以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
<全体構成>
図1は、第1実施形態に基づく作業車両101の外観を説明する図である。
図1に示されるように、第1実施形態に基づく作業車両101として、本例においては、主に油圧ショベルを例に挙げて説明する。
作業車両101は、下部走行体1と、上部旋回体3と、作業機4とを主に含む。作業車両本体は、下部走行体1と上部旋回体3とにより構成される。下部走行体1は、左右1対の履帯を有している。上部旋回体3は、下部走行体1の上部に旋回機構2を介して旋回可能に装着される。
作業機4は、上部旋回体3において、上下方向に作動可能に軸支されており、土砂の掘削などの作業を行う。作業機4は、ブーム5と、アーム6と、バケット7とを含む。ブーム5は、基部が上部旋回体3に可動可能に連結されている。アーム6は、ブーム5の先端に可動可能に連結されている。バケット7は、アーム6の先端に可動可能に連結されている。また、上部旋回体3は、運転室8等を含む。
<運転室の構成>
図2は、第1実施形態に基づく運転室8の内部構成を示す斜視図である。
図2に示されるように、運転室8は、運転席9と、走行操作部10と、アタッチメント用ペダル15と、側方窓16と、計器盤17と、作業機レバー18,19と、ロックレバー20と、モニタ装置21と、前方窓22と、縦枠23とを有する。
運転席9は、運転室8の中央部に設けられる。走行操作部10は、運転席9の前方に設けられる。
走行操作部10は、走行レバー11,12と、走行ペダル13,14とを含む。走行ペダル13,14は、各走行レバー11,12と一体に可動する。下部走行体1は、操作者が走行レバー11,12を前方に押すことにより前進する。また、下部走行体1は、操作者が走行レバー11,12を後方に引くことにより後進する。
アタッチメント用ペダル15は、走行操作部10の近傍に設けられる。また、計器盤17は、図2の右方の側方窓16の近傍に設けられる。
作業機レバー18,19は、運転席9の左右側部に設けられる。作業機レバー18、19は、ブーム5の上下動、アーム6およびバケット7の回動、ならびに上部旋回体3の旋回操作等を行うものである。
ロックレバー20は、作業機レバー18の近傍に設けられる。ここで、ロックレバー20とは、作業機4の操作、上部旋回体3の旋回、および下部走行体1の走行等の機能を停止させるためのものである。すなわち、ロックレバー20を水平状態に位置させる操作(ここでは、ロックレバーの引き上げ操作)を行うことによって、作業機4等の動きをロック(規制)することができる。ロックレバー20によって作業機4等の動きがロックされた状態では、操作者が作業機レバー18,19を操作しても、作業機4等が動作しない。また、同様に走行レバー11,12と、走行ペダル13,14を操作しても下部走行体1は動作しない。
モニタ装置21は、運転室8の前方窓22と一方の側方窓16とを仕切る縦枠23の下部に設けられ、作業車両101のエンジン状態、ガイダンス情報等を表示する。また、モニタ装置21は、作業車両101の種々の動作に関する設定指示を受け付け可能に設けられている。
ここで、エンジン状態とは、例えば、エンジン冷却水の温度、作動油温度、燃料残量等である。ガイダンス情報とは、一例として作業車両のエンジンの点検・整備を促す表示等である。種々の動作とは、稼働モードの設定や、アイドリングストップ制御に関する設定等である。
<制御システムの構成>
図3は、第1実施形態に基づく作業車両101の制御システムの構成を示す簡略図である。
図3に示されるように、作業車両101の制御システムは、一例として、作業機レバー18,19、走行レバー11,12と、ロックレバー20と、モニタ装置21と、第1油圧ポンプ31Aと、第2油圧ポンプ31Bと、斜板駆動装置32と、ポンプコントローラ33と、コントロールバルブ34と、油圧アクチュエータ35と、エンジン36と、ガバナモータ37と、エンジンコントローラ38と、燃料ダイヤル39と、回転センサ40と、作業機レバー装置41と、PPCロックスイッチ42と、バルブ43と、ポテンショメータ45と、スタータスイッチ46と、圧力センサ47と、メインコントローラ50とを含む。
第1油圧ポンプ31Aは、作業機4等を駆動する油圧を発生させるための圧油を吐出する。
第2油圧ポンプ31Bは、作業機レバー18,19、走行レバー11,12の操作に応じた油圧を発生させるための圧油を吐出する。第1油圧ポンプ31Aには、斜板駆動装置32が接続されている。
斜板駆動装置32は、ポンプコントローラ33からの指示に基づいて駆動し、第1油圧ポンプ31Aの斜板の傾斜角度を変更する。第1油圧ポンプ31Aには、コントロールバルブ34を介して油圧アクチュエータ35が接続される。油圧アクチュエータ35は、ブーム用シリンダ、アーム用シリンダ、バケット用シリンダ、旋回用油圧モータ、および走行用油圧モータ等である。
コントロールバルブ34は、作業機レバー装置41と接続される。作業機レバー装置41は、作業機レバー18,19,走行レバー11,12の操作方向および/または操作量に応じたパイロット圧をコントロールバルブ34に出力する。コントロールバルブ34は、当該パイロット圧に従って油圧アクチュエータ35を制御する。
第2油圧ポンプ31Bには、作業機レバー18,19、走行レバー11,12とロックレバー20とが接続される。
作業機レバー装置41には、圧力センサ47が接続される。圧力センサ47は、作業機レバー18,19,走行レバー11,12の操作状態に応じたレバー操作信号をメインコントローラ50に出力する。
ポンプコントローラ33は、メインコントローラ50からの指示に従い、作業量に従って設定されるポンプ吸収トルク、燃料ダイヤル39等で設定されるエンジン回転数、および実際のエンジン回転数等に応じて、第1油圧ポンプ31Aがエンジン36の各出力点でのベストマッチングのトルクを吸収するような制御を行う。
エンジン36は、第1油圧ポンプ31Aおよび第2油圧ポンプ31Bと接続する駆動軸を有する。ガバナモータ37は、エンジン36内の燃料噴射装置による燃料噴射量を調節する。
エンジンコントローラ38は、エンジン36の動作を制御する。エンジン36は、一例としてディーゼルエンジンである。エンジン36のエンジン回転数は、燃料ダイヤル39等によって設定され、実際のエンジン回転数は回転センサ40によって検出される。回転センサ40は、メインコントローラ50と接続される。
燃料ダイヤル39にはポテンショメータ45が設けられ、ポテンショメータ45により燃料ダイヤル39の操作量が検出されてエンジンコントローラ38に対してエンジン36の回転数に関するダイヤル指令の値(ダイヤル指令値とも称する)が出力される。当該燃料ダイヤル39のダイヤル指令値に従ってエンジン36の目標回転数が調整される。
エンジンコントローラ38は、メインコントローラ50からの指示に従いポテンショメータ45からの操作量に従うエンジン36の回転数に関するダイヤル指令値に基づいてガバナモータ37に指示して、燃料噴射装置が噴射する燃料量等の制御を行いエンジン36の回転数を調節する。
スタータスイッチ46は、エンジンコントローラ38と接続される。操作者がスタータスイッチ46を操作(スタートに設定)することにより、始動信号がエンジンコントローラ38に出力され、エンジン36が始動する。
メインコントローラ50は、作業車両101全体を制御するコントローラであり、CPU(Central Processing Unit)、不揮発性メモリ、タイマ等により構成される。メインコントローラ50は、ポンプコントローラ33、エンジンコントローラ38およびモニタ装置21を制御する。
燃料ダイヤル39からのダイヤル指令値、スタータスイッチ46からの始動信号は、エンジンコントローラ38を介してメインコントローラ50にも入力される。なお、本例においては、例えばエンジン36の回転数に関するダイヤル指令値は、エンジンコントローラ38を介してメインコントローラ50に入力される場合について説明するが、特に当該方式に限られず例えば、燃料ダイヤル39からのダイヤル指令値がメインコントローラ50に直接入力される構成とすることも可能である。
ロックレバー20には、PPCロックスイッチ42が接続されている。PPCロックスイッチ42は、ロックレバー20がロック側へ操作されたときにその操作を検知し、バルブ(ソレノイドバルブ)43へ信号を送る。また、PPCロックスイッチ42は、メインコントローラ50にも同様の信号を送る。これによって、作業機4の操作、上部旋回体3の旋回、および下部走行体1の走行等の機能を停止させることができる。そして、当該PPCロックスイッチ42からメインコントローラ50への信号、すなわち、ロックレバー20がロック側へ操作されたことを検知したことに従いアイドリングストップ動作の制御が開始される。
<モニタ装置>
次に、モニタ装置21の構成を説明する。
図4は、第1実施形態に基づくモニタ装置21の構成を説明する図である。
図4に示されるように、モニタ装置21は、入力部211と、表示部212と、表示制御部213とを含む。
入力部211は、各種情報の入力を受け付ける。モニタ装置21は、メインコントローラ50と接続され、入力部211で受け付けられた入力は、メインコントローラ50に出力される。
表示部212は、液晶画面等を用いて実現される。
表示制御部213は、表示部212の表示内容を制御する。具体的には、表示制御部213は、メインコントローラ50からの指示に従って作業車両101の動作に関する情報を表示する。当該情報には、エンジン状態の情報や、ガイダンス情報が含まれる。
入力部211について具体的に説明する。入力部211は、複数のスイッチによって構成されている。入力部211は、ファンクションスイッチF1〜F6を有する。
ファンクションスイッチF1〜F6は、表示部212の下方に位置し、「F1」〜「F6」とそれぞれ表示されており、各スイッチの上方で表示部212が表示するアイコン(一例としてガイダンスアイコンI1〜I3)に対応した信号を入力するためのスイッチである。
また、入力部211は、ファンクションスイッチF1〜F6の下方に設けられた、デセルスイッチ111と、稼働モード選択スイッチ112と、走行速度段選択スイッチ113と、ブザーキャンセルスイッチ114と、ワイパスイッチ115と、ウオッシャスイッチ116と、エアコンスイッチ117とを有する。
デセルスイッチ111は、作業機レバー18、19が中立位置に戻ってから所定時間後にエンジン36のエンジン回転数を所定の回転数まで低下させるデセル制御を実行させるスイッチである。「中立位置」とは、作業機レバー18,19が操作されていない状態(無作業状態)であることを意味し、具体的には、作業機レバー18,19が初期位置に位置することを意味する。
稼働モード選択スイッチ112は、作業車両101の稼動モードを複数の稼動モードから選択するスイッチである。走行速度段選択スイッチ113は、作業車両101の走行速度段を複数の走行速度段から選択するスイッチである。ブザーキャンセルスイッチ114は、作業車両101が所定の警告状態になると発生するブザー音をキャンセルするスイッチである。ワイパスイッチ115は、作業車両101の運転室8(図2を参照)のフロントガラスに設けられるワイパ(図示せず)を動作させるスイッチである。ウオッシャスイッチ116は、フロントガラスへ洗浄水を噴射するウォッシャ(図示せず)を作動するスイッチである。エアコンスイッチ117は、運転室8内のエアコンの各種機能を操作するスイッチである。
なお、入力部211として、抵抗膜方式等のタッチパネルを適用することも可能である。本例においては、表示部212が表示している画面として、作業車両101が通常動作中に表示する標準画面301を表示している場合が示されている。
当該標準画面301は、図示しないメモリに予め格納された画面を表示するデータに基づいて表示制御部213により生成されたものである。他の画面についても同様である。
標準画面301には、エンジン水温ゲージG1、作動油温ゲージG2および燃料レベルゲージG3が並べて表示されており、それぞれに対応するセンサからのセンサ信号に基づいてゲージの針が変化する。また、燃料レベルゲージG3の右側には、燃料消費ゲージG4が表示されている。
表示部212の上方の中央部には時計Wが表示されている。時計Wの右側には、設定されている稼動モードを示す稼動モードアイコンIU、および設定されている走行速度段を示す走行速度段アイコンISが表示されている。
標準画面301では、稼動モードアイコンIUとして文字「P」が表示されている。これは、稼動モードが通常の掘削作業などの際に利用されるパワーモードに設定されている場合の表示である。
これに対して、作業車両101がエコノミーモードに設定されている場合、稼動モードアイコンIUとして文字「E」が表示されるものとする。
また、標準画面301では、走行速度段アイコンISとして「Hi」という文字列を含むアイコンが表示されている。
このアイコンは、走行速度段が高速に設定されている場合の表示である。走行速度段選択スイッチ113により選択入力される走行速度段は、低速、中速、高速の3種類である。
このうち、低速が選択された場合には、走行速度段アイコンISとして文字列「Lo」を含むアイコンが表示される。また、中速が選択された場合には、走行速度段アイコンISとして文字列「Mi」を含むアイコンが表示される。
標準画面301の下方の位置であってファンクションスイッチF4〜F6の上方の位置には、ファンクションスイッチF4〜F6にそれぞれ対応するガイダンスアイコンI1〜I3が表示されている。
ガイダンスアイコンI1は、表示部212が表示する画面をカメラ画面へ切り換えることを意味するアイコンである。カメラ画面とは、作業車両101の外装部に設置され、作業車両101の外界を撮影するCCDカメラ等(図示せず)により取得された画像信号が出力された画面である。ガイダンスアイコンI2は、時計Wの表示をサービスメータの表示へ切り換えることを意味するアイコンである。ガイダンスアイコンI3は、表示部212が表示する画面をユーザモード画面へ切り換えることを意味するアイコンである。したがって、例えばガイダンスアイコンI1に対応するファンクションスイッチF4が押されると、表示部212が表示している画面がカメラ画面に切り替わる。
図5は、第1実施形態に基づく稼働モード選択画面の一例を説明する図である。
図5に示されるように、稼働モード選択画面302は、稼働モード選択スイッチ112を選択することにより標準画面301から遷移して表示される。
本例においては、一例として、Pモード(パワーモード)の「P」、Eモード(エコノミーモード)の「E」、Lモード(アームクレーンモード:吊り荷モード)の「L」、Bモード(ブレーカモード)の「B」、ATTモード(アタッチメントモード)の「ATT」の文字をそれぞれ含むアイコンが表示され、その右側にそれぞれのモードの名称が表示されている。PモードおよびEモードは、通常の掘削作業などを行うときのモードであり、Eモードは、Pモードに比してエンジン36の最大出力が抑えられている。Lモードは、フックに吊り下げられた荷をリフティングするアームクレーン操作などのようにエンジン回転数を抑えて(中速にして)ゆっくり動かす微操作モードである。Bモードは、岩石などを砕くブレーカをアタッチメントとして付けて作業するモードであり、エンジン回転数を中高速にして作業を行うモードである。ATTモードは、エンジン回転数を中速から高速の間にして作業を行うモードであり、グラップルなどのような特殊なアタッチメントを取り付ける場合の予備のモードである。なお、ここでは、パワーモードを選択する位置にカーソル303が表示されている場合が示されている。例えば、入力部211の操作指示に従ってLモードのアイコンが選択されると、アームクレーンモードの文字が反転表示され、モード選択状態となる。当該稼働モードの選択に従ってエンジンコントローラ38に対するエンジン36の回転数の範囲が制御される。
<アイドリングストップ機能>
図6は、第1実施形態に基づく作業車両101の制御システムのメインコントローラ50のアイドリング機能を説明する機能ブロック図である。
図6に示されるように、メインコントローラ50と、他の周辺機器との関係が示されている。ここでは、周辺機器として、モニタ装置21と、PPCロックスイッチ42と、エンジン36と、ガバナモータ37と、エンジンコントローラ38と、燃料ダイヤル39と、ポテンショメータ45と、スタータスイッチ46とが示されている。
メインコントローラ50は、アイドリングストップ制御部51と、操作状態検出部60とを含む。
アイドリングストップ制御部51は、アイドリングストップ動作を制御する。操作状態検出部60は、各種操作レバー等の操作状態を検出する。
アイドリングストップ制御部51は、アイドリングストップ時間設定部52と、カウント部53と、アイドリングストップ時間調整部54と、停止判定部55と、アイドリングストップタイマ56と、アイドリングストップ実行部57と、通知部58と、通知条件記憶部59とを含む。
アイドリングストップ実行部57は、所定条件が成立した場合にエンジン36を停止させるアイドリングストップ動作を実行するようにエンジンコントローラ38に対してエンジン停止信号を出力する。「アイドリングストップ動作」とは、作業車両のアイドリング状態、すなわち、エンジン36が作動したままで作業車両が待機する状態のエンジン36を停止させる動作を意味する。この所定条件とは、「アイドリングストップ動作」を実行する実行条件であり、主に作業車両のアイドリング状態が継続する所定時間に関する条件を意味する。
本例においては、当該「所定時間」をアイドリングストップ時間とも称する。
アイドリングストップ時間設定部52は、モニタ装置21の入力部211からの指示等に従ってアイドリングストップ実行部57の実行条件であるアイドリングストップ時間を設定する。
アイドリングストップタイマ56は、操作状態検出部60からの指示に従って時間をカウントするタイマである。そして、カウント結果をアイドリングストップ実行部57に出力する。アイドリングストップ実行部57は、アイドリングストップタイマ56でカウントされたカウント結果(タイマ値)に基づいて、アイドリングストップ時間が経過したか否かを判断し、経過したと判断した場合にエンジン停止信号をエンジンコントローラ38に出力する。エンジンコントローラ38は、アイドリングストップ実行部57からのエンジン停止信号を受けて、ガバナモータ37に指示しエンジン36を停止させる。
停止判定部55は、アイドリングストップ実行部57から出力されたエンジン停止信号に従って、エンジン36が高アイドリング状態からの停止するか否かを判定する。ここで、「高アイドリング状態」とは、エンジン36が所定回転数よりも高い回転数のアイドリング状態であることを意味する。具体的には、停止判定部55は、エンジン36が所定回転数よりも高い回転数のアイドリング状態からの停止であるか否かを判定する。より詳細には、停止判定部55は、例えばエンジンコントローラ38から入力されるエンジン36の回転数に関する回転情報に基づいて、アイドリングストップ実行部57から出力されたエンジン停止信号に従う高アイドリング状態からの停止か否かを判定する。本実施形態においては、エンジン36の回転数に関する回転情報としてエンジン36の目標回転数を設定する燃料ダイヤル39のダイヤル指令値を用いる。停止判定部55は、燃料ダイヤル39のダイヤル指令値が所定の閾値(所定値)を超えているか否かを判断し、所定値を超える場合には高アイドリング状態からエンジン36が停止すると判定する。
ここで、所定回転数としては、エンジン36を停止させた場合にエンジン36への負担が小さい回転数とする。本例においては、所定回転数の一例として、1000rpmとする。なお、エンジン36が所定回転数で回転するアイドリング状態を「低アイドリング状態」、エンジン36が所定回転数よりも高い回転数で回転するアイドリング状態を「高アイドリング状態」とする。なお、当該「低アイドリング状態」、「高アイドリング状態」は、それぞれ本発明の「第1アイドリング状態」、「第2アイドリング状態」の一例である。
そして、エンジン36の回転数が当該所定回転数(1000rpm)となるような燃料ダイヤル39の操作量に応じたダイヤル指令値を、エンジン36が高アイドリング状態であるか否かを判断する比較対象となる所定の閾値(所定値)として設定する。なお、当該設定にあたり、マージンを付加して所定値を設定することも可能である。なお、ダイヤル指令値および閾値(所定値)はアナログ信号、デジタル信号いずれであっても良い。
なお、当該所定回転数の数値は、エンジン36への負担が小さいエンジン回転数の一例として説明するものであり、特に当該数値に限定されるものではなく当業者であるならばエンジン36への負担が小さいエンジン回転数として適宜変更することが可能である。例えば、作業車両の特性および稼働時間等、作業車両の稼働に関する情報に基づいて適切な回転数に設定するようにしても良い。また、当該所定回転数については固定的ではなく動的に設定するようにしても良い。例えば、作業車両の稼働時間等に合わせて変化するようにしても良い。
停止判定部55は、アイドリングストップ実行部57から出力されたエンジン停止信号に従い高アイドリング状態から停止すると判定した場合には、その旨をカウント部53に出力する。
カウント部53は、停止判定部55からの判定結果に基づいて、エンジン停止信号に基づくアイドリングストップ動作により高アイドリング状態からのエンジン36が停止する回数(エンジン36の停止回数)をカウンタ値としてインクリメントする。
カウント部53のカウンタ値は、アイドリングストップ時間調整部54に出力される。さらに、カウント部53のカウンタ値は、通知部58に出力される。
アイドリングストップ時間調整部54は、カウント部53によりカウントされたカウンタ値(エンジン36の停止回数)が所定回数以上である場合にアイドリングストップ動作の実行条件であるアイドリングストップ時間を調整する。具体的には、アイドリングストップ時間調整部54は、カウント部53のカウンタ値が所定回数以上である場合には、アイドリングストップ時間設定部52に指示して、アイドリングストップ時間を現在の設定されている時間よりも長い時間に調整する。当該調整については後述する。
通知部58は、カウント部53からのカウンタ値(エンジン36の停止回数)に基づいてガイダンス情報を通知する。「ガイダンス情報」は、操作者が利用可能な所定の情報であり、例えば、操作者が所定の行動を取ることを促す情報である。一例として、作業車両のエンジン36の点検・整備を促す情報を挙げることが可能である。
通知条件記憶部59は、カウンタ値と、当該カウンタ値に従って通知するガイダンス情報とを対応付けて格納する。ガイダンス情報の詳細については後述する。
通知部58は、通知条件記憶部59を参照してカウンタ値に対応するガイダンス情報を読み出してモニタ装置21に出力する。モニタ装置21は、通知部58からのガイダンス情報を受けて表示部212に表示する。当該ガイダンス情報の表示については後述する。
なお、エンジン36、アイドリングストップ実行部57、停止判定部55、カウント部53、アイドリングストップ時間調整部54、アイドリングストップ時間設定部52、通知部58、燃料ダイヤル39は、それぞれ本発明の「エンジン」、「アイドリングストップ実行部」、「判定部」、「カウント部」、「アイドリングストップ時間調整部」、「アイドリングストップ時間設定部」、「通知部」、および「調整ダイヤル」の一例である。
図7は、第1実施形態に基づく作業車両101のアイドリングストップ動作のタイミングを説明する図である。
図7では、縦軸はエンジン回転数、横軸は時間を示している。
本例において、一例として時刻T0においてスタートキーでエンジン36を始動した場合が示されている。その後、時刻T1において、エンジン回転が高回転に設定された状態が示されている。そして、作業車両において所定の作業が実行される(作業中)。時刻T2において、所定の作業が終了する。
そして、時刻T3において、操作者がロックレバー20をロックする。これに伴い、操作状態検出部60は、PPCロックスイッチ42からの検知信号に従いアイドリングストップタイマ56に検知結果を出力する。アイドリングストップタイマ56は、当該検知結果に従って時間をカウントする。すなわち、アイドリングストップ動作の制御が開始される。
そして、次に時刻T4において、アイドリングストップタイマ56が所定時間(本例においては6分)以上となった場合にアイドリングストップ実行部57は、エンジン停止信号をエンジンコントローラ38に出力する。これによりエンジン36が停止する。すなわち、エンジンコントローラ38はガバナモータ37に指示してエンジン36の回転数を0に下げる。
当該動作によりアイドリングストップ状態となる。
そして、時刻T5において、スタートキー46で再びエンジン36を始動させる。あるいはロックレバー解除でエンジン36を始動させる。
本例においては、一例としてアイドリングストップ時間が6分に設定され、アイドリングストップタイマ56が6分を計時した場合にアイドリングストップ実行部57からエンジンコントローラ38に対してエンジン停止信号が出力される場合について説明したが、当該アイドリングストップ期間については操作者が設定することが可能である。
図8は、第1実施形態に基づくアイドリングストップ時間の設定について説明するための図である。
図8(A)では、ユーザモード画面の一例が示されている。当該ユーザモード画面は、上記で説明した標準画面301において、表示部212が表示するガイダンスアイコンI3に対応するファンクションスイッチF4を押した場合に表示される。そして、ユーザモード画面のうち車体に関する設定が可能な車体設定画面310が表示されている。
当該車体設定画面310において、ここでは、稼働モードのエコノミーモードの詳細を設定する「エコノミーモード設定」311、ブレーカモードの詳細を設定する「ブレーカ設定」312、アタッチメントモードにおける詳細を設定する「アタッチメント設定」313、アイドリングストップ動作の実行条件であるアイドリングストップ時間を設定する「アイドリングストップ時間設定」314の項目が示されている。
操作者は、画面の下方の位置に設けられた指示スイッチを選択することによりカーソル315を操作して、選択することにより当該カーソル315の位置に対応する項目に関する詳細な設定が可能となる。
本例においては、アイドリングストップ時間設定に関する項目についてカーソル315を用いて選択する場合について説明する。本例においては、一例としてアイドリングストップ時間の設定として「OFF」が設定されている場合が示されている。
図8(B)に示されるように、ここでは、アイドリングストップ時間設定画面320が示されている。上記で説明した車体設定画面310において、表示部212が表示する「アイドリングストップ時間設定」314の項目にカーソル315を合わせて選択を指示するファンクションスイッチを押した場合にアイドリングストップ時間設定画面320が表示される。
当該アイドリングストップ時間設定画面320においては、複数のアイドリングストップ時間が設定可能に設けられている。本例においては、選択的に設定可能な設定範囲として一例として「OFF」、「1分」〜「5分」を設定可能な場合が示されている。なお、カーソル325を下方にさらに移動させることにより「5分」よりも長い時間に設定することが可能となっている。
操作者は、カーソル325を操作して、選択することにより所望のアイドリングストップ時間に設定することが可能である。すなわち、モニタ装置21からアイドリングストップ時間設定部52に当該設定したアイドリングストップ時間に関する情報が入力されて、アイドリングストップ時間設定部52において設定される。
図8(C)に示されるように、ここでは、アイドリングストップ時間を設定するための設定テーブルが示されている。
ここでは、一例として16パターンの設定を行なうことができる設定テーブルが示されており、最長のアイドリングストップ時間として「60分」の設定が可能な場合が示されている。
なお、本例のアイドリングストップ時間設定のインターフェイスとして、アイドリングストップ時間を複数の項目の中から選択して設定する場合について説明したが、特に当該方式に限られず、例えば、アイドリングストップ時間の最大の長さを規定するようなタイムバーと、タイムバーと関連する任意の位置に移動可能なカーソルとを表示して、当該タイムバーに対するカーソルの位置に従ってアイドリングストップ時間を設定するようなインターフェイスとしても良い。あるいは、アイドリングストップ時間の設定に関して、操作者が数値を入力することにより任意の時間を設定する方式としても良い。
<メイン制御処理>
図9は、第1実施形態に基づくアイドリングストップ制御部51のメイン制御処理のフローチャートである。
図9に示されるように、まず、アイドリングストップ制御部51は、ロックレバー20がロックされたか否かを判断する(ステップS1)。具体的には、操作状態検出部60は、ロックレバー20がロックされたことを検出して、アイドリングストップタイマ56に出力する。そして、アイドリングストップタイマ56は、操作状態検出部60から入力される当該検出信号に基づいてロックレバー20がロックされたと判断する。
そして、ステップS1において、アイドリングストップ制御部51は、ロックレバー20がロックされたと判断した場合(ステップS1においてYES)には、アイドリングストップタイマをスタート(開始)させる(ステップS2)。具体的には、アイドリングストップタイマ56は、検出信号の入力に基づいて時間をカウントする。そして、アイドリングストップタイマ56は、カウントしたタイマ値をアイドリングストップ実行部57に出力する。
次に、アイドリングストップ制御部51は、アイドリングストップ設定時間が経過したか否かを判断する(ステップS3)。具体的には、アイドリングストップ実行部57は、アイドリングストップ時間設定部52で設定されたアイドリングストップ時間と、アイドリングストップタイマ56から入力されるタイマ値とに基づいてタイマ値がアイドリングストップ時間を超えたか否かを判断する。
ステップS3において、アイドリングストップ制御部51は、アイドリングストップ設定時間が経過していないと判断した場合(ステップS3においてNO)には、ロックレバー20が解除されたか否かを判断する(ステップS5)。具体的には、操作状態検出部60は、ロックレバー20が解除されたことを検出して、アイドリングストップタイマ56に出力する。そして、アイドリングストップタイマ56は、操作状態検出部60から当該検出信号の入力に基づいてロックレバー20が解除されたと判断する。
そして、ステップS5において、アイドリングストップ制御部51は、ロックレバー20が解除されたと判断した場合(ステップS5においてYES)には、アイドリングストップタイマ56をリセットする(ステップS6)。具体的には、アイドリングストップタイマ56は、検出信号の入力に基づいて時間のカウントを停止するとともに、カウンタ値をリセットする。
そして、ステップS1に戻り、アイドリングストップ制御部51は、再び、ロックレバー20がロックされるまで待機する。
一方、ステップS5において、アイドリングストップ制御部51は、ロックレバー20が解除されないと判断した場合(ステップS5においてNO)には、ステップS3に戻り、アイドリングストップ設定時間が経過するまで上記処理を繰り返す。
ステップS3において、アイドリングストップ制御部51は、アイドリングストップ設定時間を経過したと判断した場合(ステップS3においてYES)には、アイドリングストップ動作を実行する(ステップS4)。具体的には、アイドリングストップ実行部57は、アイドリングストップタイマ56から入力されるタイマ値に従ってアイドリングストップ時間設定部52で設定されたアイドリングストップ時間を超えたと判断した場合には、エンジン停止信号をエンジンコントローラ38に出力する。これによりエンジンコントローラ38は、ガバナモータ37に指示してエンジン36を停止する。
当該処理により、作業車両101のアイドリング状態が所定時間継続している場合に、自動的に作業車両のエンジン36を停止させて、エネルギーの消費および騒音を抑えることが可能である。
そして、次に、アイドリングストップ制御部51は、停止判定処理を実行する(ステップS7)。具体的には、停止判定部55は、アイドリングストップ実行部57からのエンジン停止信号の入力に従って停止判定処理を実行する。「停止判定処理」は、エンジン36のアイドリング状態の回転数が高いアイドリング状態(「高アイドリング状態」)から停止したか否かを判定する処理であり、当該判定処理の詳細については後述する。
そして、次に、アイドリングストップ制御部51は、停止判定処理の判定結果が高アイドリング状態からの停止であるか否かを判断する(ステップS8)。
ステップS8において、アイドリングストップ制御部51は、停止判定処理の判定結果が高アイドリング状態からの停止であると判断した場合(ステップS8においてYES)には、カウント値をインクリメントする(ステップS9)。具体的には、停止判定部55は、カウント部53に対してカウント信号を出力する。これに従ってカウント部53は、カウント値をインクリメントする。
次に、アイドリングストップ制御部51は、アイドリングストップ時間の調整の判定処理(アイドリングストップ時間調整判定処理)を実行する(ステップS10)。「アイドリングストップ時間調整判定処理」は、アイドリングストップ時間の調整をするか否かを判定し、判定結果に基づいてアイドリングストップ時間を調整する処理である。当該処理の詳細については後述する。
次に、アイドリングストップ制御部51は、ガイダンス出力判定処理を実行する(ステップS11)。「ガイダンス出力判定処理」は、ガイダンスを出力するか否かを判定し、判定結果に基づいてガイダンスを出力する処理であり、当該処理の詳細については後述する。
そして、アイドリングストップ制御部51は、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS8において、アイドリングストップ制御部51は、停止判定処理の判定結果が高アイドリング状態からの停止でないと判断した場合(ステップS8においてNO)には、処理を終了する(エンド)。
<停止判定処理>
図10は、第1実施形態に基づく停止判定処理のフローチャートである。当該処理は、主に停止判定部55における処理である。当該停止判定処理は、エンジン36のアイドリング状態の回転数が高い高アイドリング状態から停止したか否かを判定する処理である。本例においては、停止判定部55は、エンジン36の回転数に関する回転情報に基づいてエンジン36への負担がかかる高アイドリング状態かエンジン36への負担が小さい低アイドリング状態かを判定する。具体的には、エンジン36の回転数が所定回転数(1000rpm)となるような燃料ダイヤル39の操作量に応じたダイヤル指令値を、エンジン36が高アイドリング状態であるか否かを判断する比較対象となる所定値として設定し、当該所定値を超えるか否かに基づいて高アイドリング状態か低アイドリング状態かを判断する。
図10に示されるように、本例における停止判定部55は、一例としてエンジン36の回転数に関する回転情報としてエンジン36の回転数に関するダイヤル指令値を利用する。
停止判定部55は、エンジンコントローラ38を介して入力されるダイヤル指令値が所定値を超えるか否かを判断する(ステップS20)。
ステップS20において、停止判定部55は、ダイヤル指令値が所定値を超えると判断した場合(ステップS20においてYES)には、高アイドリング状態からの停止であると判定する(ステップS21)。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS20において、停止判定部55は、ダイヤル指令値が所定値以下であると判断した場合(ステップS20においてNO)には、低アイドリング状態からの停止であると判定する(ステップS22)。
そして、処理を終了する(リターン)。
当該停止判定処理において高アイドリング状態からの停止であると判定された場合には、カウント部53のカウント値がインクリメントされる。
したがって、第1実施形態に基づく方式によりエンジン36が低アイドリング状態から停止すると判断される場合を除外して、高アイドリング状態から停止すると判断される場合のエンジン36の停止回数をカウントすることが可能である。すなわち、エンジン36にかかる負担が小さい状況での停止回数を除外して、エンジン36への負担が大きい状況の停止回数をカウントすることにより、エンジン36に対する負担の程度を精度よく把握することが可能になる。
また、ダイヤル指令値により高アイドリング状態からエンジン36を停止させると判定することが可能であるため、センサを設けて回転数を計測する必要はなく、処理負荷を軽減するとともに簡易な方式で判定することが可能である。
なお、本例においては、エンジン36の回転数に関する回転情報として、エンジン36の回転数に関する燃料ダイヤル39のダイヤル指令値に基づいて、高アイドリング状態からの停止か低アイドリング状態からの停止かを判定する方式について説明したが、当該方式に限られず、例えば、回転センサ40からのエンジン36の回転数の実測値を用いることも可能である。具体的には、回転センサ40から実測値として得られたエンジン36の回転数と、所定回転数(一例として1000rpm)とを比較してその結果に基づいて、高アイドリング状態からの停止か、低アイドリング状態からの停止かを判定することも可能である。
また、本例においては、エンジン36の回転数に関する回転情報として、エンジン36の回転数に関する燃料ダイヤル39のダイヤル指令値に基づいて、エンジン36の回転が高アイドリング状態か否かを判断する場合について説明したが、ダイヤル指令値以外の他のエンジン36の回転数に関する回転情報に基づいて高アイドリング状態か否かを判定することも可能である。例えば、環境要因(寒冷地等)に従う作業車両のパフォーマンスを向上させるために燃料ダイヤル39のダイヤル指令値と関係なく、アイドリング状態の回転数を所定の回転数とする機能が設けられている場合がある。メインコントローラ50に当該機能が設けられている場合に、エンジンコントローラ38に対する、当該機能に基づくエンジン36の回転数の回転指令値に従って、当該回転指令値が高アイドリング状態であるか否かを判断するための所定値を超えるか否かに基づいて、高アイドリング状態か否かを判定することも可能である。あるいは、エンジン36の回転数に関する回転情報として、エンジン36の回転数の範囲を制御する稼働モードの情報を用いることも可能である。具体的には、稼働モードとして、エンジン36の回転数の範囲として高回転で動作することを想定している稼働モードの場合には、当該稼働モードの情報に基づいて高アイドリング状態か否かを判定することも可能である。
<アイドリングストップ時間調整判定処理>
図11は、第1実施形態に基づくアイドリングストップ時間調整判定処理のフローチャートである。当該処理は、主にアイドリングストップ制御部51のアイドリングストップ時間調整部54における処理である。
図11に示されるように、アイドリングストップ時間調整部54は、カウント部53からのカウント値が所定回数以上(本例においては、一例として2000回以上)であるか否かを判断する(ステップS30)。
ステップS30において、アイドリングストップ時間調整部54は、カウント値が所定回数以上であると判断した場合(ステップS30においてYES)には、次に、アイドリングストップ時間を最長に設定する(ステップS31)。具体的には、アイドリングストップ時間調整部54は、アイドリングストップ時間設定部52に対してアイドリングストップ時間が最長となるように指示する。図8で説明したアイドリングストップ時間の設定を例に挙げると最長時間である60分に設定することが可能である。これによりエンジン36がアイドリングストップ動作により停止する停止回数を有効に抑制することが可能である。なお、既にアイドリングストップ時間が最長時間に設定されている場合には、当該最長時間を維持する。
一方、ステップS30において、アイドリングストップ時間調整部54は、カウント値が所定回数以上で無いと判断した場合(ステップS30においてNO)には、ステップS31をスキップして処理を終了する(リターン)。
本例においては、一例としてカウント部53のカウント値が所定回数以上である場合、すなわち高アイドリング状態であるエンジン36の停止回数が所定回数以上である場合にアイドリングストップ時間を最長にする場合について説明した。当該処理により、アイドリングストップ動作の実行回数(エンジン36の停止回数)を抑制し、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能となる。
なお、本例においては、アイドリングストップ時間を最長に設定する場合について説明したが、特に最長に限られず、現在設定されているアイドリングストップ時間よりも長くすることによりアイドリングストップ動作の実行回数(エンジン36の停止回数)を抑制することが可能であり、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能である。具体的には、現在設定されているアイドリングストップ時間に所定期間(+α)分、延長した時間に設定すれば良い。当該場合には、既にアイドリングストップ時間が最長時間(60分)に設定されている場合でも所定期間(+α)分、さらに延長した時間に設定しても良い。
なお、本例においては、アイドリングストップ時間を調整する閾値となる所定回数について2000回を例に挙げて説明したが、特に当該数値に限定されるものではなく当業者であるならばエンジン36の耐久性を向上させるための適切な数値に適宜調整することが可能である。例えば、作業車両の特性、稼働時間等、作業車両の稼働に関する情報に基づいて適切な回数に設定するようにしても良い。また、当該閾値となる所定回数については固定的ではなく動的に設定するようにしても良い。作業車両の稼働時間等に合わせて変化させても良い。
また、本例においては、カウント値が閾値となる所定回数以上である場合に、アイドリングストップ時間を最長に設定する場合について説明したが、アイドリングストップ時間が最長となるように段階的に変化させることも可能である。例えば、閾値を複数設けておいて、カウント値が閾値以上となる毎に段階的にアイドリングストップ時間を最長に近づけることも可能である。
また、本例においては、エンジン36の高アイドリング状態におけるアイドリングストップ時間、低アイドリング状態におけるアイドリングストップ時間についてともに同じ時間が設定されている場合について説明したが、特にこれに限られず、それぞれ独立したアイドリングストップ時間に設定するようにしても良い。当該場合において、カウント値が閾値となる所定回数以上である場合に、高アイドリング状態におけるアイドリングストップ時間の長さを現在設定されている時間よりも長くすることによりアイドリングストップ動作の実行回数(エンジン36の停止回数)を抑制することが可能であり、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能である。
<ガイダンス出力判定処理>
図12は、第1実施形態に基づくガイダンス出力判定処理のフローチャートである。当該処理は、主に通知部58における処理である。
図12に示されるように、通知部58は、カウント部53からのカウント値が2000回以上であるか否かを判断する(ステップS40)。
ステップS40において、通知部58は、カウント値が2000回以上であると判断した場合(ステップS40においてYES)には、ステップS44に進み、カウント値が100の倍数であるか否かを判断する(ステップS44)。
ステップS44において、通知部58は、カウント値が100の倍数であると判断した場合(ステップS44においてYES)には、ガイダンスL3を通知する(ステップS45)。そして、処理を終了する(リターン)。
ステップS44において、通知部58は、カウント値が100の倍数でないと判断した場合(ステップS44においてNO)には、ステップS45をスキップして処理を終了する(リターン)。
ステップS40において、通知部58は、カウント値が2000回以上でないと判断した場合(ステップS40においてNO)には、ステップS41に進み、カウント値が1000回以上であるか否かを判断する(ステップS41)。
ステップS41において、通知部58は、カウント値が1000回以上であると判断した場合(ステップS41においてYES)には、ステップS46に進み、カウント値が100の倍数であるか否かを判断する(ステップS46)。
ステップS46において、通知部58は、カウント値が100の倍数であると判断した場合(ステップS46においてYES)には、ガイダンスL2を通知する(ステップS47)。そして、処理を終了する(リターン)。
ステップS46において、通知部58は、カウント値が100の倍数でないと判断した場合(ステップS46においてNO)には、ステップS47をスキップして処理を終了する(リターン)。
ステップS41において、通知部58は、カウント値が1000回以上でないと判断した場合(ステップS41においてNO)には、ステップS42に進み、カウント値が100の倍数か否かを判断する(ステップS42)。
ステップS42において、通知部58は、カウント値が100の倍数であると判断した場合(ステップS42においてYES)には、ガイダンスL1を通知する(ステップS43)。そして、処理を終了する(リターン)。
ステップS42において、通知部58は、カウント値が100の倍数でないと判断した場合(ステップS42においてNO)には、ステップS43をスキップして処理を終了する(リターン)。
当該処理においては、通知部58は、カウント値が1000回未満の場合には100の倍数毎にガイダンスL1を通知する。したがって、通知部58は、カウント値が1000回に達するまでに9回、ガイダンスL1を通知する。同様に、通知部58は、カウント値が1000回以上2000回未満の場合には100の倍数毎にガイダンスL2を通知する。したがって、通知部58は、カウント値が2000回に達するまでに10回、ガイダンスL2を通知する。そして、通知部58は、カウント値が2000回に達した後も100の倍数毎にガイダンスL3を通知する。
図13は、第1実施形態に基づくガイダンス情報を説明する図である。
図13に示されるように、当該ガイダンス情報は、通知条件記憶部59に格納されている。
本例においては、ガイダンスL1〜L3に対応してそれぞれ通知されるメッセージ内容が割り当てられている。具体的には、ガイダンスL1は、「高アイドリング状態からの停止回数がX回となりました。作業終了後、必要に応じてエンジンの点検・整備を行ってください。」ガイダンスL2は、「高アイドリング状態からの停止回数がX回となりました。作業終了後、エンジンの点検・整備を行ってください。ガイダンスL3は、「高アイドリング状態からの停止回数がX回となりました。作業を停止し速やかにエンジンの点検・整備を行ってください。」。すなわち、段階的にエンジン36の点検・整備を促す度合が強まっている。なお、「X回」は、カウント部53からのカウント値の数字に従って変更することが可能である。
当該処理により、エンジン36に対する負担の程度を操作者に通知することが可能である。また、カウント値であるエンジンの停止回数の増加に応じて、すなわち、エンジン36に対する負担の程度に従ってガイダンス情報の内容を変更して操作者に通知することが可能である。
また、本例においては、操作者に対して快適かつ、必要な通知となるように100の倍数毎にガイダンスを通知する場合について説明したが、特に当該方式に限られず1回毎に通知することにより注意喚起の回数を増加させることも可能である。また、段階的に通知する回数を増加させることも可能である。
図14は、第1実施形態に基づくガイダンス情報に従ってモニタ装置21に表示される例を説明する図である。
図14に示されるように、ここでは、通常のアイドリングストップ動作時にモニタ装置21に表示される表示画面が示されている。
図14(A)に示されるように、ポップアップ画面が表示され「アイドリングストップ実施中」という文言とともに、操作者に対して「バッテリ上がり防止のため、キーをOFFしてください。」と表示されている。
図14(B)に示されるように、ここでは、ポップアップ画面が表示され「アイドリングストップ実施中」という文言とともに、操作者に対して「高アイドリング状態からの停止回数がX回となりました。作業終了後、必要に応じて、エンジンの点検・整備を行ってください。」と表示されている。
当該表示により、エンジン36に対する負担の程度に従って操作者に対して適切な形式でエンジン36の点検・整備に関するガイダンス情報を通知することが可能である。なお、本例においては、一例として表示によりガイダンス情報を通知する場合について説明したが、特に表示に限られず、音声や振動等により操作者に通知することも可能である。また、音声および/または振動等をエンジン36に対する負担の程度に従って変更することも可能である。
第1実施形態に従うアイドリング制御は、高アイドリング状態からのエンジン36の停止回数をカウントして、停止回数が所定回数以上である場合にアイドリングストップ時間を最長に設定する。当該処理により、エンジン36への負担が小さい状況でのエンジン36の停止回数を除外して、負担がかかる状況である高アイドリング状態からのエンジン36の停止回数をカウントすることにより、エンジン36に対する負担の程度を精度よく把握することが可能である。そして、エンジン36の停止回数が所定回数以上である場合にアイドリングストップ期間を長くすることにより、アイドリングストップ動作の実行回数(エンジン36の停止回数)を抑制し、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能となる。
(第2実施形態)
上記の第1実施形態においては、エンジン36の回転数に関する回転情報に基づいてエンジン36の回転数が高い高アイドリング状態におけるアイドリングストップ動作によるエンジン36の停止回数をカウントして、カウント結果に基づいてアイドリングストップ時間を調整する方式について説明した。
一方で、作業車両には、作業や走行を行っていない負荷低下時にエンジン36の回転を回転数が低いアイドリング状態にし、作業や走行の開始時には元の設定回転数に直ちにエンジン36の回転を復帰させるデセル動作を実行するデセル機能が設けられている。そして、当該デセル機能を利用することにより無駄な燃料消費や騒音を抑制することが可能である。
この点で、デセル機能は、操作者の意思に従って有効あるいは無効に設定することが可能に設けられており、デセル機能が有効に設定されていれば、デセル動作により現在のアイドリング状態からエンジン36の回転数の低いアイドリング状態に設定された後に、アイドリングストップ動作によりエンジン36を停止させるためエンジン36にかかる負担を軽減することが可能である。
一方で、デセル機能が無効に設定されていれば、デセル動作により現在のアイドリング状態からエンジン36の回転数の低いアイドリング状態に設定されることなく、アイドリングストップ動作によりエンジン36を停止させるためエンジン36に負担がかかる可能性がある。
したがって、第2実施形態においては、デセル機能が無効に設定されている場合にアイドリングストップ動作によりエンジン36が停止する停止回数をカウントして、エンジン36にかかる負担を精度よく把握するとともに、カウント結果に基づいてアイドリングストップ時間を調整する場合について説明する。
<アイドリングストップ機能>
図15は、第2実施形態に基づく作業車両101の制御システムのメインコントローラ50Aのアイドリング機能を説明する機能ブロック図である。
図15に示されるように、メインコントローラ50Aは、上記の第1実施形態で説明したメインコントローラ50と比較して、アイドリングストップ制御部51をアイドリングストップ制御部51Aに置換した点と、デセル制御部62をさらに追加した点が異なる。また、周辺機器として圧力センサ47が設けられ、当該圧力センサ47が操作状態検出部60と接続されている場合が示されている。
アイドリングストップ制御部51Aは、アイドリングストップ制御部51と比較して、停止判定部55を停止判定部55Aに置換した点と、通知条件記憶部59を通知条件記憶部59Aに置換した点が異なる。停止判定部55Aは、停止判定部55と比較して、エンジン36の回転数に関する回転情報ではなくデセル制御部62からの入力を受ける点が異なる。その他の構成については基本的に第1実施形態で説明したメインコントローラ50と同様の構成であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
デセル制御部62は、デセルタイマ63と、デセル実行部64と、デセルオン/オフ設定部65とを含む。
デセルオン/オフ設定部65は、モニタ装置21のデセルスイッチ111(図4)の指示に従ってデセル機能の有効/無効(オン/オフ)を設定する。デセル機能のオンは、デセル機能を有効に設定することを意味する。デセル機能のオフは、デセル機能を無効に設定することを意味する。
デセル実行部64は、所定条件が成立した場合にデセル動作を実行するためのデセル指示信号をエンジンコントローラ38に出力する。「デセル動作」とは、作業車両のエンジンを、回転数が低いアイドリング状態に待機させる動作を意味する。この所定条件とは、「デセル動作」を実行する実行条件であり、主にデセル機能が有効である場合に作業車両の作業が停止してからの時間に関する条件、すなわち無作業状態の継続に関する時間の条件である。本例においては、当該「時間」をデセル時間とも称する。
デセルタイマ63は、操作状態検出部60からの指示に従って時間のカウントを開始するタイマである。そして、デセルタイマ63は、カウント結果をデセル実行部64に出力する。ここで、操作状態検出部60からの指示とは、作業機レバー18,19が中立状態であることを指し示す検知信号(検知結果)である。
エンジンコントローラ38は、デセル指示信号に従ってエンジン36の回転数が所定回転数となるようにガバナモータ37に指示して、燃料噴射装置が噴射する燃料量等の制御を行いエンジン36の回転数を調節する。当該「所定回転数」は、エンジン36の回転数が低い「低アイドリング状態」となるように予め設定された回転数である。本例においては、一例として回転数が低い低アイドリング状態の回転数を1000rpmとする。当該デセル動作により、無駄な燃料消費および騒音を抑制することが可能である。
第2実施形態における停止判定部55Aは、アイドリングストップ実行部57から出力されたエンジン停止信号に従って、エンジン36が高アイドリング状態から停止するか否かを判定する。ここで、「高アイドリング状態」から停止とは、エンジン36が所定回転数よりも高い回転数から停止することを意味する。具体的には、停止判定部55Aは、デセル機能が有効/無効の情報に基づいて、エンジン停止信号に従ってエンジン36が停止するか否かを判定する。
停止判定部55Aは、エンジン36が高アイドリング状態から停止すると判定した場合には、その旨をカウント部53に出力する。
カウント部53は、停止判定部55Aからの判定結果に基づいて、エンジン停止信号に基づくアイドリングストップ動作によりエンジン36が停止する回数(エンジン36の停止回数)をカウンタ値としてインクリメントする。
カウント部53のカウンタ値は、アイドリングストップ時間調整部54に出力される。さらに、カウント部53のカウンタ値は、通知部58に出力される。
アイドリングストップ時間調整部54は、カウント部53によりカウントされたカウンタ値(エンジン36の停止回数)が所定回数以上である場合にアイドリングストップ動作の実行条件であるアイドリングストップ時間を調整する。具体的には、アイドリングストップ時間調整部54は、カウント部53のカウンタ値が所定回数以上である場合には、アイドリングストップ時間設定部52に指示して、アイドリングストップ時間を長い時間に調整する。
通知部58は、カウント部53からのカウンタ値(エンジン36の停止回数)に基づいてガイダンス情報を通知する。「ガイダンス情報」は、操作者が利用可能な所定の情報であり、例えば、操作者が所定の行動を取ることを促す情報である。一例として、作業車両の点検・整備を促す情報を挙げることが可能である。
通知条件記憶部59Aは、カウンタ値と、当該カウンタ値に従って通知するガイダンス情報とを対応付けて格納する。
通知部58は、通知条件記憶部59Aを参照してカウンタ値に対応するガイダンス情報を読み出してモニタ装置21に出力する。モニタ装置21は、通知部58からのガイダンス情報を受けて表示部212に表示する。
なお、デセル実行部64、デセルオン/オフ設定部65は、それぞれ本発明の「デセル実行部」および「デセル設定部」の一例である。
図16は、第2実施形態に基づく作業車両101のアイドリングストップ動作のタイミングを説明する図である。
図16に示されるように、ここでは、一例として縦軸がエンジン回転数、横軸が時間を示している。
本例において、一例として時刻T10においてスタートキーでエンジン36を始動した場合が示されている。そして、その後、時刻T11において、エンジン回転が高回転に設定された状態が示されている。そして、作業車両において所定の作業が実行される(作業中)。時刻T12において、所定の作業が中断し、操作レバーが中立になる。これに伴い操作状態検出部60は、操作レバーが中立になったこと(無作業状態)を検知する。そして、デセルタイマ63に検知結果が出力される。デセルタイマ63は、当該検知結果に従い時間をカウントする。すなわち、デセル動作の制御が開始される。
また、時刻T13に操作者がロックレバー20をロックする。これに伴い、操作状態検出部60は、PPCロックスイッチ42からの検知信号に従いアイドリングストップタイマ56に検知信号を出力する。アイドリングストップタイマ56は、当該検知信号に従って時間をカウントする。すなわち、アイドリングストップ動作の制御が開始される。
また、時刻T15において、デセルタイマ63が所定時間(本例においては30秒)を超えた場合に、デセル実行部64は、デセル指示信号をエンジンコントローラ38に出力する。これにより、エンジンコントローラ38は、デセル指示信号に従ってガバナモータ37を制御してエンジン36の回転数を低アイドリング状態に設定する。
そして、次に時刻T16において、アイドリングストップタイマ56が所定時間(本例においては6分)を超えた場合にアイドリングストップ実行部57は、エンジン停止信号をエンジンコントローラ38に出力する。これによりエンジン36を停止させる。すなわち、エンジンコントローラ38はガバナモータ37に指示してエンジン36の回転数を0に下げる。当該動作によりアイドリングストップ状態となる。
そして、時刻T17において、スタートキーで再びエンジン36を始動させる。あるいはロックレバー解除でエンジン36を始動させる。
したがって、デセル動作をアイドリングストップ動作の前に実行することにより、低アイドリング状態からエンジン36を停止させることが可能となる。
図17は、第2実施形態に基づくデセル制御部62のデセル制御処理のフローチャートである。
図17に示されるように、デセル制御部62は、デセル機能が有効であるか否かを判断する(ステップS50)。具体的には、デセルスイッチ111に従ってデセルオン/オフ設定部65は、デセル機能を有効(ON)としているか否かを判断する。
ステップS50において、デセル制御部62は、デセル機能が有効であると判断した場合(ステップS50においてYES)には、操作レバーが中立であるか否かを判断する(ステップS51)。具体的には、操作状態検出部60は、操作レバーが中立であるか否かを検出して、デセルタイマ63に出力する。そして、デセルタイマ63は、操作状態検出部60から当該検出信号の入力に基づいて操作レバーが中立であると判断する。
そして、ステップS51において、デセル制御部62は、操作レバーが中立であると判断した場合(ステップS51においてYES)には、デセルタイマ63をスタートさせる(ステップS52)。具体的には、デセルタイマ63は、検出信号の入力に基づいて時間をカウントする。そして、デセルタイマ63は、カウントしたタイマ値をデセル実行部64に出力する。
次に、デセル制御部62は、デセル時間が経過したか否かを判断する(ステップS53)。具体的には、デセル実行部64は、予め設定されているデセル時間(例えば一例として30秒)と、デセルタイマ63から入力されるカウンタ値とに基づいてカウンタ値がデセル時間を超えたか否かを判断する。
ステップS53において、デセル制御部62は、デセル時間が経過していないと判断した場合(ステップS53においてNO)には、操作レバーの操作を検知したか否かを判断する(ステップS55)。具体的には、操作状態検出部60は、操作レバーが操作されたことを検出して、デセルタイマ63に出力する。そして、デセルタイマ63は、操作状態検出部60から当該検出信号の入力に基づいて操作レバーが操作されたと判断する。
ステップS55において、デセル制御部62は、操作レバーが操作されたと判断した場合(ステップS5においてYES)には、デセルタイマ63をリセットする(ステップS56)。具体的には、デセルタイマ63は、検出信号の入力に基づいて時間のカウントを停止するとともに、カウンタ値をリセットする。
そして、ステップS51に戻り、デセル制御部62は、再び、操作レバーが中立となるまで待機する。
一方、ステップS55において、デセル制御部62は、操作レバーが操作されないと判断した場合(ステップS55においてNO)には、ステップS53に戻り、デセル時間が経過するまで上記処理を繰り返す。
ステップS53において、デセル制御部62は、デセル時間が経過したと判断した場合(ステップS53においてYES)には、デセル動作を実行する(ステップS54)。具体的には、デセル実行部64は、デセルタイマ63から入力されるカウンタ値に従ってデセル時間を超えたと判断した場合には、デセル指示信号をエンジンコントローラ38に出力する。これによりエンジンコントローラ38は、ガバナモータ37に指示してエンジン36の回転数を低下させて低アイドリング状態に設定する。
当該処理により、作業車両が作業および/または走行を行っていない無操作状態の負荷低下時にエンジン36の回転を回転数が低い低アイドリング状態とする。そして、アイドリング状態が所定時間継続している場合にさらに作業車両のエンジン36を停止させる。これによれば、エンジン36の燃料消費および騒音を抑えることが可能である。
なお、本例においては、一例としてデセル時間として30秒の場合を例に挙げて説明したが、特に当該時間に限られるものではなく、当業者であるならばエンジン36の燃料消費および騒音を抑えるための適切な数値に適宜調整することが可能である。なお、アイドリングストップ時間と同様にデセル時間を設定する設定部を設けて操作者の指定により調整することも可能である。なお、デセル時間とアイドリングストップ時間との関係は、デセル時間の方がアイドリングストップ時間よりも短い時間とすることが可能である。これにより、デセル動作をアイドリングストップ動作の前に実行して、低アイドリング状態からエンジン36を停止させてエネルギーの消費や騒音を抑えることが可能である。
図18は、第2実施形態に基づくアイドリングストップ制御部51Aのメイン制御処理のフローチャートである。
図18に示されるように、図9のメイン制御処理のフローチャートと比較して、ステップS7Aにおける停止判定処理と、ステップS11Aにおけるガイダンス出力判定処理を置換した点が異なる。その他の処理の流れについては図9で説明したフローチャートと同様であるので、その詳細な説明については繰り返さない。
ステップS4において、アイドリングストップ動作が実行された場合に、次に、アイドリングストップ制御部51Aは、停止判定処理を実行する(ステップS7A)。「停止判定処理」は、エンジン36が停止したか否かを判定する処理であり、当該判定する処理の詳細については後述する。
そして、次に、停止判定部55Aは、停止判定処理の判定結果が高アイドリング状態からの停止であるか否かを判断する(ステップS8)。
ステップS8において、アイドリングストップ制御部51Aは、停止判定処理の判定結果が高アイドリング状態からの停止であると判断した場合(ステップS8においてYES)には、カウント値をインクリメントする(ステップS9)。具体的には、停止判定部55Aは、カウント部53に対してカウント信号を出力する。これに従ってカウント部53は、カウント値をインクリメントする。
次に、アイドリングストップ制御部51Aは、アイドリングストップ時間の調整の判定処理(アイドリングストップ時間調整判定処理)を実行する(ステップS10)。「アイドリングストップ時間調整判定処理」は、アイドリングストップ時間の調整をするか否かを判定し、判定結果に基づいてアイドリングストップ時間を調整する処理であり、当該処理については、図11で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
次に、アイドリングストップ制御部51Aは、ガイダンス出力判定処理を実行する(ステップS11A)。「ガイダンス出力判定処理」は、ガイダンスを出力するか否かを判定し、判定結果に基づいてガイダンスを出力する処理であり、当該処理の詳細については後述する。
そして、アイドリングストップ制御部51Aは、処理を終了する(エンド)。
一方、ステップS8において、アイドリングストップ制御部51Aは、停止判定処理の判定結果が高アイドリング状態からの停止でないと判断した場合(ステップS8においてNO)には、処理を終了する(エンド)。
<停止判定処理>
図19は、第2実施形態に基づく停止判定処理のフローチャートである。当該処理は、主に停止判定部55Aにおける処理である。当該停止判定処理は、エンジン36のアイドリング状態の回転数が高い高アイドリング状態から停止したか否かを判定する処理である。本例においては、停止判定部55Aは、デセル機能の有効/無効に関する情報に基づいて高アイドリング状態からの停止か、低アイドリング状態からの停止かを判定する。
図19に示されるように、本例における停止判定部55Aは、一例としてデセル機能の有効/無効に関する情報を利用する。
停止判定部55Aは、デセル機能が有効か無効かを判断する(ステップS23)。具体的には、停止判定部55Aは、デセルオン/オフ設定部65からの指示に従いデセル機能が有効か無効かを判断する。一例として、デセルスイッチ111がオンしている場合にはデセル機能が有効であると判断する。一方、デセルスイッチ111がオフしている場合にはデセル機能が無効であると判断する。
ステップS23において、停止判定部55Aは、デセル機能が有効であると判断した場合(ステップS23においてYES)には、低アイドリング状態からの停止であると判定する(ステップS25)。デセル機能が有効であるため低いアイドリング状態からエンジン36が停止することになるからである。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS23において、停止判定部55Aは、デセル機能が無効であると判断した場合(ステップS23においてNO)には、高アイドリング状態からの停止であると判定する(ステップS24)。デセル機能が無効であるため高いアイドリング状態からエンジン36が停止することになる場合があるからである。
そして、処理を終了する(リターン)。
当該停止判定処理において高アイドリング状態からの停止であると判定された場合には、カウント部53のカウント値がインクリメントされる。
したがって、第2実施形態に基づく方式により、エンジン36が低アイドリング状態から停止すると判断される場合を除外して、高アイドリング状態から停止すると判断される場合のエンジン36の停止回数をカウントすることが可能である。すなわち、エンジン36にかかる負担が小さい状況での停止回数を除外して、負担がかかる状況の停止回数をカウントすることにより、エンジン36に対する負担の程度を精度よく把握することが可能である。
<ガイダンス出力判定処理>
図20は、第2実施形態に基づくガイダンス出力判定処理のフローチャートである。当該処理は、主に通知部58における処理である。
図20に示されるように、図12で説明したガイダンス出力判定処理と比較して、ステップS43をステップS43Aに置換した点と、ステップS47をステップS47Aに置換した点とが異なる。その他の処理については図12で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
ステップS46において、通知部58は、カウント値が100の倍数であると判断した場合(ステップS46においてYES)には、ガイダンスL2,L5を通知する(ステップS47A)。そして、処理を終了する(リターン)。
ステップS42において、通知部58は、カウント値が100の倍数であると判断した場合(ステップS42においてYES)には、ガイダンスL1,L4を通知する(ステップS43A)。そして、処理を終了する(リターン)。
当該処理においては、通知部58は、カウント値が1000回未満の場合には100の倍数毎にガイダンスL1,L4を通知する。したがって、通知部58は、カウント値が1000回に達するまでに9回、ガイダンスL1,L4を通知する。同様に、通知部58は、カウント値が2000回未満の場合には100の倍数毎にガイダンスL2,L5を通知する。したがって、通知部58は、カウント値が2000回に達するまでに10回、ガイダンスL2,L5を通知する。そして、通知部58は、カウント値が2000回に達した後も100の倍数毎にガイダンスL3を通知する。
図21は、第2実施形態に基づくガイダンス情報を説明する図である。
図21に示されるように、当該ガイダンス情報は、通知条件記憶部59Aに格納されている。
通知条件記憶部59Aに格納されているガイダンス情報は、図13で説明したガイダンス情報と比較して、ガイダンスL4,L5をさらに追加した点が異なる。
本例においては、ガイダンスL1〜L5に対応してそれぞれ通知されるメッセージ内容が割り当てられている。具体的には、ガイダンスL4は、「デセルスイッチをONにすることをお勧め致します。」である。ガイダンスL5は、「デセルスイッチをONにして下さい。」である。上記で説明したようにガイダンスL1〜L3については、段階的にエンジン36の点検・整備を促す度合が強まっている。また、ガイダンスL4,L5については、デセルスイッチをONにすることを勧めるとともに、段階的に勧める度合が強まっている。
当該処理により、カウント値であるエンジンの停止回数の増加に応じて、すなわち、エンジン36に対する負担の程度に従ってガイダンス情報の内容を変更して通知することが可能である。
また、操作者に対して、カウント値が変化するのに従って、デセルスイッチをONにすることを提示することにより、エンジン36に対して負担がかかり難い運転動作を実行するように促すことが可能となる。
また、本例においては、操作者に対して快適かつ、必要な通知となるように100の倍数毎にガイダンスを通知する場合について説明したが、特に当該方式に限られず1回毎に通知することにより注意喚起の回数を増加させることも可能である。また、段階的に回数を増加させることも可能である。
図22は、第2実施形態に基づくガイダンス情報に従ってモニタ装置21に表示される例を説明する図である。
図22に示されるように、ここでは、通常のアイドリングストップ動作時にモニタ装置21に表示される表示画面が示されている。
図22(A)に示されるように、ポップアップ画面が表示され「アイドリングストップ実施中」という文言とともに、操作者に対して「バッテリ上がり防止のため、キーをOFFしてください。」と表示されており、図14(A)と同じである。
図22(B)に示されるように、ここでは、ポップアップ画面が表示され「アイドリングストップ実施中」という文言とともに、操作者に対して「高アイドリング状態からの停止がX回となりました。作業終了後、必要に応じて、エンジンの点検・整備を行ってください。」との表示とともに、「デセルスイッチをONにして下さい。」との表示がされている。
当該表示により、操作者に対して適切な形式でエンジン36の点検・整備に関するガイダンス情報を通知することが可能である。また、デセルスイッチをONにすることを勧めることにより、操作者に対して、エンジン36に対して負担がかかり難い運転動作を実行するように促す通知が可能となる。
なお、本例においては、一例として表示によりガイダンス情報を通知する場合について説明したが、特に表示に限られず、音声や振動等により操作者に通知することも可能である。
第2実施形態に従うアイドリング制御は、高アイドリング状態からのエンジン36の停止回数をカウントして、停止回数が所定回数以上である場合にアイドリングストップ時間を最長に設定する。当該処理により、高アイドリング状態からの停止回数が所定回数以上である場合にアイドリングストップ動作の実行回数(エンジン36の停止回数)を抑制し、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能となる。
<デセル機能有効設定処理>
第2実施形態においては、カウント部53のカウント値が所定回数以上である場合にデセル制御部62におけるデセル動作を自動的に実行するように制御する。
具体的には、デセルオン/オフ設定部65は、カウント部53のカウント値に基づいてデセル機能を有効に設定する。
図23は、第2実施形態に基づくデセルオン/オフ設定部65のデセルオン/オフ制御処理におけるフローチャートである。
図23に示されるように、デセルオン/オフ設定部65は、カウント部53からのカウント値が所定回数以上(一例として2000回以上)であるか否かを判断する(ステップS60)。
ステップS60において、デセルオン/オフ設定部65は、カウント値が2000回以上であると判断した場合(ステップS60においてYES)には、デセル機能をオンに設定する(ステップS61)。そして、処理を終了する(リターン)。
ステップS60において、デセルオン/オフ設定部65は、カウント値が2000回未満であると判断した場合(ステップS60においてNO)には、ステップS61をスキップして処理を終了する(エンド)。
本例においては、一例としてカウント部53のカウント値が所定回数以上である場合、すなわち高アイドリング状態であるエンジン36の停止回数が所定回数以上である場合に、デセル機能をオンにする。当該処理により、高アイドリング状態からのアイドリングストップ動作の実行を抑制し、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能となる。
(第2実施形態の変形例)
上記の第2実施形態の停止判定部55Aは、デセル機能が無効に設定されている場合のアイドリングストップ動作の停止回数をカウントする方式について説明したが、第1実施形態のエンジン36の回転数に関する回転情報と組み合わせることも可能である。
図24は、第2実施形態の変形例に基づく作業車両101の制御システムのメインコントローラ50Bのアイドリング機能を説明する機能ブロック図である。
図24に示されるように、メインコントローラ50Bは、上記の第2実施形態で説明したメインコントローラ50Aと比較して、アイドリングストップ制御部51Aをアイドリングストップ制御部51Bに置換した点が異なる。アイドリングストップ制御部51Bは、アイドリングストップ制御部51Aと比較して、停止判定部55Aを停止判定部55Bに置換した点が異なる。その他の構成については上記で説明したのと同様であるのでその詳細な説明については繰り返さない。
第2実施形態の変形例に基づく停止判定部55Bは、アイドリングストップ実行部57から出力されたエンジン停止信号に従って、エンジン36が高アイドリング状態から停止するか否かを判定する。ここで、「高アイドリング状態」から停止とは、エンジン36が所定回転数よりも高い回転数から停止することを意味する。具体的には、停止判定部55Bは、デセル機能が有効/無効の情報およびエンジン36の回転数に関する情報に基づいて、エンジン停止信号に従ってエンジン36が停止するか否かを判定する。
停止判定部55Bは、エンジン36が高アイドリング状態から停止すると判定した場合には、その旨をカウント部53に出力する。
カウント部53は、停止判定部55Bからの判定結果に基づいて、エンジン停止信号に基づくアイドリングストップ動作により高アイドリング状態からエンジン36が停止する回数(エンジン36の停止回数)をカウンタ値としてインクリメントする。
カウント部53のカウンタ値は、アイドリングストップ時間調整部54に出力される。さらに、カウント部53のカウンタ値は、通知部58に出力される。
アイドリングストップ時間調整部54は、カウント部53によりカウントされたカウンタ値(エンジン36の停止回数)が所定回数以上である場合にアイドリングストップ動作の実行条件であるアイドリングストップ時間を調整する。具体的には、アイドリングストップ時間調整部54は、カウント部53のカウンタ値が所定回数以上である場合には、アイドリングストップ時間設定部52に指示して、アイドリングストップ時間を長い時間に調整する。
通知部58は、カウント部53からのカウンタ値(エンジン36の停止回数)に基づいてガイダンス情報を通知する。「ガイダンス情報」は、操作者が利用可能な所定の情報であり、例えば、操作者が所定の行動を取ることを促す情報である。一例として、作業車両の点検・整備を促す情報を挙げることが可能である。
通知条件記憶部59Aは、カウンタ値と、当該カウンタ値に従って通知するガイダンス情報とを対応付けて格納する。
通知部58は、通知条件記憶部59Aを参照してカウンタ値に対応するガイダンス情報を読み出してモニタ装置21に出力する。モニタ装置21は、通知部58からのガイダンス情報を受けて表示部212に表示する。
図25は、第2実施形態の変形例に基づくアイドリングストップ制御部51Bのメイン制御処置のフローチャートである。
図25に示されるように、図18のメイン制御処理のフローチャートと比較して、ステップS7Bにおける停止判定処理を置換した点が異なる。その他の処理の流れについては図18で説明したフローチャートと同様であるので、その詳細な説明については繰り返さない。
ステップS4において、アイドリングストップ動作が実行された場合に、次に、アイドリングストップ制御部51Bは、停止判定処理を実行する(ステップS7B)。「停止判定処理」は、エンジン36が停止したか否かを判定する処理であり、当該判定する処理の詳細については後述する。
<停止判定処理>
図26は、第2実施形態の変形例に基づく停止判定処理のフローチャートである。当該処理は、主に停止判定部55Bにおける処理である。当該停止判定処理は、エンジン36のアイドリング状態の回転数が高い高アイドリング状態から停止したか否かを判定する処理である。本例においては、停止判定部55Bは、デセル機能の有効/無効に関する情報およびエンジン36の回転数に関する情報に基づいて高アイドリング状態か低アイドリング状態かを判定する。また、エンジン36の回転数が所定回転数(1000rpm)となるような燃料ダイヤル39の操作量に応じたダイヤル指令値を、エンジン36が高アイドリング状態であるか否かを判断する比較対象となる所定値として設定し、当該所定値を超えるか否かに基づいて高アイドリング状態か低アイドリング状態かを判断する。
図26に示されるように、本例における停止判定部55Bは、一例としてデセル機能の有効/無効に関する情報およびエンジン36の回転数に関する回転情報としてエンジン36の回転数に関するダイヤル指令値を利用する。
停止判定部55Bは、デセル機能が有効か無効かを判断する(ステップS19)。具体的には、停止判定部55Bは、デセルオン/オフ設定部65からの指示に従いデセル機能が有効か無効かを判断する。一例として、デセルスイッチ111がオンしている場合にはデセル機能が有効であると判断する。一方、デセルスイッチ111がオフしている場合にはデセル機能が無効であると判断する。
ステップS19において、停止判定部55Bは、デセル機能が有効であると判断した場合(ステップS19においてYES)には、低アイドリング状態からの停止であると判定する(ステップS22)。デセル機能が有効であるため低いアイドリング状態からエンジン36が停止することになるからである。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS19において、停止判定部55Bは、デセル機能が無効であると判断した場合(ステップS19においてNO)には、エンジンコントローラ38を介して入力されるダイヤル指令値が所定値を超えるか否かを判断する(ステップS20)。
次に、ステップS20において、停止判定部55Bは、ダイヤル指令値が所定値を超えると判断した場合(ステップS20においてYES)には、高アイドリング状態からの停止であると判定する(ステップS21)。
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS20において、停止判定部55Bは、ダイヤル指令値が所定値以下であると判断した場合(ステップS20においてNO)には、低アイドリング状態からの停止であると判定する(ステップS22)。
そして、処理を終了する(リターン)。
当該停止判定処理において高アイドリング状態からの停止であると判定された場合には、カウント部53のカウント値がインクリメントされる。
したがって、第2実施形態の変形例に基づく方式によりエンジン36が低アイドリング状態から停止すると判断される場合を除外して、高アイドリング状態から停止すると判断される場合のエンジンの停止回数をカウントすることが可能である。すなわち、エンジンにかかる負担が小さい状況での停止回数を除外して、負担がかかる状況の停止回数のみをカウントすることにより、エンジンに対する負担の程度を精度よく把握することが可能である。
そして、第2実施形態に変形例に基づく方式は、高アイドリング状態か否かを判定する際に、まず、デセル機能が有効か無効かを判断し、有効であれば低アイドリング状態からの停止であると判定する。
したがって、デセル機能が有効である場合には、エンジン36の回転数に関する回転情報を利用することなく低アイドリング状態であると判定するため当該判定処理を高速化することが可能である。そして、デセル機能が無効である場合に、エンジン36の回転数に関する回転情報に基づいて高アイドリング状態からの停止か、低アイドリング状態からの停止かを判定するため精度の高い判定処理が可能である。
そして、第2実施形態の変形例に従うアイドリング制御は、高アイドリング状態からのエンジン36の停止回数をカウントして、停止回数が所定回数以上である場合にアイドリングストップ時間を最長に設定する。当該処理により、高アイドリング状態からの停止回数が所定回数以上である場合にアイドリングストップ動作の実行回数(エンジン36の停止回数)を抑制し、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能となる。
さらに、カウント部53のカウント値が所定回数以上である場合、すなわち高アイドリング状態であるエンジン36の停止回数が所定回数以上である場合に、デセル機能をオンにする。当該処理により、高アイドリング状態からのアイドリングストップ動作の実行を抑制し、エンジン36への負担を軽減してエンジン36の耐久性を向上させることが可能となる。
なお、本例においては、作業車両の一例として、油圧ショベルを例に挙げて説明したが、ブルドーザやホイールローダ等の作業車両にも適用可能であり、エンジン36が設けられた作業用の機械であればどのようなものにも適用可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。