JP5763501B2 - 車両用ウインドウシェード装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両のウインドウを遮蔽及び開放可能に覆う車両用ウインドウシェード装置に関する。
従来、この種のウインドウシェード装置として、特許文献1に開示のものがある。
特許文献1では、巻取シャフトに巻取られたウインドシェードシートを、輪郭保持部材によって引出すようにしている。輪郭保持部材は、案内レールによって案内されるスライド要素に揺動自在に結合されている。そして、引出経路の端部で、輪郭保持部材が圧力バネによって押されることで、ウインドシェードシートが引出される構成とされている。
特開2005−145444号公報
しかしながら、特許文献1では、ウインドシェードシートを引出す際に、輪郭保持部材が圧力バネに当接すると、スライド要素を移動させるのに大きな力が必要となる。
このため、スライド要素を手動によって動かす場合には、引出しの操作性が悪くなってしまう。また、スライド要素をモータ等のアクチュエータによって移動させる場合には、当該アクチュエータに対する負担が大となってしまう。
そこで、本発明は、アームを移動させつつ当該アームを姿勢変更させることで、シェードを引出す場合において、前記アームをより小さい力で姿勢変更させることができるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様は、車両のウインドウを遮蔽及び開放可能に覆う車両用ウインドウシェード装置であって、前記ウインドウを遮蔽可能なウインドウシェードと、前記ウインドウシェードを引出収納可能に巻取る巻取装置と、前記ウインドウシェードの引出収納方向に沿った案内経路を有する案内経路部材を有し、その案内経路に沿って可動部材が移動可能に支持された案内支持機構と、一端が前記ウインドウシェードの引出側端部に連結されたシェード連結部分とされると共に、他端が前記可動部材に回転可能に支持され、前記シェード連結部分を前記ウインドウシェードの収納方向側に位置させた第1姿勢と前記シェード連結部分を前記ウインドウシェードの引出方向側に位置させた第2姿勢との間で姿勢変更可能なアームと、を備え、前記アームに第1ギヤが設けられると共に、前記案内経路の少なくとも一部に第2ギヤが設けられ、前記第1ギヤに噛合する第1中間ギヤを有する第1中間ギヤ部材と、前記第2ギヤに噛合する第2中間ギヤを有する第2中間ギヤ部材と、前記第1中間ギヤ部材と前記第2中間ギヤ部材との間に介在し、前記第2中間ギヤ部材側の回転運動を減速して前記第1中間ギヤ部材側に伝達する少なくとも1つの中継減速ギヤ部材とを備え、これらの回転軸の一部が同軸上に配設され、前記第2ギヤと前記第2中間ギヤとの噛合による前記第2中間ギヤ部材の回転運動を、前記第1中間ギヤと前記第1ギヤとの噛合により前記アームを前記第1姿勢と前記第2姿勢との間で姿勢変更させる回転運動として、前記中継減速ギヤ部材を介して減速して伝達する減速ギヤ機構をさらに備える。
第2の態様は、第1の態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記第2ギヤは、前記可動部材が前記案内経路全体を移動する全行程において前記第2中間ギヤと噛合するように設けられ、前記減速ギヤ機構は、前記可動部材が前記案内経路全体を移動することで、前記アームを前記第1姿勢から前記第2姿勢へ又はその逆へ姿勢変更させる減速度合に設定されている。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記第1中間ギヤ部材と、前記第2中間ギヤ部材と、前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材との各回転軸のうち同軸上に配設されるものと、その他のものとが、前記案内経路に沿って間隔をあけて配設されている。
第4の態様は、第1〜第3のいずれか1つの態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材は、大径ギヤと小径ギヤとが同軸中心となるように一体化されたものであり、それらが回転運動を減速して伝達するように順次噛合している。
第5の態様は、第1〜第4のいずれか1つの態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記第1中間ギヤ部材の回転軸と前記第2中間ギヤ部材の回転軸とが同軸上に配設されている。
第6の態様は、第1〜第5のいずれか1つの態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記第1ギヤの回転軸が、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸とは異なる位置に配設されている。
第7の態様は、第6の態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記第1ギヤの回転軸は、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸に対して前記案内経路に沿って間隔をあけた位置に配設されている。
第8の態様は、第1〜第5のいずれか1つの態様に係る車両用ウインドウシェード装置であって、前記第1ギヤの回転軸が、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸の少なくとも1つと同軸上に配設されている。
第1の態様に係る車両用ウインドウシェード装置によると、減速ギヤ機構の第1中間ギヤが第1ギヤに噛合すると共に第2中間ギヤが第2ギヤに噛合することでアームを姿勢変更させることができる。これにより、可動部材と共にアームを移動させつつ当該アームを姿勢変更させることで、シェードを引出すことができる。この際、減速ギヤ機構は、前記第2ギヤと第2中間ギヤとの噛合による第2中間ギヤ部材の回転運動を、前記第1中間ギヤと前記第1ギヤとの噛合により前記アームを前記第1姿勢と前記第2姿勢との間で姿勢変更させる回転運動として減速して伝達するため、アームをより小さい力で姿勢変更させることができる。
特に、第2中間ギヤ部材の回転運動は、中継減速ギヤ部材を介して第1中間ギヤ部材に伝達されるため、回転運動をより減速して伝達することができる。これにより、案内経路におけるより長い部分で、アームをゆっくりと姿勢変更させることができる。
しかも、第1中間ギヤ部材、第2中間ギヤ部材及び少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の一部が同軸上に配設されているため、減速ギヤ機構のコンパクト化も可能になる。
第2の態様によると、前記可動部材が前記案内経路全体を移動することで、アームを第1姿勢と第2姿勢との間で徐々に姿勢変更させることができる。
第3の態様によると、前記第1中間ギヤ部材と、前記第2中間ギヤ部材と、前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材との各回転軸のうち同軸上に配設されるものと、その他のものとが、前記案内経路に沿って間隔をあけて配設されているため、案内経路の方向における減速ギヤ機構の投影面積を小さくすることができ、案内支持機構の大型化を抑制できる。
第4の態様によると、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の大径ギヤと小径ギヤとの径差によって順次回転運動を減速して伝達することができる。
第5の態様によると、前記第1中間ギヤ部材の回転軸と前記第2中間ギヤ部材の回転軸とを同軸上に配設することで、減速ギヤ機構のコンパクト化を図ることができる。
第6の態様によると、第1ギヤの設計自由度に優れる。
第7の態様によると、前記第1ギヤの回転軸は、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸に対して前記案内経路に沿って間隔をあけた位置に配設されているため、案内経路の方向における減速ギヤ機構及び第1ギヤの投影面積を小さくすることができ、案内支持機構及び第1ギヤの大型化を抑制できる。
第8の態様によると、前記第1ギヤの回転軸が、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸の少なくとも1つと同軸上に配設されているため、第1ギヤをもコンパクトな構成で減速ギヤ機構と噛合できるように配設できる。
実施形態に係る車両用ウインドウシェード装置を示す側面図である。 同上の車両用ウインドウシェード装置を示す側面図である。 可動部材、アーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構を示す側面図である。 アーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構の関係を示す説明図である。 アーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構の関係を示す説明図である。 アーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構の関係を示す説明図である。 アームを示す説明図である。 連動機構を示す概略図である。 水平方向遮蔽用開閉機構の動作を示す説明図である。 水平方向遮蔽用開閉機構の動作を示す説明図である。 水平方向遮蔽用開閉機構の動作を示す説明図である。 水平方向遮蔽用開閉機構の動作を示す説明図である。 水平方向遮蔽用開閉機構の動作を示す説明図である。 水平方向遮蔽用開閉機構の動作を示す説明図である。 変形例に係る可動部材、アーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構を示す側面図である。 同上の変形例に係るアーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構の関係を示す説明図である。 同上の変形例に係るアーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構の関係を示す説明図である。 同上の変形例に係るアーム、第2ギヤ及び減速ギヤ機構の関係を示す説明図である。 変形例の動作を示す説明図である。 変形例の動作を示す説明図である。 変形例の動作を示す説明図である。 変形例の動作を示す説明図である。 変形例の動作を示す説明図である。 変形例の動作を示す説明図である。
{実施形態}
以下、実施形態に係る車両用ウインドウシェード装置について説明する。図1は引出状態における車両用ウインドウシェード装置20を示す側面図であり、図2は収納状態における車両用ウインドウシェード装置20を示す側面図である。なお、これらの図では、車両外側から見た状態を示している。
この車両用ウインドウシェード装置20は、車両において隣設するウインドウ10、12に組込まれ、当該ウインドウ10、12を車両内側から遮蔽及び開放可能に覆うように構成されている。ここでは、車両に略方形状のリアサイドウインドウ10(第1ウインドウ、図1及び図2で車両後方の一部のみ図示)が設けられ、このリアサイドウインドウ10からさらに車両後方に隣設して略三角形状のリアクオーターウインドウ12(第2ウインドウ)が設けられている。また、これらのリアサイドウインドウ10とリアクオーターウインドウ12との間にはピラー14が設けられている。
車両用ウインドウシェード装置20は、リアサイドウインドウ10を覆うための上下方向遮蔽用ウインドウシェード装置30(第1ウインドウシェード装置)と、リアクオーターウインドウ12を覆うための水平方向遮蔽用ウインドウシェード装置50(第2ウインドウシェード装置)とを備えている。そして、上下方向遮蔽用ウインドウシェード装置30の引出収納動作に連動して、水平方向遮蔽用ウインドウシェード装置50が引出収納動作するようになっている。
<上下方向遮蔽用ウインドウシェード機構>
上下方向遮蔽用ウインドウシェード装置30は、上下方向遮蔽用ウインドウシェード32(第1ウインドウシェード)と、上下方向遮蔽用巻取装置36(第1巻取装置)とを備えている。
上下方向遮蔽用ウインドウシェード32は、布或は樹脂シート等によりリアサイドウインドウ10を遮蔽可能な形状に形成されている。ここでは、上下方向遮蔽用ウインドウシェード32は、リアサイドウインドウ10と略同じ大きさ及び形状に形成されている。また、第1ウインドウシェード32の先端部には、樹脂或は金属等によって形成された略棒状のステイ34が取付けられている。上下方向遮蔽用ウインドウシェード32を引出した状態で、ステイ34をリアサイドウインドウ10の上方に存在する車両側部位に引っかける等して固定できるようになっている。
上下方向遮蔽用巻取装置36は、上下方向遮蔽用ウインドウシェード32を巻取可能な巻取軸部材38を有し、上下方向遮蔽用ウインドウシェード32を引出収納可能に巻取るように構成されている(巻取軸部材38については図1参照)。
すなわち、上下方向遮蔽用巻取装置36は、樹脂或は金属等で形成されたケース37内に、上下方向遮蔽用ウインドウシェード32を巻取可能な巻取軸部材38が回転可能に支持された構成とされている。この巻取軸部材38は、図示省略のコイルバネ等の巻取付勢部材によって上下方向遮蔽用ウインドウシェード32を巻取る方向に付勢されている。そして、上記ステイ34を引張ると、巻取付勢部材の付勢力に抗して上下方向遮蔽用ウインドウシェード32が上下方向遮蔽用巻取装置36から引出される。また、ステイ34を引張る力を解除すると、巻取軸部材38に対する巻取方向への付勢力によって上下方向遮蔽用ウインドウシェード32が上下方向遮蔽用巻取装置36に巻取収納される。また、この上下方向遮蔽用巻取装置36は、リアサイドウインドウ10の下縁部に沿って車両に組込まれる。この組込状態でリアサイドウインドウ10の下方から上下方向遮蔽用ウインドウシェード32を引出すことによって、当該上下方向遮蔽用ウインドウシェード32がリアサイドウインドウ10の略全体を遮蔽できるようになる。
<水平方向遮蔽用ウインドウシェード機構>
水平方向遮蔽用ウインドウシェード装置50は、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52(第2ウインドウシェード)と、水平方向遮蔽用巻取装置56(第2巻取装置)と、水平方向遮蔽用開閉機構60(遮蔽用開閉機構)とを備えている。
水平方向遮蔽用ウインドウシェード52は、布或は樹脂シート等によりリアクオーターウインドウ12を遮蔽可能な形状に形成されている。ここでは、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52は、先端部を丸めた略三角形状に形成されている。水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の先端部には、樹脂等によって形成された略棒状のクオーター用ステイ54が取付けられている。
水平方向遮蔽用巻取装置56は、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52を略水平方向に沿って引出収納可能に巻取っている。すなわち、水平方向遮蔽用巻取装置56は、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52を巻取可能な巻取軸を有している。当該巻取軸は図示省略のコイルバネ等によって水平方向遮蔽用ウインドウシェード52を巻取る方向に付勢されている。そして、上記クオーター用ステイ54を引張ると、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52が水平方向遮蔽用巻取装置56から引出されて、リアクオーターウインドウ12を覆うようになる。また、クオーター用ステイ54を引張る力を解除すると、巻取軸の巻取方向への付勢力によって水平方向遮蔽用ウインドウシェード52が水平方向遮蔽用巻取装置56に巻取収納されるようになっている。また、この水平方向遮蔽用巻取装置56は、上記上下方向遮蔽用巻取装置36の一端部である車両後方側端部に、上方に延出する姿勢で固定されている。そして、水平方向遮蔽用巻取装置56は、リアクオーターウインドウ12の車両前方側のピラー14に組込まれて、リアクオーターウインドウ12の前方側縁部に沿って配設される。これにより、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52がリアクオーターウインドウ12に対して、略水平方向に沿って引出収納可能に覆う構成とされる。
水平方向遮蔽用開閉機構60は、案内支持機構62と、アーム70と、減速ギヤ機構80とを備えている。そして、案内支持機構62に沿って前記アーム70を移動させると共に、当該移動途中でアーム70を姿勢変更させることで、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52を引出し及び収納する構成とされている。
より具体的には、案内支持機構62は、可動部材64と案内レール66(案内経路部材)とを有している。
案内レール66は、可動部材64を、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出収納方向に沿って移動可能に支持可能に構成されている。ここでは、案内レール66は、略筒状(略角筒状)に形成されており、一側面に案内レール66の長手方向に沿って延びる開口66Aが形成されている。この案内レール66の内周面によって、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出収納方向に沿うように延在し、かつ、開口66Aを介して一側面に開口する案内経路66Pが形成されている。また、案内レール66の一端部は、上記上下方向遮蔽用巻取装置36の一端部である車両後方側端部に、ブラケット等を介して固定されている。これにより、案内レール66は上下方向遮蔽用巻取装置36の車両後方側端部から略水平に延出する姿勢で固定されている。そして、案内レール66は、車体のうちリアクオーターウインドウ12の下方部分に組込まれ、当該リアクオーターウインドウ12の下縁部に沿って配設されるようになっている。
図3は可動部材64、アーム70、第2ギヤ78及び減速ギヤ機構80を示す側面図である。図4〜図6は、アーム70、第2ギヤ78及び減速ギヤ機構80の関係を示す説明図であり、図4は図3の反対側から見た図、図5は上方から見た図、図6は斜め下方から見た図である。図7はアーム70を示す斜視図である。
可動部材64は、樹脂等で形成された部材であり、前記案内経路66Pに沿って、即ち、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出収納方向に沿って移動可能に支持されている。ここでは、可動部材64は、一対の可動側片64aを有しており、一対の可動側片64aは間隔をあけて対向した状態で支持されている(図5、図6参照)。なお、図1〜4等では、減速ギヤ機構80を示すため、可動部材64を部分的に省略して描いている。
可動部材64の少なくとも一部(ここでは可動側片64aの一方)は上記案内レール66内の案内経路66P内に配設され当該案内経路66Pに沿って走行し、可動部材64の残部(ここでは可動側片64aの他方)は上記開口66Aを介して案内レール66の外部に露出している。開口66Aは、アーム70が突出した状態で摺動可能なように、案内経路66Pの上側面にのみ形成されていてもよい。
また、この可動部材64に、アーム70と減速ギヤ機構80が支持される。ここでは、一対の可動側片64aの間に減速ギヤ機構80が組込まれると共に、上記アーム70の他端部(下端部)が回転可能に支持されている。
ここで、上下方向遮蔽用ウインドウシェード装置30の引出収納動作に連動して可動部材64を移動させる連動機構の一例について説明する。
図8は連動機構100を示す概略図である。なお、図8では減速ギヤ機構80は省略されている。すなわち、この連動機構100は、連動用ラック部材102と、連動中継機構110とを備えている。
連動用ラック部材102は、上記案内レール66の長手方向に沿って移動可能に配設されると共に、可動部材64に連結されている。連動用ラック部材102は、案内レール66内に配設されていてもよいし、案内レール66外に配設されていてもよい。そして、連動用ラック部材102が案内レール66に沿って移動すると、その移動方向及び移動量に応じて可動部材64が案内レール66に沿って引出収納方向に移動するように構成されている。
より具体的には、連動用ラック部材102は、線状に形成されており、その一面に複数の歯が直線状に連なるように形成されている。ここでは、連動用ラック部材102は、前記複数の歯を上向きにした姿勢で案内レール66に沿って移動可能に支持されている。連動用ラック部材102は、樹脂等の可撓性を有する部材によって構成されていてもよいが、押込まれた場合に容易に屈曲しない程度の剛性を有していることが好ましい。また、連動用ラック部材102は、案内レール66の基端側で案内レール66から延出可能に配設されており、可動部材64が水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の収納方向側に移動する場合には、連動用ラック部材102の端部が案内レール66の基端側外方に逃されるようになっている。また、連動用ラック部材102の車両後方側端部に可動部材64が固定されている。可動部材64と連動用ラック部材102との固定は、挟み込み構造、ねじ止等の各種固定構造によってなされる。そして、連動用ラック部材102をその長手方向に沿って進退移動させることによって、可動部材64が案内経路66Pに沿って往復移動するようになっている。
連動中継機構110は、第1傘歯車112と、第2傘歯車114とを有している。これらの第1傘歯車112及び第2傘歯車114等は、案内レール66と上下方向遮蔽用巻取装置36との間に設けられたケース状部分等に組込むとよい。そして、第1傘歯車112と第2傘歯車114との噛合を通じて上下方向遮蔽用巻取装置36の巻取軸部材38の回転運動が、連動用ラック部材102を案内レール66に沿って移動させる力として伝達される。
すなわち、第1傘歯車112は、上下方向遮蔽用巻取装置36の巻取軸部材38に対して当該巻取軸部材38と連動して回転可能に連結されている。ここでは、第1傘歯車112が第1巻取装置36の巻取軸部材38に直接連結されており、巻取軸部材38と一体的に回転するようになっている。もっとも、第1傘歯車112と巻取軸部材38との間に他の平歯車、伝達ベルト等が介在していてもよい。すなわち、巻取軸部材38の回転タイミング及び回転方向に応じて第1傘歯車112が回転すればよい。
第2傘歯車114は、上記第1傘歯車112と噛合可能に配設されている。即ち、第1傘歯車112の回転軸と第2傘歯車114の回転軸とが交わる姿勢で、第2傘歯車114が配設されている。また、この第2傘歯車114に、その回転軸と一致する回転軸を有する平歯車118が一体化されている。平歯車118は、案内レール66と上下方向遮蔽用巻取装置36との間のケース状部分内で、上記連動用ラック部材102に噛合可能に配設されている。そして、第2傘歯車114の回転により平歯車118が回転すると、その回転運動が連動用ラック部材102を案内レール66に沿って直線移動する力として伝達されるようになっている。
この連動中継機構110の連動動作について説明する。
すなわち、上下方向遮蔽用ウインドウシェード32が引出されると、上下方向遮蔽用巻取装置36の巻取軸部材38が引出方向に回転する。巻取軸部材38の回転に連動して第1傘歯車112が回転すると共に、第1傘歯車112に噛合する第2傘歯車114が回転する。第2傘歯車114の回転に連動して平歯車118が回転し、平歯車118と噛合する連動用ラック部材102が案内レール66側に送出される。すると、可動部材64が案内レール66に沿って引出方向側に移動する。
逆に、上下方向遮蔽用巻取装置36の巻取軸部材38の巻取力により上下方向遮蔽用ウインドウシェード32が巻取られる際には、巻取軸部材38の回転力が、第1傘歯車112、第2傘歯車114及び平歯車118を介して連動用ラック部材102に伝達される。これにより、連動用ラック部材102が案内レール66に沿って移動して上下方向遮蔽用巻取装置36側に送出される。すると、可動部材64が案内レール66に沿って収納方向側に移動する。
なお、可動部材64を案内経路66Pに沿って移動させる構成は上記例に限られない。モータ等のアクチュエータの駆動力によって、ワイヤー等を引張り或は送込む等して、可動部材64を移動させる構成であってもよい。モータ等のアクチュエータの駆動力或は人による操作力等が、上下方向遮蔽用ウインドウシェード装置30を介することなく、直接的に、可動部材64を移動させる力として作用する構成であってもよい。
図1〜図7に戻って、アーム70は、金属或は樹脂等により細長棒状に形成されている。なお、アーム70は、可動部材64と水平方向遮蔽用巻取装置56との位置関係等に応じてL字状に曲っていてもよい。アーム70の一端部(上端部)は、上記水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出側端部のクオーター用ステイ54にピンP4を介して回転自在に連結されたシェード連結部分71とされている。また、アーム70の他端部(下端部)は、U字状に曲るU字状部分72に形成され、その先端部が可動部材64の側面にピンP3を介して回転自在に連結されている。そして、アーム70が、シェード連結部分71を水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の収納方向側に位置させた第1姿勢(図2参照)と、シェード連結部分71を水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出方向側に位置させた第2姿勢(図1参照)との間で姿勢変更可能とされている。
より具体的には、上記第1姿勢では、アーム70は水平方向遮蔽用巻取装置56に沿って配設されている。従って、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52を収納した状態では、アーム70は水平方向遮蔽用巻取装置56に沿って配設され、外観上目立たないようになっている。そして、この状態から、可動部材64を移動させることで、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52を引出すことができる。
また、第2姿勢では、前記第1姿勢を基準にして、シェード連結部分71が水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出方向側に傾けられている。可動部材64の移動方向において、可動部材64に対するシェード連結部分71の位置は、第1姿勢の場合よりも第2姿勢の場合において、より引出方向側に位置する。このため、可動部材64の移動距離以上に大きな距離でシェード連結部分71を移動させて、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52をより大きく引出すことができる。なお、水平方向遮蔽用巻取装置56の巻取軸に作用する付勢力によって、アーム70は常時第1姿勢側に付勢されている。
また、アーム70の他端部、ここでは、U字状部分72の外周の一部に、第1ギヤ74が設けられている。この第1ギヤ74は、アーム70が姿勢変更する際の回転中心を中心(曲率中心)とする弧状ギヤであり、その外周面に複数の歯が形成された構成とされている。この第1ギヤ74と減速ギヤ機構80との相対的な関係については後にさらに説明する。
第2ギヤ78は、一種のラックギヤであり、案内経路66Pの少なくとも一部に設けられている。より具体的には、第2ギヤ78は、樹脂等で形成され、案内経路66Pと略同じ長さ寸法の棒状部材の一側部に複数のギヤ歯を形成することにより形成されている。そして、この第2ギヤ78が、そのギヤ歯を、案内経路66Pに沿って移動する可動部材64の第2中間ギヤ86aと噛合する向き(ここでは下向き)にした姿勢で、案内経路66Pに沿って配設固定することで、案内経路66Pの少なくとも一部に、案内経路66Pに沿って延在するラック歯が設けられることとなる。
第2ギヤ78のギヤ歯を形成する部分は、案内経路66Pの全長に対応する部分であってもよいし、案内経路66Pの一部に対応する区間であってもよい。可動部材64が案内経路66P全体を移動することで、アーム70が第1姿勢から第2姿勢へ又はその逆へ姿勢変更するようにするためには、第2ギヤ78は、可動部材64が案内経路66Pを移動する全行程において後述する第2中間ギヤ86aと噛合可能な区間に設けられていることが好ましい。換言すれば、可動部材64が案内経路66Pの一端部及び他端部に位置する両状態での第2中間ギヤ86aの位置間の区間に、第2ギヤ78が形成されていることが好ましい。また、案内経路66Pの一部にギヤ歯を形成する場合には、ギヤ歯が形成された区間以外では、上記棒状部材と第2中間ギヤ86aとが干渉しないように、案内経路66Pの一部に棒状部材を配設する、或は、棒状部材を凹ませることが好ましい。
減速ギヤ機構80は、第1ギヤ74及び第2ギヤ78のそれぞれに噛合可能に設けられ、前記第2ギヤ78との噛合による回転運動を、第1ギヤ74との噛合により前記アーム70を第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変更させる回転運動として減速して伝達するように構成されている。ここで、減速ギヤ機構80が減速して力を伝達するとは、可動部材64の所定長の移動による第2ギヤ78との噛合長さに比べて、第1ギヤ74との噛合長さが短いこと、換言すれば、可動部材64の所定の移動距離に対して、第1ギヤ74のピッチ円周りの移動距離が短くなっている場合をいい、結果として、小さな力をより大きな力に変えて伝達する場合をいう。
ここでは、減速ギヤ機構80は、第1ギヤ74に噛合する第1中間ギヤ82bを有する第1中間ギヤ部材82と、第2ギヤ78に噛合する第2中間ギヤ86aを有する第2中間ギヤ部材86と、これら第1中間ギヤ部材82と第2中間ギヤ部材86との間に介在する中継減速ギヤ部材84とを備えており、これらは金属或は樹脂等によって形成されている。中継減速ギヤ部材84は、第2中間ギヤ部材86側の回転運動を減速して第1中間ギヤ部材82側に伝達するように構成されている。
より具体的には、第1中間ギヤ部材82は、小径ギヤである第1中間ギヤ82bと、第1中間ギヤ82bよりも径が大きい大径ギヤ82aとが同軸中心となるように一体化された構成とされている。また、第2中間ギヤ部材86は、大径ギヤである第2中間ギヤ86aと、第2中間ギヤ86aよりも径が小さい小径ギヤ86bとが同軸中心となるように一体化された構成とされている。
また、中継減速ギヤ部材84は、大径ギヤ84aとこの大径ギヤ84aよりも径が小さい小径ギヤ84bとが同軸中心となるように一体化された構成とされている。
なお、第1中間ギヤ82b、大径ギヤ82a、第2中間ギヤ86a、小径ギヤ86b、大径ギヤ84a、小径ギヤ84bは、それぞれ一周の円を描く歯車である。なお、減速ギヤ機構80全体として、回転運動が減速して伝達されればよく、例えば、上記第1中間ギヤ部材82或は第2中間ギヤ部材86において、大径ギヤ82a或は小径ギヤ86bが省略されてもよい。また、中継減速ギヤ部材84が複数設けられていてもよい。
そして、第1中間ギヤ部材82、中継減速ギヤ部材84及び第2中間ギヤ部材86は、回転速度を減速して伝達するように順次噛合している。より具体的には、第2中間ギヤ部材86の小径ギヤ86bが、中継減速ギヤ部材84の大径ギヤ84aに噛合し、中継減速ギヤ部材84の小径ギヤ84bが第1中間ギヤ部材82の大径ギヤ82aに噛合している。そして、可動部材64の移動に伴って、第2ギヤ78と第2中間ギヤ部材86の第2中間ギヤ86aとが噛合して第2中間ギヤ部材86が回転すると、第2中間ギヤ部材86の小径ギヤ86bと中継減速ギヤ部材84の大径ギヤ84aとの噛合により、回転運動が減速して中継減速ギヤ部材84に伝達される。また、中継減速ギヤ部材84の回転運動は、中継減速ギヤ部材84の小径ギヤ84bと第1中間ギヤ部材82の大径ギヤ82aとの噛合により、第1中間ギヤ部材82に減速して伝達される。また、第1中間ギヤ部材82の回転運動は、第1中間ギヤ部材82の第1中間ギヤ82bとアーム70の他端部の第1ギヤ74との噛合によって、減速してアーム70を姿勢変更させる動きとして伝達される。
特に、ここでは、第1中間ギヤ部材82と第2中間ギヤ部材86との間に、中継減速ギヤ部材84が設けられているため、第2中間ギヤ部材86の回転運動をより減速して第1中間ギヤ部材82に伝達することができる。
なお、ここでは、減速ギヤ機構80の減速度合(減速比)は、上記可動部材64が案内経路66P全体を移動することで、アーム70を第1姿勢から第2姿勢へ又はその逆へ姿勢変更させる程度に設定されている。
また、上記第1中間ギヤ部材82、中継減速ギヤ部材84、第2中間ギヤ部材86の各回転軸の一部は同軸上に配設されている。
ここでは、第1中間ギヤ部材82の回転軸と第2中間ギヤ部材86の回転軸とが同軸上に配設され、これらの回転軸の隣に中継減速ギヤ部材84の回転軸が配設されている。
より具体的には、可動部材64の一対の可動側片64a間に3つのピンP1、P2、P3が支持されている。各ピンP1、P2、P3は、案内経路66Pの延在方向に沿って直交する姿勢とされている。また、各ピンP1、P2、P3は、当該案内経路66Pの延在方向に沿って、案内経路66Pの基端側から先端側に向けてこの順で間隔をあけて支持されている。各ピンP1、P2、P3は、案内経路66Pから離れる方向(上下方向)にずれていてもよく、ここでは、ピンP3は、P1、P2に対して上方(ここではやや上方)にもずれている。
上記中継減速ギヤ部材84は、ピンP1によって回転可能に支持されている。また、第1中間ギヤ部材82と第2中間ギヤ部材86とはピンP2によって同軸上で回転可能に支持されている。第2中間ギヤ部材86は、案内経路66P内にて第2ギヤ78と噛合する側に配設され、第1中間ギヤ部材82は案内経路66Pからはみ出てアーム70と噛合可能な位置側に配設されている。
また、アーム70の他端部(下端部)は、ピンP3によって回転可能に支持されている。これにより、アーム70の下端部の第1ギヤ74の回転軸が、第1中間ギヤ部材82、中継減速ギヤ部材84及び第2中間ギヤ部材86の各回転軸とは異なる位置に配設されている。しかも、第1ギヤ74の回転軸は、第1中間ギヤ部材82、中継減速ギヤ部材84及び第2中間ギヤ部材86の各回転軸に対して案内経路66Pに沿った間隔をあけた位置に配設されている。
なお、各ギヤが上記のように回転可能に支持された状態での各噛合関係は上記した通りである。
この水平方向遮蔽用ウインドウシェード装置50のうち水平方向遮蔽用開閉機構60の動作について説明する。図9、図11、図13は、可動部材64を水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の収納側から引出側へ移動させる際の水平方向遮蔽用開閉機構60の動作を示す側面説明図であり、図10、図12、図14は同動作を示す斜め下方からの説明図である。
まず、可動部材64が案内経路66Pのうち水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の収納方向側端部に位置する状態では、図2〜図6に示すように、第2中間ギヤ部材86の第2中間ギヤ86aは、第2ギヤ78に対して前記収納方向側端部で噛合している。また、アーム70の第1ギヤ74が第1中間ギヤ部材82の第1中間ギヤ82bと噛合した状態で、アーム70が水平方向遮蔽用巻取装置56に沿って配設された状態(つまり、第1姿勢)となっている。
この状態から、上記連動機構100等を介した力によって、可動部材64が案内経路66Pに沿って水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出方向側に移動すると、図9及び図10に示すように、第2ギヤ78と第2中間ギヤ部材86の第2中間ギヤ86aとの噛合によって、第2中間ギヤ部材86が回転し、この回転運動が中継減速ギヤ部材84及び第2中間ギヤ部材86を介して減速して第1ギヤ74に伝達される。これにより、アーム70が第1姿勢から第2姿勢に向けて姿勢変更する。
可動部材64がさらに案内経路66Pに沿って水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出方向側に移動すると、図11及び図12に示すように、アーム70が第1姿勢から第2姿勢に向けてさらに大きく姿勢変更する。
そして、図13及び図14に示すように、可動部材64が案内経路66Pに沿って前記引出方向側端部に達し、換言すれば、第2中間ギヤ部材86が第2ギヤ78のうち前記引出方向側端部に達すると、丁度アーム70が第2姿勢への姿勢変更を完了した状態となる。これにより、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52がリアクオーターウインドウ12をほぼ完全に覆うまで引出される。この状態で、可動部材64が停止した状態に維持されることで、アーム70は第2姿勢に維持される。
可動部材64を水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出側から収納側へ移動させる際の水平方向遮蔽用開閉機構60の動作は上記とは逆になる。
以上のように構成された水平方向遮蔽用ウインドウシェード装置50によると、減速ギヤ機構80の第1中間ギヤ82bが第1ギヤ74に噛合すると共に第2中間ギヤ86aが第2ギヤ78に噛合することでアーム70を姿勢変更させることができる。これにより、可動部材64と共にアーム70を案内経路66Pに沿って移動させつつ姿勢変更させることで、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52を大きく引出すことができる。この際、減速ギヤ機構80は、第2ギヤ78と第2中間ギヤ86aとの噛合による第2中間ギヤ部材86の回転運動を、第1間ギヤ82bと第1ギヤ74との噛合により前記アーム70を姿勢変更させる回転運動として減速して伝達するため、アーム70をより小さい力で姿勢変更させることができる。
また、第2中間ギヤ部材86の回転運動は、中継減速ギヤ部材84を介して第1中間ギヤ部材82に伝達されるため、回転運動をより有効に減速して伝達することができる。これにより、案内経路66Pにおけるより長い区間で、アーム70をゆっくりと姿勢変更させることができる。
特に、第1中間ギヤ部材82、第2中間ギヤ部材86及び中継減速ギヤ部材84は、大径のギヤと小径のギヤとが同軸中心となるように一体化されたものを用いているため、順次回転運動を効果的に減速して伝達することができる。
また、本実施形態では、可動部材64が案内経路66Pの全体を移動することで、アーム70が第1姿勢と第2姿勢との間で姿勢変更するため、アーム70をよりゆっくりと姿勢変更させることができる。
しかも、第1中間ギヤ部材82、第2中間ギヤ部材86及び中継減速ギヤ部材84の一部が同軸上に、ここでは、第1中間ギヤ部材82と第2中間ギヤ部材86とが同軸上に配設されているため、減速ギヤ機構80のコンパクト化(特に、案内経路66Pの延在方向のコンパクト化)も可能になる。また、部品点数の減少、組立工数の削減にも貢献する。さらに、第1中間ギヤ部材82と第2中間ギヤ部材86とが同軸上に支持されているため、多数の軸関係を考慮して軸の位置公差を設定する場合と比べて、軸の位置の公差を小さく設定し易い。これにより、各ギヤの噛合精度を上げやすいというメリットもある。
ここでは、第1中間ギヤ部材82及び第2中間ギヤ部材86の回転軸と中継減速ギヤ部材84の回転軸とが、案内経路66Pに沿って間隔をあけて配設されているため、案内経路66Pの方向における減速ギヤ機構80の投影面積を小さくすることができる(ここでは、高さを小さくすることができる)。これにより、可動部材64を含む案内支持機構62の肥大化、特に、高さ方向の大型化を抑制することができる。
なお、上記したように、中継減速ギヤ部材84を複数設けてもよく、これらの場合でも、これらの回転軸と第1中間ギヤ部材82及び第2中間ギヤ部材86の回転軸を部分的に同軸上に設定するとよく、また、各軸を案内経路66Pの延在方向に間隔をあけて配設するとよい。
また、第1ギヤ74は、第1中間ギヤ部材82、第2中間ギヤ部材86、中継減速ギヤ部材84の各回転軸とは異なる位置に配設されているため、第1ギヤ74のギヤ径、回転中心等の設計自由度に優れる。このため、例えば、第1ギヤ74のギヤ径を大きく設定すること等で、なるべく小さい力でアーム70を姿勢変更させ、また、徐々に姿勢変更するように設定し易い。
また、第1ギヤ74の回転軸は、第1中間ギヤ部材82、第2中間ギヤ部材86、中継減速ギヤ部材84の各回転軸に対して案内経路66Pに沿って間隔をあけた位置に配設されているため、この位置設定の観点からも、案内経路66Pの方向における減速ギヤ機構80及び第1ギヤ74の投影面積を小さくすることができる(ここでは、高さを小さくすることができる)。これにより、可動部材64を含む案内支持機構62及び第1ギヤ74の肥大化、特に、高さ方向の大型化を抑制することができる。
{変形例}
上記実施形態を前提とする変形例について説明する。この変形例が上記実施形態と異なる部分は、減速ギヤ機構180及び第1ギヤ174を有するアーム170に係る部分であるため、これらの部分を中心に説明する。
図15は可動部材64、アーム170、第2ギヤ78及び減速ギヤ機構180を示す側面図である。図16〜図18は、これらの関係を示す説明図であり、図16は図15の反対側から見た図、図17は上方から見た図、図18は斜め下方から見た図である。
減速ギヤ機構180は、上記実施形態で説明したのと同様の、第1中間ギヤ部材82、中継減速ギヤ部材84及び第2中間ギヤ部材86を備えており、これらの噛合関係も上記したのと同じである。しかしながら、第1中間ギヤ部材82、中継減速ギヤ部材84及び第2中間ギヤ部材86の配置関係が上記減速ギヤ機構80とは異なっている。
すなわち、可動部材64の一対の可動側片64a間に2つのピンP101、P102が支持されている。各ピンP101、P102、案内経路66Pの延在方向に沿って直交する姿勢とされている。また、各ピンP101、P102は、当該案内経路66Pの延在方向に沿って、案内経路66Pの基端側から先端側に向けてこの順で間隔をあけて支持されている。各ピンP101、P102は、案内経路66Pから離れる方向(上下方向)にずれていてもよい。
また、上記第1中間ギヤ部材82、中継減速ギヤ部材84、第2中間ギヤ部材86の各回転軸の一部は同軸上に配設されている。
ここでは、第1中間ギヤ部材82の回転軸と第2中間ギヤ部材86の回転軸とが同軸上に配設され、これらの回転軸に対して隣に中継減速ギヤ部材84の回転軸が配設されている。
第1中間ギヤ部材82と第2中間ギヤ部材86とはピンP101によって同軸上で回転可能に支持されている。上記中継減速ギヤ部材84は、ピンP102によって回転可能に支持されている。第1中間ギヤ部材82と第2中間ギヤ部材86とは収納方向側に配設され、中継減速ギヤ部材84は引出方向側に配設されており、この点では、上記実施形態と位置関係が入れ替っている。なお、上記実施形態と同様に、第2中間ギヤ部材86は、案内経路66P内にて第2ギヤ78と噛合する側に配設され、第1中間ギヤ部材82は案内経路66Pからはみ出てアーム170の第1ギヤ174と噛合可能な位置側に配設されている。
また、アーム170の他端部(下端部)は、円板状に形成され、その外周囲にギヤ歯が形成され、これにより第1ギヤ174が形成されている。この第1ギヤ174の中心は、ピンP102によって回転可能に支持され、第1中間ギヤ部材82の第1中間ギヤ82bに噛合している。つまり、第1ギヤ174の回転軸は、中継減速ギヤ部材84の回転軸と同軸上に配設されている。
なお、中継減速ギヤ部材84の数、及び、第1中間ギヤ部材82、第2中間ギヤ部材86の位置関係等によっては、第1中間ギヤ部材82の回転軸は、複数の中継減速ギヤ部材84のいずれか、或は、第1中間ギヤ部材82、第2中間ギヤ部材86の回転軸と同軸上に配設されていてもよい。
この変形例の動作について説明する。図19、図21、図23は、可動部材64を水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の収納側から引出側へ移動させる際の水平方向遮蔽用開閉機構60の動作を示す側面説明図であり、図20、図22、図24は同動作を示す斜め下方からの説明図である。
まず、可動部材64が案内経路66Pのうち水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の収納方向側端部に位置する状態では、図15〜図18に示すように、第2中間ギヤ部材86の第2中間ギヤ86aは、第2ギヤ78に対して前記収納方向側端部で噛合している。また、アーム170の第1ギヤ174が第1中間ギヤ部材82の第1中間ギヤ82bと噛合した状態で、アーム170が水平方向遮蔽用巻取装置56に沿って配設された状態(つまり、第1姿勢)となっている。
この状態から、上記連動機構100等を介した力によって、可動部材64が案内経路66Pに沿って水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出方向側に移動すると、図19及び図20に示すように、第2ギヤ78と第2中間ギヤ部材86の第2中間ギヤ86aとの噛合によって、第2中間ギヤ部材86が回転し、この回転運動が中継減速ギヤ部材84及び第1中間ギヤ部材82を介して減速して第1ギヤ174に伝達される。これにより、アーム170が第1姿勢から第2姿勢に向けて姿勢変更する。
可動部材64がさらに案内経路66Pに沿って水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出方向側に移動すると、図21及び図22に示すように、アーム170が第1姿勢から第2姿勢に向けてさらに大きく姿勢変更する。
そして、図23及び図24に示すように、可動部材64が案内経路66Pに沿って前記引出方向側端部に達し、換言すれば、第2中間ギヤ部材86が第2ギヤ78のうち前記引出方向側端部に達すると、丁度アーム170が第2姿勢への姿勢変更を完了した状態となる。これにより、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52がリアクオーターウインドウ12をほぼ完全に覆うまで引出される。この状態で、可動部材64が停止した状態に維持されることで、アーム170は第2姿勢に維持される。
可動部材64を水平方向遮蔽用ウインドウシェード52の引出側から収納側へ移動させる際の水平方向遮蔽用開閉機構60の動作は上記とは逆になる。
この変形例によっても、第1ギヤ74の回転軸を他の回転軸と別軸にしたことによる作用効果を除いて、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
特に、本変形例では、第1ギヤ174の回転軸と中継減速ギヤ部材84の回転軸とが同軸上に配設されているため、第1ギヤ174をよりコンパクトな構成で減速ギヤ機構180と噛合できるように配設できる。
なお、上記実施形態のように、上下方向遮蔽用ウインドウシェード装置30と、水平方向遮蔽用ウインドウシェード装置50とを両方を備えていることは必須ではなく、水平方向遮蔽用ウインドウシェード52単独で用いられてもよい。また、本水平方向遮蔽用ウインドウシェード52で説明した構成が、上下方向、斜め方向で遮蔽するウインドウシェード装置に組込まれてもよい。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
12 リアクオーターウインドウ
20 車両用ウインドウシェード装置
50 水平方向遮蔽用ウインドウシェード装置
52 水平方向遮蔽用ウインドウシェード
54 クオーター用ステイ
56 水平方向遮蔽用巻取装置
62 案内支持機構
64 可動部材
66 案内レール
66P 案内経路
70、170 アーム
71 シェード連結部分
74、174 第1ギヤ
78 第2ギヤ
80、180 減速ギヤ機構
82 第1中間ギヤ部材
82a 大径ギヤ
82b 第1中間ギヤ
84 中継減速ギヤ部材
84a 大径ギヤ
84b 小径ギヤ
86 第2中間ギヤ部材
86a 第2中間ギヤ
86b 小径ギヤ

Claims (8)

  1. 車両のウインドウを遮蔽及び開放可能に覆う車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記ウインドウを遮蔽可能なウインドウシェードと、
    前記ウインドウシェードを引出収納可能に巻取る巻取装置と、
    前記ウインドウシェードの引出収納方向に沿った案内経路を有する案内経路部材を有し、その案内経路に沿って可動部材が移動可能に支持された案内支持機構と、
    一端が前記ウインドウシェードの引出側端部に連結されたシェード連結部分とされると共に、他端が前記可動部材に回転可能に支持され、前記シェード連結部分を前記ウインドウシェードの収納方向側に位置させた第1姿勢と前記シェード連結部分を前記ウインドウシェードの引出方向側に位置させた第2姿勢との間で姿勢変更可能なアームと、
    を備え、
    前記アームに第1ギヤが設けられると共に、前記案内経路の少なくとも一部に第2ギヤが設けられ、
    前記第1ギヤに噛合する第1中間ギヤを有する第1中間ギヤ部材と、前記第2ギヤに噛合する第2中間ギヤを有する第2中間ギヤ部材と、前記第1中間ギヤ部材と前記第2中間ギヤ部材との間に介在し、前記第2中間ギヤ部材側の回転運動を減速して前記第1中間ギヤ部材側に伝達する少なくとも1つの中継減速ギヤ部材とを備え、これらの回転軸の一部が同軸上に配設され、前記第2ギヤと前記第2中間ギヤとの噛合による前記第2中間ギヤ部材の回転運動を、前記第1中間ギヤと前記第1ギヤとの噛合により前記アームを前記第1姿勢と前記第2姿勢との間で姿勢変更させる回転運動として、前記中継減速ギヤ部材を介して減速して伝達する減速ギヤ機構をさらに備える車両用ウインドウシェード装置。
  2. 請求項1記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記第2ギヤは、前記可動部材が前記案内経路全体を移動する全行程において前記第2中間ギヤと噛合するように設けられ、
    前記減速ギヤ機構は、前記可動部材が前記案内経路全体を移動することで、前記アームを前記第1姿勢から前記第2姿勢へ又はその逆へ姿勢変更させる減速度合に設定されている、車両用ウインドウシェード装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記第1中間ギヤ部材と、前記第2中間ギヤ部材と、前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材との各回転軸のうち同軸上に配設されるものと、その他のものとが、前記案内経路に沿って間隔をあけて配設されている、車両用ウインドウシェード装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材は、大径ギヤと小径ギヤとが同軸中心となるように一体化されたものであり、それらが回転運動を減速して伝達するように順次噛合している、車両用ウインドウシェード装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記第1中間ギヤ部材の回転軸と前記第2中間ギヤ部材の回転軸とが同軸上に配設されている、車両用ウインドウシェード装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記第1ギヤの回転軸が、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸とは異なる位置に配設されている、車両用ウインドウシェード装置。
  7. 請求項6記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記第1ギヤの回転軸は、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸に対して前記案内経路に沿って間隔をあけた位置に配設されている、車両用ウインドウシェード装置。
  8. 請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の車両用ウインドウシェード装置であって、
    前記第1ギヤの回転軸が、前記第1中間ギヤ部材、前記第2中間ギヤ部材及び前記少なくとも1つの中継減速ギヤ部材の各回転軸の少なくとも1つと同軸上に配設されている、車両用ウインドウシェード装置。
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