JP5756897B2 - 熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱処理装置および方法に関する。
近年、液晶および太陽電池などの分野で、基材上にCVD法等の技術を用いて堆積した薄膜に対して、レーザーやRTA(Rapid Thermal Anneal)を用いて、基材に熱ダメージを与えることなく、高速かつ高温に薄膜を加熱する技術が発展してきている。その主な目的は、薄膜を結晶相などに相転移させることにより、半導体中に含まれるキャリアの移動度や寿命(ライフタイム)などを向上させ、商品の特性を向上させることであり、加えて、短時間処理という高い生産性も維持することにある。
例えば、太陽電池分野の場合、製造原価の約30%を占める、シリコンの材料費を低減すべく、シリコン基板の厚さをできる限り薄くすることを目的として、薄膜太陽電池に関する発明が為されている。
そのような薄膜太陽電池の中で、CVD法、スパッタリング法、又は蒸着法等の薄膜工法を用いてシリコンを中心とした成膜層を順次積層し、所望の半導体層を形成した薄膜太陽電池は、各々の膜厚を数nm乃至数十μmと非常に薄く形成できることが一般に知られている(非特許文献1参照)。
しかし、とりわけシリコン(Si)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンカーバイド(SiC)、等を用いた薄膜太陽電池においては、薄膜工法による技術的な困難性から、低コストで単結晶層、或いは、多結晶層を形成することが困難である。これは一般的に、アモルファス相或いは粒径約10nm程度の非常に小さい結晶粒からなる微結晶相が形成されるため、キャリアが膜中を移動できるキャリア拡散長が非常に小さいためである。
そのような背景の下、近年、薄膜工法によるシリコンのアモルファス膜を堆積した後、SPC法(固相結晶化)と呼ばれる、600℃程度の低温で十乃至数十時間の比較的長時間の熱処理を行い、結晶粒径をΦ2500nmレベルまで拡大させたシリコン結晶層を形成する技術が注目されている。この技術により、キャリア拡散長を改善し、比較的高い発電効率を実現することが知られる(非特許文献2参照)。
一方、LCDやOLEDに代表されるディスプレイ用途としても、上記太陽電池用途と概ね同じ目的で、シリコンの薄膜を採用しつつ低コストで結晶化する技術が発展してきている。その一例を従来例として、特許文献1に示されている内容を以下に示す。
ガラス基材上に形成した半導体層(αSi層)を結晶化、或いは、ドーパントの活性化をするために、半導体層を堆積した後、特許文献1(図1)に開示される熱処理装置(複数の加熱炉と冷却炉を連結させた構成)により比較的緩やかな昇温と降温を制御する方法(SPC法)により、500℃乃至850℃程度の比較的低い温度で、同文献(図16)に開示される、比較的緩やかな昇温と降温を組み合わせた熱プロファイルを実現する。このようなプロセスにより、急激な温度変化と局部的温度差を抑制でき、ガラス基材表面の半導体層の変形および損傷を避けつつ熱処理する技術が提案されている。
本発明者らも、特許文献1および非特許文献2を参照し、同様の熱処理装置および方法を用いたSPC法によって、基材および半導体層の損傷および変形を低減しつつ、ガラス基材上に堆積したシリコン薄膜が結晶化することを確認している。
特許第4796056号公報
小長井誠、薄膜太陽電池の基礎と応用 オーム社 The University of New South Wales,Photovoltaics Center of Excellence,Annual report(2009)
しかしながら、上記従来例の熱処理装置および方法では、500℃乃至850℃の比較的低温で結晶化するため、30時間程度の長時間を費やしても、結晶粒径の大きさがΦ2500nm程度に留まっていた。とりわけ、安価なガラス基材上の半導体層を損傷および変形無く結晶化を実現するためには高温度での熱処理が難しく、結晶粒径を大きくすることが非常に困難であるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、主として太陽電池、ディスプレイおよび半導体の特性を改善するためのキャリア拡散長の向上に繋がる、シリコン膜の平均結晶粒径を従来よりも数倍に大きくできる、熱処理装置および方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明で開示する手段は、基材を装置内部で相対的に低温度帯に保持することが可能な第1の温度機構と、高温度帯に保持することが可能な第2の温度機構と、中温度帯に保持することが可能な第3の温度機構からなる、少なくとも3種の温度帯に保持する機構をこの順に連続して備え、且つ、3種の熱源と基材を相対的に移動する移動機構を備える構成とする。
また、低温度帯に保持することが可能な第1の温度機構は、基材を加熱するヒーターを基材の裏面側に備え、かつ基材の表面側に冷媒を用いて相対的に冷却する機構を備えることが好ましい。
また、高温度帯に保持することが可能な第2の温度機構は、熱源として、大気圧プラズマ、レーザー、フラッシュランプを用いて基材の表面側を高速に加熱する機構を備えることが好ましい。
また、高温度帯に保持する機構は、500℃/sec以上の昇温速度が可能であることが好ましい。
また、中温度帯に保持することが可能な第3の温度機構は、少なくとも基材の裏面側或いは表面側より基材を加熱することが可能なヒーターを備える、又は、熱源として、大気圧プラズマ、レーザー、フラッシュランプを用いて、基材の表面側を高速に、かつ高温度帯よりも小さい熱量で加熱する機構を備えることが好ましい。
また、低温度帯とは、基材上の所望の材料が結晶核を発生する温度より低いことが好ましい。
また、低温度帯とは、600℃より低く、0℃より高い温度であることが好ましい。
また、高温度帯とは、基材上の所望の材料が固相のまま結晶化を開始する温度、或いは溶融を開始する温度以上であることが好ましい。
また、高温度帯とは、その到達温度が900℃より大きく、1500℃より小さいことが好ましい。
また、中温度帯とは、高温度帯よりも100℃以上低い温度で、かつ低温度帯よりも高い温度であることが好ましい。
更に、基材を少なくとも一方向に可動させる機構を備えることが好ましい。
以上のように、本発明で開示する手段によれば、主として太陽電池、ディスプレイおよび半導体の特性を改善するためのキャリア拡散長の向上に繋がる、シリコン膜の平均結晶粒径を従来よりも数倍に大きくできる、熱処理装置および方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1における熱処理装置の構成を示す模式図 本発明の実施の形態1における熱処理方法の基材表面における温度プロファイルを示す模式図 本発明の実施の形態2における熱処理装置の構成を示す模式図 本発明の実施の形態2における熱処理方法の基材表面における温度プロファイルを示す模式図 本発明の実施の形態3における熱処理装置の構成を示す模式図 本発明の実施の形態4における熱処理装置の構成を示す模式図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1および図2は、本実施の形態1に係る熱処理装置および方法の模式図である。
(熱処理装置および方法の構成)
本実施の形態における熱処理装置および方法は、図1に示すように、基材を加熱することが可能な下部ヒーターユニット201aと、X方向に移動が可能な搬送ユニット202と、搬送ユニット202に連結させた、冷却ユニットとしてのガス噴出ユニット203と、急速加熱ユニットとしての大気圧プラズマユニット204aと、予備加熱ユニットとしての上部ヒーターユニット205と、から構成される。
本発明の処理装置は、上部ヒーターユニット205をX方向に沿って、順に配置しており、数種の温度帯で熱処理しつつも、搬送ユニットにより、各々の温度帯を連続して速やかに切り替えることを可能としている。
また、搬送ユニット202を−X方向に移動させることで、ガス噴出ユニット203、大気圧プラズマユニット204a、および上部ヒーターユニット205の各々は、基材206を間に介して下部ヒーターユニット201a対向する位置に移動可能な構成としている。
以下に、この熱処理装置を用いて実施した熱処理方法の一例を、図2に示す基材と206表面の熱プロファイルの模式図を用いて示す。
まず、ガラス206aの表面側にアモルファス相から成るアモルファスシリコン薄膜206bを成膜した基材206を、概ね600乃至800℃に加熱した下部ヒーターユニット201a上に載置し、同時にガス噴出ユニット203にて基材206の表面側に窒素ガスを噴きつけることで、概ね580℃の比較的低温度T0に保持させた。
次に、搬送ユニット202により各々のユニットを−X方向に、概ね10乃至5000mm/secの速度で移動させる。これにより、大気圧プラズマユニット204aより噴出させた高温プラズマ204bによって、基材206の表面を、概ね0.2乃至1000msecの短時間(S0〜S1)に、概ね1050℃まで極めて急速に昇温させる。その到達温度で概ね0.2乃至100msecの間(S1〜S2)で保持させることで、比較的高温度T2の熱処理を施した。
更に、搬送ユニット202により各々のユニットを引き続き、移動させ、大気圧プラズマユニット204aに隣接して配置させた上部ヒーターユニット205により、概ね0.1乃至1000msecの短時間(S2〜S3)に基材206の表面を到達温度より概ね250℃低い比較的中温度T1とした。そして、中温度T1で概ね0.1乃至5secの間(S3〜S4)保持することで、低温度T0、高温度T2、中温度T1の順に基材206の表面、すなわちアモルファスシリコン薄膜206bを熱処理した。
以上のような、熱処理装置および方法にて、結晶化させた(アモルファス相から結晶相に相転移させた)アモルファスシリコン薄膜206bをTEM観察等を通じて解析した結果、従来例よりも平均で約6.0倍大きい粒径(15μmレベル)の結晶化を確認できた。また、基材として用いたガラスおよびシリコン膜に、膜剥がれや割れ等の損傷が無いことも確認できた。
(実施の形態2)
図3および図4は、本発明実施の形態2に係る、熱処理装置および方法の模式図である。以下、実施の形態1と異なる点を中心にして述べる。
(熱処理装置および方法の構成)
本実施の形態における熱処理装置および方法は、図3に示すように、予備加熱ユニットとしての上部ヒーターユニット205の代わりに、X方向に沿って、予備加熱ユニットとしての大気圧プラズマユニット204c、204d、204eを順に配置した熱処理装置としている。
この熱処理装置を用いて実施した熱処理方法の一例を、図4に示した基材206表面の熱プロファイルの模式図を用いて、以下に示す。
まず、ガラス206aの表面側にアモルファス相から成るアモルファスシリコン薄膜206bを成膜した基材206を、概ね600乃至800℃に加熱した下部ヒーターユニット201a上に載置する。同時にガス噴出ユニット203にて基材206の表面側に窒素ガスを噴きつけることで、概ね580℃の比較的低温度T0に保持させた。
次に、搬送ユニット202により各々のユニットを−X方向に、概ね10乃至5000mm/secの速度で移動させることで、大気圧プラズマユニット204aより噴出させた高温プラズマ204bにより、基材206の表面を、概ね0.2乃至1000msecの短時間(S0〜S1)に、概ね1050℃まで極めて急速に昇温した。その到達温度で概ね0.2乃至100msecの間(S1〜S2)保持することで、比較的高温度T2の熱処理を施した。
更に、搬送ユニット202により各々のユニットを引き続き移動させ、大気圧プラズマユニット204aに隣接して配置させた大気圧プラズマユニット204c、204d、204eより、高温プラズマ204f、204g、204hを噴出させ、概ね0.6乃至3000msecの短時間(S2〜S3)で基材206の表面温度を徐々に下げ、高温度T2よりも概ね100乃至250℃低い比較的中温度T1にし、その後、自然冷却させた。
すなわち、実施の形態1と同様に、低温度T0、高温度T2、中温度T1の順に基材206の表面、すなわちアモルファスシリコン薄膜206bを熱処理した。
なおこの時、大気圧プラズマユニット204aに投入する電力よりも、大気圧プラズマユニット204c、204d、204eに投入する電力を小さくしている。具体的には、大気圧プラズマユニット204aに投入する電力を1.0とした場合、大気圧プラズマユニット204c、204d、204eはそれぞれ0.9、0.8および0.7として、高温プラズマ204bより温度の低い、高温プラズマ204f、204g、204hを噴出させた。
以上のような、熱処理装置および方法にて、結晶化させた(アモルファス相から結晶相に相転移させた)シリコン薄膜を、TEM観察等を通じて解析した結果、実施の形態1に比べて粒度バラつきは大きいものの、従来例よりも平均で約8.0倍大きい粒径(20μmレベル)の結晶化を確認できた。
また、基材として用いたガラスおよびシリコン膜に、膜剥がれや割れ等の損傷が無いことも確認できた。
(実施の形態3)
図2および図5は、本発明実施の形態3に係る、熱処理装置および方法の模式図である。以下、実施の形態1と異なる点を中心にして述べる。
(熱処理装置および方法の構成)
本実施の形態における熱処理装置および方法は、図5に示すように、X方向に移動可能な搬送ユニット202の代わりに、+X方向に基材206を移動可能な、セラミック製の搬送ローラー207を配置した熱処理装置としている。
この熱処理装置を用いて実施の形態1と同様の熱処理方法を実施し、図2に示したのと同等の熱プロファイルを、基材206表面に実施した。
まず、ガラス206aの表面側にアモルファス相から成るアモルファスシリコン薄膜206bを成膜した基材206を、概ね600乃至800℃に加熱した下部ヒーターユニット201a上に載置する。同時にガス噴出ユニット203にて基材206の表面側に窒素ガスを噴きつけることで、概ね580℃以下の比較的低温度T0に保持させた。
次に、実施の形態1と同様に、大気圧プラズマユニット204aより噴出させた高温プラズマ204bにより、基材206の表面を、概ね1.0乃至1000msecの短時間(S0〜S1)に、概ね1050℃まで極めて急速に昇温した。その到達温度で概ね0.2乃至100msecの間(S1〜S2)保持することで、比較的高温度T2の熱処理を施した。
更に、実施の形態1と同様に、大気圧プラズマユニット204aに隣接して配置させた上部ヒーターユニット205により、概ね0.1乃至1000msecの短時間(S2〜S3)に基材206の表面を到達温度より概ね250乃至300℃低い比較的中温度T1とした。そして、中温度T1で概ね0.1乃至5secの間(S3〜S4)で保持させることにより、低温度T0、高温度T2、中温度T1の順に基材206の表面、すなわちアモルファスシリコン薄膜206bを熱処理した。
熱処理方法で実施の形態1と異なる点は、搬送ローラー207により基材206を+X方向に、概ね10乃至1000mm/secの速度で移動させたことである。
以上のような、熱処理装置および方法にて、結晶化させた(アモルファス相から結晶相に相転移させた)シリコン薄膜を、TEM観察等を通じて解析した結果、実施の形態1に比べて粒度バラつきは大きいものの、従来例よりも平均で約5.0倍大きい粒径(12.5μmレベル)の結晶化を確認できた。
また、基材として用いたガラスおよびシリコン膜に、膜剥がれや割れ等の損傷が無いことも確認できた。
(実施の形態4)
図6および図2は、本発明実施の形態4に係る、熱処理装置および方法の模式図である。以下、実施の形態1と異なる点を中心にして述べる。
(熱処理装置および方法の構成)
本実施の形態における熱処理装置および方法は、図6に示すように、急速加熱ユニットとしての大気圧プラズマユニット204aの代わりに、波長530nmのグリーンレーザーを用いたレーザーユニット208aを配置した熱処理装置としている。
この熱処理装置を用いて実施の形態1と同様の熱処理方法を実施し、図2に示したのと同等の熱プロファイルを、基材206表面に実施した。
まず、ガラス206aの表面側にアモルファス相から成るアモルファスシリコン薄膜206bを成膜した基材206を、概ね600乃至800℃に加熱した下部ヒーターユニット201a上に載置する。同時にガス噴出ユニット203にて基材206の表面側に窒素ガスを噴きつけることで、580以下の比較的低温度T0に保持させた。
次に、熱処理方法で実施の形態1と異なる点は、レーザーユニット208aより発射させたレーザー208bにより、基材206の表面を、概ね0.1乃至500msecの短時間(S0〜S1)に、概ね1300℃まで極めて急速に昇温した。その到達温度で概ね0.1乃至500msecの間(S1〜S2)保持することで、比較的高温度T2の熱処理を施した。
更に、実施の形態1と同様に、レーザーユニット208aに隣接して配置させた上部ヒーターユニット205により、概ね0.1乃至1000msecの短時間(S2〜S3)に基材206の表面を到達温度より概ね500℃低い比較的中温度T1とした。そして、中温度T1で概ね0.1乃至5secの間(S3〜S4)保持することで、低温度T0、高温度T2、中温度T1の順に基材206の表面、すなわちアモルファスシリコン薄膜206bを熱処理した。
以上のような、熱処理装置および方法にて、結晶化させた(アモルファス相から結晶相に相転移させた)シリコン薄膜を、TEM観察等を通じて解析した結果、実施の形態1に比べて結晶化できた面積は小さいものの、従来例よりも平均で約4.5倍大きい粒径(11.25μmレベル)の結晶化を確認できた。
また、基材として用いたガラスおよびシリコン膜に、膜剥がれや割れ等の損傷が無いことも確認できた。
以上のように、本実施の形態が従来例よりも結晶粒径が大きくできた理由について、推測を以下に述べる。
従来例のように、アモルファスシリコン膜は、概ね625℃前後で数秒乃至数分の熱処理を施すと、膜全体に均一にΦ10nm程度の微結晶粒を形成する。そのため、この物性を利用したSPC法により、更に数乃至数十時間単位の熱処理を継続することで、最大Φ2.5μmレベルの結晶粒を形成できる。しかしながら、これ以上の時間をかけて熱処理を施してもほとんど結晶粒が大きくならない。
これは、熱処理の初期段階でΦ10nm以下という非常に微細な結晶粒を高密度に生成させてしまうと、粒界面積を著しく増大させ、かつ各々の粒子をランダムに配向させることにもなる。その結果、粒成長(粒径の拡大)に莫大な熱エネルギーが必要となり、ある一定の大きさ以上の粒成長が困難になると推測する。
これに比べて本実施の形態では、従来例に比べて大きく3つの特長があると考える。この特長を、所望とする材料の一例として、本発明の形態で用いたガラス上のシリコン膜を例として以下に示す。
1つ目の特長は、シリコン膜の相変態温度以上に急速にシリコン膜を加熱させることである。その実現のために本発明の実施の形態では、到達温度を補助するねらいでシリコン膜に予備加熱を与えつつ、予備加熱の温度をシリコン膜の核発生開始温度である625℃前後よりも低い温度に抑える構成とした。更に、低温度帯から連続してシリコン膜をmsecオーダーで急速に加熱する構成とすることで実現した。
この構成の熱処理装置および方法により、シリコン膜をアモルファス相の状態のまま、625℃前後の温度帯を一瞬で通過しつつ、アモルファス相から結晶相への相変態開始温度である900℃前後以上に急速に昇温することができた。その結果、シリコン膜の特徴である昇温時の核発生の発生頻度を極力抑えることができたと推測する。
2つ目の特長は、基材を下部ヒーターにより常に加熱するなどの熱処理装置構成および方法とした点である。シリコン膜を高温度帯に到達させる大気圧プラズマユニットや、レーザーユニット等が過ぎ去った後、即座に、高温度帯よりも100℃乃至500℃程度低い中温度帯に保持した。結果として、シリコン膜の過冷却度を比較的小さく抑えることができ、降温時の核発生の発生頻度も極力抑えることができたと推測する。
本特長により、昇温時かつ降温時の双方において、シリコン膜の結晶核発生の発生頻度を小さく抑えることができ、従来例よりも大きな結晶粒径を実現することが可能になったと考える。
最後に3つ目の特長は、高温度帯に大気圧プラズマ、レーザーおよびフラッシュランプアニールのような超急速加熱技術を用いた点である。この技術により、ガラス内部への熱拡散長を数十μmレベルに抑えることができ、反りや割れ等の損傷なくガラスを使用することを可能とした。この結果、本発明を太陽電池、ディスプレイおよび半導体分野で利用することが容易とした。
上記の理由により、シリコン膜以外を対象とする場合は、その膜固有の微結晶化温度もしくは核生成温度以下を低温度帯とすれば良い。
なお、本実施の形態のように、アモルファスシリコン膜を対象とする場合、低温度帯は600℃より低く、0℃より高い温度であることが好ましい。これは、シリコンの結晶核が発生する温度(一般に微結晶化温度と呼ばれている)が概ね625℃前後であり、結晶核の発生を抑制するためには、600℃より低い温度が好ましい。逆に、また0℃より低いと空気中の水分が膜表面に結露しやすくなるなどして、所望の効果にバラつきが生じやすくなり好ましくない。
更に、低温度帯は500℃より高い温度であると、高温度帯の処理後、迅速に中温度帯に維持することを容易にできるため、なお好ましい。
なお、本実施の形態のように、アモルファスシリコン膜を対象とする場合、高温度帯は到達温度が900℃より大きく、1500℃より小さいことが好ましい。これは、シリコンのアモルファス相から結晶相への相変態開始温度が900℃前後であること、又はシリコン溶融温度が1414℃前後であることから、これらいずれかの温度帯まで昇温することで、結晶粒径の大きい結晶相を得やすくなるからである。
なお、本実施の形態のように、ガラス上のアモルファスシリコン膜を対象とする場合、中温度帯は、高温度帯よりも100℃以上低く、かつ低温度帯よりも高い温度であることが好ましい。
これは、高温度帯より低い温度帯に保持することで結晶核を発生させることができるため、概ね高温度帯よりも100℃以下に保持することが好ましい。一方で発生する結晶核の核発生頻度を比較的小さく抑えるためには過冷却度を小さくする手段が有効である、或いは、シリコンの拡散速度を十分にし、結晶粒の粒成長速度を大きくするためには概ね低温度帯よりも高い温度に保持することが良い。
更に好ましくは、反りおよび割れ等のガラスの損傷を避けるために、中温度帯は、800℃以下であることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、冷却ユニットとしてガス噴出ユニットを用いた場合を例示したが、水などの液体状の冷媒を噴出できるユニットを代わりに用いても、低温度帯に加熱することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、急速加熱ユニットとして大気圧プラズマユニットおよびレーザーユニットを用いた場合を例示したが、急速に高温まで昇温することが可能であれば、他の加熱手段を用いても良い。例えば、フラッシュランプアニールユニットなどを代わりに用いても、基材との位置関係に同期させて加熱すれば、基材表面を急速に加熱することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、中温度帯の熱処理手段として、下部および上部ヒーターを用いた場合、又は、下部および出力を抑えた複数の大気圧プラズマユニットを用いた場合を例示したが、他の加熱手段を用いても良い。例えば、大気圧プラズマユニットの代わりに、複数のレーザーユニットおよびフラッシュランプアニールユニットなどを用いても、基材表面を迅速に中温度帯に加熱することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、基材として、ガラス上のシリコン膜に関してのみ例示したが、ガラスとシリコン膜の間にガラスよりも熱伝導の高い材料を挟み、シリコン膜/高熱伝導膜/ガラスによる積層構成とした場合でも適用可能である。
本発明の熱処理装置および熱処理方法によれば、シリコン膜の平均結晶粒径を従来よりも4.5倍以上に大きくすることができ、キャリア拡散長の向上が可能となり、主として太陽電池、ディスプレイおよび半導体の特性を改善させることができる。
201a 下部ヒーターユニット
202 搬送ユニット
203 ガス噴出ユニット
204a,204c 大気圧プラズマユニット
204b,204f 高温プラズマ
205 上部ヒーターユニット
206a ガラス
206b アモルファスシリコン薄膜

Claims (3)

  1. 基材を加熱するヒーターを前記基材の裏面側に備え、かつ前記基材の表面側に冷媒を用いて前記基材の表面を冷却する第1の温度機構と、
    大気圧プラズマ、レーザー、フラッシュランプの何れかを用いて前記基材の表面側を加熱する第2の温度機構と、
    前記基材の表面側より前記基材を加熱するヒーターを備える第3の温度機構と、
    をこの順序で連続して備え、第1〜第3の温度機構を相対的に移動する移動機構を有すると共に、
    前記第1の温度機構によって保持することが可能な低温度帯は600℃より低く、0℃より高い温度にし、前記第2の温度機構によって保持することが可能な高温度帯は到達温度が900℃より大きく、1500℃より小さい温度設定手段をさらに備える、
    熱処理装置。
  2. 前記第2の温度機構は、500℃/sec以上の昇温速度を可能とする、請求項1記載の熱処理装置。
  3. 前記基材を一方向に可動させる機構を備える、請求項1記載の熱処理装置
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