JP5760771B2 - 駆動信号生成装置、駆動信号生成方法、及び、流体噴射装置 - Google Patents

駆動信号生成装置、駆動信号生成方法、及び、流体噴射装置 Download PDF

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Description

本発明は、駆動信号生成装置、駆動信号生成方法、及び、流体噴射装置に関する。
流体噴射装置の一例として挙げられるインクジェットプリンター(以下、プリンター)には、素子(例えば、ピエゾ素子)に駆動信号を印加して、素子を駆動することによって、ヘッドからインクを噴射する方式のものがある。
素子を駆動する駆動信号として、台形波形を有する駆動信号が知られている(例えば、特許文献1参照)。台形波形は、単位時間ごとに電圧が変化する傾斜した波形部と、電圧が一定である水平な波形部と、から構成される。
特開2002−59545号公報
各波形部は、単位時間あたりの電圧変化値に対して、その電圧変化を行う時間を対応付けたデジタルデータに基づいて、生成される。しかし、水平な波形部は電圧が一定であるため、波形部の種類によらずに、電圧変化値がゼロに固定される。それにも拘らず、水平な波形部を生成するためのデータも傾斜した波形部を生成するためのデータも同じ構成にしてしまうと、データの容量が不必要に大きくなってしまう。
そこで、本発明では、駆動信号を生成するためのデジタルデータの容量を小さくすることを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、素子を駆動する駆動信号を生成するためのデジタルデータであって、単位時間あたりの電圧変化を示す値に対して、前記電圧変化を行う時間を示す値と、前記電圧変化を行う時間に連続し、且つ、前記電圧変化を行わない時間を示す値と、を対応付けた要素データを有するデジタルデータを、記憶する記憶部と、前記デジタルデータに基づいて、アナログ信号である前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を備えることを特徴とする駆動信号生成装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
プリンターの全体構成ブロック図である。 インクを噴射させるための制御回路を説明する図である。 比較例の駆動信号生成回路を説明する図である。 図4Aは比較例のDACデータを説明する図であり、図4BはDA変換器から出力されるアナログ信号を示す図である。 本実施形態の駆動信号生成回路を説明する図である。 図6Aは本実施形態のDACデータを説明する図であり、図6BはDA変換器から出力されるアナログ信号を示す図である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、素子を駆動する駆動信号を生成するためのデジタルデータであって、単位時間あたりの電圧変化を示す値に対して、前記電圧変化を行う時間を示す値と、前記電圧変化を行う時間に連続し、且つ、前記電圧変化を行わない時間を示す値と、を対応付けた要素データを有するデジタルデータを、記憶する記憶部と、前記デジタルデータに基づいて、アナログ信号である前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を備えることを特徴とする駆動信号生成装置である。
このような駆動信号生成装置によれば、駆動信号を生成するためのデジタルデータの容量を小さくすることができる。
かかる駆動信号生成装置であって、前記駆動信号生成部は、前記電圧変化を行う時間か否かによって、前記デジタルデータに応じた前記電圧変化を示す値と、電圧変化がゼロであることを示す値と、を切り換えて出力する切り換えスイッチと、前記切り換えスイッチから入力された値を前記単位時間ごとに加算する加算器と、前記加算器から入力された値をアナログ信号に変換する変換部と、を備える駆動信号生成装置である。
このような駆動信号生成装置によれば、データ容量の小さいデジタルデータに基づいて、傾斜した波形部と水平な波形部が連続する波形を駆動信号に発生させることができる。
かかる駆動信号生成装置を用いて前記駆動信号を生成することを特徴とする駆動信号生成方法である。
このような駆動信号生成方法によれば、駆動信号を生成するためのデジタルデータの容量を小さくすることができる。
かかる駆動信号生成装置と、前記素子の駆動によって流体を噴射するヘッドと、を備えたことを特徴とする流体噴射装置である。
このような流体噴射装置によれば、駆動信号を生成するためのデジタルデータの容量を小さくすることができる。
===印刷システムについて===
「駆動信号生成装置」は、制御対象となる素子を駆動する駆動信号を生成するものであり、駆動信号生成装置が組み込まれた「流体噴射装置」では、素子の駆動によってヘッドから流体が噴射される。以下、流体噴射装置を「プリンター(インクジェットプリンター)」とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
図1は、プリンター1の全体構成ブロック図であり、図2は、ノズルNzからインクを噴射させるための制御回路を説明する図である。
コンピューター60は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。
プリンター1内のコントローラー10は、プリンター1における全体的な制御を行うためのものである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピューター60との間でデータの送受信を行う。CPU12は、プリンター1の全体的な制御を行うための演算処理装置であり、ユニット制御回路14を介して各ユニットを制御する。メモリー13(RAM,EEPROM,ROM等の記憶素子)は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。また、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、コントローラー10はその検出結果に基づいて各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、用紙、布、フィルム等の被記録媒体を印刷可能な位置に給紙し、所定の搬送方向に搬送するためのものである。
キャリッジユニット30は、インクを噴射するヘッド41を搭載したキャリッジ31を、搬送方向と交差する移動方向に移動するためのものである。
キャリッジユニット30によりヘッド41を移動方向に移動しながらインクを噴射させる動作と、搬送ユニット20により被記録媒体を搬送方向に搬送する動作とが繰り返されることで、2次元の画像が印刷される。ただし、このようなプリンター1に限らず、例えば、固定されたヘッド41の下を被記録媒体が通過し、その際にヘッド41が被記録媒体に向けてインクを噴射するプリンターでもよい。
ヘッドユニット40は、被記録媒体にインクを噴射するためのものであり、ヘッド41とヘッド制御部HCを有する。図2に示すように、ヘッド41の下面では、インク(流体)を噴射する多数のノズルNz(#1〜#180)が搬送方向に並んでいる。ヘッド41には、ノズルNz毎に、ノズルNzに連通し且つインクが充填されたインク室とピエゾ素子(素子)とが設けられている。ピエゾ素子は、駆動信号DRVにおける電圧変化に伴って変形する。ピエゾ素子の変形により、対応するノズルNzのインク室が膨張・収縮し、ノズルNzからインクが噴射される。
駆動信号DRVは、駆動信号生成回路70によって生成される。本実施形態の駆動信号DRVでは、被記録媒体上に定める1画素とノズルNzが対向する期間である「繰り返し周期T」ごとに、第1パルスW1と第2パルスW2が発生する。
ヘッド制御部HCは、印刷データからノズルNz毎に生成された印刷信号prtに基づいて、駆動信号DRVにて発生するパルスW1,W2を選択的にピエゾ素子に印加する。そのために、ヘッド制御部HCには、ノズルNz毎にスイッチswが設けられ、スイッチswには、対応するノズルNzの印刷信号prtと駆動信号DRVが入力される。なお、図2では、搬送方向に並ぶ多数のノズルNz(#1〜#180)に対して共通の駆動信号DRVが用いられている。
スイッチswがパルスを通過させてピエゾ素子にパルスが印加されれば、ノズルNzからインクが噴射され、逆に、スイッチswがパルスを遮断し、ピエゾ素子にパルスが印加されなければ、ノズルNzからインクが噴射されない。
例えば、印刷信号prtが「大ドット形成」を示す場合、スイッチswは駆動信号DRV内の2つのパルスW1,W2をピエゾ素子に印加し、印刷信号prtが「中ドット形成」を示す場合、スイッチswは第1パルスW1をピエゾ素子に印加し、印刷信号prtが「小ドット形成」を示す場合、スイッチswは第2パルスW2をピエゾ素子に印加し、印刷信号prtが「ドットなし」を示す場合、スイッチswは何れのパルスW1,W2もピエゾ素子に印加しない。即ち、ピエゾ素子に印加するパルスを制御することで、ドットサイズに応じたインク量をノズルNzから噴射させることができる。
===駆動信号DRVの生成方法===
本実施形態の駆動信号DRV生成方法を説明する前に、比較例の駆動信号DRV生成方法について説明する。また、駆動信号DRVが有する2つのパルスW1,W2のうち(図2)、「第2パルスW2」を生成する場合を例に挙げて説明する。
図2に示すように、第2パルスW2は、初期電圧V0から最高電圧Vhまで一定の傾きで電圧が上昇する「第1波形部wp1」と、最高電圧Vhを保持する「第2波形部wp2」と、最高電圧Vhから最低電圧Vlまで一定の傾きで電圧が下降する「第3波形部wp3」と、最低電圧Vlを保持する「第4波形部wp4」と、最低電圧Vlから初期電圧V0まで一定の傾きで電圧が上昇する「第5波形部wp5」と、初期電圧V0を保持する「第6波形部wp6」と、から構成される。
<<<駆動信号DRVの生成方法:比較例>>>
図3は、比較例の駆動信号生成回路80を説明する図であり、図4Aは、第2パルスW2を生成するための比較例のDACデータを説明する図であり、図4Bは、DA変換器85から出力され、第2パルスW2の基となるアナログ信号を示す図である。図4Bでは、横軸が時間を示し、縦軸が電圧変化を示す。
<DACデータについて>
駆動信号DRVを生成するためのデジタルデータ、即ち、駆動信号DRVが有する波形(第1パルスW1・第2パルスW2)を規定するためのデジタルデータ(以下、DACデータ)は、メモリー13内の「DACデータRAM131」に記憶されている。
比較例では、図4Aに示すように、第2パルスW2を生成するためのDACデータが7個の要素データel(0)〜el(6)から構成される。ここでは、各要素データelが22ビット(bit)のデータであるとする。よって、第2パルス用DACデータ全体で154ビット(=22ビット×7)のデータとなる。第0要素データel(0)は初期電圧v0を示すデータであり、22ビットデータのうちの上位16ビットデータで初期電圧v0が示される。なお、残りの6ビットデータはダミーデータとする。
第1要素データel(1)から第6要素データel(6)は、第2パルスW2を構成する6個の波形部wp1〜wp6をそれぞれ生成するためのデータである。例えば、第1要素データel(1)の22ビットデータのうちの上位12ビットデータで「単位時間τあたりの電圧変化+Δv1」、即ち、第1波形部wp1の傾きが示される。そして、第1要素データel(1)の下位10ビットデータで「その電圧変化+Δv1で電圧変化を行う単位時間τの数N1」、即ち、単位時間τの繰り返し回数N1が示される。他の要素データel(2)〜el(6)も同様の構成になっている。
<駆動信号生成回路について>
次に、比較例の第2パルス用DACデータ(図4A)に基づいて、第2パルスW2を生成する駆動信号生成回路80について説明する。
比較例の駆動信号生成回路80は、図3に示すように、回数レジスター81(以下、回数Reg)と、回数カウンター82と、電圧レジスター83(以下、電圧Reg)と、加算器84と、デジタルアナログ変換器85(以下、DA変換器)と、電圧増幅器86と、電流増幅器87と、を有する。
また、CPU12が、DACデータRAM131から必要なデータを読み出して駆動信号生成回路80に出力したり、クロック信号(以下、CL信号)やチェンジ信号(以下、CH信号)を駆動信号生成回路80に出力したりする等して、第2パルスW2(駆動信号DRV)を生成するための制御を行う。CL信号は、単位時間τごとにパルスが発生する信号であり、回数カウンター82と電圧Reg83に入力される。CH信号は、参照する要素データelを切り換えるタイミングで(生成する波形部が切り換わるタイミングで)パルスが発生する信号であり、回数Reg81と電圧Reg83に入力される。
回数Reg81は、CH信号のパルスを受けると、次に生成する波形部に対応する要素データelの中の「単位時間τの繰り返し回数を示すデータN(以下、繰り返し回数値N)」を、DACデータRAM131からCPU12を介して取得する。回数Reg81は、取得した繰り返し回数値Nを回数カウンター82に出力する。
回数カウンター82は、CL信号のパルスを受ける毎に、数を1つずつカウントする。カウント回数が回数Reg81からの繰り返し回数値Nに達すると、回数カウンター82は、カウント回数をリセットし、CPU12に信号を出力する。CPU12は、回数カウンター82からの信号を受けると、CH信号にパルスを発生させる。
電圧Reg83は、CH信号のパルスを受けると、次に生成する波形部に対応する要素データelの中の「単位時間τあたりの電圧変化Δvを示すデータ(以下、電圧変化値Δv)」を、DACデータRAM131からCPU12を介して取得する。また、電圧Reg83は、CL信号のパルスを受ける毎に、取得した電圧変化値Δvを加算器84に出力する。
加算器84は、新たなパルス(ここでは第2パルスW2)を生成する際に、第0要素データel(0)の中の「初期電圧v0を示すデータ(以下、初期電圧値v0)」を、DACデータRAM131からCPU12を介して取得する。そして、加算器84は、初期電圧値v0に、単位時間τごとに電圧Reg83から入力される電圧変化値Δvを積算加算し、積算加算した値を単位時間τごとにDA変換器85に出力する。
DA変換器85は、加算器84から入力された値をアナログ信号(電圧信号)に変換する。電圧増幅器86は、DA変換器85から入力されたアナログ信号の電圧を、ピエゾ素子が駆動可能な電圧に増幅する。電流増幅器87は、電圧増幅器86から入力された電圧増幅されたアナログ信号の電流を増幅し、駆動信号DRVとして出力する。なお、電流増幅器87では、NPN型トランジスタとPNP型トランジスタが接続され、NPN型トランジスタのコレクタが電源に接続され、PNP型トランジスタのコレクタが接地に接続された構成となっている。こうして電流増幅器87から出力された駆動信号DRVは、ヘッド制御部HC(図2)に送信され、ノズルNzからインクを噴射するために用いられる。
<第2パルスW2の生成方法について>
以下、第2パルスW2を生成する方法について説明する。
まず、CPU12が、DACデータRAM131の中の第2パルス用DACデータ(図4A)を参照し、第0要素データel(0)の中の初期電圧値v0を加算器84に出力する。なお、加算器84は初期電圧値v0をDA変換器85に出力し、DA変換器85は初期電圧値v0に応じた電圧v0を出力する。DA変換器85から出力された電圧v0は、電圧増幅器86と電流増幅器87により、図2に示す第2パルスW2の初期電圧V0となる。
また、CPU12は、CH信号にパルスを発生させる(時刻t0)。そうすると、回数Reg81は第1要素データel(1)の中の繰り返し回数値「N1(=4回)」を取得し、その繰り返し回数値N1を回数カウンター82に出力する。また、電圧Reg83は第1要素データel(1)の中の電圧変化値「+Δv1」を取得する。
次に、CPU12は、CL信号にパルスを発生させる(時刻t1)。そうすると、回数カウンター82はカウント回数を「1」とする。また、電圧Reg83は、現在保持している電圧変化値「+Δv1」を加算器84に出力する。加算器84は、初期電圧値v0に電圧Reg83からの電圧変化値+Δv1を加算し、加算した値(v0+Δv1)をDA変換器85に出力する。DA変換器85は、加算器84からの値(v0+Δv1)に応じた電圧を出力する。その結果、DA変換器85から出力される電圧(図4B)は、初期電圧v0からΔv1上昇する。
CPU12は、時刻t1以降、単位時間τおきにCL信号にパルスを発生させる。CL信号の次のパルスを受けた電圧Reg83は、再び、電圧変化値「+Δv1」を加算器84に出力する。加算器84は、これまでに積算加算した値(v0+Δv1)に電圧Reg83からの電圧変化値+Δv1を加算し(v0+Δv1×2)、DA変換器85に出力する。その結果、DA変換器85から出力される電圧は更にΔv1上昇し「v0+Δv1×2」となる。また、CL信号の次のパルスを受けた回数カウンター82はカウント回数を「2」とする。
このように、回数カウンター82のカウント数が回数Reg81からの繰り返し回数N1(=4回)に達するまで、DA変換器85から出力される電圧が単位時間τごとにΔv1ずつ上昇する動作が繰り返される。その結果、DA変換器85から出力される電圧は最終的に「v0+Δv1×4(図4Bのvh)」となり、この電圧vhが電圧増幅器86と電流増幅器87により、図2に示す第2パルスW2の最高電圧Vhとなる。こうして、初期電圧V0から最高電圧Vhまで電圧が上昇する第1波形部wp1が生成される。
一方、回数カウンター82は、カウント回数が繰り返し回数N1に達すると、カウント回数をリセットし、CPU12に信号を出力する。そうすると、CPU12は、CL信号の次のパルスを発生させるタイミング(時刻t4)よりも前に(時刻t3で)、CH信号のパルスを発生させる。CH信号のパルスを受けると、第1波形部wp1の次の第2波形部wp2に対応する第2要素データel(2)の中から、回数Reg81は「繰り返し回数値N2(=2回)」を取得し、電圧Reg83は「電圧変化値ゼロ(0)」を取得する。
そして、CL信号の次のパルスが発生すると、電圧Reg83は加算器84に取得した電圧変化値ゼロを出力し、加算器84は、これまでに積算加算した値(v0+Δv1×4=vh)に電圧変化値ゼロ(0)を加算する(vh+0)。従って、加算器84はこれまでと同じ値(vh)をDA変換器85に出力することとなり、DA変換器85から出力される電圧はvhから変化することなく一定に保持される。こうして、最高電圧Vhが保持される第2波形部wp2が生成される。
他の波形部wp3〜wp6も第2パルス用DACデータ(図4A)に基づいて同様に生成され、第2パルスW2が完成する。
<比較例の課題について>
比較例では、駆動信号DRVが有するパルス(例:第2パルスW2)を構成する波形部のうち、単位時間τごとに電圧変化する傾斜した波形部(例:wp1,wp3,wp5)であっても、電圧が一定に保持される水平な波形部(例:wp2,wp4,wp6)であっても、各波形部を生成するためのDACデータ(要素データel)の構成を同じにする。即ち、傾斜した波形部を生成するための要素データelも水平な波形部を生成するための要素データelも、単位時間τあたりの電圧変化値Δvに対して、その電圧変化Δvを行う単位時間τの数Nを対応付けた構成となっている。
所望の形状のパルスを生成するために、傾斜した波形部では、波形部の種類によって、単位時間τあたりの電圧変化値Δv(傾き)を可変にする必要がある。しかし、水平な波形部では、波形部の種類によらずに、単位時間τあたりの電圧変化値(傾き)が必ずゼロに固定される。それにも拘らず、水平な波形部を生成するための要素データelも、傾斜した波形部を生成するための要素データelと同じ構成にしてしまうと、駆動信号DRVを生成するためのDACデータの容量が不必要に大きくなってしまう。
そうすると、DACデータを記憶するメモリー(DACデータRAM131)の容量を大きくしなければならない。また、DACデータRAM131と駆動信号生成回路80との間のデータのやり取りにも時間がかかってしまう。また、特に、印刷画像の画質向上が求められるプリンター1の場合、多階調表現を可能にするために、駆動信号DRVが有するパルスの形状が複雑化したり、パルス数が増えたりしている。そのため、DACデータの容量を小さくすることがより求められる。
そこで、本実施形態では、駆動信号DRVを生成するためのDACデータ(デジタルデータ)の容量を小さくすることを目的とする。
<<<駆動信号DRVの生成方法:本実施形態>>>
図5は、本実施形態の駆動信号生成回路70を説明する図であり、図6Aは、第2パルスW2を生成するための本実施形態のDACデータを説明する図であり、図6Bは、DA変換器75から出力され、第2パルスW2の基となるアナログ信号を示す図である。図6Bでは、横軸が時間を示し、縦軸が電圧変化を示す。
<DACデータについて>
前述の比較例では、傾きが同じである波形部ごとに、各波形部を生成するための要素データelを割り当てている。そのため、6個の波形部wp1〜wp6から構成される第2パルスW2用DACデータ(図4A)は、初期電圧値v0を示す要素データel(0)と6個の要素データel(1)〜el(6)から構成される。
これに対して、本実施形態では、電圧変化する傾斜した波形部と、その波形部の後に続き、且つ、電圧が一定である水平な波形部とを合わせた波形部(以下、合成波形部WU)ごとに、各合成波形部WUを生成するための要素データElを割り当てる。以下の説明のため、第2パルスW2のうち、電圧が上昇する第1波形部wp1と電圧が一定である第2波形部wp2を合わせて「第1合成波形部WU(1)」と呼び、電圧が下降する第3波形部wp3と電圧が一定である第4波形部wp4を合わせて「第2合成波形部WU(2)」と呼び、電圧が上昇する第5波形部wp5と電圧が一定である第6波形部wp6を合わせて「第3合成波形部WU(3)」と呼ぶ。
従って、本実施形態の第2パルス用DACデータ(図6A)は、初期電圧値v0を示す要素データEl(0)と、3個の合成波形部WU(1)〜WU(3)をそれぞれ生成するための3個の要素データEl(1)〜El(3)から構成される。
ここでは、各要素データElが32ビットのデータであるとする。よって、第2パルス用DACデータ全体で128ビット(=32ビット×4)のデータとなる。第0要素データEl(0)では、32ビットデータのうちの上位16ビットデータで初期電圧v0が示される。なお、残りの16ビットデータはダミーデータとする。ただし、これに限らず、例えば、残りの16ビットデータで他のパルスの初期電圧を示すようにしてもよい。即ち、第2パルス用DACデータの一部を他のパルスを生成するためのデータとして利用してもよい。
一方、合成波形部WU(1)〜WU(3)をそれぞれ生成するための要素データEl(1)〜El(3)では、32ビットデータのうちの上位12ビットデータで「単位時間τあたりの電圧変化Δv」が示される。この電圧変化Δvは、合成波形部WUのうちの傾斜した波形部における単位時間τあたりの電圧変化Δvである。例えば、第1合成波形部WU(1)のうちの傾斜した第1波形部wp1では、単位時間τあたりにΔv1だけ電圧が上昇する。従って、第1要素データEl(1)の上位12ビットデータは、電圧変化+Δv1を示すデータとなる。
そして、要素データEl(1)〜El(3)の中位10ビットデータで、「上位12ビットデータの示す電圧変化Δvで電圧変化を行う単位時間τの数(以下、変化回数Nc)」が示される。この変化回数Ncは、合成波形部WUのうちの傾斜した波形部の長さに相当する単位時間τの数である。例えば、第1合成波形部WU(1)のうちの傾斜した第1波形部wp1は、4回の単位時間τに亘って続く。従って、第1要素データEl(1)の中位10ビットデータは、変化回数Nc(1)が4回であることを示すデータとなる。
そして、要素データEl(1)〜El(3)の下位10ビットデータで、「上位12ビットデータの示す電圧変化Δvで電圧変化を行わない単位時間τの数、即ち、現行の電圧を保つ単位時間τの数(以下、非変化回数Nn)」が示される。この非変化回数Nnは、合成波形部WUのうちの水平な波形部の長さに相当する単位時間τの数である。例えば、第1合成波形部WU(1)のうちの水平な第2波形部wp2は、2回の単位時間τに亘って続く。従って、第1要素データEl(1)の下位10ビットデータは、非変化回数Nn(1)が2回であることを示すデータとなる。
前述のように、傾斜した波形部では、波形部の種類によって、単位時間τあたりの電圧変化値Δv(傾き)を可変にする必要があるが、水平な波形部では、波形部の種類によらずに、単位時間τあたりの電圧変化値(傾き)がゼロに固定される。従って、DACデータは、水平な波形部ごとに電圧変化値がゼロであることを示すデータを持つ必要がない。
そこで、本実施形態では、合成波形部WUのうち、傾斜した波形部の単位時間τあたりの電圧変化を示すデータはDACデータに持たせるが、水平な波形部の単位時間τあたりの電圧変化を示すデータはDACデータに持たせない。
つまり、本実施形態のプリンター1(流体噴射装置)では、ピエゾ素子(素子)を駆動する駆動信号DRVを生成するためのDACデータ(デジタルデータ)であって、「単位時間τあたりの電圧変化を示す値Δv」に対して、「その電圧変化Δvを行う時間を示す値(単位時間τの数、変化回数を示すデータNc)」と、「その電圧変化Δvを行う時間に連続し、且つ、その電圧変化Δvを行わない時間を示す値(単位時間τの数、非変化回数を示すデータNn)」と、を対応付けた要素データElを有するDACデータを、DACデータRAM131(記憶部)が記憶する。そして、CPU12及び駆動信号生成回路70(駆動信号生成部)がDACデータに基づいてアナログ信号である駆動信号DRVを生成し、その駆動信号DRVによってピエゾ素子が駆動され、ヘッド41からインクが噴射される。
そのため、本実施形態のDACデータ(図6A)は比較例のDACデータ(図4A)に比べて、データ容量を小さくすることができる。具体的に言えば、比較例の第2パルス用DACデータは全体で154ビットのデータ(=22ビット×7)となるのに対して、本実施形態の第2パルス用DACデータは全体で128ビットのデータ(=32ビット×4)となる。そのため、DACデータを記憶するメモリー(DACデータRAM131)の容量を小さくすることができる。また、DACデータRAM131と駆動信号生成回路70間でのデータのやり取りに要する時間も短縮できる。
<駆動信号生成回路について>
次に、本実施形態の第2パルス用DACデータ(図6A)に基づいて第2パルスW2を生成する駆動信号生成回路70について説明する。なお、比較例の駆動信号生成回路80(図3)と異なる点について主に説明する。
図5に示すように、本実施形態の駆動信号生成回路70は、第1回数レジスター711(以下、第1回数Reg)と、第2回数レジスター712(以下、第2回数Reg)と、第1切換スイッチSWc(1)と、回数カウンター72と、電圧レジスター73(以下、電圧Reg)と、第2切換スイッチSWc(2)と、加算器74と、DA変換器75と、電圧増幅器76と、電流増幅器77と、ゼロレジスター78(以下、ゼロReg)と、を有する。
CPU12は、単位時間τごとにパルスが発生する「クロック信号(以下、CL信号)」を、回数カウンター72と電圧Reg73とゼロReg78に入力し、また、参照する要素データElを切り換えるタイミングで(生成する合成波形部WUが切り換わるタイミングで)パルスが発生する「第1チェンジ信号(以下、CH1信号)」を、第1回数Reg711と第2回数Reg712と電圧Reg73と第1切換スイッチSWc(1)と第2切換スイッチSWc(2)に入力し、また、傾斜した波形部から水平な波形部に切り換わるタイミングでパルスが発生する「第2チェンジ信号(以下、CH2信号)」を、第1回数Reg711と第2回数Reg712と第1切換スイッチSWc(1)と第2切換スイッチSWc(2)に入力する。
第1回数Reg711は、CH1信号のパルスを受けると、次に生成する合成波形部WUに対応する要素データElの中の「変化回数を示すデータNc(以下、変化回数値Nc)」を、DACデータRAM131からCPU12を介して取得し、第1切換スイッチSWc(1)に出力する。同様に、第2回数Reg712は、CH1信号のパルスを受けると、要素データElの中の「非変化回数を示すデータNn(以下、非変化回数値Nn)」を取得し、第1切換スイッチSWc(1)に出力する。また、第1回数Reg711と第2回数Reg712は、CH2信号のパルスを受けると、それぞれが現在保持しているデータNc,Nnを第1切換スイッチSWc(1)に出力する。
第1切換スイッチSWc(1)は、第1回数Reg711及び第2回数Reg712と回数カウンター72の間に設けられており、CH1信号及びCH2信号のパルスを受けると、第1回数Reg711と第2回数Reg712のうちの一方と接続している状態から、他方と接続する状態に切り換わる。
回数カウンター72は、CL信号のパルスを受ける毎に、数を1ずつカウントする。カウント回数が現在保持している回数(変化回数値Nc又は非変化回数値Nn)に達すると、回数カウンター72は、カウント回数をリセットし、CPU12に信号を出力する。CPU12は、回数カウンター72からの信号を受けると、CH1信号又はCH2信号にパルスを発生させる。
電圧Reg73は、CH1信号のパルスを受けると、次に生成する合成波形部WUに対応する要素データElの中の「電圧変化値Δv」を取得する。また、電圧Reg73は、CL信号のパルスを受ける毎に、取得した電圧変化値Δvを第2切換スイッチSWc(2)に出力する。
ゼロReg78は、電圧変化がゼロ(0)であることを示すデータ(以下、電圧変化値ゼロ)を常時保持し、CL信号のパルスを受ける毎に、電圧変化値ゼロを第2切換スイッチSWc(2)に出力する。
第2切換スイッチSWc(2)は、電圧Reg73及びゼロReg78と加算器74の間に設けられており、CH1信号及びCH2信号のパルスを受けると、電圧Reg73とゼロReg78のうちの一方と接続している状態から、他方と接続する状態に切り換わる。
加算器74は、CPU12からの初期電圧値v0に、単位時間τごとに第2切換スイッチSWc(2)から入力される電圧変化値(Δv又はゼロ)を積算加算し、DA変換器75に出力する。その他は、比較例と同様に、DA変換器75が、加算器74から入力された値をアナログ信号(電圧信号)に変換し、電圧増幅器76が、DA変換器75から入力されたアナログ信号の電圧を増幅し、電流増幅器77が、電圧増幅器76から入力されたアナログ信号の電流を増幅して駆動信号DRVとして出力する。
<第2パルス生成W2の生成方法について>
次に、DACデータRAM131、CPU12、及び、駆動信号生成回路70を用いて、駆動信号DRVの第2パルスW2を生成する方法について説明する。
まず、CPU12が、DACデータRAM131の中の第2パルス用DACデータ(図6A)を参照し、第0要素データEl(0)の中の初期電圧値v0を加算器74に出力する。そうすると、DA変換器75から出力される電圧はv0となる。
また、CPU12は、CH1信号にパルスを発生させる(時刻t0)。そうすると、最初に生成する第1合成波形部WU(1)に対応する第1要素データEl(1)の中から、第1回数Reg711は「変化回数値Nc(1)=4回」を取得し、第2回数Reg712は「非変化回数値Nn(1)=2回」を取得する。そして、第1回数Reg711と第2回数Reg712は、それぞれ取得したデータNc(1),Nn(1)を第1切換スイッチSWc(1)に出力する。なお、CH1信号の最初のパルスで、第1切換スイッチSWc(1)は第1回数Reg711と接続する状態になるとする。従って、回数カウンター72には、第1回数Reg711から変化回数値Nc(1)が入力される。
また、電圧Reg73も、CH1信号のパルスを受けると、第1要素データEl(1)の中から電圧変化値+Δv1を取得する。
次に、CPU12は、CL信号にパルスを発生させる(時刻t1)。そうすると、回数カウンター72はカウント回数を「1」とする。また、電圧Reg73は現在保持している電圧変化値+Δv1を第2切換スイッチSWc(2)に出力し、ゼロReg78は電圧変化値ゼロ(0)を第2切換スイッチSWc(2)に出力する。なお、CH1信号の最初のパルス(時刻t0)で、第2切換スイッチSWc(2)は電圧Reg73と接続する状態になるとする。従って、加算器74には、電圧Reg73から電圧変化値+Δv1が入力される。
加算器74は、初期電圧値v0に電圧Reg73からの電圧変化値+Δv1を加算し、加算した値(v0+Δv1)をDA変換器75に出力する。DA変換器75は、加算器74からの値(v0+Δv1)に応じた電圧を出力する。その結果、DA変換器75から出力される電圧(図6B)は、初期電圧v0からΔv1上昇する。
CPU12は、時刻t1以降、単位時間τおきにCL信号にパルスを発生させる。従って、回数カウンター72のカウント回数が変化回数値Nc(1)の示す4回に到達するまで、DA変換器75から出力される電圧は単位時間τごとにΔv1ずつ上昇し、最終的には「v0+Δv1×4(図6Bのvh)」となる。この電圧vhが電圧増幅器76と電流増幅器77により、図2に示す第2パルスW2の最高電圧Vhとなる。こうして、第1合成波形部WU(1)のうちの傾斜した波形部(第1波形部wp1)が生成される。
一方、回数カウンター72は、カウント回数が変化回数値Nc(1)の示す4回達すると、カウント回数をリセットし、CPU12に信号を出力する。そうすると、CPU12は時刻t2にてCH2信号にパルスを発生させる。
CH2信号のパルスを受けると、第1切換スイッチSWc(1)は、第1回数Reg711と接続している状態から第2回数Reg712と接続する状態に切り換わり、第2切換スイッチSWc(2)は、電圧Reg73と接続している状態からゼロReg78と接続する状態に切り換わる。
また、CH2信号のパルスを受けると、第1回数Reg711と第2回数Reg712は、(第1切換スイッチSWc(1)の接続状態が切り換わった後に)それぞれが現在保持しているデータNc(1),Nn(1)を第1切換スイッチSWc(1)に出力する。第1切換スイッチSWc(1)は第2回数Reg712と接続している状態に切り換わったため、回数カウンター72には、第2回数Reg712から非変化回数値Nn(1)が入力される。
そして、CL信号の次のパルスを受けると(時刻t3)、電圧Reg73は現在保持している電圧変化値+Δv1を第2切換スイッチSWc(2)に出力し、ゼロReg78は電圧変化値ゼロを第2切換スイッチSWc(2)に出力する。第2切換スイッチSWc(2)は時刻t2におけるCH2信号のパルスでゼロReg78と接続する状態に切り換わったため、加算器74には、ゼロReg78から電圧変化値ゼロが入力される。
加算器74は、これまでに積算加算した値(v0+Δv1×4=vh)に電圧変化値ゼロ(0)を加算し(vh+0)、加算した値をDA変換器75に出力する。DA変換器75は、これまでと同じ加算器74からの値(vh)に応じた電圧を出力する。その結果、DA変換器75から出力される電圧は、これまでの電圧vhと変わらない。
そして、回数カウンター72のカウント回数が非変化回数値Nn(1)の示す2回に到達するまで、ゼロReg78から加算器74に単位時間τごとに電圧変化値ゼロが入力され、DA変換器75から出力される電圧は一定(vh)に保たれる。こうして、第1合成波形部WU(1)のうちの水平な波形部(第2波形部wp2)が生成される。
また、回数カウンター72は、カウント回数が非変化回数Nc(1)の示す2回に達すると、カウント回数をリセットし、CPU12に信号を出力する。そうすると、CPU12は時刻t4にてCH1信号にパルスを発生させる。
CH1信号のパルスを受けると、第1切換スイッチSWc(1)は第1回数Reg711と接続する状態に切り換わり、第2切換スイッチSWc(2)は電圧Reg73と接続する状態に切り換わる。また、第1合成波形部WU(1)の次の第2合成波形部WU(2)に対応する要素データEl(2)の中から、第1回数Reg711は変化回数値Nc(2)(=4回)を取得し、第2回数Reg712は非変化回数値Nn(2)(=3回)を取得し、電圧Reg73は電圧変化値−Δv3を取得する。これらの値に基づいて、単位時間τごとに電圧がΔv3ずつ下降する傾斜した波形部(wp3)と電圧が変化しない水平な波形部(wp4)から構成される第2合成波形部WU(2)が生成される。
第3合成波形部WU(3)も同様にして生成され、第2パルスW2が完成する。
このように、本実施形態の駆動信号生成回路70では、傾斜した波形部を生成する時間と水平な波形部を生成する時間とが切り換わるタイミング(例えば、図6Bのt2,t4)で、第2切換スイッチSWc(2)の接続状態を切り換える。そのため、傾斜した波形部を生成する際には、傾斜した波形部の電圧変化値Δvを保持する電圧Reg73が加算器74にデータを入力し、水平な波形部を生成する際には、電圧変化値ゼロを保持するゼロReg78が加算器74にデータを入力することができる。
つまり、本実施形態の駆動信号生成回路70では、第2切換スイッチSWc(2)(切り換えスイッチ)が、電圧変化Δvを行う時間か否かによって、DACデータに応じた電圧変化を示す値Δvと電圧変化がゼロであることを示す値とを切り換えて加算器74に出力する。そして、加算器74が第2切換スイッチSWc(2)から入力された値を単位時間τごとに加算し、DA変換器75(変換部)が加算器74から入力された値をアナログ信号に変換する。
そうすることで、傾斜した波形部を生成する時間には単位時間τごとに電圧変化Δvが行われるようにすることができ、水平な波形部を生成する時間には電圧変化Δvが行われないようにすることができる。よって、データ容量の小さい本実施形態のDACデータに基づいて、傾斜した波形部と水平な波形部が連続する波形(パルス)を駆動信号DRVに発生させることができる。
また、本実施形態の駆動信号生成回路70では、傾斜した波形部を生成する時間と水平な波形部を生成する時間とが切り換わるタイミングで、第1切換スイッチSWc(1)の接続状態を切り換える。そのため、傾斜した波形部を生成する際には、傾斜した波形部を生成する単位時間の数(変化回数値Nc)を保持する第1回数Reg711が回数カウンター72にデータNcを入力し、水平な波形部を生成する際には、水平な波形部を生成する単位時間の数(非変化回数値Nn)を保持する第2回数Reg712が回数カウンター72にデータNnを入力することができる。よって、データ容量の小さい本実施形態のDACデータに基づいて、傾斜した波形部の長さに応じた時間分だけ電圧変化Δvが行われるようにすることができ、水平な波形部の長さに応じた時間分だけ電圧変化Δvが行われないようにすることができる。
===変形例===
前述の実施形態では、傾斜した波形部と、その後に続く水平な波形部を生成するためのデータを1つの要素データElとしている。ただし、これに限らず、水平な波形部(例えば図2のwp2)と、その後に続く傾斜した波形部(例えば図2のwp3)を生成するためのデータを1つの要素データとしてもよい。即ち、ある電圧変化値Δvに対して、その電圧変化Δvを行う時間を示す値(単位時間τの数)と、その電圧変化Δvを行う直前の時間であり、その電圧変化Δvを行わない時間を示す値(単位時間τの数)とを、対応付けたデータとしてもよい。
また、前述の実施形態では、傾斜した波形部の傾きが一定であり、その後に水平な波形部が続く駆動信号DRVを例に挙げているが、これに限らない。例えば、傾斜した波形部の傾きが途中で変わる駆動信号DRVもある。この場合、傾斜した波形部のうちの前半の波形部の電圧変化値Δvに対応付ける非変化回数値Nnをゼロとし、後半の波形部の電圧変化値Δvに対応付ける非変化回数値Nnを、その後に続く水平な波形部の長さに応じた回数にするとよい。
また、前述の実施形態では、駆動信号生成装置(DACデータRAM131、CPU12、及び、駆動信号生成回路70)が組み込まれたプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。駆動信号DRVを生成する駆動信号生成装置と、駆動信号DRVによりインクを噴射するヘッド41を備えたプリンター1とを、別体の装置にしてもよい。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、主として流体噴射装置(プリンター)について記載されているが、これに限らず、駆動信号生成装置や駆動信号生成方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
<流体噴射装置>
前述の実施形態では、駆動信号生成装置が組み込まれた流体噴射装置として、インクジェットプリンターを例に挙げているが、これに限らない。例えば、カラーフィルター製造装置、ディスプレイ製造装置、半導体製造装置、及び、DNAチップ製造装置などの流体噴射装置でもよい。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、131 DACデータRAM、
14 ユニット制御回路、20 搬送ユニット、30 キャリッジユニット、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、HC ヘッド制御部、sw スイッチ、50 検出器群、60 コンピューター、70 駆動信号生成回路、
711 第1回数Reg、712 第2回数Reg、
SWc(1) 第1切換スイッチ、SWc(2) 第2切換スイッチ、
72 回数カウンター、73 電圧Reg、74 加算器、75 DA変換器、
76 電圧増幅器、77 電流増幅器、78 ゼロReg
80 比較例の駆動信号生成回路

Claims (4)

  1. 素子を駆動する駆動信号を生成するためのデジタルデータであって、
    単位時間あたりの電圧変化を示す値に対して、前記電圧変化を行う時間を示す値と、前記電圧変化を行う時間に連続し、且つ、前記電圧変化を行わない時間を示す値と、を対応付けた要素データを有するデジタルデータを、記憶する記憶部と、
    前記デジタルデータに基づいて、アナログ信号である前記駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    を備えることを特徴とする駆動信号生成装置。
  2. 請求項1に記載の駆動信号生成装置であって、
    前記駆動信号生成部は、
    前記電圧変化を行う時間か否かによって、前記デジタルデータに応じた前記電圧変化を示す値と、電圧変化がゼロであることを示す値と、を切り換えて出力する切り換えスイッチと、
    前記切り換えスイッチから入力された値を前記単位時間ごとに加算する加算器と、
    前記加算器から入力された値をアナログ信号に変換する変換部と、
    を備える駆動信号生成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の駆動信号生成装置を用いて前記駆動信号を生成することを特徴とする駆動信号生成方法。
  4. 請求項1または請求項2に記載の駆動信号生成装置と、前記素子の駆動によって流体を噴射するヘッドと、を備えたことを特徴とする流体噴射装置。
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