JP2009250947A - アンテナ内蔵式電子時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化に対応でき、かつアンテナ受信感度が良好なアンテナ内蔵式電子時計を提供する。
【解決手段】電波修正時計は、標準電波を受信するアンテナ21と、受信された標準電波を処理する受信手段と、アンテナ21および受信手段が内部に収納されるモジュールと、モジュールを内部に収容する外装ケースと、を具備した。そして、アンテナ21は、長手形状を有するアモルファス箔214を複数積層して構成される磁性体コア211と、この磁性体コア211に巻装されるコイル212と、を備え、磁性体コア211は、複数の通常アモルファス箔214Aと、通常アモルファス箔214Aよりも長手方向に沿う寸法が大きい延出アモルファス箔214Bとを備えた。
【選択図】図6

Description

本発明は、アンテナにより外部無線情報を受信可能なアンテナ内蔵式電子時計に関する。
従来、外部から時刻情報を有する外部無線情報をアンテナにて受信し、時刻修正などの処理を実施する電波修正時計などのアンテナ内蔵式電子時計が知られている。このようなアンテナ内蔵式電子時計において、アンテナ特性を向上させるために、アンテナにおける集磁効果を向上させる各種構成が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の時計は、記載の腕時計は、コアと、コアを収納するコアケースと、コアケースに巻装されるコイルと、コアのコイルが巻装されていない位置に貼り付けられるアモルファス薄膜とを備えた構成が採られている。
特開2007−184894号公報
ところで、上記特許文献1に記載のような、コアにアモルファス箔膜を貼り付ける構成では、コアとアモルファス薄膜との間に隙間が生じるため、磁束損失が生じ、アンテナにおける受信感度が低下するという問題がある。
一方、集磁効果を高める構成としては、リード部全体を大きく形成するような構成も考えられる。しかしながら、腕時計などのように、限られたスペースにアンテナにて受信したデータを処理する回路部や、指針の駆動を実施する駆動機構、電源部などを配置する必要があり、アンテナの配置スペースが限られているため、リード部全体の大型化にも限界があるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みて、小型化に対応でき、かつアンテナ受信感度が良好なアンテナ内蔵式電子時計を提供することを目的とする。
本発明のアンテナ内蔵式電子時計は、外部無線情報を受信するアンテナと、前記アンテナで受信された前記外部無線情報を処理する受信手段と、前記アンテナおよび前記受信手段が内部に収納されるモジュールと、このモジュールが収納される外装ケースと、を具備したアンテナ内蔵式電子時計であって、前記アンテナは、長手形状を有する磁性箔材を複数積層して構成される磁性体コアと、この磁性体コアの長手方向における略中心部に巻装されるコイルと、を備え、前記磁性体コアを構成する複数の前記磁性箔材のうち、少なくとも一部は、他より長手方向に沿う寸法が大きく形成される延出磁性箔材であることを特徴とする。
この発明によれば、アンテナの磁性体コアを形成する複数の磁性箔材のうちの一部、例えば、磁性体コアの端面を形成する一枚が他の磁性箔材よりも長手方向の長さ寸法が長い延出磁性箔材である。このため、この延出磁性箔材の延出面積分だけ、通常のアンテナよりも磁束線を効率よく集めることができる。また、延出磁性箔材の一方端にて集められた磁束線は、延出磁性箔材の他方端側まで、この延出磁性箔材中を通過することができる。したがって、延出磁性箔材から他の磁性箔材に移動する磁束線の量が減少するため、アンテナ特性も良好にできる。さらに、磁性体コアを形成する複数の磁性箔材のうちの一部のみが延出磁性箔材であるため、磁性体コア全体を延出する場合に比べて、省スペース化に貢献できる。
以上により、本発明により、限られたスペースで、良好な受信感度が得られるアンテナを提供することができる。
そして、本発明のアンテナ内蔵式電子時計では、前記磁性体コアは、前記コイルが巻装されるコイル巻部と、前記コイル巻部の両端部から長手方向に沿って延出する一対のリード部と、を備え、前記磁性箔材は、前記コイル巻部を形成するコイル巻形成部、およびこのコイル巻形成部の両端部から長手方向に沿って延出し、一対の前記リード部を形成する一対のリード形成部を備え、前記延出磁性箔材は、一対の前記リード形成部の少なくともいずれか一方の延出寸法が、他の磁性箔材の前記リード形成部よりも長く形成されることが好ましい。
この発明によれば、各磁性箔材のコイル形成部が積層されることでコイル巻部が形成され、各磁性箔材のリード形成部が積層されることでリード部が形成され、延出磁性箔材の1対のリード形成部は、他の磁性箔材のリード形成部よりも延出寸法が大きく形成される。ここで、延出磁性箔材は、一対のリード形成部のうちいずれか一方のみが他の磁性箔材よりも延出寸法が長くなるように形成されていてもよく、一対のリード形成部の双方の延出寸法が他の磁性箔材よりも延出寸法が長くなるように形成されていてもよい。すなわち、アンテナ内蔵式電子時計を構成する他の時計部材の配置位置に応じて少なくともいずれか一方のリード形成部の長さ寸法が他の磁性箔材よりも長く形成されていることで、十分に集磁効果を高めることができ、アンテナ特性を向上させることができる。
また、本発明のアンテナ内蔵式電子時計では、前記外装ケースは、風防ガラスを備え、前記モジュールは、前記風防ガラスに対向して配設される文字板を備え、前記磁性体コアは、時計の厚み方向に沿って前記磁性箔材が積層されて形成され、前記延出磁性箔材は、前記時計の厚み方向における文字板側に配置されることが好ましい。
この発明では、延出磁性箔材は、文字板側に設けられている。一般に、指針および文字板を備え、指針を駆動して時刻を表示させる腕時計では、モジュールの裏蓋側に指針を駆動させる駆動輪列や駆動モータなどの駆動機構、駆動を制御する回路部などが設けられている。したがって、文字板側に上記のように延出磁性箔材を配置することで、これらの駆動機構や回路部の配置スペースを圧迫することなく、限られたスペースにリード部を広げることができ、集磁効果を向上させることができる。
これに加えて、外装ケースや裏蓋が金属製の腕時計などでは、非磁性部材である風防ガラス側から電波が進入する。したがって、上記にように、文字板側に延出磁性箔材を配置することで、風防ガラスから入る電波を良好に受信することができ、アンテナの受信特性を向上させることができる。
さらに、本発明のアンテナ内蔵式電子時計では、前記アンテナの長手方向に沿って長手状に形成されるとともに、複数の前記磁性箔材を保持する通常保持部と、前記通常保持部の両端部から長手方向に沿って延出し、前記延出磁性箔材を保持する延出保持部とを有するアンテナ枠を備え、時計厚み方向に沿う前記アンテナ枠における厚み寸法において、前記延出保持部の厚み寸法は、前記通常保持部の厚み寸法よりも小さく形成されることが好ましい。
この発明によれば、アンテナ枠を設ける場合でも延出磁性箔材の両端部を保持する延出部の厚み寸法が、通常保持部に比べて小さく形成される。したがって、通常保持部を延出保持部との間に段差が生じてスペースを確保することができる。よって、このスペースに他の時計部品、例えば地板や文字板、指針の駆動機構や電池などを配置するスペースとして活用することができる。したがって、時計内のスペースを圧迫することなく、アンテナの集磁効果を向上させることができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るアンテナ内蔵式電子時計としての電波修正時計の正面図である。
図1において、電波修正時計1は、指針11,12,13および文字板14を備えた指針式時計(アナログ時計)であり、時刻情報を有する外部無線情報としての長波標準電波を受信して、受信した時刻情報に基づいて指針11,12,13を指針位置の補正を実施可能な時計である。
この電波修正時計1は、指針11,12,13と、文字板14と、標準電波を受信するアンテナ21および指針11,12,13の駆動を制御する各種構成が組み込まれたモジュール10(図2参照)と、これらの指針11,12,13、文字板14、モジュール10などを内部に収納する外装ケース100と、を備えている。
〔モジュールの構成〕
電波修正時計1を構成するモジュール10を図2ないし図5に基づいて説明する。
図2は、前記実施の形態の電波修正時計を裏蓋側からみた概略構成を示す平面図である。
図3は、前記実施の形態の電波修正時計の概略構成を示すブロック図である。
図4は、前記実施の形態の電波修正時計の受信回路部の構成を示すブロック図である。
図5は、前記実施の形態の電波修正時計の厚み方向に断面した際の側断面図である。
モジュール10は、平面視円形状で合成樹脂製のモジュール中枠101を有している。このモジュール中枠101(図5参照)の側面には、径方向に向かって外装ケース100の内周面に当接する複数の突出部(図示せず)が形成され、これらの突出部は、外装ケース100の内周面に沿って配置されている。
モジュール中枠101の側面で突出部が形成されていない部分においては、モジュール中枠101の側面の全周にわたって外装ケース100の内周面と突出部の突出寸法分の隙間が形成されている。
そして、モジュール10は、外装ケース100内に収納される際、モジュール中枠101に設けられた各突出部が外装ケース100の内面とそれぞれ当接することで位置が固定される。
また、モジュール10には、受信IC86、CPU87、基準振動子311(図2参照)などが取り付けられた回路基板80(図5参照)、駆動手段4の一部を構成するモータ411,421や輪列などが組み込まれた時計体(ムーブメント)、電力供給手段7を構成する高容量二次電源(二次電池)72などの各構成部材が組み込まれている。さらに、モジュール10には、外装ケース100に近接する位置に電波を受信する前記アンテナ21が組み込まれている。
モジュール10に組み込まれる回路基板80には、図3に示すように、受信した電波を処理する受信手段2と、駆動制御回路部3と、指針を駆動する駆動手段4と、時刻をカウントするカウンタ部6と、が各種回路構成として設けられている。
受信手段2は、電波を受信するアンテナ21と、コンデンサなどで構成されてアンテナ21で受信する電波に同調させる同調回路部22と、アンテナ21で受けた情報を処理する受信回路部23と、受信回路部23で処理された時刻データを記憶する時刻データ記憶回路部24とを備えて構成されている。
同調回路部22は、図4に示されるように、アンテナ21に対して並列に接続された2つのコンデンサ22A,22Bを備えて構成され、一方のコンデンサ22Bはスイッチ22Cを介してアンテナ21に接続されている。
そして、駆動制御回路部3から出力される周波数切替え制御信号により、前記スイッチ22Cをオンまたはオフすることで、アンテナ21で受信する電波の周波数を切り替えるように構成されている。これにより、例えば、日本国内において、送信周波数40kHzのおおたかどや山(東日本)の標準電波出力局と、送信周波数60kHzのはがね山(西日本)の標準電波出力局とから出力されている2種類の周波数の長波標準電波を切り替えて受信することができるように構成されている。
受信回路部23は、図4に示されるように、アンテナ21によって受信された長波標準電波信号を増幅する増幅回路231と、増幅された長波標準電波信号から所望の周波数成分のみを抜き出すバンドパスフィルタ232と、長波標準電波信号を平滑化し復調する復調回路233と、増幅回路231のゲインコントロールを行ない長波標準電波信号の受信レベルが一定になるように制御するAGC(Automatic Gain Control)回路234と、復調された長波標準電波信号をデコードして出力するデコード回路235とを備えて構成されている。
受信回路部23で受信され信号処理された時刻データは、図3に示すように、時刻デー
タ記憶回路部24に出力されて記憶される。
受信回路部23は、予め設定されたスケジュールや外部入力装置8による強制受信操作などによって、駆動制御回路部3から出力される受信制御信号に基づいて時刻情報の受信を開始する。
駆動制御回路部3には、図3に示されるように、パルス合成回路31からのパルス信号が入力される。パルス合成回路31は、水晶振動子などの基準振動子311からの基準パルスを分周してクロックパルスを生成し、また、基準パルスからパルス幅やタイミングの異なるパルス信号を発生させる。なお、この基準振動子311は、CPU87に接続されて、回路のクロック信号となるが、周波数が長波受信周波数に近く、アンテナ21にノイズとして信号が混入する可能性があるため、アンテナ21から離して配置されている。
駆動制御回路部3は、一秒に一回出力され秒針を駆動させる秒駆動パルス信号PS1と、一分間に一回出力され時分針を駆動させる時分駆動パルス信号PS2とを、各秒駆動回路41、時分駆動回路42に出力して、指針の駆動を制御する。すなわち、各駆動回路41,42は、各駆動回路41、42からのパルス信号によって駆動されるステッピングモータからなる秒モータ411,時分モータ421を駆動し、これにより各モータ411,421に接続された秒針と、分針および時針とを駆動する。そして、各指針、文字板、モータ411,421、駆動回路41,42によって時刻を表示する時刻表示手段が構成されている。なお、時刻表示手段としては、1つのモータで、時針、分針、秒針を駆動するものでもよい。
カウンタ部6は、秒をカウントする秒カウンタ回路部61と、時分をカウントする時分カウンタ回路部62とを備えて構成されている。
秒カウンタ回路部61は、秒位置カウンタ611と、秒時刻カウンタ612と、一致検出回路613とを備えて構成されている。秒位置カウンタ611および秒時刻カウンタ612はともに60カウント、つまり1Hzの信号が入力された場合には60秒でループするカウンタである。秒位置カウンタ611は、駆動制御回路部3から秒駆動回路41に供給される駆動パルス信号(秒駆動パルス信号PS1)をカウントしている。つまり、秒針を駆動させる駆動パルス信号をカウントすることによって、秒針が示している秒針の位置をカウントしている。
秒時刻カウンタ612は、通常は、駆動制御回路部3から出力される1Hzの基準パルス信号(クロックパルス)をカウントする。また、受信手段2で時刻データを受信した場合には、この時刻データのうちの秒データに合わせてカウンタ値が修正される。
同様に、時分カウンタ回路部62は、時分位置カウンタ621と、時分時刻カウンタ622と、一致検出回路623とを備えて構成されている。時分位置カウンタ621および時分時刻カウンタ622はともに24時間分の信号が入力されるとループするカウンタである。時分位置カウンタ621は、駆動制御回路部3から時分駆動回路42に供給される駆動パルス信号(時分駆動パルス信号PS2)をカウントし、時針、分針が示している時分針の位置をカウントしている。
時分時刻カウンタ622は、通常は、駆動制御回路部3から出力される1Hzのクロックパルスをカウントする(正確には1Hzを60回計数したところで1カウントとする)。また、受信手段2で時刻データを受信した場合には、この時刻データのうちの時分データに合わせてカウンタ値が修正される。
各一致検出回路613,623は、各位置カウンタ611,621と各時刻カウンタ612,622とのカウント値の一致を検出し、一致しているか否かを示す検出信号を駆動制御回路部3に出力する。
駆動制御回路部3は、各一致検出回路613,623から不一致信号が入力されると、一致信号が入力されるまで各駆動パルス信号PS1,PS2を出力し続ける。このため、通常運針時は、駆動制御回路部3から1Hzの基準信号によって各時刻カウンタ612,622のカウンタ値が変化して位置カウンタ611,621と不一致となると、各駆動パルス信号PS1,PS2が出力されて各指針が動くとともに、各位置カウンタ611,621が時刻カウンタ612,622と一致することになり、この動作を繰り返すことで、通常の運針制御が行われる。
また、受信した時刻データで各時刻カウンタ612,622が修正されると、そのカウンタ値に各位置カウンタ611,621のカウンタ値が一致するまで、各駆動パルス信号PS1,PS2が出力され続け、指針が早送りされて正しい時刻に修正される。
電力供給手段7は、自動巻発電機や太陽電池(ソーラー発電機)などによって構成された発電手段としての発電装置71と、発電装置71で発電された電力を蓄電する高容量二次電源72とを備えて構成されている。高容量二次電源72は、リチウムイオン電池のような二次電池が利用できる。なお、電力供給手段7としては、銀電池などの一次電池を用いてもよい。また、高容量二次電源72は、ステンレス製のケースで構成されており、アンテナ特性への影響を抑えるため、図2に示すように、モジュール10内においてアンテナ21から離れた時計の3時方向の位置に配置されている。
外部入力手段としての外部入力装置8は、リュウズなどを備え、受信動作や時刻合わせなどを行うために利用される。
(アンテナの構成)
図6は、電波修正時計1におけるアンテナ21近傍の断面を拡大した拡大断面図である。
アンテナ21は、磁性体コア211と、磁性体コア211に巻装されるコイル212と、磁性体コア211を保持するアンテナ枠213と、により構成されている。
また、アンテナ21は、図2に示すように、平面形状が外装ケース100の胴部を構成するケーシング110の内周とほぼ同心円の円弧長手状に形成されており、モジュール中枠101の内側面に沿って時計の9時方向の位置に配置されている。この際、アンテナ21は、ケーシング110に対して平面方向に例えば数mm程度の間隔を空けて配置される(図5参照)。
磁性体コア211は、アンテナ21の長手方向に沿って長手状に形成されている。この磁性体コア211は、略中心部にコイル212が巻装されるコイル巻部211Aと、コイル巻部211Aの両端側から延出する2箇所のリード部211Bとを備えている。
この磁性体コア211は、例えば、磁性箔材としてのコバルト系のアモルファス箔214(例;Co50wt%以上のアモルファス箔)を型で打ち抜くか、エッチングで成形したものを10〜30枚程接着して重ね合わせ、焼鈍などの熱処理を行って磁気特性を安定化させたものである。すなわち、磁性体コア211は、平面状のアモルファス箔を時計の厚み方向に積層して構成されている。なお、磁性体コア211としては、積層アモルファス箔に限定されず、フェライトを用いてもよく、この場合には、型などで成形し、熱処理して製造すればよい。
図7は、磁性体コア211を形成する通常アモルファス箔214Aおよび延出アモルファス箔214Bの平面図である。
この図7に示すように、磁性体コア211は、長手方向の長さの異なる2種類のアモルファス箔214により形成される。すなわち、磁性体コア211は、長手方向の長さが短い通常アモルファス箔214Aと、この通常アモルファス箔214Aよりも長手方向に長く形成される延出アモルファス箔214Bと、が積層されることで形成される。具体的には、通常アモルファス箔214Aは、コイル巻形成部214A1と、このコイル巻形成部214A1の両端側から長手方向に沿って延出するリード形成部214A2を備えている。同様に、延出アモルファス箔214Bは、コイル巻形成部214B1と、このコイル巻形成部214B1の両端側から長手方向に沿って延出するリード形成部214B2を備えている。ここで、コイル巻形成部214A1およびコイル巻形成部214B1は、長手方向の長さ寸法が同一寸法に形成され、これらのコイル巻形成部214A1およびコイル巻形成部214B1が積層されることでコイル巻部211Aが形成される。一方、延出アモルファス箔214Bの一対のリード形成部214B2は、通常アモルファス箔214Aの一対のリード形成部214A2よりも長さ寸法が長く形成されている。そして、これらのリード形成部214A2およびリード形成部214B2が積層されることで、延出アモルファス箔211Bのリード形成部214B2のみが長手方向に沿って延出したリード部211Bが形成される。
そして、磁性体コア211は、電波修正時計1の厚み方向に対して、文字板14側に延出アモルファス箔214Bを配置し、裏蓋140側に通常アモルファス箔214Aを積層する状態に形成される。
アンテナ枠213は、文字板14側の面に磁性体コア211を保持する凹状のコア保持凹部215が形成される略容器状部材である。このアンテナ枠213は、例えばプラスチックなどの非導電性の非磁性部材により形成される。そして、このアンテナ枠213は、コア保持凹部215の凹部が文字板14側に対向するように、例えばねじ止めなど各種固定方法により地板10Aに固定される。
より具体的には、アンテナ枠213は、通常アモルファス箔214Aの形状に対応する通常保持部としての胴体枠213Aと、延出アモルファス箔214Bの形状に対応して通常アモルファス箔214Aの文字板14側の端部からリード部211Bの延出方向に突出する延出保持部としての延出枠213Bとを備えている。ここで、これら胴体枠213Aおよび延出枠213Bにより形成される段差部213Cには、図8に示すように、指針11,12,13を駆動させるための駆動輪列10Bが配置されている。図8は、アンテナ21の一端部をさらに拡大した拡大図である。
そして、アンテナ枠213には、胴体枠213Aに通常アモルファス箔214Aを保持するとともにコア保持凹部215を構成する通常箔材保持凹部215Aが形成され、延出枠213Bに延出アモルファス箔214Bの端部を保持するとともに、前記通常箔材保持凹部215Aとともにコア保持凹部215を構成する延出箔材保持凹部215Bが形成されている。
ここで、通常箔材保持凹部215Aは、通常アモルファス箔214Aに対応した形状に形成されている。一方、延出箔材保持凹部215Bは、延出アモルファス箔214Bの両端部を保持可能な形状に形成されている。そして、この延出箔材保持凹部215Bには、延出アモルファス箔214Bのリード形成部214B2の延出先端側が、接着固定される。この時、延出アモルファス箔214Bは、延出箔材保持凹部215Bの底面215Dとの間に接着剤により形成される接着層を介して接着固定される。すなわち、延出アモルファス箔214Bの厚み寸法が非常に小さく、リード部211Bに対向する延出部分の積層数も小さいため、例えば衝撃などが加わった際に応力が延出アモルファス箔214Bに加わると破損しやすい。これに対して、上記のように、所定弾性力を有する接着層を形成することで、延出アモルファス箔214Bに直接加わる衝撃を緩衝することができる。
そして、アンテナ枠213は、通常箔材保持凹部215Aおよび延出箔材保持凹部215Bに磁性体コア211を保持した状態で、例えば接着剤により磁性体コア211が固定されて一体化される。そして、この磁性体コア211が固定されたアンテナ枠213の、コイル巻部211Aに対向する部分にコイル212が巻装されることでアンテナ21が形成される。
コイル212は、長波標準電波(40〜77.5kHz)を受信する場合は、10mH程度のインダクタンス値が必要となる。このため、本実施形態では、コイル212として直径0.1μm程度のウレメット線を数百ターンほど巻いて構成している。そして、このコイル212は、上記したように、磁性体コア211が固定されたアンテナ枠213の、コイル巻部211Aに対応する周面に周方向に沿って巻装されている。
また、アンテナ21と受信IC86とは2本の配線で接続されている。すなわち、コイル212をアンテナ端部から取り出して回路基板80にはんだ付けすることにより、アンテナ21と受信IC86とは電気的に接続されている。これにより、アンテナ21で受信された標準電波が受信手段2に出力可能となる。なお、前記電気的接続は、アンテナ21にポリイミドなどからなるフレキシブル基板を取り付け、この基板を回路基板80にネジ留めすることなどで行ってもよい。
〔外装ケースの構成〕
次に、電波修正時計1の外装ケース100の構成について説明する。
外装ケース100は、図2および図5に示すように、胴部としてのケーシング110と、ケーシング110の表面側に装着された風防ガラス120と、ケーシング110の裏面(下端面)側に着脱可能に取り付けられた金属製の裏蓋140とを備えている。ケーシング110は、例えばステンレス鋼、真鍮、チタンなどの金属材で構成されている。このケーシング110は、略円筒状に形成され、内周面が平面略円形に形成されている。なお、裏蓋140やケーシング110には、アンテナ21で電波を受信することで発生する副磁路による渦電流を防止するための磁性部材が設けられる構成などとしてもよい。
〔電波修正時計の作用効果〕
上述したように、上記実施の形態の電波修正時計1では、アンテナ21は、磁性体コア211と、コイル212と、アンテナ枠213とにより構成されている。そして、磁性体コア211は、複数のアモルファス箔214を積層することにより形成され、これらのアモルファス箔214のうち一部は、他よりもリード部211Bが延出した延出アモルファス箔214Bにより構成されている。
このため、この延出アモルファス箔214Bの延出面積の分だけ、磁束線を多く集めることができ、アンテナ21における集磁効果を向上させることができる。また、延出アモルファス箔214Bの一端部にて集められた磁束線は、この延出アモルファス214Bの内部を通過して、延出アモルファス箔214Bの他端部から放出されることで、磁束線を良好に導くことができる。したがって、より良好なアンテナ受信感度が得られ、アンテナ特性をより向上させることができる。
さらに、延出アモルファス箔214Bのみがリード部211Bから延出する構成であるため、スペースを圧迫することがなく、駆動輪列10Bがアンテナ21の近傍に設けられる場合でも、十分なスペースに駆動輪列10Bを配置することができる。すなわち、腕時計などの限られたスペース間にアンテナ21やその他の構成部材を配置する必要がある場合でも、スペースの制約を受けずに、良好な集磁効果によりアンテナ特性を高めることができる。
そして、磁性体コア211は、文字板14側に延出アモルファス箔214Bが配置され、時計厚み方向に沿って裏蓋140側に通常アモルファス箔214Aが積層されることで形成されている。このため、文字板14側から入る電波を面積の大きい延出アモルファス箔214Bにより良好に受信することができ、アンテナの受信感度を向上させることができる。
また、裏蓋140側に配置される駆動輪列10Bなどが配置される位置よりも文字板14側に、延出アモルファス箔214Bが配置されるため、これら駆動輪列10Bの配置が規制されず、省スペース化に対応することができる。
また、アンテナ枠213は、通常アモルファス箔214Aが積層される通常箔材保持凹部215Aが形成される胴体枠213Aと、延出アモルファス箔214Bが設置される延出箔材保持凹部215Bが形成される延出枠213Bとを備え、延出枠213Bは、胴体枠213Aの文字板14側端部からリード部211Bの延出方向に延出形成されている。
すなわち、胴体枠213Aと延出枠213Bとの間には段差部213Cが設けられ、この段差部213Cにスペースを確保することができる。したがって、このスペースに駆動輪列10Bやその他、電子回路部などの他の時計部品を配置することができる。よって、アンテナ21により時計内部のスペースが制約されず、十分なスペースを形成することができる。
さらに、延出アモルファス箔214Bのリード形成部215B2の先端側は、延出箔材保持凹部215Bの底面215Dに接着層を介して接着固定される。このため、電波修正時計1に衝撃などが加わった際に、アンテナ枠213から延出アモルファス箔214Bに加わる応力を、接着層の弾性力により小さくすることができ、延出アモルファス箔214Bの破損を防止することができる。
[他の実施の形態]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれるものである。
例えば、延出枠213Bにおいて、延出アモルファス箔214Bと、延出箔材保持凹部215Bの底面215Dとの間に、一様の寸法の隙間を形成したが、例えば図9に示すような構成としてもよい。すなわち、図9に示すように、延出箔材保持凹部215Bの一端部から他端部に向かって延出アモルファス箔214Bが傾斜して配置される構成などとしてもよい。このような構成でも、上記実施の形態と同様に、延出アモルファス箔214Bの破損を防止することができる。
また、図10に示すように、延出枠213Bは、延出箔材保持凹部215Bの端部に、延出アモルファス箔214Bのリード形成部214B2の延出先端部を固定する固定段差部215Cが形成される構成としてもよい。この場合でも、固定段差部215Cに保持されていない部位には、延出箔材保持凹部215Bの底面215Dとの間に接着層が介装され、衝撃などの応力を良好に緩衝することができ、延出アモルファス箔214Bの破損を防止できる。また、固定段差部215Bに延出アモルファス箔215Bの先端部を固定できるため、延出アモルファス箔215Bを確実に延出枠213Bに固定できるとともに、固定作業が容易になる。
また、上記実施の形態において、磁性体コア211は、文字板14側に延出アモルファス箔214Bを配置し、裏蓋140側に向かって通常アモルファス箔214Aを積層する構成を示したが、これに限定されない。例えば、裏蓋140がガラスなどの非磁性部材により形成される場合では、裏蓋140側からも標準電波が時計内部に侵入するため、延出アモルファス箔214Bを裏蓋140側に配置する構成としてもよい。
さらには、上記実施の形態では、磁性体コア211において、延出アモルファス箔214Bが1枚のみ配置される例を示したが、例えば、2枚以上の複数の延出アモルファス箔214Bが積層され、続いて通常アモルファス箔214Aが積層される構成などとしてもよい。
また、上記実施の形態では、図8に示すように、アンテナ枠213の段差部213Cに駆動輪列10Bが設けられる構成を示したが、これに限定されず、例えば、電波修正時計1を構成する回路ブロックや、電気素子など、他の時計部品が配置される構成などとしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、延出アモルファス箔214Bの一対のリード形成部214B2の双方が、通常アモルファス箔214Aの一対のリード形成部214A2よりも長手方向に沿う長さ寸法が長く形成される例を示したが、これに限定されない。例えば、延出アモルファス箔214Bの一対のリード形成部214B2のうち、いずれか一方のみが通常アモルファス箔214Aのリード形成部214A2よりも長さ寸法が大きく形成され、他方は、リード形成部214A2と同一長さ寸法に形成される構成としてもよい。すなわち、延出アモルファス箔214Aは、電波修正時計1内の他部品の配置位置などにより、リード形成部214B2の一部のみが延出される構成とすることができ、このような構成により十分に集磁効果を向上させることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
本発明の一実施の形態に係るアンテナ内蔵式電子時計としての電波修正時計の正面図である。 前記実施の形態の電波修正時計を裏蓋側からみた概略構成を示す平面図である。 前記実施の形態の電波修正時計の概略構成を示すブロック図である。 前記実施の形態の電波修正時計の受信回路部の構成を示すブロック図である。 前記実施の形態の電波修正時計の厚み方向に断面した際の側断面図である。 前記実施の形態の電波修正時計におけるアンテナ近傍の断面を拡大した拡大断面図である。 前記実施の形態の電波修正時計の磁性体コアを形成する通常アモルファス箔および延出アモルファス箔の平面図である。 前記実施の形態の電波修正時計におけるアンテナの一端部をさらに拡大した拡大図である。 他の実施の形態のアンテナの一端部を拡大した拡大図である。 さらに他の実施の形態のアンテナの一端部を拡大した拡大図である。
符号の説明
1…アンテナ内蔵式電子時計としての電波修正時計、2…受信手段、10…モジュール、14…文字板、21…アンテナ、120…風防ガラス、211…磁性体コア、211A…コイル巻部、211B…リード部、212…コイル、213…アンテナ枠、213A…通常保持部としての胴体枠、213B…延出保持部としての延出枠、214B…延出磁性箔材としての延出アモルファス箔。

Claims (4)

  1. 外部無線情報を受信するアンテナと、前記アンテナで受信された前記外部無線情報を処理する受信手段と、前記アンテナおよび前記受信手段が内部に収納されるモジュールと、このモジュールが収納される外装ケースと、を具備したアンテナ内蔵式電子時計であって、
    前記アンテナは、長手形状を有する磁性箔材を複数積層して構成される磁性体コアと、この磁性体コアの長手方向における略中心部に巻装されるコイルと、を備え、
    前記磁性体コアを構成する複数の前記磁性箔材のうちの一部は、他より長手方向に沿う寸法が大きく形成される延出磁性箔材である
    ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。
  2. 請求項1に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記磁性体コアは、前記コイルが巻装されるコイル巻部と、前記コイル巻部の両端部から長手方向に沿って延出する一対のリード部と、を備え、
    前記磁性箔材は、前記コイル巻部を形成するコイル巻形成部、およびこのコイル巻形成部の両端部から長手方向に沿って延出し、一対の前記リード部を形成する一対のリード形成部を備え、
    前記延出磁性箔材は、一対の前記リード形成部の少なくともいずれか一方の延出寸法が、他の磁性箔材の前記リード形成部よりも長く形成される
    ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記外装ケースは、風防ガラスを備え、
    前記モジュールは、前記風防ガラスに対向して配設される文字板を備え、
    前記磁性体コアは、時計の厚み方向に沿って前記磁性箔材が積層されて形成され、
    前記延出磁性箔材は、前記時計の厚み方向における文字板側に配置される
    ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のアンテナ内蔵式電子時計において、
    前記アンテナの長手方向に沿って長手状に形成されるとともに、複数の前記磁性箔材を保持する通常保持部と、前記通常保持部の両端部から長手方向に沿って延出し、前記延出磁性箔材を保持する延出保持部とを有するアンテナ枠を備え、
    時計厚み方向に沿う前記アンテナ枠における厚み寸法において、前記延出保持部の厚み寸法は、前記通常保持部の厚み寸法よりも小さく形成された
    ことを特徴としたアンテナ内蔵式電子時計。
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