JP2009270933A - アンテナ内蔵式電子時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電波修正時計1は、磁性体により形成される長手状の磁性体コア211、および磁性体コア211に巻装されるコイル212を備えるアンテナ21と、アンテナ21を収納するモジュール10と、非導電性素材により形成される文字板14と、を備える。そして、この電波修正時計1における文字板14およびモジュール10の間には、文字板14からモジュール10に向かう時計厚み方向に対して直交する面内を見る平面視において、コイル巻部211Aに重畳するコイル重畳領域104に重ならない位置で、かつリード部211Bに重畳するリード重畳領域105に重なる位置に、文字板14よりも透磁率が大きいアモルファス箔材140が設けられた。
【選択図】図6
Description
また、特許文献2に記載のようにコアにアモルファス薄膜を固定する構成では、時計に衝撃が加わった際に、アモルファス薄膜が破損しやすくなるという問題がある。新たに保持部材を設けるなどの構成を設けることによりアモルファス薄膜の破損防止が可能であるが、このような保持部材を設けると、時計が大型化してしまうという問題がある。
この発明によれば、リード部に近接するリード重畳領域に、文字板よりも透磁率が大きい磁性部材が設けられているため、この磁性部材にて多くの磁束線を集めることができ、これらの磁束線をリード部から磁性体コア内部に導くことができる。したがって、アンテナにおける集磁効果を向上させることができ、受信特性を向上させることができる。この時、コイル重畳領域に磁性部材が設けられていないため、磁性体コアの両端部のリード部に磁束線を効果的に集めることができ、磁性体コアに置ける一方端から他方端に亘る磁路を容易に形成することができる。これにより、アンテナの受信性能をより高めることができる。
また、腕時計などにおいては、一般に外装ケースや裏蓋が金属で形成されていることが多く、この場合、時計の文字板側に配置される非導電性部材の風防ガラスから標準電波などの外部無線情報が進入する。このような時計において、上記のように、文字板およびモジュールの間に磁性部材を設けることで、これら外部無線情報に伴って発生する磁束線を磁性部材にて良好に集めることができ、磁性部材を裏蓋側に設ける場合などに比べてより良好な受信特性を得ることができる。
さらに、時計の構造上、モジュールの裏蓋側には、指針などの時刻表示手段を駆動させるための駆動機構が組み込まれることが多く、モジュールの文字板側には、時計部材が配置されることが少ない。したがって、モジュールおよび文字板の間には、他の時計部材が配置されることが少なく、磁性部材を設けるための十分なスペースを容易に確保することができる。
この発明によれば、磁性部材は地板の文字板に対向する面に設けられる。上述したように、地板および文字板の間には、時計部材が配置されることが少なく、地板の文字板に対向する面に磁性部材を設けるための十分なスペースを設けることができる。したがって、地板の文字板に対向する面に磁性部材を配置するための凹部などを容易に形成することができ、このような凹部に磁性部材を配置することで、地板の文字板に対向する面を平坦面にすることができる。したがって、時計の組立時に、地板に凹凸がないため、地板の文字板に対向する面を文字板に密着させることができ、時計の薄型化にも対応することができる。
さらに、地板に磁性部材を貼り付けることで、アンテナの位置に対応して容易に適切な位置に磁性部材を固定することができ、製造効率を向上させることができる。
また、モジュールに磁性部材を設けることで、ケースにモジュールを組み込む前に、アンテナ同調周波数の測定やアンテナの受信感度の測定を容易に実施することができる。
この発明では、上記発明と同様に、地板および文字板の間には、時計部材が配置されることが少なく、文字板の裏面に十分なスペースを設けることができる。また、文字板の裏面は平坦面であるため、磁性部材の設置が容易に実施できる。さらに、文字板はモジュールに固定した状態でケースに組み込むことが一般的であるため、ケースにモジュールおよび文字板を組み込む前にアンテナ同調周波数の測定やアンテナの受信感度の測定を実施することができる。
ここで、本発明における金属製磁性箔材としては、例えば、コバルト系アモルファス(Co-Fe-Ni-B-Si)などが挙げられる。
アモルファス金属は、文字板が例えば合成樹脂やセラミックなどの低透磁率で構成される場合、この文字板よりもはるかに大きい透磁率を有する。したがって、アモルファス箔材を用いることでより集磁効果を高めることができ、磁性体コアのリード部からアンテナ内に入力される磁束線も増大し、アンテナ特性をより向上させることができる。
この発明によれば、リード重畳領域よりも大きい面積の磁性部材を用いることで、より集磁効果を高めることができ、磁性体コアの一対のリード部間を通過する磁束線の量も増大する。したがって、アンテナの受信感度などのアンテナ特性を向上させることができ、アンテナ特性を良好にできる。
この発明によれば、磁性部材を接着剤などにより形成される接着層を介して容易に固定することができる。また、接着層による固定では、合成樹脂などによる保持構造に比べて、厚み寸法を小さくすることができる。これにより、文字板とモジュールとの間の隙間をより小さくすることができ、アンテナ内蔵式電子時計の薄型化を図ることができる。また、地板に凹部を形成し、この凹部に磁性部材を貼り付け固定する構成では、凹部の深さを小さくでき、地板の形成をより簡単にできるとともに、地板内部における他の時計部品の配置スペースが圧迫されず、時計の薄型化に貢献できる。
この発明によれば、磁性部材を積層させることで、磁性部材の厚み寸法が増大し、より多くの磁束線を集めることができる。したがって、集磁効果の向上により、よりアンテナ特性を向上させることができる。
この発明によれば、地板の文字板に対向する面に設けられる集磁部により磁束線を効率よく集めることができ、この集められた磁束線を連通孔に積層される磁界出力部により、地板のリード部に対向する面に導くことができる。したがって、磁束線をより効率よくリード部に導くことができ、アンテナ特性の更なる向上を図ることができる。
この発明によれば、地板と文字板との間に設けられる日車を駆動させて、日付を表示可能なアンテナ内蔵式電子時計において、地板と文字板との間に磁性部材を設けている。すなわち、日車が設けられる構成では、この日車の厚み寸法だけ文字板と地板との間に所定寸法の隙間が必要となり、この場合、文字板および地板の間の日車が設けられていない部分に、十分なスペースが確保できる。したがって、このスペースに磁性部材を設けることで、スペースを有効活用でき、また、磁性部材を設けるための凹部などを地板に形成する必要もなく、構成を簡単にできる。
以下、本発明に係る第一の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るアンテナ内蔵式電子時計としての電波修正時計の正面図である。
この電波修正時計1は、指針11,12,13と、文字板14と、標準電波を受信するアンテナ21および指針11,12,13の駆動を制御する各種構成が組み込まれたモジュール10(図2参照)と、これらの指針11,12,13、文字板14、モジュール10などを内部に収納する外装ケース100と、を備えている。
ここで、文字板14としては、例えば合成樹脂やセラミックなどの非導電性素材から形成されていることが好ましく、これにより、風防ガラス側から進入する標準電波が阻害されず、後述するアンテナ21にて良好に受信させることが可能となる。
電波修正時計1を構成するモジュール10を図2ないし図5に基づいて説明する。
図2は、第一の実施の形態の電波修正時計の内部を裏蓋側からみた概略構成を示す平面図である。
図3は、第一の実施の形態の電波修正時計の概略構成を示すブロック図である。
図4は、第一の実施の形態の電波修正時計の受信回路部の構成を示すブロック図である。
図5は、第一の実施の形態の電波修正時計の厚み方向に断面した際の側断面図である。
図6は、第一の実施の形態の電波修正時計におけるアンテナ近傍を断面した断面図である。
図7は、第一の実施の形態の電波修正時計のモジュールを構成する地板の文字板対向面の正面図である。
なお、モジュール中枠101の外周面に複数の突出部を設け、外装ケース100内に収納される際、これらの突出部が外装ケース100の内面とそれぞれ当接することで位置が固定される構成などとしてもよい。
そして、駆動制御回路部3から出力される周波数切替え制御信号により、前記スイッチ22Cをオンまたはオフすることで、アンテナ21で受信する電波の周波数を切り替えるように構成されている。これにより、例えば、日本国内において、送信周波数40kHzのおおたかどや山(東日本)の標準電波出力局と、送信周波数60kHzのはがね山(西日本)の標準電波出力局とから出力されている2種類の周波数の長波標準電波を切り替えて受信することができるように構成されている。
受信回路部23で受信され信号処理された時刻データは、図3に示すように、時刻データ記憶回路部24に出力されて記憶される。
受信回路部23は、予め設定されたスケジュールや外部入力装置8による強制受信操作などによって、駆動制御回路部3から出力される受信制御信号に基づいて時刻情報の受信を開始する。
秒カウンタ回路部61は、秒位置カウンタ611と、秒時刻カウンタ612と、一致検出回路613とを備えて構成されている。秒位置カウンタ611および秒時刻カウンタ612はともに60カウント、つまり1Hzの信号が入力された場合には60秒でループするカウンタである。秒位置カウンタ611は、駆動制御回路部3から秒駆動回路41に供給される駆動パルス信号(秒駆動パルス信号PS1)をカウントしている。つまり、秒針を駆動させる駆動パルス信号をカウントすることによって、秒針が示している秒針の位置をカウントしている。
秒時刻カウンタ612は、通常は、駆動制御回路部3から出力される1Hzの基準パルス信号(クロックパルス)をカウントする。また、受信手段2で時刻データを受信した場合には、この時刻データのうちの秒データに合わせてカウンタ値が修正される。
時分時刻カウンタ622は、通常は、駆動制御回路部3から出力される1Hzのクロックパルスをカウントする(正確には1Hzを60回計数したところで1カウントとする)。また、受信手段2で時刻データを受信した場合には、この時刻データのうちの時分データに合わせてカウンタ値が修正される。
駆動制御回路部3は、一致検出回路613,623から不一致信号が入力されると、一致信号が入力されるまで駆動パルス信号PS1,PS2を出力し続ける。このため、通常運針時は、駆動制御回路部3から1Hzの基準信号によって時刻カウンタ612,622のカウンタ値が変化して位置カウンタ611,621と不一致となると、駆動パルス信号PS1,PS2が出力されて各指針が動くとともに、位置カウンタ611,621が時刻カウンタ612,622と一致することになり、この動作を繰り返すことで、通常の運針制御が行われる。
また、受信した時刻データで時刻カウンタ612,622が修正されると、そのカウンタ値に位置カウンタ611,621のカウンタ値が一致するまで、駆動パルス信号PS1,PS2が出力され続け、指針が早送りされて正しい時刻に修正される。
このアンテナ21は、図2に示すように、平面形状が外装ケース100の胴部を構成するケーシング110の内周とほぼ同心円の円弧長手状に形成されており、モジュール中枠101の内側面に沿って時計の9時方向の位置に配置されている。
この磁性体コア211は、例えば、磁性箔材としてのコバルト系のアモルファス箔(例;Co50wt%以上のアモルファス箔)を型で打ち抜くか、エッチングで成形したものを10〜30枚程接着して重ね合わせ、焼鈍などの熱処理を行って磁気特性を安定化させたものである。すなわち、磁性体コア211は、平面状のアモルファス箔を時計の厚み方向に積層して構成されている。なお、磁性体コア211としては、積層アモルファス箔に限定されず、フェライトを用いてもよく、この場合には、型などで成形し、熱処理して製造すればよい。
具体的には、地板102の文字板対向面103には、図6のような時計厚み方向から当該電波修正時計1の内部を見た平面視において、アンテナ21のコイル212に重畳するコイル重畳領域104と重ならない位置で、かつ一対のリード部211Bに重畳する一対のリード重畳領域105の一部と重なる位置に、それぞれ磁性部材設置凹部102Aが設けられており、これらの磁性部材設置凹部102Aにアモルファス箔材140が貼り付け固定されている。ここで、これらの一対のアモルファス箔材140は、前記平面視においてそれぞれリード部211Bの突出方向(コイル212から離れる方向)に延出して形成されている。すなわち、アモルファス箔材140は、リード重畳領域105よりも大きい面積にて形成されている。また、これらのアモルファス箔材140は、接着層を介して文字板対向面103に貼り付け固定されている。
図8に示すように、コイル重畳領域に重なる位置にアモルファス箔材140を設けた場合、受信感度の向上が見られなかった。すなわち、コイル重畳領域104にアモルファス箔材140の一部が重畳される場合、アモルファス箔材140からコイル212まで距離が近くなり、アモルファス箔材140のコイル重畳領域に重なる部分からコイル212に集めた磁束線が逃げ、受信感度が向上せず、アンテナ特性向上の効果が得られないことが分かる。一方、コイル重畳領域に重ならない位置で、かつリード重畳領域に重なる位置にアモルファス箔材140を設けると、アモルファス箔材140を設けない場合に比べて、アンテナ21の受信感度が2dB向上することが確認された。
次に、電波修正時計1の外装ケース100の構成について説明する。
外装ケース100は、図2および図5に示すように、ケーシング110と、ケーシング110の表面側に装着された風防ガラス120と、ケーシング110の裏面(下端面)側に着脱可能に取り付けられた金属製の裏蓋130とを備えている。ケーシング110は、例えばステンレス鋼、真鍮、チタンなどの金属材で構成されている。このケーシング110は、略円筒状に形成され、内周面が平面略円形に形成されている。なお、裏蓋130やケーシング110には、アンテナ21で電波を受信することで発生する副磁路による渦電流を防止するための磁性部材が設けられる構成などとしてもよい。
上述したように、上記第一の実施の形態の電波修正時計1では、文字板14およびモジュール10の地板102の間で、コイル重畳領域104に重ならず、かつ一対のリード重畳領域105に重なる位置に文字板14や太陽電池15より透磁率が大きいアモルファス箔材140が設けられている。
このため、このアモルファス箔材140により、多くの磁束線を集めることができ、集めた磁束線をリード部211Bに導くことができ、アンテナ21における集磁効果を向上させることができる。また、コイル重畳領域にアモルファス箔材140が設けられていないため、アモルファス箔材140により集められた磁束線がコイル212に逃げず、磁性体コア211のリード部211Bに磁束線を集中して集めることができる。したがって、磁性体コア211の内部を通過する磁束線の量が増大し、磁束密度も高くなるため、アンテナ21のアンテナ特性も良好にできる。
また、金属により形成される裏蓋を用いる場合では、アンテナ21を裏蓋に近接して配置すると渦電流の影響を受け、受信感度が低下する。これを回避するために、本実施の形態のように、アンテナ21を裏蓋から離れた文字板14側に配置することが好ましく、この場合、上記のように文字板14およびモジュール10の間にアモルファス箔材140を設けることで、アンテナ21にて発生する副磁路による渦電流の発生も抑えることができ、アンテナ特性を良好にすることができる。
さらに、モジュール10の内部において、回路基板80や時計体の駆動手段やモータ、輪列などは、地板102の裏蓋側に設けられており、地板102の文字板対向面103に、配置される他の時計部品は少数であるため、このスペースにアモルファス箔材140を設けることで、他の部材のスペースを圧迫することなく、また、アモルファス箔材140を貼り付けるスペースを十分に確保することができる。したがって、アモルファス箔材140の面積を大きくでき、より集磁効果を高めることができる。
また、アモルファス箔材140を地板102に貼り付ける構成では、モジュール10をケーシング110内に収納する前に、アンテナ21の同調周波数の測定など、アンテナ特性を計測することができる。したがって、電波修正時計1を組み立てた後にアンテナ特性を測定する場合に比べて、時計製造工程における早い段階で、アンテナ21の不良検出を実施することができ、アンテナ21の不良をより早く検出することができる。したがって、電波修正時計1を組み立てた後にアンテナ21のアンテナ特性を測定する場合などに比べて、製造工程を簡略化することができ、効率よく電波修正時計1を製造することができる。さらに、文字板14にアモルファス箔材140を固定する構成などでは、ケーシング110に文字板14を収納後、モジュール10を収納する際に、アンテナ21とアモルファス箔材140との位置あわせを精密に実施する必要がある。これに対して、上述のように、アモルファス箔材140を地板102に貼り付ける構成では、地板102におけるアンテナ21の固定位置が予め設定されているため、アモルファス箔材140と、アンテナ21との位置合わせが容易に実施できる。したがって、電波修正時計1の製造効率をより向上させることができる。
このため、アモルファス箔材140にて集められる磁束線が多くなり、リード部211Bに入力される磁束線もより多くなる。したがって、磁性体コア211の中心部における磁束密度もより大きくなり、受信感度をより一層向上させることができる。
次に本発明に係る第二の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の図面および実施の形態において、前記第一の実施の形態の電波修正時計1と同一の構成のものは、同符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図9は、第二の実施の形態に係る電波修正時計におけるアンテナのリード部近傍の断面を示す断面図である。
この場合、地板102の文字板対向面103に、前記第一の実施の形態と同様に、磁性部材設置凹部102Aを設ける。ここで、磁性部材設置凹部102Aの深さ寸法は、積層されるアモルファス箔材140の積層数に応じて、アモルファス箔層141が形成された際に、地板102の文字板対向面103とアモルファス箔層141の文字板14に対向する面とが略平坦面となるように、適宜設定されている。そして、これらのアモルファス箔材140は、接着剤による接着層により互いに接着され、また第一の実施の形態と同様に、接着層を介して地板102に接着固定される。
上記したように、第二の実施の形態の電波修正時計1Aでは、地板102の文字板対向面103において、コイル重畳領域104と重ならない位置で、かつリード重畳領域105の少なくとも一部に重なる位置で、アモルファス箔材140が積層されたアモルファス箔層141が形成されている。
このため、単一のアモルファス箔材140が貼り付けられる構成に比べて、アモルファス箔層141の層厚み寸法が増大し、より多くの磁束線を集めることができ、集磁効果をより高めることができる。したがって、アンテナ21におけるアンテナ特性をより良好にできる。
また、磁性部材設置凹部102Aの深さ寸法が大きくなることで、アモルファス箔層141とリード部211Bとの距離を短くでき、アモルファス箔層141で集められた磁束線が良好にリード部211Bに入力され、磁性体コア211の中心部を通る磁束密度も大きくなる。したがって、アモルファス箔層141による集磁効率をより向上させることができ、アンテナ特性をより向上させることができる。
次に、本発明に係る第三の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の図面および実施の形態において、前記第一の実施の形態の電波修正時計1と同一の構成のものは、同符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図10は、第三の実施の形態に係る電波修正時計におけるアンテナのリード部近傍の断面を示す断面図である。
そして、この磁性部材設置凹部102Aに貼り付け固定されるアモルファス箔材140の連通孔102Bに対向する面には、リード部211Bに向かってアモルファス箔材140Aが積層され、アモルファス箔層141A(磁界出力部)が形成されている。ここで、アモルファス箔層141Aのリード部211Bに対向する面と、リード部211Bとの間には、所定間隔の隙間が設けられ、リード部211Bおよびアモルファス箔層141Aの破損が防止される。すなわち、リード部211Bとアモルファス箔層141Aとが接触している場合、電波修正時計1Bに衝撃などが加わると、アモルファス箔層141Aおよびリード部211Bが衝撃による振動などによりぶつかり合い、破損するおそれがある。これに対して、上記のように隙間を設けることで、衝撃などが加わった場合でも、振動による衝突などが回避され、リード部211Bおよびアモルファス箔層141Aの破損が防止される。
上述したように、上記第三の実施の形態の電波修正時計1Bでは、地板102の文字板対向面103において、コイル重畳領域104に重ならず、リード重畳領域105に重なる位置にアモルファス箔材140が設けられている。そして、地板102のリード重畳領域105には、文字板対向面103およびリード対向面106を連通する連通孔102Bが形成され、この連通孔102Bにアモルファス箔材140からリード部211B側に向かってアモルファス箔材140Aが積層され、アモルファス箔層141Aが形成されている。
このため、アモルファス箔層141Aにより、アモルファス箔材140により集めた磁束線を、地板102の文字板対向面103側からリード対向面106側に良好に導くことができる。また、アモルファス箔層141Aがリード部211Bに近接して設けられるため、地板102に導かれた磁束線をより効率よくリード部211Bに入力させることができる。したがって、リード部211Bに入力される磁束線の増大により、磁性体コア211の磁束密度も大きくなり、集磁効果も向上してアンテナ特性もより良好にできる。
次に、本発明に係る第四の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の図面および実施の形態において、前記第一の実施の形態の電波修正時計1と同一の構成のものは、同符号を付し、その説明を簡略もしくは省略する。
図11は、第四の実施の形態に係る電波修正時計におけるアンテナのリード部近傍の断面を示す断面図である。図12は、第四の実施の形態の電波修正時計の地板の文字板対向面を示す平面図である。
十位日車162は、文字板14に対向する面の外周縁に沿って、「0」、「1」、「2」、「3」の十位目盛が均等に順に配列されている。また、一位日車161の文字板14に対向する外周縁には、「01日」から「09日」に対応した「1」〜「9」の上旬一位目盛、「10日」から「19日」に対応した「0」〜「9」の中旬一位目盛、「20日」から「29日」に対応した「0」〜「9」の下旬一位目盛、「30日」および「31日」に対応した「0」および「1」の月末一位目盛が、この配列順で配列されている。
そして、一位日車161には、時分モータ421から伝達される駆動力が、所定ギア比に設定された図示しない日車輪列により減速された状態でそれぞれ伝達される。これにより、一位日車161は、24時間に1目盛分だけ回動して日付表示窓から表示される日付を1日分だけ切り替え、31日で一回転する。また、一位日車161は、上旬一位目盛の「9」から中旬一位目盛の「0」、中旬一位目盛の「9」から下旬一位目盛の「0」、下旬一位目盛の「9」から月末一位目盛の「0」、および月末一位目盛の「1」から上旬一位目盛の「1」に切り替わる際に、十位日車162に係合して、この十位日車162を1目盛分だけ進ませる図示しない十位連動係合部を有している。これにより、日付表示窓から日車160から十位日車162の十位目盛のうちの1つ、一位日車の一位目盛のうちの1つが表示され、一日毎に日付が切り替わる。
また、地板102および太陽電池15の隙間163における、コイル重畳領域104に重ならず、リード重畳領域105に重なる位置で、かつ日車160が配置されない位置には、アモルファス箔材140が貼り付け固定されている。ここで、地板102には、第一ないし第三の実施の形態のような磁性部材設置凹部102Aが形成されず、アモルファス箔材140は、地板102の文字板対向面103から隙間163内に突出するように貼り付け固定されている。
第四の実施の形態の電波修正時計1Cでは、モジュール10は、文字板14の日付表示窓から日付を表示可能な日車160を備えている。この日車160は、地板102と文字板14との間に設けられる隙間163に配置されている。そして、アモルファス箔材140は、地板102の文字板対向面103から隙間163内に突出する状態で、コイル重畳領域に重ならず、リード重畳領域105に重なる位置で、かつ日車160に重ならない位置に設けられている。
すなわち、日車160が設けられる構成では、この日車160が配置される隙間163を有効活用してアモルファス箔材140を設けることができる。したがって、地板102に磁性部材設置凹部102Aを設ける必要がなく、より簡単な構成でアモルファス箔材140を設置でき、アンテナ21のアンテナ特性を向上させることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
さらに、上記実施の形態では、一対のリード部211Bに対応して、一対のアモルファス箔材140を設ける構成を示したが、一対のリード部のうちいずれか一方に対応した単一のアモルファス箔材140が設けられる構成などとしてもよい。この場合でも、アモルファス箔材140が設けられない場合に比べて、良好なアンテナ特性を得ることができる。
Claims (9)
- 磁性体により形成される長手状の磁性体コア、および磁性体コアに巻装されるコイルを備え、外部無線情報を受信可能なアンテナと、前記アンテナを収納するモジュールと、非導電性素材により形成される文字板と、を具備したアンテナ内蔵式電子時計であって、
前記磁性体コアは、長手方向における中央部に設けられて前記コイルが巻装されるコイル巻部と、このコイル巻部の両端側に突出する一対のリード部とを備え、
前記文字板および前記モジュールの間には、前記文字板の面方向を見る平面視において、前記アンテナの前記コイル巻部に重畳するコイル重畳領域に重ならない位置で、かつ一対の前記リード部に重畳するリード重畳領域の少なくとも一部に重なる位置に、前記文字板よりも透磁率が大きい磁性部材が設けられた
ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。 - 請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記モジュールは、前記アンテナを固定する地板を備え、
前記磁性部材は、前記地板の前記文字板に対向する面に設けられた
ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。 - 請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記磁性部材は、前記文字板の前記モジュールに対向する面に設けられた
ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記磁性部材は、アモルファス金属により構成されるアモルファス箔材である
ことを特徴としたアンテナ内蔵式時計。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記磁性部材は、前記平面視において、前記リード重畳領域よりも大きい面積に形成された
ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記モジュールは、前記アンテナを固定する地板を備え、
前記磁性部材は、接着層を介して前記地板の前記文字板に対応する面に貼り付け固定される
ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記磁性部材は、複数積層されて設けられる
ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。 - 請求項2に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記地板は、前記リード部に対向する少なくとも一部に、前記リード部に対向するリード対向面および前記文字板に対向する文字板対向面を連通する連通孔を備え、
前記磁性部材は、前記地板の前記文字板対向面に前記リード重畳領域よりも大きい面積に形成されるとともに、前記連通孔を覆って設けられる集磁部と、前記連通孔を貫通して、前記集磁部の前記アンテナに対向する面から前記リード部に向かって突出する状態に積層形成される磁界出力部と、を備えた
ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
前記モジュールは、前記アンテナが配置される地板と、この地板の前記文字板と対向する面に設けられるとともに、前記文字板に設けられる日付表示窓から日付を表示させる少なくとも1つ以上の日車と、を備え、
前記磁性部材は、前記地板および前記文字板の間における前記日車と重ならない位置に設けられた
ことを特徴とするアンテナ内蔵式電子時計。
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