JP4194200B2 - 露光方法及び露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光方法及び露光装置に関し、特に微細な回路パターンで感光基板を露光する露光方法及び露光装置に関する。本発明の露光方法及び露光装置は、例えば、IC、LSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素子、CCD等の撮像素子といった各種デバイスの製造に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、IC、LSI、液晶パネル等のデバイスをフォトリソグラフィ−技術を用いて製造する時には、フォトマスク又はレチクル等(以下、「マスク」と記す。)の回路パタ−ンを投影光学系によってフォトレジスト等が塗布されたシリコンウエハ又はガラスプレ−ト等(以下、「ウエハ」と記す。)の感光基板上に投影し、そこに回路パターンを転写する(回路パターンで露光する)投影露光方法及び投影露光装置が使用されている。
【0003】
上記デバイスの高集積化に対応して、ウエハのチップ領域に転写するパタ−ンの微細化即ち高解像度化とウエハにおける1チップ領域の大面積化とが要求されており、従ってウエハに対する微細加工技術の中心を成す上記投影露光方法及び投影露光装置においても、現在、0.5μm以下の寸法(線幅)の像を広範囲に形成するべく、解像度と露光面積の向上が計られている。
【0004】
従来の投影露光装置の摸式図を図1に示す。図1中,191は遠紫外線露光用光源であるエキシマ−レ−ザ、192は照明光学系、193は照明光、194はマスク、195はマスク194から出て光学系196に入射する物体側露光光、196は縮小投影光学系、197は光学系196から出て感光基板であるウエハ198に入射する像側露光光、199は感光基板を保持する基板ステージを、示す。
【0005】
エキシマレ−ザ191から出射したレ−ザ光は、引き回し光学系によって照明光学系192に導光され、照明光学系192により所定の光強度分布、配光分布、開き角(開口数NA)等を持つ照明光193とされ、この照明光193がマスク194を照明する。マスク194にはウエハ198上に形成する微細パタ−ンを投影光学系196の投影倍率の逆数倍(例えば2倍や4倍や5倍)した寸法のパターンがクロム等によって石英基板上に形成されており、照明光193はマスク194を透過する時に微細パターンによって回折され、物体側露光光195となる。投影光学系196は、物体側露光光195を、マスク194の微細パターンを上記投影倍率で且つ充分小さな収差でウエハ198上に結像する像側露光光197に変換する。像側露光光197は図18の下部の拡大図に示されるように、所定の開口数NA (=sinθ )でウエハ198上に収束し,ウエハ198上に微細パターンの像を結ぶ。基板ステ−ジ199は、ウエハ198の互いに異なる複数の領域(ショット領域:1個又は複数のチップとなる領域)に順次微細パタ−ンを形成するために、投影光学系の像平面に沿ってステップ移動することによりウエハ198の投影光学系196に対する位置を変える。
【0006】
しかしながら、現在主流の上記のエキシマレーザを光源とする投影露光装置は,0.15μm以下のパタ−ンを形成することが困難である。
【0007】
投影光学系196は、露光光の波長(以下、「露光波長」と記す。)に依存する光学的な解像度と焦点深度との間のトレ−ドオフによる解像度の限界がある。投影露光装置の解像度Rと焦点深度DOFは,次の(1)式と(2)式の如きレ−リ−の式によって表される。
【0008】
ここで、λは露光波長、NAは投影光学系196の像側の開口数であり、k1、k2の値は通常0.5〜0.7程度である。この(1)式と(2)式から、解像度Rを小さい値とする高解像度化には開口数NAを大きくする「高NA化」があるが、実際の露光では投影光学系196の焦点深度DOFをある程度以上の値にする必要があるため、高NA化をある程度以上進めることは不可能であり、従って更なる高解像度化には露光波長λを小さくする「短波長化」が必要となることとが分かる。
【0009】
ところが短波長化を進めていくと重大な問題が発生する。この問題とは投影光学系196のレンズの硝材がなくなってしまうことである。殆どの硝材の透過率は遠紫外線領域では0に近く、特別な製造方法を用いて露光装置用(露光波長約248nm)に製造された硝材として合成石英が現存するが,この合成石英の透過率も波長193nm以下の露光波長に対しては急激に低下するし、0.15μm以下の微細パタ−ンに対応する露光波長150nm以下の領域で透過率が十分に高くて実用的な硝材の開発は非常に困難だと思われる。また遠紫外線領域で使用される硝材は、透過率以外にも、耐久性,屈折率均一性,光学的歪み,加工性等の複数の観点で一定の条件を満たす必要があり、この事からも露光波長150nm以下の領域で実用的な硝材の存在が危ぶまれる。
【0010】
このように従来の投影露光方法及び投影露光装置では、ウエハ198に0.15μm以下のパタ−ンを形成する為には150nm程度以下まで露光波長の短波長化が必要であるのに対し、この波長領域では実用的な硝材が存在しないので、ウエハ198に0.15μm以下のパターンを形成することができなかった。
【0011】
米国特許第5415835号公報は互いにコヒーレントな2光束を干渉させることで形成した干渉縞による露光(以下、「2光束干渉露光」と記す。)によって微細パターンを形成する技術を開示しており、2光束干渉露光によれば、ウエハに0.15μm以下のパターンを形成することができる。
【0012】
2光束干渉露光の原理を図2を用いて説明する。2光束干渉露光は、レーザ151からの可干渉性を有し且つ平行光線束であるレーザ光をハーフミラー152によって2光束に分割し、2光束を夫々平面ミラー153によって反射することにより2個のレーザ光(可干渉性平行光線束)を0より大きく90度未満のある角度を成して交差させることにより交差部分に干渉縞を形成し、この干渉縞(の光強度分布)によってウエハ154を露光して感光させることで干渉縞の光強度分布に対応する微細な周期パタ−ン(周期的露光量分布)をウエハに形成し、ウエハを現像することで、ウエハ上に微細な周期的レジストマスク/エッチング用が得られるようにするものである。
【0013】
図2において、2光束がウエハ表面に立てた垂線に対して互いに逆方向に同じ角度だけ傾いた状態でウエハ表面で交差する場合、この2光束干渉露光における解像度Rは次の(3)式で表される。
【0014】
ここで、Rは干渉縞の明部と暗部の夫々の線幅即ち周期パターンを構成するライン&スペースの夫々の線幅であり、θは2光束の夫々の像面に対する入射角度(絶対値)を表しす。sinθは投影露光における光学系の像側開口数に相当するものであるから、sinθ=NAとして表記している。
【0015】
通常の投影露光における解像度の式である(1)式と2光束干渉露光における解像度の式である(3)式とを比較すると、2光束干渉露光の解像度Rは(1)式においてk1 = 0.25とした場合に相当するから、2光束干渉露光では k1=0.5〜0.7である通常の投影露光の解像度より2倍以上の解像度を得ることが可能である。上記米国特許には開示されていないが、例えばλ= 0.248nm(KrFエキシマ)でNA = 0.6の時は、R =0.10μmが得られる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら2光束干渉露光は、基本的に干渉縞の光強度分布に相当する単純な周期パターン(露光量分布)しか得られないので、所謂回路パタ−ンをウエハに形成することができない。
【0017】
そこで上記米国特許第5,415,835号公報は、2光束干渉露光装置による干渉縞で単純な周期的露光量分布をウエハのレジストに与えた後、別の露光装置によりマスクの開口の像でこのレジストの干渉縞の明部に相当する場所を露光してこの場所へある露光量を加える二重露光法により、干渉縞の複数の明部うちの特定の線の部分の露光量のみを均一に増やしてレジストのしきい値を越えさせることによって、現像後孤立の線(レジストパターン)を得ることを提案している。
【0018】
しかしながら上記米国特許第5415835号公報の二重露光法は、2光束干渉露光により形成される縞パターンの一部より成る単純な形状の回路パターンが得られるのみで、通常の、様々な線幅と方向性を持つ複数パターンの集合である回路パターンのような、より複雑な形状の回路パターンを得ることができなかった。
【0019】
また、この米国特許第5,415,835号公報と同様の微細な孤立パターンが得られる二重露光法が、特開平7-253649号公報に開示されているが、この特開平7-253649号公報の二重露光法は、通常の投影露光装置を用いて、位相シフトパターンを用いた2光束干渉露光と、従来はこの露光装置で解像できなかった微細開口パターンの像による露光とをウエハのレジストの同一領域に行なうものであり、各露光の露光波長が50nm以上異なっている。
【0020】
この特開平7-253649号公報の二重露光法はマスクに波長選択性を有する材料でパターンを形成することにより一つのマスク(パターン)で2光束干渉露光と通常露光を行なっており、通常の露光における(マスクの)パターンは一つ又は複数の孤立パターンで、二重露光の結果得られる回路パターン(露光量分布或いは現像後の凹凸分布)も一つ又は複数の孤立パターンのみである。
【0021】
従って、この特開平7-253649号公報の二重露光法も、米国特許5415835号公報と同様に、より複雑な形状の回路パターンを得ることができない。
【0022】
本発明の目的は、多重露光によって、従来より複雑な形状の回路パタ−ンを得ることが可能な露光方法及び露光装置を提供することにある。本願で「多重露光」と呼ぶプロセスは、露光と露光の間で現像をしないで、レジストの同一場所へ複数の露光を行なうものであり、この露光が二重に限らず三重以上の場合も含まれる。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明はマスクのパターンの像でレジストを露光する露光方法であって、光や電子から成るプローブで前記パターンの像よりもコントラストが高い像を描画し、このコントラストが高い像によって前記レジストの前記パターンの像の形成位置を露光することにより、前記レジストの前記パターンに関する露光量分布のコントラストを向上させることを特徴とする露光方法である。
【0051】
本発明の更に別の形態は、像のコントラストが互いに異なる複数のパターン部を有するマスクでレジストを露光する露光方法及び露光装置であって、前記マスクの複数のパターン部のうちのコントラストが最も低いパターン部の像の形成位置を、該コントラストが最も低い像よりもコントラストが高い像(高コントラスト像)によって露光することにより、前記像のコントラストが最も低いパターン部に関する露光量分布のコントラストを向上させることを特徴とする。
【0052】
本発明の更に別の形態は、互いに線幅が異なる複数のパターン部を有するマスクでレジストを露光する露光方法及び露光装置であって、前記マスクの複数のパターン部のうちの最小の線幅を有するパターン部の像の形成位置を該最小線幅のパターン部の像よりもコントラストが高い像(高コントラスト像)によって露光することにより、前記最小線幅のパターン部に関する露光量分布のコントラストを向上させることを特徴とする。
【0053】
本発明の更に別の形態は、像のコントラストが互いに異なる複数のパターン部を有するマスクでレジストを露光する露光方法及び露光装置であって、前記マスクの複数のパターン部のうちのコントラストが最も低いパターン部の像による露光量が前記レジストの露光しきい値を越えず且つ他のパターン部の像による露光量が前記レジストの前記露光しきい値を越える露光と、前記コントラストが最も低い像の形成位置を該コントラストが最も低い像よりもコントラストが高い像(高コントラスト像)によって露光する露光とを含む多重露光を行なうことを特徴とする。
【0054】
本発明の更に別の形態は、互いに線幅が異なる複数のパターン部を有するマスクでレジストを露光する露光方法及び露光装置であって、前記マスクの複数のパターン部のうちの最小の線幅を有するパターン部の像による露光量が前記レジストの露光しきい値を越えず且つ他のパターン部の像による露光量が前記レジストの前記露光しきい値を越える露光と、前記最小線幅のパターン部の像の形成位置を該最小線幅のパターン部の像よりもコントラストが高い像(高コントラスト像)によって露光する露光とを含む多重露光を行なうことを特徴とする。
【0055】
前記レジストは、前記高コントラスト像と前記マスクパターンの像とで同時に露光されるか、前記高コントラスト像によって露光され、その後で前記マスクパターンの像によって露光されるか、前記マスクパターンの像によって露光され、その後で前記高コントラスト像によって露光される。
【0056】
前記高コントラスト像は、レベンソン型の位相シフトマスクや、隣接する領域との間に遮光遮光部が無く該隣接する領域を通過する放射線に対し180度の位相差をそこを通過する光に与える位相シフト部を有する位相シフトマスクのパターンを投影光学系によって投影(結像)することによって得られる。前記の「位相シフト部」は孤立パターンあるいは繰り返しパターンである。
【0057】
また、前記高コントラスト像が、レーザー光を分割して得た2つの平行光束を前記レジストに互いに異なる方向から入射させ前記レジスト上で干渉させることにより形成されたり、光や電子から成るプローブによる描画で形成されたり、マスクの繰り返しパターンを斜め方向から照明して投影することによって形成されたりする。
【0058】
前記(最初に記載された)マスクがハーフトーン型又はリム型又はクロムレスシフタ遮光型の位相シフトマスクであると、よりコントラストの良い露光量分布が得られる。
【0059】
前記(最初に記載された)マスクのパターンが斜め方向から照明されたり、σが0.6以上の状態で垂直方向から照明されて投影光学系により投影される一方、前記高コントラスト像はσが0.3以下の状態でレベンソン型等の位相シフトマスクを垂直方向から照明してそのパターンを結像させて形成される形態が採れる。
【0060】
本発明の露光方法及び露光装置の好ましい形態では、前記マスクのパターンの像の強度分布の中心位置と、この像と多重露光が行なわれるところの前記高コントラスト像の強度分布の中心位置とが一致すべきであるが、レジストに最終的に形成すべき露光量分布のコントラストとの関係で、双方の像の強度分布の中心位置同士にある範囲内でのずれは許容される。
【0061】
また本発明においては露光波長に制限はないが、本発明は、例えば400nm以下、とくに現在主流250nm以下の露光波長で露光を行なう場合に適用すると良い。250nm以下の露光波長の光を得るにはKrFエキシマレーザ(約248nm)やArFエキシマレーザ(約193nm)を光源として用いる。
【0062】
本発明、例えばマスクのパターンをウエハに投影する投影光学系と、相対的にσ(シグマ)が大きい(大σ)部分的コヒーレント照明と、相対的にσが小さい(小σ)部分的コヒーレント照明或いはコヒーレント照明との双方の照明が可能なマスク照明光学系とを有する投影露光装置を用いて実施できる。例えば、上記大σの部分的コヒーレント照明によって前記マスクパターン(回路パターン)の投影露光を行ない、コヒーレント照明又は小σの部分的コヒーレント照明によって位相シフト型マスクを照明することで2光束干渉露光を行なって干渉縞による高コントラスト像の露光を行なえる。
【0063】
「部分的コヒーレント照明」とはσ(=照明光学系のマスク側開口数/投影光学系のマスク側開口数)の値がゼロより大きく1より小さい照明であり、「コヒーレント照明」とは、σの値がゼロまたはそれに近い値であり、部分的コヒーレント照明のσに比べて相当小さい値である。又、上記大σとはσが0.6以上、上記小σはσが0.3以下の事である。
【0064】
この露光装置においては、マスク照明光学系として部分的コヒーレント照明とコヒーレント照明と相対的にσが小さい部分的コヒーレント照明とが切換え可能な光学系を採用してもいい。
【0065】
本発明は、例えば図2に示すような2光束干渉露光装置と、図1に示すような投影露光装置と、両装置で共用される感光基板であるウエハーを保持する移動ステージと、を有する露光システムによって実施できる。本発明を実施する各種露光装置の露光波長は、前述した通り400nm以下、とくに250nm以下である。250nm以下の露光波長の光を得るにはKrFエキシマレーザ(約248nm)やArFエキシマレーザ(約193nm)を用いる。
【0066】
【発明の実施の形態】
図3は本発明の露光方法の一実施形態を示すフロ−チャ−トである。図1には本実施形態の露光方法を構成するコントラストが高い像(高コントラスト像)によりレジストの露光を行なう周期パターン露光ステップ、従来の方法ではレジストにおける露光量分布が低コントラストとなる回路パターンを有するマスクの像によりこのレジストの露光を行う通常露光ステップと、これらの2つのステップにより二重露光を行なったレジストを現像する現像ステップの各ブロックとその流れが示してあるが、周期パターン露光ステップと通常露光ステップの順序は、図1の逆でもいいし、同時でもいいし、どちらか一方の露光ステップが複数回の露光ステップを含む三重以上の露光の場合は同期パターン露光と通常露光の各ステップを交互に行うことも可能である。また、各露光ステップ間には精密な位置合わせを行なうステップ等があるが、ここでは図示を略した。又、周期パターン露光ステップや通常露光ステップは、例えば、ステップ&リピート型やステップ&スキャン型の投影露光装置によって、行なわれる。
【0067】
通常露光ステップにおける上記マスクは、線幅や方向性が異なる複数のパターンを有しており、多重露光によりレジストにおける露光量分布を向上させるべき上記の回路パターンは、複数パターンのうちの最小線幅を有するその像のコントラストが最小の微細パターンである。
【0068】
図3のフロ−に従って多重露光を行なう場合、まず周期パターン露光により、感光基板のウエハのレジストを図4(A)に示すような周期パタ−ン像で露光する。図4(A)中の数字は露光量を表しており、図4(A)は、マスクの周期パターンの像を示しており、その白色部はレジストを露光しない部分(即ち影)で、斜線部はレジストを露光する部分(即ち光)であり、露光量を仮定的に白色部を0、斜線部を1としている。尚、図4(A)は、マスク自身のパターンと見ることもできる。
【0069】
仮にこの周期パタ−ン像のみでレジストを露光し多重露光を行なわないで、その後現像する場合、通常、周期パターン像の露光量とレジストの露光しきい値との関係は、ウエハのレジストの露光しきい値Eth(現像後レジストの膜厚が0になる境界値)が図4(B)の下部のグラフに示す通り露光量0と1の間になるように設定される。尚、図4(B)の上部は図4(A)の像で露光されたレジストを最終的に得られるリソグラフィーパターン(凹凸パターン)の平面図を示している。図中、灰色部と白色部の現像した後で一方が凹凸の山、他方が凹凸の谷である。
【0070】
53(A),(B)に、図4の場合のウエハのレジストに関して、ポジ型レジスト(以下、「ポジ型」と記す。)とネガ型レジスト(以下、「ネガ型」記す。)の各々を用いた時について、現像後のレジストの膜厚の、露光量依存性と、露光しきい値とを示してあり、ポジ型の場合は露光量が露光しきい値以上の場合に、ネガ型の場合は露光量が露光しきい値以下の場合に、現像後のレジスト膜厚が0となる。
【0071】
図6は、このような露光を行った場合の、露光&現像とエッチングプロセスを経てリソグラフィ−パタ−ンが形成される様子を、ネガ型(図の上部左側)の場合とポジ型(図の上部右側)の場合に関して示した摸式図である。
【0072】
さて本実施形態の二重露光方法においては、図4〜図6の通常の露光感度設定とは異なり、図7(図4(A)と同じ図面)及び図8に示す通り、高コントラストの像を与える周期パターン(図3のferst step)での最大露光量を1とした時、感光基板であるウエハのレジストの露光しきい値Ethを1よりも大きく設定する(図8の下部参照)。このときウエハは、図7に示す周期パターン像による露光のみ行ったレジストの露光パタ−ン(露光量分布)を現像した場合は露光量が不足するので、多少のレジストの膜厚変動はあるものの、現像によって膜厚が0となる部分は生じず、エッチングによってウエハに凹凸の所謂リソグラフィーパタ−ンは形成されない。これは即ち潜像によってレジストに記録された周期パターンの消失と見做すことができる。尚、以下は、値が型レジストを用いてレジストに残しパターン(凸パターン)を形成する場合を説明するが、ポジ型レジストを用いて同様の残しパターンを形成することもできる。この時ポジ型レジストの場合は、二重露光に用いる例えば二枚のレチクルのそれぞれを、ネガ型レジストの場合のレチクルに対して光透過部と遮光部を逆転されたものとする。又、ポジ、ネガ各レジストを用いてレジストに抜きパターン(凹パターン)を形成することもできる。図8において、上部は周期パターン像のみ露光の結果得られるリソグラフィーパターンの平面図を示し(細線が複数描いてあるが実際は何もできない)、下部のグラフはレジストにおける露光量分布と露光しきい値Ethの関係を示す。
【0073】
本実施形態の特徴は、多重露光によって図3のferst stepである周期パターン露光のみでは一見消失する、微細な高コントラスト像を含む周期パターン像による露光パタ−ン(E1)を図3のsecond stepである通常の露光による、露光装置の分解能以下の寸法パターンを含む任意の形状の回路パターン像による露光パタ−ン(E2)とを融合することにより、選択的に、レジストの所望の領域のみ露光しきい値Eth以上の露光量(E1+E2)で露光し、最終的に、所望の前記任意の形状の回路パターンに対応するリソグラフィ−パタ−ンを形成できるところにある。この融合の際のポイントは、回路パターンのうちの最小線幅のパターンであり、それだけの露光では所望のコントラストの露光量分布が得られないパターンの像の位置に高コントラスト像をうまく重ねることである。
【0074】
図9(A)は上述の通常露光によるレジストの露光パタ−ンを示し、ウエハ上に投影される回路パターンのうちの最小線幅を有するパターンであり、投影露光装置の分解能以下の微細なパターンである為解像されない、パターンの像によるレジストの露光量分布である。明らかに、この露光量分布ははぼけて広がっている。
【0075】
図9(A)の露光パターンを形成するマスク上の最小線幅を有するパターンは、投影露光装置の解像可能な(所望のコントラストが得られる)線幅の約半分の線幅を有する微細パターンとしている。マスク上には、この微細パターンの他に解像可能な各種線幅のパターンが含まれている。
【0076】
図9(A)のほけた露光パタ−ンを作る回路パターンの通常露光を、図7のぼけていない微細露光パターンを作る周期パターン露光の後(又は前又は同時)に、現像工程なしで、同一レジストの同一領域(同一位置)に重ねて行ったとすると、このレジストのこの領域での合計の露光量分布は図9(B)の下部のグラフのようになる。ここでは、周期パターン露光による高コントラスト像の露光量E1と通常露光によるぼけ像の露光量E2の比が1:1、レジストの露光しきい値Ethが、周期パターン露光の露光量E1(=1)と通常露光の露光量E2(=1)の和E1+E2(=2)の間に設定されている為、本実施形態の二重露光を行なったウエハを現像すると、図9(B)の上部に示したリソグラフィーパタ−ンが形成される。その際通常露光のぼけた露光パターンの中心を周期パターン露光のぼけていない露光パターンのピークと合致させる。図9(B)の上部のリソグラフィーパターンの平面図が孤立線パタ−ンは、解像度つまり線幅が周期パターン露光によるリソグラフィーパターンと同様のものであり、通常の投影露光装置による一重露光で実現できる解像度以上の高微細な線幅のパタ−ンが二重露光により得られたことになる。一方、この通常露光で露光されるパターンのうち、二重露光で露光量分布コントラストが向上させられる最小線幅以外装置の解像度内の相対的に線幅が大きいパターンは、その像のコントラストが良く、露光量分布は、その像のみでレジストの露光しきい値Ethを越えている。
【0077】
ここで仮に、図10が示す、この線幅が大きいパターン像による露光パターンを作る通常露光(図7の露光パターンの2倍の線幅で露光しきい値Eth以上の露光量分布が形成できる(ここではしきい値の2倍の露光量をもつ)の、高コントラストで解像できる投影露光)を、図7の周期パターン露光の後に、現像工程なしで、同一レジストの同一領域(同一位置)に重ねて行なったとすると、その際通常露光による露光パターンの中心が周期パターン露光の露光パターンの中心やピークと合致していると重ね合わせることで得られる合成像や合成露光パターンの対称性が良く、良好な合成像や合成露光パターンが得られるが、そうであってもなくても、このレジストにおける合成露光パターン即ち合計の露光量分布は、図10(B)の下部のグラフのようになるが、現像後は周期パターン露光の露光パタ−ンは消失して、最終的に10(B)の上部に示す通常露光によるリソグラフィーパタ−ンのみが形成される。
【0078】
また、図11(A)に示す露光パターンのように図7の露光パターンの3倍の線幅の高コントラストで解像できる露光パターンが生じる回路パターンの場合も、図示はしないが図7の露光パターンの4倍以上の線幅の露光パターンが生じる回路パターンの場合も、図10の場合と同じで、二重露光をしても現像後は通常露光によるリソグラフィーパターンのみが形成される(図10(B)参照)。従って図7の露光パターンと図8や図9の露光パターンとが生じるような線幅が異なる複数のパターンを有するマスクによる通常露光と周期パターン露光との二重露光においても、最終的に得られるリソグラフィーパターンは、その線幅を含めてマスクの回路パターンに対応する形で正しく規定でき、例えば投影露光で実現できる様々なリソグラフィーパタ−ンが、本実施形態の二重露光法により形成可能である。
【0079】
以上説明した高コントラストの像より成る周期パターン露光と最小線幅のパターンに対応する低コントラストの像を含む通常露光の夫々による露光量分布(絶対値及び分布)と感光基板のレジストのしきい値Ethの調整を行っておくことにより、図8、図9(B)、図10(B)、及び図11(B)で示したような多種のパターンの組み合せより成り且つ最小線幅(解像度)が単純な周期パターン露光のものと同程度(図9(B)のパターン)となる回路パタ−ンをウエハ上に形成することができる。
【0080】
以上本実施形態の二重露光の特徴をまとめると、
1. 通常露光をしない領域にある最大露光量がレジストの露光しきい値Eth以下の、周期パターン露光による露光パタ−ンは現像により消失する。
2. レジストの露光しきい値Eth以下の露光量がレジストに供給される、通常露光の露光パタ−ン領域(露光領域)に関しては、通常露光と周期パターン露光の各露光パタ−ンの組み合わせにより決まる周期パターン露光の露光パターンと同じ解像度を持つ露光パタ−ンが形成される。
3. レジストの露光しきい値Eth以上の露光量がレジストに供給される、通常露光の露光パタ−ン領域(露光領域)は、通常露光と周期パターン露光の各露光パターンの組み合わせにより決まる、通常露光の露光パターンと同じ解像度をもつ露光パターンが形成される。
ということになる。
【0081】
更に本実施形態の二重露光方法の利点として,最も高い解像力が要求される周期パターン露光を位相シフト型レチクル等を用いた2光束干渉露光で行なえば、通常の投影露光による周期パターンの結像に比して、はるかに大きい焦点深度が得られることが挙げられる。
【0082】
以上の説明では周期パターン露光と通常露光の順番は、周期パターン露光を先としたが、逆或いは同時でも良い。
【0083】
次に本発明の露光方法の具体例を第2の実施形態として説明する。
【0084】
本実施形態は露光により得られる回路パタ−ン(リソグラフィーパターン)として、図12に示す所謂ゲートパタ−ンを対象としている。従って通常露光に用いるマスクには図12のパターンと相似の回路パターンが描かれる。
【0085】
図12のゲートパタ−ンは横方向の即ち図中A-A'方向の最小線幅が0.1μmであるのに対して、縦方向では、線幅は装置の通常露光による解像力の範囲内である、0.2μm以上である。本発明によれば、このような横方向のみの1次元方向にのみ高解像度を求められる最小線幅パターンSをもつ2次元パタ−ンに対しては例えば2光束干渉露光による周期パターン露光をかかる高解像度の必要な1次元方向のみで行う。尚、図中Bは相対的に線幅が大きいパターンを示す。
【0086】
図13を用いて、本第2の実施形態における1次元の周期パターン露光と通常露光だけでは解像できないゲートパターンによる通常露光とから成る、同一露光波長での二重露光の様子を説明する。
【0087】
図13において、図13(A)は1次元方向のみに繰り返しパターンが生じる2光束干渉露光による周期的な露光パタ−ンを示す平面図である。この露光パターンの周期は0.2μmであり、この露光パターンはラインとスペースのそれぞれの線幅が0.1μmのラインアンドスペースパターンに相当する。図13の下部における数値はレジストにおける露光量を表すものである。
【0088】
このような2光束干渉による周期パターン露光を実現する露光装置としては、図12で示すような、レ−ザ151、ハ−フミラ−152、平面ミラ−153、を備えるによる干渉計型の分波合波光学系を備えるものや、図16の模式図で一部を示す投影露光装置において、マスクと照明光を図17又は図18のように構成した装置がある。勿論、図16〜18が示す露光装置は通常露光に利用できる。
【0089】
まず図2の露光装置について説明を行なう。
【0090】
図2の露光装置では、前述した通り、合波する2光束の夫々が入射角度θでウエハ154に斜入射し、ウエハ154のレジスト上に干渉縞(像)が形成できる。ウエハ154に形成できる干渉縞の線幅は前記(3)式で表される。角度θと分波合波光学系の像面側のNAとの関係はNA=sinθである。角度θは一対の平面ミラ−153の夫々の角度を変えることにより任意に調整可能で、一対の平面ミラー角度θの値を大きく設定すれば干渉縞パタ−ンの夫々の縞の線幅は小さくなる。例えば2光束の波長(露光波長)が248nm(KrFエキシマレーザー)の場合、θ=38度でも明暗各縞の線幅が約0.1μmの干渉縞が形成できる。尚、この時のNA=sinθ=0.62である。角度θを38度よりも大きく設定すれば、更に細かい線幅の干渉縞が形成できるからより高い解像度が得られることは言うまでもない。
【0091】
次に図16〜18で示す露光装置に関して説明する。
【0092】
図16の露光装置はレチクルの回路パターンをウエハに縮小投影する縮小投影光学系(多数枚のレンズより成る)を用いたステップ&リピート型やステップ&スキャン型投影露光装置であり、この種の現状で露光波長248nmに対して像側のNA0.6以上のものが存在する。
【0093】
図16中、161はマスク(レチクル)、162はマスク161から出て光学系163に入射する物体側露光光、163は投影光学系、164は開口絞り、165は投影光学系163から出てウエハ166に入射する像側露光光、166は感光基板であるウエハを示し、167は、絞り164の円形開口に相当する瞳面での2光束の位置を一対の黒点で示した説明図である。図16は露光装置の露光モードを周期パターン露光に設定し、2光束干渉露光を行っているときの光束の状態の摸式図であり、物体側露光光162と像側露光光165は双方とも、図1の通常の投影露光とは異なり、光軸と平行な光線束が無く、2つの平行光線束だけから成っている。
【0094】
図16に示すように通常の投影露光装置において2光束干渉露光を行うためには,マスクとその照明方法を図17又は図18のように設定すればよい。以下図17と図18で表わされた3種のマスク−照明方法の組み合せ例について説明する。
【0095】
図17(A)が示すマスクはレベンソン型の位相シフトマスクを示しており、図17の左の図が示すようにこのマスクを垂直な方向から照明する。このマスクは、例えばクロムより成る遮光部171のピッチPOが(4)式で、石英より成る位相シフタ172のピッチPOSが(5)式で表わされるマスクである。
【0096】
【外1】
ここで、Mは投影光学系163の投影倍率、λは露光波長、NAは投影光学系163の像側の開口数を示す。
【0097】
一方、図17の(B)が示すマスクは、クロムより成る遮光部のないシフタエッジ型の位相シフトマスクであり、図17の左の図が示すようにこのマスクも垂直な方向から照明する。このマスクは、レベンソン型位相シフトマスクと同様に石英より成る位相シフタ181のピッチPOSを上記(5)式を満たすように構成したものである。(A),(B)のどちらのマスクも基板は石英である。
【0098】
図17(A)、(B)の夫々の位相シフトマスクを用いて2光束干渉露光を行なうには、これらのマスクに対して、σ=0(0に近い値)の所謂コヒーレント照明やσ≦0.3の小σの部分的コヒーレント照明を行なう。具体的には、マスクを照明する照明光学系の円形開口絞りを、一般のマスク用の絞り(σ≧0.6の大σの部分的コヒーレント照明用から、これら位相シフトマスク用の前記小σの絞りに交換し、マスク面に対して垂直な方向(投影光学系163の光軸に平行な方向)から照明光をマスクに照射する。
【0099】
このような位相シフトマスクへの照明を行なうと、マスクから上記垂直な方向に出る0次透過回折光は、位相シフタにより隣り合う透過光の位相差がπとなって打ち消し合うので、存在しなくなるが、±1次の透過回折光より成る2つの平行光線束がマスクから投影光学系163の光軸に対して対称に発生し、これらが図16の2個の物体側露光光165としてウエハ166上で干渉して干渉縞(像)を形成する。また2次以上の高次の回折光は投影光学系163の開口絞り164の開口に入射しないので結像には寄与しない。
【0100】
図18に示したマスクは、クロムより成る遮光部のピッチPOが、例えば、(4)式と同様の(6)式で表わされるマスクで、投影光学系163の光軸に対して角度θ。傾いた方向から照明される。
【0101】
【外2】
ここで、Mは投影光学系163の投影倍率、λは露光波長、NAは投影光学系163の像側の開口数を示す。
【0102】
図18に示すような位相シフタを有していないマスクには、1個又は2個の平行光線束による斜め方向からの照明を行なうことにより干渉縞形成用の2光束を発生させる。この場合の照明光のマスクへの入射角θ0は、例えば(7)式を満たすように設定される。理想的なケースは、光軸を含む対称面に対して対称となるように互いに逆方向にθ0傾いた一対の平行光線束によりマスクを照明する場合である。
【0103】
sinθ0=M・NA ……(7)
ここでも、Mは投影光学系163の投影倍率、NAは投影光学系163の像側の開口数を示す。
【0104】
図18が示す位相シフタを有していないマスクに対して上記(7)式を満たす平行光線束により斜入射照明を行なうと、マスクからは、光軸に対して角度θ0で直進する0次透過回折光とこの0次透過回折光の光路と投影光学系の光軸に関して対称な光路に沿って進む(光軸に対して角度−θ0で進む)-1次透過回折光との2光束が、図16の2個の物体側露光光162として生じ、この2光束が、投影光学系163の開口絞り164の開口部に入射し、クロムの繰り返しパターンを結像する。このときの像も干渉縞である。
【0105】
尚、本願においては、このような平行光線束による斜入射照明も「コヒーレント照明」として取り扱う。
【0106】
以上が投影露光装置を用いて2光束干渉露光を行う技術であり、この技術を用いて図13(A)が示す、周期的露光パターンが得られる。図1に示したような投影露光装置の照明光学系192はσ=0.6前後の部分的コヒーレント照明を行なうように構成してあるので、図1の照明光学系192の不図示のσ=0.6前後の開口絞りをσ≦0.3に対応する小σ用の開口絞りに交換可能にする等、光学系を切り換えて、投影露光装置において小σの部分的コヒーレント照明や実質的にコヒーレント照明を行なうよう構成する。
【0107】
図12及び図13が示す第2実施形態の説明に戻る。
【0108】
本実施形態では前述した2光束干渉露光による周期パターン露光の次や前に行なう、マスク投影による通常露光(例えば図1の装置でマスクに対してσ=0.6前後の部分的コヒーレント照明を行なうもの)によって図13(B)が白抜きの部分として示すゲートパタ−ンの露光を行う。図13(B)の上部には二重露光を行なう時のゲートパターン(像)と2光束干渉露光による周期パターン(像)の相対的位置関係と、投影露光されるゲートパターンのマスクでの露光量を示し、図13の下部は、通常露光によるゲートパターン像のウエハのレジストに対する露光量を、縦横0.1μmピッチの分解能でマップ化したもの、を示す。
【0109】
この投影露光によるゲートパタ−ンの像の最小線幅の部分(パターン像)は解像せず広がり、コントラストが低く、この部分の各点の露光量の値は下がる、この低コントラストパターン像による露光量を、パターン中心部とその外側のサイドの部分をそれぞれa,bで表わし、両側からのぼけ像がくるパターン像とパターン像の間の部分をCとすると、露光量は1<a<2 0<b<1 0<C<1と、パターン像中心部は大きく、両サイドは小さくなり、ゲートパターンの像の領域毎に露光量が異なる露光量分布を生じさせることになる。このようなゲートパターンが形成されたマスクを用いる二重露光の場合の各露光での露光量比は、ウエハ(レジスト)上で、例えば周期パターン露光:通常露光=1:2である。
【0110】
周期パターン露光と通常露光の組み合わせによって図12の微細回路パタ−ンであるゲートパターンが形成される様子について詳しく述べる。本実施形態においては2光束干渉露光による周期パターン露光と投影露光による通常露光の2つの露光の間には現像過程はない。従って各露光の露光パタ−ンが重なる領域での各点の露光量は加算され、加算後新たな露光パタ−ン(露光量分布)が生じる、この新露光パターンに対して現像が行なわれこととなる。新露光パターンでは、二重露光により、ゲートパターンのうち最小線幅のパターンに関する露光量分布のコントラストが改善され、後述するようにその露光量はレジストの露光しきい値を越えることになる。
【0111】
図13(C)の上部は、本実施形態の二重露光によっての図13(A)の露光パターンと図13(B)の露光パターンとを加算した結果生じる露光パターン(露光量分布)を示しており、eで示される領域の露光量は1+aで2より大きく3未満である。図13(C)の下部は、この図13(C)の上部で示す露光パタ−ンに対して現像を行った結果の凹凸パタ−ンを白色と灰色で示したものである。本実施形態ではウエハのレジストは露光しきい値が1より大きく2未満であるレジストを用いており、そのため現像によって露光量が1より大きい部分のみが凹凸パターンとして現れている。図13(C)の下部に灰色で示したパタ−ンの形状と寸法は図12に示したゲートパタ−ンの形状と寸法と一致しており、本実施形態の露光方法によって、0.1μmといった微細な線幅を有する互いに線幅が異なる複数のパターンB,Cを備える回路パターンであるところのゲートパターンが、例えば、同一露光光(同一露光波長)で、2種類のマスクの切り換えと大σの部分的コヒーレント照明と、コヒーレント照明或いは小σの部分的コヒーレントとが切換え可能な照明光学系を有する投影露光装置を用いて先に説明した二重露光を行なうことにより、形成可能となった。
【0112】
図14、図15は波長λ=248nmのレーザ光を放射するKrFエキシマレーザを光源とするステッパー(投影露光装置)を用いて第2の実施形態の2重露光を行なった時の具体的な実施例を示す図である。図14に示すような、最小線幅0.12μmのゲートパターンの像でウエハのレジストを露光した語、現像せずに、このレジストのゲートパターン像露光位置に重ねて、レベンソンタイプの位相シフトマスクにより、干渉縞の明部がゲートパターンのうちの最小線幅のパターンの像と重なるように高コントラストの干渉縞像を露光したものである。以下にこの具体例の露光条件を示す。
【0113】
投影レンズのNAは0.3、照明系は、レベンソンタイプの位相シフトマスクを用いる周期パターン露光ではσが0.3の垂直照明とし、ゲートパターンを有するマスクを用いる通常露光では、リングの外側の径でのσが0.8、リングの内側の径でのσが0.6の輪帯照明が行なえる輪帯状2次光源(オプティカルインテグレータの射出面又は近くでの光源)からの光により斜め方向から照明することとした。リングの外側の径は少なくとも0.8、リングの幅は少なくとも0.2が好ましく、最小線幅及び他の線幅に応じて、各々の値を決める。尚、通常露光時の露光量が周期パターン露光時の露光量の2倍になるように露光量を設定した。
【0114】
図15において、等高線を使って最上段には周期パターン露光時の干渉縞(像)によるウエハのレジストの露光量分布、2段目には通常露光時のゲートパターン像によるレジストの露光量分布、3段目には周期パターンと投影露光の二重露光における露光量分布、4段目には現像後のレジストによるウエハ上の凹凸パターン(レジストパターン)を示す。
【0115】
各段ともウエハの投影光学系のピント位置0.0μmとこのピント位置からのデフォーカス量が、0.0.2μmと0.4μmとの3つ場合について露光量分布と凹凸パターンを描いている。
【0116】
図15の2段目に表わされているように、一回の投影露光のみではぼけてコントラストの高い微細なゲートのパターン像が得られないが、図15の1段目の周期パターンの高コントラスト像をレジストの投影露光の露光位置に重ねることにより、図15の3段目に表わされるようにゲートパターン像の微細な部分(最小線幅のパターンSの像)もコントラストが向上して解像され、実際に、図15の4段目にあるような所望のゲートパターンに対応する凹凸パターンが作成できた。
【0117】
図19は本発明の多重露光方法における周期パターン露光を行なえる2光束干渉露光用の露光装置の一例を示す概略図であり、図19において、201は2光束干渉用の分波&合波光学系で、基本構成は図2の光学系と同じである。202は、KrFエキシマレーザ(波長約248nm)又はArFエキシマレーザー(波長約193nm)、203はハーフミラー、204は平面ミラー、205は光学系201との位置関係が、完全に固定又は適宜ベースライン(長さ)として検出できる、オフアクシス型の位置合わせ光学系で、オートアライメントの為に、ウエハ206上の位置合わせマーク209を観察し、その位置を検出する。207は光学系201の光軸208に直交するX−Y平面に沿って自由に及びこの光軸方向(Z方向)に移動可能なXYZステージで、不図示のレーザー干渉計等を用いてそのX,Y二方向の位置が正確に制御される。装置205と207の構成や機能は周知なので具体的な説明は略す。
【0118】
図20は本発明の多重露光方法を実施できる、周期パターン露光を行なうための2光束干渉用露光装置と通常露光を行なうため投影露光装置より成る高解像度露光システムを示す概略図である。
【0119】
図20において、212は図19の光学系201、205を備える2光束干渉露光装置であり、213は、不図示の照明光学系とレチクル位置合わせ光学系214、ウエハの位置合わせのためのオフアクシス位置合わせ光学系217とマスク215の例えば図14に示すような回路パターンをウエハ218上に縮小投影する投影光学系216とを備える通常の投影露光装置である。装置213の不図示の照明光学系は第2の実施形態で用いた投影露光装置と同じく、大σの照明が可能であり、ここでもリングの内径のσ=0.6でリングの外径のσ=0.8の輪帯状照明が行なえる系とする。
【0120】
レチクル位置合わせ光学系214は、オートアライメントの為に、マスク215上の位置合わせマーク220を観察し、その位置を検出する。ウエハ位置合わせ光学系217は、オートアライメントの為に、ウエハ206上の投影露光用又は2光束干渉と兼用の位置合わせマーク209を観察し、その位置を検出する。光学系214、216、217の構成や機能は周知なので、具体的な説明は略す。
【0121】
図20の219は2光束干渉用露光装置212と投影露光装置213で共用される一つのXYZステージであり、このステージ219は、装置212、213の各光軸208、221に直交する平面内で自由に及びこの光軸方向に移動可能で、レーザー干渉計等を用いてそのXY方向の位置が正確に制御される。
【0122】
ウエハ218を保持したステージ219は、図20の位置(1)に送り込まれてウエハ218の位置が正確に測定され、測定結果に基いて位置(2)で示す装置212の露光位置にウエハ218が送り込まれてウエハ218へ2光束干渉露光(周期パターン露光)が行なわれ、その後、位置(3)に送り込まれてウエハ218の位置が正確に測定され、位置(4)で示す装置213の露光位置に送り込まれてウエハ218へ投影露光(通常露光)が行なわれる。
【0123】
装置213においては、オフアクシスの位置合わせ光学系217の代わりに、投影光学系216を介してウエハ218上の位置合わせマークを観察し、その位置を検出する不図示のTTLの位置合わせ光学系や、投影光学系216とマスク215とを介してウエハ218上の位置合わせマークを観察し、その位置を検出する不図示のTTRの位置合わせ光学系も使用できる。
【0124】
図21は本発明の露光方法が実施できる、周期パターン露光(高コントラスト投影露光)と通常の投影露光(低コントラスト像、又は低、高コントラスト像混在投影露光)の双方が行なえる高解像度露光装置を示す概略図である。
【0125】
図21において、221はKrFエキシマレーザ(波長約248nm)又はArFエキシマレーザ(波長約193nm)、222は照明光学系、223はマスク、224はマスクステージ、227はマスク223の回路パターンをウエハ228上に縮小投影する投影光学系、225はマスク(レチクル)チェンジャであり、ステージ224に、例えば図14に示すような回路パターンが描かれたマスクと、前述したレベンソン型位相シフトマスク又はエッジシフタ型マスク又は位相シフタを有していない周期パターンマスク等の、回路パターンが描かれていない、周期パターンレチクルとの、一方を選択的に供給するために設けてある。尚、周期パターンレチクルは、周期パターンとは異なる場所にある種の回路パターンが描かれていてもいい。
【0126】
図21の229は2光束干渉露光による周期パターン露光と投影露光による通常露光で共用される一つのXYZステージであり、このステージ229は、光学系227の光軸に直交する平面に沿って自由に及びこの光軸方向に移動可能で、不図示のレーザー干渉計等を用いてそのX、Y方向の位置が正確に制御される。
【0127】
また、図21の装置は、不図示のレチクル位置合わせ光学系、図20で説明したオフアクシス位置合わせ光学系217を備えており、この他に不図示のTTL位置合わせ光学系とTTR位置合わせ光学系も備え、これらの位置合わせ光学系を用いてマスク223とウエハ228の各ショットエリアとの位置合せを行なう。
【0128】
図21の装置の照明光学系222は大σの部分的コヒーレント照明と小σの部分的コヒーレント照明或いはコヒーレント照明とを切換え可能に構成してあり、コヒーレント照明の場合にはブロック230内に図示した、図17と図18を用いて前述した(1a)又は(1b)の照明光を、小σの部分的コヒーレント照明の場合にはブロック230内の(1c)の前述した照明光を、前述したレベンソン型位相シフトマスク又はエッジシフタ型マスク又は位相シフタを有していない周期的クロムパターンマスクの一つに供給し、大σの部分的コヒーレント照明の場合にはブロック230内に図示した(2)の照明光を所望の回路パターンが描かれたマスクに供給する。大σの部分的コヒーレント照明から小σ部分的コヒーレント照明への切換えは、照明光学系222のフライアイレンズの直後通常に置かれる開口径が大きな絞りを、この絞りに比して開口径が十分に小さいコヒーレント照明用絞りと交換すればいい。尚大σはσ≧0.6,小σはσ≦0.3である。尚、ブロック230内の(2)の照明光の代りに、前述した輪帯状照明光を用いることもできる。
【0129】
以上説明した露光方法及び露光装置を用いてIC,LSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素子、CCD等の撮像素子といった各種デバイスの製造が可能である。
【0130】
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々に変更することが可能である。特に2光束干渉露光などの周期パターン露光および通常露光での露光回数や露光量の段数は適宜選択することが可能であり、更に露光パターンの重ね合わせも、わざと若干ずらして行う、等適宜調整することが可能である。このようなことを行うことで形成可能な回路パタ−ンにバリエ−ションが増える。
【0131】
図22〜図26は本発明の露光方法の第3の実施形態の説明図である。図22は第3の実施形態の露光方法を示すフローチャートである。図22には本発明の露光方法を構成する高コントラスト像露光ステップ、通常露光ステップ(例えば投影露光により実施される)、現像ステップの各ブロックとその流れが示してある。同図の高コントラスト像露光と通常露光の順序は、実際は、逆でも同時でもいいし、どちらか一方の露光が複数回の露光ステップを含む2を越える回数の多重露光の場合は高コントラスト像露光と通常露光の各露光ステップを交互に行うことも可能である。また、各露光間には.精密な位置合わせを行なうステップ等があるが、ここでは図示を略した。遮光部のない位相型マスクにより高コントラスト像露光を行なうとして、図22のフローに従って露光を行う場合、まずウエハのレジストを高コントラスト像で露光できる図23(A)に示すようなマスクMで露光する。1は石英より成る基板で、2は石英より成る位相シフト部である。
【0132】
図23(A)は遮光部を介さず隣接する二領域間を通過する光束に位相差を与える位相型マスクMの一例を表わし、マスクパターンとして他の周囲の領域を通過する光に比べてそこを通過する光の位相が180°(±30°)変化する厚さの位相シフト部2を用いている。図23(B)は例えば図21の投影露光装置により図23(A)の位相型マスクMのパターン2をウエハ上に投影してレジストを露光したときの露光量分布を示す。投影光学系の縮小倍率を考慮して仮に位相シフト部2を図23(B)のウエハでの露光量分布と重ねて考えてみると、露光量分布は、シフト部2の中心に極大値を持ち、シフト部2のエッジ部に相当する位置に極小値を持つ分布である。シフト部2の線幅L2を投影光学系のNAで決まる解像限界付近とすれば、中心部の極大値をもつ部分の露光量分布は図23(B)のように正弦波に近い分布となる。尚、露光量分布全体の両サイドに次の周期の強度分布に相当する若干の落ち込みが生じる。
【0133】
このような位相シフト部2のパターンだけを露光後レジストを現像した場合、図23(B)に示すようにウエハのレジストのしきい値Ethを設定すれば、ポジ型レジスト(以下、「ポジ型」と記す。)を用いれば、図23(C)のような2ラインの凸部をもつレジストパターンが出来、ネガ型レジスト(以下、「ネガ型」配す。)を用いれば、図23(D)のように2ラインの凹部をもつレジストパターンが形成される。
【0134】
本実施形態においては、図23(B)で示した露光感度設定(露光しきい値Eth)とは異なり、図23(E)に示す通り、高コントラスト像露光での中心露光量を1としたとき、被露光基板であるウエハのレジストの露光しきい値Ethを1よりも大きく設定している。この場合は図23(A)に示す位相シフト部2のパターンの露光のみ行った露光パターン(露光量分布)は露光量が不足するので、現像した場合は、多少の膜厚変動はあるものの、膜厚が0となる部分は生じず、エッチングによってウエハ上にリソグラフィーパターン(凹凸パターン)は形成されない。これは即ちパターンの消失と見做すことができる。
【0135】
この時の、ポジ型を用いたときの現像の結果は図23(F)、ネガ型を用いたときの現像の結果は図2(G)となる。
【0136】
本実施形態の特徴は、レジストの露光しきい値Ethとの関係で、そのパターン(像)の露光のみでは消失する高解像度&高コントラストの露光パターンと通常の投影露光装置の分解能以下の大きさの低コントラストの(その露光だけでは、解像できない)パターンを含む互いに線幅が異なる複数のパターンを有する任意の形状の露光パターンとを融合する二重露光を行なうことにより、レジストの所望の領域のみレジストの露光しきい値Eth以上の露光量で露光を行ない、最終的に、前記任意形状の露光パターン(マスクパターン)に対応するリソグラフィーパターンを形成できるところにある。
【0137】
図24で孤立ラインのパターン(像)の露光方法について説明する。図24(A)は図23(A)で説明した位相型マスクMのマスクパターン、図24(B)は図22の高コントラスト像露光ステップとして、この位相マスクMの投影露光が行なわれたウエハのレジストでの露光量分布を示している。
【0138】
図24(C)は図22の通常露光ステップに対応する投影露光を行なう回路パターンが形成されたマスクMaを示し、このマスクMaの回路パターンは投影露光装置の分解能以下の微細なパターンである為、線幅LXでパターンの解像ができずにウエハー上でのパターン像の強度分布は図24(D)のようにぼけて広がっており、コントラストが低い。このような低コントラストの像による露光では、レジストの露光量分布も図24(D)に示す分布となり、仮に露光しきい値Ethが露光量E2より低くても、マスクMaの開口の線幅LXに対応する線幅をもつ微細な凸や凹のレジストパターンはできない。
【0139】
本実施形態では、マスクMaの微細パターンの線幅LXを、投影露光装置が解像できる線幅(解像度)の約半分の線幅としている。
【0140】
尚、このマスクMaの微細パターンの線幅は、投影露光装置の解像度の1/2〜1/4であっても良い。
【0141】
図24(C)のマスクMaの微細な開口パターンでレジストを露光する通常露光を、図24(A)の位相マスクMを用いた高コントラスト像の露光の後に、現像工程なしで、同一露光波長で、別のマスクを用いて、同一レジストの同一領域に重ねて行ったとすると、この二重露光によるこのレジストの合計の露光量分布は、図24(B)の分布に図24(D)の分布を加えた図24(E)のような分布になる。尚、ここでマスクMの位相シフト部2による高コントラスト像露光の露光量E1 とマスクMaの開口パターンの通常露光の露光量E2 の比がl:1、レジストの露光しきい値Ethが露光量E1 (=1)と、露光量E1 及び露光量E2 の和(=2)との間に設定している。
【0142】
この為、ポジ型レジストを用いれば、現像後、図24(F)のようなリソグラフィーパターンが得られ、ネガ型レジストを用いれば、現像後、図24(G)のようなリソグラフィーパターンが得られる。このとき、レジストにおいて図24(A)の位相マスクMによる露光パターン中心と、図24(C)のマスクMaのパターンによる露光パターンの極値致位置(ピーク)とを合致させる形で2重露光を行なうのが良い。
【0143】
図24(F),(G)に示す、本実施形態の二重露光により得られる孤立線のリソグラフィーパターンは、解像度が位相型マスクMによる露光のものであり、且つ不要なパターンもない。従って通常の投影露光装置で実現できる解像度以上の高解像度の回路パターンが得られたことになる。
【0144】
以下、高コントラスト像(高コントラスト露光パターン)を遮光膜なしの位相型マスクMで作成するときの位相シフト部のいくつかの構成と各構成に対応するウエハ(レジスト)における露光量分布とを整理して図25に示す。図25においても斜線で示す部分が位相シフト部2である。
【0145】
図25(A)は単一エッジのみの場合のマスク断面構造を示し、ウエハ上では図25(B)のような露光量分布を持つ。これは黒い縞1本のパターンに対応する。図25(C)は上述の孤立パターンの場合のマスクMの断面構造を示し、図25(D)た示すような黒い縞2本、この間の白い縞1本のパターンに対応にする露光量分布をウエハのレジスト上に形成する。図25(E)は黒い縞3本、これらの間の白い縞2本のパターンに対応する露光量分布を形成する位相シフト部を持つマスクMの断面構造を示し、ウエハのレジストで図25(F)のような露光量分布を得る。図25(G)はさらに本数を増やした場合で黒い縞4本、これらの間の白い縞3本のパターンに対応する露光量分布を形成するマスクMの断面構造を示し、図25(H)はそのときのウエハ上の露光量分布である。
【0146】
本実施形態では、ウエハに高γのレジストを用い、位相マスクMの位相シフト部のパターンによりウエハーのレジストを高コントラスト像で露光後、解像不可能な微細線幅(例えばL&S)のパターンを含む複数の線幅が異なるパターンをもつ一マスクパターンでこのレジストの高コントラスト像と同一露光位置を同一露光波長で通常露光し、この二重露光したウエハを所定の露光しきい値Ethで現像処理して、前記マスクパターンに対応する、微細な線幅のパターンを含む回路パターンを形成している。尚、図24(B),(D)が示す露光量分布の最大露光量は露光しきい値を越えない。
【0147】
以上の本実施形態の二重露光方法の原理をまとめると、
1. 通常露光をしない領域にある、最大露光量がレジストの露光しきい値Eth以下の、高コントラスト像露光による露光パタ−ンは現像により消失する。
2. レジストの露光しきい値Eth以下の露光量がレジストに供給される、通常露光の露光パタ−ン領域(露光領域)に関しては、通常露光と高コントラスト像露光の各露光パタ−ンの組み合わせにより決まる、高コントラスト像露光の露光パターンと同じ解像度を持つ露光パタ−ンが形成される。
3. レジストの露光しきい値Eth以上の露光量がレジストに供給される、通常露光の露光パタ−ン領域(露光領域)は、通常露光と周期パターン露光の各露光パターンの組み合わせにより決まる、通常露光の露光パターンと同じ解像度をもつ露光パターンが形成される。
ということになる。更に本二重露光の利点として、最も解像力の高い露光パターンに対して通常の露光に比してはるかに大きい焦点深度が得られることが挙げられる。
【0148】
以上の高コントラスト像露光と、低コントラスト像と高コントラスト像とを含むマスクパターン像による通常露光の順番は、高コントラスト像露光を先としたが、逆でも同時でも良い。
【0149】
次にコンタクトホール等、2次元の孤立パターンをウエハ上に形成する場合の実施形態を示す。図26は2次元孤立パターンの作成の状況を示す説明図である。
【0150】
図26(A)は下地となる高コントラスト像を作成するための位相型マスクMを上から見た平面図と、ウエハのレジストの露光量の分布を示す。図26(A)中で斜線で示す部分2が通過する光の位相を他の領域を通過する光に比べて180°変えて位相シフト部2である。位相が変化している位相シフト部2のエッジ部付近で露光量が低下する。このエッジ部より外側の露光量低下領域を網点で示し、このエッジ部より内側の露光量低下領域をを四角の実線で、マスクMに重ねて示した。
【0151】
高コントラスト像を作る位相型マスクMと、低コントラスト像と高コントラスト像が生じる互いに線幅が異なる複数のパターンより成る回路パターンをもつマスクMaの、一部の断面及び露光量分布に関し、X軸方向については図26の左側に、Y軸方向については図26の右側に示した。マスクMのX方向とY方向の断面図を図26(B)に示し、マスクMで高コントラスト像露光したときのレジストでのX,Y方向の各断面の露光量分布を図26(C)に示す。マスクMの位相シフト部2(パターン)はY軸方向の幅はX軸方向の幅に比べて大きくしてあるのでY方向の断面での露光量分布はX軸方向の断面での露光量分布ををそのまま引き伸ばした形となっている。
【0152】
図26(D)は通常露光時に投影されるマスクMaの開口のX軸、Y軸方向の断面を示しており、開口の寸法LX,LYを示してある。このLX,LYが露光装置の解像度以下の値であるため、このマスクMaの開口パターンは通常の露光だけでは解像しない。従って開口パターンMaの像はぼけ、レジストでの露光量分布は図26(E)のようにX軸、Y軸両方向の断面で広がったものとなる。2つのマスクM,Maによる各露光での露光量分布を足し合わした合計露光量分布は図26(C)の分布と図26(E)分布とを加え合わせた図26(F)のような分布になる。露光しきい値Ethを図26(F)で示すように設定すれば、ポジ型レジスト使用時の現像後のレジストパターンは図26(G)のようになり、又、ネガ型レジスト使用時の現像後のレジストパターンは図26(H)のようになり、通常の投影露光では得られない微細な孤立パターンが形成できる。尚、図26(C),(E)に示される露光量分布の最大露光量が露光しきい値Ethを越えない。
【0153】
次に本発明の他の実施形態を説明する。本実施形態は露光により得られる回路パターン(リソグラフィーパターン)として、図12に示すゲートパターンを対象としている。
【0154】
もう一度説明すると、図12のゲートパターンは横方向の、即ち図中A−A′方向の最小線幅が0.1μmであるのに対して、縦方向では最小線幅が0.2μmである。本実施形態によれば、このようなA−A′方向の1方向のみ高解像度が求められる2次元パターンに対しては高コントラスト像の露光をかかる高解像度が必要な1方向に着目して行えばいい。
【0155】
図27〜図29を用いて、高コントラスト像をゲートパターンの開口部(図中白抜き部)に重ねて露光する二重露光について説明する。
【0156】
まず、下地として、高コントラスト像を、ゲートパターンの露光パターンに露光量を多く与える露光パターンを形成するものとしてレジストに投影してレジストを露光する場合を示す。
【0157】
図27は高コントラスト像で露光する場合を左側の(A),(B),(C)に、ゲートパターンで露光する場合を右側の(D),(E),(F)に示す。
【0158】
図27(A)は高コントラスト像を作成するための位相型マスクMの平面図と、それでレジストを露光する時の露光量の分布を示す。斜線で示す部分2が他の領域の透過光に比べて透過光の位相を180°変えてある位相シフト部である。位相が変化しているエッジ部付近で露光量が低下する。エッジ部より外側の露光量低下領域を網点で示し、エッジ部より内側の露光量低下領域を四角の実線でマスクMに重ねて示した。位相型マスクMの断面図を図27(B)に示し、マスクMでレジストを高コントラスト像露光したときの露光量分布を図27(C)に示す。
【0159】
図27(D)は通常露光時に用いられるゲートパターンを有するマスクMaを示し、その中央のA−A′断面図が図27(E)である。図27(E)のマスクMaの2つの開口の幅LXは一回の投影露光のみでは解像せず2つの開口像がぼけるので、マスクMaの投影露光によるレジストの露光量分布は図27(F)のように広がったものとなる。
【0160】
しかしながら二重露光の結果である、マスクMとマスクMaのそれぞれの露光量分布の合計露光量分布は図28(A)のようになる。レジストの露光しきい値Ethを図28(A)で示すように設定すれば、ポジ型レジスト使用時の現像後のレジストパターンは図28(B)のように得られる。尚、図27(C),(E)が示す露光量分布の最大露光量は、露光しきい値Ethを越えない。
【0161】
又、ネガレジスト使用時の現像後のレジストパターンは図28(C)のようになる。
【0162】
ゲートパターンの中央部にある最小線幅を有するパターンに着目して、二重露光の状況を説明したが、以下ゲートパターン全体の二重露光の状況を図29をもとに説明する。
【0163】
図29において、図29(A)はマスクMの投影露光による高コントラスト像露光で生じる露光パターン(露光量分布)を示す。この露光パターンの周期は0.2μmであり、この露光パターンは線幅0.1μmL&Sパターンに相当する。図32の下部における数値はレジストでの露光量を表すものである。
【0164】
本実施形態では前述した高コントラスト像露光の次に行なう通常露光(例えば図21の装置でマスクに対して大σの部分的コヒーレント照明を行なうもの)によって図29(B)が白抜きで示すゲートパターンの投影露光を行う。図29(B)の上部にはマスクMaのゲートパターンによる露光パターンとマスクMによる露光パターンの相対的位置関係とゲートパターンの投影露光時のマスク上での露光量を示し、図29(B)の下部は、ゲートパターンの投影露光によるウエハのレジストに対する露光量を縦横0.1μmピッチの分解能でマップ化したものである。
【0165】
このマスクMaのゲートパターンの像の最小線幅の部分(パターン像)は解像せず広がり従って低コントラストとなるので、この部分の各点の露光量の値は下がる。この低コントラストパターン像露光量をパターン像中心部とその外側のサイドの部分をそれぞれa,bで表わし、両側からのぼけ像が重なるパターン像とパターン像の間の部分をCとすると、1<a<2 0<b<1 0<C<1と、中心部は大きく両サイドは小さくなる。マスクM,Maを用いる場合の各マスクによる露光でのレジストへの露光量比はマスクMによる高コントラスト像の露光:マスクMaのゲートパターン像露光=1:2である。
【0166】
高コントラスト像露光とそれだけの露光では低コントラストとなり解像されないパターンをもつゲートパターンの通常露光とによる二重露光によって図12の微細ゲートパターンが形成される様子について述べる。本実施形態においては高コントラスト像露光とゲートパターン像による通常露光の間には現像過程はなく、各露光の露光波長は互いに同じである。従って各露光の露光パターンが重なる領域での露光量は加算され、加算後の露光量により新たな露光パターン(露光量分布)が生じることとなる。
【0167】
図29(C)の上部は本実施形態の図29(A)の露光パターンと図29(B)の露光パターンを加算した結果生じる露光パターン(露光量分布)を示しており、eで示される領域の露光量は1+aとなり、2より大きく3未満である。図29(C)の下部はこの露光パターンに対して現像を行った結果のリソグラフィーパターンを灰色で示したものである。本実施形態ではウェハのレジストは露光しきい値Ethが1より大きいく2未満であるものを用いており、そのため現像によって露光量が1より大きい部分のみがパターンとして現れている。
【0168】
図29(C)の下部に灰色で示したパターンの形状と寸法は図12に示したゲートパターンの形状と寸法と一致しており、本実施形態の露光方法によって、0.1μmといった微細な線幅を有する回路パターンが投影露光装置を用いて、形成可能となっている。
【0169】
次の実施形態では、図30〜32を用いて、下地としての高コントラスト像を、ゲートパターンの黒露光パターンに露光量を少なく与える露光パターンを形成するようにレジストに投影してレジストを露光する場合を示す。
【0170】
図30は高コントラスト像で露光する場合を左側の(A),(B),(C)に、ゲートパターンで露光する場合を右側の(D),(E),(F)に示す。
【0171】
図30(A)は高コントラスト像を作成するための位相型マスクMの平面図と、それでレジストを露光する時の露光量の分布を示す。斜線で示す部分が他の領域の透過光に比べて透過光の位相を180°変えてある位相シフト部2である。位相が変化しているエッジ部付近で露光量が低下する。エッジ部より外側の露光量低下領域を網点で示し、エッジ部より内側の露光量低下領域を四角の実線でマスクMに重ねて示した。位相型マスクMの断面図を図30(B)に示し、マスクMでレジストを露光したときの露光量分布を図30(C)に示す。
【0172】
図30(D)は通常露光時に用いるゲートパターンを有するマスクMaを示し、その中央のA−A′断面図が図30(E)である。マスクMaの中央部の2つの微細線のパターンは一回の投影露光では解像しない為、像はぼけて低コントラストとなり、その像によるレジストの露光量分布は図30(F)のように広がったものとなる。
【0173】
このマスクMの位相シフト部の投影による高コントラスト像露光とマスクMaゲートパターン像の投影による通常露光とで二重露光することで得られるレジストの総露光量分布は図31(A)のようになる。レジストの露光しきい値Ethを図31(A)で示すように設定すれば、ポジ型レジスト使用時の現像後のレジストパターンは図31(B)のように得られる。又、ネガ型レジスト使用時の現像後のレジストパターンは図31(C)のようになる。
【0174】
以上ゲートパターンの中央部に着目して、露光の状況を説明したが、以下、にゲートパターン全体の二重露光の状況を図32(A)〜(C)をもとに説明する。
【0175】
本実施形態の高コントラスト像又はそれによる露光パターンの周期は0.2μmであり、この像又は露光パターンは線幅0.1μmL&Sパターンに相当する。図32(A)〜(C)の下部における数値はレジストでの露光量を表わすものである。
【0176】
本実施形態では前述したマスクMの高コントラスト像の投影露光(例えば図21の装置でマスクMに対して部分的コヒーレント照明を行ない投影するもの)の次に(後、同時も可)行うマスクMaのゲートパターン像の投影露光(例えば図21の装置でマスクMaに対して大σの部分的コヒーレント照明を行い投影するもの)によって図32(B)が示すゲートパターンの露光を行う。図32(B)の上部にはマスクMによる高コントラスト像パターンとのマスクMaによるゲートパターン像の相対的位置関係を示し、同図の下部は、マスクMaのゲートパターン像の一回の投影露光によるウエハのレジストに対する露光量を縦横0.1μmピッチの分解能でマップ化したものである。
【0177】
このゲートパターン像の投影露光による露光パターンの最小線幅の部分は解像せず広がり、露光量の各点の値は下がって低コントラストとなる。露光パターンの各領域の露光量はおおまかに、パターン中心部は小さく、両サイドは大きい。ここで、中心部と両サイドの露光量をそれぞれf,gで表わし、両側のぼけ像が重なる中央部の露光量をhとすると、0<f<1 1<g<2 1<h<2となる。このよう解像できない線幅をもつゲートパターン像による露光パターンは領域毎に露光量が異なる、多値の露光量分布を生じさせることになる。
【0178】
このマスクM,Maを用いる場合の各露光での露光量比はウエハのレジスト上で、マスクMの高コントラスト像の露光:マスクMaのゲートパターン像露光=1:2である。
【0179】
以上説明した高コントラスト像投影露光とゲートパターン像投影露光の二重露光によって図14の微細回路パターンが形成される様子について述べる。本実施形態においては高コントラスト像露光とゲートパターン像露光の間には現像過程はない。従って各露光の露光パターンが重なる領域での露光量は加算され、加算後の露光量により新たな露光パターン(露光量分布)が生じることとなる。
【0180】
図32(C)の上部は本実施形態の図32(A)の露光パターンと図32(B)の露光パターンを加算した結果生じる露光パターン(露光量分布)を示しており、i,jで示される領域の露光量は1+i,1+jでそれぞれ2より大きく3未満である。
【0181】
図32(C)の下部はこの露光パターンに対して現像を行った結果のパターンを灰色で示したものである。本実施形態ではウエハのレジストは露光しきい値が1より大きく2未満であるものを用いており、そのため現像によって露光量が2より小さい部分のみがパターンとして現われている。図32(C)の下部に灰色で示したパターンの形状と寸法は図14に示したゲートパターンの形状と寸法と一致しており、本実施形態の露光方法によって、0.1μmといった微細な線幅を有する回路パターンが、投影露光装置を用いて、形成可能としている。
【0182】
次に別の形状の回路パターンヘ本発明を適用の実施形態を示す。本実施形態の回路パターンの形は図33(B)に示されており、最小線幅が0・1μmで且つ幅の広い部分は最小線幅の2倍の0.2μmの幅をもつのパターンが2組0.1μmの間隔で配置されている。
【0183】
本実施形態では、図33〜35を用いて、高コントラスト像による露光パターンにより低コントラスト像を形成する部分を含む回路パターン像による露光パターンに露光量を多く与える場合を示す。
【0184】
図33(A)は本実施形態の二重露光に用いる高コントラスト像作成用の位相型マスクMを上から見たときのパターン形状を示す。図33(B)は本実施形態の二重露光に用いる回路パターン像(但し低コントラスト像を含む)作成用のマスクパターンMaを上から見たときのパターン形状を示す。
【0185】
図37はマスクM,Maのそれぞれによる投影露光の状況を示し、マスクMで高コントラスト像を作り露光する場合を各図の左側の(A),(B),(C)に、マスクMaの高、低コントラスト像混在の『パターン像で露光する場合を各図の右側の(D),(E),(F)に示す。
【0186】
図34(A)は高コントラスト像作成用の位相型マスクMの平面図で、斜線で示す部分そこを通過する光の位相を他の領域を通過する光の位相に比べて180°変えてある部分である。マスクMの断面図を図34(B)に示し、マスクMのパターン像を投影したときのレジストでのの露光量分布を図34(C)に示す。
【0187】
図34(D)は回路パターン像作成用のマスクMaの平面図で、投影露光時のぼけを考慮した露光量分布を模式的に示す。図34(D)の白部が露光量の大きな部分で、斜線部がぼけで広がり、光量が低下している部分である。マスクMaの中央の断面図が図34(E)である。このマスクMaによる投影露光では回路パターン像が解像しない為、像はぼけて低コントラストとなる。この露光によるレジストの、露光量分布は図34(F)のように広がったものとなる。
【0188】
このマスクMによる高コントラスト像の投影露光とマスクMaの回路パターン像の投影露光で二重露光された後のレジストでの総露光量分布は図35(A)のように模式的に表わされる。中央部の露光量分布を示したのが図35(B)である。露光しきい値Ethを図35(B)で示すように設定すれば、ポジ型レジスト使用時の現像後のレジストパターンは図35(C)のように得られる。又、ネガ型レジスト使用時の現像後のレジストパターンは図35(D)のようになる。
【0189】
このレジストパターンの平面図は図35(E)のようになり、所望の回路パターンが得られる。以上説明した実施形態の二重露光は、図20や図21で示した露光装置により行なえる。この時、露光波長は、各露光間で互いに同じである。以下の説明も露光波長は同一の場合である。
【0190】
次に以上説明した二重露光における高コントラスト像(以下周期パターンに代表させる)の露光と回路パターン像の露光における光量比と、二重露光で形成される露光パターンのコントラストについて詳しく説明する。
【0191】
図36は二光束干渉露光で形成される周期パターンより成る露光パターンを灰色部分で一回の投影露光で形成される回路パターンより成る露光パターンを黒色で示し、二重露光の相対的位置関係を表わしている。灰色部分の露光パターンが高コントラスト像の露光による高コントラスト部、黒色部分の露光パターンが低コントラスト像(回路パターン像)による低コントラスト部となる。ここでの回路パターンはバーパターンより成るもので、図36(A)が1本バー、図36,(B)が2本バー、図36(C)が3本バーのパターンである。
【0192】
図37(A)は図36(C)の三本バーパターンの像がレジストに与えるのX断面での露光量分布である。
図37(A)の露光量分布(像)のコントラストAは
【0193】
【外3】
であり、b<cの場合、コントラストはマイナス(図48参照のこと)、b=cならばコントラストはゼロである(図47参照のこと)。
【0194】
図37(A)が示す低コントラストで解像不能なパターンである3本バーパターンもこの事は先に述べた各実施形態でも繰り返し説明した。図37(B)が示す高コントラストの露光量分布(像)を形成するの周期パターンとの二重露光により図37(C)のような高コントラストで解像可能なパターンとなる露光量分布が得られる。
【0195】
さて三本バーパターン(回路パターン)による露光時と周期パターン(高コントラスト像)による露光時の露光量比を1:kとすると、
【0196】
【外4】
である。
【0197】
このときの2重露光による露光量分布のコントラストA′は
【0198】
【外5】
となる。
【0199】
ここで、レジストの解像可能なコントラストの値(コントラストしきい値)より光量比kを決定することができる。
たとえば使用するレジストのコントラストしきい値がIcだとすると
【0200】
【外6】
を満たす光量比kを決定すればよい。
【0201】
同一投影光学系の同一マスクパターンでは、b,cの値はマスクを照明する際の照明条件によって決まり、I0,I1の値は周期パターン形成方法によって決まる。
【0202】
二重露光後の露光量分布のコントラストA′は通常の回路パターンの1回露光のコントラストAよりA′−Aだけ変化している。この変化量は、(1)式と(2)式より
【0203】
【外7】
となる。ここで
【0204】
【外8】
であり、(3)式における
【0205】
【外9】
は、二光束干渉露光のによる周期パターン像やそれによる露光量分布のコントラストである。又、(3)式における
【0206】
【外10】
は、(1)と同様に回路パターン像やそれによる露光量分布のコントラストであり、限界解像以下の寸法が微細な領域では回路パターン像による露光のコントラストより二光束干渉露光のコントラストの方が大であるから
【0207】
【外11】
である。
【0208】
即ちA′−A>0であり、二重露光によって露光量分布のコントラストが増加することは明らかである。
【0209】
ここで、図36(C)で示した二重露光の場合について、光量比kを求めてみる。
【0210】
現在、最も高性能なレジストは40%コントラストで解像可能である(即ち、コントラストしきい値40%)ので、以下で、40%コントラストが得られるkの条件をA′より求めてみる。
【0211】
通常のマスクパターンはパターン部分の透過率が1、背景の透過率が0である(尚、パターン部分の透過率が0、背景の透過率が2のマスクパターンもある)。背景の透過率は必ずしもゼロでなくてもよく、位相を180°反転させて数%(多くは10%以下)の透過率をもつような、いわゆるハーフトーンであってもよい。このようなハーフトーンマスクについては後述する。
【0212】
投影光学系のウエハ側の開口数(NA)は0.60、露光波長はKrFエキシマレーザーのレーザ光のλ=248nmを用い、マスク面での三本バーパターンの幅と、周期パターンの幅は等しく、0.12μmとし、図36(C)が示すような周期パターンの像は、照明条件をσ=0.2としてレベンソン型位相シフトマスクを照明して投影することにより形成する。この周期パターン像によるレジストの露光量分布は、
【0213】
【外12】
である(図37(B)参照)。
【0214】
図36(C)が示すような3本バーパターンの像は、の照明条件をσ=0.8〜σ=0.53の範囲で照度があり且つσ=0.53以下で照度がゼロの輪帯照明でマスクを照明して投影することにより形成する。この3本バーパターン像によるレジストの露光量分布は
【0215】
【外13】
である(図37)A)参照)。
【0216】
3本バーパターンの投影露光のみでは、コントラストAは、下に示すように12%であるから
【0217】
【外14】
解像不可能である。
【0218】
周期パターン像と3本バーパターン像との二重露光後のコントラストA′が40%以上であるためには
【0219】
【外15】
なる条件を満たす必要があり、この条件式に先のI0,I1,b,cの各値を代入してkを求めると
k=1.67
となり、二重露光後のコントラストA′を40%以上にするためには、光量比kを1.67にするとよいことになる。
【0220】
k=1.67として、同条件の図36(A),(B)の場合についてパターン像は露光量分布のコントラストを計算する。図36(A)の1本バーパターンの二重露光の場合は、強度最小値cとは、強度最大値bをとるXの位置から線幅の分だけ離れた位置での強度の値とする。
【0221】
【外16】
であり、二重露光によって一本バーパターンの投影露光時のコントラスト37%から60%に、コントラストが増加している。
【0222】
図36(B)の二本バーパターンの二重露光場合の計算結果は、
【0223】
【外17】
であり、二重露光により二本バーパターンの投影露光時ののコントラスト9%から41%にコントラストが増加している。
【0224】
以上、二重露光によって、1本バー、2本バー、3本バーなどの孤立から周期性のあるパターンに関して、いずれもコントラストが40%以上に増加し、40%レジストで解像可能となった。
【0225】
このように通常の回路パターン像の投影露光と高コントラスト像を供給する周期パターン像の投影露光の二重露光により、通常解像できない限界解像以下の微細なパターン像による露光量分布のコントラストを向上させることができる。このとき回路パターンへの照明条件と周期パターンのの照明条件を適宜設定して適切な光量比kをとることにより、使用するレジストで解像可能なコントラストのレベルに達する露光量分布(二重露光によるもの)を得ることができる。
【0226】
この結果を図38に示した。
投影光学系はNA=0.60,光源にKrFエキシマレーザーを用いて露光波長はλ=248nmとした。
【0227】
図38(A)〜(C)では、上段に周期パターン像の強度分布(露光量分布)、中段にバーパターン像の強度分布(露光量分布)、下段に二重露光後の合成像の強度分布(露光量分布)を示している。バーパターンは線幅が0.12μm幅の線パターンの1本バー、2本バー、3本バーである。図中の強度分布それぞれに矩形で示された部分がバーパターンのマスク上での強度分布である。下段の二重露光後の強度分布は、中段のバーパターンの強度分布に比べて、コントラストが向上しており、強度ピークが高く、マスクパターンの中央部にあるのでパターンのピッチがマスクパターンのピッチと等しくなっている。
【0228】
図39は、図38のバーパターンと同じパターンで隣り合うバーの位相が互いに反転しているレベンソン型の位相シフトマスクを用いて1回露光した場合のパターン像の強度分布(露光量分布)である。
【0229】
照明条件がσ=0.2とσ=0.5の2通りの場合を示した。図39(A)の孤立1本バーの場合は位相が反転する隣のパターンがないので通常のマスクの1本バーパターンと全く同じである。
【0230】
図39(B)(C)の2本、3本バーの場合は隣りあうパターンの位相が反転しているのでの高いコントラストが得られ、σ=0.5の場合よりも小σのσ=0.2のよりコヒーレントな照明の方がコントラスト向上の効果が大きい。しかし、パターン両端では、位相が反転する隣のパターンがないため中央部と像強度が異ってしまい、特にσ=0.2では中央部と両端の強度ピーク差が大きい。σが大きいσ=0.5では、コントラストはやや低下するものの両端との強度ピーク差はなくなる。いずれの場合でも両端では像がぼけるため強度分布の裾が拡がり、強度ピークとなる位置がマスクパターンの中心からずれ、パターンのピッチがマスクパターンのピッチと等しくない。
【0231】
次に、二重露光で得られる露光量分布のコントラストのデフォーカス特性について述べる。
【0232】
位相シフトマスクの1回露光と、二重露光法とについて、デフォーカスに対するコントラストの変化を図40&41に示す。
【0233】
回路パターンとして0.12μm幅の線パターンの1本、2本、3本バーパターンの三種を用いた。図40&41で、実線でバー中央のコントラストを示し、点線で端のコントラスト、即ち端のバーの強度ピークと線幅だけ離れた位置(バーのないところ)での強度よりもとめたコントラストを示した。
【0234】
図40は、位相シフトマスクで1回露光した場合の露光量分布のデフォーカスに対するコントラスト変化であり、照明条件はσ=0.5とした。
【0235】
図41は、二重露光による露光量分布のデフォーカスに対するコントラスト変化であり、照明条件は低コントラスト像ができてしまうバーパターンの投影露光では、σ=0.8〜0.53の輪帯照明でσ=0.53より内側の照度をゼロとし、高コントラスト像を作る周期パターンの投影露光ではσ=0.2の小σの部分的コヒーレント照明とし、各露光の光量比は1.5とした。投影光学系のNAは0.6、露光波長は248nmである。
【0236】
図40の実線が示すバー中央のコントラストは、3本バー、2本バー、1本バーと周期性がなくなるにつれ、ベストフォーカスでは高くなるが、デフォーカスするにつれて低下の割合が大きい。即ち、周期性がなくなると焦点深度が減少する。
【0237】
また、実線が示すバー中央のコントラストと、点線が示す端のエッジのコントラストとの差が大きい。40%及び30%のコントラストを得る焦点深度は、バー中央と端の焦点深度の小さい方をとると、
40%コントラスト焦点深度は
3本バーでは、1.2μm
2本バーでは、1.1μm
1本バーでは、0.6μm
30%コントラスト焦点深度は
3本バーでは、1.4μm
2本バーでは、1.3μm
1本バーでは、0.7μm
となる。
【0238】
一方、図41では、バー中央のコントラスト値は相対的に低いが3本バー、2本バー、1本バーとコントラストピークの差が小さく、周期性がなくなってもコントラストのデフォーカスに対する低下の割合が小さい。
また、実線が示すバー中央のコントラストと、点線が示す端のエッジのコントラストとの差が小さい。
【0239】
40%コントラスト焦点深度は
3本バーでは、0.6μm
2本バーでは、0.9μm
1本バーでは、1.6μm以上
30%コントラスト焦点深度は
3本バーでは、1.6μm以上
2本バーでは、1.6μm以上
1本バーでは、1.6μm以上
となり、40%コントラスト深度は位相シフトマスク1回露光と同程度の結果が得られたが、コントラスト比率を35%,30%と低くすると二重露光法の方が深度が大きく得られる。また、光量比の比率によってもコントラストは変わるので、レジストのコントラストしきい値以上になるように設定できる。
【0240】
ここまでは、バーパターンの線幅が1通りの場合について議論している。
【0241】
次に、周期パターンの線幅は1通りで、バーパターンとしていろいろな線幅のものが混在している場合について線幅リニアリティについて述べる。
【0242】
投影光学系と露光波長は、今までと同様で、周期パターンの投影露光とバーパターンの投影露光の照明条件も今までと同様とした。周期パターンの線幅は今まで通りの0.12μmに固定し、バーパターンの線幅は0.1μmから0.16μmの線パターンが、5本バー、2本バー、1本バーとした。
【0243】
それぞれのパターンに対し、充分大きな線幅(この場合、0.36μm)のときに、マスクとウエハー線幅が等しくなるような露光量スライスレベルを求め、同じスライスレベルでウエハ側での0.1μmから0.16μmに対応する各線幅がマスクでの線幅からどれだけ誤差があるかを調べた。比較のために、同じ照明条件にした通常のバーパターン露光1回露光のみの線幅リニアリティ誤差も調べた。
【0244】
図42&43が0.1μmから0.16μmの線幅リニアリティ誤差である。デフォーカス0のときと、デフォーカス±0.2,±0.3μmのときの線幅リニアリティ誤差を示している。図42は、通常露光の線幅リニアリティ誤差で、照明条件はσ=0.53〜0.8の輪帯照明でσ=0.53より内側の照度をゼロとした。
【0245】
図43は、二重露光法の線幅リニアリティ誤差で、照明条件はバーパターンの露光では、σ=0.53〜0.8の輪帯照明でσ=0.53より内側の照度をゼロとし、周期パターンの露光ではσ=0.2の小σの部分的コヒーレント照明とした。これらの線幅は限界解像以下であり、コントラストが低い。ここでは、解像可能なコントラスト以下であっても露光量スライスレベルに達していれば線幅として求めている。
【0246】
図42で線が途中で切れているところはパターンとして存在せず一様にぼけた状態であり、前述したように線が書かれていても解像可能なコントラストに達していない場合もある。
【0247】
図43では、それぞれのパターンで、それぞれのデフォーカスで線幅の再現性としての限界解像力が延びている。かつ、線幅誤差の数値も低くなっている。
【0248】
二重露光法においてこれらより大きな線幅は、周期パターンの3倍の線幅の再現性が優れている。図44に示すようにバーパターンのパターンの両方のエッジが周期パターンと一致しするからである。周期パターンの2倍の線幅は、再現性が良くない。
【0249】
バーパターンの線幅として、最小線幅に加えその2倍の線幅などが混在している場合、周期パターンのピッチを図45のように部分的に変えることが有効である。
【0250】
二重露光法の線幅リニアリティ誤差は、図43においては周期パターンの線幅を0.12μmと固定し、バーパターンの線幅を変えていったが、バーパターンの線幅によって図45のように周期パターンのピッチを線幅の2倍又は2倍に近い値に等しくなるように部分的に変える方法では、線幅リニアリティ誤差がより少なくなることは明らかである。
【0251】
また、バーパターンと同じパターンで隣り合うバーの位相が互いに反転しているレベンソン型の位相シフトマスクを用いて1回露光する方法で、周期パターンの中央の線幅リニアリティ誤差は、前記二重露光のバーパターンの線幅と周期パターンのピッチを線幅の2倍に等しくする方法の線幅リニアリティ誤差とほぼ等しくなるが、周期パターンの端や孤立パターンに関しては、図42のような通常露光の線幅リニアリティ誤差の結果とほぼ等しくなるので、線幅リニアリティ誤差に関しても二重露光の優位性がある。
【0252】
図46は孤立線の投影方が露光の1回露光の結果と、二重露光の結果の2次元像である。表は、図46でベストフォーカスの線幅がマスク線幅の結果と等しくしたときの露光量で解像したときのデフォーカスに対する線幅変化と、長手方向の長さをマスクの線幅との比で表したものである。マスク線幅と等しいときを100%とした。
【0253】
二重露光の結果は、バーパターンの投影露光の1回露光の結果に比べてベストフォーカスでも長手方向の長さがマスク線幅に近づき、デフォーカスに対する線幅変化も少なく、焦点深度が向上している。
【0254】
本発明の他の実施形態を、図49〜図52を用いて説明する。本実施形態では、一回の露光では解像できないパターンが形成されるマスク(レチクル)の変形例を示す。
【0255】
二重露光法において、通常の露光装置を用いて一回の露光では、解像できないパターン像による投影露光に図49に示す通常のCr膜パターンを用いた場合に二重露光された部分の露光量が過大になる場合が考えられる。この場合、レジストパターンに膜減りが生じたり、デフォーカス時にマスクパターン像のコントラスト不足が生じて焦点深度が得られにくくなるが、以下の(1)〜(3)の3種類のパターンが形成されたマスク(レチクル)を用いると、図49のCr膜パターンに比べ高コントラストのマスクパターン像が得られるので、焦点深度も向上する。
【0256】
▲1▼ハーフトーン位相シフトパターン(図50)
透過率:2〜10%
シフタ材質:Mo系、Cr系、その他金属酸化物、窒化物
dimesion:L1〜5は適宜決定する
位相:ハーフトーン部とその他の部分を通過する光の位相差は180°
【0257】
▲2▼リム型位相シフトパターン(図51)
dimesion:L1〜9は適宜決定する
位相:リム部とその他の部分を通過する光の位相差は180°
【0258】
▲3▼クロムレスシフタ遮光型位相シフトパターン(図52)
特にこのタイプの場合は前記の二種類のタイプよりより微細な線幅のパターンに対し有効である。このタイプは線幅が細いパターンにおいて位相シフトパターンの両側のエッジ部分で生じる位相シフト効果が合成され一つのラインパターンとしてレジスト像が形成される。
【0259】
dimesion:L1〜5は適宜決定する
位相:パターン部とその他の部分を通過する光の位相差は180°
【0260】
以上説明した露光方法及び露光装置を用いてIC,LSI等の半導体チップ、液晶パネル等の表示素子、磁気ヘッド等の検出素子、CCD等の撮像素子といった各種デバイスを製造できる。
【0261】
本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲こおいて種々に変更することが可能である。高コントラスト像による露光および回路パターン像による露光での露光回数や露光量の段数は最初の述べたとおり適宜選択することが可能であり、更に露光の重ね合わせも必要ならばずらして行う等適宜調整することが可能である。このような調整を行うことで形成可能な回路パターンにバリエーションが増える。
【0262】
以上説明した二重露光法によって、従来のそれによる露光のみではコントラストが低く解像できない微細なパターンのコントラストが向上し、解像が可能になる。また、この二重露光法は、レベンソン型位相シフトマスクのパターンの1回露光に比べて、線幅再現性においてより優れたものである。特にとくに、レベンソン型位相シフトマスクのパターンの1回露光は、周期性のないパターンには有効でなく位相反転のためのパターン配置の制限があるのに比べて、この二重露光法では、周期性のないパターンや、より複雑な形状のパターンを形成することが可能である。また、この二重露光法は米国特許5415835号公報や特開平7−253649号公報が示す二重露光法に比べても、より複雑な形状のパターンを形成することができる。
【0263】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、二重露光法により、従来よりも複雑なパターンを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の投影露光装置を示す図である。
【図2】周期パターン露光を行なうための2光束干渉用露光装置の一例を示す図である。
【図3】本発明の露光方法のフロ−チャートである。
【図4】2光束干渉露光により得た周期パタ−ン(露光パターン)を示す説明図である。
【図5】レジストの露光感度特性を示す説明図である。
【図6】現像によるパタ−ン形成を示す説明図である。
【図7】2光束干渉露光による周期パターン(露光パタ−ン)を示す説明図である。
【図8】本発明における2光束干渉露光による周期パターン(露光パタ−ン)を示す説明図である。
【図9】第1の実施形態において形成できる露光パタ−ン(リソグラフィーパターン)の一例を示す説明図である。
【図10】第1の実施形態において形成できる露光パタ−ン(リソグラフィーパターン)の他の一例を示す説明図である。
【図11】第1の実施形態において形成できる露光パタ−ン(リソグラフィーパターン)の他の一例を示す説明図である。
【図12】第2の実施形態において形成できるゲートパタ−ンを示す説明図である。
【図13】第2の実施形態の二重露光の様子を示す実施形態を示す説明図。
【図14】ゲートパターンを説明する図。
【図15】パターン形成過程を示す図。
【図16】2光束干渉による周期パターン露光を行なう投影露光装置の一例を示す概略図である。
【図17】本発明の投影露光装置に使用するマスクおよび照明方法の1例を示す説明図である。
【図18】本発明の投影露光装置に使用するマスクおよび照明方法の他の1例を示す説明図である。
【図19】本発明の2光束干渉露光装置の一例を示す概略図である。
【図20】本発明の高解像度露光装置の一例を示す概略図である。
【図21】本発明の高解像度露光装置の他の例を示す概略図である。
【図22】本発明の露光方法の第3の実施形態を示すフローチャートである。
【図23】パターン露光により得た露光パターンを示す説明図である。
【図24】本発明の実施形態において形成できる露光パターン(リソグラフィーパターン)の一例を示す説明図。
【図25】各種パターンを作成する位相型マスクとそのウエハ面上の露光量分布の説明図。
【図26】本発明の実施形態において形成できる露光パターン(リソグラフィーパターン)の他の一例を示す説明図。
【図27】ゲートパターン露光用の下地マスク及び通常マスクとそのウエハ面上の露光分布を説明する図。
【図28】本発明のゲートパターン作成時の二重露光された露光量分布及び得られるレジスト像を説明する図。
【図29】本発明の実施形態を2次元的に説明する図。
【図30】黒下地でゲートパターンを作成する他の一例を示す図。
【図31】二重露光された露光量分布及び得られるレジスト像を説明する図。
【図32】パターン形成過程を2次元的に説明する図。
【図33】他の回路パターンを作成する為のマスクパターン。
【図34】図15の回路パターンに対する露光量分布を説明する図。
【図35】図15の回路パターンが形成する過程を示す図。
【図36】高コントラストの周期的パターンと低コントラストの一本乃至三本のバーパターンの夫々による二重露光を示す図である。
【図37】三本のバーパターン(像)による露光、周期的パターン(像)による露光、及び三本のバーパターン(像)と周期的パターン(像)による二重露光によってレジストに生じる強度分布(露光量分布)を示す図である。
【図38】一本乃至三本のバーパターン(像)の夫々と周期パターン(像)による二重露光の際の強度分布を示す図である。
【図39】一本乃至三本のバーパターン(像)の夫々による露光を位相シフトマスクを用いてそれへの照明条件(σ)を変えて行なった時の強度分布を示す図である。
【図40】一本乃至三本のバーパターン(像)の夫々による露光を位相シフトマスクを用いてσ=0.5で行なった時のデフォーカス対コントラストを示すグラフである。
【図41】一本乃至三本のバーパターン(像)の夫々と周期パターン(像)による二重露光を、周期ターンの時にはσ=0.2の通常照明、バーパターンの時にはσ=0.8の輪帯照明で行なった時のデフォーカス対コントラストを示すグラフである。
【図42】一本乃至三本のバーパターン(像)の夫々による露光をσ=0.53〜0.8の輪帯照明で行なった時の線幅リニアリティ誤差を示すグラフである。
【図43】一本乃至三本のバーパターン(像)の夫々と周期パターン(像)による二重露光を、周期ターンの時にはσ=0.2の通常照明、バーパターンの時にはσ=0.53〜0.8の輪帯照明で行なった時の線幅リニアリティ誤差を示すグラフである。
【図44】周期的パターンと三本の比較的線幅が大きなバーパターンによる二重露光を示す図である。
【図45】周期的パターンと、線幅が異なる複数種のバーパターンとによる二重露光を示す図である。
【図46】一本のバーパターンに関する、単独の場合と周期パターンとによる二重露光の場合とでの二次元像を示す図である。
【図47】コントラストがゼロのパターン(像)による露光、高コントラストの周期的パターン(像)による露光、これら露光から成る二重露光のそれぞれを行なった時の強度分布を示す図である。
【図48】コントラストがゼロのパターン(像)による露光、高コントラストの周期的パターン(像)による露光、これら露光から成る二重露光のそれぞれを行なった時の強度分布を示す図である。
【図49】通常のクロムパターンを有するレチクルを示す図である。
【図50】ハーフトーン位相シフトパターンを有するレチクルを示す図である。
【図51】リム型位相シフトパターンを有するレチクルを示す図である。
【図52】クロムレスシフタ遮光型位相シフトパターンを有するレチクルを示す図である。
【符号の説明】
221 エキシマレ−ザ
222 照明光学系
223 マスク(レチクル)
224 マスク(レチクル)ステージ
225 2光束干渉用マスクと通常投影露光用のマスク
226 マスク(レチクル)チェンジャ
227 投影光学系
228 ウエハ
229 XYZステージ
Claims (2)
- マスクのパターンの像でレジストを露光する露光方法であって、光や電子から成るプローブで前記パターンの像よりもコントラストが高い像を描画し、このコントラストが高い像によって前記レジストの前記パターンの像の形成位置を露光することにより、前記レジストの前記パターンに関する露光量分布のコントラストを向上させることを特徴とする露光方法。
- 請求項1の露光方法によって露光を行なう露光モードを有することを特徴とする露光装置。
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