JP2006185974A - 焼成炉、及びこれを用いた被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】被処理体を短時間で焼成処理を行うことが可能で、かつ炉内の焼成温度のばらつきを改善するとともに、省電力・省エネにも配慮した焼成炉、及びこの焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】内側に処理空間9を有する炉体と、被処理体5を積載して、処理空間9内を搬送方向させる搬送手段1と、処理空間9内に配置され、被処理体5を加熱する中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーター2と、処理空間9内に少なくとも一つ配置された、熱を反射する熱反射面を有する熱反射部材6と、を備えた焼成炉であって、熱反射部材6は、熱反射面(61a、62a)が前記搬送手段の搬送方向と略同一方向となるように配置されて成る。
【選択図】図1
【解決手段】内側に処理空間9を有する炉体と、被処理体5を積載して、処理空間9内を搬送方向させる搬送手段1と、処理空間9内に配置され、被処理体5を加熱する中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーター2と、処理空間9内に少なくとも一つ配置された、熱を反射する熱反射面を有する熱反射部材6と、を備えた焼成炉であって、熱反射部材6は、熱反射面(61a、62a)が前記搬送手段の搬送方向と略同一方向となるように配置されて成る。
【選択図】図1
Description
本発明は、被処理体を長時間高温に暴露せずに焼成処理を行うことが可能で、かつ焼成温度のばらつきを改善した焼成炉、及びこの焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法に関する。
一般的な太陽電池素子は、半導性を有する単結晶シリコンや多結晶シリコン等の半導体基板にpn接合が形成され、光が照射されたときに電力を取り出せるように、例えば銀やアルミニウム等を主成分とする電極が、半導体基板の表面や裏面に形成されている。
このような太陽電池素子の電極は、例えば特許文献1に記載されているように、アルミニウム等を主成分とするペーストを半導体基板の非受光面側の一部を除いた大部分に塗布して乾燥した後、このアルミニウム等を主成分とするペーストを塗布していない部分とその周辺部を覆うように銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥し、最後に半導体基板の受光面側に銀等を主成分とするペーストを塗布して乾燥させ、同時に焼成する同時焼成法が用いられることが多い。
このような電極の焼成には連続式の焼成炉が用いられるのが一般的である。連続式の焼成炉を用いることにより、電極を形成するペーストを塗布した半導体基板を大量に処理することができ、極めて生産性が高いという特徴がある。
このような連続式の焼成炉の一例として、ベルト式連続焼成炉がある。これは、焼成炉の加熱部を貫通させた、耐熱性の金属メッシュ等から成るエンドレスベルト等の搬送手段上に被処理体を積載してエンドレスベルトを回転させることで、焼成炉の加熱部を通過させ焼成を行うものである。なお、焼成炉の断熱性を高めるため、焼成炉内の空間は断熱材により囲まれており、被処理体が積載されるエンドレスベルトを中心として上下にヒーターが設けられている。
特開平10−335267号公報
上述した焼成炉のヒーターとしては、中赤外線ヒーター若しくは近赤外線ヒーター(以下、中、近赤外線ヒーターと略記する)や遠赤外線ヒーター等が用いられている。中、近赤外線ヒーターは、急昇温特性等に優れているが、小サイズに分割されたヒーターを焼成炉内に配置するのは困難であり、焼成炉内での温度ばらつきが大きく、また焼成炉内の温度をコントロールしにくいという欠点を持つ。
そのため、中、近赤外線ヒーターを太陽電池素子の焼成電極の形成に用いた場合、焼成炉内では温度ばらつきが生じ、被処理体の焼成温度が焼成炉の中央部と端部で焼成温度が異なるという問題がある。この焼成温度の違いは、太陽電池素子の電気特性や、半導体基板と電極の接着強度等に大きく影響し、太陽電池素子の品質を著しく低下させる要因となる。また裏面電極の集電電極にアルミニウムを用いている場合にはアルミニウム焼結後に突起物等を発生し、太陽電池素子の割れの原因となる。このような理由から、太陽電池素子の焼成電極の形成用途では一般的に遠赤外線ヒーターが用いられることが多かった。
しかしながら、遠赤外線ヒーターを用いた場合、次のような問題があった。まず、遠赤外線ヒーターは、表面の変質を抑えて中まで内部からゆっくりと全体を均一に加熱するのには適しているが、太陽電池素子の焼成電極の形成に用いた場合、電極以外の部分(例えば、pn接合部等)が長時間高熱に曝露されることになり、太陽電池素子の特性に影響を与えることがあった。また、時間がかかるためタクトタイムにも影響する。
また、赤外線によって加熱を行う場合、放射熱源温度が放射エネルギーの強度を決める。具体的には、ステファン・ボルツマン則による放射体のエネルギー密度の合計は絶対温度の4乗に比例する。したがって、放射熱源温度が比較的低い遠赤外線ヒーターは、エネルギー効率がそれほど高くないため、省電力・省エネの点でも問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであり、被処理体を短時間で焼成処理を行うことが可能で、かつ炉内の焼成温度のばらつきを改善するとともに、省電力・省エネにも配慮した焼成炉、及びこの焼成炉による被処理体の焼成方法、並びに太陽電池素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る焼成炉は、内側に処理空間を有する炉体と、被処理体を積載して、前記処理空間内を搬送させる搬送手段と、前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱する、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーターと、前記処理空間内に少なくとも一つ配置された、熱を反射する熱反射面を有する熱反射部材と、を備えた焼成炉であって、前記熱反射部材は、前記熱反射面が前記搬送手段の搬送方向と略同一方向となるように配置されて成る。
なお、本明細書において、中赤外線若しくは近赤外線とは、波長が0.7μm〜3μmの赤外線を指すものとする。なお、一般的には、中赤外線は、1.5〜3μm、近赤外線は波長が0.7〜1.5μmのように区分される場合があるが、ここでは厳密には区別しない。
本発明の請求項2に係る焼成炉は、請求項1に記載の焼成炉において、その両主面を前記熱反射面とした板状を有するとともに、略鉛直方向となるように配置されて成る。
本発明の請求項3に係る焼成炉は、請求項1又は請求項2に記載の焼成炉において、前記搬送手段の両側の前記処理空間の側壁に、前記熱反射面を内側に向けて配置された側壁部熱反射部材をさらに含んで成る。
本発明の請求項4に係る焼成炉は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の焼成炉において、前記搬送手段は、エンドレスに搬送される耐熱性のメッシュベルトであり、前記ヒーターは、前記搬送手段の上下に配置されるとともに、前記熱反射部材は、前記搬送手段の上下の位置であって、前記ヒーターとの間にそれぞれ配置されて成る。
本発明の請求項5に係る被処理体の焼成方法は、請求項2、請求項2に係る請求項3又は請求項4のいずれか一項に記載の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成する被処理体の焼成方法であって、前記被処理体は、前記搬送方向に対して複数の列をなして前記搬送手段上に積載され、前記略鉛直方向に配置された板状の熱反射部材は、その端縁を仮想的に引き延ばしたとき、前記被処理体の列と列との間に位置するようにした。
本発明の請求項6に係る太陽電池素子の製造方法は、金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、請求項5に記載の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成し、前記焼成電極を形成するようにした。
本発明の焼成炉は、内側に処理空間を有する炉体と、被処理体を積載して、前記処理空間内を搬送させる搬送手段と、前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱する、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーターと、前記処理空間内に少なくとも一つ配置された、熱を反射する熱反射面を有する熱反射部材と、を備えた焼成炉であって、前記熱反射部材は、前記熱反射面が前記搬送手段の搬送方向と略同一方向となるように配置されて成る。このようにしたので、ヒーターで発生した熱が熱反射部材により反射して被処理体に到達する。その結果、ヒーターで発生した熱を効率よく被処理体に与えることが可能となり、焼成温度のばらつきが低減される。このように急昇温特性に優れた中、近赤外線を放射するヒーターを用いることができるので、被処理体を長時間高熱に曝露することを防ぐことができる。焼成時間を短くしタクトタイムを短くして生産性を高めることに寄与する。さらに、中、近赤外線を放射するヒーターは、エネルギー効率が高く、省電力・省エネの点でも有利である。
本発明の被処理体の焼成方法は、本発明の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成する被処理体の焼成方法であって、前記被処理体は、前記搬送ベルト上で前記搬送方向に対して複数の列をなして前記搬送手段上に積載され、前記略鉛直方向に配置された熱反射部材は、その両主面を前記熱反射面とした板状を有するとともに、その端縁を仮想的に引き延ばしたとき、前記被処理体の列と列との間に位置するようにした。この位置に熱反射部材を設けることによって、各複数の列において被処理体が受ける熱量がより均一化されるため、焼成状態のばらつきが低減される。
本発明の太陽電池素子の製造方法は、金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、本発明の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成し、前記焼成電極を形成するようにした。このように、被処理体の焼成状態のばらつきが少ない本発明の被処理体の焼成方法によって太陽電池素子の焼成電極を形成するようにしたので、太陽電池素子の電気特性や、半導体基板と電極の接着強度等に影響を与えることがなく、高品質の太陽電池素子を製造することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、このような連続式の焼成炉の一例として、ベルト式連続焼成炉について説明する。
図1は本発明に係る焼成炉の実施形態の構造を説明する図である。図1(a)は焼成炉の炉長方向の断面を、図1(b)は焼成炉の炉幅方向の断面を、図1(c)は焼成炉の上部からの断面を示している。
図1において、1は搬送手段(ベルト)、2はヒーターであり2aは上部ヒーター、2bは下部ヒーター、3は断熱材、4は支持体、5は被処理体(太陽電池素子)、6は熱反射部材であり61は上部熱反射部材、62は下部熱反射部材、7はカバー、8はローラー、9は処理空間である。
被処理体5を処理する焼成炉は、外気との雰囲気を遮断するためにカバー7や、断熱性、安全性のために断熱材3によって構成された炉体を有している。この炉体の内側には被処理体5を処理するための処理空間9が存在している。
また、炉体内部の処理空間9を炉長方向に貫通した搬送手段1が設けられている。この搬送手段1は、例えば、ステンレスなどの耐熱性の合金などによって構成されたエンドレスベルトなどが用いられ、ローラー8が回転することによりエンドレスに循環し、搬送手段1上に積載された被処理体5を搬送方向(炉長方向)に移動させる。また搬送手段1としてベルトを用いる場合、回転中にたるまないように、支持体4によって支えるようにしてもよい。なお、図1(b)に示すように、搬送方向に対して複数列となるように被処理体5を搬送手段1上に並べて処理することによって、同時に多数の被処理体5を処理することができる。
また、処理空間9の内部には搬送手段1に積載した被処理体5を加熱処理するためのヒーター2が配置されている。このヒーター2は、中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーター(中、近赤外線ヒーター)であり、例えば、ランプヒーターを用いることができる。
なお、図1に示す例では、搬送手段1を境にして上部ヒーター2aと下部ヒーター2bが配置されている。特に、搬送手段1としてエンドレスに搬送されるメッシュベルトを用いた場合、下部ヒーター2bから放射された熱は、メッシュベルトを通して、被処理体5をベルトに載置した面に到達するから、被処理体5を上面側と下面側の両面から処理することができる。ただし本発明は、これに制限されるものでなく、上部ヒーター2aや下部ヒーター2bのどちらか一方だけであってもかまわない。
さらに図1(a)に示す例では、上部ヒーター2aと下部ヒーター2bを搬送方向に対して3分割したものを記載している。このように搬送方向に対して、複数に分割して独立にヒーターを設けておくことによって、被処理体5に対する焼成プロファイルを変更することが容易になるので望ましい。ただし、本発明はこの構造に限られるものではない。さらに図1(c)において分割した上部ヒーター2a間に隙間が存在し、この隙間を通して被処理体5が見えている例によって記載したが、これについても制限されるものではない。
なお、焼成炉で被処理体5を処理する場合、通常、被処理体5には塗布剤が塗布されている。例えば、太陽電池素子の場合、後述するように所定の金属粉末と、バインダー、有機溶媒などを含む金属ペーストが所定形状に塗布されている。このような塗布剤中に含まれるバインダー等の成分は、焼成処理中に焼成炉内で被処理体5から蒸発、あるいは燃焼してガス化する。このガスが焼成炉内に充満すると、焼成処理中に製品特性に悪影響を及ぼすため、焼成炉には排気ガスを外部に排出する排気装置(不図示)や炉内にエアーを供給する供給装置(不図示)が設けられている。
本発明においては焼成炉内の輻射の影響が強い焼成炉端部から中央部までの処理空間9に熱反射部材6を設置している。この熱反射部材6は熱を反射する熱反射面が設けられており、例えば、図1に示すように、上部熱反射部材61における熱反射面61a、下部熱反射部材62における熱反射面62aのように、被処理体5の搬送方向に対して、この熱反射面61a、62aが略同一方向となるように設けられている。このような配置となっていることから、ヒーター2から放射された中、近赤外線は、熱反射面61a、62aで反射され、処理空間9内においてより均一に広がり、その結果、搬送手段1上を搬送されていく被処理体5の加熱状態をより均一とすることができる。
なお、図1(b)に示すように、熱反射部材6は処理空間9の内部において、熱反射面が、略鉛直方向となるように配置することが望ましい。さらに、同図に示すようにこの熱反射部材6として、板状の形状を有する上部熱反射部材61のような形状のものを用いることによって、その両主面を熱反射面61aとすることができるから望ましい。通常、搬送手段1は略水平に設けられているから、両主面である熱反射面が、略鉛直方向となるように平板状の熱反射部材61を配置すれば、熱反射面61aは搬送手段1に対して垂直となり、搬送手段1上の被処理体5をより一層均一な加熱状態とすることができる。この平板状の熱反射部材61として、上部ヒーター2aを囲むように複数を配置すれば、処理空間9内の他の領域からの輻射等の影響を減らすことができるので望ましい。
さらに、同様の理由から、下部熱反射部材62についても、上部熱反射部材61と同様に、板状の形状を有するものを搬送手段1に対して垂直となるように立てて配置することが望ましく、また下部ヒーター2bを囲むように配置することが望ましい。
このように熱反射部材6を配置することによって、ヒーター2で発生した熱は熱反射部材6に囲まれた空間を通過して、無駄なく搬送手段1上の被処理体5まで到達する。
さらに、上述したように搬送手段1上に被処理体5は、搬送方向に対して複数の列をなして積載されるが、このとき、板状の上部熱反射部材61、下部熱反射部材62は、その端縁を仮想的に引き延ばしたとき、複数の列をなした被処理体5の列と列との間に位置するように設けることが望ましい。このように配置することで、熱反射部材6は一定間隔(被処理体5の列の周期に依存する)で配置されることになる。したがって、熱反射部材6で囲まれた空間は、相互に類似した熱環境(放射、伝導、対流などの影響)に置かれることとなり、被処理体5を焼成炉の処理空間9内を通過させたときに、それぞれの被処理体5が受ける熱量のばらつきが低減される。
従来の焼成炉において、中、近赤外線ヒーターを用いた場合、焼成炉内の温度のばらつきが大きくなり、コントロールしにくい欠点を持っていた。しかしながら、本発明に係る熱反射部材6を所定位置に配置することにより、中、近赤外線ヒーターを用いた場合であっても、焼成炉内の温度のばらつきを低減することができる。また熱反射部材6を配置することによって、焼成炉を大きくしても、焼成炉内のどの部分にも被処理体5を供給でき、均一な焼成温度が得られることから、焼成炉の大きさに制限がなくなり、生産性も向上する。
熱反射部材6は上部ヒーター2aと下部ヒーター2bのどちらか一方に配置したとしても、発明の効果は得られるが、焼成炉内の輻射の影響を一定にするために、上部ヒーター2aと下部ヒーター2bの上下両方に配置することが望ましい。
また、図2に示されるように、搬送手段1の両側の処理空間9の側壁に、熱反射面63aを内側に向けて配置された側壁部熱反射部材63をさらに設けたほうが好ましい。側壁部熱反射部材63により熱を反射させることによって焼成炉内の輻射の影響を一定にすることができ、ヒーター2で発生した熱を効率よく被処理体5に与えることが可能となるから、焼成温度のばらつきが低減され、被処理体5の焼成温度を炉内の中心部と端部でばらつくのを防ぐことができる。
熱反射部材6としては、例えば、耐熱性金属や石英ガラス等の中、近赤外線に対して反射率の高いものを選択することができる。ただし、焼成炉内の輻射の影響を促進する効果を有するだけでなく、熱的にも十分な強度が保てること、かつ変形や変質が生じないものを選択する必要があることから、石英ガラスが適している。なお、本発明は熱反射部材6を用いることによって、ヒーター2からの熱を適度に反射・散乱させて焼成炉内の熱的な環境を均一化するものであるから、必ずしも熱反射部材6の材質に限定されるものではない。例えば、熱反射部材6の材質として焼成炉の内側の側壁と同じ部材を用いたとしても、上述の所定位置に配置した場合に、焼成炉内の輻射の影響が均一化して、焼成炉内の温度のばらつきが低減される場合には、本発明の熱反射部材であると見なすことができる。
熱反射部材6は搬送手段1を中心にして、上下対称、左右対称に配置することが望ましい。ただし焼成炉内で温度に差をつけたい場合等には熱反射部材6を上下対称、左右対称につけることなく自由に変更することができる。さらに熱反射部材6はすべてに設ける必要もなく、例えば搬送手段1の中央部で温度のばらつきがない場合には熱反射部材6をはずすことも可能であり、必要とされる熱反射部材6のみ選択すればよい。また熱反射部材6の形状、サイズや材質についても、焼成温度が均一になるように変更すればよい。
以上、本発明の焼成炉、並びにこれを用いた被処理体の焼成方法について説明した。次に、本発明の被処理体の焼成方法の最適な応用例の一つである、本発明の太陽電池素子の製造方法について結晶系シリコン太陽電池を例にとり簡単に説明する。
図3は太陽電池素子の断面である。10は半導体基板、10aは拡散領域、11は反射防止膜、12は表面電極であり12aはバスバー電極、12bはフィンガー電極、13は裏面電極であり、13aは取出し電極、13bは裏面電極の集電電極、15はBSF層である。
太陽電池素子として多く用いられる半導体基板10は単結晶シリコンや多結晶シリコン等からなる。この半導体基板10はボロン(B)等の一導電型半導体不純物を1×1016atoms・cm−3程度含有し、比抵抗は1〜5Ω・cm程度である。単結晶半導体基板の場合は引上げ法等により形成され、多結晶半導体基板の場合は鋳造法等によって形成される。多結晶半導体基板は、大量生産が可能であり鋳造コスト面で単結晶半導体基板より有利であるので、ここでは多結晶半導体基板を用いた例について説明する。
例えば鋳造法によって形成された多結晶シリコンのインゴットを10cm×10cm又は15cm×15cm等、適当な大きさに切断して500μm以下、より好ましくは300μm以下の厚みにスライスして半導体基板10とする。
次に半導体基板10を拡散炉中に配置して、オキシ塩化リン(POCl3)等不純物元素を含むガス中で熱処理をすることによって、半導体基板10の表面部にリン原子を1×1016〜1018atoms・cm−3程度拡散させ、厚み0.3〜0.5μm程度の拡散領域10aを形成する。
そして半導体基板10の表面側に反射防止膜11を形成する。この反射防止膜11は、例えば窒化シリコン膜(SiNX)等からなり、シラン(SiH4)とアンモニア(NH3)の混合ガスを用いて、プラズマCVD法等で厚み500〜1000nm、屈折率1.90〜2.30程度に形成される。この反射防止膜11は半導体基板10の表面で光が反射するのを防止して、半導体基板10内に光を有効的に取り込むために設ける。
次に表面電極12と裏面電極13を形成する。図4は一般的な太陽電池素子を受光面側、非受光面側から見た図であり、図4(a)は受光面側、図4(b)は非受光面側を示す。この表面電極12、裏面電極13は、いずれも金属を主成分とする焼成電極であり、これらの焼成電極は、銀ペーストやアルミニウムペースト等の金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板10を被処理体として、本発明の被処理体の焼成方法を用いて、焼成することによって得られる。具体的には次の通りである。
まず、半導体基板10の受光面側に設けられる表面電極12は、バスバー電極12aとフィンガー電極12bから形成されている。バスバー電極12aは半導体基板10の全長にわたって1本あるいは複数本が平行に形成されており、フィンガー電極12bはバスバー電極12aと交差するように多数本が半導体基板10の全長にわたって形成されている。表面電極12は主に銀粉、バインダー、ガラスフリット等からなる銀ペーストをスクリーン印刷法等で半導体基板10の表面に所定形状に塗布し形成される。
次に、半導体基板10の非受光面側に設けられる裏面電極13は主に銀粉、バインダー、ガラスフリット等からなる銀ペーストを取出し電極13aの形成予定位置にスクリーン印刷法等で所定形状に塗布し乾燥させたあと、主にアルミニウム粉、バインダー、ガラスフリット等からなるアルミニウムペーストを集電電極13bの形成予定位置にスクリーン印刷法等で所定形状に塗布して形成する。裏面電極13を形成する順番は特に問わず、すなわち、アルミニウムペーストをスクリーン印刷して集電電極13bを形成してから、銀ペーストをスクリーン印刷して取出し電極13aを形成してもよい。
上述のように両面に金属ペーストを所定形状で塗布した半導体基板10は、金属ペーストを乾燥させたあと、本発明の被処理体の焼成方法によって、600〜800℃で1〜30分程度焼き付けることによって、表面電極12と裏面電極13が形成される。また半導体基板10の非受光面側では裏面電極13の集電電極13bであるアルミニウムペーストが焼き付けられてBSF層14が形成される。裏面電極13としては上述した以外に銀ペーストのみを焼き付ける方法を用いても良い。
このように電極を焼成する際に、本発明の被処理体の焼成方法を用いるが、これは例えば、図1に示すような本発明に係る焼成炉を用いて、上述した方法により所定形状に金属ペーストを塗布した半導体基板10を被処理体5として、搬送方向に対して複数の列をなして積載すれば良い。このとき、板状の上部熱反射部材61、下部熱反射部材62は、その端縁を仮想的に引き延ばしたとき、複数の列をなした半導体基板10の列と列との間に位置するように設けられているので、ヒーター2から輻射された熱は、これらの熱反射部材6によって、焼成炉内で均一になり、搬送手段1に積載したこれらの半導体基板10を、焼成炉の処理空間9を通過させたとき、それぞれの半導体基板10が受ける熱量のばらつきが低減される。
その結果、半導体基板10に所定形状で設けられた金属ペーストが焼成されて焼成電極となるが、本発明の被処理体の焼成方法を用いているから焼成状態が均一となり、それぞれの太陽電池素子の電気特性や、半導体基板10との表裏両面の電極の接着強度のばらつきが小さく品質に優れたものとなる。
なお、半導体基板10の両面に金属ペーストが塗布されているので、焼成炉としては、搬送手段1の上下にヒーター2が設けられている種類のものを用いることが望ましく、これにより表裏を同時に焼成することができる。
中、近赤外線ヒーターを配置した焼成炉は、焼成炉内の温度ばらつきが大きく、またコントロールしにくいという欠点を持つが、本発明の構成によれば、熱反射部材6を配置することによって、焼成状態のばらつきが低減され、焼成炉内の端部、中央部のどの列に太陽電池素子が供給されたとしても同様な焼成温度を得られる効果を生む。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正及び変更を加えることができる。
例えば、上述の説明として搬送手段1としてベルトを用いたベルト式連続焼成炉について説明したが、特に搬送手段1に制限はなく、例えばウォーキングビーム式の連続焼成炉や、ローラー搬送体を用いた連続焼成炉であっても本発明の効果は十分に得られる。
また、例えば太陽電池素子の電極の焼成方法については同時焼成法を例にとり説明したが、これに限定されるものではなく複数回の焼成を行う場合でも有効にその効果を発揮する。つまり裏面の電極材料を焼き付けた後に本発明に係る焼成炉を使用しても、裏面電極材料の再焼結により与えられる影響を抑止することができる。また裏面電極としてアルミニウムからなる集電電極13bと銀からなる取出電極13aで構成される太陽電池素子を例にとり説明したが、これも制限されるものではない。
1:搬送手段
2:ヒーター
2a:上部ヒーター
2b:下部ヒーター
3:断熱材
4:支持体
5:被処理体
6:熱反射部材
61:上部熱反射部材
61a:熱反射面
62:下部熱反射部材
62a:熱反射面
63:側壁部熱反射部材
63a:熱反射面
7:カバー
8:ローラー
9:処理空間
10:半導体基板
10a:拡散領域
11:反射防止膜
12:表面電極
12a:バスバー電極
12b:フィンガー電極
13:裏面電極
13a:取出電極
13b:集電電極
14:BSF層
2:ヒーター
2a:上部ヒーター
2b:下部ヒーター
3:断熱材
4:支持体
5:被処理体
6:熱反射部材
61:上部熱反射部材
61a:熱反射面
62:下部熱反射部材
62a:熱反射面
63:側壁部熱反射部材
63a:熱反射面
7:カバー
8:ローラー
9:処理空間
10:半導体基板
10a:拡散領域
11:反射防止膜
12:表面電極
12a:バスバー電極
12b:フィンガー電極
13:裏面電極
13a:取出電極
13b:集電電極
14:BSF層
Claims (6)
- 内側に処理空間を有する炉体と、
被処理体を積載して、前記処理空間内を搬送させる搬送手段と、
前記処理空間内に配置され、前記被処理体を加熱する中赤外線若しくは近赤外線を放射するヒーターと、
前記処理空間内に少なくとも一つ配置された、熱を反射する熱反射面を有する熱反射部材と、を備えた焼成炉であって、
前記熱反射部材は、前記熱反射面が前記搬送手段の搬送方向と略同一方向となるように配置されて成る焼成炉。 - 前記熱反射部材は、その両主面を前記熱反射面とした板状を有するとともに、略鉛直方向となるように配置されて成る請求項1に記載の焼成炉。
- 前記搬送手段の両側の前記処理空間の側壁に、前記熱反射面を内側に向けて配置された側壁部熱反射部材をさらに含んで成る請求項1又は請求項2に記載の焼成炉。
- 前記搬送手段は、エンドレスに搬送される耐熱性のメッシュベルトであり、
前記ヒーターは、前記搬送手段の上下に配置されるとともに、
前記熱反射部材は、前記搬送手段の上下の位置であって、前記ヒーターとの間にそれぞれ配置されて成る請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の焼成炉。 - 請求項2、請求項2に係る請求項3又は請求項4のいずれか一項に記載の焼成炉を用いて前記被処理体を焼成する被処理体の焼成方法であって、
前記被処理体は、前記搬送方向に対して複数の列をなして前記搬送手段上に積載され、
前記略鉛直方向に配置された板状の熱反射部材は、その端縁を仮想的に引き延ばしたとき、前記被処理体の列と列との間に位置するようにした被処理体の焼成方法。 - 金属を主成分とする焼成電極を備えた太陽電池素子を形成する太陽電池素子の製造方法であって、
前記被処理体は、金属ペーストを所定形状に塗布した半導体基板であり、請求項5に記載の被処理体の焼成方法を用いて前記金属ペーストを焼成し、前記焼成電極を形成する太陽電池素子の製造方法。
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- 2004-12-27 JP JP2004375126A patent/JP2006185974A/ja active Pending
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