JP5761102B2 - 高輝度半導体ナノ粒子集積体 - Google Patents
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[1] 複数の半導体ナノ粒子を集積してなる半導体ナノ粒子集積体と、
該半導体ナノ粒子集積体を被覆するシェル材と
を含み、
前記シェル材が、
前記半導体ナノ粒子集積体を構成するいかなる半導体に対しても、より大きなバンドギャップエネルギーを有し、且つ、
前記半導体ナノ粒子が、蛍光を発する
シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。
前記半導体ナノ粒子を構成するいかなる半導体に対しても、同等またはより大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体からなるマトリクス部分をさらに含有する前記[1]に記載のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。
[4] II−VI族半導体化合物、III−V族半導体化合物およびIV−VI族半導体化合物からなる群から 選択される1種以上の半導体化合物から構成される前記[1]〜[3]のいずれかに記載のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。
〔シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体〕
本発明に係るシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100は、
半導体ナノ粒子110を複数個含有する半導体ナノ粒子集積体101と、
該半導体ナノ粒子集積体101を被覆するシェル材102と
を含む。
・半導体
本発明で用いられる半導体は、良導体と絶縁体との中間の電気的性質を示す物質であり、外部から一定のエネルギーを受けることによって電子が励起し、その後励起状態から基底状態に戻る過程で蛍光発光を生じさせるものであれば特に限定はない。
・半導体ナノ粒子集積体
本発明のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100を構成する半導体ナノ粒子集積体101は、複数の半導体ナノ粒子110を集積してなるものである。具体的には、図1(a)に示すように、複数の半導体ナノ粒子110がシェル材120によって集積した構造を有している。つまり、本発明のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100を構成する半導体ナノ粒子集積体101自体は、図1(b)に示されるような従来の半導体ナノ粒子集積体と同様の構造を有している。
なお、本明細書において、「半導体ナノ粒子集積体」とは、複数の半導体ナノ粒子が相互に接触した状態で集まった集合体を含有してなる粒子のことをいう。
本発明において、半導体ナノ粒子集積体101を構成する半導体ナノ粒子110は、本発明のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100において、外部から与えられたエネルギーを受けて励起し、励起状態から基底状態に戻る過程で蛍光を発する役割を有する。
ここで、半導体ナノ体粒子110の平均粒径は、半導体ナノ粒子集積体101としての粒径がナノサイズ(1〜1000nm)におさまるよう、1〜20nmであることが好ましい。
マトリクス部分
本発明において、半導体ナノ粒子集積体101は、複数個の上記半導体ナノ粒子110がそれ自体で互いに凝集しあうことにより集積されてなる集積体であってもよいが、半導体ナノ粒子集積体101における半導体ナノ粒子110同士の結合をより強固にする上では、複数個の半導体ナノ粒子110がマトリクス部分120を介して互いに結着することにより集積されてなる集積体であることが好ましい。
本発明においては、複数の半導体ナノ粒子110を集積してなる半導体ナノ粒子集積体101は、通常ナノサイズ(1〜1000nm)、好ましくは5〜1000nm、より好ましくは50〜500nmの平均粒径を有する。なお、本明細書において、「平均粒径」というときは、特に別の記載がない限り体積平均粒径を意味する。
・シェル材
本発明のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100を構成するシェル材102は、前記半導体ナノ粒子集積体101を被覆するものである。このシェル材102は、外部から与えられた励起エネルギーを閉じ込めて、半導体ナノ粒子集積体101の内部に送り込む役割を有している。したがって、本発明では、シェル材102が、半導体ナノ粒子集積体101を構成するいかなる半導体に対しても、より大きいバンドギャップを有する材質からなることが好ましい。本発明の好適な態様では、シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100において、バンドギャップが、シェル材102、マトリクス部分120、半導体ナノ粒子110の順に次第に小さくなっている。
半導体ナノ粒子110の全体または内部シェル112を構成する半導体が、MXなる組成を有し(ここで、MはII族、III族またはIV族の元素であり、XはV族またはVI族の元素である。)、
シェル材102を構成する半導体が、前記元素Mとは異なるII族、III族またはIV族の元素M'と前記元素Xを含み、
マトリクス部分120を構成する半導体が、MxM’(1-x)X(ここで、0<x<1)の組成を有する複合半導体からなる
場合について見ると、前記シェル材102を構成する半導体は、M'Xなる組成を有する半導体であってもよいし、あるいは、MyM’(1-y)X(ここで、0<y<x<1)なる組成を有する複合半導体であってもよい。
半導体ナノ粒子110の全体または内部シェル112を構成する半導体がCdSからなり、
シェル材102を構成する半導体が、ZnとSを含み、
マトリクス部分120を構成する半導体が、CdxZn(1-x)S(ここで、0<x<1)の組成を有する複合半導体からなる
場合では、前記シェル材102を構成する半導体は、ZnSであってもよいし、あるいは、CdyZn(1-y)S(ここで、0<y<x<1)なる組成を有する複合半導体であってもよい。
≪シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体の製造方法≫
本発明に係るシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100は、特にその製造方法には制限はないものの、通常、半導体ナノ粒子集積体101を製造してから、シェル材102による被覆を施すことによって得ることができる。半導体ナノ粒子集積体101の製造およびシェル材102による被覆は、いずれも従来公知の手法を用いて行うことができる。
・半導体ナノ粒子集積体101の製造方法
本発明に係るシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100を構成する半導体ナノ粒子集積体101は、従来公知の方法を用いて製造することができる。
液相法
本発明では、半導体ナノ粒子110の製造方法として、液相法を好適に用いることができる。液相法では、半導体ナノ粒子110を構成する各半導体は、対応半導体前駆体を適当な溶媒中で化学反応させることにより得られる。液相法に基づく製造方法としては、沈殿法、共沈法、ゾル−ゲル法、均一沈殿法、還元法などがある。そのほかに、逆ミセル法、超臨界水熱合成法、などもナノ粒子を作製する上で優れた方法である(例えば、特開2002−322468号、特開2005−239775号、特開平10−310770号、特開2000−104058号公報等を参照。)。
また、液相法による反応に際しては、半導体前駆体の反応を界面活性剤の存在下で行う工程を有する態様が好ましい。また、形成した半導体ナノ粒子110(、および、該当する場合には、コア111)が反応過程で不用意に凝集しないよう、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)などの安定剤の存在下で行う工程を有する態様が好ましい。なお、本発明で用いられる半導体前駆体は、上記の半導体材料として用いられる元素を含む化合物であり、たとえば半導体がSiの場合、半導体前駆体としてはSiCl4などが挙げられる。その他半導体前駆体としては、InCl3、P(SiMe3)3、ZnMe2、CdMe2、GeCl4、トリブチルホスフィンセレンなどが挙げられる。
〈還元剤〉
半導体前駆体を還元する還元剤としては、従来周知の種々の還元剤を反応条件に応じて選択し用いることができる。本発明においては、還元力の強さの観点から、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素リチウム(LiBH(sec−C4H9)3)及び水素化トリ(sec−ブチル)ホウ素カリウム、水素化トリエチルホウ素リチウムなどの還元剤が好ましい。特に、還元力の強さから水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)が好ましい。
半導体前駆体の分散用溶媒としては、従来周知の種々の溶媒を使用できるが、エチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、トルエン、デカン、ヘキサンなどの炭化水素類溶媒を使用することが好ましい。本発明においては、特に、トルエン等の疎水性の溶媒が分散用溶媒として好ましい。
界面活性剤としては、従来周知の種々の界面活性剤を使用でき、陰イオン、非イオン、陽イオン、両性界面活性剤が含まれる。なかでも第四級アンモニウム塩系である、テトラブチルアンモニウムクロリド、ブロミド又はヘキサフルオロホスフェート、テトラオクチルアンモニウムブロミド(TOAB)、またはトリブチルヘキサデシルホスホニウムブロミドが好ましい。特に、テトラオクチルアンモニウムブロミドが好ましい。
本発明では、半導体ナノ粒子110の製造方法として、気相法を用いてもよい。気相法による製造方法としては、(1)対向する原料半導体を電極間で発生させた第一の高温プラズマによって蒸発させ、減圧雰囲気中において無電極放電で発生させた第二の高温プラズマ中に通過させる方法(例えば特開平6−279015号公報参照。)、(2)電気化学的エッチングによって、原料半導体からなる陽極からナノ粒子を分離・除去する方法(例えば特表2003−515459号公報参照。)、(3)レーザーアブレーション法(例えば特開2004−356163号参照。)、(4)高速スパッタリング法(例えば特開2004−296781号参照。)などが用いられる。また、原料ガスを低圧状態で気相反応させて、粒子を含む粉末を合成する方法も、好ましく用いられる。
本発明では、上記液相法または気相法などの方法により半導体ナノ粒子110を製造した後に、得られた半導体ナノ粒子110を適当な方法により集積させることにより半導体ナノ粒子集積体101を得ることができる。このとき、複数の半導体ナノ粒子110が相互に接触した状態で集まった集合体を、マトリクス部分120の構築を行うことなくそのまま半導体ナノ粒子集積体101として用いてもよいが、より強固な集積体を得る観点からは、半導体ナノ粒子110を適当な方法によって凝集させて一旦集積体前駆体(複数の半導体ナノ粒子が相互に接触した状態で集まった集合体)とし、これに対して、上記液相法などの方法によってマトリクス部分120の形成を行うことが好ましい。
・シェル材102の製造方法
また、本発明に係るシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100を構成するシェル材102についても、従来公知の方法を用いることができる。ここで、半導体から構成されるシェル材102を製造するにあたっては、上記半導体ナノ粒子集積体101の製造方法と同様の方法を用いることができる。
〔本発明に係るシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体の応用〕
以下において、代表的な応用例について説明する。
本発明のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100は、特にその用途に制限があるわけではないものの、生体物質標識剤の用途に好適に用いることができる。本発明に係る生体物質標識剤は、シェル剤被覆半導体ナノ粒子集積体100が、有機分子を介して分子標識物質と結合した構造を有している。ここで、標的(追跡)物質を有する生細胞もしくは生体に、本発明に係る生体物質標識剤を添加することで、標的物質と結合もしくは吸着し、当該結合体もしくは吸着体に所定の波長の励起光を照射し、当該励起光に応じて蛍光半導体微粒子から発生する所定の波長の蛍光を検出することにより、上記標的(追跡)物質の蛍光動態イメージングを行うことができる。
シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体の親水化処理
上述したシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100表面は、未だ表面処理を行っていない状態では、一般的には、疎水性であるため、例えば生体物質標識剤として使用する場合は、このままでは水分散性が悪く、半導体ナノ粒子集積体が凝集してしまう等の問題がある。そのため、シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体100の表面に親水化処理を行って、親水化半導体ナノ粒子集積体とすることが好ましい。
本発明に係る生体物質標識剤は、上述したように得られた親水化半導体ナノ粒子集積体と、分子標識物質と有機分子を介して結合させて得られる。
本発明に係る生体物質標識剤は分子標識物質が目的とする生体物質と特異的に結合および/または反応することにより、生体物質の標識が可能となる。
本発明に係る生体物質標識剤は、親水化半導体ナノ粒子集積体と、分子標識物質とが有機分子により結合されていることが好ましい。当該有機分子としては半導体ナノ粒子集積体と分子標識物質とを結合できる有機分子であれば特に制限はないが、例えば、タンパク質中でも、アルブミン、ミオグロビンおよびカゼイン等、またタンパク質の一種であるアビジンをビオチンと共に用いることも好適に用いられる。上記結合の態様としては特に限定されず、共有結合、イオン結合、水素結合、配位結合、物理吸着および化学吸着等が挙げられる。結合の安定性から共有結合などの結合力の強い結合が好ましい。
[各種測定方法]
・粒径の測定方法
本願において、コアシェル構造を持つ半導体ナノ粒子及び半導体ナノ粒子集積体の粒径(体積平均粒径)は、動的光散乱法による粒径測定装置(Malvern Instruments社製、Zetasizer Nano S)を用いて、半導体ナノ粒子又は集積体作製直後(凝集前)の粒径分布を測定することにより求めた。なお、平均粒径(体積平均粒径)は、粒径分布のピーク(中心)位置の粒径とした。
また、半導体ナノ粒子集積体、および、シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体に内包される半導体ナノ粒子の計算は以下のようにして行った。
CdSe半導体ナノ粒子1の合成は以下のように行った。
Ar気流下、トリ−n−オクチルホスフィンオキシド(TOPO)7.5gに、ステアリン酸2.9g、n−テトラデシルホスホン酸620mg、及び、酸化カドミウム250mgを加え、370℃に加熱混合した。これを270℃まで放冷させた後、トリブチルフォスフィン2.5mlにセレン200mgを溶解させた溶液を加えることによって、CdSe混合液を得た。そして、このCdSe混合液に貧溶媒であるアセトンを加えて沈殿を生じさせ、上澄みを除去し減圧乾燥したところ、TOPOで被覆されたCdSe半導体ナノ粒子1を得た。
CdSe半導体ナノ粒子集積体2は次のような手順で作製した。
まず、上記調製例1−1で得られたCdSe混合液を放冷し、室温まで冷却した後に貧溶媒であるエタノールをCdSe半導体ナノ粒子1の10倍モル量加えて沈殿を生じさせ、上澄みを除去することでCdSe半導体ナノ粒子集積体前駆体22を得た。次にこのCdSe半導体ナノ粒子集積体前駆体22にオクタデセン2mlを加え、溶媒をオクタデセンに再置換した。その際、CdSe半導体ナノ粒子集積体前駆体22は、個々のCdSe半導体ナノ粒子1に再分散することなく、オクタデセン添加前の形態、粒子径を維持したままであった。このCdSe半導体ナノ粒子集積前駆体22のオクタデセン混合液を窒素雰囲気中で、80℃に加熱し、酢酸カドミウムと酢酸亜鉛とドデカンチオールを、原料CdSe半導体ナノ粒子1の1mgに対して100mgずつ添加し、その後、80℃から230℃に昇温し、30分反応させることでCdSe半導体ナノ粒子集積体2の混合液を得た。
[実施例1:シェル材被覆CdSe半導体ナノ粒子集積体3の合成]
CdSe半導体ナノ粒子集積体2をZnSシェルで被覆してなるシェル材被覆CdSe半導体ナノ粒子集積体の合成を、以下の手順に従って行った。
上記調製例1−1で得られたCdSe半導体ナノ粒子1 150mgに、TOPO15gを加えて加熱し、引き続き270℃でトリオクチルホスフィン10mlに酢酸カドミウム1.1gとトリオクチルホスフィンスルフィド1.1gを溶解した溶液を加えたところ、CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子4の混合液を得た。
CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体5は次のような手順で作製した。まず、上記調製例2−1で得られたCdSe/CdSコア/シェル半導体ナノ粒子4の混合液を放冷し、室温まで冷却した後に貧溶媒であるエタノールをCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子4の10倍モル量加えて沈殿を生じさせ、上澄みを除去することでCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体前駆体55を得た。次にこのCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体前駆体55にオクタデセンを加え、溶媒をオクタデセンに再置換した。その際、CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体前駆体55は、個々のCdSe/ZnSコア/シェル半導体ナノ粒子4に再分散することなく、オクタデセン添加前の形態、粒子径を維持したままであった。このCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積前駆体55のオクタデセン混合液を窒素雰囲気中で、80℃に加熱し、酢酸カドミウムと酢酸亜鉛とドデカンチオールを、原料CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子4の1mgに対して100mgずつ添加し、その後、80℃から230℃に昇温し、30分反応させることでCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体5の混合液を得た。
CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体5をZnSシェルで被覆してなるシェル材被覆CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体6の合成を、以下の手順に従って行った。
比較例として、特開2005−281019号公報記載の実施例1に従い、シリカマトリクス中にCdSe/ZnSコアシェル半導体ナノ粒子10が存在する半導体ナノ粒子集積体13を作製した。
[結果]
以上で得た各種半導体ナノ粒子集積体についての内容と輝度測定の結果をまとめて表1、図1、図2に示す。ここで、上記実施例1で得られたシェル材被覆CdSe半導体ナノ粒子集積体3および上記実施例2で得られたシェル材被覆CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体6は、半導体ナノ粒子集積体101が、ZnSかなるシェル材102によって被覆された構造を有している一方で、上記調製例1−2で得られたCdSe半導体ナノ粒子集積体2および上記調製例2−2で得られたCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体5は、シェル材102による被覆を有さない構造を有している。例えば、シェル材被覆CdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体6およびCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体5は、それぞれ、図1(a)および図1(b)に示すような構造を有している。そして、CdSe半導体ナノ粒子集積体2、およびCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子集積体5は、CdSとZnSとからなるマトリクス部分120によって、上記調製例1で得られたCdSe半導体ナノ粒子1および上記調製例3で得られたCdSe/CdSコアシェル半導体ナノ粒子4を半導体ナノ粒子110としてそれぞれ集積した構造を有している。
まず、半導体ナノ粒子の元素比を、シーケンシャル形高周波プラズマ発光分析装置(ICPS−7500 島津製作所製)を用いて計測した。その後、再シェリングされた半導体ナノ粒子集積体の元素比を上記高周波プラズマ発光分析装置(ICP−AES)で計測することにより、再シェリングに用いられた濃度を計算した。半導体ナノ粒子、再シェリング化合物の密度は既知であるので、上記動的光散乱法で計算した平均粒径と合わせて内包数を見積もった。
101・・・半導体ナノ粒子集積体
102・・・シェル材
110・・・半導体ナノ粒子
111・・・コア
112・・・内部シェル
120・・・マトリクス部分
200・・・従来の半導体ナノ粒子集積体
Claims (5)
- 複数の半導体ナノ粒子を集積してなる半導体ナノ粒子集積体と、
該半導体ナノ粒子集積体を被覆するシェル材と
を含み、
前記シェル材が、
前記半導体ナノ粒子集積体を構成するいかなる半導体に対しても、より大きなバンドギャップエネルギーを有し、且つ、
前記半導体ナノ粒子が、蛍光を発する
シェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。 - 前記半導体ナノ粒子集積体が、
前記半導体ナノ粒子を構成するいかなる半導体に対しても、同等またはより大きなバンドギャップエネルギーを有する半導体からなるマトリクス部分をさらに含有する請求項1に記載のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。 - 前記半導体ナノ粒子が、コア/シェル構造を有する請求項1〜2のいずれかに記載のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。
- II−VI族半導体化合物、III−V族半導体化合物およびIV−VI族半導体化合物からなる群から選択される1種以上の半導体化合物から構成される請求項1〜3のいずれかに記載のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。
- 前記半導体化合物が、CdSe、CdS、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、PbS、PbSe、PbTe、AlN、AlP、AlAs、GaN、GaP、GaP、InN、InP、InAsからなる群から選択される請求項4に記載のシェル材被覆半導体ナノ粒子集積体。
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