JP5762278B2 - プレハブ構造物の輸送組立方法 - Google Patents
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Description
しかし、プレハブ構造物を積んで大気汚染地域を通過する際や、大気汚染された設置現場でプレハブ構造物を組み立てる際に、プレハブ構造物の開口部から内部空間へ汚染物質を伴った外気が入り込み、内部空間が汚染されてしまう可能性がある。
しかし、大気汚染地域では、開口部を合成樹脂シートで覆う程度では強風などで汚染物質を伴った外気が内部空間へ入り込む懸念がある。汚染物質が内部空間に入り込むと、プレハブ構造物の内部で生活する技術者、作業員の健康に悪影響を与える可能性があるため、避けなければならない。
<請求項1記載の発明>
大気汚染地域外で組上げた開口部を有するプレハブ構造物のそれぞれを、大気汚染地域内に輸送し、その大気汚染地域で開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接配置し、開口部相互を連結するプレハブ構造物の構築方法であって、
大気汚染地域外において、プレハブ構造物の開口部周囲を覆って内側遮蔽シートを設け、さらにその内側遮蔽シートを覆って外側遮蔽シートを設けることをそれぞれ行い、この状態で大気汚染地域内に輸送し、
大気汚染地域内において、プレハブ構造物を近接させ、
作業員によって、順次(1)〜(3)の作業を行ない、
(1)プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外す、
(2)開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる、
(3)一方のプレハブ構造物内から、一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する、
これによって、隣接するプレハブ構造物を連結する、
ことを特徴とするプレハブ構造物の構築方法。
プレハブ構造物の開口部周囲を覆って内側遮蔽シートを設けたことで、プレハブ構造物を輸送する際などに強風が吹いた場合でも、汚染物質を伴った外気がプレハブ構造物の内部空間へ入り込むことがなくなり、内部空間の汚染を防ぐことができる。
また、前記内側遮蔽シートを覆って外側遮蔽シートを設けたことで、内側遮蔽シートの外面に汚染物質が付着するのを防ぐことができる。その結果、プレハブ構造物を設置する現場で内側遮蔽シートを取り外す際に、内側遮蔽シートの外面に付着した汚染物質がプレハブ構造物内に落下し、飛散することを防ぐことができる。
さらに、大気汚染地域内において、プレハブ構造物を近接させ、作業員によって、順次 (1)プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外す、(2)開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる、(3)一方のプレハブ構造物内から、一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する、という作業を行ない、これによって隣接するプレハブ構造物を連結することで、隣接するプレハブ構造物の内部空間が外気にさらされることなく連結され、内部空間へ汚染物質が入りこむことを防ぐことができる。
プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる前に、
内側遮蔽シートの外側表面に付着している汚染物質を内側遮蔽シートに固着させる固着剤を与える請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。
プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる前に、内側遮蔽シートの外側表面に付着している汚染物質を内側遮蔽シートに固着させる固着剤を与えることで、輸送中や組立て作業中に内側遮蔽シートに付着した汚染物質を内側遮蔽シートに固着させることができ、内側遮蔽シートを取り外す際に、プレハブ構造物の内部空間に汚染物質が落下し、飛散するのを防ぐことができる。
一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除した後に、
プレハブ構造物の開口部の繋がり部分の内周縁面をシールするシール剤を塗布する請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。
一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除した後に、プレハブ構造物の開口部の繋がり部分の内周縁面をシールするシール剤を塗布することで、プレハブ構造物の開口部の繋がり部分から汚染物質が落下し、飛散するのを防ぐことができる。
プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる際に、
前記一方のプレハブ構造物および前記他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートそれぞれを内側遮蔽シートの外側表面に塗布した接着剤により接着し、
一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する際に、
これらの内側遮蔽シートを一体として切除し、
一方のプレハブ構造内に取り込んで廃棄に供する請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。
プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる際に、前記一方のプレハブ構造物および前記他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートそれぞれを内側遮蔽シートの外側表面に塗布した接着剤により接着し、 一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する際に、これらの内側遮蔽シートを一体として切除し、 一方のプレハブ構造内に取り込んで廃棄に供することで、相対する内側遮蔽シートの間に汚染物質を閉じ込めることができ、内側遮蔽シートから汚染物質が落下し、飛散することを防ぐことができる。
プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる前に、
内側遮蔽シートの外側表面に付着している汚染物質を内側遮蔽シートに固着させる固着剤を与え、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる際に、
前記一方のプレハブ構造物および前記他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートそれぞれを内側遮蔽シートの外側表面に塗布した接着剤により接着し、
一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する際に、
これらの内側遮蔽シートを一体として切除し、
一方のプレハブ構造内に取り込んで廃棄に供する請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。
プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる前に、内側遮蔽シートの外側表面に付着している汚染物質を内側遮蔽シートに固着させる固着剤を与え、開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる際に、前記一方のプレハブ構造物および前記他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートそれぞれを内側遮蔽シートの外側表面に塗布した接着剤により接着し、一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する際に、これらの内側遮蔽シートを一体として切除し、一方のプレハブ構造内に取り込んで廃棄に供することで、内側遮蔽シートを接着する接着剤を用いずに済み、材料費の節減及び接着剤の塗布作業の省略をすることができる。
このプレハブ構造物1は、連結すると仮設事務所などのプレハブ構造物集合体が出来上がるものであればその種類を問わない。プレハブ構造物1の例としては、改造した海上コンテナや鉄道コンテナ、住宅メーカーが工事現場の仮設事務所向けとして販売する分割搬入式ハウスの各ユニットなどが挙げられる。
また、プレハブ構造物1を連結したプレハブ構造物集合体の例としては、現場事務所、休憩所、レストラン、カラオケルーム、トランクルームなどが挙げられる。
また、大気汚染地域として、放射性物質で汚染された放射能汚染地域を例に挙げて説明する。
なお、下記においては説明の都合上、二つのコンテナ1A、1Bを連結する部分に焦点を当てて説明する。
この輸送および組立てを行う間、コンテナ1の内装面および内部空間が放射能で汚染されないように、下記の対策を取る必要がある。
コンテナ1A、1Bの側面に同一形状の開口部Mを設け、この開口部Mを連結する。この開口部Mを合成樹脂シートで覆っただけでは、コンテナ1A、1Bの輸送や組立て時に強風が吹くとシートがばたつき、放射能で汚染された外気がコンテナ1A、1B内に入り込む懸念がある。
そこで、本発明は強風が吹いた場合でも、放射能で汚染された外気がコンテナ1A、1B内に入り込まないような構造にした。具体的な構造は、図3を用いながら説明する。
放射能汚染区域外で行う改造作業では、コンテナ1の開口部Mの外側を覆うように内側遮蔽シート3を設ける。この内側遮蔽シート3を設けたことで、コンテナ1を輸送する際などに強風が吹いた場合でも、放射性物質を伴った外気がコンテナ1の内部空間へ入り込むことがなくなり、内部空間の汚染を防ぐことができる。
また、この接着剤はスプレーで吹きかける方法のほか、刷毛で塗布する方法などがある。
なお、輸送中の風圧等にも耐えられるよう内側遮蔽シート3を強固に貼り付ける必要があるため、ガスケット5を内包するように内側遮蔽シート3を貼り付ける。
このガスケット5の代わりとして、パッキンを用いても良い。
違う素材を用いる場合、内側遮蔽シート3は、輸送中の風圧に耐え得るとともに、外側遮蔽シート4を剥がす際に切れたり裂けたりしないような面的強度の高い素材が好ましい。また、その素材は、開口部Mに沿ってナイフ等の鋭利な刃物で切る際に切れやすい特性を有するとより良い。一方、外側遮蔽シート4は、表面に放射性物質がつきにくい素材を用いるのが好ましい。
一方、開口部M部分では内側遮蔽シート3に外側遮蔽シート4を貼り付けないか、貼り付けたとしても容易に剥がすことができる程度にする。内側遮蔽シート3と外側遮蔽シート4を容易に分離できるようにすることで、外側遮蔽シート4を取り外す作業の負荷を減らすことができるからである。この点は、後ほど詳述する。
また、この固着剤はスプレーで吹きかける方法のほか、刷毛で塗布する方法などがある
なお、輸送中の風圧等にも耐えられるよう遮蔽シート3および4を強固に貼り付ける必要があるため、ガスケット5の表面に遮蔽シート3および4を貼り付けるのではなく、ガスケット5を内包するように遮蔽シート3および4を貼り付ける。
以下に、図2から図6を用いて、放射能汚染地域でコンテナ1を組み立てる過程を説明する。
放射能汚染地域でコンテナ1A、1Bを積み降ろした後、図2のようにコンテナ1A、1Bを近接させ、コンテナ1A、1Bの開口部Mを対向させる。
輸送通路や設置現場に漂う放射性物質が外側遮蔽シート4の外面に多く付着する。コンテナ1Aと1Bを連結する過程で、内側遮蔽シート3と外側遮蔽シート4を取り外すことになるが、これらのシートを取り外す際に、これらのシートに付着した放射性物質がコンテナ1内に落下し、飛散するのを防ぐ必要があるため、まず、放射性物質が多く付着している外側遮蔽シート4を取り外すのである。
外側遮蔽シート4を取り外すと、内側遮蔽シート3が外側に現れる。内側遮蔽シート3の外面は外側遮蔽シート4で覆われていたため、放射性物質が付着している可能性は少ない。しかし、外側遮蔽シート4と内側遮蔽シート3の間に微細な隙間が生じていた場合は、その隙間を通って放射性物質が内側遮蔽シート3の外面に付着する可能性がある。
また、この接着剤はスプレーで吹きかける方法のほか、刷毛で塗布する方法などがある。
後に詳述するが、プレハブ1A、1Bの相対する内側遮蔽シート3A、3Bを前記接着剤により接着し、内側遮蔽シート3A、3Bの少なくとも開口部M相当領域を切除する際に、内側遮蔽シート3A、3Bの間に放射性物質を閉じ込めて、これらの内側遮蔽シート3A、3Bを一体として切除し、一方のプレハブ1A内に取り込んで廃棄することで、内側遮蔽シート3A、3Bから放射性物質がコンテナ1Aの内部に落下し、飛散するのを防ぐことができる。
また、この接着剤はスプレーで吹きかける方法のほか、刷毛で塗布する方法などがある。
コンテナ1A内に入った作業員は、内側遮蔽シート3を作業員の手などで押し、内側遮蔽シート3Aと3Bを圧着する。そして、内側遮蔽シート3A、3Bが前記接着剤によって接着されたかどうかを確認する。
そして、開口部Mの外周の寸法に合わせて、内側遮蔽シート3A、3Bをナイフ等の刃物で切断する。
前述したように、二枚の内側遮蔽シート3A、3Bは接着剤9によって接着されているので、切断する際は二枚の内側遮蔽シート3A、3Bを一度に切断するようにする。二枚の内側遮蔽シート3A、3Bの間に放射性物質が挟み込まれているので、それらの放射性物質をコンテナ1の室内に落とさないようにするためである。
切断した内側遮蔽シート3A、3Bは、放射性物質が落ちないように、切断したその場で袋などに入れ、コンテナ1Aの外へ撤去する。
なお、開口外周部Nには、内側遮蔽シート3A、3Bの切れ端が残った状態となる。
図6は、このようにして、プレハブ1から内側遮蔽シート3A、3Bを切りはがした後、シール剤8を塗布した断面図であり、連結部分の拡大図である。
Claims (5)
- 大気汚染地域外で組上げた開口部を有するプレハブ構造物のそれぞれを、大気汚染地域内に輸送し、その大気汚染地域で開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接配置し、開口部相互を連結するプレハブ構造物の構築方法であって、
大気汚染地域外において、プレハブ構造物の開口部周囲を覆って内側遮蔽シートを設け、さらにその内側遮蔽シートを覆って外側遮蔽シートを設けることをそれぞれ行い、この状態で大気汚染地域内に輸送し、
大気汚染地域内において、プレハブ構造物を近接させ、
作業員によって、順次(1)〜(3)の作業を行ない、
(1)プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外す、
(2)開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる、
(3)一方のプレハブ構造物内から、一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する、
これによって、隣接するプレハブ構造物を連結する、
ことを特徴とするプレハブ構造物の構築方法。 - プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる前に、
内側遮蔽シートの外側表面に付着している汚染物質を内側遮蔽シートに固着させる固着剤を与える請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。 - 一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除した後に、
プレハブ構造物の開口部の繋がり部分の内周縁面をシールするシール剤を塗布する請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。 - プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる際に、
前記一方のプレハブ構造物および前記他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートそれぞれを内側遮蔽シートの外側表面に塗布した接着剤により接着し、
一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する際に、
これらの内側遮蔽シートを一体として切除し、
一方のプレハブ構造内に取り込んで廃棄に供する請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。 - プレハブ構造物の外側から、一方のプレハブ構造物の外側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の外側遮蔽シートを取り外した後であって、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる前に、
内側遮蔽シートの外側表面に付着している汚染物質を内側遮蔽シートに固着させる固着剤を与え、
開口部を対向させた状態でプレハブ構造物を隣接させる際に、
前記一方のプレハブ構造物および前記他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートそれぞれを内側遮蔽シートの外側表面に塗布した接着剤により接着し、
一方のプレハブ構造物の内側遮蔽シート及び他方のプレハブ構造物の内側遮蔽シートの少なくとも開口部相当領域を切除する際に、
これらの内側遮蔽シートを一体として切除し、
一方のプレハブ構造内に取り込んで廃棄に供する請求項1記載のプレハブ構造物の構築方法。
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