JP5762524B2 - 加熱式マスカラ塗布具及び適切な組成物 - Google Patents

加熱式マスカラ塗布具及び適切な組成物 Download PDF

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Description

本発明は、製品の一部が容器から分配され、及び/又は、製品の一部が表面に塗布されるように、製品の一部を加熱する製品塗布具に関する。特に、本発明は、製品を塗布している間、製品貯蔵部から物理的に分離する手持ち式マスカラ塗布具に関する。
製品塗布具は、製品の所定量を供給するように設計されている。消費財には、概して、2種類の手持ち式塗布具がある。製品容器/貯蔵部から分離可能な塗布具がある。明細書全体を通じ、「分離可能な塗布具」は、製品を標的表面に塗布する時に、製品貯蔵部から切り離される塗布具である。使用中、分離可能な塗布具には、製品貯蔵部から標的表面へ移転する製品が載せられる。これとは対照的に、製品容器と一体化された塗布具があり、一体化のため、塗布具を製品容器から分離することができない。この種類の装置は、標的表面へ移転する製品を、貯蔵部から塗布具の内部を通って出口構造体へ流出させることにより分配する。本発明は、製品容器から分離可能な最初の種類の加熱式塗布具に関する。
製品容器から分離可能な加熱式塗布具には、分配容器と一体化された加熱式塗布具とは異なる問題がある。使用時に製品容器から分離される加熱式塗布具の場合、電力が塗布具へ連続的に供給されることになっているのなら、電子回路を、容器内にではなく、塗布具内にしか収容することができない。これとは対照的に、分配容器と一体化された塗布具の場合、電子機器は、塗布具内に収容されるとは限らない。容器部分においては、かなり多くの空間が電気回路に割り付けられている。実際には、塗布具と一体化され、加熱素子を有する分配容器は、塗布具と一体化され、加熱素子を有していない分配容器ほどの大きさであることがある。分離可能な塗布具は、少なくとも化粧品及びパーソナルケアにおいて異なる。この点で、このような塗布具は、ほっそりした傾向があり、小さな財布又はポケットに容易に保管するように設計される傾向にある。パーソナルケア分野では、この種類の塗布具をより小型化し、より便利にするという流れが常である。このため、塗布具への加熱部品の追加が、塗布具をより大きくさせる必要がある場合には、このことは明らかな欠点である。塗布具と一体化された分配容器を設計する時、この欠点に直面することはそれ程多くない。その理由は、塗布具と一体化された分配容器は、拡張する必要など全くなく、又は、分離可能な塗布具と同程度まで拡張する必要がないためである。
マスカラ製品は、非常に一般的である。今日、マスカラの販売は、アメリカだけで年間8億ドルに達する。このため、かなりの資金が、革新的なマスカラ製品の開発に投入されている。革新的なマスカラ製品は、新たな特徴を消費者に紹介するものであり、又は、より良い性能にすることにより、若しくは、より安価にすることにより、既存のマスカラに改良を加えるものである。マスカラ製品では、組成物において、又は、組成物を塗布するのに用いられる塗布具において革新が起こり得る。マスカラ組成物は、製剤、包装及び塗布が最も困難な化粧品の一つであるので、マスカラ製品の分野において革新的であるということは、挑戦となる可能性がある。一部には、このことは、製品の物理的及びレオロジー的性質によるものである。マスカラは、重く、粘性であり、粘着性があり、多くの場合、扱いにくい製品である可能性がある。マスカラは、製造、充填又は塗布において容易に流動せず、その一方で、周囲条件で急速に乾燥する。マスカラは、製造中、安全性を問題にする揮発性成分を含有する場合がある。マスカラは、塗布の標的領域によっても、困難である。睫毛では、塗布領域が非常に小さく、その一方で、睫毛は、柔らかく、可撓性があり、デリケートであり、かつ、非常に敏感な眼組織に極めて接近している。睫毛は、可撓性があるので、マスカラ塗布具で圧力をかけると容易にたわみ、これにより、製品を睫毛上に移転させるのを困難にする。レオロジー的に困難な製品を小さくてデリケートな標的に移転させ、その際、特定の視覚的効果を実現する行為は、マスカラ塗布の困難な作業である。
最も一般的なマスカラ塗布具は、マスカラブラシである。古典的なマスカラブラシは、螺旋状のワイヤ芯内に配置された個々の繊維状体の一群を備える剛毛ヘッドを有する。ワイヤ芯は、細長状ステムの一端から懸下し、その一方で、他端は、ハンドルに結合する。成形された剛毛ヘッドも既知である。成形された剛毛ヘッドは、スリーブから放射状に広がる一体成形された剛毛要素を有する円筒状のスリーブとして形作られている。成形されたスリーブを細長状ステムの一端上で摺動させることができ、その一方で、ステムの他端は、ハンドルに結合する。いずれの場合にも、放射状に延在する剛毛が相まって、剛毛ヘッド又は塗布具ヘッド、すなわち、塗布具の「作業部分」を形成する。結果に対し効果的であるように、当業者により認識されるこれらブラシパラメータの検討については、本明細書で全体として援用する米国特許第7465114号を参照されたい。
マスカラ組成物に関して、それらの性能特性を論じる上で確立された用語が存在する。これら特性の各々を、例えば、製剤時の比較のため、0〜10の任意段階の数字で評価することができ、このような数字を特性の各々に割り当てることができる。「塊状化」とは、マスカラ塗布の結果として数本の睫毛が集まって厚いギザギザの軸を形成することである。塊状化は、個々の睫毛の境界の明確さを低減し、一般的には望ましくない。「カール」は、マスカラが未処理の睫毛に対して睫毛を弓なりに上方へ反らせる程度である。多くの場合、カールは望ましい。「剥離」とは、所定の損耗時間後、マスカラ片が睫毛から剥がれることを意味する。品質の高いマスカラ程、剥がれ落ちない。「充填度」は、睫毛の体積及び睫毛間の空間に依存し、「まばら」(又は、低充填度)とは、睫毛が比較的少なく、睫毛間の分離が比較的大きいことを意味し、「高密度」(又は、高充填度)とは、隣接の睫毛間に空間がほとんどなく、睫毛が密集していることを意味する。「長さ」は、自由先端から、皮膚へ挿入された地点までの睫毛の寸法である。長さの増加は、マスカラ塗布の目的であることが多い。「分離」は、睫毛が集まっていないことであり、従って、個々の睫毛は、境界が非常に明確にされている。良好な分離は、マスカラ塗布の所望な効果の一つである。「スマッジング」は、所定の損耗時間後、皮膚又は他の表面に接触した時にマスカラが汚れを起こす傾向である。スマッジングは、マスカラが皮膚又は環境からの水分及び/又は油分と混合することにより助長される。「スパイク化」は、個々の睫毛の先端が融合して、通常、不所望な三角形のクラスタを生成する傾向である。「厚さ」は、マスカラを塗布することにより外見上変化できる個々の睫毛の直径である。厚さの増加は、通常、マスカラ塗布の目的である。「損耗」は、塗布直後と比較して、所定時間後の睫毛上のマスカラを目で見た印象である。「全体的外観」は、上記の定義のすべてを考慮に入れる一つの総合評点である。全体的外観は、処理睫毛と未処理睫毛とを比較し、又は、あるマスカラの審美的な魅力と別のマスカラの審美的な魅力とを比較する主観的判断である。理想的なマスカラは、所望な性質のすべてを所有する一方で、不所望な性質を回避する。
多くの場合、フォームレータ(化粧者)は、より厚く、より充填され、充分に分離された睫毛を実現することに関心がある。塊状化及びスパイク化のような特性は、これに反する作用をする傾向があり、開発者は、一つ以上の特性を、他のものを犠牲にするしか改善することができない。例えば、特定のマスカラの充填度を高めるために、一般通念では、より多くの固体(蝋)を組成物に加えることを推奨する。しかし、この行為には、この行為によって組成物の塊状化が増し、使用者が睫毛を分離しづらくなる傾向があるという欠点がある。しかも、高濃度の固体のために、マスカラを睫毛に広げることは困難であるので、高レベルの固体は、負の感覚的効果を生み出すことがある。睫毛が引っ張られ、このことに関連する不快を感じ、塗布がうまくいかないかもしれない。従来のマスカラ製剤技術は、分離とボリュームアップとの間、すなわち、一方が多過ぎる状態と、他方が不充分な状態との間のバランスを取ることがある。加熱式塗布具及び製剤の実施形態は、この困難に対処する。既に述べたように、製剤中、比較のために、上記の特性の各々を任意段階の数字で評価することができ、このような数字を特性の各々に割り当てることができる。例えば、性能段階が、0〜10である場合に、一つ以上の特性において、好ましくは、特性のどれか一つでも減少しないで、1以上のポイントが増加すると、マスカラ性能の実質的な改善を理解することができる。
従来のマスカラ製剤は、1:7〜1:3の、油相と水との比を典型的に有することができる水中油型乳化剤マスカラを含む。これらマスカラは、良好な安定性、湿式塗布及び水による容易な除去という利点を提供し、これらマスカラは、比較的安価に製造され、これらマスカラに多様なポリマーを用いることができ、これらマスカラは、ほとんどのプラスチック包装材に適合する。水中油型マスカラは、水及び湿気の曝露に充分に耐えることができない。典型的に、水中油型マスカラは、乳化剤、ポリマー、蝋類、充填剤、顔料及び保存剤から構成されている。ポリマーは、フィルム形成剤として働き、マスカラの損耗を改善する。ポリマーは、マスカラの乾燥時間、レオロジー(すなわち、粘度)、可撓性、耐剥落性及び耐水性又は防水に影響を与える。蝋類も、マスカラのレオロジー的性質に劇的な影響を与え、一般的には、融点特性及び粘度に関して選択される。不活性充填剤は、製剤の粘度、並びに、達成することができる睫毛のボリューム及び長さを制御するのに用いられる場合がある。顔料の中では、黒色酸化鉄が、マスカラ製剤において一番であり、その一方で、鮮やかな色にする非酸化鉄顔料も、近年重要になってきた。保存剤は、販売可能なマスカラ製品にほぼ必ず要求される。
油中水型マスカラもあり、その主要な利点は、耐水性及び長期耐久性である。典型的に、これらマスカラは、1:2〜9:1の、油相と水との比を有することができる。典型的に、油中水型マスカラは、乳化剤、溶剤、ポリマー及び顔料から構成されている。揮発性溶剤は、マスカラの乾燥を促進する。油中水型マスカラでは、油混和性フィルム形成性ポリマーが推奨されているが、ポリマーは、上述した水中油型の場合と同様の役割を油中水型マスカラで果たす。同類の顔料を、水中油型の場合のように、油中水型マスカラに用いることができる。しかし、この場合、疎水処理された顔料は、安定性及び適合性を改善することができる。
米国特許第7083347号、米国特許第7090420号、米国特許出願公開第2005/0031656号及び米国特許出願公開第2005/0013838号は、マスカラ及び加熱式塗布具の組み合わせを開示している(本明細書では、これらの参照文献を全体として援用する)。特に、これら参照文献は、特許権者の開示された試験方法に従って測定された時に特定の熱挙動及び融解特性を有するマスカラを含む加熱式塗布具の使用について説明している。例えば、熱挙動及び融解特性は、示差走査熱量計を用いて測定されている。
市販のマスカラで見られる様々な材料により、マスカラ組成物は、(融解エンタルピーの5%が消費された温度として定義された)開始融点と、(融解エンタルピーの95%が消費された温度として定義された)終了融点とを表す。これら参照文献は、温度振幅(=終了融解温度−開始融解温度)に従って製剤を定義する。熱流量(吸収された電力)対温度のDSCプロットでは、開始及び終了融点並びに一つ以上のピークを観測することができる。これら参照文献に説明された組成物は、中間高さで10℃又は20℃以下の融解ピーク幅を示すものである。更に、‘347、‘420、‘656及び‘838の参照文献は、加熱式塗布具が、(DSC曲線において、ピークの頂点に対応する温度として定義された)製剤の融点より上に製剤の温度を上昇させることができることについても開示している。
更に、精読すると、‘347、‘420、‘656及び‘838の参照文献は、「熱的安定性」組成物に関するということが分かる。本明細書に定義及び採用されているように、「熱的安定性」製剤は、以下の手順に従って、融解/冷却を連続して4周期以上受けた後、製剤の粘度が25%以下変化するものとして定義されている。製剤を、80℃で2時間、温度室内に置く。その後、製剤を、自然に周囲温度へ戻すために放置する。少なくとも4周期実施した後、製剤の粘度を測定する。二つの連続する周期の間には、24時間の間隔をおく。融解/冷却を少なくとも4周期実施した後に測定された粘度を、第1周期前に測定された粘度と比較する。
加熱式化粧品及びパーソナルケア塗布具が、電力源からスイッチへ電気を導通し、その後、加熱素子へ電気を導通し、場合により、一つ以上の光表示器及び温度制御器へ電気を導通した後、電力源に戻す従来の可撓性金属配線及び接点を用いることは知られている。二つ以上の独立回路が必要とされる場合、これに比例してワイヤ及び電気接続線の数が増大する。これとは対照的に、本発明の実施形態による加熱式塗布具は、金属線導体を用いず、又は、ほとんど用いず、ワイヤ回路の使用に関連する空間の制限がなく、塗布具を組み立てるのに要する労力をかなり軽減し、より信頼性のある電気接続線及び高度な電気オプション、並びに、縮小された回路長を有する。
本発明の様々な実施形態は、以下の目的の一つ、一部又は全部を達成する。「目的」は、それ自体で、不可欠な特徴を示すものではない。
本発明の一つの目的は、製品の少なくとも0.15g、好ましくは少なくとも0.25g、より好ましくは少なくとも0.40g、最も好ましくは少なくとも0.50gを、25秒以下、好ましくは15秒以下、より好ましくは10秒以下、最も好ましくは5秒以下で周囲温度から製品塗布温度へ加熱することができる手持ち式マスカラ塗布具を提供することにある。
別の目的は、このような塗布具であって、20℃、25℃、30℃若しくは35℃を超える融解ピークの中間高さ幅を有するマスカラ組成物と組み合わされ、及び/又は、5秒、10秒若しくは15秒を超える冷却固化時間を有するマスカラ組成物と組み合わされる塗布具を提供することにあり、従って、改善されたマスカラ塗布具及び他の利点を提供することにある。
別の目的は、このような塗布具であって、20℃以下の融解ピークの中間高さ幅を有するマスカラ組成物と組み合わされ、及び/又は、10秒以下の冷却固化時間を有するマスカラ組成物と組み合わされる塗布具を提供することにあり、従って、改善されたマスカラ塗布具、及び、従来技術よりも優れた他の利点を提供することにある。
本発明の別の目的は、従来技術のどれよりも正確である、塗布具ヘッドを囲む熱の分布を制御する手段を有する加熱式塗布具を提供することにある。
本発明の別の目的は、従来技術の加熱式塗布具よりも高度な電子機器、すなわち、電力効率のより良い電子機器を有する改善された加熱式塗布具を提供することにある。
本発明の別の目的は、(少なくとも5gの)マスカラの普通サイズ容器の寿命期間中に、電力源を充電又は再充電する必要なく、効果的な加熱を維持する加熱式塗布具を提供することにある。
本発明の別の目的は、特定の電源と組み合わされるプリント回路設計を有する加熱式マスカラ塗布具を提供することにあり、これにより、塗布具は、電源を充電又は再充電する必要なく、かつ、加熱性能のかなりの低下が起こらず、少なくとも4時間、より好ましくは6時間の加熱サービスを供給することができる。
本発明の別の目的は、性能を最大化するため、加熱素子の数を巻回/列当りの剛毛の数に合わせる加熱式マスカラ塗布具を提供することにある。
本発明の別の目的は、塗布具ヘッドを囲む熱の分布を制御する戦略的に配置された複数の個々の小型加熱素子を有する加熱式マスカラ塗布具を提供することにある。
この概要は、単に導入部として示されており、それだけで特許請求の範囲を限定するものではない。一側面によれば、本発明は、塗布具ヘッドと、電流源と、塗布具ヘッド上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.15gを25秒以下で周囲温度から製品塗布温度へ加熱するのに効果的である熱発生部分とを備え、25秒以下は、熱発生部分が作動された瞬間から測定されている手持ち式マスカラ塗布具である。
別の側面によれば、本発明は、外側表面及び中心の長手方向軸線を有する塗布具ヘッドと、外側表面の温度を25秒以下で周囲温度から約55℃以上へ上昇させるのに効果的である熱発生部分とを備え、25秒以下は、熱発生部分が作動された瞬間から測定されている手持ち式マスカラ塗布具である。
別の側面によれば、本発明は、マスカラ組成物を塗布するシステムであり、このシステムは、容器に含まれるマスカラ組成物であって、20℃を超える中間高さ融解ピーク幅を有する熱プロファイルを有するマスカラ組成物と、塗布具ヘッド、電流源及び熱発生部分を備える手持ち式マスカラ塗布具であって、熱発生部分は、塗布具ヘッド上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.15gを、熱発生部分が作動された瞬間から測定された25秒以下で、周囲温度から製品塗布温度へ加熱するのに効果的である手持ち式マスカラ塗布具とを備える。
別の側面によれば、本発明は、マスカラ組成物を塗布するシステムであり、このシステムは、容器に含まれるマスカラ組成物であって、約10秒を超える冷却固化時間を有するマスカラ組成物と、塗布具ヘッド、電流源及び熱発生部分を備える手持ち式マスカラ塗布具であって、熱発生部分は、塗布具ヘッド上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.15gを、熱発生部分が作動された瞬間から測定された25秒以下で、周囲温度から製品塗布温度へ加熱するのに効果的である手持ち式マスカラ塗布具とを備える。
別の側面によれば、本発明は、マスカラ組成物を塗布するシステムであり、このシステムは、容器に含まれる熱動的なマスカラ組成物と、塗布具ヘッド、電流源及び熱発生部分を備える手持ち式マスカラ塗布具であって、熱発生部分は、塗布具ヘッド上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.15gを、熱発生部分が作動された瞬間から測定された25秒以下で、周囲温度から製品塗布温度へ加熱するのに効果的である手持ち式マスカラ塗布具とを備える。
別の側面によれば、本発明は、マスカラ組成物を塗布するシステムであり、このシステムは、マスカラ組成物の少なくとも4gを有する容器と、手持ち式マスカラ塗布具とを備え、手持ち式マスカラ塗布具は、ハンドルと、塗布具ヘッドと、ハンドル内に収納された電源とを備え、電源は、電流を熱発生部分に選択的に供給し、これにより、電源を充電又は再充電する必要なく、容器の寿命中、熱発生部分は、作動された時に、塗布具ヘッド上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.15gを、熱発生部分が作動された瞬間から測定された25秒以下で、周囲温度から製品塗布温度へ加熱するのに効果的である。
本発明による加熱式マスカラ塗布具の一実施形態の分解図である。 ハンドルの斜視図である。 本発明によるステムを表す図である。 本発明によるステムを表す図である。 成形された塗布具ヘッドを表す図である。 プリント回路板、並びに、プリント回路板とステム及び塗布具ヘッドとの関係を示す図である。 プリント回路板、並びに、プリント回路板とステム及び塗布具ヘッドとの関係を示す図である。 本発明に用いられる一つの実行可能な電子回路を示す線図である。 プリント回路板に割り付けられた一つの実行可能な電子回路を示す図である。 タブの詳細図である。 タブの詳細図である。 第1位置におけるばね、電池及びタブの相対位置を示す図である。 第2位置におけるばね、電池及びタブの相対位置を示す図である。
本明細書は、分離可能な手持ち式の加熱式塗布具に関する。本発明の主要な焦点は、マスカラ塗布具である。本明細書で説明される原理は、より広く適用可能であるが、これら原理は、マスカラ塗布具及びマスカラ塗布に関して説明される。
定義
「製品塗布温度」とは、周囲温度よりも高い製品の温度を意味し、製品塗布温度では、製品の何らかの特性が、皮膚若しくは髪(例えば、睫毛)への製品の塗布に関連する何らかの基準に基づいて、及び/又は、上記で定義された性能特性に基づいて向上又は改善される。例えば、周囲温度を、20℃〜25℃であると理解することができ、製品塗布温度を30℃以上から、より好ましくは40℃以上から、より一層好ましくは50℃以上から、最も好ましくは60℃以上から、90℃までとすることができ、向上した特性を、粘度の10%以上の低下から、より好ましくは粘度の20%の低下から、より一層好ましくは粘度の30%の低下から、最も好ましくは粘度の40%の低下から、粘度の90%までの低下とすることができる。
別の例では、周囲温度を、20℃〜25℃であると理解することができ、製品塗布温度を35℃以上、より好ましくは45℃以上、より一層好ましくは55℃以上、最も好ましくは65℃以上とすることができ、向上した特性を、塊状化スコア、カールスコア、剥離スコア、充填度スコア、長さスコア、分離スコア、スマッジングスコア、スパイク化スコア、厚さスコア、損耗スコア、全体的外観スコアのいずれか一つにおける(0〜10段階での)3ポイントの改善とすることができる。従って、語句の「製品塗布温度」は、一部の従来技術で粘度に関して焦点が絞られてしまいがちであるが、単に粘度だけではなく、マスカラ性能に関連する何らかの製品特性の変化を含む。従って、マスカラの粘度が、温度の変化によりほとんど影響を受けないとしても、例えば、光沢の増加若しくは伸長の改善のため、又は、他の何らかの理由により、全体的外観が向上した場合、温度は、依然として「製品塗布温度」の定義に含まれることができる。特に、「製品塗布温度」は、DSC曲線上で決定される製品の開始融点、ピーク融点又は終了融点を上回る又は下回る温度を含むことができる。このため、一部の従来技術とは異なり、製品性能又は塗布の改善を達成するのに融解を必要としなくてもよい。
「手持ち式塗布具」とは、塗布具が一つ以上の主要な動作を実行している時、一つ以上の手に保持され、宙に持ち上げられるように意図された塗布具を意味する。主要な動作は、製品を塗布具上へ載せ、製品を塗布表面へ供給することを含む。従って、「手持ち式」とは、物体を単に把持できるだけではないことを意味する。例えば、「スペースヒータ」は、手持ち式のこの定義を満たさない。
「軟化」製品とは、DSC曲線上での温度の頂点、より好ましくは、開始融解温度と頂点温度との間の道のりの75%、より一層好ましくは、開始融解温度と頂点温度との間の道のりの50%、最も好ましくは、開始融解温度と頂点温度との間の道のりの25%を下回る温度に加熱された製品を意味する。意外なことに、マスカラが、その融解温度を下回って軟化状態に加熱されると、マスカラ性能のかなりの改善が達成される。特に、これら改善は、上記で定義された「熱的安定性」でない組成物について述べられている。
明細書全体を通じて、「備える」とは、要素又は要素群が、具体的に列挙された要素に自動的に限定されるというものではなく、追加の要素を含めても含めなくてもよいことを意味する。
明細書全体を通じて、「近位」とは、ハンドルの閉端に近い方、又は、閉端に向かうことを意味し、「遠位」とは、ハンドルの閉端から遠い方、又は、閉端から離れることを意味する。
明細書全体を通じて、「電気接点」とは、素子間に直接的に物理的接点が存在しようが、一つ以上の他の電子素子が介在しようが、電流が電子素子間を流れることができることを意味する。
次に、幾つかの実施形態の様々な特徴を説明する。説明されている特定の特徴を、説明又は暗示されている他の特徴と別々に、又は、組み合わせることができる。実施形態の幾つかは、説明されている一つだけ又はそれ以上の特徴を用いることができる。
A.加熱式塗布具の概説
図1には、加熱式塗布具を有するマスカラ包装体の一実施形態が示されている。この実施形態では、包装体は、マスカラ又は他の製品(2)を保持する容器(1)を備える。ワイパ(10)を容器に含めることができる。マスカラは、特定の最小融解ピーク、中間高さ幅及び/又は特定の最小冷却固化時間を有する。加熱式塗布具(3)は、近位端及び遠位端を備える細長状構造体を含む。使用者が把持するハンドル(4)は、近位端の近くにあり、電流源(5)及び一部の関連回路用のハウジングとしても作用する。中空のステム(6)は、ハンドルに取り付けられ、塗布具の遠位端に近づいている。成形されたブラシとして図示されている塗布具ヘッド(7)は、更に遠位端の近くにある。この実施形態では、電子回路の大部分は、特に熱発生素子を含むプリント回路板(PCB:Printed Circuit Board)(8)上に坦持されている。PCBは、(塗布具の近位端により近い)電流源からステムを通過して(塗布具の遠位端により近い)塗布具ヘッドへ延在する細長状構造体である。
ハンドル
図2では、ハンドル(4)は、中空の円筒状構造体として示されているが、形状を変更することができる。この分野において通常通りに、ハンドルは、マスカラ製品の使用者が把持できるほど充分に大きい。例えば、ハンドルを、長さ25mm〜150mm、直径12mm〜50mmとすることができる。ハンドルの閉端(4a)は、加熱式塗布具の最近位端を画成する。開端(4 b)は、ハンドルの閉端に対向する。ハンドルは、閉端(4a)において、取り外し可能な蓋(4c)を有することができる。取り外し可能な蓋は、ハンドルの内部に近づく機会、例えば、電池に近づく機会を提供する。ハンドルは、特に協働ねじ山(図示せず)を介して容器(1)の閉鎖具として作用するように設計された種類のものとし得る。ハンドルは、窓(4d)を有することができ、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)素子は、窓(4d)を通って照射することができる。
ハンドル(4)の内部は、一つ以上の電池(5)のような電流源と、プリント回路板(8)への求心経路及び/又は遠心経路を生成する一つ以上の金属リード(図1の4e)と、任意選択的に、PCBの一部分とを収容するのに充分なほど大きい。電池がハンドル内に静置される時、電池の負端子が、このリードの第1部分(4g)との電気接触を達成することができるように、少なくとも一つの金属リード(4e)をハンドルの内側表面(4f)に取り付けることができる。負端子において、電流がプリント回路板から電池へ戻ることができるように、このリードの第2部分(4h)は、プリント回路板との電気接触を達成することができる。第2金属リードが存在する場合、第2金属リードは、電池の正端子から電流をプリント回路板へ流すことができる。好適な実施形態では、電池の正端子は、回路板に直接接触し、従って、第2リードは必要とされない。更に、ばねをハンドルの内側に設けることができる。圧縮状態では、ばねは、電池を塗布具(3)の遠位端に向かうように促す。図1の好適な実施形態では、ばねは、取り付けられた金属リード(4e)の第1部分(4g)を構成する。或いはまた、ばねを金属リードから分離することができる。例えば、ばねを蓋(4c)の内壁に取り付けることができる。
ステム(6)は、ハンドルに嵌合され、塗布具の遠位端に向かって延在する。後述されるように、接続の性質に依存して、締り嵌め、キャッチ機構、接着剤又は任意の適切な手段のうち一つ以上を用いてステム及びハンドルを嵌合することができる。
ステム
ステム(6)の一実施形態は、図3A及び図3Bに示されている。ステムは、中空の細長状部材である。ステムの近位端(6a)は、ハンドル(4)に嵌合される。締り嵌め、キャッチ機構、接着剤又は任意の適切な手段のうち一つ以上を用いてステム及びハンドルを嵌合することができる。例えば、組み立て時、ステムの一つ以上の隆起ビード(図3Aの6c)は、ステムの隆起ビードがハンドルの内側表面上の凹部(図2の4h)に出会うまで、ハンドル内へ押し込まれる。塗布具(3)の使用目的により、通常、ステムをハンドルから取り外すことができないように、ステムの隆起ビードは、ハンドルの凹部内へ拡張する。好適な実施形態では、ハンドル及びステムは、永久的又は半永久的に取り付けられ、このことは、消費者が、ステム及びハンドルを容易に分離することができないことを意味する。この配置は、電流源を交換することが意図されていない場合に便利である。この場合、電池は、ハンドル及びステムの組み立て作業前にハンドル内へ組み立てられる。
ステムは、中空であり、ステムの近位端及び遠位端において開放され、これにより、ステムを貫通してプリント回路板(8)を静置することができ、プリント回路板の一部分は、ステムの両端から現れる。ステムは、特に協働ねじ山(6d)を介して容器(1)の閉鎖具として作用するように設計された種類のものとし得る。ステムの遠位端(6b)は、塗布具ヘッド(7)の一部分に結合することができる。
ステムの近位端は、複数対の垂直要素(6e)を含む。2対の垂直要素が好ましい。各タブ(9)が、促された時、垂直要素上で近位及び遠位に摺動できるように、各対の垂直要素は、一つのタブ(9)と相互作用する。例えば、各対の垂直要素は、タブの溝内へ受け入れられる軌跡レールとして作用することができる。タブが、垂直要素上を摺動するにつれて、タブの遠位部分(9b)は、ステムの表面(6f)上を摺動する。タブの目的については、後で説明する。
塗布具ヘッド
塗布具ヘッド(7)は、容器(1)から製品を取り出し、製品を睫毛に供給し、睫毛を整形するのに用いられる装置の部分である。好適な実施形態では、塗布具ヘッドは、成形されたブラシを含む。成形されたブラシの一例は、図4に示されている。ブラシは、中空のスリーブ(7d)を備えるエラストマー部材として形作られ、中空のスリーブ(7d)は、開放された近位端(7a)、開放又は閉鎖された遠位端(7b)、及び、中空のスリーブの外側表面(7e)から突出する複数の剛毛(7c)を有する。より具体的には、剛毛は、外側表面の部分(7f)から突出する。(剛毛間の空間を除いて)外側表面のほぼすべてにわたって剛毛を配置することでき、又は、外側表面の別の部分(7g)には、剛毛がなくてもよい。
中空のスリーブ(7d)の近位端は、ステムの一部分を中空のスリーブ内へ受け入れることにより、又は、塗布具ヘッドの近位端が中空のステム内へ受け入れられることによりステム(6)の遠位端(6b)に結合することができる。しかし、この結合は、不要の場合もある。その理由は、成形された中空のスリーブが、ステムの遠位端から現れているプリント回路板(8)の遠位端を受け取ることができるためである。好ましくは、中空のスリーブは、プリント回路板の遠位端にわたってぴったりと嵌合する。最も好ましくは、この嵌合は、通常の取り扱い中、及び、使用中に、スリーブがPCBから外れないようにするのに充分なほどぴったりしている。更に、PCBと中空のスリーブとのぴったりとした嵌合は、スリーブを介して内側から外へ出る熱伝達の効率を改善するが、プリント回路板上の加熱素子(8b)と中空のスリーブとの間の間隙は、熱伝達の効率を減少させる。このため、プリント回路板上の加熱素子と中空のスリーブの内側表面(7h)との間の間隙は、可能な限りわずかであれば好ましい。最も好ましいのは、このような間隙がない場合である。
本発明の一実施形態では、プリント回路板(8)上の加熱素子(8b)は、成形された塗布具ヘッド(7)の中空のスリーブ(7d)の内側表面(7h)に直接接触する。この配置は効果的であるが、中空のスリーブの下、例えば、加熱素子間で、空気で満たされた間隙を依然として残しておくことがある。中空のスリーブを介する塗布具ヘッドの外側表面上の製品への熱伝達は、空気で満たされたこれらの間隙により減少することがある。本発明の別の実施形態は、加熱素子を熱伝達材料の連続的な塊に組み込むことを含む。PCBの遠位端を、軟化状態にある熱伝達材料に浸漬することにより、材料を加えることができる。材料が硬化すると、加熱素子に接触する空隙は、事実上、皆無となり得る。少なくとも幾つかの実施形態では、熱伝達材料が、中空のスリーブを介する加熱素子からの熱伝達の率を改善する限り、この実施形態は、多くの用途に関して好ましい。熱伝達材料は、PCBの遠位端にわたって、半硬化又は硬化された円筒状シェルを形成することができる。円筒状シェルは、円筒状の中空のスリーブへぴったりと嵌合する。このようにして、中空のスリーブの内側表面のほぼすべてが、加熱素子を包む熱伝達材料に直接接触することができ、中空のスリーブを介する製品への熱伝達は改善される。円筒状シェルの別の利点は、熱伝達材料を用いないPCBと比較して、シェルが平滑かつ均一な表面を構成するため、シェルがスリーブをPCB上へ摺動しやすくすることができることである。熱伝達材料の円筒状シェルに有用な材料の例として、一つ以上の熱伝導性接着剤、一つ以上の熱伝導性封止エポキシ又はこれらの組み合わせが挙げられる。熱伝導性接着剤の一例は、(処理された酸化アルミニウム及びジメチル,メチルハイドロジェンシロキサンであり、熱伝導率=1.9W/m・Kであり、ショア硬度が92Aである)Dow Corning(登録商標)1-4173である。熱伝導性封止エポキシの一例は、(アルミナ、並びに、エピクロルヒドリン及びビフェニルFの反応生成物の組み合わせであり、オンタリオ州バーリントンのMGケミカルズ(MG Chemicals)社から入手可能であり、熱伝導率=0.682 W/m・Kであり、ショア硬度が82Dである)832‐TCである。多くの用途に関して、より高い熱伝導率は、より低い熱伝導率よりも好まれる。
塗布具ヘッド(7)の様々なパラメーターは、剛毛上に配置された製品の温度を上昇させるのに必要とされる熱量、及び/又は、温度の上昇を行うのに要する時間量に影響を与える。例えば、一般的には、剛毛(7c)が多く存在すればする程、又は、剛毛が大きければ大きい程、熱は、所定の時間量内で剛毛上の製品の温度を上昇させるために必要とされることになる。このことは、剛毛がより少ない又はより小さい場合よりも、より多くの加熱される剛毛塊があり、かつ、より多くの製品があるという理由から事実である。しかも、例えば、特定の熱発生率を考慮に入れると、スリーブ(7d)がより厚いということは、より多くの時間が、剛毛上の製品の温度を上昇させるために必要とされることを意味する。その理由は、より薄いスリーブが用いられる場合よりも、より多くの加熱されるスリーブ塊があるためである。成形された塗布具スリーブを介する熱伝達の率を増加させ、かつ、熱損失量を減少させるために、好ましくは、成形されたスリーブを、使用される特定の材料における成形の制限を考慮しながら、可能な限り薄くすることができる。スリーブの厚さは、好ましくは1.0mm未満であり、より好ましくは0.8mm未満であり、より一層好ましくは0.6mm未満であり、最も好ましくは0.4mm未満である。
もちろん、熱がスリーブ及び剛毛を通過するので、塗布具ヘッド上に配置された製品の温度を上昇させるのに必要とされる熱量及び/又は時間長さは、(一つ又はそれ以上の)材料の熱伝導率にも依存する。従って、一般的には、製品の温度を上昇させるのに要する時間量を減少させるため、熱発生率を増加させ、加熱される塊(塗布具ヘッド及び/若しくは製品)を減少させ、並びに/又は、塗布具ヘッドの熱伝導率を増加させることがある。剛毛のサイズ及び質量の低減を考慮することがあるが、この決定は、睫毛を整形する際の塗布具の性能に関して行われるべきである。
幾つかの実施形態では、製品に直接接触する塗布具ヘッド(7)の(一つ又はそれ以上の)表面の温度は、一般的に、意図された製品塗布温度よりも高くなる。図1により説明された実施形態では、塗布具ヘッドの熱特性は、塗布具ヘッド上に製品を有する場合と有していない場合とで測定された。塗布具ヘッドの外側表面が熱ければ熱い程、製品加熱時間は短い。幾つかの実施形態では、製品塗布温度は、30℃以上から65℃以上までの範囲に及び、製品塗布温度に達する時間は、約25秒から約5秒に至る。本発明の一実施形態では(製品を有していない場合で測定された)55℃以上の、別の実施形態では60℃以上の、更に別の実施形態では65℃以上の、一つの別の実施形態では70℃以上の外側表面温度に到達できる成形された塗布具ヘッドは、25秒以下で製品塗布温度に達することができる。熱発生部分自体が周囲温度であろうが、それ以上であろうが、「25秒以下」は、塗布具の熱発生部分が作動された(すなわち、「ターンオンされた」)瞬間から測定されている。
成形された塗布具ヘッド(7)に有用な材料の一例として、プラスチック、エラストマー、又は、熱可塑性エラストマーのような、双極子結合架橋若しくは水素結合架橋により特徴付けられた材料が挙げられる。熱可塑性エラストマー又は二つ以上の熱可塑性エラストマーの組み合わせが好ましい。一般的に、熱可塑性エラストマーには、押出成形、射出成形、ブロー成形、熱成形、熱溶接、カレンダ成形、回転成形及び溶解鋳造により、物品を、比較的小さいバッチ間変動で一貫して製造することができるという性質がある。熱可塑性エラストマーの一つの定義は、適度な伸長に伸張することができ、圧力を除去すると、元の形状に近い状態に戻り、昇温時に融解物として処理することができ、クリープがほとんどないという必須の特性を含む。適切な熱可塑性エラストマーの一例として、スチレンブロック共重合体、ポリオレフィンブレンド、エラストマー合金(TPE‐v又はTPV)、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性コポリエステル及び熱可塑性ポリアミドが挙げられる。ブロック共重合体TPEの一例として、Styroflex(登録商標)(BASF社)、Kraton(登録商標)(シェルケミカル(Shell chemicals)社)、Pellethane(登録商標)(ダウケミカル(Dow chemical)社)、Pebax(登録商標),Arnitel(登録商標)(DSM社)及びHytrel(登録商標)(デュポン(Du Pont)社)が挙げられる。エラストマー合金は、Dryflex(登録商標)(VTC TPEグループ)、Santoprene(登録商標)(モンサント(Monsanto Company)社)、Geolast(登録商標)(モンサント(Monsanto)社)、Sarlink(登録商標)(DSM社)、Forprene(登録商標)(So.F.Ter. S.p.a.社)、Alcryn(登録商標)(デュポン(Du Pont)社)及びEvoprene(登録商標)(アルファゲーリー(AlphaGary)社)を含む。幾つかの熱可塑性エラストマーは、ある種類のブロックが、一つ以上の隣接する鎖の別のブロックと共結晶化する結晶ドメインを有する。結果として生じる結晶構造体の比較的高い融解温度は、この結晶ドメインがない場合に比べて、ドメインをより安定化する傾向にある。特定の結晶融解温度
は、材料を形作るのに必要とされる処理温度、及び、製品の最終的なサービス使用温度を決定する。このような材料の一例として、Hytrel(登録商標)(ポリエステル‐ポリエーテル共重合体)及びPebax(登録商標)(ナイロン(登録商標)又はポリアミド‐ポリエーテルブロック共重合体)が挙げられる。図1の塗布具の成形された塗布具ヘッドの場合、Hytrel(登録商標)及びPebax(登録商標)は、特定の実施形態に有用である。
熱可塑性エラストマーのような塗布具ヘッド用の材料は、様々な硬度に有用となり得る。例えば、約25〜約82のショアD硬度は、多くの用途に関して好ましい。30〜72のショアD硬度を有する材料は、より好ましい。47〜55のショアD硬度を有する材料は、より一層好ましい。
任意選択的に、塗布具ヘッドの一部分は、一つ以上のサーモクロミック材料を備えることができる。加熱時、サーモクロミック材料は、色を予測可能に変化させる。サーモクロミック材料の目的は、塗布具が特定の温度に達したという視覚的な通知を使用者に与えることである。サーモクロミック材料を備える塗布具の部分は、マスカラ塗布具の通常の使用中、使用者から容易に見えることが好ましい。例えば、サーモクロミック材料の少なくとも一部分は、マスカラにより被覆されず、これにより、色の変化を目立たなくすることが好ましい。
加熱素子の配置
上述したように、複数の剛毛(7c)は、中空のスリーブの外側表面(7e)の部分(7f)から突出する。加熱素子(8b)は、剛毛を有する外側表面の部分の下、例えば、外側表面上で剛毛を有する中空のスリーブ(7d)の部分の下の塗布具ヘッド(7)内に静置されている。製品を睫毛へ移転させる塗布具表面(すなわち剛毛表面)に対して配置された複数の離散的な加熱素子を使用することにより、加熱式マスカラ塗布具の性能を改善できることが初めて開示されている。剛毛に対して配置された複数の離散的な加熱素子は、空間内に連続的に分布されるワイヤ抵抗又は非離散的な加熱素子に比べて、性能を改善する。
マスカラブラシの場合にはよくあることだが、マスカラブラシが、成形された剛毛であろうと、撚れワイヤ芯内に固定された剛毛であろうと、ブラシの長さに沿った(すなわち、中心の長手方向軸線(7i)に沿って塗布具ヘッドを下降する)剛毛の線形分布は、一定であり、又は、作為的に変化する。本明細書で、「中心軸線」、「長手方向軸線」及び「中心の長手方向軸線」とは、同じ事を意味する。複数の離散的な加熱素子(8b)を有する一実施形態では、中心の長手方向軸線に沿った剛毛下の加熱素子の線形分布は、中心軸線に沿った剛毛の線形分布と厳密に一致する。例えば、剛毛の線形分布が一定又はほぼ一定である場合、加熱素子の線形分布は、一定又はほぼ一定であることが好ましい。剛毛の線形分布が一定でなく、中心軸線に沿って近位から遠位へ移動するにつれて変化する場合、加熱素子の線形分布が一定でなく、同様に変化すれば有利である。本発明に有用となり得るマスカラブラシの一例では、剛毛の線形分布が一定でなく、長手方向軸線に沿って作為的に変化する。この一例は、(本明細書で全体として援用する)米国特許第5482059号及び米国特許第5709230号に記載されている。これら参照文献は、剛毛の三つの別個の区域を有する塗布具ヘッドについて説明している。両方の端区域よりも高い剛毛密度を有する中間区域が存在し、一方の端区域は、他方の端区域に類似する剛毛密度を有する。従って、この塗布具を、三つの区域に配置された加熱素子を有するように変更することができる。すなわち、三つの区域は、二つの端区域よりも高い加熱素子密度を有する中間区域、及び、類似する加熱素子密度を有する二つの端区域である。更に、各区域の加熱素子の線形分布は、各区域の剛毛の線形分布と同じ割合を維持すべきである。
図1、図4及び図5では、剛毛は、列状に配置され、又は、螺旋パターンの場合には、剛毛は、芯又は中心の長手方向軸線を中心として巻回状に配置されている。複数の離散的な加熱素子を用いる時、加熱素子の数と剛毛の列/巻回の数との比を考慮することが有利である。好ましくは、この比は1:1以上、より好ましくは、この比は2:1以上、より一層好ましくは、この比は3:1以上、最も好ましくは、この比は4:1以上である。上述したように、典型的なマスカラブラシは、1巻回当たり約2mmのピッチを有する。従って、隣接の巻回間で約2mmのピッチを有する典型的なマスカラブラシ用の加熱素子の数は、剛毛芯/中心軸線長さの2mmごとに一つ以上であり、より好ましくは、剛毛芯/中心軸線長さの2mmごとに加熱素子が二つ以上であり、より一層好ましくは、剛毛芯/中心軸線長さの2mmごとに加熱素子が三つ以上であり、最も好ましくは、剛毛芯/中心軸線長さの2mmごとに加熱素子が4つ以上であると言い換えることができる。上述したように、1巻回当り10〜60個の剛毛を有するマスカラブラシも、典型的である。このため、好ましくは、加熱素子と剛毛との比は、1:30〜1:60以上であり、より好ましくは、この比は1:15〜1:20以上であり、より一層好ましくは、この比は1:5〜1:10以上であり、最も好ましくは、加熱素子と剛毛との比は、1:2.5〜1:3.3以上である。例えば、図1に示される種類の効果的な塗布具は、100〜300個の剛毛及び16〜40個の加熱素子を有するように製造されている。1剛毛巻回ごとに、又は、芯長さごとに、又は、芯長さにわたって一定若しくは可変の数を有する剛毛ごとに、特定数の離散的な加熱素子を有する加熱式塗布具は、これまで知られていない。剛毛の線形分布に対して配置された複数の離散的な加熱素子を備える加熱式塗布具も、知られていない。
剛毛の線形分布に対して配置された複数の離散的な加熱素子を用いることにより、装置の加熱効率が改善され、同一の基本設計を特定の状況にカスタマイズする手段が与えられる。例えば、典型的に塗布具ヘッドの長さに延在する抵抗ワイヤのような非離散的な連続分布の加熱素子は、事前に定められ制御されるように、異なる熱量を塗布具の異なる部分へ便利に供給することができない。図1の塗布具では、このことを、塗布具ヘッドの異なる領域に、異なる抵抗値を有する離散的な抵抗を供給することにより製造中に容易に達成することができる。別の方法として、塗布具ヘッドの異なる領域に異なる密度の抵抗を供給する。各抵抗性素子により生成された熱が、素子を流れる電流及び印加電圧に依存するので、一つの連続的に分布された抵抗性加熱素子ができないやり方で、電力効率を向上させ、電力消費量を低減し、及び又は、電力を非対称的に分布させるように、抵抗性素子を直列、並列又はこれらの任意の組み合わせで配置することができる。実際に、ワイヤコイルのような連続的な加熱フィラメントは、ワイヤに沿って移動していくにつれて、電圧源から流れていく熱の量の減少を電圧降下により生じさせる。本発明の幾つかの実施形態は、少なくとも幾つか(「すべて」を含む「少なくとも幾つか」)の個々の加熱素子を並列電気回路に配置することができ、従って、同一の電圧を少なくとも幾つかの加熱素子に供給することにより、この不均一な加熱を回避する。これら実施形態は、不均一な加熱に対処し、市販のマスカラ塗布具という少ない制限の中で、(美容業界に関連する)適切な費用で対処する。
プリント回路板
図5A及び図5Bを参照して、プリント回路板(PCB)(8)は、電流源(5)からステム(6)を通過して塗布具ヘッド(7)へ延在する細長状構造体である。プリント回路板は、非導電性である基板(8a)を備える。適切な基板材料は、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ、ベークライト(熱硬化性フェノールホルムアルデヒド樹脂),a及び繊維ガラスを含むが、これに限定されるものではない。基板は、約0.25〜5.0mmの厚さであることができ、好ましくは0.5〜3mmの厚さであり、より好ましくは0.75〜1.5mmの厚さである。基板の片側又は両側の部分を、例えば、約35μmの厚さの銅の層で被覆することができる。
基板は、熱発生部分、電子部品及び導電性素子を支持する。PCBにより支持されている導電性素子間には、PCBを電池(5)(又は他の電流源)に接続するのに効果的である電気リード及び/又は端子が存在する。
塗布具は、熱発生部分を含む切り替え可能な回路を備える。切り替え可能な回路は、電池及び切り替え機構と組み合わされるPCB上の物品(すなわち、導電性素子、電子部品及び熱発生部分)により形成されている。この回路は、他の素子も含むことができる。このスイッチが閉じられている時、電流は、熱発生部分に流れ、このことは、熱発生部分が「オン」であると定義する。このスイッチが開かれている時、電流は、熱発生部分に流れず、このことは、熱発生部分が「オフ」であると定義する。この塗布具は、他の回路も備えることができる。
プリント回路板は、様々な電子素子を有することができる。一例として、好適な(しかし、これのみに限定されない)配置に様々な素子を支持するプリント回路板について説明する。図6は、図1の例に用いられた一つの実行できる切り替え可能な電子回路であって、プリント回路板(8)上に割り付けられた切り替え可能な回路を示す。図7は、PCB上の電子素子の一つの実行できる割り付けを示す。電力源(5)(例えば、3Vの電池)からの電流は、PCB端子(8d)においてプリント回路板に入る。この端子は、PCBの拡張部分(8c)の端部を占有することができる。好適な実施形態では、電池(5)の正端子はPCBの端子に直接接触する。抵抗R7及び並列キャパシタC1,C2は、電力インバータU1と相互作用して、キャパシタが充填すると、熱発生部分に向かう電流を自動的に遮断する。キャパシタを、例えば、PCBに固定又は別の方法で関連付けられたセラミックチップキャパシタとすることができる。切り替え可能な回路が最初に閉じられている時から、切り替え可能な回路(及び、熱発生部分)が自動的にターンオフする時までの時間長さを制御するのに定格キャパシタンスが選択される。例えば、所望に応じて使用の約2〜2.5分後、又は、約2〜3分後、熱発生部分は、自動的にターンオフすることができる。このオーバーヘッドタイマすなわち自動遮断構造体は、任意選択的であり、使用者が回路をターンオフすることができない場合、電池が電流を流すのを防止する。図6に示されるキャパシタに基づくオーバーヘッドタイマのようなオーバーヘッドタイマは、用いられる精巧化レベルに応じて、自動遮断後にリセット期間を必要とすることがある。リセット期間中は、加熱素子を作動することができない(すなわち、「ターンオンする」ことができない)。数秒とすることができるリセット時間により、キャパシタを放電させることができる。
RT1は、NTCサーミスタである。図1の塗布具では、NTCサーミスタは、加熱素子(8b)に物理的に極めて接近して位置付けられている。例えば、図6の回路図では、加熱素子RH9と加熱素子RH10との間に、空間が示されている。この空間内に、又は、NTCサーミスタが、加熱素子を取り囲む空間の周囲温度のわずかな変動を検出することができる任意の空間内に、NTCサーミスタを位置付けることができる。NTCサーミスタ及び固定値抵抗R3は、電圧レベルを生成する電圧分割器回路として構成され、電圧レベルは、加熱素子の温度に比例し、及び/又は、加熱素子の温度を伴って変化する。この電圧レベルは、演算増幅器により監視され、反転入力端(U2のピン3)において演算増幅器に受け渡される。しきい値基準電圧は、R4及びR5において別の電圧分割器回路により生成され、この電圧は、演算増幅器の非反転入力端(U2のピン7)に接続される。このようにして、演算増幅器は、電圧比較器として用いられる。負温度サーミスタを含む電圧分割器回路の出力電圧が(上昇又は下降して)基準電圧と交差する場合、演算増幅器の出力端(U2のピン2)は、状態を変化させる。演算増幅器の出力は、(U2のピン6において)NチャネルMOSFETスイッチに受け渡され、MOSFETスイッチの状態を制御するのに用いられる。スイッチが閉じられている時、電流は、(U2のピン4において)スイッチから抵抗性加熱素子(8b)へ流れる。スイッチが開かれている時、電流は、抵抗性加熱素子へ流れることができない。PCB(8)の拡張部分(8c)の端部には、金属細条体及びコイル(4g)を介して負の電池端子につながる第2の端子(8e)が設けられている。
回路は、キャパシタC3のようなノイズ低減部品と、LED D1のようなオン/オフ表示器と、F1でのような複数のヒューズ部分とを更に含む。しかも、二つ以上のサーミスタを用いて温度監視機能を増大させることができる。
説明されているように、回路は、出力温度を能動的に測定し、所望の温度を満足させるように自己調整するシステムを含む。この回路を含む加熱式塗布具は、過熱を気にせず、無期限に所望の温度を保持し続けることができる。しかも、自動遮断を使用し、かつ、加熱素子の温度を監視することにより、電力利用が著しく低減される。この点において、本発明は、本明細書で説明されている精度及び信頼性のレベルを有する商業的に実現可能な加熱式マスカラ塗布具を提供することができる。
回路は、電力源の出力電圧を監視及び維持するシステムを更に含むことができる。例えば、電池は、3Vのような公称電圧で定格化されている。しかし、電池ごとに、かつ、同じ電池の使用ごとに、多少の変動がある。電池が通常供給するよりも厳しい電圧公差を維持するため、電池電圧を必要に応じて監視及び調整する任意選択的なシステムを含めることができる。このようなシステムの一つの利点は、塗布具性能の一貫性が改善され、電池寿命の予測可能性が改善されることである。
(一つ又はそれ以上の)抵抗性加熱素子(8b)を除く電子素子又は部品のすべてを、プリント回路板(8)の拡張部分(8c)上の、板の近位端付近に位置付けることができる。PCB自体は、製造並びにステム(6)及び塗布具内への組み立てに便利な任意の形状又は寸法を有することができる。例えば、PCBは、電流源(5)から塗布具ヘッド(7)まで延在する全長を有することができる。この長さは、塗布具の全長及び設計に依存するが、多くの場合、30mm〜150mmであることができ、好ましくは、50〜120mmであり、より好ましくは、75〜100mmである。拡張部分(8c)の最大横寸法を、拡張部分(8c)が内在する塗布具の部分の内部寸法未満としなければならない。例えば、図中、PCBの拡張部分はハンドル内に存在する。このため、拡張部分の横寸法は、ハンドルの内部寸法を超えるべきではない。多くの用途に関して、ハンドルの直径を、約12mm〜50mmとすることができる。
上述した回路は、プリント回路板を使用して、プラスチックハウジング内に挿入でき、電力に接続できる電子回路部分組立体を形成する。この電子回路部分組立体は、構造的統合性に対しても、また、電気動作に対しても塗布具ハウジングに依存しない。プリント回路部分組立体の使用は、製造中のエラー低減及び費用節約をもたらすことができる。従って、本明細書で説明されている回路は、本明細書で説明されている性能、信頼性及び利便性を伴って、実に効果的であって商業的に実現可能かつ審美的に容認できる電池駆動型加熱式マスカラ塗布具を提供することができ、製造中のエラー低減及び費用節約を充分に達成することができる。
加熱素子
図1の塗布具の熱発生部分は、塗布具ヘッドの下にあり、プリント回路板の遠位端付近に位置付けられた複数の個々の離散的な抵抗性加熱素子(8b)を含む。好ましくは、加熱素子は、上述した加熱素子と剛毛との比と、線形分布とに従って、剛毛を有する塗布具ヘッドの部分(7f)の下にしか位置付けられず、剛毛を有していない部分(7g)の下には位置付けられず、これによって、浪費される熱エネルギーを最小限に抑える。離散的な抵抗性加熱素子の好適な実施形態は、直列、並列又はこれらの任意の組み合わせで電子的に配置され、PCBの両側に一列ずつ、2列に物理的に位置している固定値抵抗の群である。抵抗の数及び定格抵抗値は、一部において、上述した加熱素子と剛毛との比と、回路の熱発生要件とにより管理される。一実施形態では、PCBの一方側に20個配置され、他方側に21個配置された41個の5Ωの離散的な抵抗は、剛毛を有する成形された塗布具ヘッドの部分(7f)の全長の下に一様に離間されている。別の実施形態では、PCBの一方側に11個配置され、他方側に12個配置された23個の6Ωの抵抗が用いられる。更に別の作業モデルでは、一方側に20個配置され、他方側に21個配置された41個の3Ωの抵抗が用いられる。抵抗が一つ少ない側は、サーミスタのために空間を残している。典型的に、図1の塗布具は、1〜10Ωの定格抵抗値を有する個々の抵抗性素子を用いることができる。しかし、この範囲を状況に応じて超えることができる。典型的に、すべての加熱素子の全抵抗値は、1〜10Ωの範囲に及ぶことができる。しかし、この範囲を状況に応じて超えることができる。
抵抗性加熱素子の一つの好ましい種類は、金属酸化物厚膜抵抗である。これらは、二つ以上の形態で利用可能である。一つの好ましい形態は、固体セラミック基板上に静置され、電気接点及び保護コーティングが設けられた厚膜抵抗であるチップ抵抗である。幾何学的には、各チップをほぼ立体長方形とすることができる。このような加熱素子は、様々なサイズで市販されている。例えば、コーアスピアエレクトロニクス社(KOA Speer Electronics, Inc)(ペンシルバニア州ブラッドフォード)は、最大寸法が約0.5mm以下である汎用厚膜チップ抵抗を売り出している。最大寸法が、約2.0mm以下、望ましくは一実施形態で1.0mm以下、更に望ましくは別の実施形態で0.5m以下である抵抗を用いることにより、剛毛の列/巻回の数に関して抵抗を容易に配置することができる。一般的に、用いられる抵抗のサイズを、剛毛巻回のピッチ(又は、剛毛の列間の間隔)に関連付けることができる。一実施形態では、抵抗のサイズを約2mmとすることができるが、ピッチが、約2mmよりも大きいか又は小さい場合、約2mmよりも大きいか又は小さい抵抗を用いるのが有利となり得る。
典型的に、チップ抵抗を、既知の方法によりPCBに取り付けることができる。金属酸化物厚膜抵抗の更に好ましい形態は、シルクスクリーン蒸着物として利用可能である。チップ抵抗のようなハウジングを用いず、金属酸化物膜は、印刷技術を用いてプリント回路板上に直接蒸着される。このことは、製造の観点から、チップ抵抗を溶接することよりも効率良く、柔軟である。金属酸化物膜を、一つの連続的な加熱素子としてPCB上に蒸着することができる。又は、金属酸化物膜を個々のドットとして印刷することができる。上述した理由から、連続蒸着にとって離散的なドットは好ましい。厚膜抵抗の製造中、様々な金属酸化物を用いることができる。一つの好ましい材料は、酸化ルテニウム(RuO2)である。個々のドットを、約2.0mm以下と同じくらい小さく、より好ましくは1.0mm以下と同じくらい小さく、最も好ましくは0.5mm以下と同じくらい小さく印刷することができ、それらの厚さは変化することができる。実際には、ドットのサイズを制御することにより、各ドットの抵抗値を変更することができる。しかも、厚膜抵抗の抵抗値を、チップ抵抗形態であろうが、シルクスクリーン形態であろうが、金属酸化物膜の添加物によっても制御することができる。典型的に、本明細書で説明されている種類のチップ抵抗及び金属酸化物シルクスクリーンドットは、1〜10Ωの定格抵抗値を有することができる。
シルクスクリーン厚膜抵抗又はチップ抵抗を担持するプリント回路板は、ワイヤコイルのような従来技術の加熱素子を担持するプリント回路板ほどかさばらない。これにより、塗布具スリーブの直径を、他の装置よりも小さくさせることができる。より小さい直径とは、製品内への熱の流束が増大し、スリーブを加熱する熱が更に浪費されなくなるということを意味する。
電力源
図1の塗布具は、電流源(5)、好ましくはDC電源を更に備える。電流源は、電流源を収容するのに充分なほど大きいハンドル(4)の内部内に収納されている。電流源は、少なくとも一つの正端子及び少なくとも一つの負端子を有し、端子は、(電流源から遠ざかる)求心経路及び(電流源へ近づく)遠心経路の一部をそれぞれ形成する。電力源の端子の一つ以上は、プリント回路板(8)上の導電性素子に直接接触することができ、又は、上述したコイル若しくはばね(4g)のような一つ以上の電気リードが介在することができる。
電力性能に関して、加熱式塗布具の幾つかの実施形態は、以下の性質の一つ以上を有する。これら性質は、高い製品温度、高速加熱時間、及び、包装体寿命よりも長い電池寿命である。一つ以上の実施形態では、包装体の寿命中に塗布具性能の顕著な低下が起こらず、これらの一部又は全部を達成することができる。
このため、図1の塗布具では、加熱式塗布具が作動される(又は「ターンオンされる」)度に、電力源は、それだけで、本明細書で説明されているように、マスカラ製品の温度を上昇させるのに充分なエネルギーを供給することができれば好ましい。好ましくは、典型的な標準サイズ(すなわち、非試供用サイズ)の市販マスカラ容器の寿命期間中、再充電することなく、かつ、塗布具性能のかなりの低下が起こらず、電力源(5)が持続することができる。容器の「寿命」とは、通常の使用目的において使用者が容器から可能な限り製品を抜き出し塗布するのに要する時間を意味する。本発明に有用である典型的な標準サイズのマスカラ容器を、充填プラント内において少なくとも4gの製品で、好ましくは少なくとも6gの製品で、より好ましくは少なくとも8gの製品で、最も好ましくは少なくとも10gの製品で充填することができる。電力源に関して、「塗布具性能のかなりの低下」とは、マスカラ容器の寿命中に、塗布具ヘッドの外側表面上のマスカラの0.15gを周囲温度から(上記で定義された)「製品塗布温度」へ加熱する時間が25秒を超えることを意味する。従って、1回の使用が、二つの目を化粧することを含む場合、好ましくは100回以上の使用に対して、より好ましくは150回以上の使用に対して、より一層好ましくは200回以上の使用に対して、最も好ましくは250回以上の使用に対して、塗布具性能のかなりの低下が起こらず、電力源が持続する。使用ごとに約2分要すると仮定すると、このことは、好ましくは200分以上、より好ましくは300分以上、より一層好ましくは400分以上、最も好ましくは500分以上、塗布具性能のかなりの低下が起こらず、電力源が継続することを意味する。現在のところ、化粧品及びパーソナルケア市場において、これら要件を満足する加熱式マスカラ塗布具が欠如しており、化粧品市場の成功(すなわち、美的な外見、使いやすさなど)に必要とされる他の要因を維持しながら、これら電力要件を市販の電池で達成できることは明らかでなかった。化粧品及びパーソナルケア市場における加熱式マスカラ塗布具の欠如は、今説明した性能特性を有し、実に効果的であって商業的に実現可能かつ審美的に容認できる手持ち式の電池駆動型加熱式マスカラ塗布具を作り出すことがいかに難しかったかを浮き彫りにする。
好適な実施形態では、DC電源は、一つ以上の電池(5)を含み、より好ましくは、厳密に一つの電池を含む。本明細書で説明されている性能レベルを達成するため、包装体の寿命中、電池が必要な電力を供給することができる限りは、多種の電池を用いることができる。電池の種類の一例として、亜鉛‐炭素(又は、標準の炭素)、アルカリ性、リチウム、(再充電可能な)ニッケル‐カドミウム、(再充電可能な)ニッケル‐金属水素化物、リチウム‐イオン、亜鉛‐空気、亜鉛‐酸化水銀、及び、銀‐亜鉛の化学物質が挙げられる。懐中電灯及び煙感知器で用いられるような一般的な家庭用電池は、小型手持ち式装置で頻繁に見られる。これらは、典型的に、AA、AAA、C、D及び9V電池として既知であるものを含む。適切となり得る他の電池は、一般的に補聴器及び腕時計で見られる電池である。
電力性能の観点から、これら電池の幾つかは、図1の塗布具に有用となり得るが、電池の選択は、他の要因に依存することがある。例えば、一般的に、より大きい電力は、より大規模で、より重い電池を意味する。より大規模で、より重い電力源は、塗布具をより大規模で、より重くしなければならず、場合によっては、消費者が期待したもの又は喜んで容認するものを超えなければならないことを意味する。通常、パーソナルケア市場では、スリム、コンパクト、軽量及び持ち運び可能が普通である。審美的及び機能的な観点から、化粧品市場が容認するものには限度がある。マスカラの塗布は、長期間、作業中の手を宙に浮かしながら、デリケートな目の領域辺りで剛毛ブラシを細かく忍耐強く動かすことを必要とする。重くバランスのとりにくい塗布具は、容認できる結果を達成するのを困難にし、この体験は、それほど快適ではない。従って、理論上、電池を増強することは、塗布具性能を改善するかもしれないが、たった一つのAA電池でさえ、市場では問題を引き起こすことがある。AA電池は、長さ51mm、直径13.5〜14.5mmである。AA電池の重量は、用いられる化学物質に応じて約15g〜31gである。より強力な(かつ、より高価で重い)AA電池は、1.5V未満で最大3000mAhまで供給する。このことは、必要とされる熱発生率での使用が75分未満であると言い換えられる。同様に、一つのAAA電池は、本明細書で説明されている性能レベルを達成するのに必要な電力を、包装体の寿命中に供給することができない。約800〜900mAの場合、AAA電池の公称電圧は、最大でも1.5Vである。
もう一つのAA又はAAA電池を追加することは、ハンドルが長過ぎ、太り過ぎ、かつ、重過ぎることになり始めるため、設計及び審美的な観点から、多くの用途に関して容認できない。一つのAAA電池は、長さ44.5mm、直径10.5mmであり、重量は、化学物質に応じて約7.6g〜11.5gである。典型的に、再充電可能な電池は、(これに対応する再充電不可能な電池もさることながら)増大した重量、増大した費用、(場所ごとに変化する)処分の問題を呈し、これら再充電可能な電池は、消費者に何かをするように要求し、消費者が塗布具を使用しようとする時、塗布具に実行する準備ができていない可能性があるという問題を軽減しない。
更に、通常の家庭ごみ流路に電池を処分できれば好ましい。このため、処分に関して、(水銀を含む電池のような、)法律によって通常の家庭ごみ流路から分離しなければならない電池は、あまり好ましくない。
注目すべき一実施形態では、公称3Vを供給し、少なくとも1400mAh、例えば、1400〜1800 mAhの容量を有する(水銀を含まない)リチウム/2酸化マンガンの化学物質に基づく一つの再充電不可能な電池により、図1の加熱式塗布具の電力性能ニーズを満足させることができる。「公称3V」は、2.5〜3.5Vを含む。本明細書で説明されている加熱式塗布具と、このような電池との組み合わせは、本明細書で定義されている塗布具性能のかなりの低下が起こらず、周囲温度から製品塗布温度へ製品を、本明細書で定義されている最大回数内で繰り返し加熱することができる。一つのこのような市販の電池は、Energizer(登録商標)123(公称3V、1500mAh)である。更に、本明細書で開示されているように、Energizer(登録商標)123に類似する寸法を有する電池を用いることにより、審美的及び機能的な観点から容認できる加熱式塗布具を構築することは可能である。Energizer(登録商標)123は、長さ34.5mm、直径17mm、重量16.5gである。従って、寸法に関して、Energizer(登録商標)123は、AA又はAAAに比較して、より短く、より太く、中程度の重量である。Enercell(登録商標)CR123は、別の有用な市販の公称3V電池である。Enercell(登録商標)CR123は、1400mAhの容量に定格化されている。
任意選択的に、電力源を、交換可能又は再充電可能にすることができる。例えば、ハンドル(4)は、閉端(4a)において、取り外し可能な蓋(4c)を有することができる。取り外し可能な蓋は、ハンドルの内部及び電池(5)に近づく機会を提供する。交換可能の代わりに、又は、交換可能に加えて、電池は、再充電可能な種類のものとし得る。そのために、今説明したような電池をハンドルから取り外すことができ、又は、塗布具装置を充電ベース内に静置することができ、これにより、ベースからの電力が電池に送信され、電池内に格納されるように、電池に対する電気リードがハンドルの外部に設けられている。これら任意選択的な特徴は、本明細書で開示されているが、それらの実施形態は、様々な要因に依存することがある。例えば、塗布具が販売及び使用されている世界の地域に応じて、電池の処分は、法規により管理されている。特に、再充電可能な電池の販売、使用及び処分は、再充電不可能な電池よりも要求が厳しい制約を受けることがある。これらの理由で、他の環境への懸念及び消費者の利便性に対して、図1の塗布具の好適な実施形態は、通常の使用中、少なくとも一つの製品容器全体の内容物を塗布するために熱を与えるのに充分な一つの電力源を含む。この場合には、この好適な実施形態は、上述したような、ハンドル内の電池に近づく機会を提供することはなく、本明細書で説明されているリチウムに基づく電池のような電池を通常の家庭ごみ流路に処分することができる。
図1の塗布具の一実施形態では、1400mAhで公称3Vに定格化された一つの電池を用いて、以下の加熱データが、FLIR A320温度カメラから取得された。
加熱時間(秒) 成形された塗布具ヘッドの表面温度(℃)
0 24.6
5 31.9
10 39.7
15 46.6
25 58.7
塗布具ヘッドは、25秒を超えて約40秒まで加熱し続け、温度が約72℃で横ばい状態になると、この温度を、わずかな変動内で約150秒(2.5分)まで保持した。70℃より下で、データは、直線にほぼ一致し、このことは、電力がターンオンされると直ぐに加熱が開始し、一定率で加熱が継続することを意味する。
上述した電圧分割器回路における一つ以上の抵抗R4,R5のサイズを変化させることより、横ばい状態温度を所望の温度に調整することができる。例えば、横ばい状態温度を30°〜90°のいずれかの温度に設定することは可能である。部屋温度環境内で測定された場合、横ばい状態になった後の温度のわずかな変動は、好ましくは±2℃未満であり、より好ましくは±1℃未満である。
オン/オフスイッチ
図1の塗布具は、少なくとも一つのオン/オフスイッチを更に備える。一般的に、オン/オフスイッチは、電力源と加熱素子との間の電流に対して中断及び再確立を交互に行なうことができる。
一実施形態では、オン/オフスイッチの少なくとも一つは、使用者の指により直接又は間接的に係合することができる塗布具の外側から近づくことができる一つ以上のスイッチを含む。この種類のオン/オフスイッチは、使用者がスイッチと直接係合する必要がある「手動式」であり、このスイッチは、使用者が従来の非加熱式マスカラと関係するものではない。このようなスイッチの詳細は、電気技術分野において周知であり、多くの適切な種類がある。幾つかの限定されない例として、トグルスイッチ、ロッカースイッチ、スライダ、ボタン、回転ノブ、タッチ作動表面、磁気スイッチ及び光電作動スイッチが挙げられる。しかも、多位置スイッチ又はスライダスイッチは、加熱素子が複数の加熱出力レベルを可能にする場合に有用となり得る。ハンドル上で、使用者が直接近づくことができるハンドルの側壁上又は端部上のどちらかに手動式スイッチを位置付けることができる。任意選択的に、ボタンのようなスイッチがハンドル上に位置付けられている場合、ボタン上で嵌合する蓋を設けることができる。蓋は、審美的な理由によってボタンを隠すように作用することができ、又は、蓋は、例えば、ハンドバッグに入れられて持ち運ばれている間、気付かずにボタンがオンに切り替わらないようにすることができる。
好適な実施形態では、手動式スイッチは用いられず、加熱素子は、オン及びオフに自動的に切り替えられる(すなわち、作動及び作動解除される)。「自動的に切り替えられる」とは、加熱素子が塗布具の通常の使用の結果としてターンオン又はオフされることを意味する。例えば、マスカラ塗布具(3)が容器(1)から引き出されると、加熱素子(8b)を自動的に作動することができ、塗布具が貯蔵部内に再挿入されると、作動解除することができる。この実施形態では、ハンドル(4)が貯蔵部から分離されている時、又は、貯蔵部に取り付けられている時、加熱素子への電流が確立され、又は、中断されるように、スイッチは、塗布具上又は塗布具内のこのような場所に位置付けられている。多くの配置が可能である。
例えば、好適な実施形態では、金属ばね(4g)は、二つの目的を果たす。金属ばねの第1目的は、上述したように、電池(5)の負端子に対する電気リードとして作用することである。第2目的は、第1位置から第2位置へ移動するように電池を促すことである。第1位置では(ばねが、より圧縮されている時)、電流が加熱素子に流れることが可能となるように、電池の正端子は、プリント回路板(8)に電気接触していない。第2位置では(ばねが、より広げられている時)、電流が加熱素子に流れることができるように、電池の正端子は、プリント回路板(8)に電気接触している。好適な実施形態では、プリント回路板の拡張部分(8c)は、電池が第2位置にある時、電池の正端子に接触することができる電気リード(8d)を備える。例えば、電気リード(8d)は、拡張部分の近位端付近にある。この実施形態では、一つ以上のタブ要素が設けられている。例えば、図1には、二つのタブ要素(9)が示されている。タブは、より詳細に図A及び図Bに示されている。各タブの近位部分(9a)は、ステムの二つの垂直要素(6e)間を摺動するように係合される(図3B参照)。こうして摺動している間、タブの遠位部分(9b)は、ステムの表面(6f)上を摺動する。各タブの近位端は、電池(5)の遠位端に接触する。各タブは、第1位置と第2位置との間を摺動することができ、これら第1位置及び第2位置はそれぞれ、電池の第1位置及び第2位置に対応する。タブ及び電池に関して、第1位置は、塗布具(3)が容器(1)上に着座されている時に達成される。塗布具が容器に装着されると、各タブの遠位端は、容器の一部に接触して、各タブを塗布具の近位端に向かって(第1位置に向かって)摺動するように強制する。タブが近位に摺動すると、タブは電池を押し、従って、電池を電池の第1位置に向かって近位に移動させる。電池が近位に移動すると、ばね(4g)は圧縮される。上述したように、第1位置では、電流が加熱素子に流れることが可能となるように、電池の正端子は、プリント回路板(8)に電気接触していない。その後、塗布具が容器から取り外されると、ばねは広がって、電池を電池の第2位置に向かって押圧する。この過程中、電池の遠位端はタブの近位端を押圧して、タブがステム(6)上を遠位に摺動できるようにする。電池が電池の第2位置に到達すると、電流が加熱素子に流れることができるように、電池の正端子は、プリント回路板(8)に電気接触する。各タブが各タブの第2位置に到達すると、各タブの遠位端は、ステムの表面(6f)(図B参照)を越えて遠位に突出する。塗布具が容器に再び取り付けられた時、ここから、タブは、再び容器の一部と係合することができる。図A及び図Bは、第1及び第2位置におけるばね、電池及びタブの相対位置を示している。図Aでは、説明の便宜上、容器は示されていない。
この好適な実施形態では、塗布具が容器から取り外されている間、加熱素子は付勢されている。塗布具が容器に再係合されると、加熱素子は自動的にターンオフされる。使用者の観点から、ハンドルは、事実上、自動スイッチである。従って、塗布具が容器内にある間、使用者が加熱素子をオンのままにしておく可能性はない。このことは、包装体の寿命期間中、製品を保護する。別の実施形態では、オン/オフスイッチは、一つの塗布具に二つ以上存在することができる。第1のスイッチを、今説明した好適な自動ハンドルスイッチとすることができ、第2のスイッチを手動式スイッチとすることができる。自動ハンドルスイッチを無効にするというオプションが使用者に与えられる場合、これらスイッチを、いわゆる「3路」スイッチとして動作するように配線することができる。
性能向上構造体を有すると言われているマスカラ塗布具は、既知である。これら性能向上構造体を、本発明の原理の一部又は全部と組み合わせることは、有用となり得る。例えば、人間工学ハンドル及び快適な把持部は、既知である。米国特許出願公開第2002/0168214号は、マスカラハンドル把持部について開示している。マスカラハンドル把持部は、一つ以上の変形可能なエラストマーから製造され、2重テーパー部分を有し、これにより、2重テーパー部分に沿って二つのテーパー区域が、最も狭い地点で接触し、テーパー区域の一方又は両方の断面は、楕円形である。別の例として、米国特許第7465114号は、振動塗布具ヘッドを有するマスカラ塗布具について開示している。本明細書で説明されている加熱式塗布具の実施形態のように、振動塗布具は、マスカラ組成物のレオロジー的性質を変更することができる。従って、結果を改善するため、振動は、本発明の少なくとも幾つかの実施形態において有用となり得る。
B.マスカラ組成物
精読から、米国特許第7083347号、米国特許第7090420号、米国特許出願公開第2005/0031656号及び米国特許出願公開第2005/0013838号の参照文献は、マスカラを塗布する直前、期間中、又は、直後の睫毛のカールに関わる問題に関するということが分かる。この問題のため、融解ピークの中間高さ幅は、20℃以下に限定されている。参照文献は、これらのピークが、前回加熱されたマスカラを高速(つまり、「数秒の期間内」)に冷却し、結晶状態又は高粘度状態へ高速に戻すことを確実にするのに充分なほど幅狭であると主張している。この種類のマスカラ組成物は、「高速固化」と称される。これとは対照的に、これら参照文献は、固化するのに「数秒」をかなり超える時間を要し、例えば、固化するのに少なくとも5秒、10秒又は15秒要する組成物を有する加熱式塗布具を使用しないことを推奨している。この種類のマスカラ組成物は、「低速固化」と称される。典型的には、マスカラ塗布及び整形は、完了するのに「数秒」を超える時間を要するので、高速固化組成物を加熱式塗布具で用いる場合、高速固化組成物は、問題になる場合がある。典型的に、使用者は、睫毛をカールできるだけでは物足りない。使用者は、上記で定義された性能特性のうちの一部若しくは全部の改善をも望み、又は、少なくとも「結果に害を与えないこと」をも望む。非加熱式塗布具の場合でさえ、メーキャップ手順を繰り返す回数が多ければ多い程、マスカラの全体的塗布を汚らしくする可能性が高くなることは、当該技術分野において一般的に理解されている。塗布を行う時間がかかればかかる程、塗布は複雑になっていく。新たなマスカラを未だ睫毛に塗布している間に、睫毛に既に塗布されている製品が固化し乾燥すれば、均一で綺麗な外観を得ることが非常に困難になることがあり、上記で定義された様々な性能特性は、必ず損なわれることになる。その理由は、使用者が、睫毛をカールし、又は、別の方法で整形しようとしている間、睫毛上の製品が急速に硬化し、その一方で、ブラシ上の製品が、製剤の様々な成分により生じた(30℃までの)幅広い温度振幅に起因して、固体と液体との間の一連の物理状態にあるためである。従って、マスカラの高速固化性によって一部のカールを固着し得る間、使用者は、製品の不均一性に苦戦するので、上記で定義された様々な性能特性は、ほぼ確実に損なわれる。
従って、高速固化マスカラを使用しようとしている場合、塗布時間を短縮させることは有利である。このため、本発明の一実施形態では、塗布具を複数回再挿入せざるを得ない状況を回避するため、塗布具は、一回で一連の睫毛への塗布を完了するのに充分な製品を貯蔵部から取り出すことができる。その一方で、幾つかの実施形態では、使用者が、更なる製品のためにブラシを再挿入するとしても、睫毛上に既に存在する製品が、上塗り前に完全に乾き切れないように、加熱式塗布具は、高速固化マスカラを極めて急速に加熱することができれば好ましい。このため、中間高さで20℃以下の幅を有する融解ピークを有するマスカラ製品は、製品の0.15g以上を最大時間量で周囲温度から製品塗布温度へ加熱できる加熱式塗布具から明らかな利益を得る。別の実施形態では、加熱式塗布具は、製品の0.25g以上を最大時間量で周囲温度から製品塗布温度へ加熱することができる。他の実施形態では、周囲温度から製品塗布温度へ加熱できる製品の量は、定義された最大時間量で0.40g以上又は0.50gである。
既に述べたように、‘347、‘420、‘656及び‘838の参照文献は、「熱的安定性」組成物に関する。しかし、加熱式塗布具の現実的な使用では、マスカラを、80℃で2時間、加熱することができない可能性がある。このため、これら参照文献は、本明細書で開示されている加熱式塗布具の使用に関して、どちらかといえば、ほとんど推奨し得ない。これら参照文献は、特に、本明細書で定義された「熱的安定性」でない組成物に関しても、何も推奨し得ない。本明細書で用いられているように、「熱動的な」製剤とは、これら参照文献で説明された手続きに従って、融解/冷却を連続して4周期以上受けた後、25%を超えて変化する粘度を有する組成物を意味する。意外なことに、本発明の実施形態は、「熱動的な」組成物に関して有用な結果を得た。
本発明の実施形態は、加熱式塗布具を含み、この加熱式塗布具は、25秒以内、好ましくは15秒以内、より好ましくは10秒以内、最も好ましくは5秒以内に、加熱式塗布具が接触する製品を塗布温度へ効果的に加熱するのに充分なエネルギーを供給する。製品が、25秒を超えて加熱式塗布具に接触したままであれば、より高い製品塗布温度が達成可能であるが、消費者市場にとって多くの利点は、25秒以下の高速加熱時間により既に達成されている。例えば、25秒以内の加熱では、マスカラは、融解の有無に関わらず、低下した粘度を体験することができ、これにより、塗布及び整形がかなり容易である。又は、例えば、25秒以下の加熱だけで、完了したマスカラ塗布は、上記で定義されたような1ポイント、2ポイント若しくは3ポイントの改善のような一つ以上の性能特性の改善を示すことができる。塗布具上の製品、又は、睫毛へ既に移転した製品が、加熱式塗布具に接触したままである場合、製品は、25秒を超えて加熱し続けることができ、この場合、追加の利点を実現することできる。
特に、本発明の実施形態は、‘347、‘420、‘656及び‘838において熟慮された組成物よりもゆっくりと固化する(すなわち、固化するのに数秒を超える時間を要する)組成物用の加熱式塗布具、及び/又は、20℃を超える温度、好ましくは25℃を超える温度、より好ましくは30℃を超える温度、最も好ましくは35℃を超える温度の中間高さ幅を有する組成物を含む。特に、本発明の実施形態は、本明細書で定義された、熱的安定性としなくてもよい組成物用の加熱式塗布具も含む。これらはすべて、‘347、‘420、‘656及び‘838の範囲外である。これと同時に、本明細書で説明されている加熱式塗布具の実施形態は、「高速固化」マスカラの塗布を改善する。従って、本発明の実施形態は、消費者に提供することができ、製造及び生産費での利点を提供する製剤の種類を大幅に向上する。
このため、本明細書で開示された幾つかの実施形態は、手持ち式の加熱式塗布具と共に用いる高速固化及び低速固化マスカラ組成物である。特に、低速固化組成物の実施形態は、約5秒を超え、好ましくは10秒を超え、より好ましくは15秒を超える冷却固化時間を有する。融解することができるマスカラ組成物と同様に、融解されず、手持ち式の加熱式塗布具によって軟化されることから利益を得るマスカラ組成物の実施形態も開示されている。手持ち式の加熱式塗布具によって25秒以下で加熱されることから利益を得るマスカラ組成物の実施形態も開示されている。熱的安定性でないマスカラであって(この「熱的安定性」なる用語は、米国特許第7083347号、米国特許第7090420号、米国特許出願公開第2005/0031656号及び米国特許出願公開第2005/0013838号に定義されている)、本発明の手持ち式の加熱式塗布具と共に用いることから更なる利益を得るマスカラの実施形態も開示されている。
一般的に、いずれのマスカラ組成物も、図1の加熱式塗布具と共に用いることができる。具体的には、米国特許第7083347号、米国特許第7090420号、米国特許出願公開第2005/0031656号及び米国特許出願公開第2005/0013838号の熱的安定性、高速固化組成物を特に改善することができる。例えば、高速固化マスカラの塗布は、睫毛を整形している間、一般的に所定のピーク温度を狭い変動内に維持する高速加熱塗布具により改善される。高速加熱及び一貫性のある出力は、製剤が塗布中に柔軟であり続け、塗布の終了前ではほとんど固化しないことを確実にする傾向になる。別の例として、「熱的安定性」マスカラの塗布は、睫毛を整形している間、一般的に、所定のピーク温度を狭い変動内に維持する高速加熱塗布具により改善される。
この場合も図1の手持ち式の加熱式塗布具と共に用いることに適し、「低速固化」するが、「熱的安定性」でないマスカラの例は、以下の通りである。
CTFA名 重量%
水 qs
シメチコン 0.10
酸化鉄 8.00
PVP K‐30粉末 1.00
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.50
VP/ポリカルバミル/ポリグリコールエステル 2.00
パンテチン 0.10
パンテノール 0.10
EDTA2ナトリウム 0.05
EDTA4ナトリウム 0.10
ステアリン酸スクロース 0.80
アミノメチルプロパンジオール 1.20
メチルパラベン 0.35
タルク 3.00
ナイロン(登録商標)繊維 1.00
ステアリン酸 3.00
アセチル化されたジステアリン酸スクロース 3.30
蜜蝋 7.90
オゾケライト 8.00
ステアリン酸グリセリル 5.50
セスキオレイン酸ソルビタン 0.80
ブチルパラベン 0.15
プロピルパラベン 0.15
水/アクリレート共重合体/ブチレングリコール/ラウレス硫酸ナトリウム 7.00
HDI/トリメチロールヘキシルラクトンクロスポリマー//シリカ 2.00
水/加水分解小麦蛋白質/PVPクロスポリマー 0.50
フェノキシエタノール 0.50
ビサボロール 0.10
この組成物は、中間高さで23℃を超える融解ピーク幅と、本明細書に説明されている4加熱周期後の、25%を超える粘度の変化とを有する。
本発明の一実施形態では、1400mAhで公称3Vに定格化された一つの電池を用いて、この製剤に関する以下の加熱データが、FLIR A320温度カメラで測定された。
加熱時間(秒) 製品の表面温度(℃)
0 21.5
5 22.8
10 25.9
15 28.9
25 34.0
この例では、時間t=0における製品温度は、21.5℃であることに留意されたい。製品は、約25秒で34℃に達する。すなわち、製品は、25秒間で12.5℃加熱する。塗布具ヘッド上の製品は、25秒を超えて加熱し続け、約60秒で約42℃に達した。この特定の試験中、この時点で、ブラシは、実際の使用をシミュレーションするため、製品貯蔵部内に再び浸漬された。ブラシは、貯蔵部から取り出され、この時点で、ブラシ上の製品は約24℃であった。しかし、貯蔵部から取り出された製品は、その後、加速度的に再び加熱し始め、約15秒以内で42℃を達成した。製品は、約150秒間、60℃を超えるまで加熱し続けた。加熱曲線の二つの部分では、データは、近似直線に一致する。このことは、電力がオンに切り替えられると直ぐに製品の加熱が開始し、一定率で継続することを意味する。

Claims (45)

  1. 外側表面を有する塗布具ヘッドと、電流源と、熱発生部分とを備える手持ち式マスカラ塗布具であって、
    剛毛は、前記塗布具ヘッドの前記外側表面の部分上に位置し、
    前記熱発生部分は、剛毛を有する前記外側表面の前記部分の下側に位置して所定の抵抗値の複数の離散した加熱素子を有すると共に前記塗布具ヘッドの前記外側表面の上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.15gを、前記熱発生部分が作動された瞬間から測定して25秒以下で周囲温度から製品塗布温度へ加熱するのに効果的である、手持ち式マスカラ塗布具。
  2. 請求項1に記載の塗布具において、周囲温度は、20℃〜25℃であり、製品塗布温度は、30℃以上である塗布具。
  3. 請求項2に記載の塗布具において、周囲温度は、20℃〜25℃であり、製品塗布温度は、35℃以上である塗布具。
  4. 請求項1に記載の塗布具であって、前記塗布具ヘッドの前記外側表面の上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.25gを、25秒以下で20℃〜25℃から35℃以上へ加熱すること
    ができる塗布具。
  5. 外側表面及び中心の長手方向軸線を有する塗布具ヘッドと、
    前記外側表面の温度を、熱発生部分が作動された瞬間から測定して25秒以下で周囲温度から約55℃以上へ上昇させるのに効果的である熱発生部分と、を備えた手持ち式マスカラ塗布具であって、
    剛毛は、前記塗布具ヘッドの前記外側表面の部分上に位置し、
    前記熱発生部分は、剛毛を有する前記外側表面の前記部分の下側に位置して所定の抵抗値の複数の離散した加熱素子を有する手持ち式マスカラ塗布具。
  6. 請求項5に記載の塗布具において、前記剛毛及び前記加熱素子は、それぞれ前記塗布具ヘッドの前記中心の長手方向軸線に沿ってランダムではない線形分布を有する塗布具。
  7. 請求項6に記載の塗布具において、前記中心の長手方向軸線に沿った剛毛及び加熱素子の前記線形分布は、一定である塗布具。
  8. 請求項6に記載の塗布具において、前記中心の長手方向軸線に沿った剛毛及び加熱素子の前記線形分布は、一定でない塗布具。
  9. 請求項6に記載の塗布具において、前記剛毛は、前記中心の長手方向軸線を中心として列状又は巻回状に配置され、加熱素子の数と剛毛の列又は巻回の数との比は、1:1以上で
    ある塗布具。
  10. 請求項6に記載の塗布具において、加熱素子の数は、中心の長手方向軸線長さの2mmごとに一つ以上ある塗布具。
  11. 請求項6に記載の塗布具において、加熱素子と剛毛との比は、1:30〜1:60以上である塗布具。
  12. 請求項11に記載の塗布具であって、100〜300個の剛毛及び16〜40個の加熱素子を有す
    る塗布具。
  13. 請求項5に記載の塗布具において、前記加熱素子の少なくとも幾つかは、並列電気回路に配置されている塗布具。
  14. 請求項5に記載の塗布具において、前記熱発生部分は、非導電性であって、電子部品と、前記熱発生部分を電流源に効果的に接続する電気リードとを支持する基板を備えるプリント回路板により支持されている塗布具。
  15. 請求項14に記載の塗布具であって、少なくとも一つのオン/オフスイッチを更に備える塗布具。
  16. 請求項15に記載の塗布具であって、2〜3分の使用後、前記熱発生部分を自動的にオフに切り替えられる塗布具。
  17. 請求項14に記載の塗布具において、前記塗布具ヘッドは、前記プリント回路板の遠位端上で嵌合する中空のエラストマースリーブを備える成形されたブラシであり、これによって、前記プリント回路板(8)上の前記加熱素子は、前記中空のスリーブの内側表面に直接接触する塗布具。
  18. 請求項17に記載の塗布具において、前記加熱素子は、熱伝達材料の連続的な固体塊に組み込まれている塗布具。
  19. 請求項18に記載の塗布具において、前記熱伝達材料は、一つ以上の熱伝導性接着剤、一つ以上の熱伝導性封止エポキシ又はこれらの組み合わせである塗布具。
  20. 請求項17に記載の塗布具において、前記スリーブは、一つ以上の熱可塑性エラストマーを備える塗布具。
  21. 請求項20に記載の塗布具において、前記スリーブは、1.0mm未満の厚さを有する塗布具。
  22. 請求項21に記載の塗布具において、前記スリーブは、0.4mm未満の厚さを有する塗布具。
  23. 請求項20に記載の塗布具において、前記熱可塑性エラストマーは、47から55のショアD硬度を有する塗布具。
  24. 請求項17に記載の塗布具において、前記塗布具ヘッドは、一つ以上のサーモクロミック材料を更に備える塗布具。
  25. 請求項14に記載の塗布具において、前記加熱素子は、直列、並列又はこれらの任意の組み合わせで電子的に配置され、前記プリント回路板の両側に1列ずつ、2列に物理的に位置している固定値抵抗の群である塗布具。
  26. 請求項25に記載の塗布具において、前記固定値抵抗は、1から10Ωの定格抵抗値を有する塗布具。
  27. 請求項26に記載の塗布具において、すべての前記加熱素子の全抵抗値は、1から10Ωの範囲に及ぶ塗布具。
  28. 請求項25に記載の塗布具において、前記加熱素子は、最大寸法が2.0mm以下である金属酸化物厚膜チップ抵抗である塗布具。
  29. 請求項25に記載の塗布具において、前記加熱素子は、シルクスクリーン蒸着物として前記プリント回路板上に設けられた金属酸化物厚膜の離散的なドットである塗布具。
  30. 請求項29に記載の塗布具において、金属酸化物厚膜は、酸化ルテニウム(RuO2)から構成され、各ドットは、2.0mm以下である塗布具。
  31. 請求項14に記載の塗布具であって、前記電流源を収納するハンドルを更に備える塗布具において、前記電流源は、前記プリント回路板上の導電性素子に直接接触する端子を有する電池である塗布具。
  32. 請求項31に記載の塗布具において、前記電池は、1400mAh以上の容量を有する2.5〜3.5V電池である塗布具。
  33. 請求項32に記載の塗布具において、前記電池は、リチウム/2酸化マンガンの化学物質に基づくものであり、水銀を含まない塗布具。
  34. 請求項31に記載の塗布具において、前記電池は、前記ハンドルの取り外し可能な蓋を介して交換可能である塗布具。
  35. 請求項34に記載の塗布具において、前記電池は、再充電可能である塗布具。
  36. 請求項14に記載の塗布具において、前記塗布具ヘッドの前記外側表面の前記温度は、30℃〜90℃の横ばい状態温度に達し、その後、前記表面の前記温度は、前記横ばい状態温度の±2℃以内に維持される塗布具。
  37. 請求項36に記載の塗布具であって、電圧分割器回路及びサーミスタを含む塗布具。
  38. 請求項36に記載の塗布具であって、演算増幅器及びNチャネルMOSFETスイッチを更に備える塗布具。
  39. 請求項15に記載の塗布具において、少なくとも一つのオン/オフスイッチは、使用者の指により直接又は間接的に係合することができる前記塗布具の外側から近づくことができる塗布具。
  40. 請求項15に記載の塗布具において、少なくとも一つのオン/オフスイッチは、前記塗布具が容器から引き出されると、前記加熱素子を作動し、前記塗布具が前記容器内に再挿入されると、作動解除するように動作する塗布具。
  41. 請求項31に記載の塗布具であって、中空の細長状部材であるステムを更に備える塗布具において、前記ステムは、前記ハンドルに嵌合された近位端を有し、前記ステムを貫通して前記プリント回路板が静置されている塗布具。
  42. 容器と、
    前記容器に収納されるマスカラ組成物であって、20℃を超える中間高さ融解ピーク幅を有する熱プロファイルを有するマスカラ組成物と、
    請求項1に記載の手持ち式マスカラ塗布具と、
    を備える、マスカラ組成物を塗布するシステム。
  43. 請求項42に記載のシステムにおいて、前記マスカラ組成物は、熱動的であるシステム。
  44. 容器と、
    前記容器に含まれるマスカラ組成物であって、約10秒を超える冷却固化時間を有するマスカラ組成物と、
    請求項1に記載の手持ち式マスカラ塗布具と、
    を備える、マスカラ組成物を塗布するシステム。
  45. 容器と、
    前記容器に含まれる熱動的なマスカラ組成物と、
    塗布具ヘッド、電流源及び熱発生部分を備える手持ち式マスカラ塗布具であって、前記熱発生部分は、前記塗布具ヘッド上に位置付けられたマスカラの少なくとも0.15gを、前記熱発生部分が作動された瞬間から測定して25秒以下で、周囲温度から製品塗布温度へ効果的に加熱する手持ち式マスカラ塗布具と、
    を備える、マスカラ組成物を塗布するシステム。
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