JP5759765B2 - 荷役車両 - Google Patents

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Description

本発明は、車両と地上との間でコンテナを積み込むことができる荷役車両に関する。
従来、シャシフレームに対して回動可能に設けられコンテナをシャシフレーム上と地上との間で積み降ろしすることができる荷役装置を備えた荷役車両は、特許文献1により公知である。この荷役車両では、荷役装置の先端に備えたフックをコンテナのリフトバーを引っ掛けることでコンテナを係合し、荷役装置を車両前方に向かって回動することによりコンテナを地上からシャシフレーム上に積込むとともに、荷役装置を車両後方に向かって回動することによりコンテナをシャシフレーム上から地上に降ろすことができるようになっている。
コンテナの積込動作を具体的に説明すると、まず車両後方に向かって荷役装置を回動させ、コンテナの前方おいて、コンテナと荷役車両との中心線が略一直線に位置するように荷役車両を縦列停車させる。この状態から荷役車両を後退することでフックとコンテナのリフトバーとを係合させる。そして、荷役装置を車両前方に回動することで荷役装置のフックがコンテナのリフトバーを持ち上げつつ車両前方に移動させ、シャシフレーム上にコンテナを積み込むことができる。
特開2011−5967号公報
しかしながら、荷役車両をコンテナの中心線と略一直線に縦列停車することができず、やや斜めに傾斜した位置に停車した状態からコンテナの積込動作をおこなうと、リフトバーはフックの側面に当接してしまう。このとき、フックの側面は一様な平面であるため、コンテナ積込途中においてリフトバーがフックから外れることでコンテナが脱落してしまうことがある。
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、コンテナの積込動作を安全に行うことができる荷役車両を提供する。
前記目的を達成するための本発明の荷役車両は、シャシフレームと、シャシフレームに回動可能に設けられるとともにコンテナと係合しうるフックを固定した荷役アームを有する荷役装置とを備えた荷役車両において、前記フックの先端にはその両側面より突出した突出部を有し前記突出部は、頂部と頂部のフック係合側であって頂部の周りに形成された傾斜面とを有することを特徴としている
れにより、フック側面に当接したリフトバーは、突出部に接触することで脱落方向への移動が規制される。したがって、コンテナの脱落を防止することができる。また、突出部の傾斜面がリフトバーと当接することで、リフトバーを係合方向に移動させることができるとともにフックの姿勢にかかわらず傾斜面をリフトバーに対向させることができるため、コンテナの脱落をさらに防止することができる。
また、前記突出部は半球型であってもよく、これによるとフックの姿勢にかかわらず傾斜面をリフトバーに対向させることができるため、コンテナの脱落をさらに防止することができる。
このような構成の荷役車両によれば、コンテナの積込動作又はコンテナの降ろし動作を安全に行うことができる。
本発明を適用した荷役車両の一実施形態を示し、コンテナ積み込み作業完了時の状態を示す側面図である。 (a)は、図1に示す荷役車両の荷役装置の平面図であり、(b)は、図1に示す荷役車両の荷役装置の側面図である。 コンテナの側面図である。 荷役車両にてコンテナを車両後方に傾斜(ダンプ)させた状態を示す図である。 荷役車両上のコンテナを積降する途中の状態であり、(a)は、フックアームを車両後方へ回動させた状態を示す図、(b)は、リフトアーム及びフックアームの回動により、コンテナの接地ローラが地面に接地した状態を示す図、(c)は、コンテナ全体が荷役車両の後方にて接地した状態を示す図である。 本発明のフックの拡大図であり、(a)は車両前方から見た図、(b)は車両側方から見た図である。 図5のA部を拡大した図である。 図7のB−B線断面図である。 荷役車両に対してコンテナが傾斜した場合の係合状態を示した図である。 図9のC−C線断面図である。
図1に示すように、この荷役車両Vは、シャシフレームFと、シャシフレームF上に一体に搭載されるサブフレームSと、コンテナCをシャシフレームF上と地上との間で積み降ろしたり、このコンテナCをシャシフレームF上で車両後方へ傾斜させたダンプ状態とする荷役装置Hとを備えている。
シャシフレームF上には、サブフレームSが一体に搭載されている。サブフレームSは、左右方向に並んで配置されるとともに前後方向に延びる一対の縦桁11と、左右方向に延びる複数の横桁12とにより枠状に形成されている。
荷役車両Vの後部には、左右方向の軸芯回りに回転自在な左右一対の案内ローラRが設けられている。
荷役装置Hは、コンテナCを積み降ろしするために動作する荷役アーム2と、この荷役アーム2を駆動する荷役駆動装置3とを有している。荷役アーム2はサブフレームSに取り付けられている。
図2に示すように、荷役アーム2は、ダンプアーム21、リフトアーム22、フックアーム24、フック25、ダンプアーム21とリフトアーム22とをロック可能なロック装置26(図示せず)を備えている。
サブフレームSの後部には、ダンプアーム21が後方に傾動可能に設けられる。このダンプアーム21の後端は軸21aに支持されている。
ダンプアーム21の前部には、ブラケットを介してリフトアーム22の後部(図2の(b)に示す車両後方側)が軸22aにより前後方向に起伏回動自在に支持されている。このリフトアーム22は、サブフレームSの左右中間部を前後方向に延びている。リフトアーム22の後部は、ダンプアーム21と前後方向に重なり合っているが、リフトアーム22の大部分は、ダンプアーム21よりも前方に延長されている。
リフトアーム22の前部には、フックアーム24の基部が軸24aにより前後方向に回動可能に支持されている。このフックアーム24は側面からみてL字状に形成されている。
フックアーム24の先端(図2の(b)に示す車両上方側端部)にはフック25が一体に設けられる。このフック25は、コンテナ4の前面上部に設けたリフトバー44(詳細は後述)に係脱自在である。
図6(a)及び(b)を参照してフック25の詳細構造について説明する。
フック25は走行姿勢において車両前方に開口を向けた側面視略C字状に形成されている。フック25の先端部251の両側には、右側面252aより突出した半球型状の突出部253aと、左側面252bより突出した半球型状の突出部253bとを備えている。突出部253a,253bの頂部254a,254bよりも車両後方側には傾斜面255a,255bが形成されている。C字状のフック25の内面は、コンテナのリフトバー44と係合するフック係合面256である。
一方、フック25の外面には車両後方側に向かって突出した隆起部257を有している。この隆起部257は走行姿勢においてコンテナCの前面41と近接し、フック25に対してコンテナC(リフトバー44)が前方に移動することを規制し、リフトバー44よりもフック先端251が常に車両前方に配置するようにしている。これにより走行姿勢にあるフック25からリフトバー44が上方に離脱することを防止している。
なお、フック25は底面258をフックアーム24の先端に溶接で固定している。
図2に示すように、荷役駆動装置3は、リフトシリンダ31、フックシリンダ33を備えている。
サブフレームSの前部とリフトアーム22の中間部との間には、復動油圧シリンダよりなる一対のリフトシリンダ31が連結されている。これらのリフトシリンダ31は、リフトアーム22の左右両側を前後方向に延びている。
一対のリフトシリンダ31は、同調伸縮作動することにより、図1に示す走行姿勢と図5(c)に示す係合姿勢との間を、リフトアーム22を回動中心、すなわち軸22aまわりに起伏回動させることができる。これにより、リフトシリンダ31を伸縮させることで、コンテナCをシャシフレームF上と地上との間で積み降ろしすることができる。さらに、ダンプ動作時には、リフトシリンダ31の伸縮により、荷役アーム2及びコンテナCを一体として軸21aを中心に回動させることで、コンテナを車両後方へ傾斜(ダンプ)させることができる。
リフトアーム22の前部と、フックアーム24との中間部には、フックアーム24を傾動させる、復動油圧シリンダよりなるフックシリンダ33が連結されている。
このフックシリンダ33の伸縮作動により、フックアーム24をリフトアーム22に対して軸24aまわりに荷役車両Vの前後方向に回動させることができる。これにより、コンテナCがサブフレームS上を前後方向に移動することができる。
次に、コンテナCの詳細構造について説明する。図3に示すように、荷役車両Vのシャシフレーム1上に搭載されるコンテナCは無蓋の箱状に形成されており、その前面41の両側は補強桁41aにより補強され、その底面42は、前後方向に延びる主桁42aにより補強される。コンテナCの開放後面は、リヤゲート43により閉じられ、またコンテナC前面41の上部には、前記フックアーム24のフック25と係脱自在な係合部、すなわちリフトバー44を備えている。リフトバー44は、前面41に溶接固定したブラケット441,442と、ブラケット441,442との間にまたがって設けたバー443とを有している。バー443は中実の丸棒を平面視く字状に屈曲し、その両端443a,443bをブラケット441と442とに挿入支持されている(図8参照)。なお、バー443は屈曲した中央部443cが両端443a,443bよりもやや上方に向くようにしている。これにより、フック25がバー443の端部443a又は443b寄りを引っ掛けたとしても、フック25は傾斜を伝ってバー443の中央部443cに相対移動し(図8に示す位置)、荷役車両VとコンテナCとの相対位置を一定(荷役車両V及びコンテナCの中心線が略一直線に沿う)に保持することができる。コンテナ4の底部には、その前端部に左右一対の脚部45が固定され、後端部に左右一対の走行ローラ46が回転可能に取付けられている。
図4、図5を用いて、上記荷役車両VによるシャシフレームF上でコンテナCを車両後方へ傾斜させるダンプ作業及びコンテナCの積み降ろし作業についてそれぞれ説明する。
まず、図4を用いて、サブフレームS上に搭載されているコンテナCを車両後方へ傾斜(ダンプ)させる作業について説明する。
サブフレームS上にコンテナCが搭載されている状態、すなわちフックアーム24を傾動させない状態でリフトシリンダ31を伸長させる。このとき、図示しないロック装置26はロック状態を維持してダンプアーム21とリフトアーム22とを一体に固縛しているので、ダンプアーム21、リフトアーム22は一体となって後方に傾動し、コンテナCをダンプさせて、当該コンテナC内の収容物を外部に排出することができる。
図1及び図5を用いてコンテナCを荷役車両Vから地上へ降ろす作業について説明する。まず、図1に示すように、サブフレームS上にコンテナCが搭載されている状態から、荷役アーム2を後方回動させる。具体的には、フックシリンダ33の伸長作動により、フックアーム24を後方に回動させ、コンテナCを左右の案内ローラRにより案内しながら後方に移動させる(図5(a)参照)。その際、図示しないロック装置26がロック解除されることにより、リフトアーム22はダンプアーム21に対して自由に回動できるようになる。
ついで、リフトシリンダ31を伸長作動させると、リフトアーム22はフックアーム24とともに後方に回動する。これにより、コンテナCは、左右の案内ローラRに案内されてサブフレームS上を後方に移動するとともに、その後部が左右の案内ローラRの回転中心を支点として下方に回動し、走行ローラ46が地上に着地する(図5(b)参照)。リフトシリンダ31が伸長を継続して最伸長すると、フックアーム24は下向きとなって、コンテナCは荷役車両Vの後方の地上に降ろされる(図5(c)参照)。ここで、フックアーム24先端のフック25をリフトバー44より外せば、コンテナCは荷役車両Vから分離され、コンテナCの降ろし作業が終了する。
地上に降ろされているコンテナCを荷役車両V上に積み込む作業について説明する。
まず、リフトアーム22をフックアーム24とともにリフトシリンダ31を伸長し、図5(c)に示す係合姿勢まで回動させる。このとき、フックアーム24は、フックシリンダ33の伸長により、リフトアーム22に対して回動させた状態にある。その後、地上に降ろされているコンテナCの前方において、荷役車両Vの車幅方向の中心線と、コンテナCの幅方向の中心線とが略一直線上に位置するように荷役車両Vを一旦、縦列停車させる。
次に、荷役車両Vを後退させ、フックアーム24先端のフック25をコンテナCの前端部のリフトバー44に係合させる(図5(c)参照)。その後、リフトシリンダ31の収縮作動によりリフトアーム22をフックアーム24とともに前方に回動させると、コンテナCは、持ち上げられつつ荷役車両V側に移動し、コンテナC底部の主桁42aが案内ローラRに案内されつつさらに荷役車両V側に移動する(図5(b)参照)。
引き続きリフトシリンダ31を収縮作動させると、コンテナCの走行ローラ46が地上から離れる。リフトシリンダ31が最収縮すると、コンテナCの主桁42aの前部がサブフレームS上に載置される(図5(a)参照)。この状態からフックシリンダ33を収縮作動させることにより、フックアーム24を走行姿勢まで前方回動させ、コンテナCがサブフレームS上に搭載された状態とする(図1参照)。
突出部253a,253bの作用について図7及び図8を参照して説明する。図7は、係合姿勢にあるフック25がコンテナC(一点鎖線で表現)のリフトバー44を引っ掛けた状態を示す拡大図である。そして、図8は図7のB−B線断面図であり、コンテナCが荷役車両Vの中心線と略一直線となるように配置された場合を示している。一方、図9及び図10はコンテナCが荷役車両Vの中心線より傾斜した状態で配置された場合を示している。なお、図10は図9のC−C線断面図である。
ここで、図7及び図8に示すようにコンテナCが荷役車両Vの中心線と略一直線となるように配置された場合からコンテナCをシャシフレームF上に積込むのであれば、フック25の先端251はフック係合面256に対して上方を向くように配置されている。このため、リフトバーのバー443は、脱落方向(図8の右方向)に移動しようとしてもフック先端251によりその相対移動が規制される。
しかしながら、図9及び図10に示すようにコンテナCが荷役車両Vの中心線より傾斜した状態で配置された場合、バー443は、フック25のフック係合面256ではなく、側面(図10に示すように左に傾斜した場合は右側面252a)と当接する。このとき、バー443がフック25の右側面252aと当接する箇所は中央部443cではなく端部443aに偏った位置で半掛かりとなることがある。バー443がフック25に半掛かりの状態で荷役装置Hを回動させ、コンテナCが脱落方向に相対移動しようとすると、バー443は端部から中央部443cに向かって上方に向くように配置しているため、バー中央部443cの下方にある空間部分をフック先端251が通過しようとしてしまう。しかし、右側面252aの先端寄りには突起部253aを備えており、バー443は突起部253aと当接することで脱落方向への相対移動が規制される。これにより、コンテナCの脱落を防止することができる。また、突起部253aには傾斜面255aを備えているので、バー443は傾斜面255aに沿って係合方向にガイドされる。これにより、バー443が頂部254aを超えて脱落してしまうことをさらに効果的に抑制することができる。そして、突起部253aは半球型であるため、荷役装置Hの回動によりフック25の姿勢が変化したとしても常に傾斜面255aがリフトバー443の脱落方向側に存在するため、コンテナCの積込み動作の全域においてリフトバー443を係合方向にガイドすることができる。
なお、コンテナCが左に傾斜した状態からの積込動作において右側の突起部253aの作用について示したが、コンテナCが右に傾斜した状態からの積込動作であれば左側の突起部253bが同様にコンテナCの脱落を防止するため、コンテナCがいずれの方向に傾斜していたとしても安全に積込動作をおこなうことができる。
上記実施例において突出部253a,253bは半球型を例示したが、その他の形状を採用してもよく、側面252a,252bよりも車幅方向の外側に向かって突出し、その突出部は、傾斜面を有する錐体のほうがよい。
フックアーム24をリフトアーム22に対して回動可能に支持したいわゆるスイング式の荷役装置Hを備えた荷役車両Vに採用した場合について説明したが、フックアーム24をリフトアーム22に対してスライド移動可能に支持したいわゆるスライド式の荷役装置Hを備えた荷役車両Vであってもよく、その他の既知の荷役装置のフックに採用してもよい。
V 荷役車両
F シャシフレーム
H 荷役装置
2 荷役アーム
21 ダンプアーム
22 リフトアーム
24 フックアーム
25 フック
251 先端
252a,252b 側面
253a,253b 突出部
255a,255b 傾斜面
256 フック係合面

Claims (2)

  1. シャシフレームと、
    シャシフレームに回動可能に設けられるとともにコンテナと係合しうるフックを固定した荷役アームを有する荷役装置とを備えた荷役車両において、
    前記フックの先端にはその両側面より突出した突出部を有し
    前記突出部は、頂部と頂部のフック係合側であって頂部の周りに形成された傾斜面とを有することを特徴とする荷役車両。
  2. 前記突出部は半球型であることを特徴とする請求項1記載の荷役車両。
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