JP5132484B2 - 荷役車両 - Google Patents

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Description

この発明は、コンテナを積み降ろしすることができる荷役車両に関する。
荷役車両は、車体フレームに荷役アームが前後回動可能に設けられており、この荷役アームの先部には、コンテナの前部に設けられた係合部に係脱可能なフックが設けられている(例えば、特許文献1参照)。図14および図15実線で示すように、荷役車両100をコンテナ200の前方に縦列停車し、荷役アーム101のフック102をコンテナ200の係合部201に係合させた状態から荷役アーム101を前方回動させることにより、コンテナ200を車体フレーム103上に積み込むことができる。また、この積み込み状態から荷役アーム101を後方回動させれば、コンテナ200を荷役車両100後方の地上に降ろすことができる。
また、荷役アーム101は、後方回動位置において、フック102が車体フレーム103の後方に突出したリヤバンパ104よりも、さらに後方に位置するまで回動させるようになっている(例えば、特許文献2参照)。これにより、コンテナ200の積み降ろし作業中に、リヤバンパ104がコンテナ200前部の前壁202や脚部203,204に接触して破損するのを防止するようにしている。
特開2006−56397号公報 特開2006−96066号公報
ところで、コンテナの積み降ろし場所によっては、コンテナの前方に荷役車両を縦列停車するスペースがない狭い場所で、コンテナの積み降ろし作業を行う場合がある。この場合は、図15二点鎖線に示すように荷役車両100をコンテナ200の斜め前方位置に停車してコンテナ200の積み降ろし作業を行う。
しかし、荷役車両100をコンテナ200の斜め前方位置に停車させると、コンテナ200前部の前壁202の一側部や脚部203が、リヤバンパ104の車幅方向の外端部(図15下側)に接近した状態となる。このため、コンテナ200の積み降ろし作業をする際に、コンテナ200の前壁202や脚部203がリヤバンパ104に更に接近することによりリヤバンパ104の外端部に接触し、リヤバンパ104が破損するという問題があった。
そこで、特許文献2に記載されているように、リアバンパを車体フレームの後部に前後移動可能に支持させた荷役車両を採用することが考えられる。この場合、コンテナの積み降ろし作業をする際に、リアバンパを前方に移動させれば、積み降ろし中のコンテナがリアバンパと接触するのを回避することができる。
しかしながら、特許文献2の荷役車両にあっては、リヤバンパ全体を前後移動させるため、車体フレームの後部下方には、車幅方向全長に亘ってリヤバンパの前後移動を許容するスペースを確保する必要がある。このため、車種によっては上記スペースを確保することが困難な場合があり、このようなリヤバンパを適用できる車種が限定されるという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、荷役車両において、コンテナの積み降ろし作業中にコンテナの前部が接触するのを防止するとともに、適用可能な車種が限定されないリヤバンパ構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明の荷役車両は、前部に係合部を有するコンテナを搭載可能な車体フレームと、前記車体フレーム側に基端部が前後回動可能に取り付けられているとともに、先端部に前記係合部に係脱可能なフックを有する荷役アームと、前記フックを前記係合部に係合させた状態で前記荷役アームを回動させることにより前記コンテナを前記車体フレーム上と当該車体フレーム後方の地上との間で積み降ろしするための駆動手段と、前記車体フレームの後部に設けられているリヤバンパと、を備えた荷役車両において、前記リヤバンパは、前記車体フレームの後方に突出した状態で当該車体フレームに固定されている固定バンパと、前記固定バンパに対して前後回動可能に取り付けられ、当該固定バンパの車幅方向の外側方に配置される張出位置と、前記張出位置から前記車体フレームの長手方向中央側に前方回動させて積み降ろし作業中の前記コンテナの前部と非接触となる格納位置との間で移動可能な可動バンパと、を有しているものである。
この構成によれば、コンテナの積み降ろし作業中に、固定バンパの車幅方向の外側方に配置されている可動バンパを格納位置に移動させることで、コンテナの前部がリヤバンパの車幅方向の外端部に接触するのを防止することができる。これにより、コンテナの斜め前方に位置する荷役車両にてコンテナの積み降ろし作業をする際に、コンテナの前部がリアバンパの外端部に接触してリヤバンパが破損するのを防止することができる。
さらに、リヤバンパの一部である可動バンパのみを格納位置に移動させるようにしたので、車両後部には可動バンパの格納スペースのみを確保すればよく、リヤバンパ全体の格納スペースを確保する必要がない。したがって、従来のリヤバンパ全体を格納させる場合と比べると、上記リヤバンパ構造を適用することができる車種が限定されることはない。
また、前記荷役車両は、前記車体フレーム後部の車幅方向の外側方に配置される適正位置と、積み降ろし作業中の前記コンテナの前部と非接触となる退避位置との間で移動可能なランプ装置を更に備えているのが好ましい。
この場合、コンテナの積み降ろし作業中に、車体フレーム後部の適正位置に配置されているランプ装置を退避位置に移動させることで、コンテナの前部がランプ装置に接触するのを防止することができる。これにより、コンテナの斜め前方に位置する荷役車両にてコンテナの積み降ろし作業をする際に、ランプ装置が破損するのを防止することができる。
また、前記荷役車両は、前記可動バンパの移動と前記ランプ装置の移動とを連動させ、当該可動バンパが張出位置で当該ランプ装置を適正位置とし、当該可動バンパが格納位置で当該ランプ装置を退避位置とする連動機構を更に備えているのが好ましい。
この場合、連動機構により可動バンパの移動と連動してランプ装置を移動させることができるので、可動バンパとランプ装置の移動作業を迅速に行うことができる。
本発明の荷役車両によれば、コンテナの積み降ろし作業中に、固定バンパの車幅方向の外側方に配置されている可動バンパを格納位置に移動させることで、コンテナの前部がリヤバンパに接触するのを防止することができる。これにより、コンテナの斜め前方に位置する荷役車両にてコンテナの積み降ろし作業をする際に、リアバンパが破損するのを防止することができる。
さらに、リヤバンパの一部である可動バンパのみを格納位置に移動させるようにしたので、車両後部には可動バンパの格納スペースのみを確保すればよく、リヤバンパ全体の格納スペースを確保する必要がない。したがって、従来のリヤバンパ全体を格納させる場合と比べると、上記リヤバンパ構造を適用することができる車種が限定されることはない。
[荷役車両の全体構成]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の荷役車両の実施の一形態を示す側面図である。図2〜図5は、この荷役車両の機能を説明するための側面図である。この荷役車両Vは、車体フレーム1と、コンテナCを車体フレーム1上と地上との間で積み降ろし(図2〜図4)したり、このコンテナCを車体フレーム1上で後方へ下傾させたダンプ状態(図5)とする荷役装置2とを備えている。
車体フレーム1は、左右一対のシャシフレーム1aと、各シャシフレーム1aの上面に固定された荷役フレーム1bと、各シャシフレーム1aの後端部に該シャシフレーム1aに直交して固定された垂下フレーム1cとを有している。各荷役フレーム1bの後端には、コンテナC底部の主桁Caを案内する案内ローラ3が回転自在に軸支されている。これらの案内ローラ3によって、車体フレーム1上に積み降ろし可能に搭載されるコンテナCが円滑に誘導案内される。コンテナCの底部には、その前端部に左右一対の脚部Cbが固定され、後端部に左右一対の走行ローラCcが回転可能に取り付けられている。また、コンテナCの前壁Cd上部の幅方向略中央部には係合部としてのリフトバーCeが固定されている。上記脚部Cbと前壁CdとによりコンテナCの前部Cfを構成している。
上記荷役装置2は、車体フレーム1の後部において基端部が案内ローラ3の回転軸線と同じ軸線回りに前後回動自在に取り付けられた一対のダンプアーム4と、車体フレーム1側であるダンプアーム4の先端部側において基端部が前後回動自在に取り付けられた荷役アーム5と、荷役アーム5の途中部において一端部が回動自在に取り付けられ車体フレーム1の前寄り部において他端部が回動自在に取り付けられた復動油圧シリンダからなるリフトシリンダ6とを備えている。
荷役アーム5は、ダンプアーム4の先端部側において基端部が前後回動自在に取り付けられたリフトアーム5aと、このリフトアーム5aの先端部において基端部が前後回動自在に取り付けられたフックアーム5bと、このフックアーム5bの先端部に固定されたフック5cとを有している。リフトアーム5aの先端部には、復動油圧シリンダからなるフックシリンダ7の基端部が回動自在に取り付けられ、フックシリンダ7の先端部はフックアーム5bの途中部に回動自在に取り付けられている。上記フック5cは、コンテナCのリフトバーCeに係脱可能となっている。
また、上記リフトシリンダ6とフックシリンダ7とにより荷役アーム5の駆動手段Sを構成している。
上記構成により、フックシリンダ7の伸長作動により、フックアーム5bを後方回動させて車体フレーム1の後方へ移動させ、ダンプアーム4とリフトアーム5aとの間に設けたロック装置(図示せず)によってダンプアーム4とリフトアーム5aとの間を回動可能としたロック解除状態で、リフトシリンダ6を伸長させると、荷役アーム5のフック5cにリフトバーCeが係合したコンテナCを地上へ降ろすことができる(図2)。また、上記ロック装置によって両アーム4,5aの回動を規制したロック状態で、リフトシリンダ6を伸長させると、荷役アーム5のフック5cがリフトバーCeに係合されているコンテナCは、後方へ下傾したダンプ状態となる(図5)。
車体フレーム1の後部には、コンテナCの積み降ろし中に車体フレーム1の後部を支持するジャッキ8が設けられている。ジャッキ8は、垂下フレーム1cの下端部寄りの位置に回動自在に取り付けられており、垂下フレーム1cの下方へ突出させて接地ローラ8aが地面に近づく突出位置(図2)と、車両前方へ略90°回動して突出位置よりも上方へ接地ローラ8aが地面から退避した収納位置(図1)との間を回動可能としている。
[第一の実施の形態に係る荷役車両]
図6〜図10は、本発明の第一の実施の形態の要部を示している図である。図6は車体フレーム1の後部左側を示す図であり、図7は図6の車体フレーム1の側面図である。また、図8および図9は図6の車体フレーム1の平面図である。
上記車体フレーム1の後部には、車幅方向に延びるリアバンパ9が設けられている。リアバンパ9は、車体フレーム1の後方に突出した状態で、垂下フレーム1cの後面下部に固定された固定バンパ10と、この固定バンパ10の車幅方向の両外側方において、車体フレーム1に鉛直軸線回りに前後回動可能に取り付けられた左右一対の可動バンパ11とを備えている。
上記固定バンパ10は、図7および図8に示すように、断面ボックス状に形成された本体部10aと、この本体部10aを支持する左右一対の支持部10bとを有している。各支持部10bは、一端部が垂下フレーム1cの下部後面に固定された上下一対の水平板10b1と、この両水平板10b1の他端部に直交して固定された垂直板10b2とを有している。上下の水平板10b1は、車幅方向の中間部を連結板10b3により連結されている。各支持部10bの垂直板10b2には、上記本体部10aの車幅方向の両端部が、取付板10a1を介してボルト10c・ナット10dにより固定されている。
上記可動バンパ11は、図8および図9に示すように、固定バンパ10の本体部10aと同一形状の断面ボックス状に形成された本体部11aと、この本体部11aを回動可能に支持するアーム部11bとを有している。アーム部11bは、図7に示すように、上下一対の水平板11b1と、この両水平板11b1の一端部に直交して固定された垂直板11b2とを有している。垂直板11b2には、本体部11aの端部前面が固定されている。水平板11b1の長手方向の中間部は、固定バンパ10の上下の水平板10bに上下方向へ貫通して固定されたボス部10eに、ピン12により回動可能に取り付けられている。一対の水平板11bは、固定バンパ10の一対の水平板10bよりもボス部10eの軸方向(上下方向)両端側に配置されており、水平板10bと干渉することなく回動させることができる。
上記構成により、アーム部11bをピン12を中心として前後回動させることにより、可動バンパ11は、その本体部11aが固定バンパ10の本体部10aの車幅方向の外側方にて該本体部10aの長手方向(車幅方向)の延長線上に配置される張出位置(図8)と、この張出位置に対して車体フレーム1の前部側に約30度傾斜した格納位置(図9)との間で回動可能である。上記張出位置は、荷役車両Vに対する可動バンパ11の配置位置が、法令上定められているリヤバンパの配置位置の基準を満たしている位置である。上記格納位置は、コンテナCの積み降ろし作業中に、コンテナCの前部Cfが可動バンパ10に接触するのを回避することができる位置である。
上記可動バンパ11のアーム部11bには、可動バンパ11が張出位置および格納位置から回動するのを規制する規制手段13が設けられている。図10は、規制手段13を示す図7の要部拡大図である。以下、この規制手段13の詳細について説明する。アーム部11bの上側の水平板11b1の上面であって、ピン12より車幅方向の内側には、貫通孔14が形成され、この貫通孔14の上部にはボス部15の下端部が固定されている。このボス部15には、規制ピン16が上下移動可能に取り付けられている。規制ピン16は、ボス部15内に設けられたスプリング17の付勢力により、常に下方側に付勢されている。一方、ボス部15の下方に位置する固定バンパ10の上側の水平板10b1には、規制ピン16が係脱可能な第一係合孔18および第二係合孔19が形成されている(図8および図9参照)。
これにより、可動バンパ11が張出位置にあるときは、規制ピン16の下端を第一係合孔18に係合させることにより、可動バンパ11の前方回動が規制される。また、可動バンパ11が格納位置にあるときは、規制ピン16の下端を第二係合孔19に係合させることにより、可動バンパ11の後方回動が規制される。
上記規制ピン16の上端にはJ型の操作レバー20が、水平軸周りに上下回動可能に取り付けられており、操作レバー20の把持部20aを下方回動位置(図10実線)から上方回動位置(図10二点鎖線)へ回動操作することにより、操作レバー20の屈曲部20bがボス部15の天板15aの上面に当接し、この当接部を支点として操作レバー20の基端部20cが上方へ移動するとともに、規制ピン16がスプリング17の付勢力を抗して上方へ持ち上げられ、第一係合孔18または第二係合孔19との係合が解除される。
上記リヤバンパ9には、張出位置にある可動バンパ11を固定バンパ10に一体的に固縛するための固縛手段21が設けられている。固縛手段21は、固定バンパ10上面の車幅方向の左右両端部に外側に向けて固定された延長板22aに取り付けられたフック部材22と、可動バンパ11の上面に基端部がピン23aにより水平軸回りに起伏回動可能に取り付けられたレバー部材23と、このレバー部材23の中間部にピン24aにより水平軸回りに回動可能に取り付けられた固縛部材24と、を備えている。
上記構成により、レバー部材23を下方回動させた倒伏状態(図6実線)で、固縛部材24の先端部の固縛部24bをフック部材22に係合することができ、可動バンパ11は固定バンパ10に一体的に固縛される。これにより、荷役車両Vの走行中に可動バンパ11のガタつきを抑制することができ、このガタつきに起因する可動バンパ11の損傷を防止することができる。また、レバー部材23を上方回動させて起立状態(図6二点鎖線)にすると、固縛部材24とフック部材22との係合が解除される。
上記車体フレーム1の後部の左右位置には、ランプ装置25が設けられている。ランプ装置25は、基端部を垂下フレーム1cに回動可能に取り付けた取付部25aと、この取付部25aの先端部に固定されたランプ部25bとを備えている。
取付部25aは、チャンネル材にて形成されており、垂下フレーム1c上部の外側面に固定されたチャンネル材からなる取付ブラケット26に、ピン27によって鉛直軸線回りに前後回動可能に取り付けられている。ランプ部25bは、方向指示器用ランプおよびブレーキランプを有し、取付部25aの自由端側に垂下固定されている。取付部25aの上面には反射板28が固定されている。
上記構成により、ランプ装置25は、車体フレーム1後部の車幅方向の外側方に配置される適正位置(図8)と、この適正位置に対して車体フレーム1の前部側に約30度傾斜した退避位置(図9)との間で回動可能である。上記適正位置は、荷役車両Vに対するランプ部25aの配置位置が、法令上定められているランプの配置位置の基準を満たしている位置である。また、上記退避位置は、コンテナCの積み降ろし作業中に、コンテナCの前部Cfがランプ装置25に接触するのを回避することができる位置である。
上記ランプ装置25と可動バンパ11との間には、ランプ装置25の前後回動と可動バンパ11の前後回動とを連動させる連動機構29が設けられている。
この連動機構29は、ランプ装置25の取付部25aと、可動バンパ11のアーム部11bとを連結している連結部29aを有している。連結部29aは、図6に示すように逆Z形に形成されており、その上端部は、取付部25aの回動中心側の下面にボルト29b・ナット29cにより回動可能に連結されている。連結部29aの下端部は、可動バンパ11のアーム部11bの上面にボルト29d・ナット29eにより回動可能に連結されている。上記構成により、可動バンパ11を張出位置まで前方回動させると、ランプ装置25は、連動機構29を介して可動バンパ11とともに前方回動し、適正位置まで移動可能となる(図8)。また、可動バンパ11を格納位置まで後方回動させると、ランプ装置25は、連動機構29を介して可動バンパ11とともに後方回動し、退避位置まで移動可能となる(図9)。
上記取付ブラケット26には、近接センサ30が設けられており、近接センサ30の検知部30aは、ランプ装置25の取付部25aが適正位置にあることを検知するようになっている。また、近接センサ30は、B接点型のセンサ(通常ONで、検知対象を検知するとOFFとなるセンサ)であり、近接センサ30が検知状態でないとき、すなわち取付部25aが適正位置以外の回動位置にあるときには、荷役車両Vの運転室内に設置されているブザー(図示せず)を鳴動させるとともに、警告ランプ(図示せず)を点灯させ、作業者に注意を促すようになっている。
[荷役車両を縦列停車した場合におけるコンテナの降ろし作業]
次に、上記荷役車両VによるコンテナCの積み降ろし作業について説明する。
コンテナCを荷役車両Vから地上へ降ろす作業は、まず、車体フレーム1上にコンテナCが搭載されている状態(図1参照)から、収納位置にあるジャッキ8を下方回動させ、接地ローラ8aが地面に近づく突出位置(図2参照)とする。この状態から、荷役アーム5を後方回動させる。具体的には、フックシリンダ7の伸長作動によりフックアーム5bを後方に傾動させ、コンテナCを左右の案内ローラ3上を後方に移動させる。その際、図示しないロック装置がロック解除されることにより、リフトアーム5aはダンプアーム4に対して自由に回動できるようになる。
ついで、リフトシリンダ6を伸長作動させると、リフトアーム5aはフックアーム5bとともに後方に回動する。これにより、コンテナCは、左右の案内ローラ3に案内されて車体フレーム1上を後方に移動するとともに、その後部が左右の案内ローラ3の回転中心を支点として下方に回動し、走行ローラCcが地上に着地する(図4参照)。
リフトシリンダ6が伸長を継続して最伸長して後方回動終端位置(図2参照)に至れば、フックアーム5bは下向きとなって、コンテナCは荷役車両Vの後方の地上に降ろされる。ここで、フックアーム5b先端のフック5cをリフトバーCeより外せば、コンテナCは荷役車両Vから分離される。分離後は、突出位置にあるジャッキ8を上方回動させ、接地ローラ8aが地面から退避した収納位置(図1参照)とし、コンテナCの降ろし作業が終了する。
なお、車体フレーム1上にコンテナCが搭載されている状態、すなわちフックアーム5bを傾動させない状態(図1参照)でリフトシリンダ6を伸長すれば、図示しないロック装置はロック状態を維持してダンプアーム4とリフトアーム5aとを一体に固縛しているので、図5に示されるように、両アーム4、5aは一体となって後方に傾動し、コンテナCをダンプさせて、当該コンテナC内の収容物を外部に排出することができる。
[荷役車両を縦列停車した場合におけるコンテナの積み込み作業]
次に、地上に降ろされているコンテナCを車体フレーム1上に積み込む作業について説明する。まず、リフトアーム5aをフックアーム5bとともに後方終端位置まで回動させる。その後、地上に降ろされているコンテナCの前方において、荷役車両Vの車幅方向の中心線Xsと、コンテナCの幅方向の中心線Xcとが略一直線上に位置するように荷役車両Vを一旦、縦列停車させる(図11参照)。この状態から、収納位置にあるジャッキ8を下方回動させ、接地ローラ8aが地面に近づく突出位置(図2参照)とする。
次に、荷役車両Vを後退させ、フックアーム5b先端のフック5cをコンテナCの前端部のリフトバーCeに係合させる(図2参照)。その後、リフトシリンダ6の収縮作動によりリフトアーム5aをフックアーム5bとともに前方に回動させると、コンテナCは、持ち上げられつつ荷役車両V側に移動し、コンテナC底部の主桁Caが案内ローラ3に案内されつつさらに荷役車両V側に移動する(図4参照)。
引き続きリフトシリンダ6を収縮作動させると、コンテナCの走行ローラCcが地上から離れる。リフトシリンダ6が最収縮作動してリフトアーム5aが前方回動終端位置に至ると、コンテナCの主桁Caの前部が車体フレーム1上に載置される。この状態からフックシリンダ7を収縮作動させることにより、フックアーム5bを前方回動させて走行状態とする(図1参照)。最後に突出位置にあるジャッキ8を上方回動させ、接地ローラ8aが地面から退避した収納位置(図1参照)とし、コンテナCの積み込み作業が終了する。
[荷役車両を前方位置に停車した場合におけるコンテナの積み込み作業]
ところで、コンテナCを荷役車両Vの車体フレーム1上に積み込む際に、図12に示すようにコンテナCの前方に荷役車両Vを縦列停車することができない狭い場所では、上記中心線Xsと中心線Xcとを略一直線上に位置させることができない。この場合は、荷役車両VをコンテナCの斜め前方位置に停車させた状態(図12において中心線Xcと中心線Xsの傾斜角度がθとなる状態)で、コンテナCの積み込みを行う。以下、その積み込み作業について詳しく説明する。
まず、リフトアーム5aをフックアーム5bとともに後方終端位置まで回動させたあと、荷役車両VをコンテナCの斜め前方位置で一旦停車させる。
ついで、固縛手段21による固縛、および規制手段13による規制を順次解除し、左側(図12下側)の可動バンパ11を張出位置から前方回動可能な状態とする。
固縛手段21による固縛解除は、倒伏状態にあるレバー部材23を上方回動して起立させる(図6二点鎖線)。すると、レバー部材23とともに固縛部材24が上方に移動し、固縛部24aとフック部材22との係合が解除される。これにより、左側の可動バンパ11と固定バンパ10との固縛が解除される。
規制手段13による規制解除は、下方回動位置にある操作レバー20の把持部20aを上方回動させる。すると、操作レバー20の屈曲部20bがボス部15の天板15aの上面に当接する。この当接状態からさらに把持部20aを上方回動させると、操作レバー20の基端部20cが上方へ移動するとともに、規制ピン16はスプリング17の付勢力を抗して上方へ持ち上げられ、第一係合孔18との係合が解除される(図10二点鎖線)。これにより、左側の可動バンパ11は前方回動可能な状態となる。
この状態から、左側の可動バンパ11を前方に回動させて格納位置へ移動させる。可動バンパ11を前方回動させると、連動機構29によって左側のランプ装置25および反射板28も前方回動して退避位置へ移動する(図9参照)。その際、ランプ装置25の取付部25aが前方に回動することにより、近接センサ30は非検知状態となり、荷役車両Vの運転室内に設置されているブザーを鳴動させるとともに、警告ランプを点灯させる。これにより、作業者が積み込み作業終了後に可動バンパ11を格納位置としたまま、誤って荷役車両Vを走行させるのを防止することができる。
可動バンパ11を格納位置まで回動させると、規制手段13の規制ピン16が、第二係合孔19の上方位置に移動し、自重およびスプリング17の付勢力によって下方へ移動し、第二係合孔19に係合する(図10実線)。これにより、左側の可動バンパ11は格納位置からの後方回動が規制される。
可動バンパ11の格納位置への移動が完了すると、荷役車両Vを後退させ、フックアーム5b先端のフック5cをコンテナCのリフトバーCeに係合させる(図2参照)。その際、可動バンパ11とランプ装置25は格納位置および退避位置にあるため、リヤバンパ9(可動バンパ10)やランプ装置25の左側端部が、コンテナCの前壁Cd(特に前壁Cdの左側角部)に接触するのを防止することができる。
次に、リフトアーム5aをフックアーム5bとともに少しだけ上方回動させ、コンテナCの脚部Cbを地上から浮かした状態(図3参照)とし、この状態を維持しながら荷役車両Vを前後移動させる。この前後移動を複数回繰り返すと、コンテナCは、フック5cにて前後方向に押し引きされることにより、その向きが徐々に変化する。すなわち、中心線Xcと中心線Xsとの傾斜角度θが徐々に小さくなり、やがて中心線Xcと中心線Xsとが一直線上に位置する状態となる(図11参照)。この状態になると、荷役車両Vを停車させ、上述のようにリフトアーム5aを前方にフル回動させ、コンテナCを車体フレーム1上に積み込む(図1参照)。
上記のように荷役車両Vを前後移動させる際、可動バンパ11とランプ装置25は格納位置および退避位置にあるため、コンテナCの脚部Cbを地上から浮かし、脚部Cbが可動バンパ11またはランプ装置25と略同じ高さ(またはそれより高い高さ)になったときに、コンテナCの左側の脚部Cbが、リヤバンパ9(可動バンパ10)やランプ装置25の左側端部と接触するのを防止することができる。さらに脚部Cbの高さを高くするほど、荷役車両VとコンテナCとの全長が短くなり、より狭い場所での前後移動が可能となる。
また、規制手段13により、可動バンパ11とランプ装置25が格納位置および退避位置から後方回動するのを規制しているため、荷役車両Vの前後移動中に、可動バンパ11とランプ装置25が上記脚部Cbと干渉するのを防止することができる。
さらに、規制手段13の規制ピン16は、スプリング17の付勢力によって上方移動が規制されているため、荷役車両Vの前後移動中に、振動等により規制ピン16が上方へ移動することによって第二係合孔19との係合が解除されるのを防止することができる。
コンテナCを車体フレーム1上に積み込んだ後は、規制手段13による左側の可動バンパ11の後方回動規制を解除し、この可動バンパ11を格納位置から張出位置まで後方回動させる。可動バンパ11を後方回動させると、連動機構29によって左側のランプ装置25および反射板28も後方回動して適正位置へ移動する(図8参照)。
その際、近接センサ30が、適正位置まで移動したランプ装置25の取付部25aを検知することにより、荷役車両Vの運転室内のブザーの鳴動が停止するとともに、警告ランプが消灯する。これにより、作業者は荷役車両Vが走行可能な状態であることを確認することができる。
可動パンパ11を張出位置まで回動させたあとは、規制手段13によって可動バンパ11が張出位置から前方回動するのを規制するとともに、固縛手段21により可動バンパ11を固定バンパ10に固縛することにより、コンテナCの積み込み作業が終了する。具体的な操作は、上述した可動バンパ11を張出位置から格納位置へ移動させる際に行った規制手段13による規制解除および規制操作、固縛手段21による固縛解除操作と逆の操作を行えばよいため、詳細な操作手順については省略する。
固縛手段21により可動バンパ11を固縛すると、可動バンパ11を固定バンパ10と一体化することができるため、荷役車両Vの走行中に可動バンパ11がガタつくのを抑制することができ、このガタつきに起因する可動バンパ11の損傷を防止することができる。
また、規制手段13により可動バンパ11の前方回動が規制されると、後続車両が可動バンパ11に衝突した際、その衝突荷重を規制手段13の規制ピン16を介してボス部15で受けることができ、リヤバンパ9としての突入防止機能を適切に発揮させることができる。
以上のように、荷役車両VをコンテナCの斜め前方位置に停車させ状態でコンテナCの積み降ろし作業を行う際に、固定バンパ10の車幅方向の外側方に配置されている可動バンパ11を格納位置に移動させることで、コンテナCの前部Cfがリヤバンパ9の車幅方向の外端部に接触するのを防止することができる。これにより、コンテナCの前部Cfがリアバンパ9の外端部に接触してリヤバンパ9が破損するのを防止することができる。
また、リヤバンパ9の一部である可動バンパ11のみを格納させるようにしたので、荷役車両Vの後部には可動バンパ11の格納スペースのみを確保すればよく、リヤバンパ9全体の格納スペースを確保する必要がない。したがって、従来のリヤバンパ9全体を格納させる場合と比べると、上記リヤバンパ構造を適用することができる車種が限定されることはない。
さらに、上記コンテナCの積み降ろし作業中に、車体フレーム1後部の車幅方向の外側方に配置されているランプ装置25を退避位置に移動させることで、コンテナCの前部Cfがランプ装置25に接触するのを防止することができる。これにより、ランプ装置25が破損するのを防止することができる。
また、連動機構29により可動バンパ11の移動と連動してランプ装置25を移動させることができるので、両者の移動作業を迅速に行うことができる。
[他の実施の形態に係る荷役車両]
図13は、本発明の第二の実施の形態の要部を示しており、車体フレーム1の後方から見た左側部分を示す平面図である。図13において、第二の実施形態は、可動バンパ11の支持構造および規制手段13の具体的構成が、第一の実施形態と相違する。具体的には、可動バンパ11は、固定バンパ10の本体部10aの車幅方向の両端部後面にヒンジ31によって鉛直軸線回りに前後回動可能に支持されており、その本体部11aが固定バンパ10の本体部10aの車幅方向の外側方に延びて配置される張出位置(図13(a))と、この張出位置に対して車体フレーム1の前部側に約30度傾斜した格納位置(図13(b))との間で回動可能である。
規制手段13は、固定バンパ10の本体部10aの後面に固定された基部ブラケット32と、基部ブラケット32と可動バンパ11とを連結するリンク部材33と、可動バンパ11を固定バンパ10に一体的に固縛する固縛部材34と、固縛部材34を固縛操作および固縛解除操作するためのレバー部材35とを備えている。
リンク部材33は、一端部が基部ブラケット32にピン36によって回動可能に連結された第1リンク部33aと、一端部が第1リンク部33aの他端部にピン37により回動可能に連結されるとともに他端部がピン38により可動バンパ11の本体部11aの後面に回動可能に連結された第2リンク部33bとを有する。
固縛部材34は、一端部が第1リンク部33aの基部側にピン39により回動可能に連結されるとともに、他端部がレバー部材35の長手方向の略中間部にピン40により回動可能に連結されている。また、固縛部材34の一端部には固縛部34aが一体形成されており、この固縛部34aは第1リンク部33aの側面およびレバー部材35の側面に当接するようになっている。レバー部材35は、一端部を基部ブラケット32にピン41により回動可能に支持されている。
固縛部材34の固縛部34aは、可動バンパ11が張出位置にあるとき(図13(a))、第一リンク部33aの側面に当接し第一リンク部33aが時計回り方向に回動するのを規制している。その際、固縛部34aはレバー部材35の側面にも当接してるため、固縛部34aが時計回り方向に回動するのも規制される。
上記構成により、荷役車両Vの走行中の振動等により可動バンパ11がヒンジ31を中心にして後方回動しようとすると、第1リンク部33aがピン36を中心として時計回り方向に回動しようとする。しかし、第1リンク部33aは固縛部34aに当接しており、かつ固縛部34aはレバー部材35によってその回動が規制されているため、第1リンク部33aが時計回り方向に回動するのを規制することができる。したがって、荷役車両Vの走行中に可動バンパ11のガタつきに起因する騒音の発生を抑制することができる。
また、レバー部材35を図13(a)の状態から時計回り方向に回動させると、第1リンク部33aおよび固縛部34aが、レバー部材35とともに時計回り方向に回動する。その際、第1リンク部33aはピン36を中心として回動するだけであるが、固縛部34aは、その回動中心であるピン39が第1リンク部33aの上記回動とともに回動するだけでなく、ピン39を中心としてさらに時計回り方向に回動するため、固縛部34aの回動による移動量は、第1リンク部33aの回動による移動量よりも大きくなる。このため、固縛部34aによる第1リンク部33aとの当接が解除され、可動バンパ11を第2リンク部材33bを介して後方に回動させることができる(図13(b))。
なお、上記の各実施形態では、可動バンパ11を固定バンパ10の車幅方向の両外側方に設けているが、いずれか一方の外側方のみに設けてもよい。
さらに、第一の実施形態では、ランプ装置25を可動バンパ11とともに回動させているが、ランプ装置25を車体フレーム1に固定し、可動バンパ11のみを回動させるようにしてもよい。
また、第一の実施形態では、コンテナCの積み込み作業時に可動バンパ11を格納させているが、コンテナCの降ろし時に可動バンパ11を格納させることも可能である。例えば、図3に示すように、コンテナCを荷役車両Vの真後ろに降ろす直前で荷役アーム5の後方回動を一旦停止させ、可動パンパ11を格納位置へ回動させる。この状態で荷役車両VをコンテナCの斜め前方に前後移動させれば、上述の説明とは逆に中心線XsとXcとの傾斜角度θが徐々に大きくなり、図12に示すようにコンテナCを荷役車両Vの斜め後方に降ろすことができる。この場合は、荷役車両Vの前後移動中にコンテナCの脚部Cbが可動バンパ11と干渉するのを防止することができる。
また、上記の各実施形態では、荷役アーム5の基端部はダンプアーム4に回動自在に取り付けられているが、ダンプアーム4を設けていない荷役車両の場合は、荷役アーム5の基端部を車体フレーム1に回動自在に取り付けることも可能である。
本発明の荷役車両の実施の一形態を示し、コンテナの積み込み作業完了時(走行時)の状態を示す側面図である。 図1の荷役車両により縦列停車位置からコンテナを積み込む途中の状態を示す側面図である。 図1の荷役車両により縦列停車位置からコンテナを積み込む途中であって、当該コンテナ後部の走行ローラが地面に接触した状態を示す側面図である。 図1の荷役車両により縦列停車位置からコンテナを積み込む途中であって、当該コンテナ前部の脚部が地面から浮いている状態を示す側面図である。 図1の荷役車両によりコンテナをダンプさせた状態を示す側面図である。 図1の荷役車両の第一の実施の形態を示している図であり、車体フレームの後部左側を示す正面図である。 図6の車体フレームの後部の側面図である。 図6の車体フレームの後部であって、張出位置にある可動バンパを示す平面図である。 図6の車体フレームの後部であって、格納位置にある可動バンパを示す平面図である。 規制手段を示す図7の要部拡大図である。 図2の平面図である。 図1の荷役車両により斜め前方位置からコンテナを積み込む途中の状態を示す側面図である。 本発明の第二の実施の形態を説明する図であり、車体フレームの後部のを示す斜視図である。 従来の荷役車両によりコンテナを積み込む途中の状態を示す側面図である。 図14の平面図である。
符号の説明
1 車体フレーム
5 荷役アーム
5c フック
9 リアバンパ
10 固定バンパ
11 可動バンパ
25 ランプ装置
29 連動機構
C コンテナ
Ce リフトバー(係合部)
S 駆動手段
V 荷役車両

Claims (3)

  1. 前部に係合部を有するコンテナを搭載可能な車体フレームと、
    前記車体フレーム側に基端部が前後回動可能に取り付けられているとともに、先端部に前記係合部に係脱可能なフックを有する荷役アームと、
    前記フックを前記係合部に係合させた状態で前記荷役アームを回動させることにより前記コンテナを前記車体フレーム上と当該車体フレーム後方の地上との間で積み降ろしするための駆動手段と、
    前記車体フレームの後部に設けられているリヤバンパと、を備えた荷役車両において、
    前記リヤバンパは、前記車体フレームの後方に突出した状態で当該車体フレームに固定されている固定バンパと、
    前記固定バンパに対して前後回動可能に取り付けられ、当該固定バンパの車幅方向の外側方に配置される張出位置と、前記張出位置から前記車体フレームの長手方向中央側に前方回動させて積み降ろし作業中の前記コンテナの前部と非接触となる格納位置との間で移動可能な可動バンパと、
    を有していることを特徴とする荷役車両。
  2. 前記車体フレーム後部の車幅方向の外側方に配置される適正位置と、積み降ろし作業中の前記コンテナの前部と非接触となる退避位置との間で移動可能なランプ装置を更に備えている請求項1に記載の荷役車両。
  3. 前記可動バンパの移動と前記ランプ装置の移動とを連動させ、当該可動バンパが張出位置で当該ランプ装置を適正位置とし、当該可動バンパが格納位置で当該ランプ装置を退避位置とする連動機構を更に備えている請求項2に記載の荷役車両。
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