JP2022519048A - 多層体を熱処理するための装置、設備及び方法 - Google Patents

多層体を熱処理するための装置、設備及び方法 Download PDF

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Abstract

【要約】本発明は、加熱用輻射(6、8)を生成するための少なくとも一つの輻射加熱器を有するエネルギ源(16、7、11)と、多層体(1)と、エネルギ源(16、7、11)と多層体(1)との間に配置される中間素子(15、5、12)とを含む、多層体(1)を熱処理するための装置(102)に関する。第一代替形態によれば、中間素子(15、5、12)は可撓性膜(18)として構成される表面素子(17)を含む。第二代替形態によれば、中間素子(15、5、12)は可撓性膜(18)又は剛性板(19)として構成される表面素子(17)を含み、この表面素子(17)はエネルギ源(16、7、11)を向く、加熱用輻射(6、8)により照射され得る表面(27)を有し、エネルギ源(16、7、11)を向く表面(27)はエネルギ源(16、7、11)を向く方向において支持部材(22、23、25、26)により機械的に支持される。

Description

本発明は薄膜太陽モジュールの生産の技術分野に属し、薄膜太陽モジュールの多層体の熱処理に用いられる装置、設備及び方法に関する。
薄膜太陽モジュールの生産に用いられる光起電層システムは当業者にとってはよく知られているものである。層の材料、特に光電変換のための吸収層の半導体材料は、入射される太陽光を満足できる効率で電流に変換できるように選択されている。物理的性質とプロセス量の原因で、非晶質シリコン、微晶質シリコン又は多結晶シリコン、テルル化カドミウム(CdTe)、ヒ化ガリウム(GaAs)、二セレン化/二硫化/二硫セレン化銅インジウム/ガリウム(Cu(In,Ga)(S,Se)2)、銅・亜鉛・スズ・硫黄・セレン化物(黄錫亜鉛鉱族からのCZTS)及び有機半導体からなる吸収層は特に好適である。黄銅鉱化合物半導体族に属する五元半導体Cu(In,Ga)(S,Se)2は薄膜太陽モジュールの工業的量産において特に大きな意義がある。
Cu(In,Ga)(S,Se)2からなる吸収層を生産するための方法の一つは二段階の工程で構成される。このような二段階の方法は既知のものであり、例えばJ.Palmらによる「CIS module pilot processing applying concurrent rapid selenization and sulfurization of large area thin film precursors」,《固体薄膜》431-432,第414-522頁(2003)に記載されている。第一段階にて前駆体の堆積を行い、そして第二段階にて熱処理を行う。熱処理が終了したところ(RTP=急速熱処理)、前駆体の結晶形成と相転移が発生することで半導体層が形成される。
塗布済み基板の熱処理は例えば順次システムにおいてなされたものであり、このシステムでは、塗布済み基板は加工ラインに沿って配置され連続した異なるチャンバに送られる。典型的な配置では、このような順次システムは積載ステーション、加熱室及び冷却室を含み、この加熱室において数℃/sの加熱速度で塗布済み基板を加熱することが好ましく、この冷却室において塗布済み基板が冷却されてからシステムより送り出される。
塗布済み基板の熱処理はコストが高くて技術的要件の高い工程であり、高レベルの効率と十分に良好な再現性を得るために、高温と精確な温度上昇及び所定のプロセス雰囲気が必要となる。そのため、例えば高品質のCu(In,Ga)(S,Se)2化合物半導体を生産する場合、プロセス雰囲気における蒸気圧力とセレン(Se)の量を良好に制御しなければならない。金属前駆体が完全にセレン化することを確保するために、十分量のSeは必要となる。Seの損失が顕著になると、前駆体が不完全に化合物半導体に変換するようになってしまう。Seの損失が少量であった場合でも、再結合が発生してしまい、即ち、完成品の薄膜太陽モジュールにおいて効率損失が発生したり過渡効果が増えたり(特に湿熱損失が発生したり)するようになってしまう。
熱処理工程のパラメータをより良好に制御するために、塗布済み基板に用いられる加工空間をキャビネットにより規定することは知られている。このようなことによれば、熱処理の間には、揮発しやすいカルコゲン成分(例えばセレン又は硫黄)の分圧は可能な限り一定に保持可能となる。また、キャビネットによれば、腐食性ガスの暴露が低減している。セレンと硫黄は極めて腐食性が高く、熱処理に必要な高温では金属を強く攻撃する物質である。
塗布済み基板の加熱は一般に電気制御型の輻射加熱器により行われ、これらの加熱器はキャビネットの蓋側と底部側に配置され、加熱用輻射(可視光から赤外線)はキャビネットの蓋と底部に向けられている。ガラスセラミック板は高温に耐えられ、温度勾配に敏感ではなく、セレン又は硫黄による腐食に対して不活性であり、膨張係数が非常に低いながら機械的安定性が高いので、蓋と底部に使用可能であることが分かっている。フレームは一般に黒鉛や複合材料例えば炭素繊維補強炭素からなる(CFRC=炭素繊維補強炭素、RCC=補強炭素、CFG=炭素繊維炭素複合材料)。
キャビネットの使用により吸収層の高品質かつ確実な生産が実現されるが、塗布済み基板のみならずキャビネットをも加熱することになるので、この生産過程によるエネルギ消費は比較的高くなってしまう。いずれの場合でも、底部と蓋に厚さ4mmの板を使用すれば、それら自分の質量がそれぞれ塗布済み基板の質量の四倍となる。基板の大きさを約1m2(厚さ2mmの時には5kg)とする場合、フレームを有するキャビネットの総重量が約40kgとなる。前駆体を加工温度に熱変換する間、この質量は加熱された後、再度冷却されざるをえない。このことは不利であり、薄膜太陽モジュールを持続可能かつ経済的に生産するために、エネルギ消費を可能な限り低くすることが求められている。
また、キャビネットに対する一般要求が満たされること、即ち、内部への高速エネルギ入力により前駆体の加熱速度を数℃/sとすること、及び、十分な機械的ロバスト性により塗布済み基板(通常約5kg/m2)の輸送を実現しながら洗浄とパンピング期間及び対流冷却期間にて僅かな正圧又は負圧に確実に耐えられることが充足されなければならない。機械負荷が約40kg/m2と高いものである(その自体の重量を含まない)。特に、この負荷に対して、曲げ強度の高い材料を使用することが要求されている。また、キャビネットに十分な機械的剛性を持たせることで、加工空間の体積が、例えば、塗布済み基板の熱処理期間において弾性や塑性変形により、顕著に変化することが無いようにする必要がある。
本発明は上記問題点に対して、従来技術による塗布済み基板を熱処理するための設備を有利的に改良することで、再現可能で効率レベルの高い薄膜太陽モジュールを省エネルギで経済的に生産するのを確実に実現することその旨とする。
本発明の提案によれば、これら及び他の目的は独立及び同等の請求項の特徴を有する多層体を熱処理するための装置、設備及び方法により達成される。好ましい実施例は従属請求項においては明らかなものである。
本発明によれば、多層体を熱処理するための装置及び設備を提供する。本発明の場合では、「多層体」という記述は基板、例えば、その上にある一つ又は複数の層を有するガラス基板を言い、これらの層は熱処理されるものとなる。
多層体は薄膜太陽モジュールの生産に用いられる。複合グリッド構造を有する薄膜太陽モジュールが好ましく、この構造は熱可塑性のもの又は架橋重合体である中間層(例えばPVBやEVA)で固定接着された蓋板と背板(例えばガラス板)を有する。本発明は特にサブストレート型又はスーパーストレート型において薄膜太陽モジュールに用いられる多層体に関し、サブストレート型の場合、太陽電池を生産するための層構造は光入射側を向く背面基板の表面にあり、スーパーストレート型の場合、層構造は光入射側とは反対側である透明蓋板の表面にある。
従来より、「薄膜太陽モジュール」という用語は厚さの低い(例えば数ミクロンの)層構造を有するモジュールを言い、十分な機械的強度を図るために担持体が必要となる。例えば、担持体はガラス、プラスチック、金属又は金属合金からなるものであってもよく、そして、それぞれの層厚や具体的な材料性質に応じて剛性板又は可撓性膜としてもよい。
薄膜太陽モジュールでは、層構造は既知のように裏電極層と、前電極層と、裏電極層と前電極層との間に配置される光電活性吸収層とを含む。前電極層は光学透明のものであり、これは、光にこの層構造を透過させなければならないためである。前電極層は一般にドープされた金属酸化物(TCO=透明導電性酸化物)を含むかそれにより構成され、例えば、n-導電性の特にアルミニウムのドープされた酸化亜鉛(AZO)がある。
Figure 2022519048000002
Figure 2022519048000003
Figure 2022519048000004
Figure 2022519048000005
本発明による多層体を熱処理するための装置は、加熱用輻射を生成するための少なくとも一つの輻射加熱器(例えば、一次元又は二次元的に配置される輻射加熱器を有する輻射器群)を有するエネルギ源と、多層体と、エネルギ源と多層体との間に配置される中間素子とを含み、加熱用輻射がこの中間素子に当たる。好ましくは、中間素子はエネルギ源のすぐ隣に配置される。そのため、加熱用輻射が直接中間素子又はその少なくとも一つ又は複数の箇所に当たるようになる。好ましくは、中間素子は多層体のすぐ隣に配置され、それにより、中間層と多層体との間にはいかなる物理的なもの例えば層や板もなくなる。
第一代替形態によれば、中間素子は可撓性膜として構成される表面素子を含む。第二代替形態によれば、中間素子は可撓性膜又は剛性板として構成される表面素子を含み、ただし、表面素子のエネルギ源を向く側には、エネルギ源を向く方向に表面素子を機械的に支持するための支持部材が配置される。具体的には、表面素子のエネルギ源を向く表面(この表面がエネルギ源による加熱用輻射により照射され得る)はエネルギ源の方向において支持部材により機械的に支持される。例えば、中間素子は表面素子のみから構成されるか、表面素子と支持部材とから構成される。中間素子はエネルギ源と多層体との間に配置される。そのため、支持部材は中間素子の多層体とは反対側に配置される。
本発明の場合では、「表面素子」という用語は平坦な平面体を言い、例えば矩形形状を有する。表面素子はエネルギ源を向く第一表面を有し、この表面がエネルギ源による加熱用輻射により直接照射され得る。加熱用輻射により直接照射される表面は表面素子の第一表面と等しくてもよいし、それより小さいものであってもよい。第一表面に対して、表面素子はエネルギ源とは反対側にある第二表面を含み、第二表面は底部として用いられてもよく、そして中間素子の使用中に多層体に対する支持表面として用いられてもよい。
本発明による多層体を熱処理するための装置では、エネルギ源と中間素子は、多層体が加熱用輻射により直接加熱され得る(加熱用輻射に対して表面素子が透明又は半透明である場合)か、加熱された表面素子により間接的に加熱され得る(加熱用輻射に対して表面素子が不透明である場合)ように配置される。直接加熱の場合、エネルギ源による加熱用輻射の少なくとも一部が表面素子を介して多層体に当たったところ、多層体が加熱される。間接加熱の場合、エネルギ源による加熱用輻射が当たることで表面素子が加熱され、そして熱輻射と熱伝導により熱を多層体に伝達する。表面素子が不透明のものであれば、多層体に対する加熱は基本的には加熱された表面素子を介して熱輻射と熱伝導により間接的になされる。表面素子は低反射率と高放射率を有することで、輻射器群から放射される輻射に対する吸収を最大化することが好ましい。
本発明の場合では、「透明」又は「透明の」という用語は加熱用輻射に対する透過率が少なくとも85%、特に少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、特に100%であることを言う。「不透明」又は「不透明の」という用語は加熱用輻射に対する透過率が5%より低く、特に0%であることを言う。「半透明」又は「半透明の」という用語は加熱用輻射に対する透過率が不透明と透明との間にあることを言う。
表面素子は第一代替形態に従って可撓性膜として構成され、あるいは、第二代替形態に従って可撓性膜又は機械的支持部材を有する剛性薄板として構成される。本発明によれば、中間素子は従来技術による中間素子より低い質量を有するものとして構成されてもよく、多層体の熱処理中のエネルギコストを顕著に低下させることが有利的には実現される。表面素子は非常に薄いものであってもよく、ひいては不透明の材料をも表面素子に使用可能であり、これは、非常に薄い表面素子を使用する場合のみにおいて所望の数℃/秒の高加熱速度を実現できるためである。
Figure 2022519048000006
好ましくは、表面素子の厚さが4mm、より好ましくは1mm、さらに好ましくは0.5mmより小さい。
好ましくは、中間素子は総質量が多層体質量の400%、好ましくは200%、より好ましくは100%、さらに好ましくは50%、最も好ましくは10%より小さくなるように選択される。それにより、多層体の熱処理のエネルギコストを顕著に低下させることができる。
表面素子は寸法安定性のないものつまり可撓性膜として構成される場合、膜厚が好ましくは0.5mm、より好ましくは0.3mmより小さい。
Figure 2022519048000007
Figure 2022519048000008
塗布済み金属箔の代替形態として、複合膜も好適なものであり、例えば接着剤(例えばセラミック接着剤や黒鉛接着剤)により金属箔を黒鉛膜の一側又は両側に接着したものがある。黒鉛膜により封止性と耐食性が図られている。金属箔により機械的安定性が図られている。
表面素子は剛性板として構成される場合、板厚が好ましくは4mm、より好ましくは1mm、さらに好ましくは0.5mmより小さい。好ましくは、この板はガラスセラミック、炭素繊維補強炭素、あるいは、高軟化点(通常800℃より高い)を有するガラス例えばホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス又は石英ガラスを含むかそれらにより構成される。
可撓性膜又は剛性板として構成される表面素子は低反射率と高放射率を有することで、エネルギ源から放射される輻射に対する吸収を最大化することが好ましい。好ましくは、エネルギ源を向く表面素子の反射率が10%、より好ましくは5%、望ましくは2%より低い(この百分率が反射される加熱用輻射の量に基づくものである)。
可撓性膜又は剛性板として構成される表面素子の第二表面は多層体に対する支持表面として用いられてもよく、突起パターンを有することで、多層体との接触面積を可能な限り小さくすることが好ましい。そのため、熱伝導の影響が抑えられている。多層体が加熱中に盛り上がれば、あるいは、予備加工により完全に平坦なものになっていない場合、熱伝導により空間的には非常に不均一な加熱となる。パターニングは粗面処理や、局所的にコーティングを除去すること又は塗布によりなされてもよい。パターニングはランダム及び/又は周期的なパターンとして構成されてもよい突起を含み、このパターンの表面素子に垂直な寸法(高さ)は一ミクロンから数百ミクロンの範囲にあることが好ましい。
支持部材は、エネルギ源を向く方向(中間素子の多層体とは反対側)に表面素子又はその第一表面を機械的に支持するように構成される。そのために、支持部材は表面素子とエネルギ源との間に配置され、エネルギ源は表面素子の多層体とは反対側に配置される。支持部材はその表面全体にわたらずに表面素子を支持することが好ましく、言い換えると、支持部材の接触面積(支持部材が第一表面に触れるように接触する)が第一表面より小さい。特に、以上から、支持部材は表面素子の第一表面に施される層やコーティングとして構成されるものではない。好ましくは、支持部材はそれぞれ(完全な)表面素子又は第一表面の全体を延びるが、それぞれ表面素子又は第一表面を完全に覆うものではない。言い換えると、支持部材は第一表面全体を延びるにもかかわらず、第一表面は支持部材により覆われていない一つ又は複数の部分を有する。具体的には、支持部材は第一表面における円周の縁部分に囲まれる内部において第一表面を支持する。特に、支持部材はその中心(中間)箇所において第一表面を支持する。
好ましくは、支持部材は表面素子の第一表面の10%より小さい部分(表面素子を切断した断面図中のもの)を覆うことで、表面素子に当たる加熱用輻射は僅かに遮蔽されている。そのため、多層体を均一に加熱することが可能になり、熱ムラが僅かに発生する。
例えば、表面素子が緩くて支持部材に触れるように接触するものに過ぎず、支持部材が表面素子の第一表面に接触する。好ましくは、表面素子と支持部材は固定的に接続される。例えば、支持部材は例えば接着剤好ましくはセラミック接着剤により表面素子の第一表面に固定的に接続される。好ましくは、支持部材は若干の箇所特に若干の点のみにて表面素子に固定的に接続されることで、望ましくない熱伝達(冷橋)を最小化している。
表面素子と支持部材との組合せによれば、中間素子に対する様々な要求は切り離されるようになり、つまり、質量の低い気密の処理空間が形成される一方、十分な機械的安定性及び熱処理中の腐食性物質に対する十分な耐性が図られている。特に、表面素子は低質量かつ耐食性の加工空間の気密性の形成について選択的に最適化を行うことができ、支持部材により十分な機械的安定性が確保されている。
本発明の好ましい実施例によれば、支持部材は互いに交差する線形支持素子による格子として構成され、この格子はそれぞれ完全な表面素子又はその第一表面(の全体)を延びることが好ましい。この格子は一つのメッシュを有し、あるいは、大量のメッシュを有することが好ましい。有利的には、格子における線形支持素子同士は固定的に接続される。別の好ましい実施例によれば、線形支持素子は線状に配置され、この線状配置はそれぞれ完全な表面素子又はその第一表面(の全体)を延びることが好ましく、ただし、線形支持素子は並列に配置され、特に平行に配置される。この支持部材によれば、表面素子に対する良好な機械的支持が実現される。一方、加熱用輻射を遮蔽することで、多層体の加熱中のムラが比較的低くなる。有利的には、格子又は線状配置は表面素子の第一表面全体を延びる(表面素子を切断した断面図中のもの)が、第一表面全体に触れずに接触している。
線形支持素子の厚さによっては、それらの数は機械的支持に必要な力の吸収に応じて適宜選択でき、数の少ないが厚い支持素子又は数の多いが薄い支持素子を選択してもよい。線形支持素子が薄いほど、それにより発生しうる影や温度ムラが小さくなる。膜又は薄板として構成される表面素子は例えばセラミック接着剤により線形支持素子に接合されてもよい。
Figure 2022519048000009
Figure 2022519048000010
線形支持素子はワイヤ又はロッドとして構成されることが好ましい。用語の慣例から言えば、ロッドは横断面が大きい点でのみワイヤと相違している。
線形支持素子の横断面は円形(丸状又は円盤状)又は長方形であることが好ましい。矩形の線形支持素子(ロッド)の場合、狭幅表面は表面素子(第一表面)と平行であることが好ましい。狭幅側が表面素子と平行である矩形横断面によれば、高剛性と遮蔽の低減の両立が図られている。材料と構造によっては、線形支持素子の横断面は丸状(丸いワイヤ又は丸いロッド)、環状(管状)、T字状(T形梁)、又は二重T字状(二重T形梁)であってもよい。
線形支持素子は不透明、半透明又は透明のものであってもよい。好ましくは、線形支持素子は少なくとも半透明のものであり、即ち、半透明のものであり、あるいは、透明のものである。有利的には、線形支持素子による加熱用輻射に対する吸収が50%、より好ましくは20%、最も好ましくは5%より小さい。透明なので、表面素子(膜又は薄板)の表面への加熱用輻射の遮蔽は非常に少なくなる。
質量が比較的大きいので、線形支持素子は表面素子よりも加熱速度が遅く、また、特に不透明のロッドに起因してある程度の遮蔽が発生するため、線形支持素子と表面素子との間に断熱材を追加することは有利になる。それにより、接続点が放熱器となることは回避されている。でないと、輻射群のムラが発生する可能性があり、さらに多層体のムラが発生する可能性もある。セラミック接着剤が有利である。冷橋を低減するために、点として接合を行うことが好ましい。
本発明はさらに、上記のように構成される多層体を加熱するための少なくとも一つの装置を含む、多層体を熱処理するための設備に関する。
多層体を熱処理するための設備は、多層体の(小さくなった)加工空間を形成するための装置を含む。加工空間はチャンバ(加熱室又は冷却室)の体積に対して小さくなっており、小さくなった加工空間を形成するための装置はこのチャンバに位置する。加工空間を形成するための装置は以下で「底部」と称される底部側部分と、以下で「蓋」と称される蓋側部分と、少なくとも一つのフレームとを含み、それらにより多層体を収容するための加工空間が形成され、この加工空間は少なくとも熱処理期間において気密となっている。フレームは底部と蓋を接続しながら、蓋と底部との間のスペーサとしても用いられる。フレームは例えば黒鉛又は複合材料例えば炭素繊維補強炭素からなる。
本発明の場合、「気密性」は加工空間が必ずしも密閉する必要がないことを意味する。逆に、加工空間は外部環境への一つ又は複数の開口を有してもよく、多層体の熱処理期間において加工空間と外部環境との間のガス交換を非常に低くすることで、加工空間中の雰囲気がこのガス交換に実質的に影響されなければよい。これは熱処理期間によく発生する標準圧力に適するものである。しかしながら、正圧又は負圧を印加すれば、ガス交換は無視できるものではなくなる。
多層体は加工空間に収納されるか収納可能である。蓋と底部は加工空間を形成するための装置における平坦な平面部分であり、例えば矩形である場合、それらは作動位置に配置され、一般に水平面と平行である。フレームは一般に底部又は蓋の回りに周方向に配置される。フレームの壁は一般に水平面に垂直となるように位置合わせられる。好ましくは、多層体は底部に取り付けられる。
フレームは蓋に固定的に接続されてもよく、「蓋フレーム」と称される。このような場合、フレームは底部に固定的に接続されていない。代替的には、フレームは底部に固定的に接続されてもよく、「底部フレーム」と称される。このような場合、フレームは蓋に固定的に接続されていない。代替的には、加工空間を形成するための装置は二つのフレームを含んでもよく、第一フレームが蓋に固定的に接続されて(底部に固定的に接続されていない)「蓋フレーム」と称され、第二フレームが底部に固定的に接続されて(蓋に固定的に接続されていない)「底部フレーム」と称される。底部フレームと蓋フレームは固定的に接続されていないか、非破壊的に分離可能に接続されていてもよい。底部フレームと蓋フレームは一方を他方の上に置くか互いに嵌め合うことで加工空間を形成してもよい。
多層体を熱処理するための設備は、直接蓋と隣接するように構成される少なくとも一つの輻射加熱器を有する第一又は蓋側エネルギ源と、直接底部と隣接するように構成される少なくとも一つの輻射加熱器を有する第二又は底部側エネルギ源とをさらに含む。(小さくなった)加工空間を形成するための装置は蓋側エネルギ源と底部側エネルギ源との間に位置する。蓋側エネルギ源と底部側エネルギ源はいずれの場合でも、加工空間に位置する多層体を加熱するのに適する加熱用輻射を生成するための少なくとも一つの輻射加熱器を含む。一般に、加熱用輻射の波長は可視光スペクトル(380nmから780nm)及びそれより高い赤外波長スペクトルにある。少なくとも一つの輻射加熱器は線状又はシート状であってもよい。例えば、いずれの場合でも、蓋側エネルギ源と底部エネルギ源は共に輻射加熱器群として構成され、輻射加熱器が一次元又は二次元的に配置される。
本発明による多層体を熱処理するための設備では、蓋側エネルギ源、中間素子としての蓋及び多層体により、本発明による多層体を熱処理するための第一装置が形成される。また、あるいは代替的には、底部側エネルギ源、中間素子としての底部及び多層体により、本発明による多層体を熱処理するための第二装置が形成される。蓋又は底部は本発明による多層体を熱処理するための装置の一部ではない場合、例えばガラスセラミック板からなる。
蓋側エネルギ源と蓋は、加工空間に位置する多層体が加熱用輻射により直接加熱され得る(加熱用輻射に対して蓋が透明又は半透明である場合)か、加熱された蓋により間接的に加熱され得る(加熱用輻射に対して蓋が不透明である場合)ように構成される。そのため、蓋側エネルギ源は底部の直近に位置していない。それに対応して、底部側エネルギ源と底部は、加工空間に位置する多層体が加熱用輻射により直接加熱され得る(加熱用輻射に対して底部が透明又は半透明である場合)か、加熱された底部により間接的に加熱され得る(加熱用輻射に対して底部が不透明である場合)ように構成される。そのため、底部エネルギ源は底部の直近に位置していない。
上記したように、少なくとも一つの装置では、中間素子は特に可撓性膜として構成される表面素子を有してもよい。ここでは支持部材を必要としない。代替的には、表面素子として膜又は剛性板を有してもよく、ただし、エネルギ源の方向に表面素子を支持するように機械的支持部材をさらに提供する。
多層体を熱処理するための設備の第一変形によれば、加工空間を形成するための装置は蓋に固定的に接続される蓋フレームとなる単一のフレームを含む。蓋は、蓋側エネルギ源と加工空間に位置する多層体との間に配置される、以下で「蓋表面素子」と称される表面素子と、蓋表面素子に用いられる、以下で「蓋支持部材」と称される支持部材とを含む。
多層体を熱処理するための設備の第二変形によれば、加工空間を形成するための装置は底部に固定的に接続される底部フレームとなる単一のフレームを含む。底部は、底部側エネルギ源と加工空間に位置する多層体との間に配置される、以下で「底部表面素子」と称される表面素子と、底部表面素子に用いられる、以下で「底部支持部材」と称される支持部材とを含む。
多層体を熱処理するための設備の第三変形によれば、加工空間を形成するための装置は、蓋に固定的に接続される蓋フレームとなる第一フレームと、底部に固定的に接続される底部フレームとなる第二フレームとを含む。第一変形に対応して、蓋は蓋表面素子と蓋支持部材とを含む。第二変形に対応して、底部は底部表面素子と底部支持部材とを含む。蓋フレームと底部フレームは互いに固定的に接続されておらず、非破壊的に分離可能に接続されてもよい。特に、蓋フレームと底部フレームは一方を他方の上に置くか互いに嵌め合ってもよい。
蓋側エネルギ源による加熱用輻射に対して蓋表面素子は不透明、半透明又は透明である。底部側エネルギ源による加熱用輻射に対して底部表面素子は不透明、半透明又は透明である。
蓋表面素子と底部表面素子はいずれの場合でも平面体であり、その平面を見下ろす場合、例えば矩形となる。蓋表面素子は蓋平面を形成しながら、加工空間の封止をも図っている。蓋側エネルギ源を向く蓋外面と、加工空間を向く蓋内面とを有する。底部表面素子は底部平面を形成しながら、同様に加工空間の封止をも図っている。底部側エネルギ源を向く底部外面と、加工空間を向く底部内面とを有する。有利的には、多層体は底部内面に位置する。好ましくは、底部表面素子又は底部内面は突起パターンを有することで、多層体との接触面積を可能な限り小さくする。そのため、熱伝導の影響が抑えられている。多層体が加熱中に盛り上がれば、あるいは、予備加工により完全に平坦なものになっていない場合、熱伝導により空間的には非常に不均一な加熱となる。パターニングは粗面処理又は塗布によりなされてもよく、パターンを一ミクロンから数百ミクロンの範囲にする。
蓋支持部材は、蓋側エネルギ源を向く方向に蓋表面素子を機械的に支持するように構成される。そのために、蓋は蓋表面素子と蓋側エネルギ源との間に配置される。好ましくは、蓋支持部材は蓋外面に配置され、有利的には、蓋外面に触れるように接触する。有利的には、蓋支持部材は加工空間に位置していない。蓋支持部材はその表面全体にわたらずに蓋表面素子を支持する。逆に、蓋支持部材は領域つまり蓋表面素子の一つ又は複数の領域のみにて蓋表面素子を支持する。そのため、蓋表面素子は表面全体が支持されるものではない。好ましくは、蓋支持部材は蓋外面の10%、より好ましくは5%、望ましくは2%より小さい部分(蓋表面素子を切断した断面図中のもの)を覆うことで、蓋表面素子に当たる加熱用輻射が僅かに遮蔽されている。同様に、底部支持部材は、底部側エネルギ源を向く方向に底部表面素子を機械的に支持するように構成される。そのために、底部支持部材は底部表面素子と底部側エネルギ源との間に配置される。好ましくは、底部支持部材は底部外面に配置され、有利的には、底部外面に触れるように接触する。有利的には、底部支持部材は加工空間に位置していない。また、底部支持部材はその表面全体にわたらずに底部表面素子を支持し、即ち、領域つまり底部表面素子の一つ又は複数の領域のみにて底部表面素子を支持する。好ましくは、底部支持部材は底部外面の10%、より好ましくは5%、望ましくは2%より小さい部分(底部表面素子を切断した断面図中のもの)を覆うことで、底部表面素子に当たる加熱用輻射が僅かに遮蔽されている。
(小さくなった)加工空間を形成するための装置の蓋及び/又は底部を本発明による多層体を熱処理するために配置される中間素子として設計することによって、中間素子の質量を低減することで加工空間を形成するための装置の総質量を低減しながらその機械的安定性を損なわないことは有利的に実現されている。その結果、加工空間に位置する多層体を熱処理する間、加工空間を形成するための装置による少ない質量も加熱(又は冷却)されるため、エネルギコストを顕著に低下させることができる。中間素子は関連支持部材によりその表面全体にわたらずに支持され、即ち、一部の領域のみにて支持されるため、加熱用輻射が障害されずに表面素子に当たる経路への影響が非常に小さく、多層体はその表面全体にわたって均一に加熱されることが可能になり、熱ムラが僅かに発生する。加工空間の気密性の実施形態について、表面素子(蓋又は底部)は選択的に最適化を行うことで低質量と耐食性を有するとともに、支持部材により十分な機械的安定性を確保するようにしてもよい。
剛性薄板として構成される場合、表面素子は特に表面平面に垂直な厚さを有してもよく、機械的支持部材がない場合、その自体の重量(蓋)又はその自体と多層体の重量及び可能な蓋とフレームの重量(底部)により、破断する可能性が高く、あるいは、表面平面に垂直な変位が少なくとも発生し、これは高品質の要求から言えば許容されないもの(一平方メートル当たり2mm以上の弾性変位)となる。支持部材がある場合、表面素子の変位は1mmより小さいことが好ましい。
本発明はさらに、
上記のような多層体を熱処理するための設備に多層体を置くことと、
蓋と底部を狙う加熱用輻射により多層体を照射することと、
を含む多層体を熱処理するための方法に及ぶ。
本発明による方法を実行するために用いられる多層体を熱処理するための設備の実施例について、上記の記述を参照する。
また、本発明は本発明による多層体を熱処理するための方法を薄膜太陽電池の生産中において吸収体を生産することに用いるものに及ぶ。
本発明の様々な実施例は単独で又はあらゆる組合せとして実現されてもよい。特に、上記した及び以下に解釈する特徴は提示される組合せに使用できるばかりか、他の組合せにおいても又は単独でも使用でき、本発明の範囲から外れるものではない。
多層体を熱処理するための設備の横断面図であり、多層体の加熱期間の熱的関係を示している。 図1の多層体を熱処理するための設備の横断面図である。 エネルギ源、中間素子及び多層体からなる装置の模式図である。 中間素子の例示的な実施例の横断面図である。 図4の中間素子の平面図である。 中間素子の別の例示的な実施例の横断面図である。 図6の中間素子の平面図である。 中間素子の別の例示的な実施例の横断面図である。 図8の中間素子の別の横断面図である。 図8の中間素子の平面図である。 図8の中間素子の変形の平面図である。 追加物を有する図9の横断面図である。 本発明による多層体を熱処理するための方法の手順を示すフロー図である。
まず、図1と図2の横断面図(基板表面に垂直な断面)を参照し、本発明による多層体1を熱処理するための、全体として符号100で表される設備が模式的に示されている。図1には多層体1の熱処理期間の基本的な加熱操作が示され、図2には多層体1の熱処理期間での構造が示されている。
多層体1を熱処理するための設備100は全体として符号101で表される、(小さくなった)加工空間を形成するための装置を含む。装置101は底部5、蓋12及びフレーム13を含み、このフレームは空間的に底部5と蓋12を接続しながら、底部5と蓋12との間のスペーサとしても用いられる。底部5、蓋12及びフレーム13により気密の加工空間14が形成され(図2を参照)、多層体1の熱処理が図られている。多層体1はここに位置し、例えば底部5に位置する。
Figure 2022519048000011
Figure 2022519048000012
蓋12に隣り合って直接隣接する蓋輻射器群11は一次元又は二次元的に(アレイとして)配置される複数の輻射加熱器(例えばハロゲンランプ、赤外線輻射器又は表面輻射器)を有し、加熱用輻射を放射して多層体1に対する蓋側加熱を行うための蓋側エネルギ源とされている。同様に、底部5に隣り合って直接隣接する底部輻射器群7は一次元又は二次元的に(アレイとして)配置される複数の輻射加熱器(例えばハロゲンランプ、赤外線輻射器又は表面輻射器)を有し、加熱用輻射を放射して多層体1に対する底部側加熱を行うための底部側エネルギ源とされている。加工空間14を形成するための装置101は底部輻射器群7と蓋輻射器群11との間に位置する。一般には、底部5と蓋12の両者はいずれの場合でもエネルギ源16(底部輻射器群7又は蓋輻射器群11)と多層体1との間に位置する中間素子と見なすことができる。蓋12は蓋輻射器群11を向く蓋外面29を有し、それに対して、多層体1を向く蓋内面30をも有する。底部5は底部輻射器群7を向く底部外面31を有し、それに対して、多層体1を向く底部内面32をも有する。多層体1は底部内面32に位置することが好ましい。
図1に示されるように、蓋輻射器群11の輻射加熱器から上部加熱用輻射8が放射され、この輻射が蓋外面29に当たり、一部が(ここでは例えば半透明の)蓋12を透過して多層体1の上側である前駆体層4に当たる。多層体1は上部加熱用輻射8の領域にある。上部加熱用輻射8の一部を吸収することで蓋12は加熱され、さらに熱輻射9を放射し、この熱輻射により同様に多層体1は加熱される。底部輻射器群7の輻射加熱器から下部加熱用輻射6が放射され、この輻射が(ここで例えば半透明の)底部5の底部外面31に当たることで底部5は加熱される。底部5は熱伝導10と熱輻射によりエネルギを多層体1に伝達する。多層体1は主に上部加熱用輻射8により上から加熱されるが、加熱された底部5による熱伝導10と熱輻射により下からも加熱される。
多層体1を底部5に置いた後、加工空間14にプロセスガスを充填して密閉させる。そして、数℃/秒の速度例えば5℃/sで温度制御を行い、ただし、蓋輻射器群11と底部輻射器群7は、所定の加熱出力を生成するように個別に制御されてもよい。蓋12と底部5から同時に加熱するので、少なくとも加工空間14の雰囲気中の揮発性成分の凝縮を大きく防止可能になる。
図3にはエネルギ源16(例えば底部輻射器群7又は蓋輻射器群11)、中間素子15(例えば底部5又は蓋12)及び多層体1から構成される装置の模式図が示され、これは図1と図2においても実現されている。中間素子はエネルギ源16を向く第一表面27と、エネルギ源16とは反対側にある第二表面28とを有する。エネルギ源16による加熱用輻射が表面27に当たる。
中間素子15がない場合、多層体1を所望の温度に加熱するのに必要な加熱エネルギは最小エネルギ消費E0として表される。多層体1を加熱する時の主な損失はエネルギEz=ΔQであり、それは中間素子15の加熱に必要なものであり、以下の式により得られ、
Ez=ΔQ=c*M*ΔT
Mが質量、cが熱容量、ΔTが中間素子15の所望の加熱である。
Figure 2022519048000013
固定カバーが常に輻射加熱器による照射野にあれば、輸送可能なキャビネットのように大きな温度変動が発生することがない。そして、固定カバーは加熱工程中において冷却する可能性がほとんどなく、その質量によらず、固定式操作中においてある温度に達し、この温度は輻射加熱器からの輻射によるエネルギ入力と輻射、熱伝導及び対流によるエネルギ損失との釣合いに起因したものである。加熱器の補助的な冷却において固定カバーを使用すれば、固定カバーも顕著に冷却し、そして次の多層体とともに新たに加熱される。反対に、輸送可能なキャビネットはほぼ室温を有し、そして多層体の熱処理に伴って新たに加熱され、さらに室温付近まで再度冷却されなければならない。
可能な限りの最高透明度の中間素子15を使用すれば、加熱パワーに対する吸収が非常に低くなることは想定できる。そのため、上記式は以下のように書き直されてもよく、
r=ΔT/Δt=Pabs/(c*M)
ここで、rが加熱速度、Pabsが吸収される加熱用輻射である。この方程式は中間素子15と多層体1の両者に用いることができる。そのため、加熱速度rは質量Mと熱容量cの低減に従って増える。しかしながら、吸収が非常にが低いことに起因して吸収される輻射エネルギPabsが非常に低くなると、多層体1は透明の中間素子15を介して加熱されることができ、中間素子15が同一の程度に加熱されることがない。連続操作では、加熱中間素子15に対する加熱によるエネルギ損失は中間素子15の吸収、平均加熱パワー及び循環時間からなる関数であり、これは、新たな基板(多層体1)が各々熱輻射と熱伝導により再度中間素子15の冷却に寄与するからである。輸送可能なキャビネットの場合、プロセス循環の終了時には積極的に冷却することもある。
当然ながら、透明度のより高いガラスセラミックがあるが、吸収がやはり高いので、プロセス循環にわたって、ガラスセラミックは輸送可能なキャビネットとともにほぼ基板温度に加熱されるようになる。使用可能な程度とするのに必要な大きさである石英は非常に高価である。また、中間素子15の温度が基板の温度よりも顕著に低くなると、セレン又は他の融点の低いガス化合物は少なくともそこに一旦凝縮する可能性がある。これは、かなめとなるプロセス段階での一時的なカルコゲン損失をもたらす。凝縮の増加に従って、凝縮物による加熱用輻射に対する吸収が増える。定常状態が確立される。
ここで、本発明は異なる方法を採用しており、つまり、改良された設計及び適切なより薄い材料により中間素子15の質量を顕著に低減した。中間素子15は質量が大きく低下しているため、不透明の材料であってもよい。非常に薄い中間素子15を使用する以外、通常1から5℃/sという所望の高速の加熱速度を実現できない。特に、加工空間の気密性と耐食性・封止性及び中間素子15に起因した機械的安定性に対する要求について、平坦な表面素子と関連支持部材の組合せにより分担しながら個別に最適化することができる。
後にこのことを詳細に解釈する。図4と図5に示される新規な中間素子15はこのことに関するものであり、設備100の蓋12及び/又は底部5として図1と図2の多層体1の熱処理に用いられることができる。
Figure 2022519048000014
Figure 2022519048000015
Figure 2022519048000016
膜を用いて底部5を形成する場合、突起によりパターニングを行うことで、多層体1との接触面積を可能な限り小さくすることが好ましい。そのため、熱伝導の影響が抑えられている。
図1と図2の多層体1を熱処理するための設備100の蓋12と底部5はいずれも図4と図5に示される中間素子15として構成される場合、二つのフレーム13を使用し、それらは一方を他方の上や内部に置いてもよく、そして非固定的に接続されるか非破壊的に分離可能に接続される。
図6には横断面として中間素子15の別の例示的な実施例が示されている。この中間素子15は図4と図5の中間素子15をさらに工夫したものである。図7には中間素子15の平面図が示されている。不要な繰返しを回避するために、図4と図5の例示的な実施例との相違のみについて説明し、他の点について上述したものを参照する。
そのため、中間素子15は可撓性膜18又は剛性板19として構成される表面素子17を含む。可撓性膜18と同様に、剛性板19はフレーム13の完全な内部領域を延びる。中間素子15は、例えばワイヤ格子23として構成される支持部材22をさらに含む。ワイヤ格子23は互いに交差しながら接続した複数本の直線状ワイヤ20で構成される。互いに交差するワイヤ20により複数の多辺形メッシュが形成される。ワイヤ格子20はフレーム13内の表面素子17の完全な表面(即ち、第一表面27)を延びる。図6から分かるように、ワイヤ格子23は接続点21にて表面素子17に固定的に接続される。中間素子15とフレーム13の固定接続について、表面素子17はフレーム13に固定的に接続される(例えば挟み込まれる)が、支持部材22は直接フレーム13に固定的に接続されていない。代替的に、支持部材22をフレーム13に固定的に接続しながら、表面素子17をフレーム13に固定的に接続しないようにしてもよい。そして、表面素子17は支持部材22に挟み込まれるか締結される。他の代替形態では、表面素子17と支持部材22はいずれの場合でも直接フレーム13に固定的に接続されてもよい。
支持部材22は表面素子17のエネルギ源16を向く側に配置され、ここで、例えば表面素子17の第一表面27に触れるように接触する。支持部材22はエネルギ源16の方向に表面素子17を平坦に支持し、表面素子17に十分な機械的安定性を持たせることが確保されている。
接続点21は例えば低伝熱性を有する接着剤例えばセラミック接着剤からなる。接続点21により表面素子17をワイヤ20に締結したので、表面素子17を必ずしもフレーム13に挟み込む必要がなく、これは、機械負荷をワイヤ20が負うためである。図4と図5の例示的な実施例(表面素子17が機械的支持部材22により支持されていないもの)に比べて、機械負荷がワイヤ20により吸収されるので、重量や発生する曲がり力による一層高い機械負荷に耐えられる。膜18又は薄板19はフレーム13に接合することで、加工空間に十分な気密性を持たせるようにしなければならない。
表面素子17は厚さの低い剛性板19として構成されてもよい。例えば、複合材料例えば炭素繊維補強炭素、ガラスセラミック、あるいは、高軟化点を有するガラス例えばホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス又は石英ガラスを材料として使用してもよい。板19は非常に薄く、その厚さが好ましくは4mm、より好ましくは1mm、さらに好ましくは0.3mmより小さい。
Figure 2022519048000017
膜18又は薄板19は伝熱性が良好であれば、ワイヤ20による遮蔽は多層体1への輻射にほとんど影響を与えない。この実施例では、中間素子15の質量を非常に低くすることができる。複合技術を採用しているので、要件や機能は二つの部品のそれぞれにより分担されるようになり、つまり、膜18又は薄板19により耐食性と封止性に起因した負荷に対応し、ワイヤ格子23により引張強度や曲げ強度などの機械的要件に対応している。
いま図8から図11を参照し、中間素子15の別の例示的な実施例が示されている。図8には横断面図(表面素子17に垂直)が示され、図9には同様に横断面図(表面素子17に垂直で、図8に垂直)が示され、図10には平面図が示され、図11には別の平面図が示されている。不要な繰返しを回避するために、図6と図7の例示的な実施例との相違のみについて説明し、他の点について上述したものを参照する。
そのため、中間素子15は、ワイヤ20の代わりにロッド24から形成される支持部材22を含む。図10の平面図に示されるように、ロッド24は互いに交差するロッド24を有するロッド格子25として配置されてもよく、ワイヤ格子23と類似する。ロッド格子25は複数の多辺形メッシュを有する。図11に示される代替実施例では、ロッド24は線状配置26として配置され、そして平行に並列されて配置されている。ロッド格子25又は線状配置26はフレーム13内の表面素子17の表面全体(即ち、第一表面27)を延びる。特に図9から分かるように、いずれの場合でも、ロッド24は接続点21にて表面素子17に固定的に接続される。
ロッド24は例えば黒鉛、金属、セラミック又はガラスセラミックからなる。好ましくは、ロッド24は矩形横断面を有する。短手辺が表面素子17と平行である矩形横断面によれば、高剛性と遮蔽の低減の両立が図られている。材料と構造によっては、ロッド24の横断面は有利的には丸状(丸いロッド)、環状(管状)、T字状(T形梁)又は二重T字状(二重T形梁)であってもよい。ロッド24は有利的には半透明、さらに好ましくは透明の材料からなる。好ましくは、ロッド24による加熱用輻射に対する吸収が20%、好ましくは10%、さらに好ましくは5%より小さい。透明なので、表面素子17への加熱用輻射の遮蔽が非常に低くなる。加熱工程において、ロッド24は加熱用輻射と熱伝導により加熱される。しかしながら、構造によっては、表面素子17とロッド24との間にはいつまでも温度勾配が存在する。
図12には図9に対して追加物であるエネルギ源16を有するものが示されている。図面から分かるように、ロッド24が透明であるので、加熱用輻射6、8への干渉が非常に僅かになる。表面素子17の表面(即ち、第一表面27)に垂直に当たる加熱ビームAはロッド24のそばから通過する。同様に、表面素子17の表面に垂直に当たる加熱ビームCは大部分が透明ロッド24を透過できる。傾斜してロッド24を透過する加熱ビームBも表面素子17の表面に当たることができる。
ロッド24を使用する場合、ロッド24と表面素子17との間に断熱材を追加することは有利である。セラミック接着剤が有利である。冷橋を低減するために、点として締結を行ってもよい。表面素子17の伝熱性が高いながら接続材料の伝熱性が低ければ、遅延加熱の影響を最小化できる。表面素子17に垂直かつ平面に配向されるロッド24によれば、表面素子17は顕著に硬くなることができる。そのため、表面素子17に要求される機械的要件が低下でき、ロッド24同士間の自立性表面が顕著に小さくなる。表面素子17の曲げ強度が二つのロッド24間の自立性表面での圧縮負荷に耐えられるように、ロッド24の間隔と横断面について最適化を行うべきである。ロッド24の数、間隔及び横断面の全体的な寸法について単に必要な大きさを選択するべきである。当然ながら、表面素子17に垂直なロッド24による質量や剛性に対する最適化は平板のみを用いる場合よりもはるかに良好である。ロッド24によるロッド格子25又は線状配置26を有する表面素子17により、顕著に剛性の高くて質量のより低い複合体が形成される。
図13には多層体1を熱処理するための方法が示されている。この方法は、多層体1を本発明による多層体1を熱処理するための設備100に置く第一ステップS1と、底部側と蓋側から加熱用輻射により多層体1を照射する第二ステップS2とを含む。それぞれの加熱用輻射が装置の蓋と底部に当たることで、(小さくなった)加工空間が形成される。
本発明は多層体を熱処理するための改良された装置、設備及び方法を提供し、中間素子の少なくとも一つの質量が顕著に低下できる。この中間素子は可撓性膜として構成される表面素子を有するか、それとも可撓性膜又は剛性薄板として構成されながら支持部材により機械的に支持される表面素子を有する。質量が低下したので、中間素子の機械的安定性と耐食性に影響を与えずに、多層体の熱処理のコストを低下させることができる。
1…多層体、2…基板、3…裏電極層、4…前駆体層、5…底部、6…下部加熱用輻射、7…底部輻射器群、8…上部加熱用輻射、9…熱輻射、10…熱伝導、11…蓋輻射器群、12…蓋、13…フレーム、14…加工空間、15…中間素子、16…エネルギ源、17…表面素子、18…膜、19…板、20…ワイヤ、21…接続点、22…支持部材、23…ワイヤ格子、24…ロッド、25…ロッド格子、26…線状配置、27…第一表面、28…第二表面、29…蓋外面、30…蓋内面、31…底部外面、32…底部内面、100…多層体1を熱処理するための設備、101…加工空間14を形成するための装置、102…多層体1を熱処理するための装置。

Claims (15)

  1. 加熱用輻射(6、8)を生成するための少なくとも一つの輻射加熱器を有するエネルギ源(16、7、11)と、多層体(1)と、前記エネルギ源(16、7、11)と前記多層体(1)との間に配置される中間素子(15、5、12)とを含み、前記中間素子は可撓性膜(18)として構成される表面素子(17)を含む多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  2. 加熱用輻射(6、8)を生成するための少なくとも一つの輻射加熱器を有するエネルギ源(16、7、11)と、多層体(1)と、前記エネルギ源(16、7、11)と前記多層体(1)との間に配置される中間素子(15、5、12)とを含み、前記中間素子は可撓性膜(18)又は剛性板(19)として構成される表面素子(17)を含み、前記表面素子(17)は前記エネルギ源(16、7、11)を向く表面(27)を有し、前記加熱用輻射(6、8)により照射され得るものであり、前記エネルギ源(16、7、11)を向く前記表面(27)は前記エネルギ源(16、7、11)を向く方向において支持部材(22、23、25、26)により機械的に支持される多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  3. 前記可撓性膜(18)は、
    a)黒鉛又は複合材料、特に炭素繊維補強炭素を含むこと、
    b)一側又は両側に耐食層が塗布された金属箔であること、又は、
    c)金属箔を接着剤により黒鉛膜の一側又は両側に接着した複合膜であることという特性を有する、請求項1又は請求項2に記載の多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  4. 前記剛性板(19)はガラスセラミック、複合材料特に炭素繊維補強炭素、あるいは、軟化点が800℃より高いガラス特にホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス又は石英ガラスを含む、請求項2に記載の多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  5. 前記表面素子(17)の厚さが4mm、好ましくは1mm、特に好ましくは0.3mmより小さい、請求項1~請求項4のいずれかに記載の多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  6. 前記表面素子(17)による前記加熱用輻射(6、8)に対する反射率が10%、好ましくは5%、特に好ましくは2%より小さい、請求項1~請求項5のいずれかに記載の多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  7. 前記表面素子(18)は前記表面素子(18)に垂直な数ミクロンから数百ミクロンの高さを持つ突起パターンを有する、請求項1~請求項6のいずれかに記載の多層体を熱処理するための装置(102)。
  8. 前記支持部材(22)は、互いに交差する線形支持素子(20、24)による格子(23、25)又は並列される線形支持素子(20、24)による線状配置(26)として構成される、請求項2~請求項7のいずれかに記載の多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  9. 前記線形支持素子(20、24)は金属特に耐食層の塗布された金属、黒鉛、セラミック、ガラスセラミック、軟化点が800℃より高いガラス例えばホウケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス又は石英ガラス、あるいは、複合材料特に炭素繊維補強炭素を含む、請求項8に記載の多層体を熱処理するための装置(102)。
  10. 前記線形支持素子(20、24)は、前記表面素子(17)における前記エネルギ源(16、7、11)を向く前記表面(27)の10%、好ましくは5%、さらに好ましくは2%より小さい面積を占める、請求項8又は請求項9に記載の多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  11. 前記加熱用輻射(6、8)に対して前記線形支持素子(20、24)が半透明又は透明である、請求項8~請求項10のいずれかに記載の多層体(1)を熱処理するための装置(102)。
  12. 底部(5)と、蓋(12)と、少なくとも一つのフレーム(13)とを含み、前記底部(5)、前記蓋(12)及び前記少なくとも一つのフレーム(13)により多層体(1)を収容するための加工空間(14)が形成される加工空間(14)を形成するための装置(101)と、
    前記蓋(12)に隣接して配置される蓋側エネルギ源(16、11)と、
    前記底部(5)に隣接して配置される底部側エネルギ源(16、7)と、
    前記蓋側エネルギ源(16、11)、前記蓋(12)及び前記多層体(1)により前記多層体(1)を熱処理するための第一装置(102)が形成され、及び/又は、前記底部側エネルギ源(16、7)、前記底部(5)及び前記多層体(1)により前記多層体(1)を熱処理するための第二装置(102)が形成される請求項1~請求項11のいずれかに記載の多層体(1)を熱処理するための少なくとも一つの装置(102)と、
    を含む多層体(1)を熱処理するための設備(100)。
  13. 多層体(1)を熱処理するための前記少なくとも一つの装置(102)では、前記表面素子(17)が前記フレーム(13)に固定的に接続され、及び/又は、前記支持部材(22)が前記フレーム(13)に固定的に接続される、請求項12に記載の多層体(1)を熱処理するための設備(100)。
  14. 多層体(1)を熱処理するための前記第一装置(102)では、前記フレーム(13)及び/又は前記支持部材(22)が第一フレーム(13)に固定的に接続され、並びに、多層体(1)を熱処理するための前記第二装置(102)では、前記フレーム(13)及び/又は前記支持部材(22)が第二フレーム(13)に固定的に接続され、前記二つのフレーム(13)は固定的に接続されていない、請求項12に記載の多層体(1)を熱処理するための設備(100)。
  15. 前記多層体(1)を請求項12~請求項14のいずれかに記載の多層体(1)を熱処理するための設備(100)に置くことと、前記蓋(12)と前記底部(5)を狙う加熱用輻射(6、8)により前記多層体(1)を照射することとを含む多層体(1)を熱処理するための方法。
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