JP2012248560A - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合深さが浅く、かつ、高ドーズの拡散層を形成するとともに、浅い食い込みでファイアスルーを行うことで、高効率の太陽電池を製造する方法を提供すること。
【解決手段】リンを含むプラズマを基板に照射して半導体基板にpn接合を形成した後、基板の表面にシリコン窒化膜を形成する。次いで、導電性ペースト塗布膜を形成、乾燥させ、ICPトーチユニットを用いて加熱し焼成する。ICPトーチユニットにおいて、全体としてコイルをなす銅棒が、石英ブロックに設けられた銅棒挿入穴内に配置され、石英ブロックは、銅棒挿入穴及び冷却水配管内を流れる水によって冷却される。ICPトーチユニットの最下部にプラズマ噴出口が設けられる。長尺チャンバ内部の空間にガスを供給しつつ、銅棒に高周波電力を供給して、長尺チャンバ内部の空間にプラズマを発生させ、基材に照射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、本発明は、太陽電池素子の製造方法に関するものである。
現在実用化されている太陽電池の主流はシリコン太陽電池である。シリコン太陽電池の電極形成工程においては、金属ペーストをスクリーン印刷等で形成する方法が採用されている。まず、p型Si基板を準備し、その表面に例えばリン(P)を熱的に拡散させ導電型を反転させたn型拡散層を形成する。リン拡散の方法として、オキシ塩化リン(POCl3)ガスを含む空間内で基板を加熱するものや、基板にリンガラス膜を形成して加熱するものなどがある。n型拡散層のシート抵抗は数十Ω/□程度であり、その深さは0.3〜0.5μm程度である。
続いて、n型拡散層の片面をレジストにより保護した後、基板の一主面のみにn型拡散層を残すようにエッチング処理する。処理後の残存レジストは、有機溶剤等を用いて除去される。次いで、プラズマCVD法等により、絶縁膜(反射防止膜)としてのシリコン窒化膜をn型拡散層上に70〜90nm程度の厚さで形成する。次に、基板の裏面の所望の位置に、アルミニウムペーストおよび裏面用銀ペーストをそれぞれスクリーン印刷し、乾燥させる。シリコン窒化膜上には表面電極となる銀ペーストを裏面と同様にスクリーン印刷し、乾燥させる。そして、基板を最高温度700℃〜900℃で数秒〜数分間焼成する。
その結果、基板の裏面側では、焼成中にアルミニウムペーストから不純物としてのアルミニウムが基板中に拡散し、アルミニウムの高濃度不純物を含んだp+層が形成される。この層は、一般にBSF(Back Surface Field)層と呼ばれる。また、焼成後、アルミニウムペーストは裏面アルミニウム電極となり、裏面用銀ペーストも同時に裏面銀電極となる。焼成時において、裏面アルミニウム電極と裏面銀電極の境界は合金状態となり電気的に接続される。
一方、表面電極用銀ペーストは、焼成中にシリコン窒化膜を溶融・貫通しn型拡散層に食い込んで電気的な接触を取る。このような方法は、一般的にファイアスルーと呼ばれる。基板の裏面側にパターニングを施し、p型・n型の両方の電極を裏面側に形成する所謂バックコンタクト方式の太陽電池においても、ファイアスルーを行う方法も開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
ファイアスルーを行うための炉としては、内側に処理空間を有する炉体と、被処理体としての基板を積載して処理空間内を所定方向に移動させる搬送手段と、処理空間内に配置され、基板を加熱するための赤外線放射ヒータとを備えた焼成炉が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
なお、ファイアスルーにおいて、銀ペーストの食い込みを浅くする方法として、ガラス量が3wt%、ガラス軟化温度が500℃の電極ペーストを、最高温度850℃・保持時間60s、または、最高温度750℃・保持時間5sで焼成して金属電極を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3を参照)。
特開平5−259488号公報 特開2006−245100号公報 特開2008−109164号公報
しかしながら、従来の太陽電池は効率が低いという問題点があった。
太陽電池においては、短波長の光に対して高効率を得るには接合の深さを浅くする必要がある。 これは、接合の深さが深いと、短波長の光は高エネルギーのため半導体の表面で電子と正孔の再結合を生じさせて吸収されてしまい、接合の部分まで光が達しないためである。しかし接合の深さを浅くすると、上記第1の導電型と異なる導電型の層の抵抗が増大するため太陽電池の変換効率が減少する(例えば、特開昭53−70780号公報を参照)。
従来技術のオキシ塩化リン(POCl3)ガスを含む空間内での基板加熱や、リンガラス膜を形成した基板の加熱などによる接合形成では、接合深さを浅くすることは、リンのドーズ量を少なくすることと同義であり、n型拡散層の抵抗が高くなることとなる。したがって、表面電極との接合抵抗が高くなり、高い効率が得られない。逆に、リンのドーズ量を多くすると、n型拡散層の抵抗が低くなるので表面電極との接合抵抗が低くなるが、接合深さが深くなり、高い効率が得られない。また、この場合、再結合サイトが多くなるため、少数キャリアライフタイムが低くなり、このことも効率の低下を招く。
このようなトレードオフ関係があるため、接合深さを極端に浅くしたり深くすることは得策ではなく、従来の太陽電池においては、n型拡散層のシート抵抗は数十Ω/□程度、接合深さは0.3〜0.5μm程度で製造されていた。
また、仮に接合深さが浅く、かつ、高ドーズのn型拡散層が形成できたとしても、ファイアスルー時に銀ペーストがp型基板まで食い込んでしまい、太陽電池を形成できなくなるという問題がある。従来例に示した特許文献3に記載の方法によれば、ある程度浅い食い込みでファイアスルーを行うことができるが、秒オーダーで基板を加熱するため基板全体の温度が高くなり、p型基板にまで少量の銀が拡散してしまい、太陽電池の効率を下げてしまうものと考えられる。
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、接合深さが浅く、かつ、高ドーズの拡散層を形成するとともに、浅い食い込みでファイアスルーを行うことで、高効率の太陽電池を製造する方法を提供することを目的としている。
本願の第1発明の太陽電池の製造方法は、半導体基板にpn接合を形成するステップと、半導体基板の表面に絶縁膜を形成するステップと、絶縁膜上に導電性金属ペーストを塗布して導電性ペースト塗布膜を形成するステップと、導電性ペースト塗布膜を乾燥して導電性ペースト乾燥膜を形成するステップと、導電性ペースト乾燥膜を焼成して電極を形成するステップとを含む太陽電池の製造方法であって、導電性ペースト乾燥膜を焼成して電極を形成するステップが、プラズマ照射、レーザー照射、または、フラッシュランプ光照射によるものであることを特徴とする。
このような構成により、浅い食い込みでファイアスルーを行うことで、高効率の太陽電池を製造する方法を提供することができる。
本願の第1発明の太陽電池の製造方法は、前記半導体基板が多結晶シリコン基板である場合にとくに有効である。
また、好適には、前記pn接合を形成するステップが、不純物を含むプラズマを照射するプラズマドーピング法によるものであることが望ましい。
このような構成により、接合深さが浅く、かつ、高ドーズの拡散層が形成できる。
また、第1発明の太陽電池の製造方法は、前記絶縁膜がシリコン窒化膜である場合にとくに有効である。
また、好適には、前記導電性ペーストが、銀粉末またはアルミニウム粉末、有機ビヒクル、ガラス粉末を含有するものであることが望ましい。
このような構成により、再現性よく微細な導電性ペースト塗布膜を得ることができる。
また、好適には、前記導電性ペースト乾燥膜を焼成して電極を形成するステップが、プラズマ照射によるものであり、前記プラズマが、長尺の誘導結合方式プラズマトーチであることが望ましい。
このような構成により、基材の表面近傍をごく短時間だけ均一に高温熱処理するに際して、基材の所望の被処理領域全体を短時間で処理することができる。
また、前記半導体基板の、前記導電性ペースト乾燥膜を形成した面とは逆の面に第2の導電性ペースト乾燥膜を形成し、前記導電性ペースト乾燥膜と前記第2の導電性ペースト乾燥膜を同時に、プラズマ照射、レーザー照射、または、フラッシュランプ光照射により焼成することも可能である。
このような構成により、簡単な工程フローで短時間に太陽電池を製造することができる。また、表面と裏面とを別の温度プロファイルにて焼成処理することもできるため、種々のペーストを用いることができ、より太陽電池に適した組成の電極を構成できる。
また、さらに好適には、前記誘導結合方式プラズマトーチが、誘電体で囲まれた長尺チャンバと、前記長尺チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体で囲まれた長尺の穴と、前記長尺の穴内に設けられた導体棒またはソレノイドコイルと、前記導体棒またはソレノイドコイルに接続された高周波電源と、前記長尺チャンバに長尺のプラズマ噴出口を備えたトーチであることが望ましい。
このような構成により、簡単な構成でプラズマトーチを構成できる。
本発明によれば、接合深さが浅く、かつ、高ドーズの拡散層を形成するとともに、浅い食い込みでファイアスルーを行うことで、高効率の太陽電池を製造する方法を提供することができる。
本発明の実施の形態1におけるプラズマトーチの構成を示す断面図 本発明の実施の形態1におけるプラズマトーチの構成を示す斜視図 本発明の実施の形態1におけるファイアスルー炉の構成を示す断面図 本発明の実施の形態1における温度プロファイルを示す図 本発明の実施の形態2におけるファイアスルー炉の構成を示す平面図 本発明の実施の形態3におけるファイアスルー炉の構成を示す断面図 本発明の実施の形態4におけるプラズマトーチの構成を示す断面図 本発明の実施の形態4におけるプラズマトーチの構成を示す斜視図
以下、本発明の実施の形態における太陽電池の製造方法について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1〜図4を参照して説明する。
まず、半導体基板としてp型シリコン基板を準備する。次いで、この基板にpn接合を形成するために、リン(P)を含むプラズマを基板に照射する。この方法はプラズマドーピング法と呼ばれ、浅くて高ドーズの不十分物導入を高速で行うことができる。つまり、プラズマドーピング法により、接合深さが浅く、かつ、高ドーズのn型拡散層が形成できる。
プラズマドーピングは、ホスフィン(PH3)ガスを含むガス(ホスフィン+ヘリウム、または、ホスフィン+ヘリウム+水素)を真空中でプラズマ化するとともに、基板を載置したステージに高周波電力またはパルス電力を供給して、バイアス電圧によるイオン衝撃を加えることにより、リンを半導体中に導入するものである。あるいは、大気圧プラズマを用いたドーピングを用いてもよい。
ジボラン(B26)を含むガスをプラズマ化することで、n型シリコン基板にp型拡散層を形成することで、pn接合を形成してもよい。接合深さを100nm以下になるようにプラズマドーピング条件を設定することができる。そして、基板の表面に絶縁膜としてのシリコン窒化膜を、プラズマCVD法により70〜90nmの厚さで形成する。次いで、シリコン窒化膜上に、銀粉末またはアルミニウム粉末、有機ビヒクル、ガラス粉末を含有する導電性金属ペーストを塗布し、導電性ペースト塗布膜を形成する。このような組成の導電性ペーストを用いることにより、再現性よく微細な導電性ペースト塗布膜を得ることができる。
このとき、導電性ペースト塗布膜は、細い線状のパターンに形成することが好ましく、スクリーン印刷、インクジェットなどの方法を用いることができる。一般に表面電極は、バスバー電極とフィンガー電極から形成されている。バスバー電極は半導体基板の全長にわたって1本あるいは複数本が平行に形成されており、フィンガー電極はバスバー電極と交差するように多数本が半導体基板の全長にわたって形成されている。基板上の導電性ペースト塗布膜は乾燥され、導電性ペースト乾燥膜となる。そして、導電性ペースト乾燥膜を焼成して電極を形成する。以下、導電性ペースト乾燥膜を焼成する工程について、詳しく説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態1におけるプラズマトーチの構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。
また、図1(b)及び(c)は、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に平行で、かつ、基材に垂直な面で切った断面図である。図1(b)は図1(a)の破線A〜A‘で切った断面図、図1(c)は図1(a)の破線B〜B‘で切った断面図である。
また、図1(a)は図1(b)の破線で切った断面図である。また、図2は、図1に示した誘導結合型プラズマトーチユニットの組立構成図であり、各部品(一部)の斜視図を並べたものである。
図1及び図2において、基材載置台1上に基材2が載置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、コイルをなす導体棒としての銅棒3が、誘電体製の長尺チャンバを構成する石英ブロック4の内部に配置される。石英ブロック4の周囲に設けられた真鍮ブロック5及び真鍮蓋6で囲まれた部分に、石英ブロック4が収納されている。真鍮ブロック5及び真鍮蓋6は接地されるので、高周波の漏洩(ノイズ)が効果的に防止できるとともに、好ましくない異常放電などを効果的に防止できる。
長尺チャンバ内部の空間7は、石英ブロック4に設けられたスリットである。つまり、長尺チャンバが誘電体で囲まれている構成である。長尺チャンバ内部の空間7に発生したプラズマは、長尺チャンバにおけるスリット状の開口部としてのプラズマ噴出口8より基材2に向けて噴出する。また、長尺チャンバの長手方向とプラズマ噴出口8の長手方向とは平行に配置されている。
真鍮蓋6の上方に、プラズマガスマニホールド9が設けられる。プラズマガスマニホールドに供給されたガスは、石英ブロック4に設けられた穴からなるプラズマガス供給配管10を介して、石英ブロック4に設けられたガス導入口としてのプラズマガス供給穴11より長尺チャンバ内部の空間7に導入される。プラズマガス供給配管10は長手方向に複数設けられているので、長手方向に均一なガス流れを簡単に形成できる。
銅棒3は4本設けられており、これらは端部で電気的に接続され、全体としてコイルを構成するよう構成されている。各々の銅棒3は、長尺チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体である石英に囲まれた長尺の穴である銅棒挿入穴12内に設けられている。
また、基材載置台1に近い部分に、シールドガスノズル13が配置され、その内部にはシールドガスマニホールド14が設けられる。このように、2系統のガス導入が準備されており、プラズマ生成に適したプラズマガスとは別にシールドガスを供給して、大気中の酸素、二酸化炭素など、処理に不要、あるいは悪影響を及ぼすガスのプラズマ照射面への混入を低減することが可能となる。
石英ブロック4及び真鍮ブロック5には、これらを貫通する冷却水配管15が設けられている。銅棒挿入穴12と冷却水配管15は互いに平行に配置された水路(冷媒流路)であり、真鍮ブロック16の外側に設けられた樹脂ケース17と真鍮ブロック16との間の空間がなす冷媒マニホールドとしての冷却水マニホールド18に連通している。樹脂ケース17には、図示しない冷媒導入口・冷媒排出口としての冷却水出入口が各1箇所ずつ設けられ、誘導結合型プラズマトーチユニットTへの水冷配管の引き回しが非常に簡潔なものとなっており、小型のトーチを構成しうる。すなわち、長尺チャンバの長手方向の両側に2つの冷却水マニホールド18を備え、各部材に2つの冷却水マニホールド18を連通する冷媒流路を備えた構成である。
銅棒3は冷却水マニホールド18内でカプラ19により電気的に接続され、4本の銅棒3全体として螺旋形で巻き数2のソレノイドコイルを形成する。銅棒3のうち2本は、真鍮ブロック16を貫通し、樹脂ケース17に設けられた高周波導入端子穴または接地端子穴を介して銅板20に接続され、銅板20を通じて図示しない高周波整合回路に接続される。
このように、本実施の形態においては、石英ブロック4を貫通する、断面が円形の銅棒挿入穴12及び冷却水配管15が設けられているので、大量の冷媒を流すことができる。
なお、プラズマガスマニホールド9へのガス導入は、その上流にマスフローコントローラなどの流量制御装置を備えたプラズマガス供給配管21を介して実現される。
長方形のスリット状のプラズマ噴出口8が設けられ、基材載置台1(或いは、基材載置台1上の基材2)は、プラズマ噴出口8と対向して配置されている。この状態で、長尺チャンバ内にガスを供給しつつ、プラズマ噴出口8から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源よりコイルをなす銅棒3に高周波電力を供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口8からプラズマを基材2に照射することにより、基材2上の薄膜22を加熱することができる。
プラズマ噴出口8の長手方向に対して垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動させることで、基材2を処理する。つまり、図1(a)の左右方向へ、図1(b),(c)の紙面に垂直な方向へ、誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台1を動かす。
複数の銅棒3は平行に配置され、4本の銅棒3全体として螺旋形で巻き数2のソレノイドコイルを形成する。すなわち、複数の導体棒のうち、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒に逆位相の高周波電流が流れるよう構成されている。この場合、誘導結合型プラズマトーチユニットTの長尺方向に垂直な面で切った断面において、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒の中心を結ぶ線分の中点付近の誘導電磁界が強くなり、効率的なプラズマ発生を実現しうる。
これに対して、4本の銅棒3の全てを冷却水マニホールド18内で束ね、長手方向の片側に高周波電力を供給し、他の片側を接地することにより、4本の銅棒3全てに同位相の高周波電流を流すこともできる。すなわち、複数の導体棒のうち、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒に同位相の高周波電流が流れるよう構成することも可能である。この場合、誘導結合型プラズマトーチユニットTの長尺方向に垂直な面で切った断面において、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒の中心を結ぶ線分の中点付近の誘導電磁界はほぼゼロになるが、長尺チャンバの上下端付近に強い誘導電磁界が発生するので、効率的なプラズマ発生を実現しうる。
また、この場合、4本の銅棒に高周波電流が分岐するので、1本当たりの電流が小さくなる。言い換えると、同じ太さの銅棒を使用した場合、コイル全体の直流抵抗及びインダクタンスが小さくなる。したがって、コイルにおける銅損が小さくなり、電力効率が高まる。
長尺チャンバを挟んで同じ側に配置された2本の導体棒を冷却水マニホールド18内で束ねることで、巻き数1のコイルを2段に並列配置することも可能である。この場合も、複数の導体棒のうち、長尺チャンバを挟んで対向する導体棒に逆位相の高周波電流が流れるが、2系統の銅棒に高周波電流が分岐するので、1本当たりの電流が小さくなる。言い換えると、同じ太さの銅棒を使用した場合、コイル全体の直流抵抗及びインダクタンスが小さくなる。したがって、コイルにおける銅損が小さくなり、電力効率が高まる。
このような配線構成上の工夫によって銅損を低減する方法は、処理したい基材2の幅が大きい場合、すなわち、誘導結合型プラズマトーチユニットTが長尺方向に長くなる場合にとくに有効である。
また、本構成では、長尺チャンバを含む長尺方向に垂直な面で切った任意の断面において、銅棒3と銅棒3以外の導体(真鍮ブロック5及び真鍮蓋6)との距離が、銅棒3と長尺チャンバの距離よりも大きくなっている。なお、ここでは、銅棒3と長尺チャンバの距離とは、銅棒3と長尺チャンバ内部の空間7(が構成する直方体)との距離を意味する。一般に、高周波電流源が形成する誘導電磁界は、高周波電流源からの距離の二乗に反比例するので、銅棒3と銅棒3以外の導体との距離が銅棒3と長尺チャンバの距離よりも近いと、プラズマ生成に有効な電磁界よりも銅棒3以外の導体内に渦電流を誘導する電磁界の方が大きくなり、銅損(渦電流損)が大きくなってしまう。
これを避けるために、銅棒3と銅棒3以外の導体との距離が、銅棒3と長尺チャンバの距離よりも大きくなるように構成している。このような構成においては、銅棒3とプラズマ噴出口8の間にある程度の距離を保つ必要があるので、最もプラズマ噴出口8に近い銅棒3よりもプラズマ噴出口8に近い部位に、石英ブロック4を冷却するための冷却水配管15を配している。同様に、最も真鍮蓋6に近い銅棒3よりも真鍮蓋6に近い部位にも、石英ブロック4を冷却するための冷却水配管15を配している。
また、真鍮ブロック5及び真鍮蓋6には、銅棒3からの距離を保ったとしても、銅損(渦電流損)が生じるので、これによる問題を防ぐために冷却水配管15を銅棒3に近い部位に設けている。
長尺チャンバ内に供給するガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となる(10,000K以上)。真鍮ブロック5のプラズマ噴出口8の下流にあたる部分は、基材2に向かって徐々に広くなる空間を形成している。
このような構成により、真鍮ブロック5へのプラズマの接触によるプラズマ密度の低下を抑制できると同時に、プラズマと接触する部位に近い位置に冷却水配管15を設けることができる。
なお、本構成においては、プラズマ噴出口8の長手方向の長さが、基材2の幅以上となっているので、一度の走査(誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材載置台1とを相対的に移動すること)で基材2の表面近傍の全体を処理することができる。
このようなプラズマ処理装置において、長尺チャンバ内にガス噴出口よりArまたはAr+H2ガスを供給しつつ、プラズマ噴出口8から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、コイルをなす銅棒3に供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7に高周波電磁界を発生させてプラズマを発生させ、プラズマ噴出口8からプラズマを基材2に照射するとともに走査することで、熱処理を行うことができる。
このように、プラズマ噴出口8の長手方向と、基材載置台1とが平行に配置されたまま、プラズマ噴出口8の長手方向とは垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動するので、生成すべきプラズマの長さと、基材2の処理長さがほぼ等しくなるように構成することが可能となる。また、長尺チャンバをその中心軸に垂直な面で切った断面の幅(図1(a)における、長尺チャンバ内部の空間7の幅)は、プラズマ噴出口8の幅(図1(a)における隙間の幅)と同じか、少し大きく程度でよい。つまり、生成すべきプラズマの体積を、従来と比較して極めて小さくすることができる。その結果、電力効率が飛躍的に高まる。
また、長尺チャンバ内部の空間7においては、長尺方向に比較的均一なプラズマが生成できるので、基材を均一に処理することができる。
図3は、以上詳しく説明した誘導結合型プラズマトーチユニットTを搭載したファイアスルー炉の構成を示す断面図である。図3において、搬送手段・基材載置台としてのベルト(基材載置台1としての一例)上に基材2(太陽電池基板)を配置する。ベルトの基材を載置する部分は、炉内部の処理空間を炉長方向に貫通している。ベルトには、例えば、ステンレス等の耐熱性の合金等によって構成されたエンドレスベルト等が用いられ、ローラー22が回転することによりエンドレスに循環し、ベルト上に積載された基材2を搬送方向(炉長方向) に移動させる。
基材2を加熱するためのヒータは、上部ヒータ23、下部ヒータ24、補助ヒータ25から成り、炉体壁26内に収納される。炉体26は、内部仕切り27によって加熱ゾーン28及び冷却ゾーン29に分割される。ベルトは加熱ゾーン28及び冷却ゾーン29の双方を炉長方向に貫通している。冷却ゾーン29内には、上部冷却板30及び下部冷却板31が配置される。処理空間たる加熱ゾーン28及び冷却ゾーン29は、雰囲気を外気と遮断されるとともに、断熱性・安全性のために炉体壁26に内蔵された断熱材で囲われる。
ヒータ23〜25は、赤外線を放射するヒータであり、抵抗加熱源またはランプヒータを用いることができる。ベルトを挟んで上部ヒータ23と下部ヒータ24が配置され、炉に投入された基材2の温度を、常温から徐々に上昇させられるよう、温度設定値は図の右側に進むに連れて高くなるように設定される。ベルトとしてメッシュベルトを用いた場合、下部ヒータ24から放射された熱は、メッシュベルトを通して、基材2をベルトに載置した面に到達するから、基材2を上面側と下面側の両面から加熱することができる。勿論、上部ヒータ23または下部ヒータ24のどちらか一方だけであってもかまわない。
基材2が誘導結合型プラズマトーチユニットTの近くにまで搬送されると、上から誘導結合型プラズマトーチユニットTによる加熱を受ける。誘導結合型プラズマトーチユニットTの上に上部ヒータを配置してもそのエネルギーが誘導結合型プラズマトーチユニットTに遮られてしまうので、誘導結合型プラズマトーチユニットTの近傍には上部ヒータは配置されず、下から基材2を加熱するための補助ヒータ25を配置する。補助ヒータ25は、基材2が誘導結合型プラズマトーチユニットTの近くにまで搬送された際に基材2の温度が急激に低下しないよう、下部ヒータ24より面積あたりで多くのエネルギーを放射するよう構成される。
加熱を終えた基材2は冷却ゾーン29に入り、上部冷却板30及び下部冷却板31への輻射及び熱伝達により冷却される。冷却板30〜31は、内部に冷媒流路を有しており、例えば冷却水を流すことによって低温(例えば、常温)に保たれている。冷却板30〜31の温度が低いほど、高速に基材2を冷却することができる。
図4は、上述したファイアスルー炉で基材2を熱処理したときの導電性ペースト乾燥膜の温度プロファイルである。乾燥膜は数十秒(好ましくは、30〜100s)かけて約500℃に加熱された後、誘導結合型プラズマトーチユニットTにより加熱されてごく短い時間だけ800℃以上の高温に加熱される。500℃に加熱されるまでの間、導電性ペースト内の有機ビヒクルや、乾燥時に残留していた溶剤が蒸発するが、この作用を一般に脱バイと呼ぶ。脱バイ後、シリコン窒化膜を溶融・貫通してn型拡散層と電気的な接触を取るために、乾燥膜は誘導結合型プラズマトーチユニットTにより加熱されるが、このとき乾燥膜の温度が700℃を超える時間の長さτは、0.1s以下、より好ましくは0.01s以下になるように搬送速度などの運転パラメータを設定する。
このように、ごく短時間の高温加熱を行うことにより、浅い食い込みでファイアスルーを行うことができる。これは、0.1s、あるいは0.01s以下のごく短時間での加熱では、基板の表裏方向の熱拡散長が基板の厚さよりも小さくなり、基板の温度が上昇しきる前に乾燥膜の焼成が終了するためである。つまり、p型基板を700℃以下の低温に保ったまま、乾燥膜を800℃以上に加熱することにより、p型基板への銀の拡散がほとんど起きなくなり、太陽電池の効率を高めることができる。
誘導結合型プラズマトーチユニットTによる加熱時間をτp(s)、プラズマ噴出口の、長尺チャンバの長さ方向に垂直な方向の幅をW(mm)、誘導結合型プラズマトーチユニットTの直下を通過するときの基材2の搬送速度をv(mm/s)とすると、
Figure 2012248560
であるから、τを0.01s以下にするにはτp<0.01sとなるように装置パラメータを設定しておけば安心である。例えば、W=1mm、v=100mm/sとすれば、τp=0.01sとなる。この場合、基板が加熱ゾーン28に入った後50sで誘導結合型プラズマトーチユニットTの直下に搬送されるようにファイアスルー炉を構成するには、加熱ゾーン28の長さは100mm/s×50s=5000mmとする必要がある。
Wの範囲としては、0.5〜5mmが好ましい。0.5mmよりも小さいと、プラズマの利用効率が低下する。5mmよりも大きいと、ごく短時間の加熱を行うために、より高速に基板2を搬送しなければならなくなり、搬送機構の耐久性・剛性などに対する要求が厳しくなる。
vの範囲としては、1500mm/sよりも小さくすることが好ましい。これよりも速い搬送機構では、耐久性・剛性などに対する要求が厳しくなる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図5を参照して説明する。
図5は本発明の実施の形態2における誘導結合型プラズマトーチユニットTを搭載したファイアスルー炉の構成を示す平面図である。
本発明の実施の形態1において説明したように、誘導結合型プラズマトーチユニットTでの加熱時間は非常に短いので、加熱ゾーンとトーチユニット直下を連続的に搬送する構成のファイアスルー炉では、加熱ゾーンの長さが相当長くなってしまう。そこで、加熱ゾーンを複数列に分けて基材2を処理するよう構成したのが、図5である。つまり、基材2は、ベルトにより搬送されながら、4列が平行に加熱ゾーン内を低速で通過する。
そして、1枚ずつスライダステージ32に移載された後、スライダレール33上をスライダステージ32が高速で移動し、トーチユニットが配置された位置34を通過して、停止位置35まで搬送される。このように、加熱ゾーンを複数列に分割して、誘導結合型プラズマトーチユニットTによる処理とのタクトバランスを適切なものにすることができ、また、ファイアスルー炉全体を小さくすることができる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、図6を参照して説明する。
図6は本発明の実施の形態3における誘導結合型プラズマトーチユニットTを搭載したファイアスルー炉の構成を示す断面図である。
実施の形態1及び2においては、基板の表面に導電性ペースト乾燥膜を形成し、これを焼成して電極を形成するファイアスルー工程について述べたが、基板の裏面にBSF層を形成する工程にも、プラズマトーチによる加熱を用いることができる。例えば、基板の表面には、実施の形態1で述べたのと同様の手順で、シリコン窒化膜上に導電性ペースト乾燥膜を形成する。そして、基板の裏面の所望の位置に、アルミニウムペーストおよび裏面用銀ペーストをそれぞれスクリーン印刷し、乾燥させる。次いで、図6に示すファイアスルー炉にて基板を焼成する。
図6においては、図3の補助ヒータ25の代わりに誘導結合型プラズマトーチユニットTが配置されている。それ以外については図3と同様であるから、ここでは説明を省略する。基材2が誘導結合型プラズマトーチユニットTの近くにまで搬送されると、上下から誘導結合型プラズマトーチユニットTによる加熱を受ける。誘導結合型プラズマトーチユニットTの基材2とは反対側の位置にヒータを配置してもそのエネルギーが誘導結合型プラズマトーチユニットTに遮られてしまうので、誘導結合型プラズマトーチユニットTの近傍にはヒータは配置されない。
このような方法によれば、表面と裏面とを別の温度プロファイルにて焼成処理できるため、種々のペーストを用いることができ、より太陽電池に適した組成の電極を構成できる。裏面においてはシリコン窒化膜を溶融・貫通する必要がない一方、焼成すべきペーストの体積が大きいので、表面よりもτを大きく、かつ、最高温度を低く設定することが好ましい。vは表裏で同一であるから、Wを裏面側で大きくし、トーチに投入する電力を裏面側で小さくするか、または、トーチと基板の距離を裏面側で大きくすることにより、これを実現することが可能である。
このようにして、表面電極を浅い食い込みで形成しつつ、裏面にBSF層を形成する。裏面においては、焼成中にアルミニウムペーストから不純物としてのアルミニウムが基板中に拡散し、アルミニウムの高濃度不純物を含んだp+層が形成される。また、焼成後、アルミニウムペーストは裏面アルミニウム電極となり、裏面用銀ペーストも同時に裏面銀電極となる。焼成時において、裏面アルミニウム電極と裏面銀電極の境界は合金状態となり電気的に接続される。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について、図7〜図8を参照して説明する。
図7(a)は、本発明の実施の形態4におけるプラズマトーチユニットの構成を示すもので、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図である。図7(b)は、誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に平行で、かつ、基材に垂直な面で切った断面図である。
図7(b)は図7(a)の破線で切った断面図、図7(a)は図7(b)の破線で切った断面図である。また、図8は、図7に示した誘導結合型プラズマトーチユニットの組立構成図であり、各部品(一部)の斜視図を並べたものである。
図7及び図8において、基材載置台1上に基材2が載置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、銅製で長尺のソレノイドコイル43が、誘電体製の長尺チャンバの内側に配置される。すなわち、誘電体ブロックとしての石英ブロック44内に円筒型の誘電体管としての石英管52が挿入され、石英管52内に長尺の穴が設けられており、この長尺の穴内にソレノイドコイル43が設けられる。長尺チャンバの外壁を与える誘電体製の石英ブロック44は、真鍮ブロック5及び真鍮蓋6で囲まれた部分に収納される。真鍮ブロック5及び真鍮蓋6は接地されるので、高周波の漏洩(ノイズ)が効果的に防止できるとともに、好ましくない異常放電などを効果的に防止できる。
長尺チャンバ内部の空間7は、石英ブロック44に設けられたスリット、及び、石英ブロック44とソレノイドコイル43が挿入されている石英管52との間の空間である。つまり、長尺チャンバが誘電体で囲まれている構成である。長尺チャンバ内部の空間7に発生したプラズマは、長尺チャンバにおけるスリット状の開口部としてのプラズマ噴出口8より基材2に向けて噴出する。また、長尺チャンバの長手方向とプラズマ噴出口8の長手方向とは平行に配置されている。
真鍮蓋6の上方に、プラズマガスマニホールド9が設けられる。プラズマガスマニホールドに供給されたガスは、石英ブロック44に設けられた穴からなるプラズマガス供給配管10を介して、石英ブロック44に設けられたガス導入口としてのプラズマガス供給穴11より長尺チャンバ内部の空間7に導入される。プラズマガス供給配管10は長手方向に複数設けられているので、長手方向に均一なガス流れを簡単に形成できる。
ソレノイドコイル43は長尺チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体である石英に囲まれた長尺の穴である石英管52内に設けられている。
また、基材載置台1に近い部分に、シールドガスノズル13が配置され、その内部にはシールドガスマニホールド14が設けられる。このように、2系統のガス導入が準備されており、プラズマ生成に適したプラズマガスとは別にシールドガスを供給して、大気中の酸素、二酸化炭素など、処理に不要、あるいは悪影響を及ぼすガスのプラズマ照射面への混入を低減することが可能となる。
石英ブロック44及び真鍮ブロック5には、これらを貫通する冷却水配管15が設けられている。石英管52と冷却水配管15は互いに平行に配置された水路(冷媒流路)であり、真鍮ブロック16の外側に設けられた樹脂ケース17と真鍮ブロック16との間の空間がなす冷媒マニホールドとしての冷却水マニホールド18に連通している。樹脂ケース17には、図示しない冷媒導入口・冷媒排出口としての冷却水出入口が各1箇所ずつ設けられ、誘導結合型プラズマトーチユニットTへの水冷配管の引き回しが非常に簡潔なものとなっており、小型のトーチを構成しうる。
すなわち、長尺チャンバの長手方向の両側に2つの冷媒マニホールド18を備え、各部材に2つの冷媒マニホールド18を連通する冷媒流路を備えた構成である。
ソレノイドコイル43の両端は、真鍮ブロック16を貫通し、樹脂ケース17に設けられた高周波導入端子穴または接地端子穴を介して銅ブロック59に接続され、図示しない銅板を通じて図示しない高周波整合回路に接続される。
このように、本実施の形態においては、石英ブロック44を貫通する、断面が円形の石英管52及び冷却水配管15が設けられているので、大量の冷媒を流すことができる。
なお、プラズマガスマニホールド9へのガス導入は、その上流にマスフローコントローラなどの流量制御装置を備えたプラズマガス供給配管21を介して実現される。
長方形のスリット状のプラズマ噴出口8が設けられ、基材載置台1(或いは、基材載置台1上の基材2)は、プラズマ噴出口8と対向して配置されている。この状態で、長尺チャンバ内にガスを供給しつつ、プラズマ噴出口8から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源よりソレノイドコイル43に高周波電力を供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7にプラズマを発生させ、プラズマ噴出口8からプラズマを基材2に照射することにより、基材2をプラズマ処理(加熱)することができる。プラズマ噴出口8の長手方向に対して垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動させることで、基材2を処理する。つまり、図7(a)の左右方向へ、図7(b)の紙面に垂直な方向へ、誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台1を動かす。
本構成では、長尺チャンバを含む長尺方向に垂直な面で切った任意の断面において、ソレノイドコイル43とソレノイドコイル43以外の導体(真鍮ブロック5及び真鍮蓋6)との距離が、銅棒3と長尺チャンバの距離よりも大きくなっている。なお、ここでは、ソレノイドコイル43と長尺チャンバの距離とは、ソレノイドコイル43と長尺チャンバ内部の空間7(が構成する直方体)との距離を意味する。
一般に、高周波電流源が形成する誘導電磁界は、高周波電流源からの距離の二乗に反比例するので、ソレノイドコイル43とソレノイドコイル43以外の導体との距離がソレノイドコイル43と長尺チャンバの距離よりも近いと、プラズマ生成に有効な電磁界よりもソレノイドコイル43以外の導体内に渦電流を誘導する電磁界の方が大きくなり、銅損(渦電流損)が大きくなってしまう。
これを避けるために、ソレノイドコイル43とソレノイドコイル43以外の導体との距離が、ソレノイドコイル43と長尺チャンバの距離よりも大きくなるように構成している。このような構成においては、ソレノイドコイル43とプラズマ噴出口8の間にある程度の距離を保つ必要があるので、ソレノイドコイル43よりもプラズマ噴出口8に近い部位に、石英ブロック44を冷却するための冷却水配管15を配している。同様に、ソレノイドコイル43よりも真鍮蓋6に近い部位にも、石英ブロック44を冷却するための冷却水配管15を配している。
また、真鍮ブロック5及び真鍮蓋6には、ソレノイドコイル43からの距離を保ったとしても、銅損(渦電流損)が生じるので、これによる問題を防ぐために冷却水配管15をソレノイドコイル43に近い部位に設けている。
長尺チャンバ内に供給するガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となる(10,000K以上)。真鍮ブロック5のプラズマ噴出口8の下流にあたる部分は、基材2に向かって徐々に広くなる空間を形成している。このような構成により、真鍮ブロック5へのプラズマの接触によるプラズマ密度の低下を抑制できると同時に、プラズマと接触する部位に近い位置に冷却水配管15を設けることができる。
なお、本構成においては、プラズマ噴射口8の長手方向の長さが、基材2の幅以上となっているので、一度の走査(誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材載置台1とを相対的に移動すること)で基材2の表面近傍全体を処理することができる。
このようなプラズマ処理装置において、長尺チャンバ内にガス噴出口よりArまたはAr+H2ガスを供給しつつ、プラズマ噴出口8から基材2に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、ソレノイドコイル43に供給することにより、長尺チャンバ内部の空間7に高周波電磁界を発生させてプラズマを発生させ、プラズマ噴出口8からプラズマを基材2に照射するとともに走査することで、熱処理を行うことができる。
このように、プラズマ噴出口8の長手方向と、基材載置台1とが平行に配置されたまま、プラズマ噴出口8の長手方向とは垂直な向きに、長尺チャンバと基材載置台1とを相対的に移動するので、生成すべきプラズマの長さと、基材2の処理長さがほぼ等しくなるように構成することが可能となる。また、長尺チャンバをその中心軸に垂直な面で切った断面の幅(図7(a)における、チャンバ内部空間7の幅)は、プラズマ噴出口8の幅(図7(a)における隙間の幅)と同じか、少し大きい程度でよい。つまり、生成すべきプラズマの体積を、従来と比較して極めて小さくすることができる。その結果、電力効率が飛躍的に高まる。
また、長尺チャンバの内部空間7においては、長尺方向に比較的均一なプラズマが生成できるので、基材を均一に処理することができる。
このようなトーチユニットを、図3に示すようなファイアスルー炉に搭載することで、ごく短時間の高温加熱を行うことにより、浅い食い込みでファイアスルーを行うことができる。
以上述べた太陽電池の製造方法は、本発明の適用範囲のうちの典型例を例示したに過ぎない。
例えば、基板の裏面側にパターニングを施し、p型・n型の両方の電極を裏面側に形成する所謂バックコンタクト方式の太陽電池に適用することも可能である。
あるいは、誘導結合型プラズマトーチユニットTを、固定された基材載置台1に対して走査してもよい。
また、プラズマガス供給配管10が接地された導体に囲まれる構成としてもよい。プラズマガス供給配管10が誘電体製である場合は、配管内部に高周波電磁界が照射され、配管内部で望ましくない放電を生じることがある。プラズマガス供給配管10が接地された導体に囲まれる構成とすることにより、このような望ましくない放電を効果的に抑制できる。
また、プラズマの着火を容易にするために、着火源を用いることも可能である。着火源としては、ガス給湯器などに用いられる点火用スパーク装置などを利用できる。
また、乾燥膜を焼成して電極を形成するステップが、プラズマ照射である場合を例示したが、レーザー照射、フラッシュランプ光照射によるものであってもよい。このように、ごく短時間(0.1s以下)の加熱処理を可能とする方法を適宜用いることができる。
以上のように本発明は、接合深さが浅く、かつ、高ドーズの拡散層を形成するとともに、浅い食い込みでファイアスルーを行うことで、高効率の太陽電池を製造する方法を提供する上で有用な発明である。
1 基材載置台
2 基材
T 誘導結合型プラズマトーチユニット
3 銅棒
4 石英ブロック
5 真鍮ブロック
6 真鍮蓋
7 長尺チャンバ内部の空間
8 プラズマ噴出口
9 プラズマガスマニホールド
10,21 プラズマガス供給配管
11 プラズマガス供給穴
12 銅棒挿入穴
13 シールドガスノズル
14 シールドガスマニホールド
15 冷却水配管
16 真鍮ブロック
17 樹脂ケース
18 冷却水マニホールド
19 カプラ
20 銅板

Claims (8)

  1. 半導体基板にpn接合を形成するステップと、前記半導体基板の表面に絶縁膜を形成するステップと、前記絶縁膜上に導電性金属ペーストを塗布して導電性ペースト塗布膜を形成するステップと、前記導電性ペースト塗布膜を乾燥して導電性ペースト乾燥膜を形成するステップと、前記導電性ペースト乾燥膜を焼成して電極を形成するステップとを含む太陽電池の製造方法であって、
    前記導電性ペースト乾燥膜を焼成して電極を形成するステップが、プラズマ照射、レーザー照射、または、フラッシュランプ光照射によるものであること、
    を特徴とする太陽電池の製造方法。
  2. 前記半導体基板が多結晶シリコン基板である、請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  3. 前記pn接合を形成するステップが、不純物を含むプラズマを照射するプラズマドーピング法によるものである、請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  4. 前記絶縁膜がシリコン窒化膜である、請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  5. 前記導電性ペーストが、銀粉末またはアルミニウム粉末、有機ビヒクル、ガラス粉末を含有するものである、請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  6. 前記導電性ペースト乾燥膜を焼成して電極を形成するステップが、プラズマ照射によるものであり、前記プラズマが、長尺の誘導結合方式プラズマトーチである、請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  7. 前記半導体基板の、前記導電性ペースト乾燥膜を形成した面とは逆の面に第2の導電性ペースト乾燥膜を形成し、前記導電性ペースト乾燥膜と前記第2の導電性ペースト乾燥膜を同時に、プラズマ照射、レーザー照射、または、フラッシュランプ光照射により焼成する、請求項1記載の太陽電池の製造方法。
  8. 前記誘導結合方式プラズマトーチが、誘電体で囲まれた長尺チャンバと、前記長尺チャンバに平行に設けられ、かつ、誘電体で囲まれた長尺の穴と、前記長尺の穴内に設けられた導体棒またはソレノイドコイルと、前記導体棒またはソレノイドコイルに接続された高周波電源と、前記長尺チャンバに長尺のプラズマ噴出口を備えたトーチである、請求項6記載の太陽電池の製造方法。
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DE102013107693B4 (de) * 2013-07-18 2021-05-06 Pictiva Displays International Limited Verfahren zum Ausbilden einer Leiterbahnstruktur auf einer Elektrodenfläche eines elektronischen Bauelementes

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