JP5760207B2 - センシングユニットとこれを搭載した熱型フローセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、気体や液体である流体の流量、流速などの流れを計測する熱型フローセンサの部品であるセンシングユニットとこれを搭載した熱型フローセンサに関し、単純構造で安価なセンシングユニットとその熱型フローセンサを提供する。
従来、本出願人は、これまで宙に浮いた薄膜に、白金薄膜などの抵抗体を形成してヒータとする「電熱器」(特許文献1)を発明し、現在では、フローセンサや真空センサなどのマイクロヒータとして応用されている。更に本出願人は、半導体ダイオードをヒータとする「加熱ダイオード温度測定装置とこれを用いた赤外線温度測定装置および流量測定装置ならびに流量センシング部の製作方法」(特許文献2)を発明した。そして、半導体ダイオードは温度センサとしても利用できるので、ヒータ兼温度センサとして利用することを提案した。その後、本出願人は、「温度差の検出方法、温度センサおよびこれを用いた赤外線センサ」(特許文献3)や「電流検出型熱電対等の校正方法、電流検出型熱電対、赤外線センサおよび赤外線検出装置」(特許文献4)を発明して、一対の熱電対を用いて、従来の開放電圧を計測して温度差を計測するのではなく、熱電対の熱起電力に基づく短絡電流を計測した方がサーモパイルよりも感度が大きくなることを理論的にも示し、電流検出型熱電対と名づけた。また、熱電対を温度差センサとして利用するばかりでなく、ヒータとしても利用できる熱電対ヒータも発明した(特願2007-248520)。
一般に、基板に形成しているが、その基板から宙に浮いた薄膜(基板から熱分離した薄膜)において、加熱された薄膜は、加熱を止めるとニュートンの冷却の法則により、周囲環境温度Tcである基板の温度(加熱される前の周囲温度)と加熱された薄膜の温度Tとの温度差(T-Tc)に比例して放熱・冷却され、最終的には基板の温度に等しくなる。このように、加熱された物体の温度が周囲媒体へ熱伝導して、周囲媒体のそのときの熱伝導率に関係して温度上昇したり、温度降下したりするときの温度センサの温度変化を計測して周囲媒体の被測定物理量、例えば、流速、真空度、不純物濃度、エンタルピ変化などを計測するために用いる熱伝導型センサでは、絶対温度センサよりも周囲環境温度Tcである基板の温度と加熱された薄膜の温度Tとの温度差が重要である。このように、温度差を計測するには温度差のみを出力する小型の温度差センサが、周囲温度の変化の影響をほとんど受けずに計測できるために、好適である。
本発明者は、先に、温度差センサである電流検出型熱電対を用いたガスフローセンサと不純物濃度センサを発明した(特願2007-305099)。しかし、そこでは、センサにマイクロバルブを有するために、製造のバラツキが伴い歩留まりが必ずしも良いものでなく、製造コストが嵩むものであった。フローセンサとして、もう少し単純な構造で安価なセンサが望まれていた。
また、従来、基板に形成した溝状流路を橋架する構造で、この基板から熱分離した薄膜橋(宙に浮いた薄膜の橋)を3個溝に沿って対称に形成し、それぞれには白金薄膜が形成してあり、中央の薄膜橋をヒータとして利用し、両側の薄膜橋を温度センサとして利用するガスフローセンサがあった(USP4478077)。これは、流路に沿ったガスの流れがないときには、中央のヒータを中心に対称にある両側の薄膜橋の温度は等しいが、ガスの流れがあると、上流側の薄膜橋では、冷たいガスが流れるので冷え、下流側では、中央のヒータ薄膜橋からの熱を受けて温度上昇する。このようにガスの流れにより、ヒータの両側の薄膜橋に温度差が生じるので、これを利用してガス流を計測する方法である。しかしながら、白金薄膜などの抵抗温度センサでは、絶対温度センサであるために抵抗そのものが、絶対温度に対応する。従って、温度差を計測するには絶対温度センサを2個用意し、これらの出力の差を求める必要があること、しかも周囲温度変化をそのまま反映することなどから、微細な温度差計測には、不向きであった。
従来の熱型フローセンサでは、多くの場合、白金ヒータなどの絶対温度センサを使用していたために、周囲温度補正が困難であり、それを達成するために、多くのセンサとそれによる温度制御系を必要とし、さらに特別の専用の流路を含むケーシングのために、高価なフローセンサにならざるを得なかった。
特開昭55−119381広報(特許第1398241号) 特開2006−250736公報 特開2005−221238公報 特開2008−107307公報
本発明は、上述の要望を満たすためになされたもので、液体や気体の被計測流体の流れ(主に流量と流速)を計測するに当り、流体温度、粘性、引火性、化学的安定性などを考慮した各種用途に応えられる極めて安価で単純構造の熱型フローセンサを提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係わるセンシングユニットは、流体の流れを計測する熱型フローセンサのセンシングユニット、少なくとも、ヒータと温度センサとを備えた基板を有すること、該センシングユニットが、熱型フローセンサを構成する流路とは独立に構成されていること、被計測流体が漏れないようにシールされた構造で、該流路に取り付けできる構造であること、該センシングユニットには、所望の計測流量に応じて、前記流体が通るギャップを、流れ制限板310の厚みで調整する流れ制限板310を設けてあること、該流路に取り付け後は、前記ヒータと前記温度センサからの電気的端子が前記基板を介して前記流路の外部から電気的接続ができるような構造であり、前記ヒータと前記温度センサは、前記流体に直接接触するような構造であること、を特徴とするものである。
熱型フローセンサの流路は、必ずしも特別の専用流路を開発するのではなく、商用の標準規格の流路、例えば、規格品のステンレスパイプを流路として用いることにより安価になる。この流路となるステンレスパイプにくり抜いた孔を開けた構造の流路と、少なくとも、熱型フローセンサの基本的な構成であるヒータと温度センサ(温度差センサ)とを有する基板を備えたセンシングユニットとを別々に用意して、これらを合体させて、1台の熱型フローセンサを構成できるようにすることで、各種用途に応えられる極めて安価で単純構造の熱型フローセンサを提供するものである。
流体の流れを計測する熱型フローセンサの部品としてのセンシングユニットの電気的端子は、例えば、ハーメチックシールのような構造にして、流路は上述のように、規格品のステンレスパイプをくり抜いた孔を有するようにしておき、センシングユニットのヒータと温度センサとを備えた基板の部分を、流路のくり抜いた孔に差し込み、センシングユニットの周囲が流路のステンレスパイプの外形にぴったり重なり、接合されるような構造にする。このような極めて単純な構造のために、安価でありながら高精度で、各種用途に応じて流路の寸法や形状の種類が選択できるようにすると共に、センシングユニットの種類も用意して、これらの組み合わせが選択できるようにすることにより、種々の用途に応える熱型フローセンサを提供するものである。
本発明の請求項2に係わるセンシングユニットは、温度センサが温度差センサであるようにした場合である。このことにより、単純で周囲温度に依存しない安定で高精度な熱型フローセンサが提供できる。
本発明の請求項3に係わるセンシングユニットは、温度差センサが電流検出型熱電対であるようにした場合である。電流検出型熱電対は、1対の熱電対で済むので、極めて小型で高感度であり、しかも高精度な熱型フローセンサが提供できる。
温度差センサを熱電対とした場合、シリコン(Si)のSOI基板のn型高濃度SOI層を熱電対の一方の導体として用い、シリコン(Si)の熱酸化絶縁層(SiO2膜)を挟んで、ニッケル(Ni)薄膜などを他方の導体として一対の熱電対を構成し、カンチレバ、ダイアフラムや架橋構造の上に形成することができる。この場合、ヒータも同様に形成した熱電対を使用することもできるし、ダイオード、金属薄膜やSOI層の抵抗体をヒータとすることもできる。これらは、半導体の微細加工技術、MEMS技術により容易に形成できる。
また、熱電対材料として、BiTe(Sb)系などの熱電材料をスパッタリングや真空蒸着で、薄膜熱電対としてプラスチックやガラス薄膜などのダイアフラムやカンチレバ上に形成することもできる。
また、熱電対材料からなる熱電対の一方の導体としての金属薄膜(例えば、Ni薄膜)の上に絶縁層を介して、他方の熱電対導体としての金属薄膜((例えば、Au薄膜)をスパッタリングなどで形成して、宙に浮いた形状にして熱容量を小さくさせて、高感度、かつ高速応答の熱電対を作成することもできる。特に液体などの質量が大きい流体の流速等の計測には、壊れがたいので好適である。電流検出型熱電対では、内部抵抗が小さい方が、出力が大きくなるので、リード線の抵抗が無視できる程度であれば、小さくなるようにした方が良い。従って、金属薄膜の熱電対も好適となる。実際には、熱電材料の性能指数Zが大きい材料の組み合わせが、このような熱電対には最適になる。
本発明の請求項4に係わるセンシングユニットは、ヒータと温度センサとを兼用して用いたとした場合である。温度センサとして1対の熱電対を用いた場合でも、熱電対は抵抗体であるので、電流を流せば発熱して、ヒータとして利用することができる。このように熱電対をヒータと温度センサとを兼用にして用いることにより、一度、電流を流してヒータとして動作させた後に、今度は、冷却時の温度変化を計測するために、電流検出型熱電対として、基板に対しての温度差を計測するようにすることができる。非常に、コンパクトなセンシングユニットを提供すると共に、これを搭載した熱型フローセンサが提供できる。
本発明の請求項5に係わる熱型フローセンサは、熱型フローセンサを構成する流路に、上述のセンシングユニットを接合して、流路を流れる流体の流れを計測できるように構成したことを特徴とするものである。
上述したように、例えば、熱型フローセンサを構成する流路も商用の標準規格ステンレスパイプの一部を利用し、くり抜いた孔を形成しておき、この部分に、センシングユニットの接合部もステンレスパイプの一部として、その内径と、流路のステンレスパイプの外形とが、一致するように選択しておくことで、ピッタリと接合することができる。このとき、例えば、ガスの出ない安定な接着材を用いて流路とセンシングユニットのステンレスパイプの部分同士を被測定流体が漏れないように密着して貼り付ける(取り付ける)ことができる。このとき、センシングユニットの電気的端子は、熱型フローセンサの流路の外側に顔を出すようにして、センシングユニットのヒータと温度センサへの電力の供給、ヒータと温度センサからの信号のやり取りやそれらの制御ができるようにする。
熱型フローセンサのセンシングユニットは、熱型フローセンサの用途により異なる所定の形状の流路に取り付けられるように、取り付け部の寸法や形状など、種々種類を揃えるようにしても良いし、流路の孔の形状を固定し、それに合うようにセンシングユニットの接合部の形状を特定しておくこともできる。
本発明の請求項6に係わる熱型フローセンサは、被計測流体の配管に接続できるようにした場合である。例えば、熱型フローセンサを装着する箇所の被測定流体が流入・流出する配管が、所定の外形寸法のステンレスパイプであった場合、熱型フローセンサの流路も同一形状のステンレスパイプを用意して、これに孔を開けて、流路とすると、単純な安価なジョイントを用いることにより外部配管に用意に熱型フローセンサを装着できるので便利である。
また、熱型フローセンサの流路の先端に、所定のジョイントを取り付けておき、これを含んだ形で熱型フローセンサとすることもできる。
本発明の請求項7に係わる熱型フローセンサは、少なくとも、前記電気的端子に被計測の流体の流れを計測するに必要な電気回路を有する計測ユニットを装着した場合である。
熱型フローセンサのセンシングユニットの基板に備えてあるヒータと温度センサには、電力供給や信号のやり取りが必要で、センシングユニットの電気的端子を通して行われる。そのためには、電気回路(電子回路も含む)が必要であり、そこには、電源や増幅器、メモリや演算回路、更には、温度や計測などの制御回路、表示回路などが要求される。このような電気回路を少なくとも一部を含むユニットを、上述の電気的端子に接続して計測や制御を行う。これをここでは、計測ユニットと呼ぶことにする。
この計測ユニットには、出力の表示機能を持たせたり、外部との無線送受信ができる機能を持たせたり、また、必要に応じて、所定のプログラムに沿って制御や計測をするようにしたり、外部電源を導入したり、さらに、電池を搭載できるようにすることもできる。
本発明のセンシングユニットは、熱型フローセンサの一部の部品としての役割なので、交換することもできるし、さらに種々の流体に適合する流路とは独立に用意することができるので、単純構造で、安価な熱型フローセンサを提供できるという利点がある。
本発明のセンシングユニットは、やはり、熱型フローセンサの一部の部品である別に用意した流路との組み合わせでできるが、この流路も商用の標準規格のパイプなどを利用することができるので、安価な熱型フローセンサを提供できるという利点がある。
本発明のセンシングユニットは、そこに備えたヒータと温度センサとを兼用して用いることができるので、極めてコンパクトな熱型フローセンサを提供できるという利点がある。
本発明の熱型フローセンサでは、センシングユニットや流路に対して、別に用意した被計測の流体の流れを計測するに必要な電気回路を有する計測ユニットを、センシングユニットの電気的端子に装着して構成するので、種々の計測目的にあった計測ユニットを用意して、種々のセンシングユニットや流路との組み合わせができる。従って、それぞれ少ない種類の部品であっても、それらの組み合わせにより、数多くの流体やそれらの測定領域に適するフローセンサの選択が可能となるという利点がある。
本発明の熱型フローセンサの部品であるセンシングユニット10の基板1の一実施例を示す平面概略図である。(実施例1) 本発明の熱型フローセンサの部品の一つであるセンシングユニット10の一実施例の構造を示す断面概略図である。(実施例1) 本発明の熱型フローセンサの一実施例を示す横断面概略図である。(実施例2) 図3に示した本発明の熱型フローセンサの一実施例の斜視概略図である。(実施例2) 本発明の熱型フローセンサの他の一実施例を示す横断面概略図である。(実施例3) 本発明の熱型フローセンサの部品であるセンシングユニット10の基板1の他の一実施例を示す平面概略図である。(実施例4) 図6におけるX−X’線に沿う横断面概略図である。(実施例4) 本発明の熱型フローセンサの部品であるセンシングユニット10の基板1の他の一実施例を示す平面概略図である。(実施例5) 図8のX−X’線に沿う横断面概略図である。(実施例5)
以下、本発明の熱型フローセンサのセンシングユニットは、成熟した半導体集積化技術とMEMS技術を用いて、シリコン(Si)基板で形成できる。このシリコン(Si)基板を用いて製作した場合を中心に、図面を参照して、実施例に基づきその概要を説明する。
図1は、本発明の熱型フローセンサの部品であるセンシングユニット10の基板1の一実施例を示す平面概略図である。基板1はSOI基板で製作した場合で、このSOI基板のn型のSOI層11を利用してセンシングとなるカンチレバ15を形成している。基板1のSOI層11にn型不純物であるリンを拡散するなどして、高濃度のn型拡散領域21を形成している。この領域は抵抗率が極めて小さくなるので、熱電対導体A151として利用するのに好都合である。本実施例では、SOI層11を利用したカンチレバ15を3本並べて形成し、全て温度センサ20でありながら温度差センサ120としての熱電対150を形成した場合である。そして、中央のカンチレバ15は、ヒータ25として兼用に用いることができるようにしてある。これらの熱電対150は、高濃度のn型拡散領域21を熱電対導体A151として用い、絶縁膜であるシリコン酸化膜50を介して、熱電対導体B152として、ニッケル(Ni)薄膜などの金属膜を利用している例である。カンチレバ15の先端部にあるオーム性コンタクト160を用いて、熱電対導体A151と熱電対導体B152とが電気的に接合して熱電対150を形成している。外部には、熱電対150の熱電対導体B用電極パッド72b、73bと熱電対導体A用共通電極パッド70を経由して、電気的端子370(図2参照)に接続される。中央の熱電対150はヒータ25としても用いることができるようにした場合であるので、特別に、基板1のSOI層11に絶縁用溝60を形成して、ヒータ25として動作したときの電流の一部が両側のカンチレバ15に形成された熱電対150に流れ込んでしまうなど、悪影響を及ぼさないように配慮している。ここでは、基板1の絶対温度を計測できるように、絶対温度センサ200をpn接合ダイオードで形成してある場合を示している。pn接合ダイオードを形成するには、n型のSOI層11を用いているので、p型拡散領域22を不純物熱拡散により容易に形成することができる。
SOI層11を利用したカンチレバ15を3本並べて形成し、全て温度センサ20を熱電対150とし、中央のカンチレバ15は、ヒータ25として用いる場合の被計測流体の流れを計測する原理は、次のようである。流れが無い時には、中央のヒータ25からほぼ等間隔に並んだ両側のカンチレバ15は、ヒータ25からの流体を通した熱伝導により、等しい温度上昇をしている。しかし、一方向に流があると、上流側のカンチレバ15は、冷やされるが、下流側のカンチレバ15は、ヒータ25からの熱を受けて、温度上昇する。これらの上流側と下流側との温度差は、流速に関係する(キングの法則)ので、校正曲線と両側のカンチレバ15に搭載してある熱電対150により流体の流れを計測することができる。もちろん、中央のカンチレバ15の熱電対150をヒータ兼温度差センサとして利用して、これ1本だけでも、後述のように、流体の流れを計測することができる。
上述のSOI層11を利用してセンシングとなるカンチレバ15を形成するには、半導体の微細加工技術を利用するMEMS技術で容易に作製することができる。
上述では、温度差センサ120である熱電対150を有するカンチレバ15を3本の並べて配置して、中央のカンチレバ15は、ヒータ25として動作させるようにした例であったが、例えば、中央のカンチレバ15の1本だけのカンチレバ15だけを形成し、そこにある熱電対150をヒータ25兼温度差センサ120として利用することができる。このようにすることにより、さらにコンパクトなセンシングユニット10が提供できるので、熱型フローセンサも更に、コンパクトになる。この場合、熱電対150をヒータ25として動作させるには、たとえば、10℃程度の温度上昇があれば良く、10mW程度の電力供給ですむ。その後、ヒータ25としての役目を止めて、熱電対150を温度差センサ120として、電流検出型熱電対(OPアンプの仮想短絡を利用して、熱起電力による短絡電流を計測する)として、カンチレバ15の冷却過程による所定の時間経過後の出力を計測する。被計測流体の流れが速い時には、冷却が速まるので、出力が小さくなるが、流れが遅い時には、冷却され難いので、OPアンプの出力は大きいままである。これらの出力の違いから流速または流量を、校正曲線を利用して算出する。
図2は、本発明の熱型フローセンサの部品の一つであるセンシングユニット10の一実施例の構造を示す断面概略図である。ここでは、ステンレスのパイプの一部を利用したセンシングユニット支持部360に基板支持板350が取り付けられ、更にそこには図1で説明した基板1が接合され、熱的に安定になるようにしている。そこからギャップ301を経て、ピン390を利用してギャップ301が調整できるギャップ調整板320が取り付けられている。また、センシングユニット10が流路300(図3参照)に取り付けられたときに、電気的端子370が流路300とは反対側で外側になるように配置されており、ハーメチックシールなどのシール材380で流体が漏れないようにセンシングユニット支持部360に取り付けられている。本実施例では、Oリング330を利用して、センシングユニット10が流路300(図3参照)に取り付けられたときに、気密性が保たれるようにした場合を示している。

図3は、本発明の熱型フローセンサの一実施例を示す横断面概略図を示している。ここでは、上述の実施例1の図2に示した本発明の熱型フローセンサのセンシングユニット10をパイプ状の流路300に気密性を保つように、Oリング330を利用して、取り付けた場合の横断面概略図を示している。もちろん、Oリング330を用いずに接着剤を利用して流路300に取り付けても差し支えない。流れ制限板310を利用して、基板支持板350やギャップ調整板320が動き難いように固定できるようにしている。ギャップ調整板320は、流れの所望の計測流量に応じて、流れ制限板310の厚みを予め決定しておくと良い。被計測流体は、主に流路中のギャップ301を通ることになる。
図4は、図3に示した本発明の熱型フローセンサの一実施例の斜視概略図であり、分かりやすくするために、流れ制限板310を取り外した場合を示している。流路300に形成してある孔45を通して、センシングユニット10に備えた基板1やこれを固定している基板支持板350、ギャップ調整板320などが流路300に挿入されて、センシングユニット10のセンシングユニット支持部360の内径が丁度、パイプ状の流路300の外形と一致するように選択してあり、ここでは、脱着可能なように、Oリング330を用いてシールしてある。センシングユニット10と流路300とが外れないように、金属バンド等で固定するが、ここ図では煩雑さを避けるために省略している。なお、接着剤等で互いに接合しても良い。また、外に飛び出した電気的端子370に、計測ユニット400を取り付けることができるようにしている。
図5は、本発明の熱型フローセンサの他の一実施例を示す横断面概略図を示している。ここでは、熱型フローセンサとして、上述の実施例2に示した本発明の熱型フローセンサのパイプ状流路300の両端に、ジョイント600を取り付けて、被計測流体が流入し、流出する配管500のパイプと同一の外径寸法のパイプ状流路300を採用してあり、配管300に、直結できるようにした場合である。更に、少なくともヒータ25や温度センサ20と信号や電力のやり取りができるようにした電気回路を内蔵した計測ユニット400をセンシングユニット10の電気的端子370に装着した様子を示している。
図6は本発明の熱型フローセンサの部品であるセンシングユニット10の基板1の他の一実施例を示す平面概略図である。ここでは、下地基板12の上に、例えば、プラスチックやガラス薄膜のような電気絶縁性で、しかも熱伝導率の小さい材料の薄膜が形成されて架橋構造薄膜16として形成してある場合で、この上にBiTe(Sb)系などの熱電対導体A151や熱電対導体B152が中心部で重なり、熱電対150の接合部165を形成している場合である。ここでは、この薄膜の温度差センサ120である熱電対150が温度センサ20でありながら、ヒータ25としても動作するように、温度センサ20とヒータ25とが兼用にしている場合である。なお、下地基板12の一部をエッチング除去して空洞40を形成して、宙に浮いた架橋構造となるようにしている。図7には、上述の図6におけるX−X’線に沿う横断面概略図を示している。
図8は本発明の熱型フローセンサの部品であるセンシングユニット10の基板1の他の一実施例を示す平面概略図である。上述の実施例4の図6との違いは、架橋構造薄膜16を形成せずに、基板1に直接、熱電対導体A151と熱電対導体B152とを、それぞれスパッタリング堆積などで、形成して所定の形状にパターン化して、基板1の下部の一部を除去して、熱電対導体A151と熱電対導体B152のみからなる架橋構造となるように空洞40を形成した場合を示している。このような場合、熱電対導体A151と熱電対導体B152の材料として、展性があり破壊され難い金属薄膜が適する。特に計測する流体が液体である場合は、このような金属薄膜を用いた熱電対150が好適である。ここでは、架橋構造薄膜16を無くした場合の例にしたが、金属薄膜の熱電対であっても、特に薄い場合などは、熱と電気の絶縁性のある架橋構造薄膜16を形成しても良いし、その方が良い場合もある。図9には、図8のX−X’線に沿う横断面概略図を示している。
上述では、基板1の下部をエッチング除去して空洞40を形成する例を示してあるが、基板1の上に犠牲層を形成して、その上に熱電対を形成する材料を形成した後、所定の形状のパターン化を行った後、犠牲層のエッチング除去により、そこに空洞40を形成して基板1から熱電対150のなどの温度センサ20やヒータ25の薄膜を熱分離することができる。
本発明の熱型フローセンサの部品としてのセンシングユニットおよび熱型フローセンサは、本実施例に限定されることはなく、本発明の主旨、作用および効果が同一でありながら、当然、種々の変形がありうる。
本発明の熱型フローセンサの部品としてのセンシングユニットおよび熱型フローセンサは、単純な構造であり、しかも、センシングユニット、流路、計測ユニットなどの部品を使用目的に合わせて選択して組み合わせるので、ニーズに合う安価な熱型フローセンサが提供できる。
1 基板
10 センシングユニット
11 SOI層
12 下地基板
15 カンチレバ
16 架橋構造薄膜
20 温度センサ
21 n型拡散領域
22 p型拡散領域
25 ヒータ
40 空洞
45 孔
50 シリコン酸化膜
60 絶縁用溝
70 熱電対導体A用共通電極パッド
71a、71b ヒータ用電極パッド
72a 熱電対導体A用電極パッド
72b 熱電対導体B用電極パッド
73b 熱電対導体B用電極パッド
74a、74b 温度差センサ用電極パッド
80 パイプ
90 配管
120 温度差センサ
150 熱電対
151 熱電対導体A
152 熱電対導体B
160 オーム性コンタクト
165 接合部
200 絶対温度センサ
300 流路
301 ギャップ
310 流れ制限板
320 ギャップ調整板
330 Oリング
350 基板支持板
360 センシングユニット支持部
370 電気的端子
380 シール材
390 ピン
400 計測ユニット
500 配線
600 ジョイント

Claims (7)

  1. 流体の流れを計測する熱型フローセンサのセンシングユニットは、少なくとも、ヒータと温度センサとを備えた基板を有すること、該センシングユニットが、熱型フローセンサを構成する流路とは独立に構成されていること、被計測流体が漏れないようにシールされた構造で、該流路に取り付けできる構造であること、該センシングユニットには、所望の計測流量に応じて、前記流体が通るギャップを、流れ制限板310の厚みで調整する流れ制限板310を設けてあること、該流路に取り付け後は、前記ヒータと前記温度センサからの電気的端子が前記基板を介して前記流路の外部から電気的接続ができるような構造であり、前記ヒータと前記温度センサは、前記流体に直接接触するような構造であること、を特徴とするセンシングユニット。
  2. 温度センサが温度差センサである請求項1記載のセンシングユニット。
  3. 温度差センサが電流検出型熱電対である請求項2記載のセンシングユニット。
  4. ヒータと温度センサとを兼用して用いた請求項1から3のいずれかに記載のセンシングユニット。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のセンシングユニットを前記流路に接合して、該流路を流れる流体の流れを計測できるように構成したことを特徴とする熱型フローセンサ。
  6. 流路が商用標準規格のパイプとし、被計測流体の配管に接続できるようにした請求項5記載の熱型フローセンサ。
  7. 少なくとも、前記電気的端子に被計測の流体の流れを計測するに必要な電気回路を有する計測ユニットを装着した請求項5もしくは6のいずれかに記載の熱型フローセンサ。
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