JP5760730B2 - 電子機器及び電波時計 - Google Patents
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Description
時刻情報を含む標準電波を受信するアンテナとしては、例えば、受信感度のよい磁性材料であるアモルファス金属やフェライト等からなるコアに導線を巻回してコイル部を形成したバーアンテナ等が多く用いられている。
また、例えばHIGH/LOWが速い速度で切り替わる信号を扱うような端子部(例えば検査用端子部)や電子部品がアンテナの近傍に配置されると、これらの端子部や電子部品から生ずるノイズの影響を受けてアンテナの感度が劣化してしまう。
このような構成とすれば、金属材料で形成された部材やノイズを発生させる端子部、電子部品等からアンテナをある程度離すことができるため、アンテナの感度劣化を抑えることができる。
他方で、電子部品や端子部等のアンテナへの影響を避けつつ、回路基板における部品等の実装面積を広く確保しようとすると、回路基板の外側にアンテナを配置することとなり、電子機器全体が大型化してしまう。
複数の絶縁層が積層された回路基板と、
長さ方向を持ったコアと、このコアに導線を巻回することにより構成されたコイル部とを有し、前記コアの長さ方向が、前記回路基板の一方の面に略平行になるように前記回路基板の一方の面に配置されたアンテナと、
前記回路基板の他方の面であって、前記アンテナに対応する位置に配置された電子部品又は端子部と、
前記回路基板の面上及び前記回路基板の内部のうち少なくともいずれか一方であって前記アンテナと前記電子部品又は端子部との間に配置されたシールドパターンと、
を備え、
前記シールドパターンは、前記回路基板の内部であっていずれかの前記絶縁層の間に少なくとも1層以上配置されており、
前記シールドパターンの前記アンテナと重なる部分の前記長さ方向の長さは、前記アンテナのコイル部の前記長さ方向の長さより短いことを特徴としている。
本発明に係る電波時計は、
時刻情報を含む標準電波を受信して、時刻を修正する電波時計であって、
複数の絶縁層が積層されて複数の電子部品及び複数の端子部が設けられた回路基板と、
前記標準電波を受信するためのアンテナで、長さ方向を持ったコアとこのコアに導線を巻回することにより構成されたコイル部とを有し、前記コアの長さ方向が、前記回路基板の一方の面に略平行になるように前記回路基板の一方の面に配置されたアンテナと、
を備え、
前記回路基板の他方の面であって、前記アンテナに対応する位置に、前記複数の電子部品のうち少なくとも1つ、又は前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部が配置され、
前記回路基板の面上及び前記回路基板の内部のうち少なくともいずれか一方であって前記アンテナと前記少なくとも1つの電子部品又は前記少なくとも1つの端子部との間にシールドパターンが配置され、
前記シールドパターンは、前記回路基板の内部であっていずれかの前記絶縁層の間に少なくとも1層以上配置されており、
そして、前記シールドパターンの前記アンテナと重なる部分の前記長さ方向の長さは、前記アンテナのコイル部の前記長さ方向の長さより短いことを特徴とする。
本実施形態に係る電波腕時計100は、電気的な駆動により指針(時針、分針等)を回転させて時刻を表示するものである。
この時計ケース1の表面側(視認側、図1における上側)の開口部には、透明なガラス等の材料で形成された風防部材2が防水リング21等を介して表面側の開口部を閉塞するように取り付けられている。
また、時計ケース1の裏面側(図1における下側)の開口部には、裏蓋部材3が防水リング31等を介して裏面側の開口部を閉塞するように取り付けられている。
この文字板4のほぼ中央部には、図示しない貫通孔が設けられており、この貫通孔には時計ムーブメント5の内部機構側から電波腕時計100の表面側(風防ガラス2の設けられている視認側、図1において上側)に向けて指針(時針6a、分針6b等)を支持する軸部材61が挿通されている。軸部材61には、図示しない輪列機構を介して指針駆動モータ(図示せず)に接続されており、指針駆動モータが駆動することにより対応する軸部材61が回転すると、当該軸部材61に支持されている指針が文字板4の外周に沿って設けられている時字を指示し、時刻を表示するようになっている。
また、ハウジング7の下側には、ハウジング7を支持するため押え部材12が設けられている。
図2に示すように、この回路基板8の一方の面である表面側(視認側、図1において上側)には、例えばLSI(大規模集積回路)などの半導体素子やコンデンサ等の各種電子部品81が配置されている。
また、この回路基板8の表面側には、各種の電子部品81等と接続される複数の端子部82(一般的な端子部82a)がパターン形成されている。
コア92は、フェライトやアモルファス等の磁性材料により形成されている。なお、コア92を形成する材料は、フェライトやアモルファスに限定されず、コア92の形状に加工することが可能な磁性材料であれば他の材料も適用可能である。
また、この回路基板8の表面側には、各種の電子部品81等と接続される複数の端子部82(一般的な端子部82a)がパターン形成されている。
さらに、回路基板8における裏面側にあって、アンテナ9に対応する位置の近傍には、アンテナ9が接続される一対の係止用の端子部82bが設けられており、コイル部93から引き出された導線の両端部は、回路基板8の裏面側に引き回されて、この係止用の端子部82bにそれぞれ係止されている。
また、本実施形態では、回路基板8における裏面側にあって、アンテナ9のコイル部93に対応する位置に、検査用の端子部(チェックパッド)82cが配置されている。検査用の端子部は、HIGH/LOWが速い速度で切り替わる信号を扱う端子部であり、アンテナ9の受信感度に影響を及ぼすノイズを発生させるものである。
シールドパターン83は、銅等の金属材料よりなる膜又は箔で形成されたベタパターンである。シールドパターン83を形成する手法は特に限定されず、例えばスクリーン印刷、PVD(Physical Vapor Deposition、物理気相成長)、フォトレジストを用いたフォトリソグラフィ等の手法により形成される。
なお、シールドパターン83と各種端子部82とを同時的に形成してもよい。
本実施形態では、図4に示すように、回路基板8の表裏(すなわち、一方の面の表面と他方の面の表面)に各1層と、回路基板8を構成する各絶縁層80a〜80cの間(内層)にそれぞれ1層のシールドパターン83が設けられている。
なお、本実施形態において、シールドパターン83a〜83dは、いずれもグランド(GND)に直接接続されたベタグランドとなっている。
図3及び図4に示すように、本実施形態では、回路基板8の裏面側であってコイル部93に対応する位置に検査用の端子部82cが配置されており、シールドパターン83aは、回路基板8の表面側であって、この検査用の端子部82cに対応する部分及びその周辺部に設けられたほぼ半円形の遮蔽部を有している。また、回路基板8上には、各種の電子部品81等と接続される端子部82(一般的な端子部82a)が複数形成されており、シールドパターン83aは、これらの端子部82aを避けて配置されている。
なお、シールドパターン83aの形状は図示例に限定されない。
また、図5(C)は、第2層目の絶縁層80bと第2の絶縁層80cとの間に形成されているシールドパターン83(第3層目のシールドパターン83c)の平面図である。
第2層目のシールドパターン83b及び第3層目のシールドパターン83cは、いずれも第1層目のシールドパターン83aの外形形状とほぼ同じ形状となっており、図4に示すように、第1層目のシールドパターン83a〜第3層目のシールドパターン83cは、回路基板8の厚み方向におけるほぼ同じ位置に積層配置されるようになっている。
なお、第2層目のシールドパターン83b及び第3層目のシールドパターン83cの形状は図示例に限定されず、第1層目のシールドパターン83aの外形形状と異なる形状であってもよい。
第4層目のシールドパターン83dは、回路基板8の裏面側であってコイル部93に対応する位置に配置されている検査用の端子部82cを囲むように設けられている。
なお、第4層目のシールドパターン83dの形状は図示例に限定されず、例えば、シールドパターン83a〜83cとほぼ同じ外形形状であってもよい。
この点について、図6及び図7を参照しつつ説明する。
そして、図7によれば、シールドパターン長Lxがアンテナ9のコイル部93の巻き線長Lmを超える付近からQ値の劣化が増大し、シールドパターン長Lxがアンテナ長La近傍となる場合にQ値の劣化が最大となり、それを超えてシールドパターン幅Lxを大きくしてもそれ以上Q値の劣化が起こらないことが示されている。
したがって、シールドパターン長Lxが、コイル部93の巻き線長Lmよりも小さい(狭い)範囲に収まっている場合には、損失によるアンテナ9の感度劣化をほとんど生じさせずにシールドパターン83によるノイズの遮蔽を行うことができる。
本実施形態における電波腕時計100の回路基板8を形成する際には、第1層目の絶縁層80aの表面側に第1層目のシールドパターン83a及びその他の各種回路パターン、端子部82等を形成し、この第1層目の絶縁層80aと第2の絶縁層80bとの間に第2層目のシールドパターン83bを形成し、第2層目の絶縁層80bと第3の絶縁層80cとの間に第3層目のシールドパターン83cを形成する。さらに、第3の絶縁層80cの裏面側に第4層目のシールドパターン83d及び検査用端子部82cその他の端子部82や各種回路パターン等を形成し、絶縁層80aから80cを順次積層する。これにより回路基板8が形成される。
さらに、回路基板8の裏面側の検査用端子部82cに対応する位置に設けられているシールドパターン83aの上にコイル部93が配置されるように、回路基板8の表面側にアンテナ9が接着固定される。また、その他の各種電子部品が回路基板8の表裏に実装される。そして、アンテナ9等が搭載された回路基板8は、ハウジング7に収納され、ハウジング7とともに時計ケース1内に収納される。
そして、受信回路により、このアナログ受信信号について増幅、復調、デコード等の処理が行われ、デジタルの時刻データが取得される。これにより、取得された時刻データに基づいて適宜現在時刻の修正が行われ、正確な時刻が電波腕時計100の指針により表示される。
そして、アンテナ9と電子部品81又は端子部82とを回路基板8の表裏に配置することができることにより、回路基板8において広い実装面積が確保され、実装効率(実装密度)の向上や、電波腕時計100全体の小型化を実現することができる。
また、本実施形態では、回路基板8は複数の絶縁層80a〜80cが積層されて構成されており、回路基板8の内部であって第1層目の絶縁層80aと第2層目の絶縁層80bとの間及び第2層目の絶縁層80bと第3層目の絶縁層80cとの間にもシールドパターン83が配置されている。このため、回路基板8の裏面側に配置されている検査用の端子部82c等から生じるノイズをより確実に遮蔽して、アンテナ9の感度劣化を防ぐことができる。
また、各シールドパターン83は、グランドに接続されているため、ノイズの発生を防ぐことができる。
また、金属製の部材をアンテナ9の近傍に配置する場合でも、コイル部93の長さよりも小さい(狭い)範囲内であれば、ほとんど損失を生じないところ、本実施形態におけるシールドパターン83は、そのアンテナ9の延在方向における長さが、アンテナ9のコイル部93の長さよりも小さい(狭い)範囲に収まるように設けられている。このため、シールドパターン83を配置することによる損失を抑えて、アンテナ9の感度を劣化させずにノイズを遮蔽することができる。
また、このように、コイル部93の長さよりも小さい(狭い)範囲内にシールドパターン83を配置すれば、アンテナ9の配置されている位置の裏面側でもノイズを生じるような電子部品81や端子部82等を配置することができるため、回路基板8上における部品等の実装設計の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態では、回路基板8上であってアナログ式時計の指針を動作させるための輪列機構等からなる時計ムーブメント5が配置されている側にアンテナ9を配置している。このため、時計ムーブメント5と同じかこれよりも高さの低いアンテナ9を用いる限り、アンテナ9を回路基板8上に配置してもそのことにより電波腕時計100全体の厚み方向の寸法が大きくなることはなく、装置を大型化させずに効率よく部品を実装することができる。
例えば電子機器(電波腕時計100等)が表示手段として液晶パネル等で構成された液晶表示部を備えている場合には、液晶パネルの駆動信号が出力される端子部や液晶パネルを点灯させるための電源系と接続される端子部等はHIGH/LOWが速い速度で切り替わる信号を扱うため、アンテナの感度に影響を及ぼすようなノイズを生じやすい。このため、このような端子部等を備える場合には、これらに対応する位置にもノイズを遮蔽するためシールドパターン83を配置することが好ましい。
例えば、回路基板8の表面(すなわち、一方の面)や裏面(すなわち、他方の面)のみにシールドパターン83が設けられていてもよいし、回路基板8を構成する絶縁層80の間にのみシールドパターン83が形成されていてもよい。また、回路基板8が本実施形態のように多層構造である場合には、回路基板8を構成する全ての絶縁層の間にそれぞれシールドパターン83を形成することは必須ではなく、例えば1層目と2層目の間にだけシールドパターン83を形成する等の構成としてもよい。
なお、電子部品81や端子部82から生じるノイズを効果的に遮蔽するためには、シールドパターン83を複数層設けることが好ましい。
図7に示したように、コイル部93の長さに対応する範囲内であればシールドパターン83のような金属材料からなる箔や膜等を配置してもQ値が大きく下がることはない。このため、シールドパターンは、そのアンテナ9の延在方向における長さが、アンテナ9のコイル部93の長さよりも小さい範囲に収まるように設けられていればよく、シールドパターン83をこのような範囲全体に配置してもよい。
また、アンテナ9の受信感度が多少劣化しても許容される場合には、コイル部93の長さに対応する範囲を超えてシールドパターン83を配置してもよい。
また、シールドパターン83a〜83dのうちの一部のみがグランドに接続されていてもよい。
なお、電波腕時計100が液晶パネル等で構成された液晶表示部を備えている場合には、前述のように、液晶パネルの駆動信号が出力される端子部や液晶パネルを点灯させるための電源系と接続される端子部等に対応する位置にもノイズを遮蔽するためシールドパターン83を配置することが好ましい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
回路基板と、
この回路基板の一方の面に配置され、コアとこのコアに導線を巻回することにより構成されたコイル部とを備えてなるアンテナと、
前記回路基板の他方の面であって、前記アンテナに対応する位置に配置された電子部品又は端子部と、
前記回路基板の面上及び前記回路基板の内部のうち少なくともいずれか一方であって前記アンテナと前記電子部品又は端子部との間に配置されたシールドパターンと、
を備えていることを特徴とする電子機器。
<請求項2>
前記回路基板は、複数の絶縁層が積層されて構成されており、
前記シールドパターンは、前記回路基板の内部であっていずれかの前記絶縁層の間に少なくとも1層以上配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
<請求項3>
前記シールドパターンは、グランドに接続されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
<請求項4>
前記シールドパターンは、その前記アンテナの延在方向における長さが、前記アンテナの前記コイル部の長さよりも小さい範囲に収まるように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器。
2 風防部材
4 文字板
6 ハウジング
8 回路基板
9 アンテナ
81 電子部品
82 端子部
83 シールドパターン
92 コア
93 コイル部
100 腕時計
Claims (7)
- 複数の絶縁層が積層された回路基板と、
長さ方向を持ったコアと、このコアに導線を巻回することにより構成されたコイル部とを有し、前記コアの長さ方向が、前記回路基板の一方の面に略平行になるように前記回路基板の一方の面に配置されたアンテナと、
前記回路基板の他方の面であって、前記アンテナに対応する位置に配置された電子部品又は端子部と、
前記回路基板の面上及び前記回路基板の内部のうち少なくともいずれか一方であって前記アンテナと前記電子部品又は端子部との間に配置されたシールドパターンと、
を備え、
前記シールドパターンは、前記回路基板の内部であっていずれかの前記絶縁層の間に少なくとも1層以上配置されており、
前記シールドパターンの前記アンテナと重なる部分の前記長さ方向の長さは、前記アンテナのコイル部の前記長さ方向の長さより短いことを特徴とする電子機器。 - 前記シールドパターンは、グランドに接続されていることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
- 前記回路基板の他方の面に、前記アンテナに対応する位置に端子部が配置され、
前記シールドパターンは、前記他方の面に前記端子部を囲むように設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子機器。 - 前記シールドパターンは、前記回路基板に、回路パターンと同時に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子機器。
- 時刻情報を含む標準電波を受信して、時刻を修正する電波時計であって、
複数の絶縁層が積層されて複数の電子部品及び複数の端子部が設けられ回路基板と、
前記標準電波を受信するためのアンテナで、長さ方向を持ったコアとこのコアに導線を巻回することにより構成されたコイル部とを有し、前記コアの長さ方向が、前記回路基板の一方の面に略平行になるように前記回路基板の一方の面に配置されたアンテナと、
を備え、
前記回路基板の他方の面であって、前記アンテナに対応する位置に、前記複数の電子部品のうち少なくとも1つ、又は前記複数の端子部のうち少なくとも1つの端子部が配置され、
前記回路基板の面上及び前記回路基板の内部のうち少なくともいずれか一方であって前記アンテナと前記少なくとも1つの電子部品又は前記少なくとも1つの端子部との間にシールドパターンが配置され、
前記シールドパターンは、前記回路基板の内部であっていずれかの前記絶縁層の間に少なくとも1層以上配置されており、
そして、前記シールドパターンの前記アンテナと重なる部分の前記長さ方向の長さは、前記アンテナのコイル部の前記長さ方向の長さより短いことを特徴とする電波時計。 - 時刻を表示するための時刻表示部、前記回路基板、前記アンテナを収納する腕に装着可能なケースを有することを特徴とする請求項5に記載の電波時計。
- 複数の絶縁層が積層された回路基板と、
前記回路基板の一方の面に配置されたコイル部を有するアンテナと、
前記回路基板に配置されたシールドパターンと、
を備え、
前記シールドパターンは、前記回路基板の内部であっていずれかの前記絶縁層の間に少なくとも1層以上配置されており、
前記シールドパターンの前記アンテナと重なる部分の長さは、前記アンテナのコイル部の長さより短いことを特徴とする電子機器。
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