JP5132484B2 - 荷役車両 - Google Patents
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Description
また、荷役アーム101は、後方回動位置において、フック102が車体フレーム103の後方に突出したリヤバンパ104よりも、さらに後方に位置するまで回動させるようになっている(例えば、特許文献2参照)。これにより、コンテナ200の積み降ろし作業中に、リヤバンパ104がコンテナ200前部の前壁202や脚部203,204に接触して破損するのを防止するようにしている。
しかし、荷役車両100をコンテナ200の斜め前方位置に停車させると、コンテナ200前部の前壁202の一側部や脚部203が、リヤバンパ104の車幅方向の外端部(図15下側)に接近した状態となる。このため、コンテナ200の積み降ろし作業をする際に、コンテナ200の前壁202や脚部203がリヤバンパ104に更に接近することによりリヤバンパ104の外端部に接触し、リヤバンパ104が破損するという問題があった。
しかしながら、特許文献2の荷役車両にあっては、リヤバンパ全体を前後移動させるため、車体フレームの後部下方には、車幅方向全長に亘ってリヤバンパの前後移動を許容するスペースを確保する必要がある。このため、車種によっては上記スペースを確保することが困難な場合があり、このようなリヤバンパを適用できる車種が限定されるという問題があった。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、荷役車両において、コンテナの積み降ろし作業中にコンテナの前部が接触するのを防止するとともに、適用可能な車種が限定されないリヤバンパ構造を提供することを目的とする。
さらに、リヤバンパの一部である可動バンパのみを格納位置に移動させるようにしたので、車両後部には可動バンパの格納スペースのみを確保すればよく、リヤバンパ全体の格納スペースを確保する必要がない。したがって、従来のリヤバンパ全体を格納させる場合と比べると、上記リヤバンパ構造を適用することができる車種が限定されることはない。
この場合、コンテナの積み降ろし作業中に、車体フレーム後部の適正位置に配置されているランプ装置を退避位置に移動させることで、コンテナの前部がランプ装置に接触するのを防止することができる。これにより、コンテナの斜め前方に位置する荷役車両にてコンテナの積み降ろし作業をする際に、ランプ装置が破損するのを防止することができる。
また、前記荷役車両は、前記可動バンパの移動と前記ランプ装置の移動とを連動させ、当該可動バンパが張出位置で当該ランプ装置を適正位置とし、当該可動バンパが格納位置で当該ランプ装置を退避位置とする連動機構を更に備えているのが好ましい。
この場合、連動機構により可動バンパの移動と連動してランプ装置を移動させることができるので、可動バンパとランプ装置の移動作業を迅速に行うことができる。
さらに、リヤバンパの一部である可動バンパのみを格納位置に移動させるようにしたので、車両後部には可動バンパの格納スペースのみを確保すればよく、リヤバンパ全体の格納スペースを確保する必要がない。したがって、従来のリヤバンパ全体を格納させる場合と比べると、上記リヤバンパ構造を適用することができる車種が限定されることはない。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の荷役車両の実施の一形態を示す側面図である。図2〜図5は、この荷役車両の機能を説明するための側面図である。この荷役車両Vは、車体フレーム1と、コンテナCを車体フレーム1上と地上との間で積み降ろし(図2〜図4)したり、このコンテナCを車体フレーム1上で後方へ下傾させたダンプ状態(図5)とする荷役装置2とを備えている。
また、上記リフトシリンダ6とフックシリンダ7とにより荷役アーム5の駆動手段Sを構成している。
図6〜図10は、本発明の第一の実施の形態の要部を示している図である。図6は車体フレーム1の後部左側を示す図であり、図7は図6の車体フレーム1の側面図である。また、図8および図9は図6の車体フレーム1の平面図である。
上記車体フレーム1の後部には、車幅方向に延びるリアバンパ9が設けられている。リアバンパ9は、車体フレーム1の後方に突出した状態で、垂下フレーム1cの後面下部に固定された固定バンパ10と、この固定バンパ10の車幅方向の両外側方において、車体フレーム1に鉛直軸線回りに前後回動可能に取り付けられた左右一対の可動バンパ11とを備えている。
上記構成により、アーム部11bをピン12を中心として前後回動させることにより、可動バンパ11は、その本体部11aが固定バンパ10の本体部10aの車幅方向の外側方にて該本体部10aの長手方向(車幅方向)の延長線上に配置される張出位置(図8)と、この張出位置に対して車体フレーム1の前部側に約30度傾斜した格納位置(図9)との間で回動可能である。上記張出位置は、荷役車両Vに対する可動バンパ11の配置位置が、法令上定められているリヤバンパの配置位置の基準を満たしている位置である。上記格納位置は、コンテナCの積み降ろし作業中に、コンテナCの前部Cfが可動バンパ10に接触するのを回避することができる位置である。
これにより、可動バンパ11が張出位置にあるときは、規制ピン16の下端を第一係合孔18に係合させることにより、可動バンパ11の前方回動が規制される。また、可動バンパ11が格納位置にあるときは、規制ピン16の下端を第二係合孔19に係合させることにより、可動バンパ11の後方回動が規制される。
上記構成により、レバー部材23を下方回動させた倒伏状態(図6実線)で、固縛部材24の先端部の固縛部24bをフック部材22に係合することができ、可動バンパ11は固定バンパ10に一体的に固縛される。これにより、荷役車両Vの走行中に可動バンパ11のガタつきを抑制することができ、このガタつきに起因する可動バンパ11の損傷を防止することができる。また、レバー部材23を上方回動させて起立状態(図6二点鎖線)にすると、固縛部材24とフック部材22との係合が解除される。
取付部25aは、チャンネル材にて形成されており、垂下フレーム1c上部の外側面に固定されたチャンネル材からなる取付ブラケット26に、ピン27によって鉛直軸線回りに前後回動可能に取り付けられている。ランプ部25bは、方向指示器用ランプおよびブレーキランプを有し、取付部25aの自由端側に垂下固定されている。取付部25aの上面には反射板28が固定されている。
上記構成により、ランプ装置25は、車体フレーム1後部の車幅方向の外側方に配置される適正位置(図8)と、この適正位置に対して車体フレーム1の前部側に約30度傾斜した退避位置(図9)との間で回動可能である。上記適正位置は、荷役車両Vに対するランプ部25aの配置位置が、法令上定められているランプの配置位置の基準を満たしている位置である。また、上記退避位置は、コンテナCの積み降ろし作業中に、コンテナCの前部Cfがランプ装置25に接触するのを回避することができる位置である。
この連動機構29は、ランプ装置25の取付部25aと、可動バンパ11のアーム部11bとを連結している連結部29aを有している。連結部29aは、図6に示すように逆Z形に形成されており、その上端部は、取付部25aの回動中心側の下面にボルト29b・ナット29cにより回動可能に連結されている。連結部29aの下端部は、可動バンパ11のアーム部11bの上面にボルト29d・ナット29eにより回動可能に連結されている。上記構成により、可動バンパ11を張出位置まで前方回動させると、ランプ装置25は、連動機構29を介して可動バンパ11とともに前方回動し、適正位置まで移動可能となる(図8)。また、可動バンパ11を格納位置まで後方回動させると、ランプ装置25は、連動機構29を介して可動バンパ11とともに後方回動し、退避位置まで移動可能となる(図9)。
次に、上記荷役車両VによるコンテナCの積み降ろし作業について説明する。
コンテナCを荷役車両Vから地上へ降ろす作業は、まず、車体フレーム1上にコンテナCが搭載されている状態(図1参照)から、収納位置にあるジャッキ8を下方回動させ、接地ローラ8aが地面に近づく突出位置(図2参照)とする。この状態から、荷役アーム5を後方回動させる。具体的には、フックシリンダ7の伸長作動によりフックアーム5bを後方に傾動させ、コンテナCを左右の案内ローラ3上を後方に移動させる。その際、図示しないロック装置がロック解除されることにより、リフトアーム5aはダンプアーム4に対して自由に回動できるようになる。
リフトシリンダ6が伸長を継続して最伸長して後方回動終端位置(図2参照)に至れば、フックアーム5bは下向きとなって、コンテナCは荷役車両Vの後方の地上に降ろされる。ここで、フックアーム5b先端のフック5cをリフトバーCeより外せば、コンテナCは荷役車両Vから分離される。分離後は、突出位置にあるジャッキ8を上方回動させ、接地ローラ8aが地面から退避した収納位置(図1参照)とし、コンテナCの降ろし作業が終了する。
次に、地上に降ろされているコンテナCを車体フレーム1上に積み込む作業について説明する。まず、リフトアーム5aをフックアーム5bとともに後方終端位置まで回動させる。その後、地上に降ろされているコンテナCの前方において、荷役車両Vの車幅方向の中心線Xsと、コンテナCの幅方向の中心線Xcとが略一直線上に位置するように荷役車両Vを一旦、縦列停車させる(図11参照)。この状態から、収納位置にあるジャッキ8を下方回動させ、接地ローラ8aが地面に近づく突出位置(図2参照)とする。
ところで、コンテナCを荷役車両Vの車体フレーム1上に積み込む際に、図12に示すようにコンテナCの前方に荷役車両Vを縦列停車することができない狭い場所では、上記中心線Xsと中心線Xcとを略一直線上に位置させることができない。この場合は、荷役車両VをコンテナCの斜め前方位置に停車させた状態(図12において中心線Xcと中心線Xsの傾斜角度がθとなる状態)で、コンテナCの積み込みを行う。以下、その積み込み作業について詳しく説明する。
ついで、固縛手段21による固縛、および規制手段13による規制を順次解除し、左側(図12下側)の可動バンパ11を張出位置から前方回動可能な状態とする。
固縛手段21による固縛解除は、倒伏状態にあるレバー部材23を上方回動して起立させる(図6二点鎖線)。すると、レバー部材23とともに固縛部材24が上方に移動し、固縛部24aとフック部材22との係合が解除される。これにより、左側の可動バンパ11と固定バンパ10との固縛が解除される。
また、規制手段13により、可動バンパ11とランプ装置25が格納位置および退避位置から後方回動するのを規制しているため、荷役車両Vの前後移動中に、可動バンパ11とランプ装置25が上記脚部Cbと干渉するのを防止することができる。
さらに、規制手段13の規制ピン16は、スプリング17の付勢力によって上方移動が規制されているため、荷役車両Vの前後移動中に、振動等により規制ピン16が上方へ移動することによって第二係合孔19との係合が解除されるのを防止することができる。
その際、近接センサ30が、適正位置まで移動したランプ装置25の取付部25aを検知することにより、荷役車両Vの運転室内のブザーの鳴動が停止するとともに、警告ランプが消灯する。これにより、作業者は荷役車両Vが走行可能な状態であることを確認することができる。
固縛手段21により可動バンパ11を固縛すると、可動バンパ11を固定バンパ10と一体化することができるため、荷役車両Vの走行中に可動バンパ11がガタつくのを抑制することができ、このガタつきに起因する可動バンパ11の損傷を防止することができる。
また、規制手段13により可動バンパ11の前方回動が規制されると、後続車両が可動バンパ11に衝突した際、その衝突荷重を規制手段13の規制ピン16を介してボス部15で受けることができ、リヤバンパ9としての突入防止機能を適切に発揮させることができる。
また、リヤバンパ9の一部である可動バンパ11のみを格納させるようにしたので、荷役車両Vの後部には可動バンパ11の格納スペースのみを確保すればよく、リヤバンパ9全体の格納スペースを確保する必要がない。したがって、従来のリヤバンパ9全体を格納させる場合と比べると、上記リヤバンパ構造を適用することができる車種が限定されることはない。
また、連動機構29により可動バンパ11の移動と連動してランプ装置25を移動させることができるので、両者の移動作業を迅速に行うことができる。
図13は、本発明の第二の実施の形態の要部を示しており、車体フレーム1の後方から見た左側部分を示す平面図である。図13において、第二の実施形態は、可動バンパ11の支持構造および規制手段13の具体的構成が、第一の実施形態と相違する。具体的には、可動バンパ11は、固定バンパ10の本体部10aの車幅方向の両端部後面にヒンジ31によって鉛直軸線回りに前後回動可能に支持されており、その本体部11aが固定バンパ10の本体部10aの車幅方向の外側方に延びて配置される張出位置(図13(a))と、この張出位置に対して車体フレーム1の前部側に約30度傾斜した格納位置(図13(b))との間で回動可能である。
リンク部材33は、一端部が基部ブラケット32にピン36によって回動可能に連結された第1リンク部33aと、一端部が第1リンク部33aの他端部にピン37により回動可能に連結されるとともに他端部がピン38により可動バンパ11の本体部11aの後面に回動可能に連結された第2リンク部33bとを有する。
固縛部材34の固縛部34aは、可動バンパ11が張出位置にあるとき(図13(a))、第一リンク部33aの側面に当接し第一リンク部33aが時計回り方向に回動するのを規制している。その際、固縛部34aはレバー部材35の側面にも当接してるため、固縛部34aが時計回り方向に回動するのも規制される。
また、第一の実施形態では、コンテナCの積み込み作業時に可動バンパ11を格納させているが、コンテナCの降ろし時に可動バンパ11を格納させることも可能である。例えば、図3に示すように、コンテナCを荷役車両Vの真後ろに降ろす直前で荷役アーム5の後方回動を一旦停止させ、可動パンパ11を格納位置へ回動させる。この状態で荷役車両VをコンテナCの斜め前方に前後移動させれば、上述の説明とは逆に中心線XsとXcとの傾斜角度θが徐々に大きくなり、図12に示すようにコンテナCを荷役車両Vの斜め後方に降ろすことができる。この場合は、荷役車両Vの前後移動中にコンテナCの脚部Cbが可動バンパ11と干渉するのを防止することができる。
また、上記の各実施形態では、荷役アーム5の基端部はダンプアーム4に回動自在に取り付けられているが、ダンプアーム4を設けていない荷役車両の場合は、荷役アーム5の基端部を車体フレーム1に回動自在に取り付けることも可能である。
5 荷役アーム
5c フック
9 リアバンパ
10 固定バンパ
11 可動バンパ
25 ランプ装置
29 連動機構
C コンテナ
Ce リフトバー(係合部)
S 駆動手段
V 荷役車両
Claims (3)
- 前部に係合部を有するコンテナを搭載可能な車体フレームと、
前記車体フレーム側に基端部が前後回動可能に取り付けられているとともに、先端部に前記係合部に係脱可能なフックを有する荷役アームと、
前記フックを前記係合部に係合させた状態で前記荷役アームを回動させることにより前記コンテナを前記車体フレーム上と当該車体フレーム後方の地上との間で積み降ろしするための駆動手段と、
前記車体フレームの後部に設けられているリヤバンパと、を備えた荷役車両において、
前記リヤバンパは、前記車体フレームの後方に突出した状態で当該車体フレームに固定されている固定バンパと、
前記固定バンパに対して前後回動可能に取り付けられ、当該固定バンパの車幅方向の外側方に配置される張出位置と、前記張出位置から前記車体フレームの長手方向中央側に前方回動させて積み降ろし作業中の前記コンテナの前部と非接触となる格納位置との間で移動可能な可動バンパと、
を有していることを特徴とする荷役車両。 - 前記車体フレーム後部の車幅方向の外側方に配置される適正位置と、積み降ろし作業中の前記コンテナの前部と非接触となる退避位置との間で移動可能なランプ装置を更に備えている請求項1に記載の荷役車両。
- 前記可動バンパの移動と前記ランプ装置の移動とを連動させ、当該可動バンパが張出位置で当該ランプ装置を適正位置とし、当該可動バンパが格納位置で当該ランプ装置を退避位置とする連動機構を更に備えている請求項2に記載の荷役車両。
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