次元フレネルゾーンプレートから構成されたBOX−IN−BOXパターンを用いてもよい。
また、本変形例では、第3の実施形態の変形例に係るフォーカス測定方法を利用する際に、デフォーカス状態で露光を行なう必要がある一方、デバイス製造においては通常ベストフォーカス状態で露光を行なう必要がある。このため、製品製造のためのショットにおいてフォーカス測定を行なうことはできない。ところで、図15に示すように、一般に、被露光ウェハ21上には、製品製造のためのショット領域22と共に欠けショット領域23が存在する。ここで、被露光ウェハ21の周縁部に位置する欠けショット領域23は、被露光ウェハ21の面内又は被露光ウェハ21の有効領域内から部分的にはみ出しており、該領域については製品製造のためのショットは行なわれない。すなわち、本変形例では、欠けショット領域23に対するショット等の、製品製造に関係のないショットによって、フォーカス測定を行なうことができる。
本発明は、露光マスクに関し、電子デバイス製造等におけるフォーカス測定及び露光装置管理等に適用した場合に特に有用である。
Se 一次元フレネルゾーンプレートのスリット群
So 反転一次元フレネルゾーンプレートのスリット群
R レチクル
A スリット
B スリット
C スリット
lA0 スリットAでの0次回折光
lA1 スリットAでの1次回折光
lB0 スリットBでの0次回折光
lB1 スリットBでの1次回折光
lC0 スリットCでの0次回折光
lC1 スリットCでの1次回折光
lA ’ スリットAでの0次以外の回折光
lB ’ スリットBでの0次以外の回折光
lC ’ スリットCでの0次以外の回折光
I フレネル回折像
I2 フレネル回折像
I3 フレネル回折像
RF フレネル回折像Iの結像面
L 投影光学系
P 通常パターンの焦点面
PF フレネル回折像Iの焦点面
A’ スリットAの投影像
B’ スリットBの投影像
C’ スリットCの投影像
I’ フレネル回折像Iの投影像
I2 ’ フレネル回折像I2 の投影像
I3 ’ フレネル回折像I3 の投影像
d 光強度分布の最大点の移動方向
1 フォーカス測定用マスク
2 ショット領域
3 チップ領域
4 レチクルアライメントパターン配置領域
11 デバイス製造用マスク
12 ショット領域
13 デバイスパターン領域
14 スクライブレーン領域
15 フォーカスモニター用テストパターン
16 レチクルアライメントパターン配置領域
21 被露光ウェハ
22 ショット領域
23 欠けショット領域
So 反転一次元フレネルゾーンプレートのスリット群
R レチクル
A スリット
B スリット
C スリット
lA0 スリットAでの0次回折光
lA1 スリットAでの1次回折光
lB0 スリットBでの0次回折光
lB1 スリットBでの1次回折光
lC0 スリットCでの0次回折光
lC1 スリットCでの1次回折光
lA ’ スリットAでの0次以外の回折光
lB ’ スリットBでの0次以外の回折光
lC ’ スリットCでの0次以外の回折光
I フレネル回折像
I2 フレネル回折像
I3 フレネル回折像
RF フレネル回折像Iの結像面
L 投影光学系
P 通常パターンの焦点面
PF フレネル回折像Iの焦点面
A’ スリットAの投影像
B’ スリットBの投影像
C’ スリットCの投影像
I’ フレネル回折像Iの投影像
I2 ’ フレネル回折像I2 の投影像
I3 ’ フレネル回折像I3 の投影像
d 光強度分布の最大点の移動方向
1 フォーカス測定用マスク
2 ショット領域
3 チップ領域
4 レチクルアライメントパターン配置領域
11 デバイス製造用マスク
12 ショット領域
13 デバイスパターン領域
14 スクライブレーン領域
15 フォーカスモニター用テストパターン
16 レチクルアライメントパターン配置領域
21 被露光ウェハ
22 ショット領域
23 欠けショット領域
Claims (16)
- 投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクであって、
前記マスクパターンは、
一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られる一のパターン、又は
前記一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られる他のパターンを含み、
前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量によって、前記基板上における前記一のパターン又は前記他のパターンが形成される位置が変動することを特徴とする露光マスク。 - 投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクであって、
前記マスクパターンは、
一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られるパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる一のパターン、又は
前記一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られるパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる他のパターンを含み、
前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量によって、前記基板上における前記一のパターン又は前記他のパターンが形成される位置が変動することを特徴とする露光マスク。 - 前記一のパターン又は前記他のパターンにおける所定の次数以下のスリットが遮蔽されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の露光マスク。
- 前記一のパターン又は前記他のパターンにおける最大幅を持つ最大スリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界以上のスリット幅を持つと共に、前記一のパターン又は前記他のパターンにおける前記最大スリット以外の他のスリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界よりも小さいスリット幅を持つことを特徴とする請求項1又は2に記載の露光マスク。
- 投影露光装置の投影光学系を介して基板上に転写されるマスクパターンが設けられた露光マスクであって、
前記マスクパターンは、内パターン及び外パターンをそれぞれ有するBAR−IN−BARパターン又はBOX−IN−BOXパターンを含み、
前記BAR−IN−BARパターン又は前記BOX−IN−BOXパターンの各辺のうち互いに対向する一対の辺の一方は、一次元フレネルゾーンプレートのスリット及び遮光部を反転することにより得られる第1のパターン、又は前記一次元フレネルゾーンプレートの0次スリットを遮蔽することにより得られる第2のパターンであり、
前記一対の辺の他方は、前記第1のパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる第3のパターン、又は前記第2のパターンを原点を中心として2つに区画し且つ区画された各部分毎にスリットの並びを反転することにより得られる第4のパターンであり、
前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量によって、前記基板上における前記内パターン及び前記外パターンのそれぞれが形成される位置同士の間の相対的な位置関係が変動することを特徴とする露光マスク。 - 前記第1のパターン、前記第2のパターン、前記第3のパターン又は前記第4のパターンにおける所定の次数以下のスリットが遮蔽されていることを特徴とする請求項5に記載の露光マスク。
- 前記第1のパターン、前記第2のパターン、前記第3のパターン又は前記第4のパターンにおける最大幅を持つ最大スリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界以上のスリット幅を持つと共に、前記第1のパターン、前記第2のパターン、前記第3のパターン又は前記第4のパターンにおける前記最大スリット以外の他のスリットは投影露光のベストフォーカスにおいて解像限界よりも小さいスリット幅を持つことを特徴とする請求項5に記載の露光マスク。
- 請求項1又は2に記載の露光マスクを用いてフォーカス測定用のリファレンスデータを作成する方法であって、
前記投影露光装置のフォーカスオフセット値を変えながら、前記基板上における前記一のパターン又は前記他のパターンが形成される位置を測定することによって、該測定された位置と前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量との相関関係を求めることを特徴とするリファレンスデータ作成方法。 - 請求項5に記載の露光マスクを用いてフォーカス測定用のリファレンスデータを作成する方法であって、
前記投影露光装置のフォーカスオフセット値を変えながら、前記基板上における前記内パターン及び前記外パターンのそれぞれが形成される位置同士の間の相対的な位置関係を測定することによって、該測定された相対的な位置関係と前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量との相関関係を求めることを特徴とするリファレンスデータ作成方法。 - 請求項1又は2に記載の露光マスクを用いて前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を測定するフォーカス測定方法であって、
前記基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、
前記投影露光装置の投影光学系を介して前記感光剤に前記露光マスクの前記マスクパターンを転写する第2の工程と、
前記マスクパターンが転写された前記感光剤を現像して、前記基板上に前記一のパターン又は前記他のパターンを形成する第3の工程と、
前記基板上における前記一のパターン又は前記他のパターンが形成された位置を測定する第4の工程と、
前記第4の工程で測定された位置に基づいて、前記第2の工程で前記マスクパターンを転写する際の前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程とを備えていることを特徴とするフォーカス測定方法。 - 請求項5に記載の露光マスクを用いて前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を測定するフォーカス測定方法であって、
前記基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、
前記投影露光装置の投影光学系を介して前記感光剤に前記露光マスクの前記マスクパターンを転写する第2の工程と、
前記マスクパターンが転写された前記感光剤を現像して、前記基板上に前記内パターン及び前記外パターンのそれぞれを形成する第3の工程と、
前記基板上における前記内パターン及び前記外パターンのそれぞれが形成された位置同士の間の相対的な位置関係を重ね合わせ測定装置を用いて測定する第4の工程と、
前記第4の工程で測定された相対的な位置関係に基づいて、前記第2の工程で前記マスクパターンを転写する際の前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程とを備えていることを特徴とするフォーカス測定方法。 - 請求項1又は2に記載の露光マスクを用いて前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて前記投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、前記投影露光装置のフォーカス変動のデバイス製造に対する影響を抑制する露光装置管理方法であって、
前記基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、
前記投影露光装置の投影光学系を介して前記感光剤に前記露光マスクの前記マスクパターンを転写する第2の工程と、
前記マスクパターンが転写された前記感光剤を現像して、前記基板上に前記一のパターン又は前記他のパターンを形成する第3の工程と、
前記基板上における前記一のパターン又は前記他のパターンが形成された位置を測定する第4の工程と、
前記第4の工程で測定された位置に基づいて、前記第2の工程で前記マスクパターンを転写する際の前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程と、
前記第5の工程で得られたデフォーカス量に基づいて前記投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定する第6の工程とを備えていることを特徴とする露光装置管理方法。 - 請求項5に記載の露光マスクを用いて前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を測定し、該測定値に基づいて前記投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定することにより、前記投影露光装置のフォーカス変動のデバイス製造に対する影響を抑制する露光装置管理方法であって、
前記基板上に感光剤を塗布する第1の工程と、
前記投影露光装置の投影光学系を介して前記感光剤に前記露光マスクの前記マスクパターンを転写する第2の工程と、
前記マスクパターンが転写された前記感光剤を現像して、前記基板上に前記内パターン及び前記外パターンのそれぞれを形成する第3の工程と、
前記基板上における前記内パターン及び前記外パターンのそれぞれが形成された位置同士の間の相対的な位置関係を重ね合わせ測定装置を用いて測定する第4の工程と、
前記第4の工程で測定された相対的な位置関係に基づいて、前記第2の工程で前記マスクパターンを転写する際の前記基板上における前記投影露光装置のデフォーカス量を求める第5の工程と、
前記第5の工程で得られたデフォーカス量に基づいて前記投影露光装置のフォーカスオフセット値を設定する第6の工程とを備えていることを特徴とする露光装置管理方法。 - 電子デバイス製造におけるフォトリソグラフィ工程において、一のロットの処理に関する拡散データを他のロットの処理にフィードバックすることにより、製造装置変動又はプロセス変動のデバイス製造への影響を抑制する電子デバイス製造方法であって、
請求項1又は2に記載の露光マスクであってデバイス製造用のパターンを有する露光マスクを用いて請求項10に記載のフォーカス測定方法により前記一のロットの処理に関して求められたデフォーカス量を、前記拡散データとして前記他のロットの処理にフィードバックすることを特徴とする電子デバイス製造方法。 - 電子デバイス製造におけるフォトリソグラフィ工程において、一のロットの処理に関する拡散データを他のロットの処理にフィードバックすることにより、製造装置変動又はプロセス変動のデバイス製造への影響を抑制する電子デバイス製造方法であって、
請求項5に記載の露光マスクであってデバイス製造用のパターンを有する露光マスクを用いて請求項11に記載のフォーカス測定方法により前記一のロットの処理に関して求められたデフォーカス量を、前記拡散データとして前記他のロットの処理にフィードバックすることを特徴とする電子デバイス製造方法。 - 前記デフォーカス量は、被露光ウェハの周縁部における欠けショット領域に対する露光によって求められることを特徴とする請求項14又は15に記載の電子デバイス製造方法。
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