JP5764737B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電解コンデンサの製造方法に関する。
近年、電解質として、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリンなどを基本骨格とする導電性高分子層を有する固体電コンデンサが広く知られている。導電性高分子層の電気伝導性は高く、等価直列抵抗(以下、「ESR」という。)の低い固体電解コンデンサを作製することができる。このような導電性高分子の形成方法として、一般的に、化学重合法や電解重合法が用いられている。
化学重合法とは、たとえば、導電性高分子層の前駆体モノマーと酸化剤とを反応させて、誘電体被膜上に導電性高分子層を形成させる方法である。また、電解重合法とは、誘電体被膜が設けられた陽極体を前駆体モノマーを含む電解液に浸漬させ、アノードで生じる酸化反応を利用して、誘電体被膜上に導電性高分子層を形成する方法である。
一般的に、化学重合法によって形成される導電性高分子層よりも、電解重合によって形成される導電性高分子層のほうが、その構造が緻密で均一であるという特徴がある。しかしながら、誘電体被膜が絶縁性であるために、電解重合によって直接誘電体被膜上に導電性高分子層を形成するのは困難であり、その工程が複雑となる傾向にある。このため、化学重合法によって、緻密で均一な導電性高分子層を形成するための開発が進められている。
たとえば、特許文献1には、陽極電極箔と陰極電極箔とをセパレータを介して巻回したコンデンサ素子に高濃度の酸化剤を含浸させることによって、導電性高分子層を均一化および緻密化する技術が記載されている。また、特許文献2には、2価または3価のアルコールからなる溶媒中で酸化剤を用いて前駆体モノマーを重合させることで、重合度の高い導電性高分子層を形成する技術が記載されている。また、特許文献3には、1価のアルコールとエチレングリコールとからなる溶媒中で化学重合を用いて導電性高分子層を形成する技術が開示されている。
特開2001−237147号公報 特開平9−320900号公報 特開2010−87183号公報
しかしながら、本発明者が、上記特許文献1〜3に開示される技術で形成された導電性高分子層について検討したところ、陽極体が発揮し得る静電容量を十分に引き出すことができてないことが分かった。すなわち、導電性高分子層を用いた固体電解コンデンサは、未だその性能を十分に発揮できてないない。
上記事情に鑑みて、本発明は、静電容量の高い固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様は、表面に誘電体被膜が設けられた陽極体上に導電性高分子層を形成する工程を含む、固体電解コンデンサの製造方法であって、導電性高分子層を形成する工程は、陽極体に、チオフェンまたはその誘導体を含む前駆体モノマーと、芳香族スルホン酸金属塩を含む酸化剤と、アルコールと、γ−ブチロラクトンとを含浸させる工程と、該含浸させる工程の後に、陽極体を加熱する工程と、を含み、アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールおよびイソブチルアルコールから選ばれる1以上である、固体電解コンデンサの製造方法である。
上記固体電解コンデンサの製造方法において、上記含浸させる工程は、前駆体モノマーを含む第1液に陽極体を浸漬する工程と、酸化剤とアルコールとγ−ブチロラクトンとを含む第2液に陽極体を浸漬する工程と、を含むことが好ましい。
上記固体電解コンデンサの製造方法において、上記含浸させる工程は、前駆体モノマーと酸化剤とアルコールとγ−ブチロラクトンと含む重合液に、陽極体を浸漬する工程を含むことが好ましい。
上記固体電解コンデンサの製造方法において、アルコールおよびγ−ブチロラクトンからなる混合溶媒におけるγ−ブチロラクトンの混合率が2%以上90%以下であることが好ましい。
上記固体電解コンデンサの製造方法において、上記加熱する工程において、陽極体をγ−ブチロラクトンの沸点以上の温度で加熱することが好ましい。
本発明によれば、静電容量の高い固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
本明細書において、固体化率とは、誘電体被膜が形成された陽極体の電解液中での静電容量(A)に対する、誘電体被膜上に導電性高分子層が形成された陽極体の静電容量(B)の割合(B/A(%))を示す。
ここで、誘電体被膜が形成された陽極体が電解液中に存在する場合、誘電体被膜の表面全域に均一に電解液が接触することになるため、測定される静電容量(A)は、間接的に、誘電体被膜の表面全域に導電性高分子層が形成された場合の陽極体の静電容量を示す。また、上記静電容量(B)は、導電性高分子層による誘電体被膜の被覆領域が多いほど高くなる値であり、導電性高分子層が誘電体被膜の表面全域を被覆した場合には、上記静電容量(A)と一致することになる。
したがって、静電容量(B)を静電容量(A)で割った数値(B/A)の百分率(%)の値は、間接的に、導電性高分子層の誘電体被膜の被覆率を示すことになる。たとえば、この値が100に近いほど、導電性高分子層を誘電体被膜上に均一に形成することができており、陽極体が発揮し得る静電容量を十分に引き出すことができていることになる。
また、本明細書において、混合溶媒におけるγ−ブチロラクトンの混合率とは、混合溶媒の重量に対するγ−ブチロラクトンの重量の割合(%)を示す。
実施の形態1の固体電解コンデンサの模式的な断面図である。 実施の形態1のコンデンサ素子の構成を説明するための概略図である。 実施の形態1のコンデンサ素子における陽極体とセパレータの間の構成を示す模式的な断面図である。 実施の形態1の固体電解コンデンサの製造方法のフローチャートである。 実施の形態2の固体電解コンデンサの模式的な断面図である。
本発明者は、従来の固体電解コンデンサでは導電性高分子層の固体化率が低く、誘電体被膜上に導電性高分子層が形成されていない部位が多く存在するために、陽極体が発揮し得る静電容量を十分に引き出すことができていないことを知見した。
そして、本発明者は、検討を重ねることによって、従来の溶媒を用いて陽極体上に導電性高分子層を形成した場合、前駆体モノマーや酸化剤が陽極体の凹部の奥にまで浸透し難いために、凹部内での導電性高分子層の形成を均一に行うことができていないことを知見した。そして、本発明者は、更に検討を重ねることによって、溶媒の粘度、蒸散性、溶解度などが導電性高分子層の固体化率に影響していることを突き止めた。そこで、本発明者は上記知見に基づいてさらに検討を進め、本発明の完成に到った。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る固体電解コンデンサの実施の形態を説明する。以下の実施の形態は一例であり、本発明の範囲内で種々の実施の形態での実施が可能である。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
<実施の形態1>
≪固体電解コンデンサ≫
まず、図1〜図3を用いて、実施の形態1の固体電解コンデンサの構成について説明する。図1は、実施の形態1の固体電解コンデンサの模式的な断面図であり、図2は、実施の形態1のコンデンサ素子の構成を説明するための概略図であり、図3は、実施の形態1のコンデンサ素子における陽極体とセパレータの間の構成を示す模式的な断面図である。
図1において、固体電解コンデンサは、コンデンサ素子10と、有底ケース11と、封止部材12と、座板13と、リード線14A,14Bと、リードタブ15A,15Bとを備える。
コンデンサ素子10にはリードタブ15A,15Bが接続され、リードタブ15A,15Bのそれぞれにはリード線14A,14Bが電気的に接続されている。このコンデンサ素子10は、上面に開口端を有する有底ケース11に収納されており、リード線14A,14Bが貫通するように形成された封止部材12がコンデンサ素子10の上面に配置されることによって、有底ケース11内に封止されている。また、有底ケース11の開口端近傍は、横絞りされてカール加工されており、加工されたカール部分には座板13が配置されている。
コンデンサ素子10は、図2に示すように、リードタブ15Aと接続した陽極体21と、リードタブ15Bと接続した陰極体22と、セパレータ23とを備える。陽極体21および陰極体22は、セパレータ23を介して一体的に巻回されており、巻回された巻回体の最外周は、巻止めテープ24により止められる。なお、図2では、巻回体の最外周を止める前の状態を示している。
陽極体21の表面には、図3に示すように、複数の凹部が存在している。凹部を有する陽極体21上に誘電体被膜31が設けられており、誘電体被膜31とセパレータ23との間には導電性高分子層32が設けられている。また、導電性高分子層32の固体化率は、83%以上である。
≪固体電解コンデンサの製造方法≫
以下、図2〜図4を参照して、実施の形態1の固体電解コンデンサの製造方法の一例について説明する。
(陽極体を準備する工程)
まず、図4のステップS1において、誘電体被膜31が設けられた陽極体21を準備する。陽極体21としては、金属箔を用いることができる。
具体的には、まず、所定の大きさに切断された金属箔の表面を粗面化する。金属の種類は特に限定されないが、誘電体被膜31の形成が容易である点からは、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属を用いることが好ましい。また、粗面化とは、金属箔の表面に複数の凹部を存在させることをいい、たとえば、金属箔をエッチング処理することによって、金属箔の表面に複数の凹部を形成することができる。
次に、粗面化された陽極体21の表面に誘電体被膜31を形成する。誘電体被膜31の形成方法は特に限定されないが、たとえば、陽極体21が弁作用金属からなる場合には、陽極体21を化成処理することによって、陽極体21の表面に誘電体被膜31を形成することができる。化成処理は、たとえば、陽極体21をアジピン酸アンモニウム溶液などの化成液に浸漬して熱処理する。また、陽極体21を化成液に浸漬して電圧を印加してもよい。
上記ステップS1により、図3に示すように、表面に凹部を有する陽極体21上に誘電体被膜31が形成される。なお、通常、量産性の観点から、大判の弁作用金属箔に対して粗面化処理および化成処理が行なわれる。したがって、この場合には、処理後の金属箔を所望の大きさに裁断することによって、陽極体21を準備することができる。
(巻回体の作製)
次に、上記陽極体21を用いて巻回体を作製する。巻回体とは、コンデンサ素子10の半製品であり、図2に示すコンデンサ素子10において、陽極体21とセパレータ23との間に、導電性高分子層32が形成されていないものをいう。
具体的には、まず、陽極体21と陰極体22とを、セパレータ23を介して巻回する。このとき、リードタブ15A,15Bを巻き込みながら巻回することにより、図2に示すように、リードタブ15A,15Bを巻回体中に立設させることができる。
陰極体22は、たとえば、陽極体21と同程度の大きさに切断された金属箔からなる。金属の種類は特に限定されず、たとえば、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属を用いることができる。また、陰極体22の表面に対し、陽極体21と同様に化成処理を行ってもよい。なお、陽極体21および陰極体22は、それぞれ1枚ずつでもよく、複数枚であってもよい。
セパレータ23の材料は特に限定されず、たとえば、合成セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン、アラミド繊維を主成分とする不織布等を用いることができる。
また、リードタブ15A,15Bの材料も特に限定されず、電気を通すことができる材料であればよい。リードタブ15A,15Bの各々に接続されるリード線14A,14Bの材料についても、特に限定されず、電気を通すことができる材料であればよい。
次に、巻回された陽極体21、陰極体22およびセパレータ23のうち、最外層に位置する陰極体22の外側表面に、巻止めテープ24を配置し、陰極体22の端部を巻止めテープ24で止めることによって、巻回体を作製する。なお、陽極体21を大判の金属箔を裁断することによって準備した場合には、陽極体21の裁断面に誘電体被膜を設けるために、巻回体に対し、さらに化成処理を行ってもよい。
(前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる工程)
次に、図2に戻り、ステップS2において、陽極体21に前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる。
前駆体モノマーは、重合することによって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、またはポリアニリンとなる化合物である。なお、本明細書において、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、およびポリアニリンは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、およびポリアニリンを基本骨格とする高分子を示している。したがって、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、およびポリアニリンには、それぞれの誘導体も含まれ得る。前駆体モノマーは、前駆体モノマーのみで液体状であるものが好ましく、特に、ポリチオフェンの前駆体モノマーの1つである3,4−エチレンジオキシチオフェンが好ましい。この場合、特に導電性の高い導電性高分子層32を形成することができる。
酸化剤は、前駆体モノマーを重合させることができればよく、たとえば、硫酸、過酸化水素、鉄(III)、銅(II)、クロム(VI)、セリウム(IV)、マンガン(VII)、亜鉛(II)などを用いることができる。特に、これらの金属と塩を構成した芳香族スルホン酸金属塩を用いることが好ましい。芳香族スルホン酸金属塩としては、たとえば、ナフタレンスルホン酸金属塩、テトラリンスルホン酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩およびアルコキシベンゼンスルホン酸金属塩を用いることができる。
上記芳香族スルホン酸金属塩は、酸化剤としての機能に加え、ドーパントとしての機能を有するため、別途ドーパントを用いる必要がない。また、芳香族スルホン酸金属塩の酸化剤としての機能およびドーパントしての機能は高いため、より質の高い導電性高分子層32を形成することができる。特に、高分子に対して高い導電性を付与でき、さらに耐熱性を付与できるp−トルエンスルホン酸第二鉄を用いることが好ましい。
陽極体21に前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる方法の例を、以下(1)および(2)で説明する。
(1)第1液および第2液のそれぞれに陽極体を浸漬させる方法
本方法では、前駆体モノマーを含有する第1液と、酸化剤を含有する第2液とを用いる。すなわち、巻回体を第1液に浸漬した後に第2液に浸漬して、陽極体21に前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる方法である。または、巻回体を第2液に浸漬した後に第1液に浸漬して、陽極体21に前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる方法である。
第1液について、前駆体モノマー自体が液体状である場合には、前駆体モノマー自体を第1液とすることができる。また、第1液の溶媒として、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどを用いることができる。特に、第2液の溶媒と同様の溶媒を用いることが好ましい。
第2液について、第2液の溶媒は、γ−ブチロラクトンおよびアルコールとからなる混合溶媒であり、酸化剤を溶解させることができる。アルコールは、1価のアルコール、2価のアルコールまたは3価のアルコールのいずれでもよい。中でも、1価のアルコールを用いることが好ましく、この場合、第2液の蒸散性を好適に保つことができる。好ましい1価のアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどが挙げられる。
たとえば、第2液の溶媒がアルコールのみからなり、γ−ブチロラクトンを含まない場合には、溶媒の蒸散性が高いために、溶媒が陽極体21の凹部の奥にまで浸透する前に蒸散する。このため、第2液の溶媒がアルコールのみからなる場合には、陽極体21の凹部の奥にまで酸化剤および前駆体モノマーを運ぶことができない。したがって、凹部の奥に導電性高分子層32を形成することができず、結果的に、固体電解コンデンサの固体化率が低下し、静電容量が低下してしまう。
一方、溶媒がγ−ブチロラクトンのみからなり、アルコールを含まない場合には、酸化剤が溶媒に溶解されにくいために、陽極体21の凹部の奥にまで酸化剤を浸透させることができない。このため、凹部の奥に導電性高分子層32を形成することができず、結果的に、固体電解コンデンサの固体化率が低下し、静電容量が低下してしまう。
これに対し、第2液の溶媒がγ−ブチロラクトンおよびアルコールとからなる混合溶媒である場合には、アルコールの存在によって酸化剤を溶解させることができ、γ−ブチロラクトンの存在によって、混合溶媒が陽極体21の表面で蒸散するのを抑制することができる。また、混合溶媒の粘度は十分に低いため、混合溶媒は酸化剤および前駆体モノマーを陽極体21の凹部の奥にまで素早く移動させることができる。したがって、酸化剤および前駆体モノマーが陽極体21の凹部の奥にまで浸透することができるため、該凹部の奥にまで導電性高分子層32を均一に形成することができる。これにより、導電性高分子層32の固体化率を向上させることができ、もって固体電解コンデンサの静電容量を向上させることができる。なお、混合溶媒にわずかに他の溶媒が混入していたとしても、混合溶媒の性質が変化しない程度であれば問題ない。
第2液中での酸化剤の濃度は特に制限されないが、たとえば、35重量%以上70重量%以下にすることが好ましい。この場合、十分な酸化剤を第2液中に含むことができ、また、酸化剤を第2液中に十分に溶解させることができる。
ステップS2において、巻回体を第1液に浸漬した後、該巻回体を第2液に浸漬した場合、陽極体21の凹部に前駆体モノマーを浸透させた後に、該陽極体21に第2液を浸透させることができる。この場合、陽極体21の凹部にすでに浸透している前駆体モノマーを、第2溶媒によって酸化剤とともに凹部の奥にまで移動させることができる。
また、ステップS2において、巻回体を第2液に浸漬した後、該巻回体を第1液に浸漬した場合、陽極体21の凹部の奥にまで第2液を浸透させた後に、該陽極体21に前駆体モノマーを浸漬させることができる。この場合、陽極体21の凹部内に第2液がすでに浸透していることにより、前駆体モノマーの凹部の奥への移動が容易となる。
(2)酸化剤、前駆体モノマーおよび混合溶媒を含む重合液に陽極体を浸漬させる方法
本方法では、上記酸化剤、上記前駆体モノマー、および上記混合溶媒を含む重合液を用いる。すなわち、巻回体を重合液に浸漬して、陽極体21に前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる方法である。
重合液に巻回体を浸漬させることにより、陽極体21の凹部の奥にまで、前駆体モノマーおよび酸化剤を浸透させることができる。これは、重合液の溶媒として、γ−ブチロラクトンおよびアルコールからなる混合溶媒を用いることに起因し、その理由は上記(1)で述べたとおりであるので、その説明は繰り返さない。
(前駆体モノマーを重合させて導電性高分子層を形成する工程)
次に、図4のステップS3において、第1液、第2液、または重合液から巻回体を引き上げ、陽極体21の表面に均一な導電性高分子層32を形成させる(図3参照)。第1液、第2液、または重合液から巻回体を引上げた後、陽極体21を加熱することによって、導電性高分子層32をより均一に素早く形成することができる。また、陽極体21をγ−ブチロラクトンの沸点以上の温度で加熱することにより、導電性高分子層32中にγ−ブチロラクトンが残存するのを抑制することができる。なお、陽極体21の加熱は、たとえば、巻回体を加熱炉に入れて加熱することによって可能である。
以上の工程により、陽極体21とセパレータ23との間に導電性高分子層32が形成され、もって、コンデンサ素子10が作製される。なお、上記ステップS2およびS3を繰り返してもよく、ステップS3の後に、電解重合によって導電性高分子層32上にさらに導電性高分子層を形成してもよい。
(コンデンサ素子を封止する工程)
次に、図4のステップS4において、コンデンサ素子10を封止する。
具体的には、まず、リード線14A,14Bが有底ケース11の開口する上面に位置するように、コンデンサ素子10を有底ケース11に収納する。有底ケース11の材料としては、アルミニウム、ステンレス、銅、鉄、真鍮などの金属からなるケースを用いることができ、あるいはこれらの合金を用いてもよい。
次に、リード線14A,14Bが貫通するように形成された封止部材12を、コンデンサ素子10の上方に配置して、コンデンサ素子10を有底ケース11内に封止する。封止部材12は、絶縁性の物質であればよい。封止部材12の材料として、たとえば、絶縁性の弾性体、なかでも耐熱性や密封性の比較的高い材料である、シリコンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、ハイパロンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴムなどの絶縁ゴムを用いることができる。
次に、コンデンサ素子10を封止する有底ケース11の開口端近傍を、横絞り加工およびカール加工する。そして、加工されたカール部分に座板13を配置することによって、図1に示す固体電解コンデンサを製造することができる。
上記の実施の形態1の製造方法によれば、γ−ブチロラクトンおよびアルコールからなる混合溶媒を用いることによって、陽極体21の凹部の奥にまで、酸化剤および前駆体モノマーを浸透させることができる。これは、混合溶媒中のアルコールが酸化剤を溶解させることができること、混合溶媒中のγ−ブチロラクトンが陽極体21の表面でのアルコールの蒸散を抑制することができること、また、混合溶媒の粘度が十分に低いことに起因すると考えられる。
したがって、上記の混合溶媒を用いることにより、陽極体21上に均一に導電性高分子層32を形成することができるため、導電性高分子層32の固体化率が向上し、もって、固体電解コンデンサの静電容量を向上させることができる。特に、混合溶媒におけるγ−ブチロラクトンの混合率が2%以上90%以下の場合に、固体化率を顕著に向上させることができる。また、固体電解コンデンサが大型の場合、たとえば、コンデンサ素子10の直径が6.3mm以上の場合、上記の混合溶媒を用いることによって、より顕著に固体化率を向上させることができ、もって、固体電解コンデンサの静電容量を向上させることができる。
実施の形態1の製造方法によって製造された固体電解コンデンサは、導電性高分子層の固体化率が83%以上であり、高い静電容量を有することができる。特に、混合溶媒におけるγ−ブチロラクトンの混合率が2%以上90%以下とすることにより、固体化率が84%以上、さらには88%以上である固体電解コンデンサを製造することができる。なお、実施の形態1の固体電解コンデンサにおいて、たとえば、半製品である巻回体の静電容量(A)と固体電解コンデンサの静電容量(B)を測定することによって、固体化率を算出することができる。
また、上記固体化率は、完成品の固体電解コンデンサからも算出することができる。すなわち、まず、固体電解コンデンサの静電容量(B)を測定する。次に、固体電解コンデンサを分解して誘電体被膜が形成された陽極体と陰極体とを取り出し、電解液中でそれぞれの静電容量を測定して、これらの結果から、陽極体と陰極体との合成容量を算出する。この合成容量は、巻回体の静電容量(A)に相当するため、当該合成容量と固体電解コンデンサの静電容量(B)から固体化率を算出することができる。
また、固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層はポリチオフェンからなることが好ましい。この場合、導電性高分子層はより高い導電性を有することができる。また、ドーパントして、導電性高分子層中にp−トルエンスルホン酸イオンが含まれていることが好ましい。
<実施の形態2>
≪固体電解コンデンサ≫
図5に、実施の形態2の固体電解コンデンサの模式的な断面図を示す。図5において、固体電解コンデンサは、陽極リード52が立設された陽極体51と、陽極体51上に設けられた誘電体被膜53と、誘電体被膜53上に設けられた導電性高分子層54と、からなるコンデンサ素子50を備える。固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層54上にはカーボン層55が設けられており、カーボン層55上には銀ペイント層56が設けられている。また、陽極リード52には、陽極端子57が接続されており、銀ペイント層56には、導電性の接着剤からなる接着層58を介して、陰極端子59が接続されている。コンデンサ素子50は外装樹脂60によって封止されており、外装樹脂60より露出する陽極端子57および陰極端子59のそれぞれの一端は、外装樹脂60の表面に沿うように折り曲げられている。
陽極体51の表面には、複数の凹部が存在しており、誘電体被膜53上に形成された導電性高分子層32の固体化率は、83%以上である。
≪固体電解コンデンサの製造方法≫
以下、図4および図5を参照して、実施の形態2の固体電解コンデンサの製造方法の一例について説明する。
(陽極体を準備する工程)
まず、図4のステップS1において、誘電体被膜53が設けられた陽極体51を準備する。陽極体51としては、金属の焼結体を用いることができる。
具体的には、まず、金属粉末を準備し、棒状体の陽極リード52の長手方向の一端側を金属粉末に埋め込んだ状態で、当該粉末を所望の形状に成形する。次に、この成形体を焼結して、陽極リード52の一端が埋設された多孔質構造の陽極体51を形成する。陽極体51の材料は特に限定されないが、誘電体被膜53の形成が容易である点からは、アルミニウム、タンタル、ニオブなどの弁作用金属を用いることが好ましい。また、陽極リード52の材料も特に限定されないが、陽極体51と同様の観点から、弁作用金属を用いることが好ましい。
次に、陽極体51の表面に誘電体被膜53を形成する。誘電体被膜53の形成方法は特に限定されず、たとえば、実施の形態1と同様に、陽極体51を化成処理することによって、陽極体51の表面に誘電体被膜53を形成することができる。上記ステップS1により、表面に凹部を有する陽極体51上に誘電体被膜53が形成される。
(前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる工程)
次に、図4のステップS2において、陽極体51に前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる。本工程において、上記の第1液および第2液を用いてもよく、上記の重合液を用いてもよいことは、実施の形態1と同様であり、各液の組成についても、実施の形態1と同様であるため、その説明は繰り返さない。
(前駆体モノマーを重合させて導電性高分子層を形成する工程)
次に、図4のステップS3において、第1液、第2液、または重合液から陽極体51を引上げ、陽極体51の表面に導電性高分子層54を形成させる。陽極体51には、その表面の凹部の奥にまで前駆体モノマーおよび酸化剤が浸透しているため、この工程によって、均一な導電性高分子層54を形成することができる。また、第1液、第2液、または重合液から陽極体51を引上げた後、陽極体51を加熱することによって、導電性高分子層54をより均一に素早く形成することができる。また、陽極体51をγ−ブチロラクトンの沸点以上の温度で加熱することにより、導電性高分子層54中にγ−ブチロラクトンが残存するのを抑制することができる。
以上のステップS1〜ステップS3の工程により、陽極体51の表面に誘電体被膜53および導電性高分子層54がこの順に形成された、コンデンサ素子50が作製される。
(コンデンサ素子を封止する工程)
次に、図4のステップS4において、コンデンサ素子50を封止する。
具体的には、まず、カーボン層55および銀ペイント層56を形成する。カーボン層55は、たとえば、コンデンサ素子50をカーボン粒子を分散させた溶液に浸漬し、その後乾燥処理することによって形成することができる。また、銀ペイント層56は、カーボン層55が形成されたコンデンサ素子50を銀粒子を含む溶液へ浸漬して乾燥処理することによって形成することができる。
次に、陽極端子57を陽極リード52の露出している一端に接続し、銀ペイント層56上に接着層58を形成して陰極端子59の一端を接続する。そして、陽極端子57および陰極端子59の各他端が露出するように、コンデンサ素子50を外装樹脂60によって封止する。なお、陽極端子57および陰極端子59は、たとえば銅または銅合金などの金属で構成することができ、外装樹脂60の素材としては、たとえばエポキシ樹脂を用いることができる。そして、露出している陽極端子57および陰極端子59を外装樹脂60に沿うように折り曲げてエージング処理することにより、図5に示す固体電解コンデンサを作製することができる。
上記の実施の形態2の製造方法によれば、γ−ブチロラクトンおよびアルコールからなる混合溶媒を用いることによって、陽極体51の凹部の奥にまで、酸化剤および前駆体モノマーを浸透させることができる。これは、混合溶媒中のアルコールが酸化剤を溶解させることができること、混合溶媒中のγ−ブチロラクトンが陽極体21の表面でのアルコールの蒸散を抑制することができること、また、混合溶媒の粘度が十分に低いことに起因すると考えられる。
したがって、上記の混合溶媒を用いることにより、陽極体51上に均一に導電性高分子層54を形成することができるため、導電性高分子層54の固体化率が向上し、もって、固体電解コンデンサの静電容量を向上させることができる。特に、混合溶媒中におけるγ−ブチロラクトンの混合率が2%以上90%以下の場合に、固体化率を顕著に向上させることができる。また、固体電解コンデンサが大型の場合、たとえば、コンデンサ素子50の大きさが縦×横×高さが2mm×2mm×1mm以上の場合、上記の混合溶媒を用いることによって、より顕著に固体化率を向上させることができ、もって、固体電解コンデンサの静電容量を向上させることができる。
なお、実施の形態2の固体電解コンデンサにおいても、誘電体被膜が形成された陽極体の電解液中での静電容量(C)と固体電解コンデンサの静電容量(D)を測定することによって、固体化率を算出することができる。
たとえば、完成品である固体電解コンデンサから固体化率を算出するには、固体電解コンデンサの静電容量(D)を測定した後、固体電解コンデンサを分解して誘電体被膜が形成された陽極体を取り出し、この陽極体の電解液中での静電容量を測定することにより、上記静電容量(C)を算出することができる。
また、固体電解コンデンサにおいて、導電性高分子層はポリチオフェンからなることが好ましい。この場合、導電性高分子層はより高い導電性を有することができる。また、ドーパントして、導電性高分子層中にp−トルエンスルホン酸イオンが含まれていることが好ましい。
以上、実施の形態1において、巻回型の固体電解コンデンサについて説明し、実施の形態2において、チップ型の固体電解コンデンサについて説明した。本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、他の固体電解コンデンサ、たとえば、金属板を陽極体として用いる、積層型の固体電解コンデンサの製造方法にも適用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例において、巻回型の固体電解コンデンサを作製した。以下に、固体電解コンデンサの具体的な製造方法について説明する。
(陽極体を準備する工程)
まず、アルミニウム箔にエッチング処理を行ってアルミニウム箔の表面を粗面化した後、該アルミニウム箔の表面に、化成処理によって誘電体被膜を形成した。化成処理は、アジピン酸アンモニウム溶液にアルミニウム箔を浸漬し、これに電圧を印加することによって行なった。そして、このアルミニウム箔を、縦×横が6mm×120mmとなるように裁断して、陽極体を準備した。
(巻回体の作製)
次に、上記陽極体と同程度の面積のセパレータおよび陰極体を準備し、陽極体と陰極体とを、リードタブを巻き込みながら、セパレータを介して巻回した。次に、巻回体の外側表面の端部を巻止めテープで貼着して巻回体を作製した。陰極体としてアルミニウム箔を用い、リードタブの巻回体から突出する端部にはリード線を接続した。そして、作製された巻回体に対して、再度化成処理を行い、陽極体の切断された端部に誘電体被膜を形成した。
ここで、作製された巻回体を用いて、静電容量(A)を測定した。具体的には、巻回体を電解液としてのアジピン酸アンモニウム水溶液に浸漬し、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの巻回体の周波数120Hzにおける静電容量(μF)を測定した。
(重合液の準備)
次に、前駆体モノマーとしての3,4−エチレンジオキシチオフェン、酸化剤としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄、ならびにγ−ブチロラクトンおよびエチルアルコールからなる混合溶媒を含む重合液を準備した。具体的には、γ−ブチロラクトンの混合率が各々0、0.5、1、2、5、10、20、40、60、80、90および100%となるように調製した各混合溶媒に、3,4−エチレンジオキシチオフェンおよびp−トルエンスルホン酸を添加して、混合溶媒の混合率の異なる重合液を各々準備した。なお、各重合液における3,4−エチレンジオキシチオフェンの濃度は25重量%であり、p−トルエンスルホン酸第二鉄の濃度は60重量%となるように調製した。
(前駆体モノマーおよび酸化剤を含浸させる工程)
そして、作製した巻回体を、10個ずつ、混合溶媒の混合率の異なる各重合液に3〜10秒程度浸漬した。
(前駆体モノマーを重合させて導電性高分子層を形成する工程)
次に、重合液から巻回体を引き上げた後、巻回体を210℃で3分間加熱して、導電性高分子層を形成した。以上の工程により、図2に示すコンデンサ素子が作製された。
(コンデンサ素子を封止する工程)
最後に、コンデンサ素子を封止して、固体電解コンデンサを製造した。
具体的には、まず、リード線が有底ケースの開口する上面に位置するように、コンデンサ素子を有底ケースに収納し、リード線が貫通するように形成された封止部材であるゴムパッキングをコンデンサ素子の上方に配置して、コンデンサ素子を有底ケース内に封止した。そして、有底ケースの開口端近傍を、横絞り後にカール加工し、加工されたカール部分に座板を配置することによって、図1に示す固体電解コンデンサを製造した。
そして、製造された固体電解コンデンサの静電容量(B)を測定した。具体的には、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数120Hzにおける静電容量(μF)を測定した。また、4端子測定用のLCRメータを用いて、それぞれの固体電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR(mΩ)を測定した。以上の測定結果を表1に示す。
Figure 0005764737
表1において、「混合溶媒におけるγ−ブチロラクトンの混合率(%)」は、混合溶媒中でのγ−ブチロラクトンの混合率(%)を示している。なお、混合率の異なる混合溶媒を用いて製造されたそれぞれの固体電解コンデンサ(n=10)を試験体1〜12として表記した。表1において、「静電容量(μF)」および「ESR(mΩ)」は、各試験体の静電容量およびESR、すなわち、固体電解コンデンサの容量およびESRを示している。
また、表1の「固体化率(%)」は、測定された静電容量(B)、すなわち、各試験体である固体電解コンデンサの静電容量を、測定された静電容量(A)、すなわち、各試験体の半製品である巻回体の静電容量で割った値の百分率を示している。静電容量(A)は、巻回体を電解液に浸漬して測定するという測定方法からも明らかなように、誘電体被膜の表面全域に導電性高分子層を形成することができた場合の陽極体の静電容量を間接的に示している。したがって、実際に導電性高分子層が形成された固体電解コンデンサの静電容量(B)を、上記静電容量(A)で割った値の百分率である固体化率は、誘電体被膜の表面全領域に対し、どの程度の広さの領域に導電性高分子層が形成されたかを示す指標となる。
表1を参照し、試験体1〜12の結果から、γ−ブチロラクトンとエチルアルコールの混合溶媒を用いることによって、導電性高分子層の固体化率を83%以上にすることができ、高い静電容量を有する固体電解コンデンサを製造できることが分かった。
また、混合溶媒におけるγ−ブチロラクトンの混合率を2%以上90%以下にすることにより、導電性高分子層の固体化率を88%以上とすることができ、顕著に静電容量の高い固体電解コンデンサが製造されていることが分かった。また、試験体2〜11において、ESRは十分に低かった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、固体電解コンデンサに利用することができ、特に、表面に微細な凹部が複数存在する陽極体を用いた固体電解コンデンサに好適に利用できる。
10,50 コンデンサ素子、11 有底ケース、12 封止部材、13 座板、14A,14B リード線、15A,15B リードタブ、21,51 陽極体、22 陰極体、23 セパレータ、24 巻止めテープ、31,53 誘電体被膜、32,54 導電性高分子層、52 陽極リード、55 カーボン層、56 銀ペイント層、57 陽極端子、58 接着層、59 陰極端子、60 外装樹脂。

Claims (5)

  1. 表面に誘電体被膜が設けられた陽極体上に導電性高分子層を形成する工程を含む、固体電解コンデンサの製造方法であって、
    前記導電性高分子層を形成する工程は、
    前記陽極体に、チオフェンまたはその誘導体を含む前駆体モノマーと、芳香族スルホン酸金属塩を含む酸化剤と、アルコールと、γ−ブチロラクトンとを含浸させる工程と、
    前記含浸させる工程の後に、前記陽極体を加熱する工程と、を含み、
    前記アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールおよびイソブチルアルコールから選ばれる1以上である、固体電解コンデンサの製造方法。
  2. 記含浸させる工程は、
    前記前駆体モノマーを含む第1液に前記陽極体を浸漬する工程と、
    前記酸化剤と前記アルコールと前記γ−ブチロラクトンとを含む第2液に前記陽極体を浸漬する工程と、を含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 前記含浸させる工程は、
    前記前駆体モノマーと前記酸化剤と前記アルコールと前記γ−ブチロラクトンとを含む重合液に、前記陽極体を浸漬する工程を含む、請求項1に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 前記アルコールおよび前記γ−ブチロラクトンからなる混合溶媒における前記γ−ブチロラクトンの混合率が2%以上90%以下である、請求項1から3のいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 前記加熱する工程において、前記陽極体をγ−ブチロラクトンの沸点以上の温度で加熱する、請求項1からのいずれかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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