JP2006245100A - 焼成炉及びこれを用いた被処理体の焼成方法並びに太陽電池素子の製造方法 - Google Patents

焼成炉及びこれを用いた被処理体の焼成方法並びに太陽電池素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼成炉内部における温度のばらつきがあったとしても、焼成炉の温度条件を変えることなく、焼成時に被処理体が受ける影響を低減させることができる焼成炉を提供し、この焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】内側に処理空間8を有する炉体と、被処理体5を積載して、処理空間8内を所定方向に移動させる搬送手段1と、処理空間8内に配置され、被処理体5を加熱するヒーター2と、を備えた焼成炉であって、搬送手段1は、所定方向に対して列をなして分割された複数の分割搬送手段(1a〜1d)を備え、複数の分割搬送手段(1a〜1d)は、それぞれの移動速度を独立に可変として成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、被処理体が焼成炉内の温度のばらつきの影響を受けにくくした焼成炉、及びこの焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法に関する。
一般的な太陽電池素子は、半導性を有する単結晶シリコンや多結晶シリコン等の半導体基板にpn接合が形成され、光が照射されたときに電力を取り出せるように、例えば銀やアルミニウム等を主成分とする電極が、半導体基板の表面や裏面に形成されている。
このような太陽電池素子の電極は、例えば特許文献1に記載されているように、アルミニウム等を主成分とするペーストを半導体基板の非受光面側の一部を除いた大部分に塗布して乾燥したあと、このアルミニウム等を主成分とするペーストを塗布していない部分とその周辺部を覆うように銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥したあと、最後に半導体基板の受光面側に銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥させ、同時に焼成する同時焼成法が用いられることが多い。
このような電極の焼成には連続式の焼成炉が用いられるのが一般的である。連続式の焼成炉を用いることにより、電極を形成するペーストを塗布した半導体基板を大量に処理することができ、極めて生産性が高いという特徴がある。
このような連続式の焼成炉の一例として、ベルト式連続焼成炉がある。これは、焼成炉の加熱部を貫通させた、耐熱性の金属メッシュ等から成るエンドレスベルト等の搬送手段上に被処理体を積載してエンドレスベルトを回転させることで、焼成炉の加熱部を通過させ焼成を行うものである。なお、焼成炉の断熱性を高めるため、焼成炉内の空間は断熱材により囲まれており、被処理体が積載されるエンドレスベルトを中心として上下にヒーターが設けられている。
特開平10−335267号公報
焼成炉内ではヒーターで発生した熱が被処理体に直接達する以外に、焼成炉内部の側壁からの輻射熱もあり、焼成炉内の端部と中央部で温度のばらつきが大きくなるという問題がある。この焼成炉内の焼成温度の違いにより、被処理体は焼成炉の端部と中央部のどちらか一方、もしくは両方において最適な焼成温度で焼成されない可能性があり、過剰加熱もしくは加熱不足となり、太陽電池素子の電気特性や、半導体基板との表裏両面の電極の接着強度に大きく影響し、太陽電池素子の品質を著しく低下させる要因となる。
この焼成温度のばらつきの問題を解決するため、焼成炉内の中央部のみ、もしくは端部のみに被処理体を供給して処理する方法もあるが、このような方法では焼成炉の一部を使用しないことになり焼成炉の処理能力を大きく低下させる要因となる。
また、焼成炉内の保持時間が異なる被処理体を焼成する必要が生じることがあるが、このような場合、その被処理体を焼成するたびに焼成炉全体の設定を変更する必要があり、その変更した設定の温度条件でしか焼成できなくなり、焼成炉の処理能力を大きく低下させる。特に少量の被処理体を焼成する場合等であっても焼成炉全体の設定を変更する必要があり、焼成炉の処理能力を大きく低下させる要因となる。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、焼成炉内部における温度のばらつきがあったとしても、焼成炉の温度条件を変えることなく、焼成時に被処理体が受ける影響を低減させることができる焼成炉を提供し、この焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る焼成炉は、内側に処理空間を有する炉体と、被処理体を積載して前記処理空間内を所定方向に移動させる搬送手段と、前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱するヒーターと、を備えた焼成炉であって、前記搬送手段は、前記所定方向に対して列をなして分割された複数の分割搬送手段を備え、前記複数の分割搬送手段は、それぞれの移動速度を独立に可変として成る。
本発明の請求項2に係る焼成炉は、請求項1に記載の焼成炉において、前記搬送手段は、エンドレスに搬送される耐熱性のメッシュベルトであり、前記ヒーターは、前記搬送手段の上下に配置されて成る。
本発明の請求項3に係る焼成炉は、請求項1又は請求項2に記載の焼成炉において、前記ヒーターは、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーターとした。
本発明の請求項4に係る被処理体の焼成方法は、本発明の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成する被処理体の焼成方法であって、前記被処理体は、前記複数の分割搬送手段に対応して前記所定方向に列をなして積載されるとともに、前記被処理体の各列は、前記処理空間内を通過する際に前記ヒーターから受ける熱量のばらつきが少なくなるように、前記複数の分割搬送手段の移動速度を独立に調節するようにした。
本発明の請求項5に係る太陽電池素子の製造方法は、金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、本発明の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成して前記焼成電極を形成する。
なお、本明細書において、中赤外線若しくは近赤外線とは、波長が0.7μm〜3μmの赤外線を指すものとする。なお、一般的には、中赤外線は、1.5〜3μm、近赤外線は波長が0.7〜1.5μmのように区分される場合があるが、ここでは厳密には区別しない。
以上のように本発明の焼成炉は、内側に処理空間を有する炉体と、被処理体を積載して前記処理空間内を所定方向に移動させる搬送手段と、前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱するヒーターと、を備えた焼成炉であって、前記搬送手段は、前記所定方向に対して列をなして分割された複数の分割搬送手段を備え、前記複数の分割搬送手段は、それぞれの移動速度を独立に可変として成る。したがって、複数の分割搬送手段に積載した被処理体について、焼成炉内における移動速度、即ち保持時間を分割搬送手段毎に調整して、焼成炉の温度条件を変えることなく、炉内の温度ばらつきの影響を吸収させることができる。また、焼成炉内の保持時間が異なる被処理体を焼成する必要が生じた場合、焼成炉の温度条件を変えることなく、分割搬送手段毎に被処理体の焼成条件に合わせて移動速度を調節することができる。
また、本発明の被処理体の焼成方法は、本発明の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成する被処理体の焼成方法であって、前記被処理体は、前記複数の分割搬送手段に対応して前記所定方向に列をなして積載されるとともに、前記被処理体の各列は、前記処理空間内を通過する際に前記ヒーターから受ける熱量のばらつきが少なくなるように、前記複数の分割搬送手段の移動速度を独立に調節するようにしたので、焼成炉の温度条件を変えることなく、炉内の温度ばらつきの影響を吸収させ、被処理体の各列におけるヒーターからの熱量のばらつきを合わせ込むことができ、被処理体を均一に焼成処理することができる。
本発明の太陽電池素子の製造方法は、金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、本発明の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成し、前記焼成電極を形成するようにした。このように、焼成炉内の温度ばらつきの影響を少なくすることができる本発明の被処理体の焼成方法によって太陽電池素子の焼成電極を形成するようにしたので、太陽電池素子の電気特性や、半導体基板と電極の接着強度等に影響を与えることがなく、高品質の太陽電池素子を製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような連続式の焼成炉の一例として、ベルト式連続焼成炉について説明する。
図1は本発明に係る焼成炉の実施形態の構造を説明する図である。図1(a)は焼成炉の炉長方向の断面を、図1(b)は焼成炉の炉幅方向の断面を、図1(c)は焼成炉の上部からの断面を示している。
図1において、1は搬送手段(ベルト)、2はヒーターであり2aは上部ヒーター、2bは下部ヒーター、3は断熱材、4は支持体、5は被処理体(太陽電池素子)、6はカバー、7は駆動用のローラー、8は処理空間である。また、1a、1b、1c、1dは本発明に係る分割搬送手段である。
被処理体5を処理する焼成炉は、外気との雰囲気を遮断するためにカバー6や、断熱性、安全性のために断熱材3によって構成された炉体を有している。この炉体の内側には被処理体5を処理するための処理空間8が存在している。
また、炉体内部の処理空間8を炉長方向に貫通した搬送手段1が設けられている。この搬送手段1は、例えば、ステンレス等の耐熱性の合金等によって構成されたエンドレスベルト等が用いられ、ローラー7が回転することによりエンドレスに循環し、搬送手段1上に積載された被処理体5を搬送方向(炉長方向)に移動させる。また搬送手段1としてベルトを用いる場合、回転中にたるまないように、支持体4によって支えるようにしてもよい。
なお、詳細については後述するが、本発明では、図1(b)、図1(c)に示すように、搬送手段1が、搬送方向に対して列をなして分割され、複数の分割搬送手段1a、1b、1c、1d(以下、1a〜1dと略す)となっているので、これらの分割搬送手段(1a〜1d)上に、被処理体5を複数列となるように並べて処理することによって、同時に多数の被処理体5を処理することができる。
処理空間8の内部には搬送手段1に積載した被処理体5を加熱処理するためのヒーター2が配置されている。このヒーター2は、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーター(中・近赤外線ヒーター)であり、例えば、ランプヒーターを用いることができる。
なお、図1に示す例では、搬送手段1を境にして上部ヒーター2aと下部ヒーター2bが配置されている。特に、搬送手段1としてエンドレスに搬送されるメッシュベルトを用いた場合、下部ヒーター2bから放射された熱は、メッシュベルトを通して、被処理体5をベルトに積載した面に到達するから、被処理体5を上面側と下面側の両面から処理することができる。ただし本発明は、これに制限されるものでなく、上部ヒーター2aや下部ヒーター2bのどちらか一方だけであってもかまわない。
なお、焼成炉で被処理体5を処理する場合、通常、被処理体5には塗布剤が塗布されている。例えば、太陽電池素子の場合、後述するように所定の金属粉末と、バインダー、有機溶媒等を含む金属ペーストが所定形状に塗布されている。このような塗布剤中に含まれるバインダー等の成分は、焼成処理中に焼成炉内で被処理体5から蒸発、あるいは燃焼してガス化する。このガスが焼成炉内に充満すると、焼成処理中に製品特性に悪影響を及ぼすため、焼成炉には排気ガスを外部に排出する排気装置(不図示)や炉内にエアーを供給する供給装置(不図示)が設けられている。
次に、本発明に係る搬送手段1について、図1(b)、図1(c)を用いてより詳細に説明する。
図1(b)、図1(c)に示すように、搬送手段1は、搬送手段1の搬送方向である焼成炉の炉長方向に対して、列をなして分割され、複数の分割搬送手段(1a〜1d)となっている。これらの分割搬送手段(1a〜1d)は、例えば焼成炉の炉幅方向に被処理体5が並べられる幅となるように設ければよい。さらに、これらの複数の分割搬送手段(1a〜1d)は、それぞれの移動速度を独立に可変としているが、これを実現するためには、分割搬送手段(1a〜1d)の各々を、独立した複数の駆動用のローラー7(7a〜7d)により駆動するようにすればよい。分割搬送手段(1a〜1d)にそれぞれ駆動用のローラー7を配備することで、それぞれの搬送速度を個別に設定して動作させることができる。
このような構成となっているので、複数の分割搬送手段(1a〜1d)に積載した被処理体5について、焼成炉内における移動速度、即ち保持時間を分割搬送手段(1a〜1d)毎に調整できる。そのため、焼成炉の温度条件を変えることなく、炉内の温度ばらつきの影響を吸収させることができる。
具体的には、焼成炉内の端部と中央部で温度のばらつきが生じている場合、焼成炉の端部と中央部のそれぞれにおける分割搬送手段(1a〜1d)の搬送速度を変更して、焼成炉内における被処理体の保持時間を焼成炉の端部と中央部において設定する。例えば、中央部の温度が低く、端部の温度が高い場合には、端部側の分割搬送手段1a、1dの搬送速度を早く、中央部側の分割搬送手段1b、1cの搬送速度を遅くなるように設定すればよい。このようにすれば、端部側の分割搬送手段1a、1dに積載された被処理体5の保持時間は短く、中央部側の分割搬送手段1b、1cに積載された被処理体5の保持時間が長くなる。このようにして、焼成炉内に温度ばらつきがあったとしても、それぞれの分割搬送手段(1a〜1d)に積載された被処理体5の保持時間を最適化できるので、被処理体5の焼成のばらつきを低減することができる。
また、本発明の分割搬送手段の構成によれば、焼成炉内の保持時間が異なる被処理体5を焼成する必要が生じた場合、焼成炉の温度条件を変えることなく、分割搬送手段(1a〜1d)毎に被処理体5の焼成条件に合わせて移動速度を調節することができる。
さらに、焼成炉を一旦止めて焼成炉全体の設定を変更することなく、それぞれの分割搬送手段(1a〜1d)の搬送速度の設定変更のみで、同一の焼成炉内で保持時間が異なる被処理体5を同時に処理することができ、焼成炉の処理能力低下を抑制することができる。
以上が、本発明に係る焼成炉の基本的な説明である。次に、さらに望ましい構成について説明する。
被処理体5を処理するためのヒーター2としては、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーター(中・近赤外線ヒーター)とすることが望ましい。中・近赤外線ヒーターは、急昇温特性等に優れているが、小サイズに分割されたヒーターを焼成炉内に配置するのは困難であり、焼成炉内での温度ばらつきが大きく、また焼成炉内の温度をコントロールしにくいという欠点を持つ。しかしながら、本発明に係る分割搬送手段(1a〜1d)により、中・近赤外線ヒーターを用いた場合に、焼成炉内の温度のばらつきがあっても、それぞれの分割搬送手段(1a〜1d)に積載された被処理体5の保持時間を最適化できるので、被処理体5の焼成のばらつきを低減することができる。したがって、急昇温特性に優れ、焼成のタクトタイムを低減できる、中・近赤外線ヒーターの持つ特徴を十分に発揮させることができるので、生産性を向上させることができる。
以上、本発明の焼成炉、並びにこれを用いた被処理体の焼成方法について説明した。次に、本発明の被処理体の焼成方法の最適な応用例の一つである、本発明の太陽電池素子の製造方法について結晶系シリコン太陽電池を例にとり簡単に説明する。
図3は太陽電池素子の断面である。9は半導体基板、10は拡散領域、11は反射防止膜、12は表面電極であり12aはバスバー電極、12bはフィンガー電極、13は裏面電極であり、13aは取出電極、13bは裏面電極の集電電極、14はBSF層である。
太陽電池素子として多く用いられる半導体基板9は単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなる。この半導体基板9はボロン(B)等の一導電型半導体不純物を1×1016atoms・cm−3程度含有し、比抵抗は1〜5Ω・cm程度である。単結晶半導体基板の場合は引上げ法等により形成され、多結晶半導体基板の場合は鋳造法等によって形成される。多結晶半導体基板は、大量生産が可能であり鋳造コスト面で単結晶半導体基板より有利であるので、ここでは多結晶半導体基板を用いた例について説明する。
例えば鋳造法によって形成された多結晶シリコンのインゴットを10cm×10cm又は15cm×15cm等、適当な大きさに切断して500μm以下、より好ましくは300μm以下の厚さにスライスして、半導体基板9とする。なお半導体基板9の切断面の機械的ダメージ層や汚染層を洗浄化するため、半導体基板の表面をNaOHやKOH、あるいはフッ酸やフッ硝酸等で極わずかエッチングすることが望ましい。
次に半導体基板9を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl)等不純物元素を含むガス中で熱処理をすることによって、半導体基板9の表面部にリン原子を1×1016〜1018atoms・cm−3程度拡散させ、厚み0.3〜0.5μm程度の拡散領域10を形成する。
そして半導体基板9の表面側に反射防止膜11を形成する。この反射防止膜11は、例えば窒化シリコン膜(SiN)等からなり、シラン(SiH)とアンモニア(NH)の混合ガスを用いてプラズマCVD法等で厚み500〜1000nm、屈折率1.90〜2.30程度に形成される。この反射防止膜11は半導体基板9の表面で光が反射するのを防止して、半導体基板9内に光を有効的に取り込むために設ける。
次に表面電極12と裏面電極13を形成する。図4は一般的な太陽電池素子を受光面側、非受光面側から見た図であり、図4(a)は受光面側、図4(b)は非受光面側を示す。
この表面電極12、裏面電極13は、いずれも金属を主成分とする焼成電極であり、これらの焼成電極は、銀ペーストやアルミニウムペースト等の金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板9を被処理体として、本発明の被処理体の焼成方法を用いて、焼成することによって得られる。具体的には次の通りである。
半導体基板9の受光面側に設けられる表面電極12は、バスバー電極12aとフィンガー電極12bから形成されている。バスバー電極12aは半導体基板9の全長にわたって1本あるいは複数本が平行に形成されており、フィンガー電極12bはバスバー電極12aと交差するように多数本が半導体基板9の全長にわたって形成されている。表面電極12は主に銀粉、バインダー、ガラスフリット等からなる銀ペーストをスクリーン印刷法等で半導体基板9の表面に塗布し形成される。
半導体基板9の非受光面側に設けられる裏面電極13は、主に銀粉、バインダー、ガラスフリット等からなる銀ペーストを取出電極13aの形成予定位置にスクリーン印刷法等で塗布し乾燥させたあと、主にアルミニウム粉、バインダー、ガラスフリット等からなるアルミニウムペーストを集電電極13bの形成予定位置にスクリーン印刷法等で塗布して形成する。裏面電極13を形成する順番は特に問わず、すなわち、アルミニウムペーストをスクリーン印刷して集電電極13bを形成してから、銀ペーストをスクリーン印刷して取出電極13aを形成してもよい。
上述のように両面に金属ペーストを所定形状で塗布した半導体基板9は、金属ペーストを乾燥させたあと、本発明の被処理体の焼成方法によって、600〜800℃で1〜30分程度焼き付けることによって、表面電極12と裏面電極13が形成される。また半導体基板9の非受光面側では裏面電極13の集電電極13bであるアルミニウムペーストを焼き付けたことでBSF層14が形成される。
裏面電極13としては上述した以外に銀ペーストのみを焼き付ける方法もあるが、アルミニウムペーストからなる集電電極13bを塗布して焼き付けることで形成されるBSF層14は半導体基板9の非受光面側に内部電界を形成し、半導体基板9の裏面近傍でキャリアの再結合による効率低下を防ぐ。つまり、半導体基板9の裏面近傍で発生したキャリアがこの電界によって加速される結果、電力を有効的に取出せることとなり、特に長波長での光感度が増大するため、アルミニウムペーストからなる集電電極13bを形成する方法が一般的である。
この電極形成において、焼成炉内の焼成温度のばらつきが太陽電池素子の電気特性や、半導体基板9との表面電極12及び/又は裏面電極13の接着強度に大きく影響する。また、中・近赤外線ヒーターを用いた場合、焼成炉内の温度のばらつきが大きく、またコントロールしにくいという欠点を持つ。
ここで電極を焼成する際に、本発明の被処理体の焼成方法を用いるには、例えば、図1に示すような本発明に係る焼成炉を用いて、上述した方法により所定形状に金属ペーストを塗布した半導体基板9を被処理体5として、本発明に係る焼成炉の分割搬送手段(1a〜1d)上に、搬送方向に対して積載すれば良い。このようにすれば、それぞれの分割搬送手段(1a〜1d)の搬送速度を上述したように焼成炉内の温度ばらつきに合わせて最適に調整することによって、積載された被処理体5の保持時間が最適化されるため、被処理体5を焼成のばらつきを低減することができ、上記問題を抑制することができる。
上述した本発明に係る太陽電池素子の製造方法によれば、半導体基板9に所定形状で設けられた金属ペーストが焼成されて焼成電極となるが、分割搬送手段(1a〜1d)の搬送速度を調整することによって焼成炉内の温度ばらつきの影響を少なくすることができる本発明の被処理体5の焼成方法によって、太陽電池素子の焼成電極を形成するようにしている。その結果、太陽電池素子の焼成電極の焼成状態が均一となり、太陽電池素子の電気特性や、半導体基板と電極の接着強度等に影響を与えることが少なく、半導体基板9との表裏両面の電極の接着強度のばらつきが小さく品質に優れたものとなる。
なお、半導体基板9の両面に金属ペーストが塗布されているので、焼成炉としては、搬送手段1の上下にヒーター2が設けられている種類のものを用いることが望ましく、これにより表裏を同時に焼成することができる。
中・近赤外線ヒーターを配置した焼成炉は、焼成炉内の温度ばらつきが大きく、またコントロールしにくいという欠点を持つが、焼成状態のばらつきが低減され、焼成炉内の端部、中央部のどの列に太陽電池素子が供給されたとしても同様な焼成状態を得られる効果を生む。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正及び変更を加えることができる。
例えば、上述の説明として搬送手段1、分割搬送手段(1a〜1d)としてベルトを用いたベルト式連続焼成炉について説明したが、特に制限はなく、例えばウォーキングビーム式の連続焼成炉や、ローラー搬送体を用いた連続焼成炉であっても本発明の効果は十分に得られる。
また、例えば太陽電池素子の電極の焼成方法については同時焼成法を例にとり説明したが、これに限定されるものではなく複数回の焼成を行う場合でも有効にその効果を発揮する。つまり裏面の電極材料を焼き付けた後に本発明に係る焼成炉を使用しても、裏面電極材料の再焼結により与えられる影響を抑止することができる。また裏面電極13としてアルミニウムからなる集電電極13bと銀からなる取出電極13aで構成される太陽電池素子を例にとり説明したが、これも制限されるものではない。
また、図1(b)や図1(c)において、搬送手段1は被処理体5が炉幅方向に並べられた4列に焼成炉の炉長方向に分割された例によって説明したが、これに限るものではない。この分割数には制限はなく、例えば搬送手段1の真中のみで2列に分割することも可能である。
また、分割搬送手段(1a〜1d)の駆動用のローラー7についても、分割搬送手段(1a〜1d)と同じ数としなくても構わない。例えば、分割搬送手段1a、1dを同じ駆動用ローラーとし、さらに分割搬送手段1b、1cを同じ駆動用ローラーでまとめて動かすようにしても良い。これらは、被処理体5の焼成のばらつきや、被処理体5の保持時間を考慮して決定すれば良い。
また、搬送手段1を炉長方向(搬送方向)と平行となるように分割しているが、さらに直交する方向に分割しても構わない。例えば、焼成炉の入口部、中央部、出口部の3つのパートにそれぞれ独立した搬送手段を設けるようにし、被処理体5が入口部の搬送手段の最終端に来たときに、中央部の搬送手段の開始端へと移送し、中央部の最終端に来たときに、出口部の搬送手段の開始端へと移送するようにする。このように搬送手段1を炉長方向(搬送方向)と直交する方向に分割することによって、焼成炉内の入口側や中央部、又は出口側等で被処理体5の搬送速度を変更することができ、焼成条件の自由度がさらに増すため、焼成炉内における被処理体5の焼成のばらつきをより効果的に抑制することができる。
さらに、ヒーター2についても、上述した中・近赤外線ヒーターに限るものではなく、例えば遠赤外線ヒーターやランプ、抵抗加熱等であっても本発明の効果は十分に得られる。
本発明に係る焼成炉の実施形態を示す模式図であり、(a)は炉長方向の断面模式図、(b)は炉幅方向の断面模式図、(c)は上部からの断面模式図である。 従来技術における焼成炉の実施形態を示す模式図であり、(a)は炉長方向の断面模式図、(b)は炉幅方向の断面模式図、(c)は上部からの断面模式図である。 一般的な太陽電池素子の断面構造を示す模式図である。 一般的な太陽電池素子の構造を示す模式図であり、(a)は表面の模式図、(b)は裏面の模式図である。
符号の説明
1:搬送手段(ベルト)
1a、1b、1c、1d:分割搬送手段
2:ヒーター
2a:上部ヒーター
2b:下部ヒーター
3:断熱材
4:支持体
5:被処理体(太陽電池素子)
6:カバー
7:ローラー
8:処理空間
9:半導体基板
10:拡散領域
11:反射防止膜
12:表面電極
12a:バスバー電極
12b:フィンガー電極
13:裏面電極
13a:取出電極
13b:集電電極
14:BSF層

Claims (5)

  1. 内側に処理空間を有する炉体と、
    被処理体を積載して前記処理空間内を所定方向に移動させる搬送手段と、
    前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱するヒーターと、を備えた焼成炉であって、
    前記搬送手段は、前記所定方向に対して列をなして分割された複数の分割搬送手段を備え、
    前記複数の分割搬送手段は、それぞれの移動速度を独立に可変として成る焼成炉。
  2. 前記搬送手段は、エンドレスに搬送される耐熱性のメッシュベルトであり、
    前記ヒーターは、前記搬送手段の上下に配置されて成る請求項1に記載の焼成炉。
  3. 前記ヒーターは、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーターである請求項1又は請求項2に記載の焼成炉。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成する被処理体の焼成方法であって、
    前記被処理体は、前記複数の分割搬送手段に対応して前記所定方向に列をなして積載されるとともに、
    前記被処理体の各列は、前記処理空間内を通過する際に前記ヒーターから受ける熱量のばらつきが少なくなるように、前記複数の分割搬送手段の移動速度を独立に調節するようにした被処理体の焼成方法。
  5. 金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、
    前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、請求項4に記載の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成して前記焼成電極を形成する太陽電池素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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