JP5757162B2 - 免震装置の設置構造 - Google Patents
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Description
このような免震構造物においては、免震装置の下部および上部をそれぞれ下部構造および上部構造に対して確実堅固に固定する必要があることはもとより、その設置作業を可及的に簡易にかつ効率的に行い得ることが望まれることから、そのために様々な構造や工法が提案されており、たとえば特許文献1や特許文献2には積層ゴムを基礎に対して設置するための架台をプレキャストコンクリート化(PCa化)するという構造が提案されている。
これは、予め工場製作したPCa架台1を基礎2上に配置してその四隅部をアンカー3(図2(b)参照。図2(a)では図示略)により基礎に対して固定し、そのPCa架台1上に免震装置4(図示例では積層ゴム)を配置してそのベースプレートを多数のアンカー5によりPCa架台1に対して固定し、免震装置4のトッププレートを上部構造6に対して多数のアンカー7により固定するようにしたものである。
そのため、従来においては図2に示したように多数の大断面のアンカー3によってPCa架台1の底面を基礎2の上面に対して確実堅固に接合する必要があるばかりでなく、図2(a)に示しているように上部構造6からのせん断力によって接合面に滑りが生じるようなことを確実に防止するために、たとえば基礎2の上面に座堀を設けてその内側にPCa架台1の全体を落とし込むか、あるいは特許文献2にも示されているようにPCa架台1の周囲全体に立ち上がり基礎を設ける必要もあるとされている。
さらに、その場合においてはプラグ内に鉄骨材を埋設することにより、プラグの強度をより高めることが可能である。
これは図2に示した従来の設置構造と同様に免震装置4(図示例では積層ゴム)をPCa架台1を介して基礎2上に設置することを基本とするものであるが、従来においてはPCa架台1を基礎2に対して単にアンカー3により固定していたのに加え、本実施形態ではPCa架台1と基礎2との間にプラグ10を介装してそのプラグ10によってPCa架台1を基礎2に対して水平変位不能に連結することにより、PCa架台1と基礎2との接合面に水平方向の滑りが生じることを確実に防止するようにしたものである。
これにより、頑強なコンクリート造のプラグ10がPCa架台1の中心部を上下方向に貫いてその下部が基礎に打ち込まれた形態で形成され、そのプラグ10が水平せん断力に対するシアキーとして機能して基礎2に対するPCa架台1の水平方向の滑りが防止される。
なお、所要強度が確保される場合にはプラグ10を普通コンクリートによる無筋コンクリート造のものとして形成することでも十分であるが、必要であれば普通コンクリートに代えて高強度コンクリートや、コンクリート系のグラウト材として多用されている無収縮モルタルを用いることも好ましい。
また、せん断耐力をより高めるためにプラグ10を鉄筋コンクリート造とすることでも良く、その場合には貫通孔11内および凹部12内に適宜の配筋を行ったうえでコンクリートを打設充填すれば良い。
さらに、鉄筋に代えて、あるいはそれに加えて、プラグ10内に鉄骨材13(図1に破線で示す)を埋設すればさらに高強度の鉄骨コンクリート造ないし鉄骨鉄筋コンクリート造のプラグとすることも勿論可能である。
そして、プラグ10を形成するためには、PCa架台1を製作する際にその中心部に貫通孔11を設けておくとともに基礎2には浅い凹部12を設けておいて、現場ではそれら貫通孔11と凹部12内に一体にコンクリートを充填するだけでプラグ10を容易に形成可能であるので、従来のように座堀を形成したり立ち上がり基礎を設ける場合に比較して格別面倒な工程が増えることはないし、さしてコストが増大することもない。
また、プラグ10は滑りを防止するうえではPCa架台1を基礎2に対して水平変位不能に連結するものであれば良いのであるが、可能であればそのプラグ10によってPCa架台1を基礎2に対して上下方向にも連結してPCa架台1の浮き上がりを防止する機能を持たせることも考えられる。
その場合、貫通孔11内に打設されたコンクリートは貫通孔11と凹部12との間の隙間からPCa架台1の底面と基礎2の上面との間の隙間にも自ずと注入されていくから、その隙間に対してグラウト材を注入するための格別の注入工程を省略することも可能である。
その場合、プラグ10を形成するためのコンクリート充填工程を貫通孔11の上部から直接的に行うことは困難であるので、予めPCa架台1の適所に貫通孔11に通じる注入孔とエア抜き孔を設けておいたり、凹部12に通じる注入孔を基礎2の適所に設けておいて、PCa架台1を基礎2上に配置してからそれらの注入管を通して凹部12内および貫通孔11内にコンクリートを加圧充填すれば良い。そのような手法によれば、凹部12内および貫通孔11内全体にコンクリートを隙間無く密実に充填し得て頑強なプラグ10を支障なく形成することができるし、同時にPCa架台1の底面と基礎2の上面との間の隙間にもコンクリートをグラウト材として注入することができる。
また、免震装置4と上部構造6との間にも上記実施形態におけるPCa架台1と同様のPCa部材を設置するような場合には、そのPCa部材と上部構造6との間にも上記実施形態と同様のプラグ10を介装して上部構造6に対する滑りを防止すれば良い。
2 基礎(下部構造)
3 アンカー
4 免震装置(積層ゴム)
5 アンカー
6 上部構造
7 アンカー
10 プラグ
11 貫通孔
12 凹部
13 鉄骨材
Claims (2)
- 免震層に設置する積層ゴム等の免震装置によって上部構造を下部構造に対して水平方向に相対変位可能に免震支持する免震構造物に適用され、前記免震装置を下部構造としての基礎に対して設置するための構造であって、
前記基礎上にプレキャストコンクリート造のPCa架台の底面を接合して該PCa架台上に前記免震装置の下部を固定するとともに、前記接合面に作用する水平方向のせん断力に抗して該接合面に滑りが生じることを防止可能なプラグを前記PCa架台と前記基礎の双方に跨る位置に介装することにより、該プラグにより前記PCa架台を前記基礎に対して水平変位不能に連結してなり、
前記PCa架台の中心部に形成した上下方向の貫通孔と該貫通孔に連なる位置において前記基礎の上部に形成した凹部に対して一体にコンクリートを充填することによって、前記プラグをコンクリート造のプラグとして形成してなることを特徴とする免震装置の設置構造。 - 請求項1記載の免震装置の設置構造であって、
前記コンクリート造のプラグに鉄骨材を埋設してなることを特徴とする免震装置の設置構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2011124355A JP5757162B2 (ja) | 2011-06-02 | 2011-06-02 | 免震装置の設置構造 |
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JP2011124355A JP5757162B2 (ja) | 2011-06-02 | 2011-06-02 | 免震装置の設置構造 |
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JP2012251352A JP2012251352A (ja) | 2012-12-20 |
JP5757162B2 true JP5757162B2 (ja) | 2015-07-29 |
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ID=47524403
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Country | Link |
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JP (1) | JP5757162B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5232106B2 (ja) * | 2009-08-27 | 2013-07-10 | 大成建設株式会社 | 免震構造の構築方法 |
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2011
- 2011-06-02 JP JP2011124355A patent/JP5757162B2/ja active Active
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