JP5761500B2 - タングステン含有アルカリ溶液の精製方法 - Google Patents
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〔2〕二価鉄化合物を加えた後に酸を加えて該溶液のpHを8〜13に調整して生成した沈殿を濾別することによって、二価鉄化合物添加前のタングステン含有アルカリ溶液のバナジウム濃度520mg/Lおよびクロム濃度240mg/Lに対して、濾液のバナジウム濃度140mg/L以下、およびクロム濃度72mg/L以下になる割合でクロムおよびバナジウムを除去する上記[1]に記載するタングステン含有アルカリ溶液の精製方法。
〔3〕二価鉄化合物を加えた後のタングステン含有アルカリ溶液のpHを9〜10.5に調整して生成した沈殿を濾別することによって、二価鉄化合物添加前のタングステン含有アルカリ溶液のバナジウム濃度520mg/Lおよびクロム濃度240mg/Lに対して、濾液のバナジウム濃度80mg/L以下、およびクロム濃度21mg/L以下になる割合でバナジウムおよびクロムを除去する上記[1]に記載するタングステン含有アルカリ溶液の精製方法。
〔4〕タングステン含有アルカリ溶液が、該タングステン酸アルカリ溶液をイオン交換樹脂に通液してタングステン酸イオンを吸着させ、さらに該イオン交換樹脂にアンモニアと塩化アンモニウムの混合液を通液してタングステン酸イオンを溶離させてタングステン酸アンモニウム溶液にするためのものであり、二価鉄化合物として、硫酸第一鉄、酢酸第一鉄、または蟻酸第一鉄を用いる上記[1]〜上記[3]の何れかに記載するタングステン含有アルカリ溶液の精製方法。
本発明の精製方法は、クロムおよびバナジウムを含むタングステン含有アルカリ溶液からクロムおよびバナジウムを除去する精製方法であって、該タングステン含有アルカリ溶液が超硬合金スクラップを酸化焙焼して苛性ソーダによって浸出したタングステン酸ナトリウム溶液、またはタングステン鉱石の製錬処理工程から回収したタングステン酸ナトリウム溶液であり、該タングステン含有アルカリ溶液に、二価鉄化合物を加えた後に酸を加えて該溶液のpHを8〜13に調整してクロムおよびバナジウムを鉄と共に沈殿させ、該沈澱を濾別して、クロムおよびバナジウムを除去することを特徴とするタングステン含有アルカリ溶液の精製方法である。
本発明の精製方法は、例えば、二価鉄化合物添加前のタングステン含有アルカリ溶液のバナジウム濃度520mg/Lおよびクロム濃度240mg/Lに対して、該溶液のpHを8〜13に調整して生成した沈殿を濾別することによって濾液のバナジウム濃度140mg/L以下、およびクロム濃度72mg/L以下になる割合でクロムおよびバナジウムを除去し、あるいは好ましくは、該溶液のpHを9〜10.5に調整して生成した沈殿を濾別することによって濾液のバナジウム濃度80mg/L以下、およびクロム濃度21mg/L以下になる割合でクロムおよびバナジウムを除去する方法である。
本発明の処理対象であるタングステン含有アルカリ溶液は、例えば、超硬合金スクラップを酸化焙焼した後に苛性ソーダによって浸出した溶液、タングステン鉱石の製錬処理工程から回収した溶液などであり、具体的には、タングステン酸ナトリウム溶液(Na2WO4−Na2CO3溶液、Na2WO4-NaOH溶液)などであり、微量のクロムやバナジウムを含む溶液である。
〔実施例1〕
硫酸第一鉄七水塩7gを50mlのイオン交換水に溶解して硫酸第一鉄溶液を調製した。タングステン酸ソーダの苛性ソーダ溶液(W濃度158g/L、V濃度520mg/L、Cr濃度240mg/L)500mlに、上記硫酸第一鉄溶液を添加した。添加後、硫酸にてpH9.8に調整し、4時間攪拌した。生成した澱物を濾別して濾液530mlを得た。反応時の液温は15℃である。この濾液を分析したところ、液中のCr濃度2mg/L、V濃度63mg/Lであった。
実施例1と同様のタングステン酸ソーダの苛性ソーダ溶液を用い、硫酸第一鉄の添加量と硫酸添加後のpHと処理液温度を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様に処理した。この結果を表1に示す。
実施例1と同様のタングステン酸ソーダの苛性ソーダ溶液を用い、硫酸第一鉄に替えて酢酸第一鉄を用いた以外は実施例1と同様に処理し、pH9.8の濾液520mlを得た。この濾液中のCr濃度は4mg/L、V濃度は75mg/Lであった。
硫酸第一鉄水溶液を塩化マグネシウム水溶液に変えた以外は実施例1と同様に処理した。この結果を表1に示した。
実施例1の処理液500ml(V,Crを除去した精製液)を苛性ソーダにてpH13に調整した後に、水を加えて希釈し、液量5Lとした。この希釈液を強塩基性樹脂(商品名:ダイヤイオンSA10A、ダイヤイオンは商標名)400mlを充填したカラムにSV1で12時間通液した。通液後、イオン交換水をSV2で4時間通液した。その後、20g/Lのアンモニアと2M/Lの塩化アンモニウムの混合液をSV2で2時間通液し、タングステン42gを含む溶離液(タングステン酸アンモニウム溶液)1.6Lを得た。この溶離液を加熱濃縮してパラタングステン酸アンモニウム59.3gを得た。このパラタングステン酸アンモニウム中のV濃度およびCr濃度はいずれも5ppm以下であった。
比較例3の処理液500mlを苛性ソーダにてpH13に調整した後に、水を加えて希釈し、液量5Lとした。この希釈液を強塩基性樹脂(商品名:ダイヤイオンSA10A、ダイヤイオンは商標名)400mlを充填したカラムにSV1で12時間通液した。通液後、イオン交換水をSV2で4時間通液した。その後、20g/Lのアンモニアと2M/Lの塩化アンモニウムの混合液をSV2で2時間通液し、タングステン42gを含む溶離液(タングステン酸アンモニウム溶液)1.6Lを得た。この溶離液を加熱濃縮してパラタングステン酸アンモニウム59.2gを得た。このパラタングステン酸アンモニウム中のV濃度は5ppm以下であったが、Cr濃度は150ppmであった。
Claims (4)
- クロムおよびバナジウムを含むタングステン含有アルカリ溶液からクロムおよびバナジウムを除去する精製方法であって、該タングステン含有アルカリ溶液が超硬合金スクラップを酸化焙焼して苛性ソーダによって浸出したタングステン酸ナトリウム溶液、またはタングステン鉱石の製錬処理工程から回収したタングステン酸ナトリウム溶液であり、該タングステン含有アルカリ溶液に、二価鉄化合物を加えた後に酸を加えて該溶液のpHを8〜13に調整してクロムおよびバナジウムを鉄と共に沈殿させ、該沈澱を濾別して、クロムおよびバナジウムを除去することを特徴とするタングステン含有アルカリ溶液の精製方法。
- 二価鉄化合物を加えた後に酸を加えて該溶液のpHを8〜13に調整して生成した沈殿を濾別することによって、二価鉄化合物添加前のタングステン含有アルカリ溶液のバナジウム濃度520mg/Lおよびクロム濃度240mg/Lに対して、濾液のバナジウム濃度140mg/L以下、およびクロム濃度72mg/L以下になる割合でクロムおよびバナジウムを除去する請求項1に記載するタングステン含有アルカリ溶液の精製方法。
- 二価鉄化合物を加えた後のタングステン含有アルカリ溶液のpHを9〜10.5に調整して生成した沈殿を濾別することによって、二価鉄化合物添加前のタングステン含有アルカリ溶液のバナジウム濃度520mg/Lおよびクロム濃度240mg/Lに対して、濾液のバナジウム濃度80mg/L以下、およびクロム濃度21mg/L以下になる割合でバナジウムおよびクロムを除去する請求項1に記載するタングステン含有アルカリ溶液の精製方法。
- タングステン含有アルカリ溶液が、該タングステン酸アルカリ溶液をイオン交換樹脂に通液してタングステン酸イオンを吸着させ、さらに該イオン交換樹脂にアンモニアと塩化アンモニウムの混合液を通液してタングステン酸イオンを溶離させてタングステン酸アンモニウム溶液にするためのものであり、二価鉄化合物として、硫酸第一鉄、酢酸第一鉄、または蟻酸第一鉄を用いる請求項1〜請求項3の何れかに記載するタングステン含有アルカリ溶液の精製方法。
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