JP2014073244A - 美容器具 - Google Patents

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Motoki Takada
Akihito Torii
晶仁 鳥居
Tomoyoshi Fujioka
智愛 藤岡
Yusuke Okamoto
祐介 岡本
Kosuke Matsuo
亘祐 松尾
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Abstract

【課題】塗布部に保持したマスカラ液を迅速に加熱して、マスカラ液が適温に加熱されるまでの待機時間を短縮することができ、塗布体が破損あるいは塗布体に汚れが膠着した場合でも容易に交換あるいは洗浄を行なうことができる美容器具を提供する。
【解決手段】美容器具は、塗布体2と、塗布体2に着脱自在に連結される加熱体3とで構成する。塗布体2は、中心軸に沿って収納穴113が形成された筒状の塗布ロッド11を備え、塗布ロッド11は、化粧料を保持する塗布部12を設けた処理部111と、ステム部112とで構成する。加熱体3は、グリップ20と、加熱ロッド21と、加熱ロッド21の端部に設けられる加熱部22とを備え、加熱部22の内部にヒーター29を設ける。加熱体3を塗布体2に連結して、加熱ロッド21を収納穴113に収納した状態において、加熱ロッド21の加熱部22を塗布ロッド11の処理部111の内部に位置させてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧料を塗布する塗布体を備えた美容器具、なかでも化粧料を加熱してその粘度を低下させながら塗布する美容器具に関する。
本発明に関して、塗布具を備えた塗布器具が特許文献1に公知である。そこでは、マスカラ液を収容する容器およびキャップと、塗布ヘッドを備えた塗布具と、塗布ヘッドを加熱する加熱装置などで塗布器具(美容器具)を構成している。摘みを兼ねるキャップの内部には、加熱装置の電源となる電池が配置してあり、キャップと一体化された塗布具の塗布ヘッドの内部には、抵抗加熱素子が配置してある。容器にねじ込まれたキャップを容器から取外すと、給電用の回路が閉じられて抵抗加熱素子を発熱させることができ、この熱で塗布ヘッドの基部表面に付着したマスカラ液を加熱して均一に拡散し流動させた状態でまつ毛に塗布できる。
同様の美容器具は特許文献2にも開示されている。そこでは、マスカラ液を収容する容器と、ブラシ棒を支持する取っ手(キャップ)とでマスカラパッケージ(美容器具)を構成している。ブラシ棒の下部には、発熱体を備えた発熱塗布部が設けてあり、取っ手の外面に配置したスイッチノブをオン操作することにより発熱体に通電して発熱塗布部を加熱できる。使用時には、容器にねじ込まれた取っ手を取外すことにより、発熱塗布部の外面のブリッスルに付着したマスカラ液を、加熱された状態でまつ毛に塗布できる。さらに、発熱塗布部を容器内に収容した状態のままで、スイッチノブをオン操作することにより、低温のマスカラ液を加熱してその粘度を低下させることができる。
特開2008−212688号公報(段落番号0031〜0032、図2) 特表2009−532083号公報(段落番号0033、図2)
特許文献1の美容器具によれば、キャップを容器から取外す動作に連動して抵抗加熱素子を発熱させ、塗布ヘッドに付着したマスカラ液を加熱し均一に拡散し流動させた状態でまつ毛に塗布できる。しかし、特許文献1のマスカラ塗布具は、マスカラ液をまつ毛に塗布する機能を備えているに過ぎない。そのため、前段のまつ毛をカールする作業と、後段のまつ毛に付着したダマ(マスカラ塊)を除去する作業を行う際に、別途まつ毛整形具とマスカラコームを用意する必要があり、一連の作業が煩雑で化粧に多くの手間が掛かってしまう。また、塗布ヘッドはキャップと一体に形成されているので、塗布ヘッドが破損した場合には、補修や交換をすることができず、容器を除く美容器具全体を破棄しなければならないため不経済である。
その点、特許文献2の美容器具は、発熱塗布部にまつ毛をカールする櫛と、マスカラ液を塗布するブラシとが設けてあるので、一連の作業を少ない手間で行うことができる。また、発熱塗布部はブラシ棒から分離できるように形成されているので、発熱塗布部が破損あるいは発熱塗布部に汚れが膠着した場合でも容易に交換あるいは洗浄することができる。しかし、発熱塗布部は発熱体から離れた位置に配置され、発熱体で発生した熱が支持具を介して発熱塗布部へ伝導されている。そのため、発熱塗布部が加熱され、マスカラ液の温度が塗布に好適な温度になるまでに時間を要し、マスカラ液を塗布する際に待機時間が生じるのを避けられない。
本発明の目的は、塗布部に保持したマスカラ液を迅速に加熱して、マスカラ液が適温に加熱されるまでの待機時間を短縮することができる美容器具を提供することにある。
本発明の目的は、マスカラ液を迅速に加熱できるようにしながら、塗布体が破損あるいは塗布体に汚れが膠着した場合でも容易に交換あるいは洗浄を行なうことができる美容器具を提供することにある。
本発明の美容器具は、塗布体2と、塗布体2に着脱自在に連結される加熱体3とを備えている。塗布体2は、中心軸に沿って収納穴113が形成された筒状の塗布ロッド11を備えている。塗布ロッド11は、処理部111と、処理部111に連続するステム部112とで構成されて、処理部111の端部に化粧料を保持する塗布部12を設けてある。加熱体3は、グリップ20の一端に設けられる加熱ロッド21と、加熱ロッド21の端部に設けられる加熱部22とを備え、加熱部22の内部にヒーター29を設けてある。加熱体3を塗布体2に連結して、加熱ロッド21を収納穴113に収納した状態において、加熱ロッド21の加熱部22が塗布ロッド11の処理部111の内部に位置していることを特徴とする。
塗布部12を、処理部111の外面一側に形成する。加熱ロッド21を、ステム部120と、ステム部120の端部に設けられる加熱部22とで構成する。加熱体3を塗布体2に連結した状態において、処理部111の内面114と加熱部22との隙間G1を、塗布ロッド11のステム部112の内面114と加熱ロッド21のステム部120との隙間G2より小さく設定する。
処理部111は、塗布部12が形成してある塗布部側筒壁116と、塗布部側筒壁116に対向する対向筒壁117とを備えている。塗布部側筒壁116の厚み寸法t1を、対向筒壁117の厚み寸法t2より小さく設定する。
加熱ロッド21のステム部120の外径寸法D2を、加熱部22の外径寸法D1より小さく設定する。加熱ロッド21のステム部120の外面と、塗布ロッド11のステム部112の内面114との間に断熱空間S1を形成する。
加熱ロッド21のステム部120の周面に、断熱空間S1を複数個に区画する1個以上の区画壁121を周回状に設ける。
塗布ロッド11の少なくとも塗布部側筒壁116および対向筒壁117の内面114を、基端側から端部側へ向かって先すぼまり状に形成する。
ヒーター29を、塗布ロッド11の中心軸線Oに対して塗布部側筒壁116へ偏寄する状態で配置する。
対向筒壁117と対向する加熱部22に段落ち部122を形成して、対向筒壁117と加熱部22との間に断熱空間S2を設ける。
加熱ロッド21のステム部120を発泡性樹脂で形成する。
マスカラ液を収容する容器1と、容器1に着脱自在に装着される塗布体2と、塗布体2に着脱自在に連結される加熱体3とを備える。容器1と塗布体2と加熱体3を連結した状態において、加熱体3の加熱ロッド21を、容器1内に差込まれた塗布ロッド11の内部に収納する。
本発明に係る美容器具においては、加熱体3を塗布体2に連結して加熱ロッド21を収納穴113に収納した状態において、加熱ロッド21の加熱部22を塗布ロッド11の処理部111の内部に位置させるようにした。このように、加熱部22を処理部111の内部に位置させると、加熱部22で生成した熱を処理部111へ効率よく伝導して、塗布部12を迅速に加熱することができる。従って、塗布部12に保持した化粧料を素早く加熱して、塗布に好適な温度に加熱されるまでの待機時間を短縮することができる。また、塗布体2と加熱体3とは連結構造で着脱自在に連結したので、塗布体2を加熱体3から簡単に分離することができる。従って、塗布体2が破損した場合には容易に交換することができ、塗布体2に汚れが膠着した場合には湯水等で簡単に洗浄して再使用することができる。
加熱体3を塗布体2に連結した状態において、処理部111の内面114と加熱部22との隙間G1を、塗布ロッド11および加熱ロッド21の各ステム部112・120の隙間G2より小さく設定すると、各ステム部112・120の間の熱伝導を抑制できる。詳しくは、各ステム部112・120の間の空気層による断熱効果を利用して、加熱ロッド21のステム部120から塗布ロッド11のステム部112への熱の伝導を、加熱部22から処理部111への熱の伝導よりも小さくすることができる。従って、加熱部22から処理部111への熱の伝導効率をよくして、塗布部12を迅速に加熱することができる。
塗布部側筒壁116の厚み寸法t1を、対向筒壁117の厚み寸法t2より小さく設定すると、筒壁の厚みが小さい分だけ、加熱部22で生成した熱を塗布部側筒壁116の表面まですばやく伝導することができる。従って、塗布部12を迅速に加熱することができる。また、厚み寸法が小さい塗布部側筒壁116の体積は、対向筒壁117の体積よりも小さくなるので、塗布部側筒壁116の熱容量を小さくすることができ、これにより、塗布部12をさらに迅速に加熱することができる。
加熱ロッド21のステム部120の外径寸法D2を、加熱部22の外径寸法D1より小さく設定すると、加熱部22からステム部120を伝わってグリップ20側に伝導しようとする熱量を抑制することができる。従って、加熱部22の熱を効率よく処理部111に伝導することができ、塗布部12をさらに迅速に加熱することができる。また、両ステム部112・120の間に断熱空間S1を形成すると、空気層が断熱材となって加熱ロッド21のステム部120から塗布ロッド11のステム部112への熱の伝導が抑制されるので、加熱部22で生成した熱の殆どを塗布部12へ伝導して、ヒーター29の消費電力を抑えることができる。
加熱ロッド21のステム部120に1個以上の区画壁121を設けて、断熱空間S1を上下方向へ複数の区画に区分すると、断熱空間S1内の上下方向の空気の対流を区画壁121で分断できる。従って、断熱空間S1内の空気の対流作用で、加熱部22側の熱が塗布ロッド11のステム部112およびグリップ20へ伝導されるのを阻止して、加熱部22による塗布部12の加熱を効率よく行なうことができる。
塗布ロッド11の少なくとも塗布部側筒壁116および対向筒壁117の内面114を、基端側から端部側へ向かって先すぼまり状に形成すると、塗布ロッド11の中心軸に対して直交する面の断面積を端部に行くに従って大きくすることができる。これにより、単位長さ当たりの体積をステム部112より処理部111の方が大きくなるようにして、加熱された処理部111の蓄熱量を大きくして冷めにくくすることができる。また、少なくとも塗布部側筒壁116と対向筒壁117とを、基端側から端部側へ向かって先すぼまり状に形成することにより、加熱体3を塗布体2に連結した状態において、処理部111の内面114と加熱部22との隙間G1を、塗布ロッド11および加熱ロッド21の各ステム部112・120の隙間G2より小さくすることができる。これにより、各ステム部112・120の間の空気層による断熱効果を利用して、加熱ロッド21のステム部120から塗布ロッド11のステム部112への熱の伝導を、加熱部22から処理部111への熱の伝導よりも小さくすることができる。従って、加熱部22から処理部111への熱の伝導効率をよくして、塗布部12を迅速に加熱することができる。
ヒーター29を、塗布ロッド11の中心軸線Oに対して塗布部側筒壁116へ偏寄する状態で配置すると、塗布部側筒壁116の内面114にヒーター29を近接させることができる。従って、塗布部側筒壁116に効率よく熱を伝導することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。
対向筒壁117と対向する加熱部22に段落ち部122を形成して、対向筒壁117と加熱部22との間に断熱空間S2を設けると、断熱空間S2により加熱部22から断熱空間S2を間にして対抗する対向筒壁117への熱の伝導を効果的に抑制することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。
加熱ロッド21のステム部120を発泡性樹脂で形成すると、加熱ロッド21のステム部120を介して加熱部22の熱がグリップ20に伝導するのを効果的に抑制することができる。従って、加熱部22の熱を処理部111に効率よく伝導することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。また、発泡性樹脂が断熱材となって加熱ロッド21のステム部120から塗布ロッド11のステム部112への熱の伝導が抑制されるので、加熱部22で生成した熱の殆どを塗布部12へ伝導して、ヒーター29の消費電力を抑えることができる利点もある。
マスカラ液を収容する容器1と、容器1に着脱自在に装着される塗布体2と、塗布体2に着脱自在に連結される加熱体3とを備え、容器1と塗布体2と加熱体3を連結した状態において、加熱体3の加熱ロッド21を、容器1内に差込まれた塗布ロッド11の内部に収納した。これによれば、容器1から塗布体2を加熱体3ごと取り外すだけで、塗布部12にマスカラ液が保持された状態となり、マスカラ液を適温に加熱した状態でまつ毛に塗布することができる。また、加熱体3を塗布体2から取り外した状態では、その加熱部22で塗布体2とは異なる美容処理を行なうことができる。
本発明に係る美容器具の使用状態における塗布体の縦断側面図である。 塗布体を容器から分離した状態の一部破断側面図である。 本発明に係る美容器具の分解断面図である。 図8におけるA−A線断面図である。 整形体を塗布体から分離した状態の縦断正面図である。 加熱整形部の縦断側面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 塗布体と整形体の連結構造を示す縦断側面図である。 スイッチ用の節度構造を示す縦断正面図である。 スイッチノブと制御回路の関係を示す説明図である。 ヒーターの温度制御形態を示すブロック図である。 コンパレータの動作原理を示すタイミングチャートである。 スイッチノブを第1オン位置へ切換えた状態を示す縦断側面図である。 スイッチノブを第2オン位置へ切換えた状態を示す縦断側面図である。 整形体を塗布体から分離した状態の一部破断側面図である。 図8におけるC−C線断面図である。 本発明に係る美容器具の別実施例を示す一部破断側面図である。 本発明に係る美容器具のさらに別実施例を示す一部破断側面図である。 本発明に係る美容器具のさらに別実施例を示す一部破断側面図である。
(実施例) 図1ないし図16に本発明をマスカラ塗布具(美容器具)に適用した実施例を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図1および図2に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
図2においてマスカラ塗布具は、マスカラ液を収容する容器1と、容器1に対して着脱される塗布体2と、塗布体2に対して着脱される整形体(加熱体)3などで構成する。容器1と塗布体2は、第1連結構造(連結構造)で着脱自在に連結されており、塗布体2と整形体3は、第2連結構造(連結構造)で着脱自在に連結されている。容器1と塗布体2と整形体3の3者を第1、第2の両連結構造で連結した状態では、マスカラ塗布具を1個の美容器具として取扱うことができる。
容器1は円筒状に形成してあり、その上端に塗布体2の出入口4が開口してある。出入口4の周面には、第1連結構造を構成するねじ軸5が形成してあり、出入口4の内面には余分に付着したマスカラ液をしごき落とすワイパー6が設けてある。ワイパー6は、ゴムまたはプラスチック材で形成した筒体からなり、その底壁にしごき開口7が形成してある。
図1において塗布体2は、容器1の出入口4に着脱される円筒状のキャップ10と、中心軸に沿って収納穴113が形成された筒状の塗布ロッド11とを備えている。塗布ロッド11は有底筒状に形成されて、その下端部(端部)に設けられる処理部111と、処理部111の上側に連続するステム部112とで構成してあり、処理部111にマスカラ液を保持する塗布部12が設けてある。処理部111は、塗布部12が形成される塗布部側筒壁116と、塗布部側筒壁116に対向する対向筒壁117とを備えている。塗布ロッド11の収納穴113の内面114は、塗布部側筒壁116と対向筒壁117とを、上端部側(基端側)から下端部側(端部側)へ向かって先すぼまり状に形成してある。図7において、符号Oは、丸筒状に形成された塗布ロッド11の中心軸線を示す。第1連結構造で容器1と塗布体2とを連結した状態において、塗布ロッド11を容器1の内部に差込むことができる。
上端部側から下端部側へ向かって先すぼまり状に形成した収納穴113の内面114の傾斜角度は全周で同一ではなく、塗布部側筒壁116の内面114の傾斜角度θ1が最小で、対向筒壁117の内面114の傾斜角度θ2が最大になるように形成してある。処理部111の左右の筒壁部分は、両筒壁116・117の傾斜角度θ1・θ2を緩やかに接続するように、塗布部側筒壁116から対向筒壁117に行くに従って、徐々に傾斜角度が大きくなるように形成してある。収納穴113の中心軸線は、傾斜角度θ1・θ2が違う角度であるため、塗布ロッド11の中心軸線Oに対して下端側が後傾している状態となる。
上記のような構成によれば、塗布ロッド11の中心軸線Oに対して直交する面の断面積は、塗布ロッド11の下端部へ行くに従って大きくなる。従って、単位長さ当たりの体積をステム部112より処理部111の方が大きくなるようにして、加熱整形部(加熱部)22で加熱された処理部111を冷めにくくし、ヒーター29の消費電力を抑えている。本実施例では、収納穴113の内面114後側の傾斜角度θ1は0.1度であり、前側の傾斜角度θ2は1.0度に設定した。角度は、0度以上3.0度以下の範囲で設定することが好ましい。これは、0度未満の逆テーパー状であると、有底筒状の整形ロッド21を金型で成形するのが困難となり、3.0度を超えると、上下の筒壁の肉厚寸法の差が大きくなり、整形時にヒケ等の成形不良が発生するおそれがあるためである。傾斜角度θ1・θ2は塗布ロッド11の長さあるいは外径寸法により、適宜変更することができる。
図1に示すように、塗布部12は塗布ロッド11の処理部111の塗布部側筒壁116に形成した櫛歯(塗布要素)18の一群で構成されており、隣接する櫛歯18の間にマスカラ液を保持することができる。図7に示すように、櫛歯18は先端が丸められた舌片状に形成してある。櫛歯18が形成される塗布部側筒壁116の厚み寸法t1は、対向筒壁117の厚み寸法t2より小さく形成されている。従って、筒壁の厚みが小さい分だけ、加熱部22で生成した熱を塗布部側筒壁116の表面まですばやく伝導することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。また、厚み寸法が小さい塗布部側筒壁116の体積は、対向筒壁117の体積よりも小さくなるので、塗布部側筒壁116の熱容量を小さくすることができ、これにより、塗布部12をさらに迅速に加熱することができる。
キャップ10には、第1連結構造を構成する連結部と、第2連結構造を構成する連結部とが設けてある。前者連結部は、キャップ10の殆どを占めるねじキャップ52で構成されており、その内面に、先のねじ軸5に対応するねじ穴16が形成してある。キャップ10の外面には上下方向に長い位置決めリブ53が形成してある。上記のように第1連結構造は、ねじ軸5と、ねじ穴16を備えたねじキャップ52とでねじ構造として構成してある。
第2連結構造を構成する連結部は、ねじキャップ52の上部に連続する連結ボス54の周面に周回状に形成される連結溝55からなる。連結ボス54の外直径は、ねじキャップ52の外直径より小さく設定してあり、連結ボス54の基端とねじキャップ52との間の肩壁が、後述するストッパー93の規制部56として機能する。連結ボス54の内面に、先の塗布ロッド11の上端に設けたロッドボス57を圧嵌係合することにより、塗布ロッド11がキャップ10に対して分離不能に一体化してある。
整形体3は、グリップを兼ねる円筒状の整形グリップ(グリップ)20と、整形グリップ20の下部から下向きに突出する中空の整形ロッド(加熱ロッド)21と、整形ロッド21の下端(端部)に設けられる加熱整形部(加熱部)22と、加熱整形部22の内部に配置されるヒーター29などで構成する。図3に示すように、整形グリップ20の上半後面には樋体状の電池蓋24が着脱可能に設けてあり、その下側に樋体状の基板カバー60が配置してある。整形グリップ20の内部には、電池33、制御基板61、スイッチ構造などが収容してある。また、整形グリップ20の下端部分の前面には、ヒーター29への通電状態をオン・オフするスイッチノブ34が設けてあり、後面には先の位置決めリブ53を受入れる位置決め溝58が形成してある。スイッチノブ34の下端は、整形グリップ20とキャップ10との接当部に臨んでいる。
図1において整形グリップ20の内部で、制御基板61を収容する区画の下端には、リング状の取付けボス63が整形グリップ20と一体に形成してあり、この取付けボス63に整形ロッド21の上部が圧嵌装着してある。また、キャップ10の連結ボス54を着脱するための連結リング64が取付けボス63に固定してある。図4に示すように、連結リング64の上面および下面の左右の対向位置には、それぞれ一対の係合爪67と、弾性連結腕68が突設してある。さらに、連結リング64の周面の前後の対向位置には、後述するストッパー93をスライド案内するガイド凹部69と、位置決め凹部70とが形成してある。
図5に示すように、一対の係合爪67を、先の取付けボス63に設けた係合溝71に下面側から係合することにより、連結リング64が取付けボス63に分離不能に固定される。このとき、位置決め凹部70が整形グリップ20の内面に設けた位置決め突起72で位置決めされる(図4参照)。弾性連結腕68の下端内面には、断面が半円状の連結爪73が設けてあり、この連結爪73が連結ボス54の連結溝55と係脱することにより、塗布体2と整形体3を一体化し、あるいは整形体3を塗布体2から分離することができる。このように第2連結構造は、連結ボス54に設けた連結溝55と、同溝55に係脱する連結爪73を備えた弾性連結腕68とで圧嵌係合構造として構成してある。
上記のように第1連結構造は、ねじ軸5と、ねじ穴16を備えたねじキャップ52とでねじ構造として構成し、第2連結構造は、連結ボス54に設けた連結溝55と、同溝17に係脱する連結爪73を備えた弾性連結腕68とで圧嵌係合構造として構成した。これによれば、ねじ構造を解除して容器1を取り外し、さらに整形体3から塗布体2を引き抜くだけで、塗布体2を分離することができる。従って、塗布体2が破損した場合には容易に交換することができ、塗布体2に汚れが膠着した場合には湯水等で簡単に洗浄して再使用することができる。
図6に示すように、整形ロッド21は、前ロッド体21aと後ロッド体21bとを蓋合わせ状に接合して形成してある。整形ロッド21は、その下端部(端部)に形成される加熱整形部(加熱部)22と、加熱整形部22の上側に連続するステム部120とで構成してある。加熱整形部22の後ロッド体21bには、上下方向へ一定間隔おきに配置した多数個の櫛歯28を形成してあり、その内部にヒーター29とサーミスター75と、感温変色素子76とが配置してある。櫛歯28の間は加熱窓77として開口されており、各加熱窓77においてヒーター29の外表面を露出させてカール面32としてある。図7に示すように、後述するヒーター29の発熱素子80は、加熱整形部22の前後方向中心より、前側に位置する状態で配置してある。櫛歯28は、その突出寸法に比べて前後寸法が充分に大きな花弁状に形成してある。
図6においてヒーター29は、内外一対の絶縁シート78・79と、両絶縁シート78・79の間に挟み保持される発熱素子80とで面状ヒーターとして構成してあり、これら3者は熱硬化性の接着材で一体に固定してある。ヒーター29を前後のロッド体21a・21bで確りと固定保持するために、前ロッド体21aの内面の多数個所にヒーター支持突起81を設け、同突起81と櫛歯28とでヒーター29の内外面を挟持している。
サーミスター75はヒーター29の上下方向の中央部に配置されており、前ロッド体21aの内面とサーミスター75との間に配置した耐熱性のスポンジ(弾性体)82で移動付勢されて、ヒーター29の内面に密着している。感温変色素子76の変色状態を視認するために、前ロッド体21aの下端寄りに視認窓83が開口してある。ユーザーは、ヒーター29を通電状態にしたのち、視認窓83を介して感温変色素子76の呈色状態を確認することにより、ヒーター29の発熱状態が適温状態になったことを知ることができる。図4に示すように、後ロッド体21bの内部には、発熱素子80用のリード線84と、サーミスター75用のリード線85を収容するリード線溝86が区分壁を介して形成してある。
図1に示すように、整形ロッド21を収納穴113に収納して整形体3を塗布体2に装着した状態においては、加熱整形部22は塗布ロッド11の処理部111の内部に配置されている。収納穴113の中心軸線は、塗布ロッド11の中心軸線Oに対して下端側が後傾しているため、収納穴113に整形ロッド21を収納すると、整形ロッド21の下端部前側が対向筒壁117の内面114と当接して、整形ロッド21は後側に撓んだ状態で収納される(図1参照)。この状態では、整形ロッド21の下端側が後側に偏寄しているので、塗布部側筒壁116と、加熱整形部22との隙間G1は、加熱ロッド21のステム部120と塗布ロッド11のステム部120の内面114の隙間G2より小さくすることができる。
上記の構成によれば、加熱整形部22はその周囲を処理部111に覆われた状態になり、加熱部22で生成した熱を処理部111へ効率よく伝導して、塗布部12を迅速に加熱することができる。従って、塗布部12に保持した化粧料を素早く加熱して、塗布に好適な温度に加熱することができ、待機時間を短縮することができる。また、隙間G1を隙間G2より小さくすると、各ステム部112・120の間の空気層による断熱効果を利用して、加熱ロッド21のステム部120から塗布ロッド11のステム部112への熱の伝導を、加熱部22から処理部111への熱の伝導よりも小さくすることができる。従って、加熱部22から処理部111への熱の伝導効率をよくして、塗布部12を迅速に加熱することができる。
加えて、整形ロッド21を後側に撓んだ状態で収納し、整形ロッド21の下端側が後側に偏寄していると、ヒーター29を、塗布ロッド11の中心軸線Oに対して塗布部側筒壁116へ偏寄する状態で配置することができる。従って、塗布部側筒壁116の内面114にヒーター29を近接させて、塗布部側筒壁116に効率よく熱を伝導することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。
図3および図8においてスイッチ構造は、スイッチノブ34でスライド操作される端子板89と、端子板89に固定される一対の山形の可動端子90と、制御基板61に設けた固定端子(図示していない)と、節度構造などで構成する。スイッチノブ34は、整形グリップ20の前面のノブ座92で上下スライド自在に案内支持されており、その内面に棒状のストッパー93と、一対の操作爪94とが設けてある。ストッパー93および操作爪94のスライドを許すために、ノブ座92にはスライド開口95が形成してある。ノブ座92の内面壁はストッパー93をスライド案内するガイド壁を兼ねている。
スイッチノブ34の下端には、不使用状態においてスイッチノブ34がオン状態に切換わるのを防ぐ規制片96が内向きに張出してある。ここでの不使用状態とは、整形体3が装着された塗布体2のねじ穴16を容器1のねじ軸5に、最後までねじ込んだ状態を意味しており、この状態の規制片96は容器1の肩壁で受止められている。また、スイッチノブ34がオン状態に切換わっていた場合には、塗布体2をねじ軸5にねじ込むのに伴って規制片96が容器1の肩壁で押上げられるため、スイッチノブ34は強制的にオフ状態に切換えられる。
端子板89のスイッチノブ34との対向面には、操作爪94と係合する四角形状の係合ボス98が設けてあり、一対の操作爪94が係合ボス98と嵌合することにより、端子板89がスイッチノブ34で支持されている。図9において節度構造は、端子板89の長辺部と一体に形成した弾性アーム99と、弾性アーム99の中央外面に設けた節度突起100と、3個の節度凹部101を備えた一対の固定壁102などで構成する。固定壁102は整形グリップ20の周囲壁の内面に一体に成形してある。
整形体3を使用してまつ毛を整形する場合の加熱整形部22の温度状態と、塗布体2を使用してマスカラ液をまつ毛に塗布する場合の塗布部12の温度状態とをそれぞれ好適化するために、スイッチ構造をスイッチノブ34で3段階に切換え操作している。具体的には、スイッチノブ34がノブ座92の上端に位置している図8の状態がオフ状態であり、オフ状態からスイッチノブ34が1段階押下げスライドされた図13の状態が第1のオン状態である。また、第1のオン状態からスイッチノブ34がさらに1段階押下げスライドされた図14の状態が第2のオン状態である。
第1のオン状態においては、図11に示すコンパレータ105からスイッチング素子にヒーター駆動信号が出力され、電池33から発熱素子80に駆動電流が供給されてヒーター29の温度が上昇する。これに伴い、サーミスター75の温度が上昇して抵抗値が減少するため、サーミスター75にかかる電圧が低くなり、サーミスター75と直列に接続した制御抵抗(図示していない)にかかる電圧が上昇する。そして、制御抵抗にかかる電圧が、図15に示す基準電圧(低温側の基準電圧)を越えた時点で、コンパレータ105の出力が停止され、発熱素子80に対する駆動電流の供給が停止されて、ヒーター29の温度が低下する。また、ヒーター29の温度が低下すると、サーミスター75の温度が低下して抵抗値が増加するので、サーミスター75にかかる電圧が高くなり、先の制御抵抗にかかる電圧が低くなる。そして、制御抵抗にかかる電圧が基準電圧(低温側の基準電圧)より低下した時点で、コンパレータ105からスイッチング素子にヒーター駆動信号が出力され、発熱素子80に対する駆動電流の供給が再開される。以後、これを繰り返して、ヒーター29の発熱状態を低温状態(40℃)に維持する。なお、ヒーター29の発熱状態はマスカラ液の組成や粘度特性等に応じて設定すればよく、低温状態は40℃以外であってもよい。
第2のオン状態においては、基準電圧が高温側の基準電圧に切換わって、これをもとに上記と同様な制御を行って、ヒーター29の発熱状態を高温状態(70℃)に維持する。なお、低温側基準電圧および高温側基準電圧を供給する電源部と、コンパレータ105などは制御基板61に設けてある。
不使用状態のマスカラ塗布具は、図1および図2に示すようにキャップ10に設けたねじ穴16がねじ軸5にねじ込まれて、塗布体2が容器1と一体化してあり、この状態の塗布ロッド11および塗布部12は、容器1に収容されたマスカラ液に浸漬している。また、整形体3の整形ロッド21が塗布体2の塗布ロッド11の内部に収容されて、塗布体2の連結ボス54に設けた連結溝55が、連結リング64の弾性連結腕68で係合捕捉されている。不使用状態においては、スイッチノブ34の規制片96が容器1の肩壁で受止められて、下方への移動が規制された状態になっている。そのため、スイッチノブ34が不用意に、第1のオン状態、あるいは第2のオン状態に切換わるのを確実に防止できる。また、先に説明したように、スイッチノブ34がオン状態に切換わっていた場合には、塗布体2をねじ軸5にねじ込むのに伴って規制片96が容器1の肩壁で押上げられるため、スイッチノブ34は強制的に図8に示すオフ状態に切換えられる。
マスカラ塗布具を使用する場合には、整形体3と塗布体2を択一的に使用することにより、まつ毛を整形しカールする作業と、マスカラ液を塗布する作業を行なうことができる。まつ毛を整形しカールする場合には、図5に示すように、連結ボス54の連結溝55と弾性連結腕68の係合を解除する向きに整形体3を塗布体2から引抜き、図15に示すように加熱整形部22を塗布ロッド11から露出させる。その状態でスイッチノブ34をスライド操作して第2のオン状態に切換え、ヒーター29を発熱させる。しばらく待って、ヒーター29の発熱状態が適温(70℃)に加熱されたことを感温変色素子76の呈色状態の変化で確認する。スイッチノブ34を第2のオン状態に切換えた状態では、キャップ10が塗布ロッド11と共に容器1側に装着されているので、ストッパー93がキャップ10の規制部56で受止められることはない。この状態の規制片96は、図14に示すように整形グリップ20の下面開口より下方に位置している。
次に、櫛歯28が上向きになる状態で整形ロッド21を水平に支持し、まつ毛の湾曲中央部を櫛歯28で梳き分けながら、ヒーター29の外表面にまつ毛を接触させる。この状態で、まつ毛を上向きにすくい上げ、さらに加熱窓77を眉毛の側へ回転させてまつ毛をカールさせる。さらに、カール部分をヒーター29で加熱しながら、加熱整形部22の全体を上向きに押し上げることにより、まつ毛を毛先部分まで確実にカールすることができる。同様にして、目頭側および目尻側のまつ毛を加熱整形部22でカールすることができる。なお、まつ毛をカールさせるときは、捕捉したまつ毛がカール面32に沿って横移動するのを櫛歯28で規制でき、従って、隣接する櫛歯28で捕捉したまつ毛の一群を適正にカールできる。
マスカラ液を塗布する場合には、整形体3を塗布体2に連結して加熱整形部22を塗布ロッド11内に収容し、再び整形体3を塗布体2と一体化する。この状態では図16に示すように、ねじキャップ52に設けた位置決めリブ53が、整形グリップ20に設けた位置決め溝58と係合している。そのため、整形グリップ20を緩み方向へ回動操作すると、ねじキャップ52とねじ軸5とのねじ込み状態が解除されて、図2に示すように塗布体2を容器1から取外すことができる。このときのキャップ10は、連結リング64の弾性連結腕68で係合捕捉されている。
塗布体2を容器1から取外した状態で、スイッチノブ34をオン操作すると、スイッチ構造が第1のオン状態に切換わってヒーター29を発熱させ、塗布部12を適温(40℃)に保持できる。これにより、塗布部12に付着したマスカラ液の温度を上げて、マスカラ液を均一に拡散し流動しやすい状態に調整して、櫛歯18の間に保持されたマスカラ液をまつ毛に付着させることができる。マスカラ液が不足する場合には、塗布部12を容器1内に数回出し入れしてマスカラ液を付着させ、塗布部12の周囲に付着した余分なマスカラ液をワイパー6でしごき落として、再度マスカラ液をまつ毛に付着させる。最後にマスカラコームを使用して、まつ毛を数回梳き流すことにより、まつ毛のカール形状を整えることができる。容器1内に出し入れする際の塗布部12は、容器1に対して上下に出し入れするだけであるので、ねじ軸5とねじ穴16の端部同士が接当した位置より下方に差込まれることはなく、従って、スイッチノブ34がオフ位置へ戻されることはない。
なお、環境温度が低い場合には、整形グリップ20を緩み方向へ数回回動して、ねじキャップ52と容器1の肩部との間に、規制片96が下降移動できる隙間を確保したのち、スイッチノブ34をオン操作してヒーター29を発熱させ塗布部12を加熱する。この場合には塗布部12がヒーター29で40℃に加熱されるので、容器1内のマスカラ液を加熱して粘度を下げ流動性を与えることができる。
上記のように、スイッチノブ34を第1のオン状態に切換えた状態では、図13に示すように、ストッパー93の先端がねじキャップ52の肩部分に設けた規制部56で受止められる。そのため、スイッチノブ34が、第1のオン状態を越えて第2のオン状態に切換えられることはなく、塗布部12の温度を40℃に保持できる。
以上のように、整形体3を塗布体2に装着した状態におけるヒーター29の発熱温度を低温状態に設定して、ヒーター29の出力を抑制すると、塗布部12の温度が不必要に高くなるのを防止できる。また、塗布部12を容器1内のマスカラ液に浸漬した状態では、溶剤などの揮発成分がいたずらに蒸散してマスカラ液が変質し劣化するのを防止しながら、その粘度を低下できる。従って、適度の流動性を備えたマスカラ液を塗布部12に付着させて、まつ毛に対するマスカラ液の塗布を好適に行なうことができる。また、整形体3を塗布体2から分離して、まつ毛の整形を行う状態におけるヒーター29の発熱温度を高温状態に設定すると、加熱整形部22の温度を高くして、まつ毛を効果的に加熱しながら整形して、的確にカールすることができる。
なお、整形体3が塗布体2に装着してあるときのヒーター29の発熱温度が、整形体3を塗布体2から分離したときのヒーター29の発熱温度と同じ高温状態に設定してある場合には、塗布部12を容器1内に差込んでマスカラ液を加熱する際に、加熱熱量が過多となってマスカラ液が変質し劣化しやすい。このような状況を避けるには、例えば、塗布ロッド11の内部空間を大きくし、あるいは塗布ロッド11の肉厚を大きくすることで対応できるが、そうすると塗布ロッド11が太くなり、あるいは直径が大きくなり、使い勝手が悪くなる。こうした、不具合を解消するために、整形体3を塗布体2に装着した状態におけるヒーター29の発熱温度を低温状態に設定して、ヒーター29の出力を抑制できようにしている。
上記の実施例においては、収納穴113に整形ロッド21を撓ませた状態で収納する必要はなく、収納穴113の内面に接触しない状態で収納することができる。この場合には、ヒーター29を加熱整形部22の後面近傍に配置して、塗布部側筒壁116に近接させることで、上記寸法関係を満足するように構成することができる。塗布ロッド11の中心軸線Oに直交する断面形状は、楕円あるいは多角形状に形成してもよい。容器1と塗布体2と整形体3の3者を連結して、マスカラ塗布具を1個の美容器具として取扱う必要はない。例えば、常態では容器1に換えて保護キャップを連結して塗布ロッド11を保護し、使用時には別途マスカラ液が収容された容器1に塗布ロッド11を差し込んでまゆ毛にマスカラ液を塗布することができる。
図17に加熱ロッド21の別実施例を示す。そこでは、櫛歯28を省略して、加熱ロッド21の下端部にヒーター29を密封して加熱ヘッド(加熱部)22とした。ステム部120の外径寸法D2は、加熱ヘッド22の外径寸法D1よりも小さく形成してあり、塗布ロッド11の収納穴113の内面114と加熱ロッド21のステム部120外面との間に断熱空間S1を形成してある。加熱ロッド21のステム部120の上下方向には、区画壁121が複数個形成してあり、区画壁121は、ステム部120の周囲から突出するリブ状に形成してある。断熱空間S1は区画壁121により複数の空間に区画してある。
このように、加熱ロッド21のステム部120の外径寸法D2を加熱ヘッド22の外径寸法D1より小さくすると、加熱部22からステム部120を伝わってグリップ20側に伝導しようとする熱量を抑制することができる。従って、加熱ヘッド22の熱のほとんどを処理部111の筒壁に伝導することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。また、断熱空間S1により両ステム部112・120間での熱の伝導が抑制され、ヒーター29の消費電力を抑えることができる。さらに、断熱空間S1を区隔壁121で複数の空間に区画すると、空気の対流による熱の移動を抑制することができ、塗布ロッド11のステム部112およびグリップ20に空気を介して熱が伝導するのを抑制することができる。加熱ヘッド22は、ヒーター29を発熱させた状態で、加熱ヘッド22の外表面にまつ毛を接触させて、まつ毛にマスカラ液を塗布する前段のまつ毛のカール作業を行なうことができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
図18に加熱ロッド21の別実施例を示す。そこでは、櫛歯28を省略して、加熱ロッド21の下端部にヒーター29を密封して加熱ヘッド(加熱部)22とした。加熱ロッド21の前ロッド体21aに段落ち部122を形成してを段付き状に形成し、加熱整形部22の前面側と、対向筒壁117との間に断熱空間S2を設けた。このように、断熱空間S2を設けると、加熱整形部22から対向筒壁117に熱が伝導することを効果的に抑制することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。加熱ヘッド22は、ヒーター29を発熱させた状態で、加熱ヘッド22の外表面にまつ毛を接触させて、まつ毛にマスカラ液を塗布する前段のまつ毛のカール作業を行なうことができる。
図19に加熱ロッド21の別実施例を示す。そこでは、櫛歯28を省略して、加熱ロッド21の下端部にヒーター29を密封して加熱ヘッド(加熱部)22とし、加熱ロッド21のステム部120を発泡性樹脂で形成した。整形ロッド21の前ロッド体21aおよび後ロッド体21bはそれぞれ2色成形されたプラスチック成形品で形成してあり、ステム部120の部分を発泡性樹脂で形成してある。発泡性樹脂は、合成樹脂中に気泡を細かく分散させて多孔質状に形成した合成樹脂である。このように、加熱ロッド21のステム部120を発泡性樹脂で形成すると、加熱ロッド21のステム部120を介して加熱ヘッド22の熱が整形グリップ(グリップ)20に伝導するのを効果的に抑制することができる。従って、加熱ヘッド22の熱を処理部111に効率よく伝導することができ、塗布部12を迅速に加熱することができる。また、ヒーター29の消費電力を抑えることができる利点もある。また、加熱ロッド21は、塗布部側筒壁116に対向する加熱ヘッド22以外を発泡性樹脂で形成して、塗布部側筒壁116以外への熱の伝導を抑制するように構成してもよい。
1 容器
2 塗布体
3 加熱体(整形体)
11 塗布ロッド
12 塗布部
20 グリップ(整形グリップ)
21 加熱ロッド(整形ロッド)
22 加熱部(加熱整形部、加熱ヘッド)
111 処理部
112 ステム部
113 収納穴
114 内面
116 塗布部側筒壁
117 対向筒壁
120 ステム部
121 区画壁
122 段落ち部

Claims (10)

  1. 塗布体(2)と、塗布体(2)に着脱自在に連結される加熱体(3)とを備えており、
    塗布体(2)は、中心軸に沿って収納穴(113)が形成された筒状の塗布ロッド(11)を備えており、
    塗布ロッド(11)は、処理部(111)と、処理部(111)に連続するステム部(112)とで構成されて、処理部(111)の端部に化粧料を保持する塗布部(12)が設けられており、
    加熱体(3)は、グリップ(20)の一端に設けられる加熱ロッド(21)と、加熱ロッド(21)の端部に設けられる加熱部(22)とを備えていて、加熱部(22)の内部にヒーター(29)が設けられており、
    加熱体(3)を塗布体(2)に連結して、加熱ロッド(21)を収納穴(113)に収納した状態において、加熱ロッド(21)の加熱部(22)が塗布ロッド(11)の処理部(111)の内部に位置していることを特徴とする美容器具。
  2. 塗布部(12)が、処理部(111)の外面一側に形成されており、
    加熱ロッド(21)が、ステム部(120)と、ステム部(120)の端部に設けられる加熱部(22)とで構成されており、
    加熱体(3)を塗布体(2)に連結した状態において、処理部(111)の内面(114)と加熱部(22)との隙間(G1)が、塗布ロッド(11)のステム部(112)の内面(114)と加熱ロッド(21)のステム部(120)との隙間(G2)より小さく設定してある請求項1に記載の美容器具。
  3. 処理部(111)は、塗布部(12)が形成してある塗布部側筒壁(116)と、塗布部側筒壁(116)に対向する対向筒壁(117)とを備えており、塗布部側筒壁(116)の厚み寸法(t1)が、対向筒壁(117)の厚み寸法(t2)より小さく設定してある請求項1または2に記載の美容器具。
  4. 加熱ロッド(21)のステム部(120)の外径寸法(D2)が、加熱部(22)の外径寸法(D1)より小さく設定してあり、
    加熱ロッド(21)のステム部(120)の外面と、塗布ロッド(11)のステム部(112)の内面(114)との間に断熱空間(S1)が形成してある請求項1から3のいずれかひとつに記載の美容器具。
  5. 加熱ロッド(21)のステム部(120)の周面に、断熱空間(S1)を複数個に区画する1個以上の区画壁(121)が周回状に設けてある請求項4に記載の美容器具。
  6. 塗布ロッド(11)の少なくとも塗布部側筒壁(116)および対向筒壁(117)の内面(114)が、基端側から端部側へ向かって先すぼまり状に形成してある請求項3から5のいずれかひとつに記載の美容器具。
  7. ヒーター(29)が、塗布ロッド(11)の中心軸線(O)に対して塗布部側筒壁(116)へ偏寄する状態で配置してある請求項3から6のいずれかひとつに記載の美容器具。
  8. 対向筒壁(117)と対向する加熱部(22)に段落ち部(122)を形成して、対向筒壁(117)と加熱部(22)との間に断熱空間(S2)が設けてある請求項3から7のいずれかひとつに記載の美容器具。
  9. 加熱ロッド(21)のステム部(120)が発泡性樹脂で形成してある請求項1から8のいずれかひとつに記載の美容器具。
  10. マスカラ液を収容する容器(1)と、容器(1)に着脱自在に装着される塗布体(2)と、塗布体(2)に着脱自在に連結される加熱体(3)とを備えており、
    容器(1)と塗布体(2)と加熱体(3)を連結した状態において、加熱体(3)の加熱ロッド(21)が、容器(1)内に差込まれた塗布ロッド(11)の内部に収納してある請求項1から9のいずれかひとつに記載の美容器具。
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