JP5763720B2 - 先端工具角度調整アダプタ - Google Patents

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Description

本発明は、高圧配電線における活線作業の間接活線工法に使用する間接活線工具の共用操作棒に取り付けられ、各種先端工具を接続するために使用される先端工具角度調整アダプタに関する。
特許文献1(特開2009−2705号公報)は、配電線の周囲を囲むように位置させる電流計のセンサ部を開閉する際に用いる開閉道具および開閉アダプタに関するもので、同文献には、クランプ式電流計のクランプ部を開閉する際に用いる専用の開閉アダプタを菊座アダプタを介して絶縁操作棒の先端部に取り付ける構成が開示されている。
また、特許文献2(特開2010−4657号公報)は、間接活線作業において高圧カバー類の取り外し時に使用される間接活線先端工具に関するもので、同公報には、間接活線先端工具が、帯板状の基部と、この基部の長手方向の一端側に連接されているU字板状の先端部と、前記基部の長手方向の他端側に設けられた取り付け部とを備え、取り付け部が、基部の角度を、この基部の面と平行な面内、又はこの基部の面と直交する面内で調整する手段を有している構成が開示されている。
特許文献3(特開2010−178424号公報)は、間接活線工法において高圧銅電線へ接続するコネクタを保持するためのコネクタ保持工具に関するもので、同公報には、コネクタ保持工具のクランプとねじ部を回転させる操作部との間が自在継手で連結される構成が開示されている。
特開2009−2705号公報 特開2010−4657号公報 特開2010−178424号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で示されるコネクタ保持工具は、菊座アダプタによって先端工具の角度を変化させることはできるが、菊座アダプタによって一度固定した角度が適合していない場合には、蝶ボルトを緩めて角度を訂正し、再び蝶ボルトを締め付けるという作業が必要になる。この場合、蝶ボルトを緩めたときに先端工具が菊座アダプタから外れて落下してしまう不具合が懸念される。
また、特許文献3で示すように、ボールジョイントによる自在継手を用いた場合には、作業中に角度が変化してしまう不具合が生じる。
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、先端工具の角度を調整する菊座アダプタの機能を有すると共に、菊座アダプタに先端工具を取り付けた後は、これを緩めることなく角度調整を行うことが可能な機構を備えた先端工具角度調整アダプタを提供することを主たる課題としている。
したがって、本願発明に係る先端工具角度調整アダプタは、活線作業に使用される共用操作棒に着脱可能なジョイント金具と、前記ジョイント金具から軸方向に延出したねじ部及び該ねじ部の先端に球状に形成された連結部からなる軸部と、該軸部のねじ部に螺合し、前記ジョイント金具とは反対側の端面が前記軸部の軸心に対して傾斜する垂線を有する傾斜面に形成されたロックリングネジと、前記ロックリングネジの前記傾斜面と接触可能な傾斜面が基端側に形成されると共にこの傾斜面上に前記軸部の連結部が回転自在に係合する球状凹部が形成され、さらに先端側に活線作業に使用される先端工具が装着される菊座ジョイントの一方を備える先端工具装着部とを具備するものである。
これによって、ロックリングネジを前記軸部のねじ部の周囲で回転させることによってロックリングネジの傾斜面の傾斜方向を変化させることでき、また、先端工具装着部を前記連結部を中心に回転させることによって、先端工具装着部の傾斜面がロックリングネジの傾斜面に沿って回転するため、先端工具装着部がこの回転に伴って前記軸部に対して傾斜角度を変化させることが可能となる。
ここで、前記菊座ジョイントは、前記先端工具装着部の一端部に設けられ、所定の角度間隔で周方向に配置された歯部を有する第1の菊座と、前記先端工具の基端に設けられ、所定の角度間隔で周方向に配置された歯部を有する第2の菊座と、前記第1の菊座の歯部と第2の菊座の歯部とをかみ合わせてその状態を固定する固定手段とによって構成され、前記第1の菊座と第2の菊座との少なくとも一方は磁化された部分を有することが望ましい。
これによって、固定手段によって固定される前に、先端工具の第2の菊座が第1の菊座に磁力によって仮固定可能であるため、固定手段による固定が容易になる。
以上説明したように、本願発明によれば、菊座ジョイントによる先端工具の角度変更の他に、ロックリングネジを軸部のねじ部の周囲に回転させることによって、又は、先端工具装着部を連結部を中心に回転させることによって菊座ジョイントが設けられる先端工具装着部自体の傾斜角度を変更することができるため、菊座アダプタに先端工具を取り付けた後は、これを緩めることなく角度調整を行うことが可能となる。
このため、従来のように蝶ボルトを緩めて先端工具の角度調整を行う操作が不要となるので、角度調整の際に先端工具の脱落を防止することが可能となる。
本発明に係る先端工具角度調整アダプタを示す構成図である。 本発明に係る先端工具角度調整アダプタの分解部品図であり、(a)は先端工具、(b)は先端工具装着部、(c)は軸部、(d)はロックリングネジ、(e)はジョイント金具である。 本願発明に係る先端工具角度調整アダプタの菊座ジョイントの説明図であり、(a)は菊座ジョイントの一方を構成する菊座(第1の菊座)を示す図、(b)は菊座ジョイントの他方を構成する菊座(第2の菊座)を示す図、(c)は先端工具がまっすぐに装着された状態を示す説明図、(d)は先端工具が傾斜して装着された状態を示す説明図である。 本発明に係る先端工具角度調整アダプタの先端工具装着部を180°回転させて図面左方向に傾斜させた状態を示す図である。 本願発明に係る先端工具角度調整アダプタのロックリングネジを180°回転させて図面右方向に傾斜させた状態を示す図である。
以下、この発明の実施例について図面により説明する。
本願発明に係る先端工具角度調整アダプタ1は、図1及び図2に示すもので、図示しない共用操作棒の先端に取り付けられるものである。
先端工具角度調整アダプタ1は、高圧配電線における活線作業に使用される共用操作棒に着脱可能なジョイント金具2と、このジョイント金具に固定された軸部3と、この軸部3に取付けられるロックリングネジ4及び先端工具装着部5とを具備して構成されている。
ジョイント金具は、それ自体公知のもので、共用操作棒の先端に形成された図示しない係合ピンを装着するためのT字溝21を具備する。
軸部3は、ジョイント金具2に一体に形成されるものであっても、別体に形成されてジョイント金具2に螺合、溶接等の手段で結合されるものであってもよく、ジョイント金具2から軸方向に延出されて外周面に雄ネジが形成されたねじ部31と、このねじ部31の先端に球状に一体形成された連結部32とを備え、連結部32は、ねじ部31の直径よりも大きく形成されている。
ロックリングネジ4は、軸部3のねじ部31に螺合するもので、前記ジョイント金具側の端面に軸部3の軸心に対して垂直となる平面41が形成され、この平面41が形成された側と軸方向で反対側の端面に軸部3の軸心に対して傾斜する垂線を有する第1の傾斜面42が形成されている。また、このロックリングネジ4には、その軸芯上に、平面41から第1の傾斜面42にかけて貫通し、内周面に雌ねじが形成されて前記軸部3のねじ部31が螺合するねじ孔43が形成されている。
先端工具装着部5は、ロックリングネジ4に対してジョイント金具2とは反対側に設けられているもので、基端側にロックリングネジ4の第1の傾斜面42と接触可能な第2の傾斜面51が形成され、この第2の傾斜面上に前記軸部3の連結部32が回転自在に係合する球状凹部52が形成されている。したがって、この先端工具装着部5は、ロックリングネジ4に対して軸部3を介して回転可能に連結され、連結部32を中心に回転できるようになっている。
また、先端工具装着部5の先端部は、先端に向かうほど、漸次縮径するように形成され、その先端には、活線作業に使用される先端工具7が装着される菊座ジョイント6の一方を構成する菊座(第1の菊座)61が形成されている。この第1の菊座61は、先端工具装着部5の軸心に対して垂直となる垂線を有する平面上に形成され、図3(a)に示されるように、所定の角度間隔で円周上に突設形成された複数の歯部63を具備している。なお、第1の菊座61には、下記する第2の菊座71を固定するための固定手段として、蝶ネジ62が設けられている。
これに対して、先端工具7の基端には、図3(b)に示されるように、前記第1の菊座61の歯部63と噛合する歯部72が所定の角度間隔で周方向に配置された第2の菊座71が形成されている。この第2の菊座71には、前記蝶ネジ62を避けて前記第1の菊座61に噛合するための装着凹部73が形成されている。これによって、第2の菊座71を第1の菊座61に所望の角度が得られるように噛合させて蝶ネジ62を締め付けることで先端工具7が先端工具装着部5に対して所望の角度で固定できるようになっている(図3(c)は、先端工具7が先端工具装着部5に対して直線上に配置された状態を示すものであり、図3(d)は、先端工具7が先端工具装着部5に対して所定の角度で傾斜して配置された状態を示すものである)。
なお、前記第1の菊座61及び第2の菊座71の少なくともいずれか一方は磁化されており、第1の菊座61と第2の菊座71とを磁力によって仮止めできるようになっている。
以上の構成において、先端工具角度調整アダプタ1は、通常においては、図1に示すように、ジョイント金具2、ロックリングネジ4、及び先端工具装着部5を直線上に配置しているものであるが、先端工具7を図4に示すように図面左側に傾斜させたい場合には、前記先端工具装着部5を、前記連結部32を中心としてロックリングネジ4の傾斜面42に沿って回転させつつ、ジョイント金具2を適宜回転させてロックリングネジ4と先端工具装着部5とを圧接させる。これによって、前記先端工具装着部5の傾斜面51が前記ロックリングネジ4の傾斜面42に対して反対側に傾斜することになるため、前記先端工具7は、先端工具装着部5と共に左側に傾斜することとなる。
また、先端工具7を図5に示すように図面右側に傾斜させたい場合には、前記ロックリングネジ4を回転させて傾斜面42を反対側に傾斜させつつ、ジョイント金具2を適宜回転させてロックリングネジ4と先端工具装着部5とを圧接させる。これによって、前記先端工具装着部5の傾斜面51が前記ロックリングネジ4の傾斜面42に対して反対側に傾斜することになるため、前記先端工具7は、先端工具装着部5と共に右側に傾斜する。
このように、ロックリングネジ4をねじ部31を中心として360°回転させることができ、また、先端工具装着部5も連結部32を中心として360°回転させることができるので、これらロックリングネジ4と先端工具装着部5の回転により、先端工具を任意の方向を向けて共用操作棒の軸心に対する角度を調整することが可能となる。このため、先端工具7を先端工具装着部5に菊座ジョイント6を利用して一旦取り付ければ、蝶ボルト62を緩めて先端工具の角度を調整し直さなくても、ロックリングネジ4と先端工具装着部5とを適宜回転させることにより、角度調整を行うことが可能となる。また、蝶ボルト62を緩めて先端工具の角度調整を行う操作が不要となるので、角度調整の際に先端工具が脱落する恐れがなくなる。
1 先端工具角度調整アダプタ
2 ジョイント金具
3 軸部
4 ロックリングネジ
5 先端工具装着部
6 菊座ジョイント
7 先端工具
21 T字溝
31 ねじ部
32 連結部
41 水平面
42 傾斜面
51 傾斜面
52 球状凹部
61 第1の菊座
62 蝶ネジ
63 歯部
71 第2の菊座
72 歯部

Claims (2)

  1. 活線作業に使用される共用操作棒に着脱可能なジョイント金具と、
    前記ジョイント金具から軸方向に延出したねじ部及び該ねじ部の先端に球状に形成された連結部からなる軸部と、
    該軸部のねじ部に螺合し、前記ジョイント金具とは反対側の端面が前記軸部の軸心に対して傾斜する垂線を有する傾斜面に形成されたロックリングネジと、
    前記ロックリングネジの前記傾斜面と接触可能な傾斜面が基端側に形成されると共にこの傾斜面上に前記軸部の連結部が回転自在に係合する球状凹部が形成され、さらに先端側に活線作業に使用される先端工具が装着される菊座ジョイントの一方を備える先端工具装着部と
    を具備することを特徴とする先端工具角度調整アダプタ。
  2. 前記菊座ジョイントは、前記先端工具装着部の先端部に設けられ、所定の角度間隔で周方向に配置された歯部を有する第1の菊座と、前記先端工具の基端部に設けられ、所定の角度間隔で周方向に配置された歯部を有する第2の菊座と、前記第1の菊座の歯部と第2の菊座の歯部とを噛み合わせてその状態を固定する固定手段とによって構成され、前記第1の菊座と第2の菊座との少なくとも一方は磁化された部分を有することを特徴とする請求項1記載の先端工具角度調整アダプタ。
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