JP5761939B2 - 風味増強剤 - Google Patents

風味増強剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5761939B2
JP5761939B2 JP2010171550A JP2010171550A JP5761939B2 JP 5761939 B2 JP5761939 B2 JP 5761939B2 JP 2010171550 A JP2010171550 A JP 2010171550A JP 2010171550 A JP2010171550 A JP 2010171550A JP 5761939 B2 JP5761939 B2 JP 5761939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
taste
deoxy
parts
fructos
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010171550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012029615A5 (ja
JP2012029615A (ja
Inventor
秀 金子
秀 金子
熊沢 賢二
賢二 熊沢
西村 修
修 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ogawa and Co Ltd
Original Assignee
Ogawa and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ogawa and Co Ltd filed Critical Ogawa and Co Ltd
Priority to JP2010171550A priority Critical patent/JP5761939B2/ja
Publication of JP2012029615A publication Critical patent/JP2012029615A/ja
Publication of JP2012029615A5 publication Critical patent/JP2012029615A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5761939B2 publication Critical patent/JP5761939B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、飲食物の風味増強をするための、アマドリ(Amadori)化合物又はその塩からなる風味増強剤、アマドリ化合物又はその塩を含有する調味料及びそれらを含有する飲食物並びにアマドリ化合物又はその塩を添加することを特徴とする風味増強方法に関する。
多くの飲食物には旨味が重要な呈味を示しており、従来から旨味を強める方法が開発されている。例えば、食品の風味を増強する方法としては、L−グルタミン酸アンモニウムを使用する方法(特許文献1)が、また、旨味を増強する方法としては、トレハロースを使用する方法(特許文献2)、グルコン酸の塩を使用する方法(特許文献3)などが提案されている
また、飲食物の呈味にまろやかさと深みを与える味としてコク味が知られている。コク味の付与には畜肉エキス、魚介エキス、野菜エキスなどの天然エキスが広く用いられている他、グルタチオン(特許文献4)、畜肉、魚介エキスの酸性不溶画分(特許文献5)、アミノ酸誘導体(特許文献6)等のコク味を付与する成分の利用が提示されている。しかしながら、天然エキスは原料由来の不快な臭い、苦味やエグ味を有するため、用途によってその使用量には制限が生じ、十分にコク味を付与することができないという問題点を有していた。また、ペプチド等のコク味を付与する成分は何れも分離精製が複雑で高価である他、好ましくない味や異臭を併せ持つといった問題点を有しており、更なる技術開発が求められていた。
特開2004−261098号公報 特開平10−66540号公報 WO01/060178号公報 特開昭60−9465号公報 特開平9−94076号公報 特開平8−143551号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来の調味料や天然エキス等の添加では十分ではなかった、飲食物の持つ旨味の増強、コク味の付与そして飲食物の呈味をより好ましいまろやかなものにする風味増強剤、及び風味増強方法を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく風味増強効果のある化合物を探索した結果、アマドリ化合物又はその塩が飲食物の旨味を増強し、コク味を付与することを見出した。さらに、これらの成分は、それ自身は渋味を有しているにもかかわらず、飲食物に添加すると飲食物の旨味を増強し、コク味を付与し、全体としての風味も増強する性質を有していることを見出し、発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
式(1)
Figure 0005761939
(式中、
1は、グルコース、キシロース、ガラクトース、ラムノース、フルクトース、マンノースから選ばれる糖基から誘導された1−デオキシ−2−ケトース−1−イル基であり;
2は、セリン、グリシン、プロリン、ヒスチジン、アルギニン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピログルタミン酸、フェニルアラニン、トレオニン、システイン、シスチン、グルタミン、アスパラギン、メチオニン、チロシン、トリプトファン、バリン、イソロイシン、リジン、ロイシンから選ばれるアミノ酸分子から−NH2を取り除いてできる1価の基である)で表されるアマドリ化合物又はその塩からなることを特徴とする風味増強剤である。
そして、糖基がD形糖基であること、アミノ酸がL形アミノ酸であること、糖基がD−フルクトースであること、アミノ酸が、ピログルタミン酸、メチオニン又はバリンであることを特徴とする。
また、本発明は、上記風味増強剤を添加したことを特徴とする調味料であり、有効成分としての風味増強剤を1〜106ppm含有することを特徴とする。
また、本発明は、上記調味料を添加したことを特徴とする飲食物であり、有効成分としての風味増強剤を0.1〜105ppm含有することを特徴とする。
さらに、本発明は、グルタミン酸又はその塩1質量部に対して上記風味増強剤を0.001〜1質量部添加することを特徴とする風味増強方法である。
本発明の風味増強剤は、飲食物の旨味を増強し、コク味を付与し、全体としての風味も増強することができる。さらに、本発明の風味増強剤は、アミノ酸系調味料や核酸系調味料と組み合わせることにより、その旨味を相乗的に増強させることができる。
(1)風味増強剤
本発明で使用するアマドリ化合物(Amadori compound)は、「Roeper et al., Carbohydr. Res., 116, 183-195 (1983).」に記載された合成方法によって得ることができる。
具体的には、グルコースとアミノ酸との反応によるシッフ塩基(Schiff base)の生成、次いで酸を触媒とするアマドリ転位及び異性化によってアマドリ化合物を得ることができる。
本発明の風味増強剤は飲食物の加工段階で適宜添加することができる。
添加量は、風味増強剤の精製の程度により多少異なるが、一般的には飲食物に対して0.1〜105ppmの添加量(有効成分として)が適当であるが、飲食物の本来の香味に影響を及ぼさない範囲内で添加する観点からは0.1〜104ppmが好ましく、その有効性の観点からは1〜104ppmが特に好ましく、使用形態としては10〜104ppmが最も好ましい。
(2)調味料
本発明の風味増強剤を含有する調味料としては、砂糖、塩、酢、醤油、味噌など一般の調理に用いられる調味料の他、食品添加物として用いられる調味料に好適に用いられる。
ここでいう食品添加物調味料とは、L−アスパラギン酸、DL−アラニン、グリシン、L−グルタミン酸ナトリウムなどのアミノ酸系調味料、5’−イノシン酸ナトリウム、5’−リボヌクレオチド二ナトリウムなどの核酸系調味料、クエン酸三カリウム、コハク酸などの有機酸系調味料、塩化カリウム、リン酸三カリウムなどの無機塩系調味料が挙げられ、好ましくはアミノ酸系調味料及び核酸系調味料に用いられ、特にL−グルタミン酸ナトリウムおよび5’−イノシン酸ナトリウムに好適に用いられる。
本発明の風味増強剤をこれらの調味料に用いる場合は、その使用量は、使用態様にもよるが、一般には本発明の風味増強剤を1〜106ppm含有していれば良いが、飲食物の本来の香味に影響を及ぼさない範囲内で添加する観点からは1〜105ppmが好ましく、その有効性の観点からは10〜105ppmが特に好ましく、使用態様としては102〜105ppmが最も好ましい。
特に、グルタミン酸又はその塩1質量部に対して本発明の風味増強剤を0.001〜1質量部添加することが好ましい。
(3)飲食物
本発明の風味増強剤は、各種飲食物に特に制限なく使用することができる。例えば、果実類又はその加工品、野菜又はその加工品、魚介類又はその加工品、練製品、調理食品、総菜類、スナック類、珍味類、加工食品、栄養食品、茶飲料及びコーヒー飲料などの嗜好飲料、果汁飲料、炭酸飲料、清涼飲料、機能性飲料、アルコール飲料、アイスクリーム、シャーベット等の冷菓類、ゼリー、プリン、羊かん等のデザート類、クッキー、ケーキ、チョコレート、チューイングガム、饅頭等の菓子類、菓子パン、食パン等のパン類、ジャム類、ラムネ菓子、タブレット、錠菓類などが挙げられる。
さらに、日本料理のだし、例えば、鰹節、魚介類、昆布、シイタケ、鶏肉、野菜類などの素汁及び和風調味料、又は、西洋料理のスープストック、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁及び洋風調味料、又は、中華料理のタン(湯)、例えば、牛肉、鶏肉、豚肉、魚介類、野菜類などの素汁及び中華調味料などが挙げられる。また、風味増強剤は、適宜、香味成分あるいは色素を調合し香味及び色調を増強することもできる。調合に使用される香味成分あるいは色素には特に制限はなく、公知の香味成分あるいは色素が目的に応じて適宜配合して用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
[実施例1]
グルタミン酸ナトリウム12.8g、D−グルコース62.7g、亜硫酸水素ナトリウム7.6gを80mLの蒸留水に溶解し、3時間還流した。還流後、45mLの蒸留水及び125mLのエタノールを加え、カチオン交換樹脂(SK−1B(三菱化学株式会社製)で精製を行い、N−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸0.4gを得た。
[試験例1]
実施例1で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸をグルタミン酸ナトリウム溶液に添加して官能評価を行った。
L−グルタミン酸ナトリウム一水和物100.0mgを水200mLに溶解し対照品とし、さらにN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を80mgを添加したグルタミン酸ナトリウム溶液について、旨味、コク味の強さ、飲食物らしい呈味のまろやかさを18名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、
非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表1に示す。
Figure 0005761939
以上の結果から実施例1で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸は、グルタミン酸ナトリウムの旨味、コク味を増強し、さらに飲食物らしいまろやかな味を付与する効果がみられた。
[試験例2]
実施例1で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸をイノシン酸ナトリウムに添加して官能評価を行った。
イノシン酸ナトリウム200.0mgを水200mLに溶解し対照品とし、さらにN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を100mgを添加したイノシン酸ナトリウム溶液について、旨味、コク味の強さ、飲食物らしい呈味のまろやかさを18名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表2に示す。
Figure 0005761939
以上の結果から実施例1で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸は、イノシン酸ナトリウムの旨味、コク味を増強し、さらに飲食物らしいまろやかな味を付与する効果がみられた。
[試験例3]
実施例1で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を市販コンソメスープに添加し、官能評価を行った。市販コンソメ粉末10gに、アマドリ化合物10mgを加え、熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、評価用試料とした。
対照品として、上記市販コンソメ粉末10gに熱湯を加えて全量を600mLとしたコンソメスープを調製し、2種類のコンソメスープについて、旨味、コク味の強さ、コンソメスープらしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5 、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表3に示す。
Figure 0005761939
以上の結果から、実施例1で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸にはコンソメスープのコク味を増強し、呈味をコンソメスープらしいよりまろやかな好ましいものにする効果がみられた。
[実施例2]
バリン7.0g、D−グルコース43.9g、亜硫酸水素ナトリウム5.8gを50mLの50%メタノール水溶液に溶解し、4時間還流した。還流後、190mLの50%エタノール水溶液を加え、カチオン交換樹脂(SK−1B(三菱化学株式会社製)で精製を行い、N−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−バリン1.8gを得た。
[試験例4]
実施例2で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−バリンを市販コーヒー飲料に添加し、官能評価を行った。市販コーヒー飲料1000gに、N−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−バリン30mgを添加し、評価用試料とした。
対照品として上記市販コーヒー飲料を用い、それぞれのコーヒー飲料について、旨味、コク味の強さ、コーヒー飲料らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表4に示す。
Figure 0005761939
以上の結果から、実施例2で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−バリンにはコーヒー飲料のコク味を増強し、呈味をコーヒーらしいよりまろやかな好ましいものにする効果がみられた。
[実施例3]
メチオニン5.7g、D−グルコース27.4g、亜硫酸水素ナトリウム3.6gを50mLの50%メタノール水溶液に溶解し、4時間還流した。還流後、190mLの50%エタノール水溶液を加え、カチオン交換樹脂(SK−1B(三菱化学株式会社製)で精製を行い、N−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−メチオニン2.0gを得た。
[試験例5]
実施例3で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−メチオニンを
市販緑茶飲料に添加し、官能評価を行った。
市販緑茶飲料1000gにN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−メチオニン30mgを添加し、評価用試料とした。対照品として上記市販緑茶飲料を用い、それぞれの緑茶飲料について、旨味、コク味の強さ、緑茶飲料らしい呈味のまろやかさを10名のパネルで評価した。評価基準は、対照品の呈味を2とし、非常に強い呈味を5、非常に弱い呈味を1とした場合の5段階相対評価とした。その結果を表5に示す。
Figure 0005761939
以上の結果から、実施例3で得られたN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−メチオニンには緑茶飲料のコク味を増強し、呈味を緑茶らしいよりまろやかな好ましいものにする効果がみられた。
[実施例4]
市販濃口醤油に実施例1のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を0.1質量部添加し、和風調味料を調製したところ、無添加品に比べてコクが強く、まろやかで広がりのある和風調味料が得られた。
[実施例5]
市販味噌に実施例1のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を0.1質量部添加し、味噌を調製したところ、無添加品に比べてコクが強く、まろやかで広がりのある味噌が得られた。
[実施例6]
牛乳10質量部、水80質量部、コーンペースト10質量部、砂糖2質量部、食塩0.5質量部を加熱撹拌し、10000rpm、5分間乳化を行った。さらに、実施例1のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を0.01質量部添加し、コーンスープを調製したところ、無添加品に比べて旨味が強く、コクと広がりのあるコーンスープが得られた。
[実施例7]
パーム油50質量部に薄力粉50質量部を加え、弱火でゆっくり炒め、牛乳500質量部、水600質量部、チキンコンソメパウダー3質量部、食塩6質量部を加えてよく混合し、粘度が出るまで弱火でゆっくり加熱した後、実施例2のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−バリンを1質量部添加し、ホワイトソースを調製したところ、無添加品に比べて旨味が強く、コクと広がりのあるコーンスープが得られた。
[実施例8]
強力粉1400質量部に水に溶解させた生イースト40質量部を加えてよく撹拌し、28℃、4時間発酵させた。得られた生地に強力粉600質量部、砂糖100質量部、牛乳100質量部、食塩40質量部、実施例3のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−メチオニンを2質量部添加し、生地をよくこねた後、容器に詰め、38℃、40分間発酵後、220℃、40分間焼成し、食パンを調製したところ、無添加品に比べて旨味、甘味が強く、コクと広がりのある食パンが得られた。
[実施例9]
ショートニング15質量部、砂糖30質量部、全卵3質量部、食塩1質量部、実施例3のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−メチオニンを0.1質量部添加し、30分間撹拌後、30分間エージングを行った。得られた生地を型に流し入れ、220℃、5分焼成し、ハードビスケットを調製したところ、無添加品に比べて旨味、甘味が強く、まろやかで広がりのあるハードビスケットが得られた。
[実施例10]
砂糖60質量部、水あめ40質量部、水35質量部を合わせて155℃まで加熱した後、130℃まで冷却し、コーヒーエキス5質量部、カラメル0.3質量部、実施例1のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を0.01質量部添加し、混合、成型し、コーヒーハードキャンディーを調製したところ、コク味が増強されコーヒーが持つ広がりのある自然な甘味を持ったコーヒーハードキャンディーが得られた。
[実施例11]
水に果糖ブドウ糖液糖10質量部、砂糖5質量部、ゲル化剤1質量部を加え、85℃まで加温し、オレンジ濃縮果汁3質量部を添加し撹拌溶解した。さらに、実施例1のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を0.01質量部添加し、全量を100質量部に補正後、85℃で20分間殺菌してオレンジゼリーを調製したところ、オレンジが持つ呈味が強まったのみならず、後味の苦味が低減されすっきりとした甘味を持ったオレンジゼリーが得られた。
[実施例12]
全脂加糖練乳15質量部、果糖ぶどう糖液糖3質量部を蒸留水に溶解し、予め蒸留水に分散させていた全脂粉乳2質量部、脱脂粉乳1質量部を加え加熱し40℃付近で、上白糖3.5質量部、安定剤0.7質量部、乳化剤0.02質量部を加え80℃まで加温した。コーンスターチ0.3質量部を加えた後、殺菌した(80℃、15分間)。お湯で100質量部に質量調整し、クリアミックスにて乳化した。
実施例1のN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸を0.01質量部加え撹拌した後、ガラス容器にて冷却してミルクプリンを調製したところ、ミルクの持つ自然な甘味が増強されるとともに旨味が付与されたミルクプリンが得られた。
本発明の風味増強剤は飲食物に添加することにより、飲食物の持つ甘味、塩味、苦味、酸味、旨味及び/又はコク味をよりまろやかな、好ましいものに改善する効果があり、各種飲食物に幅広く利用できる。

Claims (3)

  1. N−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−ピログルタミン酸、N−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−バリン及びN−(1−デオキシ−D−フラクトス−1−イル)−メチオニンからなる群より選ばれた1種又は2以上のアマドリ化合物又はその塩からなることを特徴とする、コク味又は旨味増強剤。
  2. 請求項1に記載のコク味又は旨味増強剤を有効量添加したことを特徴とするコク味又は旨味調味料。
  3. 有効成分としての請求項1に記載のコク味又は旨味増強剤を10 2 〜10 5 ppm含有することを特徴とする請求項2に記載のコク味又は旨味調味料。
JP2010171550A 2010-07-30 2010-07-30 風味増強剤 Expired - Fee Related JP5761939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010171550A JP5761939B2 (ja) 2010-07-30 2010-07-30 風味増強剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010171550A JP5761939B2 (ja) 2010-07-30 2010-07-30 風味増強剤

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012029615A JP2012029615A (ja) 2012-02-16
JP2012029615A5 JP2012029615A5 (ja) 2013-08-15
JP5761939B2 true JP5761939B2 (ja) 2015-08-12

Family

ID=45843819

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010171550A Expired - Fee Related JP5761939B2 (ja) 2010-07-30 2010-07-30 風味増強剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5761939B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103113427B (zh) * 2013-02-06 2015-04-08 宁波美康生物科技股份有限公司 果糖缬氨酸的制备方法
ES2755883T3 (es) * 2013-03-04 2020-04-24 Suntory Holdings Ltd Bebida de té verde
CN105077154A (zh) * 2015-08-14 2015-11-25 上海应用技术学院 一种红烧调味汁及其制备方法
US20230024978A1 (en) * 2019-12-17 2023-01-26 Givaudan Sa Taste modifying ingredients

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1514910A (en) * 1974-07-02 1978-06-21 Unilever Ltd Amadori compounds and their use to flavour foods
JP3723077B2 (ja) * 2000-12-27 2005-12-07 長谷川香料株式会社 新規フレーバーおよびその製造方法
EP1252825A1 (en) * 2001-04-25 2002-10-30 Société des Produits Nestlé S.A. Flavouring compositions
GB0319463D0 (en) * 2003-08-20 2003-09-17 Givaudan Sa Compounds

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012029615A (ja) 2012-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012029616A (ja) 風味増強剤
US20200290952A1 (en) In or Relating to Organic Compounds
KR102068375B1 (ko) 향미 프로파일 식용 조성물의 개선을 위한 n-아실-아미노산 유도체
JP4308316B2 (ja) 飲食品の塩味様呈味増強方法及び塩味様呈味増強剤
BR112014023941B1 (pt) Composição flavorizante em pó, bem como composições comestíveis de petisco e refresco em pó compreendendo a mesma
JP2009044978A (ja) 食品の甘味及びコク味増強方法、食品の製造方法、食品、及び調味料組成物
US9894921B2 (en) Use of cinnamic acid derivatives containing nitrogen as flavouring agents
JP7367747B2 (ja) コク味付与機能を有する組成物
JP5761939B2 (ja) 風味増強剤
JP2007111046A (ja) 調味料素材及びその製造方法
WO2010072101A1 (zh) 含有啤酒酵母抽提物的调味品及其生产方法
TWI690273B (zh) 包括阿洛酮糖之反應香料及其製備方法
AU2005318566B2 (en) Flavour enhancer
JP2001314168A (ja) 調味用組成物
US20170042196A1 (en) Use of umami compounds to enhance saltiness
JP5446695B2 (ja) 乳味増強作用を有する食品素材、その製造方法、および食品または調味剤の乳味増強方法
JP2744595B2 (ja) 飲食品の香味増強・改善剤及び飲食品の香味増強もしくは改善方法
JP2004350554A (ja) 調味料組成物および飲食品の製造方法
CN105636459A (zh) 有机化合物
JP7031120B2 (ja) コク味を付与するための組成物
CN105658089B (zh) 有机化合物
JP6772511B2 (ja) コク味付与機能を有する組成物
WO2009119892A1 (ja) 加熱調理感を付与する調味料組成物
JP2021101654A (ja) シーズニング風味増強剤、及びそれを含有するシーズニング
JP2017184732A (ja) コク味付与機能を有する組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130702

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140320

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140602

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150403

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20150413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150403

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150512

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5761939

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees