JP5757985B2 - グリップヒータ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、自動二輪車、スノーモービル、三輪バギー及び四輪バギー等のステアリングにおけるハンドルバーのグリップ部を加温するグリップヒータ装置に関する。
従来から、自動二輪車、スノーモービル、三輪バギーおよび四輪バギー等の車両では、ハンドルバーのグリップ部にヒータを設け、車両に搭載されたバッテリからの通電によってグリップ部を加温するグリップヒータ装置を搭載することで、運転者に対して快適な運転環境を提供している。
こういったグリップヒータ装置では、運転者がヒータへの通電量を調整するための操作スイッチを有する操作ユニットがハンドルバーに取り付けられており、運転者によるスイッチ操作に応じて、ヒータへの通電量を調整する制御手段が設けられている。
また、ヒータへの通電量が増加するとバッテリの過放電を招くことがあるため、制御手段には、ヒータ使用中の過放電を防止するために、バッテリの出力電圧が規定値を下回ると、ヒータへの通電を自動的に停止するバッテリ保護機能が付加されたものもある。
特開2003−175874号公報 特開2005−225481号公報 特開2004−090704号公報 特開2004−067075号公報
ところで、一般的に自動二輪車等の原動機付き車両に装備されているバッテリは鉛蓄電池であり、車両の始動と走行に必要不可欠であるが、この種のバッテリは使用に伴って徐々に性能が低下するので、グリップヒータ装置を使用しない温暖な季節には正常に走行できていても、その間にバッテリの性能が低下し、グリップヒータ装置を作動させるのに十分な出力電圧を確保することができない場合がある。そのような場合は、冬場になってグリップを加温した状態で車両を運転しようとしても、上述したバッテリ保護機能が働き、グリップヒータ装置を作動させることができないといった問題がある。
また、バッテリの性能低下は充放電量が増加するほど、また蓄電量が少ないほど早まるので、通電量が大きいグリップヒータ装置を使用すると、その通電量の大小がバッテリの寿命に影響することになる。従って、冬場においてグリップヒータ装置を作動させながら車両を走行させるには、運転者はその時点のバッテリの性能に応じてヒータへの通電量を調整したり、グリップヒータ装置を作動させたときのバッテリの負荷状況を把握して、バッテリの使用限度前にバッテリを充電もしくは交換する必要がある。
しかしながら、従来のグリップヒータ装置は、ヒータ使用中の過放電を防止するバッテリ保護機能を備えているだけで、バッテリの性能状態やグリップヒータ装置を作動させたときのバッテリの負荷状況を把握することができないといった問題がある。
また、運転者は車両の運転中にヒータの通電状態を確認しながらグリップ温度を調整する場合があるので、グリップヒータ装置の操作ユニットは通常ステアリングのハンドルバーに取り付けられているが、ハンドルバーの周辺には、一般にメータやランプスイッチ等の車両の走行に必要な機器を取り付ける必要があるので、冬場にしか使用しないグリップヒータ装置の操作ユニットをハンドルバーに取り付けることは、ハンドルバーの周辺の余剰スペースを有効利用しているとはいえない。
そこで、この発明の課題は、この種のグリップヒータ装置において、バッテリの性能状態やバッテリの負荷状況を把握することができ、ハンドルバーに取り付けた操作ユニットを通年活用できるようにすることにある。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、車両のステアリングにおけるハンドルバーのグリップ部にそれぞれ装着され、車両に搭載されたバッテリからの通電によって前記グリップ部を加温する一対のヒータ本体と、前記ヒータ本体への通電量を調整するための操作部を有する操作ユニットと、前記操作部の操作に応じて、前記バッテリから前記ヒータ本体への通電量を制御する制御部とを備え、前記操作ユニットには、前記バッテリの性能に関する情報及び前記バッテリから前記ヒータ本体への通電量に関する情報同時に表示する表示部が設けられていることを特徴とするグリップヒータ装置を提供するものである。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明のグリップヒータ装置において、前記表示部には、前記バッテリの性能に関する情報として前記バッテリの出力電圧が表示されるようになっていることを特徴としている。
また、請求項に係る発明は、請求項1またはに係る発明のグリップヒータ装置において、前記制御部は、前記バッテリの出力電圧が規定値を下回っているときは、前記ヒータ本体への通電を強制停止するバッテリ保護機能を有し、前記制御部は、前記バッテリの出力電圧が規定値を下回っていたため、前記ヒータ本体への通電を強制停止すると共に、前記表示部にその旨を表示するようになっていることを特徴としている。
また、請求項に係る発明は、請求項1、2またはに係る発明のグリップヒータ装置において、前記制御部は、前記操作ユニットと前記ヒータ本体とを接続する通電回路に発生した異常を検知する異常検知機能を有し、前記制御部は、前記通電回路の異常を検知すると、前記ヒータ本体への通電を強制停止すると共に、前記表示部にその旨を表示するようになっていることを特徴としている。
以上のように、請求項1に係る発明のグリップヒータ装置は、ヒータ本体への通電量を調整するための操作部を有する操作ユニットに、バッテリの性能に関する情報を表示する表示部が設けられているので、グリップヒータ装置を実際に使用する前に操作ユニットの表示部を確認することにより、グリップヒータ装置を使用可能なバッテリ性能を有しているか否かの判断を事前に行うことができる。従って、十分なバッテリ性能を有していない場合は、事前にバッテリを充電または交換することができ、冬場になってグリップを加温した状態で車両を運転しようとしたときに、グリップヒータ装置が作動しないという事態を未然に防止することができる。
また、このグリップヒータ装置は、バッテリの性能に関する情報及びバッテリからヒータ本体への通電量に関する情報が表示部に同時に表示されるので、その通電量に基づいてグリップヒータ装置の運転状態を直ちに把握することができると共に、バッテリの性能が低下しているときは、そのバッテリ性能に応じてヒータ本体への通電量を調整することができ、バッテリの性能がある程度低下している状態であってもグリップを加温した状態で車両を運転することが可能になると共に、グリップヒータ装置を作動させたときのバッテリの負荷状況を把握して、バッテリの使用限度前にバッテリを充電もしくは交換することができる。
また、このグリップヒータ装置では、操作ユニットに設けられた表示部を確認することによって、日常的にバッテリ性能を把握することができるので、冬場しか使用しない従来のグリップヒータ装置の操作ユニットをハンドルバーに取り付ける場合に比べて、通年使用可能なこのグリップヒータ装置の操作ユニットをハンドルバーに取り付ける場合のほうがハンドルバー周辺の限られた余剰スペースを有効活用することになる。
また、請求項2に係る発明のグリップヒータ装置では、バッテリの性能に関する情報として、バッテリの出力電圧が表示されるので、バッテリの出力電圧に基づいてバッテリの性能状態やバッテリの負荷状況を直ちに把握することができる。
また、請求項に係る発明のグリップヒータ装置では、バッテリの出力電圧が規定値を下回っているときは、ヒータ本体への通電が強制停止されると共に、表示部にその旨が表示されるので、運転者はグリップヒータ装置が故障しているのではなく、バッテリの性能が低下しており、車両の走行を優先するが故にグリップヒータ装置の使用が制限されていることを直ちに認識することができ、日常的に作動しない可能性があるバッテリ保護機能を運転者に容易に認識させることができる。
また、請求項に係る発明のグリップヒータ装置では、制御部の異常検知機能が操作ユニットとヒータ本体とを接続する通電回路の異常を検知すると、ヒータ本体への通電が強制停止されると共に、表示部にその旨が表示されるので、通電回路の異常によりグリップヒータ装置の使用が制限されていることを直ちに認識することができ、日常的に作動しない可能性がある制御部の異常検知機能を運転者に容易に認識させることができる。
この発明に係るグリップヒータ装置の全体構成を示す概略構成図である。 同上のグリップヒータ装置の操作ユニットを示す平面図である。 (a)〜(h)は同上の操作ユニットの液晶表示器における各種画面表示を示す図である。 同上のグリップヒータ装置の制御動作を示すフローチャートである。 同上のグリップヒータ装置の制御動作を示すフローチャートである。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、自動二輪車(以下、車両という。)に搭載されるグリップヒータ装置1を示している。このグリップヒータ装置1は、同図に示すように、車両のステアリングにおけるハンドルバーの一対のグリップ部Gにそれぞれ装着され、グリップ部Gを加温する一対のヒータ本体10と、このヒータ本体10に接続され、ヒータ本体10の運転操作や能力(通電量)切替操作を行う操作ユニット20と、この操作ユニット20を介してヒータ本体10に電力を供給する車両走行用のバッテリ30とを備えている。
前記操作ユニット20は、ヒータ本体10の運転操作や能力(通電量)切替操作を行うための操作ボタン21と、ヒータ本体10の運転状態等の種々の情報を表示する液晶表示器22と、操作ボタン21の操作に応じてバッテリ30からヒータ本体10への通電量を制御すると共に、液晶表示器22の表示動作を制御する制御回路23とを備えており、制御回路23は、イグニッションスイッチ42を含むバッテリ側通電回路41を介してバッテリ30に接続されていると共に、ヒータ側通電回路43を介してヒータ本体10に接続されている。従って、イグニッションスイッチ42がONされることによって、グリップヒータ装置1が作動可能な状態となる。
前記制御回路23は、バッテリ30の出力電圧が規定値(例えば、11.5v)を下回っているときは、ヒータ本体10への通電を強制停止するバッテリ保護機能を有しており、バッテリ30の出力電圧が規定値を下回っていたためにヒータ本体10への通電を強制停止すると、液晶表示器22にその旨を表示するようになっている。
また、制御回路23は、操作ユニット20とヒータ本体10とを接続するヒータ側通電回路43やヒータ本体10に発生した異常(例えば、短絡や断線)を検知する異常検知機能を有しており、ヒータ側通電回路43やヒータ本体10のいずれか一方または双方の異常を検知すると、ヒータ本体10への通電を強制停止すると共に、液晶表示器22にその旨を表示するようになっている。なお、バッテリ側通電回路41におけるイグニッションスイッチ42と操作ユニット20との間には、図示しないヒューズが設置されており、バッテリ側通電回路41に異常に高い電流が流れたときは、操作ユニット20とバッテリ30との接続が遮断されるようになっている。
前記液晶表示器22の表示画面は、図2に示すように、ヒータ本体10への通電量を5段階で表示する数値付きレベルバー表示領域22aと、このレベルバー表示領域22aの左側に配置された、通電量の範囲を示す5段階目盛りを表示する目盛り表示領域22bと、バッテリ30の出力電圧をデジタル表示する電圧表示領域22cと、上述したバッテリ保護機能が働いてヒータ本体10への通電が停止されたときにバッテリ30の性能が低下している旨を表す「REGULATE」の文字を表示するバッテリ保護表示領域22dと、ヒータ側通電回路43に異常が発生したことが原因でヒータ本体10への通電が停止されたときに、異常が発見された旨を表す「CHECK!」の文字を表示する異常表示領域22eとを備えており、イグニッションスイッチ42がONで、グリップヒータ装置1が作動していない状態では、図3(a)に示すように、目盛り表示領域22bに目盛りが表示されていると共に、電圧表示領域22cにバッテリ30の出力電圧がデジタル表示されている。
グリップヒータ装置1が作動していない状態から、操作ボタン21が一回押されると、ヒータ本体10への通電量が5段階の最小レベルとなり、同図(b)に示すように、その状態がレベルバー表示領域22aにレベルバーで表示される。続いて、同図(c)〜(f)に示すように、操作ボタン21が一回押される度に通電量が1段階ずつ増加すると共にそれぞれの状態がレベルバー表示領域22aにレベルバーで表示され、同図(f)に示す通電量が最大レベルの状態から操作ボタン21が一回押されると、同図(a)に示すように、ヒータ本体10への通電が停止される。この状態で、操作ボタン21が再度押されると、ヒータ本体10への通電量が再び5段階の最小レベルとなり、その後は操作ボタン21が一回押される度に同上の動作が繰り返されるようになっている。
以上のように構成されたグリップヒータ装置1の制御回路23が行う制御動作について、図4及び図5に示すフローチャートを参照して説明する。まず、イグニッションスイッチ42がONされたか否かが判断され(ステップS1)、イグニッションスイッチ42がONされている場合(ステップS1:yes)は、続いて、目盛り表示領域22b及び電圧表示領域22cに5段階目盛り及びバッテリ30の出力電圧が非表示か否かが判断され(ステップS2)、非表示の場合(ステップS2:yes)は5段階目盛り及びバッテリ30の出力電圧を表示した後(ステップS3)ステップS4に移行し、5段階目盛り及びバッテリ30の出力電圧が表示されている場合(ステップS2:no)は、直ちにステップS4に移行する。一方、ステップS1において、イグニッションスイッチ42がONされていない場合(ステップS1:no)は、処理を終了する。
ステップS4では、ヒータ側通電回路43に異常が発生しているか否かが判断され、異常がない場合(ステップS4:no)は、異常表示領域22eに「CHECK!」の文字が表示されているか否かが判断され(ステップS5)、表示されている場合(ステップS5:yes)は、異常表示領域22eを非表示にし(ステップS6)、非表示の場合(ステップS5:no)は、ステップS7に移行する。
一方、ステップS4において、ヒータ側通電回路43に異常が発生している場合(ステップS4:yes)は、異常表示領域22eに「CHECK!」の文字が表示されているか否かが判断され(ステップS16)、異常表示領域22eが非表示の場合(ステップS16:no)は、異常表示領域22eに「CHECK!」の文字を表示した後(ステップS17)、ステップS18に移行するが、異常表示領域22eに「CHECK!」の文字が表示されている場合(ステップS16:yes)は、直ちにステップS1に戻る。
ステップS18では、レベルバー表示領域22aにレベルバーが表示されているか否か、即ち、ヒータ本体10に通電されているか否かが判断され、レベルバーが表示されている(ヒータ本体10に通電されている)場合(ステップS18:yes)は、レベルバー表示領域22aを非表示にすると共に(ステップS19)、ヒータ本体10への通電を停止した後(ステップS20)、ステップS1に戻るが、ステップS18においてレベルバー表示領域22aが非表示の場合(ステップS18:no)は、直ちにステップS1に戻る。従って、ヒータ側通電回路43に異常が発生している場合は、図3(g)に示すように、5段階目盛り、バッテリ30の出力電圧及び「CHECK!」の文字が液晶表示器22の表示画面に表示されることになる。
ステップS7では、レベルバー表示領域22aにレベルバーが表示されているか否か、即ち、ヒータ本体10に通電されているか否かが判断され、レベルバーが非表示の場合(ステップS7:no)は、ステップS12に移行する。一方、レベルバー表示領域22aにレベルバーが表示されている場合(ステップS7:yes)は、バッテリ30の出力電圧が規定値を下回っているか否かが判断され(ステップS8)、バッテリ30の出力電圧が規定値を下回っている場合(ステップS8:yes)は、続いて、バッテリ保護表示領域22dに「REGULATE」の文字が表示されているか否かが判断され(ステップS21)、バッテリ保護表示領域22dに「REGULATE」の文字が表示されている場合(ステップS21:yes)は、直ちにステップS1に戻る。一方、バッテリ保護表示領域22dが非表示の場合(ステップS21:no)は、バッテリ保護表示領域22dに「REGULATE」の文字を表示すると共に(ステップS22)、レベルバー表示領域22aのレベルバー表示を保持した状態でヒータ本体10への通電を停止した後(ステップS23)、ステップS1に戻る。従って、バッテリ保護機能が働いてヒータ本体10への通電が停止されたときは、図3(h)に示すように、5段階目盛り、通電量のレベルバー表示、バッテリ30の出力電圧及び「REGULATE」の文字が液晶表示器22の表示画面に表示されることになる。
ステップS8において、バッテリ30の出力電圧が規定値以上の場合(ステップS8:no)は、続いて、バッテリ保護表示領域22dに「REGULATE」の文字が表示されているか否かが判断され(ステップS9)、バッテリ保護表示領域22dが非表示の場合(ステップS9:no)は、ステップS12に移行する。一方、ステップS9において、「REGULATE」の文字が表示されている場合(ステップS9:yes)は、バッテリ保護表示領域22dを非表示にすると共に(ステップS10)、この時点でレベルバー表示領域22aに表示されている、ステップS23においてヒータ本体10への通電を停止する際のレベルバー表示に相当する通電量でヒータ本体10への通電を再開した後(ステップS11)、ステップS12に移行する。
ステップS12では、操作ボタン21が操作されたか否かが判断され、操作ボタン21が操作されていない場合(ステップS12:no)は、直ちにステップS1に戻る。一方、操作ボタン21が操作された場合(ステップS12:yes)は、レベルバー表示領域22aのレベルバー表示が最大(最大通電量)か否かが判断され(ステップS13)、レベルバー表示が最大(最大通電量)ではない場合(ステップS13:no)は、レベルバー表示を1段階上げると共に(ステップS14)、ヒータ本体10への通電量を1段階上げ(ステップS15)、ステップS1に戻る。
ステップS13において、レベルバー表示が最大(最大通電量)である場合(ステップS13:yes)は、レベルバー表示領域22aを非表示にし(ステップS24)、ヒータ本体10への通電を停止した後(ステップS25)、ステップS1に戻る。
以降は、イグニッションスイッチ42がOFFされるまで同様の処理を繰り返し実行することになる。
以上のように、このグリップヒータ装置1は、ヒータ本体10への通電量を調整するための操作ボタン21を有する操作ユニット20に、バッテリ30の性能状態や負荷状況を把握することができるバッテリ30の出力電圧を表示する液晶表示器22が設けられているので、グリップヒータ装置1を実際に使用する前に操作ユニット20の液晶表示器22を確認することにより、バッテリ30がグリップヒータ装置1を使用可能な性能を有しているか否かの判断を事前に行うことができる。従って、十分なバッテリ性能を有していない場合は、事前にバッテリ30を充電または交換することができ、冬場になってハンドルバーのグリップ部Gを加温した状態で車両を運転しようとしたときに、グリップヒータ装置1が作動しないという事態を未然に防止することができる。
また、バッテリ30の性能が低下しているときは、そのバッテリ性能に応じてヒータ本体10への通電量を調整することができるので、バッテリ30の性能がある程度低下している状態であってもグリップ部Gを加温した状態で車両を運転することが可能になると共に、グリップヒータ装置1を作動させたときのバッテリ30の負荷状況を把握して、バッテリ30の使用限度前にバッテリ30を充電もしくは交換することができる。
また、このグリップヒータ装置1では、操作ユニット20に設けられた液晶表示器22を確認することによって、日常的にバッテリ性能を把握することができるので、冬場しか使用しない従来のグリップヒータ装置の操作ユニットをハンドルバーに取り付ける場合に比べて、通年使用可能なこのグリップヒータ装置1の操作ユニット20をハンドルバーに取り付ける場合のほうがハンドルバー周辺の限られた余剰スペースを有効活用することになる。
また、このグリップヒータ装置1では、バッテリ30からヒータ本体10への通電量が数値付きのレベルバーにより5段階で表示されるので、その通電量に基づいてグリップヒータ装置1の運転状態を誤認することなく直ちに把握することができる。
また、このグリップヒータ装置1では、バッテリ30の出力電圧が規定値を下回っているときは、制御回路23がヒータ本体10への通電を強制停止すると共に、液晶表示器22にその旨を「REGULATE」の文字で表示するようになっているので、運転者はグリップヒータ装置1が故障しているのではなく、バッテリ30の性能が低下しており、車両の走行を優先するが故にグリップヒータ装置1の使用が制限されていることを直ちに認識することができ、日常的に作動しない可能性があるバッテリ保護機能を運転者に容易に認識させることができる。
また、このグリップヒータ装置1では、操作ユニット20とヒータ本体10とを接続するヒータ側通電回路43に発生した異常を検知する異常検知機能を有しており、制御回路23がヒータ側通電回路43の異常を検知すると、ヒータ本体10への通電を強制停止すると共に、液晶表示器22にその旨を「CHECK!」の文字で表示するようになっているので、ヒータ側通電回路43の異常によりグリップヒータ装置1の使用が制限されていることを直ちに認識することができ、日常的に作動しない可能性があるヒータ側通電回路43の異常検知機能を運転者に容易に認識させることができる。
なお、上述した実施形態では、イグニッションスイッチ42がONされているときは、バッテリ30の出力電圧が常時表示されるようになっているが、これに限定されるものではなく、制御回路23に時計機能を付与すると共に、バッテリ30の出力電圧と時刻とを液晶表示器22に切替えて表示させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、バッテリ30の性能に関する情報として、バッテリ30の出力電圧を表示しているが、これに限定されるものではなく、バッテリ30の性能をレベルバー等で段階表示することも可能である。
また、上述した実施形態では、バッテリ30の出力電圧やバッテリ30への通電量を示すレベルバー等を表示する表示部として液晶表示器22を採用しているが、これに限定されるものではなく、発光ダイオード(LED)や蛍光表示管(VFD)等を用いた表示器を採用することも可能である。
また、上述した実施形態では、自動二輪車等のステアリングにおけるハンドルバーのグリップ部を加温するグリップヒータ装置について説明したが、自動二輪車等の運転席のシートを加熱する場合には、ヒータ本体をシート部分に配設することによってシートヒータ装置として利用することも可能である。
本発明は、自動二輪車、スノーモービル、三輪バギー及び四輪バギー等のステアリングにおけるハンドルバーのグリップ部を加温する場合に利用することができる。
1 グリップヒータ装置
10 ヒータ本体
20 操作ユニット
21 操作ボタン
22 液晶表示器
22a レベルバー表示領域
22b 目盛り表示領域
22c 電圧表示領域
22d バッテリ保護表示領域
22e 異常表示領域
23 制御回路
30 バッテリ
41 バッテリ側通電回路
42 イグニッションスイッチ
43 ヒータ側通電回路

Claims (4)

  1. 車両のステアリングにおけるハンドルバーのグリップ部にそれぞれ装着され、車両に搭載されたバッテリからの通電によって前記グリップ部を加温する一対のヒータ本体と、
    前記ヒータ本体への通電量を調整するための操作部を有する操作ユニットと、
    前記操作部の操作に応じて、前記バッテリから前記ヒータ本体への通電量を制御する制御部と
    を備え、
    前記操作ユニットには、前記バッテリの性能に関する情報及び前記バッテリから前記ヒータ本体への通電量に関する情報同時に表示する表示部が設けられていることを特徴とするグリップヒータ装置。
  2. 前記表示部には、前記バッテリの性能に関する情報として前記バッテリの出力電圧が表示されるようになっている請求項1に記載のグリップヒータ装置。
  3. 前記制御部は、前記バッテリの出力電圧が規定値を下回っているときは、前記ヒータ本体への通電を強制停止するバッテリ保護機能を有し、
    前記制御部は、前記バッテリの出力電圧が規定値を下回っていたため、前記ヒータ本体への通電を強制停止すると共に、前記表示部にその旨を表示するようになっている請求項1またはに記載のグリップヒータ装置。
  4. 前記制御部は、前記操作ユニットと前記ヒータ本体とを接続する通電回路に発生した異常を検知する異常検知機能を有し、
    前記制御部は、前記通電回路の異常を検知すると、前記ヒータ本体への通電を強制停止すると共に、前記表示部にその旨を表示するようになっている請求項1、2またはに記載のグリップヒータ装置。
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