JP5761519B2 - ホスホン酸金属塩の製造方法及びホスホン酸金属塩を含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

ホスホン酸金属塩の製造方法及びホスホン酸金属塩を含む熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、フェニルホスホン酸金属塩の製造方法及び該製造方法により生成されたフェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物、並びに該フェニルホスホン酸金属塩組成物を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
熱可塑性樹脂、中でも生分解性ポリエステル樹脂であるポリ乳酸樹脂は、容器、フィルムなどの包装材料、衣料、フロアマット、自動車用内装材などの繊維材料、電気、電子製品の筐体や部品などの成形材料用として期待されている。またポリオレフィン樹脂は、生活資材、自動車内外装部品等の各種工業部品等に幅広く使用されており、特に、バンパー、インストルメントパネル、ドアトリム、ピラー等の自動車内外装部品としてその使用範囲を拡大してきている
こうしたポリ乳酸樹脂やポリオレフィン樹脂をはじめとする熱可塑性樹脂の成形加工性や耐熱性を改善するにあたり、該樹脂の結晶化速度及び結晶化度を高める試みがなされており、その方法の一つとして、例えば結晶核剤を添加する方法が知られている。結晶核剤とは、結晶性高分子の一次結晶核となり結晶成長を促進し、その結果、結晶サイズを微細化すると共に、結晶化速度を高める働きをする。
例えばポリ乳酸樹脂の結晶核剤として、特定粒径以下のタルク及び/又は窒化ホウ素からなる無機粒子(特許文献1)、特定の式で表されるアミド化合物(特許文献2)、特定の式で表されるソルビトール誘導体(特許文献3)、リン酸エステル金属塩及び塩基性無機アルミニウム化合物(特許文献4)、特定式で示されるリン化合物の金属塩(フェニルホスホン酸金属塩など)(特許文献5)などが開示されている。
またブロック共重合ポリ(エーテルエステル)の結晶核剤として、ホスホン酸、亜ホスホン酸などの金属塩が有効であることが知られている(特許文献6)。
さらにポリオレフィン用の結晶核剤として、例えば、安息香酸ナトリウム、4−tert−ブチル安息香酸アルミニウム、アジピン酸ナトリウム、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸ナトリウム等のカルボン酸金属塩;ナトリウムビス(4−tert−ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等のリン酸エステル金属塩;ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトールなどの多価アルコール誘導体等;芳香族ホスホン酸、芳香族亜ホスホン酸等の金属塩(特許文献7)などが提案されている。
上述したように結晶核剤を用いた方法は、結晶化速度を速くし結晶化度を高めることが可能であるとして有用であるが、近年より高い成形加工性や耐熱性を実現し、幅広い用途で樹脂組成物を利用するために、さらに有効な結晶核剤の開発が望まれている。
また上記結晶核剤の中でも優れた性能を有するとされているリン化合物の金属塩(例えばフェニルホスホン酸金属塩)を採用した場合に、環境負荷を低減させるため、結晶核剤中に含まれる有機成分含量(すなわちフェニルホスホン酸の含有量)を下げることも望まれている。
従って本発明の目的は、ポリ乳酸樹脂やポリオレフィン樹脂をはじめとする熱可塑性樹脂の結晶化を促進するのに好適な結晶核剤、特に環境負荷の高い石油由来の有機成分を低減した結晶核剤として好適であるフェニルホスホン酸金属塩の製造方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は上記製造方法によって生成されたフェニルホスホン酸金属塩を含む組成物、該フェニルホスホン酸金属塩組成物よりなる結晶核剤、並びに、該フェニルホスホン酸金属塩組成物と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の課題を解決する為に鋭意検討を進めた結果、結晶核剤として有用なフェニルホスホン酸金属塩の製造にあたり、フェニルホスホン酸化合物とその当量を超える量の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(以下、これらを総称して金属源化合物ともいう)とを反応させることにより、得られる(析出する)金属塩の形状を従来の製造法によって得られる形状よりも小さくでき、結晶核剤として活性をより高め得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、第1観点として、式[1]
(式中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基又は炭素原子数1乃至10のアルコキシカルボニル基を表す。)で表されるフェニルホスホン酸化合物(a)と、その当量を超える量の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)とを反応させることを特徴とする、フェニルホスホン酸金属塩の製造方法に関する。
第2観点として、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)に対し難溶性である溶媒中で前記フェニルホスホン酸化合物(a)と前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)とを反応させることを特徴とする、第1観点に記載の製造方法に関する。
第3観点として、反応原料の前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)とフェニルホスホン酸化合物(a)をモル比で100:0.01乃至100:90にて反応させることを特徴とする、第1観点又は第2観点に記載の製造方法に関する。
第4観点として、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)の金属種が亜鉛、カルシウム又はマンガンである、第1観点乃至第3観点のうち何れか一項に記載の製造方法に関する。
第5観点として、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)の金属種が亜鉛又はカルシウムである、第4観点に記載の製造方法に関する。
第6観点として、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)が酸化亜鉛又は炭酸カルシウムである、第5観点に記載の製造方法に関する。
第7観点として、第1観点乃至第6観点のうち何れか一項に記載の製造方法により生成されたフェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物に関する。
第8観点として、前記フェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物における金属種が亜鉛である、第7観点に記載のフェニルホスホン酸金属塩組成物に関する。
第9観点として、前記フェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は
余剰金属水酸化物における金属種がカルシウムである、第7観点に記載のフェニルホスホン酸金属塩組成物に関する。
第10観点として、第7観点乃至第9観点のうち何れか一項に記載のフェニルホスホン酸金属塩組成物からなる結晶核剤に関する。
第11観点として、第7観点乃至第9観点のうち何れか一項に記載のフェニルホスホン酸金属塩組成物及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物に関する。
第12観点として、前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、第7観点乃至第9観点のうち何れか一項に記載のフェニルホスホン酸金属塩組成物を0.01乃至10質量部含む、第11観点に記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
第13観点として、前記熱可塑性樹脂がポリ乳酸樹脂である、第11観点又は第12観点に記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
第14観点として、前記フェニルホスホン酸金属塩組成物が第8観点に記載のフェニルホスホン酸金属塩組成物である、第13観点に記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
第15観点として、前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリブチレン及びポリ(4−メチル−1−ペンテン)からなる群から選択される、第11観点又は第12観点に記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
第16観点として、前記フェニルホスホン酸金属塩組成物が第9観点に記載のフェニルホスホン酸金属塩組成物である、第15観点に記載の熱可塑性樹脂組成物に関する。
就中、本発明の最も好適な態様は、式[1]
(式中、R 及びR は、夫々独立して、水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基又は炭素原子数1乃至10のアルコキシカルボニル基を表す。)で表されるフェニルホスホン酸化合物(a)を、その当量を超える量の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)と反応させ、これにより生じたフェニルホスホン酸金属塩の粒子が、該反応により余剰となった原料の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物の粒子群の中に分散しているフェニルホスホン酸金属塩組成物の製造方法であって、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)の金属種が亜鉛又はカルシウムである、製造方法である。
そして、前記フェニルホスホン酸金属塩組成物の製造方法において、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)に対し難溶性である溶媒中で前記フェニルホスホン酸化合物(a)を前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)と反応させ、次いで前記溶媒を除去する態様が望ましい。
本発明によれば、フェニルホスホン酸化合物と、該化合物の当量を超える量の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物とを反応させることにより、特に、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物に対し難溶性である溶媒中で上記反応をなすことにより、得られる(析出する)フェニルホスホン酸金属塩の形状を、フェニルホスホン酸化合物とその当量の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物とを反応させる従来の製造法によって得られる形状よりも、著しくより微小な形状とすることができ、結晶核剤として活性を格段に向上させることができる。
すなわち、本発明の製造方法は、さらなる粉砕等の工程を必要とすることなく、従来の製造方法に従うよりも格段により微小な形状を有するフェニルホスホン酸金属塩を製造できる。なお、従来の製造方法に比べより微小な形状で得られる理由については定かではないが、例えば、媒体中の金属源化合物粒子の表面付近又はそれ以外で生成したフェニルホスホン酸金属塩が、金属源化合物粒子の表面で結晶化し、その一部又は全部が剥がれ落ちることで、より微小な形状で得られると考えられる。
そして本発明の製造方法によって生成されたフェニルホスホン酸金属塩は、通常の製造方法で得られるフェニルホスホン酸金属塩と比べて微小な形状を有するものとなる。このため、該金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物を、ポリ乳酸樹脂等のポリエステル樹脂や結晶性のポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂の製造時に結晶核剤として用いると、これら樹脂の結晶化促進効果を向上でき、ひいては、耐熱性、成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することができる。
図1は合成例4で製造したフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛(モル比:PPA−Zn/ZnO=10/90)の白色粉末の走査型顕微鏡(SEM)像を示す図である。 図2は比較合成例1で製造したフェニルホスホン酸亜鉛の白色粉末の走査型顕微鏡(SEM)像を示す図である。 図3は合成例12で製造したフェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウム(モル比:PPA−Ca/CaCO3=10/90)の白色粉末の走査型顕微鏡(SEM)像を示す図である。 図4は比較合成例2で製造したフェニルホスホン酸カルシウムの白色粉末の走査型顕微鏡(SEM)像を示す図である。
本発明のフェニルホスホン酸金属塩の製造方法は、フェニルホスホン酸化合物と、該化合物の当量を超える量の金属源化合物(金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物)とを反応させること、特に、前記金属源化合物に対し難溶性である溶媒中で上記反応をなすことを特徴とする。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の製造方法で使用するフェニルホスホン酸化合物は、下記一般式[1]で表される化合物である。
上記式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物において、式中のR1及びR2は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素原子数1乃至10のアルキル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素原子数1乃至10のアルコキシカルボニル基である。R1及びR2は同一でも又は相異なっていてもよい。
上記式[1]で表されるフェニルホスホン酸化合物の具体例としては、フェニルホスホン酸、4−メチルフェニルホスホン酸、4−エチルフェニルホスホン酸、4−n−プロピルフェニルホスホン酸、4−イソプロピルフェニルホスホン酸、4−n−ブチルフェニルホスホン酸、4−イソブチルフェニルホスホン酸、4−tert−ブチルフェニルホスホン酸、3,5−ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、3,5−ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸、2,5−ジメトキシカルボニルフェニルホスホン酸、2,5−ジエトキシカルボニルフェニルホスホン酸等が挙げられる。
これら化合物は市販品をそのまま好適に使用できる。
また、本発明の製造方法で用いられる金属塩としては特に限定されず、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、炭酸塩、酢酸塩等を使用できる。
金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物で使用される金属としては、1価、2価及び3価の金属を使用することが出来る。該金属においてこれらの金属は、2種以上の金属を混合して使用することもできる。金属種の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛等が挙げられる。中でも金属種として、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、マンガン、鉄、コバルト、銅及び亜鉛が好ましく、特に亜鉛又はカルシウムであることが好ましく、具体的には酸化亜鉛又は炭酸カルシウムであることが好ましい。
これら金属源化合物、すなわち、金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物もまた、市販品をそのまま好適に使用できる。
前記フェニルホスホン酸化合物と前記金属源化合物との反応は、適当な媒体中で、該フェニルホスホン酸化合物の当量を超える量の該金属源化合物を用いて実施される。
ここで用いられる媒体としては特に限定されないが、反応効率の面から原料であるフェニルホスホン酸化合物が可溶であることが好ましい。また、最終的な生成物を回収することを考慮すると、原料となる金属源化合物、及びフェニルホスホン酸金属塩が難溶である溶媒が好ましい。
このような溶媒としては、例えば水;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;アセトニトリルなどのニトリル類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどのアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類等を挙げることができる。これら溶媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも水、アルコール類が好ましく、取扱いの容易さや経済性を考慮すると水を使用することがより好ましい。
上記反応において、前記媒体の総仕込み量は、前記フェニルホスホン酸化合物(a)及び前記金属源化合物(b)の総仕込み質量に対し、0.001乃至1,000倍量であることが好ましい。媒体の総仕込み量の下限としてより好ましくは、前記フェニルホスホン酸化合物(a)及び前記金属源化合物(b)の総仕込み質量に対し0.002倍量であり、特に好ましくは0.01倍量である。また、媒体の総仕込み量の上限としてより好ましくは、前記フェニルホスホン酸化合物(a)及び前記金属源化合物(b)の総仕込み質量に対し200倍量であり、特に好ましくは100倍量であり、さらに好ましくは50倍量である。
なお、媒体を使用せずに、前記フェニルホスホン酸化合物(a)及び前記金属源化合物(b)を混合することも可能であるが、その場合、反応の進行が極端に遅くなり工業的に不利となる。一方、使用する媒体量が多すぎる場合には容積効率が悪くなり、やはり工業的に不利となる。
上記反応において、前記フェニルホスホン酸化合物と前記金属源化合物の仕込み量は、モル比で、前記金属源化合物(b):フェニルホスホン酸化合物(a)=100:0.01乃至100:90であることが好ましい。フェニルホスホン酸化合物(a)の仕込み量の上限としてより好ましくは、モル比で、前記金属源化合物(b):フェニルホスホン酸化合物(a)=100:80であり、特に好ましくは(b):(a)=100:70である。また、フェニルホスホン酸化合物(a)の仕込み量の下限としてより好ましくは、モル比で、前記金属源化合物(b):フェニルホスホン酸化合物(a)=100:0.1であり、特に好ましくは(b):(a)=100:1であり、最も好ましくは(b):(a)=100:2である。
上記反応の実際の手順としては、例えば原料となる上記金属源化合物を含むスラリーに前記フェニルホスホン酸化合物の溶液を添加する方法、上記金属源化合物に前記フェニルホスホン酸化合物の溶液を添加する方法、上記金属源化合物及び前記フェニルホスホン酸化合物の混合物に溶媒を添加する方法、などによって行われる。ここでスラリー又はフェニルホスホン酸化合物の溶液に使用する溶媒、及び添加する溶媒としては前出の媒体が挙げられる。
また、反応装置としては、撹拌翼を装備した反応槽の他、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサーなどの各種混合機、ボールミル、ビーズミル、アルティマイザーなどの各種粉砕機等、反応系を十分に流動させられる装置であれば特に限定されず使用することができる。中でも粉体の混合能力に優れ、かつ混合、加熱等が同時又は順次に行える混合機、例えばヘンシェルミキサーやレーディゲミキサー等を使用した場合、反応に使用する媒体量を大幅に削減することが可能となり、容積効率の向上が図れるだけでなく、反応及び後述の乾燥を同一装置で行え、工業的に有利となる。
生成するフェニルホスホン酸金属塩が、余剰となった原料の金属源化合物に均一に分散した粉末を得るためには、前記スラリー、前記金属源化合物又は前記混合物を撹拌翼などで撹拌しながら、前記溶液又は前記溶媒を滴下又は一括で添加するのが好ましい。
なお、このときの反応温度は、生成されるフェニルホスホン酸金属塩の大きさに影響を及ぼし得る。すなわち、反応温度が高温になるほど、析出したフェニルホスホン酸金属塩の溶解度が高まることとなり、これは再結晶時のサイズの増大につながる。従って、微小な形状のフェニルホスホン酸金属塩を得る本発明の目的の達成のためには、上記反応の温度は30℃以下に保つことが望ましい。
上記反応終了後、媒体を濾過もしくは留去した後、乾燥することにより、フェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物(以下、余剰金属源化合物ともいう)を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物を得ることができる。なおここで前記フェニルホスホン酸金属塩組成物は、いわば原料となる金属源化合物の粒子群の中にフェニルホスホン酸金属塩の粒子が分散した形状、すなわちフェニルホスホン酸金属塩が分散した金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物の結晶性粉末の形状を有し得、また、金属源化合物粒子の表面の全部又は一部にフェニルホスホン酸金属塩が付着した複合物も含まれ得る。
このときの乾燥温度としては、媒体の種類によって適宜選択でき、また、減圧条件を適用してもよい。
媒体として水を用いた場合、乾燥温度は常圧では100乃至500℃であることが好ましく、より好ましくは120乃至200℃である。100℃より低い温度では結晶水を除去しきれず、フェニルホスホン酸金属塩の一水和物の形態をとり、加水分解を嫌う樹脂(例えばポリエステル樹脂等)の結晶核剤としては適さないことから好ましくない。また500℃より高い温度では、フェニルホスホン酸金属塩の分解を誘発する虞がある。
上述の製造方法を経て得られる本発明のフェニルホスホン酸金属塩は、非常に微小な形状を有する。例えばフェニルホスホン酸亜鉛の場合には微小な粒状の形状を有し、その平均粒径は0.05乃至1μmであり、好ましくは0.05乃至0.5μmである。また、フェニルホスホン酸カルシウムの場合には微小な針状の形状を有し、その平均太さは0.05乃至1μmであり、好ましくは0.05乃至0.5μmである。
なお、このようにして得られたフェニルホスホン酸金属塩が分散した金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物は、必要に応じて、ホモミキサー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサーなどの剪断力を有する混合機や、ボールミル、ピンディスクミル、パルベライザー、イノマイザー、カウンタージェットミルなどの粉砕機を用いて、さらに微小の形状とすることができる。また水、水と混合可能な有機溶媒及びこれらの混合溶液を用いたボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー、アトライター、アルティマイザーなどの湿式粉砕機でもさらに微小な形状にすることができる。
さらに本発明は前記製造方法により生成されたフェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物からなる結晶核剤にも関する。
また本発明は、前記製造方法により生成されたフェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物と、熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂組成物にも関する。
上記熱可塑性樹脂としては汎用の熱可塑性樹脂、汎用の熱可塑性エンジニアリングプラスチック、ポリ乳酸樹脂をはじめとする生分解性樹脂等を挙げることができる。
汎用の熱可塑性樹脂の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンコポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリプロピレンコポリマー、ポリブチレン(PB)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)などのポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)、高衝撃性ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)などのポリスチレン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
汎用のエンジニアリングプラスチックの例としては、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。
上記ポリ乳酸樹脂には、ポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーを含む。ポリ乳酸樹脂がコポリマーの場合、コポリマーの配列様式はランダムコポリマー、交互コポリマー、ブロックコポリマー、グラフトコポリマーのいずれであっても良い。また、ポリ乳酸のホモポリマー又はコポリマーを主体とした、他樹脂とのブレンドポリマーであっても良い。他樹脂とは、後述するポリ乳酸樹脂以外の生分解性樹脂、前出の汎用の熱可塑性樹脂、汎用の熱可塑性エンジニアリングプラスチックなどが挙げられる。
ポリ乳酸樹脂としては特に限定されるものではないが、例えばラクチドを開環重合させたものや、乳酸のD体、L体、ラセミ体などを直接重縮合させたものが挙げられる。ポリ乳酸樹脂の数平均分子量は、一般に10,000から500,000程度である。またポリ乳酸樹脂を熱、光、放射線などを利用して架橋剤で架橋させたものも使用できる。
またポリ乳酸樹脂以外の生分解性樹脂の例としては、ポリ−3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸と3−ヒドロキシヘキサン酸との共重合体などのポリヒドロキシアルカン酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリブチレンサクシネート/カーボネート、ポリエチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート/アジペート、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸、変性でんぷん、酢酸セルロース、キチン、キトサン、リグニンなどが挙げられる。
上記熱可塑性樹脂組成物におけるフェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物の添加量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましい。より好ましくは0.02〜5質量部、さらに好ましくは0.03〜2質量部である。前記フェニルホスホン酸金属塩組成物の添加量が0.01質量部未満では熱可塑性樹脂の結晶化速度を十分に高めることが困難になる。また10質量部を超えても結晶化速度の速い熱可塑性樹脂が得られるが、それ以上結晶化速度が速くなるわけではない。
本発明において、熱可塑性樹脂にフェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属源化合物(余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物)を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物を配合する方法は特に制限されることなく、公知の方法によって行うことができる。例えば熱可塑性樹脂とフェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属源化合物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物をそれぞれ各種ミキサーで混合し、単軸あるいはニ軸押出機などを用いて混練すればよい。混練は通常150〜220℃程度の温度で行われる。また、フェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属源化合物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物を高濃度で含有するマスターバッチを生成し、これを熱可塑性樹脂に添加する方法も可能である。また熱可塑性樹脂の重合段階で、フェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属源化合物を含むフェニルホスホン酸金属塩組成物を添加することもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、公知の無機充填剤を使用することができる。例えばガラス繊維、炭素繊維、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、クレー、ウオラストナイト、ガラスビーズ、カラスフレーク、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化チタンなどが挙げられる。これらの無機充填剤の形状は、繊維状、粒状、板状、針状、球状、粉末のいずれでもよい。これらの無機充填剤は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、300質量部以内で使用できる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、公知の難燃剤を使用することができる。例えば臭素系や塩素系などのハロゲン系難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどのアンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム、シリコーン系化合物などの無機系難燃剤、赤リン、リン酸エステル類、ポリリン酸アンモニウム、フォスファゼンなどのリン系難燃剤、メラミン、メラム、メレム、メロン、メラミンシアヌレート、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン・メラム・メレム複塩、アルキルホスホン酸メラミン、フェニルホスホン酸メラミン、硫酸メラミン、メタンスルホン酸メラムなどのメラミン系難燃剤、PTFEなどのフッ素樹脂などが挙げられる。これらの難燃剤は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、200質量部以内で使用できる。
また上記の成分以外に、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、衝撃改良剤、帯電防止剤、顔料、着色剤、離型剤、滑剤、可塑剤、相溶化剤、発泡剤、香料、抗菌抗カビ剤、シラン系、チタン系、アルミニウム系等の各種カップリング剤、その他の各種充填剤、その他の結晶核剤など、一般的な合成樹脂の製造時に通常使用される各種添加剤と併用することができる。
なお本発明の熱可塑性樹脂組成物は、一般の射出成形、ブロー成形、真空成形、圧縮成形などの成形方法を適用することができ、これら成形を経て各種の成形品を容易に得ることができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
[合成例1]
撹拌機を装備した300ml容量の反応フラスコに、酸化亜鉛[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]10.0g(123mmol)と、水90.0gを仕込み、酸化亜鉛の水スラリーを調製した。このスラリーに撹拌下、室温(およそ25℃)で、フェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]13.6g(86mmol)を水77.0gに溶解した水溶液をゆっくりと滴下し、1時間反応させた。その後、スラリーを濾過し、ウェットケーキを水で充分に洗い流した。その後、120℃で12時間以上乾燥することで、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例2乃至8]
フェニルホスホン酸水溶液として、表1に記載の量のフェニルホスホン酸(PPA)及び水を用いて得られたものを使用した以外は、合成例1と同様に合成を行い、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
なお、合成例4で製造したフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末の走査型顕微鏡(SEM:日本電子(株)製、電界放出形走査電子顕微鏡「JSM−7400F」)像を図1に示す。
[比較合成例1]
撹拌機を装備した300ml容量の反応フラスコに、酸化亜鉛[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]10.0g(123mmol)と、水90.0gを仕込み、酸化亜鉛の水スラリーを調製した。このスラリーに撹拌下、室温(およそ25℃)で、フェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]19.4g(123mmol)を水110.0gに溶解した水溶液をゆっくりと滴下し5時間反応させた。その後、スラリーを濾過し、ウェットケーキを水で充分に洗い流した。その後、120℃で12時間以上乾燥することで、フェニルホスホン酸亜鉛の白色粉末を得た。なお、得られたフェニルホスホン酸亜鉛の白色粉末の走査型顕微鏡(SEM:日本電子(株)製、電界放出形走査電子顕微鏡「JSM−7400F」)像を図2に示す。
合成例1乃至8、及び比較合成例1において使用したフェニルホスホン酸(PPA)水溶液及びフェニルホスホン酸/酸化亜鉛の仕込みモル比について表1に示す。
[合成例17]
撹拌機を装備した300ml容量の反応フラスコに、酸化亜鉛[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]10.0g(123mmol)と、50質量%エタノール水90.0gを仕込み、酸化亜鉛のエタノール水スラリーを調製した。このスラリーに撹拌下、室温(およそ25℃)で、フェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]1.9g(12mmol)を50質量%エタノール水11.0gに溶解した溶液をゆっくりと滴下し、1時間反応させた。その後、スラリーを濾過し、ウェットケーキをエタノールで充分に洗い流した。その後、120℃で12時間以上乾燥することで、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例18]
50質量%エタノール水を75質量%エタノール水に変更した以外は合成例17と同様に合成を行い、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例19]
50質量%エタノール水を90質量%エタノール水に変更した以外は合成例17と同様に合成を行い、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例20]
50質量%エタノール水をエタノールに変更した以外は合成例17と同様に合成を行い、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例21]
撹拌機を装備した300ml容量の反応フラスコに、酸化亜鉛[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]10.0g(123mmol)と、50質量%メタノール水90.0gを仕込み、酸化亜鉛のメタノール水スラリーを調製した。このスラリーに撹拌下、室温(およそ25℃)で、フェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]1.9g(12mmol)を50質量%メタノール水11.0gに溶解した溶液をゆっくりと滴下し、1時間反応させた。その後、スラリーを濾過し、ウェットケーキをメタノールで充分に洗い流した。その後、120℃で12時間以上乾燥することで、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例22]
レーディゲミキサー[レーディゲ社製、M−20型(全容量20L)]に、酸化亜鉛粉末[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]5.67kg(70mol)、及びフェニルホスホン酸粉末[日産化学工業(株)製]1.11kg(7mol)を投入した。これらの粉末を混合しているところへ水0.72kgを1分間かけて噴霧し(全混合物中の固形分濃度90質量%)、さらに5分間混合した。その後、装置外層のジャケットに150℃のスチームを流しながら混合を続け90分間乾燥することで、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例23]
レーディゲミキサー[レーディゲ社製、M−20型(全容量20L)]に、酸化亜鉛粉末[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]8.51kg(105mol)を投入した。そこへフェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]1.67kg(10.5mol)を水9.43kgに溶解させた水溶液を加え(全混合物中の固形分濃度52質量%)、これらの混合物を5分間混合した。その後、装置外層のジャケットに150℃のスチームを流しながら混合を続け60分間乾燥し、さらに減圧し70分間乾燥することで、フェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を得た。
[合成例9]
撹拌機を装備した300ml容量の反応フラスコに、炭酸カルシウム[三共製粉(株)製「エスカロン #2300(平均粒径 1.7μm)」]10.0g(100mmol)と、水90.0gを仕込み、炭酸カルシウムの水スラリーを調製した。このスラリーに撹拌下、室温(およそ25℃)で、フェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]11.1g(70mmol)を水62.7gに溶解した水溶液をゆっくりと滴下し1時間反応させた。その後、スラリーを濾過し、ウェットケーキを水で充分に洗い流した。その後、200℃で12時間以上乾燥することで、フェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウムの白色粉末を得た。
[合成例10乃至16]
フェニルホスホン酸水溶液として、表2に記載の量のフェニルホスホン酸(PPA)及び水を用いて得られたものを使用した以外は、合成例9と同様に合成を行い、フェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウムの白色粉末を得た。
なお、合成例12で製造したフェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウムの白色粉末の走査型顕微鏡(SEM:日本電子(株)製、電界放出形走査電子顕微鏡「JSM−7400F」)像を図3に示す。
[比較合成例2]
撹拌機を装備した300ml容量の反応フラスコに、炭酸カルシウム[三共製粉(株)製「エスカロン #2300(平均粒径 1.7μm)」]10.0g(100mmol)と、水90.0gを仕込み、炭酸カルシウムの水スラリーを調製した。このスラリーに撹拌下、室温(およそ25℃)で、フェニルホスホン酸[日産化学工業(株)製]15.8g(100mmol)を水89.5gに溶解した水溶液をゆっくりと滴下し1時間反応させた。その後、スラリーを濾過し、ウェットケーキを水で充分に洗い流した。その後、200℃で12時間以上乾燥することで、フェニルホスホン酸カルシウムの白色粉末を得た。なお、得られたフェニルホスホン酸カルシウムの白色粉末の走査型顕微鏡(SEM:日本電子(株)製、電界放出形走査電子顕微鏡「JSM−7400F」)像を図4に示す。
合成例9乃至16、及び比較合成例2において使用したフェニルホスホン酸(PPA)水溶液及びフェニルホスホン酸/炭酸カルシウムの仕込みモル比について表2に示す。
[実施例1乃至8、30及び31]
ポリ乳酸樹脂[トヨタ自動車(株)製「U’z S−09」]100質量部に対し、クロロホルム1,900質量部を加えて溶解させ、5質量%ポリ乳酸溶液を調製した。この溶液(全量)に対し、核剤として合成例1乃至8、22及び23で得られたフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛を1質量部加え、30分間超音波処理し、3時間撹拌した後、再度30分間超音波処理を施すことで核剤を溶液に分散させた。この溶液をシャーレ上にキャストし、ホットプレート上50℃で溶媒を除去し、核剤が分散されたポリ乳酸フィルムを得た。このサンプルを小片に切り取り、示差走査熱量測定(DSC)[(株)リガク製「ThermoPlus2 DSC8230」]を行った。測定は、10℃/分で200℃まで昇温し、そのまま5分間保持し、その後5℃/分で冷却した。冷却時に観測されるポリ乳酸の結晶化に由来する発熱ピーク頂点の温度から結晶化温度TCを測定した。結果を表3に示す。
[比較例1]
核剤として酸化亜鉛[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]を1質量部用いた以外は実施例1と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表3に示す。
[比較例2]
核剤として比較合成例1で得られたフェニルホスホン酸亜鉛を1質量部用いた以外は実施例1と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表3に示す。
[比較例3]
核剤として比較合成例1で得られたフェニルホスホン酸亜鉛を0.23質量部用いた以外は実施例1と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表3に示す。
[比較例4]
核剤として比較合成例1で得られたフェニルホスホン酸亜鉛0.23質量部と酸化亜鉛[ハクスイテック(株)製 2種(JIS規格)]0.77質量部を混合した粉末を用いた以外は実施例1と同様ポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表3に示す。
[比較例5]
核剤を加えなかったこと以外は実施例1と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表3に示す。
[実施例25乃至29]
核剤として合成例17乃至21で得られたフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛を1質量部用いた以外は実施例1と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表4に示す。
[実施例9乃至実施例16]
ポリ乳酸樹脂[トヨタ自動車(株)製「U'z S−09」]100質量部に対し、クロロホルム1,900質量部を加え溶解させ、5質量%ポリ乳酸溶液を調製した。この溶液(全量)に対し、核剤として合成例9乃至16で得られたフェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウムを1質量部加え、30分間超音波処理し、3時間撹拌した後、再度30分間超音波処理を施すことで核剤を溶液に分散させた。この溶液をシャーレ上にキャストし、ホットプレート上50℃で溶媒を除去し、核剤が分散されたポリ乳酸フィルムを得た。このサンプルを小片に切り取り、示差走査熱量測定(DSC)[パーキンエルマー製「Diamond DSC」]を行った。測定は、10℃/分で200℃まで昇温し、そのまま5分間保持し、その後5℃/分で冷却した。冷却時に観測されるポリ乳酸の結晶化に由来する発熱ピーク頂点の温度から結晶化温度TCを測定した。結果を表5に示す。
[比較例6]
核剤として炭酸カルシウム[三共製粉(株)製「エスカロン #2300(平均粒径 1.7μm)」]を1質量部用いた以外は実施例9と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表5に示す。
[比較例7]
核剤として比較合成例2で得られたフェニルホスホン酸カルシウムを1質量部用いた以外は実施例9と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表5に示す。
[比較例8]
核剤として比較合成例2で得られたフェニルホスホン酸カルシウムを0.18質量部用いた以外は実施例9と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表5に示す。
[比較例9]
核剤として比較合成例2で得られたフェニルホスホン酸カルシウム0.18質量部と炭酸カルシウム[三共製粉(株)製「エスカロン #2300(平均粒径 1.7μm)」]0.82質量部を混合した粉末を用いた以外は実施例9と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表5に示す。
[比較例10]
核剤を加えなかったこと以外は実施例9と同様にポリ乳酸フィルムを得、結晶化温度を測定した。結果を表5に示す。
[実施例17乃至24]
アイソタクチックポリプロピレン[日本ポリプロ(株)製「NOVATEC MA3」]100質量部に対し、核剤として合成例9乃至16で得られたフェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウムを1質量部加え、(株)東洋精機製作所製「ラボプラストミルμ」を用いて185℃で5分間溶融混練することにより、ポリプロピレン樹脂中に核剤を分散させた。このサンプルを小片に切り取り、示差走査熱量測定(DSC)[パーキンエルマー製「Diamond DSC」]を行った。測定は、10℃/分で200℃まで昇温し、そのまま5分間保持し、その後5℃/分で冷却した。冷却時に観測されるポリプロピレンの結晶化に由来する発熱ピーク頂点の温度から結晶化温度TCを測定した。結果を表6に示す。
[比較例11]
核剤として炭酸カルシウム[三共製粉(株)製「エスカロン #2300(平均粒径 1.7μm)」]を1質量部用いた以外は実施例17と同様にポリプロピレンサンプルを得、結晶化温度を測定した。結果を表6に示す。
[比較例12]
核剤として比較合成例2で得られたフェニルホスホン酸カルシウムを1質量部用いた以外は実施例17と同様にポリプロピレンサンプルを得、結晶化温度を測定した。結果を表6に示す。
[比較例13]
核剤として比較合成例2で得られたフェニルホスホン酸カルシウムを0.18質量部用いた以外は実施例17と同様にポリプロピレンサンプルを得、結晶化温度を測定した。結果を表6に示す。
[比較例14]
核剤として比較合成例2で得られたフェニルホスホン酸カルシウム0.18質量部と炭酸カルシウム[三共製粉(株)製「エスカロン #2300(平均粒径 1.7μm)」]0.82質量部を混合した粉末を用いた以外は実施例17と同様にポリプロピレンサンプルを得、結晶化温度を測定した。結果を表6に示す。
[比較例15]
核剤を加えなかったこと以外は実施例17と同様にポリプロピレンサンプルを得、結晶化温度を測定した。結果を表6に示す。
図1及び図2、図3及び図4に示すように、本発明の製造方法によって得られたフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛(図1)並びにフェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウム(図3)は、従来のフェニルホスホン酸化合物とその当量の金属塩又は金属酸化物と反応させて得られたフェニルホスホン酸亜鉛(図2)並びにフェニルホスホン酸カルシウム(図4)と比べて、格段に微小な形状を有することが確認された。
また、表3乃至表6に示す通り、本発明の製造方法によって得られたフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を用いたポリ乳酸フィルム(実施例1乃至8)、フェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウムの白色粉末を用いたポリ乳酸フィルム(実施例9乃至16)、又はポリプロピレンサンプル(実施例17乃至24)は、フェニルホスホン酸亜鉛又はフェニルホスホン酸カルシウムの実質含量で比較すると、各比較例と同量又はそれより少ない含量であっても、比較例と比べて高い結晶化温度を示した。また、合成時の溶媒をエタノール水又はメタノール水として得られたフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を用いたポリ乳酸フィルム(実施例25乃至27、29)も、比較例と比べて高い結晶化温度を示し、溶媒をエタノールとして得られたフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛の白色粉末を用いたポリ乳酸フィルム(実施例28)においても比較例と同程度の結晶化温度を示した。
また、単にフェニルホスホン酸金属塩と金属塩又は金属酸化物を混合した粉末を用いてポリ乳酸フィルム(比較例4又は比較例9)又はポリプロピレンサンプル(比較例14)を製造しても、本発明の製造方法で得られたフェニルホスホン酸金属塩を含む金属塩又は金属酸化物(実施例4、12、20)の結晶化温度には及ばないとする結果が得られた。
すなわち、これら実施例に用いたフェニルホスホン酸亜鉛を含む酸化亜鉛、或いは、フェニルホスホン酸カルシウムを含む炭酸カルシウムは、結晶核剤として従来のフェニルホスホン酸化合物とその当量の金属塩又は金属酸化物と反応させて得られた化合物と比べて優れた性能を持つとする結果が得られた。
以上より、本発明の製造方法は、石油由来の成分(例:フェニルホスホン酸)を低減しながらも生産性の高い結晶核剤を提供することが可能であるとする結果が得られた。
したがって、フェニルホスホン酸金属塩及び余剰金属塩、余剰金属酸化物又は余剰金属水酸化物を含む組成物(フェニルホスホン酸金属塩が分散した金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物)を結晶核剤として添加することにより、熱可塑性樹脂の結晶化速度を高め、耐熱性、成形加工性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することが期待できる。
特開平8−3432号公報 特開平10−87975号公報 特開平10−158369号公報 特開2003−192883号公報 国際公開第2005/97894号パンフレット 特開昭58−108249号公報 特開昭46−21939号公報

Claims (11)

  1. 式[1]
    (式中、R及びRは、夫々独立して、水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基又は炭素原子数1乃至10のアルコキシカルボニル基を表す。)で表されるフェニルホスホン酸化合物(a)、その当量を超える量の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)反応させ、これにより生じたフェニルホスホン酸金属塩の粒子が、該反応により余剰となった原料の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物の粒子群の中に分散しているフェニルホスホン酸金属塩組成物の製造方法であって、前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)の金属種が亜鉛又はカルシウムである、製造方法。
  2. 前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)に対し難溶性である溶媒中で前記フェニルホスホン酸化合物(a)前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)反応させ、次いで前記溶媒を除去する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 反応原料の前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)とフェニルホスホン酸化合物(a)をモル比で100:0.01乃至100:90にて反応させることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物(b)が酸化亜鉛又は炭酸カルシウムである、請求項1乃至請求項3のうち何れか一項に記載の製造方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の製造方法により生成されたフェニルホスホン酸金属塩組成物からなる結晶核剤。
  6. 請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の製造方法により生成されたフェニルホス
    ホン酸金属塩組成物及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性樹脂100質量部に対し、請求項1乃至請求項4のうち何れか一項に記載の製造方法により生成されたフェニルホスホン酸金属塩組成物を0.01乃至10質量部含む、請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記熱可塑性樹脂がポリ乳酸樹脂である、請求項又は請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 前記フェニルホスホン酸金属塩、及び該反応により余剰となった原料の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物における金属種が亜鉛である、請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 前記熱可塑性樹脂がポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー、ポリエチレン、ポリエチレンコポリマー、ポリブチレン及びポリ(4−メチル−1−ペンテン)からなる群から選択される、請求項又は請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  11. 前記フェニルホスホン酸金属塩、及び該反応により余剰となった原料の金属塩、金属酸化物又は金属水酸化物における金属種がカルシウムである、請求項10に記載の熱可塑性樹脂組成物。
JP2011530871A 2009-09-09 2010-09-09 ホスホン酸金属塩の製造方法及びホスホン酸金属塩を含む熱可塑性樹脂組成物 Active JP5761519B2 (ja)

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