JP5756105B2 - パーキンソン病の治療のための組成物および方法 - Google Patents

パーキンソン病の治療のための組成物および方法 Download PDF

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Description

出願の分野
本出願は、ハロペリドールなどの抗精神病薬を含めた受容体阻害剤の組成物、およびパーキンソン病の臨床症状を軽減するための方法に関する。さらに、本出願は、パーキンソン病の臨床症状を軽減する手段としての、パーキンソン病に関連した受容体における過感受性を促進するための、ドーパミン受容体阻害剤を含めた受容体阻害剤の組成物の使用方法に関する。
出願の背景
パーキンソン病
パーキンソン病は、およそ200人に1人がその生涯の間に発症する。該疾患には、他の症状の中でも、手指の振戦、全身的な無動、椅子から立ち上がれないこと、ゆっくりとした歩行、前屈姿勢、無表情な顔、便秘が含まれ得る。
パーキンソン病は、脳における、特に、腕、脚、および身体動作の制御を調節するのに重要な領域である尾状核および被殻における、ドーパミン含有量の顕著な低下によって引き起こされる。
抗パーキンソン医薬の種類
臨床現場で用いられる抗パーキンソン医薬には多くの種類がある。これらの医薬には、以下が含まれる:
1.経口で服用されるL-DOPA。L-DOPAはドーパミンが少ない脳領域に入り、L-DOPAはその領域で代謝されてドーパミンを産生する。1日あたり数グラムという高用量のL-DOPAが必要とされ得る。他の医薬を同時に服用して、他の体内組織によるL-DOPAの代謝を最小限に抑えることによって、より高濃度の循環L-DOPAを提供することができる。
2.ブロモクリプチン、アポモルフィン、N-プロピルノルアポモルフィン、プラミペキソール、カベルゴリン、ペルゴリド、およびキナゴリドを含めた、ドーパミンD2受容体アゴニスト。
3.アデノシンまたはコリン作動性の神経伝達に影響を及ぼす他の多くの医薬も、パーキンソン病の軽減に関して検討中である。
パーキンソン病における抗精神病薬の使用
ヒト線条体においてPETまたはSPETによって測定されるように、統合失調症を含めた様々な精神病の治療において、有効用量の抗精神病薬物は、患者の脳線条体におけるドーパミンD2受容体の60%〜80%を占有する。しかしながら、クロザピンおよびクエチアピンは、一貫して明らかな例外となっている。例えば、治療上有効な抗精神病用量のクロザピンを服用している患者において、この薬物は、ポジトロン断層撮影法または単一光子断層撮影法のいずれかを用いて種々の放射性リガンドによって測定されるように、脳ドーパミンD2受容体の0%〜約50%しか占有しない。
クロザピンによるD2の占有率が明らかに低いことにより、D2がクロザピンの主要な抗精神病標的ではないことが示唆され得るが、クロザピンおよびクエチアピンによるD2の占有率が明らかに低いことは、これら2種の抗精神病薬がドーパミンD2受容体から急速に解離するという事実によって容易に説明される。これは、2種の非定型薬物であるレモキシプリドおよびアミスルプリドにも当てはまる。例えば、ヒトクローン化ドーパミンD2受容体は、それらが[3H]ハロペリドールまたは[3H]クロルプロマジンを放出するよりも少なくとも100倍速く、[3H]クロザピン、[3H]クエチアピン、[3H]レモキシプリド、および[3H]アミスルプリドを放出する。
これらのインビトロデータは、統合失調症患者およびボランティアにおいて、クロザピン、クエチアピン、およびハロペリドールに対して臨床的に見られるものと一致する。例えば、24時間にわたりそのD2占有率を一定に維持するハロペリドールとは対照的に、クエチアピンおよびクロザピンによるD2のヒト脳(線条体)占有率は24時間以内に急速に低下することが、([11C]ラクドプライドを用いた)PETによって明らかになっている。
ゆえに、これらの非定型抗精神病薬によって示された低いD2受容体占有率は、ドーパミンD2受容体からのクロザピンおよびクエチアピンの急速な放出、ならびに内在性ドーパミンによるそれらの置換によって容易に説明されるであろう。クロザピンおよびクエチアピンの急速な放出は、用いられる臨床用量にかかわらず迅速に生じる分子事象であることを強調することが重要である。言い換えれば、たとえ高用量のクロザピンおよびクエチアピンを患者において用いるとしても、これらの薬物はD2受容体への接近および急速な切り離しを続け、それによって、該受容体への内在性ドーパミンの広範かつ頻繁な接近が可能になる。
上記で概説したように、非定型抗精神病作用の「高速オフ」理論とは、非定型物がドーパミンD2受容体に対して低親和性を有し、かつこれらの受容体と緩く結合し、かつこれらの受容体から急速に放出されるというものである。該理論の重大な局面は、非定型抗精神病薬はドーパミン自体に結合するよりも緩くD2に結合するが、一方で従来の定型抗精神病薬はドーパミンよりも堅く結合することである。
2nM〜10nMの解離定数(K値)を有する抗精神病薬は用量依存的な錐体外路兆候を呈することが多いため、定型と非定型の抗精神病薬の境界は明確でも正確でもない。ゆえに、定型と非定型の抗精神病薬の線引きは明確な分割線ではなく、むしろ連続的なものである。抗精神病薬は、D2受容体へのその結合がより緩くなればなるほど、かつそれらの放出がより迅速になればなるほど、ますますより非定型になる。多くの非定型抗精神病薬は、1.8nM(ナノモル/L)よりも緩い解離定数での緩い結合性を有するが、それらは未だ、用量依存的なパーキンソニズムを引き起こし得る。例えば、5.1nMの解離定数を有するオランザピンは、一部の患者において、特により高い用量で、錐体外路兆候の用量依存的な発生を伴うことが公知である。クロザピン、レモキシプリド、クエチアピン、およびメルペロンのように結合が極めて「緩い」場合、本質的に全くEPSは生じない(が、これらの薬物に関してさえEPSを示すこの上なく感受性の高い患者は存在する)。D2受容体に対して「緩」過ぎるすなわちあまりにも低過ぎる親和性を有する薬物は、いかなる抗精神病活性も全く示さなくなる。さらには、D2受容体での非定型物の占有率の程度はEPSに直接的な影響を有するが、オランザピンおよびクロザピンの強力な抗コリン作用によりさらなる抗EPSメカニズムが提供される。
L-DOPA精神病
上記の「高速オフD2」理論によって、低用量の非定型抗精神病薬がL-DOPA精神病を軽減することが予測される。(L-DOPA治療の結果としての)パーキンソン病における精神病を有する患者の治療は、クロザピンまたはクエチアピンなどの非常に緩く結合する非定型抗精神病薬を用いて最善になされ、正常な運動機能が継続するのに必要とされる低レベルのドーパミン神経伝達を可能にする。パーキンソン患者はドーパミンが欠乏しており、そのため残存する低レベルのドーパミン機能を遮断しないことが一般的に重要である。仮説は、緩く結合している抗精神病薬が内在性ドーパミンで置換できる場合に、非定型抗精神病作用(すなわち、低いEPS)が生じるというものである。これは、低用量の非定型抗精神病薬がL-DOPA精神病を有するパーキンソン患者に有用であるという知見と合致している。
パーキンソン病患者におけるL-DOPA精神病は、統合失調症における精神病を治療するために通常用いられる用量の約10%の用量のクロザピンで最善に治療される。「高速オフD2」仮説によって、これは容易かつ定量的に予測される。上記で提示したように、D2受容体を占有するのに必要とされる抗精神病用量は、K×[1+D/D](式中、Kは抗精神病薬の解離定数であり、Dは瞬間的な神経インパルスの間のシナプス間隙におけるドーパミンの濃度(約200nM)であり、ここで、Dは高親和性状態のD2(約1.75nM)におけるドーパミンの解離定数である)に比例する。パーキンソン病において、ドーパミン含有量の90%〜95%が喪失している場合、Dの値は約20nMであると考えられる。したがって、L-DOPA精神病に対する抗精神病用量は、統合失調症精神病に対するよりも、{1+D/D}正常/{1+D/D}パーキンソン、すなわち{1+200/1.75}/{1+20/1.75}、すなわち10倍低いと考えられる(P. Seeman. Canad. J. Psychiat. 47: 27-38, 2002(非特許文献1))。
ゆえに、500mgクロザピンの1日用量は統合失調症精神病を治療するのには適しているが、L-DOPA精神病を治療するのには50mg(または、それ未満)の用量が十分であろう。
ハロペリドール
ハロペリドールは、第一世代の「定型」抗精神病医薬である。このクラスの薬物には、多くの副作用が伴う。以下は、長期ベースで1日あたり5〜20mgである1日常用量の経口ハロペリドールを用いた、そのような副作用である。心血管系作用には、頻脈、低血圧および高血圧、QT延長および/または心室性不整脈、トルサード・ド・ポアントを示すECGパターン、ならびに突然死が含まれる。中枢神経系作用には、パーキンソン様兆候、アカシジアまたはジストニア(後弓反張および注視発作を含めた)、遅発性ジスキネジアおよび遅発性ジストニアなどの錐体外路兆候(EPS)が含まれる。以下は、標準的な抗精神病用量のハロペリドールの使用に伴う他の中枢神経系作用である:不眠症、情動不安、不安、多幸感、動揺、眠気、鬱状態、無気力、頭痛、錯乱、めまい、および痙攣大発作。神経遮断薬性悪性症候群(NMS)、異常高熱症、および熱射病がハロペリドールに関して報告されている。
以下は、ハロペリドールの使用に関する現在の適応症の一覧である:薬物誘発性の精神病(LSD、アンフェタミン、フェンシクリジン)などの急性精神病;脳硬化症、アルコールおよびオピオイド離脱の補助的治療、チック、トゥレット症候群、および舞踏病などの神経障害の治療、重度の悪心/嘔吐(術後性、放射線および癌化学療法の副作用)の治療、鎮痛剤を常用する重度の慢性疼痛、境界性人格障害などの人格障害の補助的治療に伴う、ならびに難治性吃逆の治療における、急性の躁病、活動亢進、攻撃性、動揺、および錯乱。
P. Seeman. Canad. J. Psychiat. 47: 27-38, 2002
出願の概要
本出願では、機能的なまたは「高親和性」状態の受容体のレベルを増大させるためなどの極めて低レベルのドーパミンD2受容体遮断によって制御される、低レベルの付加的なシナプス後受容体過感受性が、パーキンソン病の症状を軽減し得ることを示している。
したがって、本出願には、高親和性状態の受容体の量を上昇させるのに有効な量の受容体阻害剤をそれを必要としている対象に投与する工程、受容体過感受性を誘発する工程を含む、パーキンソン病を治療する方法が含まれ、該受容体はパーキンソン病の症状に関連している。
さらなる局面では、前記方法には、受容体過感受性が誘発された後に受容体阻害剤の投与を中断する工程;続いて、受容体過感受性の誘発が低下するのに十分な時間の後に受容体阻害剤の投与を再開する工程;ならびに任意で、パーキンソン病の症状を治療するのに有効な期間にわたり投与サイクルの該中断と該再開を繰り返す工程も含まれる。
本出願には、パーキンソン病の症状を治療するための受容体阻害剤の使用がさらに含まれ、該受容体阻害剤は高親和性状態の受容体の量を上昇させるのに有効な量および期間で用いられ、これにより受容体過感受性が誘発され、該受容体はパーキンソン病の症状に関連している。一態様では、受容体過感受性が誘発された後に受容体阻害剤の使用を中断し、その後、受容体過感受性の誘発が低下するのに十分な時間の後に受容体阻害剤の使用を再開し、かつ任意で、パーキンソン病の症状を治療するのに有効な期間にわたりサイクルの該中断と該再開を繰り返す。
本出願の一態様では、対象は、有効量のドーパミンアゴニストによる治療を受けているパーキンソン患者である。
本出願の一態様では、パーキンソン病の症状に関連している受容体は、ドーパミンD2受容体である。
本出願の一態様では、ドーパミンD2受容体量を上昇させ、それによってドーパミン過感受性を誘発するのに有効であるドーパミンD2受容体阻害剤の量は、ドーパミンD2受容体阻害剤の定型抗精神病1日用量のおよそ100分の1〜10分の1である。
低投薬量のドーパミンD2受容体阻害剤は、ドーパミンD2受容体のほぼ1%程度またはそれ未満を占有し、ゆえにいかなる付加的パーキンソニズムまたは錐体外路運動反応も回避すると考えられる。この低レベルのドーパミン過感受性は、高親和性状態、つまりD2にあるドーパミンD2受容体の割合の上昇をドーパミンD2受容体阻害剤により誘発することによって仲介される。本出願の方法は、ハロペリドールおよび他の抗精神病剤、ならびにパーキンソン病の症状に関連している他の受容体に適用可能である。
[本発明1001]
高親和性状態の受容体の量を上昇させるのに有効な量の受容体阻害剤をそれを必要としている対象に投与する工程、受容体過感受性を誘発する工程を含む、パーキンソン病を治療する方法であって、該受容体がパーキンソン病の症状に関連している、方法。
[本発明1002]
受容体過感受性が誘発された後に前記受容体阻害剤の投与を中断する工程;続いて、受容体過感受性の誘発が低下し始めるのに十分な時間の後に該受容体阻害剤の投与を再開する工程;ならびに任意で、パーキンソン病を治療するのに有効な期間にわたり投与サイクルの該中断と該再開を繰り返す工程をさらに含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記受容体がドーパミンD2受容体である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
前記ドーパミンD2受容体における過感受性を刺激するために用いられるドーパミンD2受容体阻害剤が定型抗精神病剤である、本発明1003の方法。
[本発明1005]
前記定型抗精神病剤が、ハロペリドール、クロルプロマジン、フルフェナジン、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロキサピン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールより選択される、本発明1004の方法。
[本発明1006]
前記定型抗精神病剤がハロペリドールである、本発明1005の方法。
[本発明1007]
ドーパミンD2 受容体量を上昇させてドーパミン過感受性を誘発するのに有効であるドーパミンD2受容体阻害剤の量が、ドーパミンD2過感受性および/またはパーキンソン病の症状の低減をもたらす用量である、本発明1003〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
ドーパミンD2 受容体量を上昇させてドーパミン過感受性を誘発するのに有効であるドーパミンD2受容体阻害剤の量が、該阻害剤の定型抗精神病1日用量の約100分の1である、本発明1007の方法。
[本発明1009]
前記ドーパミンD2受容体阻害剤がハロペリドールであり、かつ低用量ハロペリドールの経口調製物が、1投薬単位あたり約0.005〜1.0ミリグラム、約0.01〜0.5ミリグラム、約0.025〜0.1ミリグラム、または約0.025〜0.05ミリグラムのハロペリドールを含有する錠剤、カプセル剤、または滴剤として製剤化されている、本発明1008の方法。
[本発明1010]
ドーパミンD2 受容体量を上昇させてドーパミン過感受性を誘発するのに有効な量を投与した後のドーパミンD2受容体阻害剤の受容体占有率が約1%または2%である、本発明1003〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
(a)約3日間〜約20日間、約3日間〜約10日間、または約3日間〜約7日間にわたり低用量のドーパミンD2受容体阻害剤を投与した後、約3日間〜約20日間、約3日間〜約10日間、または約3日間〜約7日間にわたりドーパミンD2受容体阻害剤を投与しないか偽薬を投与する工程;ならびに
(c)任意で、パーキンソン病の症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)を繰り返す工程
を含む、本発明1001〜1010のいずれかの方法。
[本発明1012]
前記低用量のドーパミンD2受容体阻害剤が、1日あたり約0.005mg〜約0.05mg、または約0.01〜約0.025mgである、本発明1012の方法。
[本発明1013]
(a)約7日間〜約20日間または約7日間〜約10日間にわたり隔日で高用量のドーパミンD2受容体阻害剤を投与した後、約7日間〜約20日間または約7日間〜約10日間にわたりドーパミンD2受容体阻害剤を投与しないか偽薬を投与する工程;ならびに
(c)任意で、パーキンソン病の臨床症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)を繰り返す工程
を含む、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1014]
前記高用量のドーパミンD2受容体阻害剤が、単回用量または分割用量で、1日あたり約0.1mg〜約1.0mg、または約0.5mgである、本発明1013の方法。
本出願の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明白になるであろう。しかしながら、本出願の精神および範囲内の種々の変化および修正は、この詳細な説明から当業者に明白になると考えられるため、本出願の好ましい態様を示してはいるものの、詳細な説明および具体的な実施例は例証として付されているにすぎないと理解すべきである。
ここで、添付の図面を参照して本出願をより詳細に説明する。
D2レベルに対する低用量ハロペリドールの効果を示すグラフである。
出願の詳細な説明
本出願は、高親和性状態にあるドーパミンD2受容体の割合を上昇させるその能力に基づく、低用量のハロペリドールの受容体過感受性作用を記載する。これは、精神運動活動の増加をもたらす。
初期のパーキンソン病患者は、低レベルのドーパミンD2受容体過感受性を有し得ることが公知であるが、本明細書における概念は、パーキンソン病の進行の症状を軽減するためにこの過感受性のレベルを上昇させることが臨床的に有益であるというものである。これは、(機能的D2または「高親和性」状態のD2受容体のレベルを増大させるなどのための)極めて低レベルのドーパミンD2受容体遮断によって制御される、低レベルの付加的シナプス後受容体過感受性は、例えばドーパミンアゴニストの日々の作用を大幅に増強させることによって、パーキンソン病の症状を軽減し得るという原理に基づいている。したがって、本出願の一態様は、パーキンソン患者においてドーパミンアゴニスト1日用量に極めて低用量のハロペリドールを追加することである。予備データは、Marinus尺度(Marinus J, Visser M, Stiggelbout AM, Rabey JM, Martinez-Martin P, Bonuccelli U, Kraus PH, van Hilten JJ. A short scale for the assessment of motor impairments and disabilities in Parkinson's disease: the SPES/SCOPA. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75(3):388-395, 2004)を用いて、ジスキネジアの回復を含む、症状の低減を示した。
すべての抗精神病薬物は、それらの標準用量の抗精神病臨床効力と直接相関して、ドーパミンD2受容体を遮断することが明らかになっている(P. Seeman et al., PNAS, 1975)。
本出願は、パーキンソン病の症状の治療のための、毒性が著しく低く、制御された受容体過感受性をもたらす、新規かつこれまで開示されていない組成物および方法に関する。
本出願には、高親和性状態の受容体の量を増大させるのに有効な量の受容体阻害剤をそれを必要としている対象に投与する工程、受容体過感受性を誘発する工程を含む、パーキンソン病の症状を治療する方法が含まれ、該受容体はパーキンソン病の症状に関連している。
さらなる局面では、前記方法には、受容体過感受性が誘発された後に受容体阻害剤の投与を中断する工程;続いて、受容体過感受性の誘発が低下し始めるのに十分な時間の後に受容体阻害剤の投与を再開する工程;ならびに任意で、パーキンソン病の症状を治療するのに有効な期間にわたり投与サイクルの該中断と該再開を繰り返す工程も含まれる。「受容体阻害剤の投与を中断する工程」には、化合物の投与もしくは使用の中止、または、該化合物の投与もしくは使用を偽薬の投与もしくは使用で置き換えることが含まれる。
本出願の一態様では、対象は、有効量のドーパミンアゴニストを用いて治療を受けているパーキンソン患者である。さらなる態様では、ドーパミンアゴニストは、パーキンソン病を治療するのに有用であることが公知であるもの、例えばL-DOPA、Sinemet、ブロモクリプチン、およびプラミペキソールであるが、これらに限定されない。
本出願には、パーキンソン病の症状を治療するための受容体阻害剤の使用がさらに含まれ、該受容体阻害剤は、高親和性状態の受容体の量を上昇させるのに有効な量および期間で用いられ、これにより、受容体過感受性が誘発される。一態様では、受容体過感受性が誘発された後に受容体阻害剤の使用を中断し、その後、受容体過感受性の誘発が低下し始めるのに十分な時間の後に受容体阻害剤の使用を再開し、かつ任意で、パーキンソン病の症状を治療するのに有効な期間にわたりサイクルの該中断と該再開を繰り返す。
本出願の別の態様では、受容体阻害剤をドーパミンアゴニストと組み合わせて使用するか、または組み合わせて使用するために製剤化する。さらなる態様では、ドーパミンアゴニストは、パーキンソン病を治療するのに有用であることが公知であるもの、例えばL-DOPA、Sinemet、ブロモクリプチン、およびプラミペキソールであるが、これらに限定されない。
受容体過感受性を誘発する化合物も、当技術分野において公知である。「受容体過感受性を誘発する」とは、特に対照レベルと比較して、対象の脳内における高親和性状態の受容体の数の増加、または濃度もしくは量の上昇をもたらし得る化合物を指す。
「増加」とは、変数における、例えば対象の脳内における高親和性状態の受容体の量における任意の検出可能な上昇を意味する。
本明細書において用いるとき、当技術分野において十分に理解されているように、「治療」とは、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。有益なまたは所望の臨床結果には、検出可能または検出不可にかかわらず、1つまたは複数の症状または病状の軽減または改善、疾患の範囲の縮小、疾患の安定した(すなわち、悪化していない)状態、疾患の拡大の防止、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の改善または緩和、および(部分的または全体的な)寛解が含まれてよいが、これらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けなかった場合に予想される生存期間と比較した、生存期間の延長も意味し得る。
パーキンソン病の症状は当技術分野において公知であり、以下を含めるが、これらに限定される訳ではない:
初期症状:
寡動:随意運動の減速。動作を開始することの困難、ならびに動作がいったん進行すると終了することの困難が生じる。ドーパミンの減衰による、脳から骨格筋へのシグナル伝達の遅延が寡動をもたらす。寡動および顔面筋に影響を及ぼす強剛は、無表情な「仮面様」顔貌を引き起こし得る。
振戦:患者が作業を行っている時ではなく四肢の安静時に、手、指、前腕、または足で生じる傾向がある。振戦は、口および顎でも同様に生じ得る。
強剛:または筋固縮は、筋肉痛および顔面の仮面化をもたらし得る。強剛は、動作の際に増大する傾向がある。
バランス不均衡:バランスを保持するための姿勢を調整する反射運動の減衰または消失による。転倒は、パーキンソン病患者によく見られる。
パーキンソン病様の歩き方:パーキンソン病に伴う独特の不安定な歩き方である。不自然に後方または前方へ傾き、かつ、前屈し、頭を伏せ、肩をうなだれた体勢をとる傾向がある。腕の振りは減るかなくなり、パーキンソンの人は足を引きずって小刻みに歩く傾向がある(いわゆる、加速歩行)。パーキンソン病患者は、歩き始めるのが難しく、歩くと前方に転倒しそうに見え、歩行中に停止し、かつ曲がることが困難であり得る。
二次症状:
随意および不随意の筋制御の進行性消失は、パーキンソンに伴う多くの二次症状をもたらす。ほとんどの患者ではそのすべてが生じることはなく、症状の強さは人によって異なる。
パーキンソン病の二次症状の一部には、以下が含まれる:
・便秘
・鬱状態
・嚥下困難(嚥下障害)−唾液および食物が口内に集まる、または、喉の奥が詰まるか、咳込むか、もしくは垂涎を引き起こす。
・唾液分泌過多(過流涎)
・発汗過多(多汗症)
・知的能力の消失(認知症)−疾患後期
・心理社会的:不安、鬱状態、孤立感
・落屑、顔および頭皮の乾燥肌(脂漏症)
・問いかけに対するゆっくりとした応答(精神緩慢)
・小さく、びっしりと詰まった筆跡(小字症)
・柔和な、ささやくような声(小声症)
パーキンソン病の症状は、例えばMarinus尺度(Marinus J, Visser M, Stiggelbout AM, Rabey JM, Martinez-Martin P, Bonuccelli U, Kraus PH, van Hilten JJ. A short scale for the assessment of motor impairments and disabilities in Parkinson's disease: the SPES/SCOPA. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75(3):388-395, 2004)を用いて評価することができる。
疾患または障害を「緩和する」とは、障害を治療しないのと比較して、障害または疾患状態の範囲および/または望ましくない臨床徴候を減らす、かつ/または進行の時間経過を減速させるもしくは延長することを意味する。
本明細書において用いる「防止」もしくは「予防」という用語、またはそれらの同義語は、患者がパーキンソン病の症状に苦しむようになるリスクまたは可能性を低下させることを表す。
本明細書において用いる「対象」もしくは「患者」という用語、またはそれらの同義語には、動物界のすべてのメンバー、特にヒトを含めた哺乳類が含まれる。対象または患者とは、適切にはヒトである。
本出願の一態様では、受容体阻害剤はドーパミン受容体阻害剤である。本出願のさらなる態様では、受容体阻害剤はドーパミンD2受容体阻害剤である。
本出願の一態様では、ドーパミンD2受容体における過感受性を刺激するために用いられるドーパミンD2受容体阻害剤は、ハロペリドール、クロルプロマジン、フルフェナジン、モリンドン、チオチキセン、チオリダジン、トリフルオペラジン、ロキサピン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、ピモジド、およびズクロペンチキソールを含めるが、これらに限定されない定型抗精神病剤である。さらなる態様では、ドーパミンD2受容体阻害剤はハロペリドールである。
本出願のさらなる態様では、ドーパミンD2受容体量を上昇させてドーパミン過感受性を誘発するのに有効であるドーパミンD2受容体阻害剤の量とは、ドーパミンD2過感受性および/またはパーキンソン病症状低減をもたらす用量である。
ドーパミンD2受容体阻害剤は異なる効力を有し、該効力に従って用量を調整するべきことは理解されているが、本開示の態様では、用量は、該剤の定型抗精神病1日用量のおよそ100分の1〜10分の1、80分の1〜20分の1、60分の1〜40分の1、または50分の1であってもよく、約1%または2%のドーパミンD2受容体の受容体占有率を達成する量であってもよい。本開示の別の態様では、例えば低用量ハロペリドールの経口調製物は、1投薬単位あたり約0.005〜1.0ミリグラム、約0.01〜0.5ミリグラム、約0.025〜0.1ミリグラム、0.025〜0.045ミリグラム、または約0.040ミリグラムのハロペリドールを含有する、適切には錠剤、カプセル剤、または滴剤として製剤化されていてよい。臨床反応に応じて、本明細書に記載の化合物を、必要に応じて調整され得る適切な投薬量で最初に投与してよい。
本出願の別の態様では、ドーパミンD2過感受性をもたらすために用いられるべき用量スケジュールは、適当な用量と組み合わせてドーパミンD2過感受性をもたらすスケジュールとして決定される。用量スケジュールは、臨床効果を最大にするために用いられる特定のドーパミンD2受容体阻害剤に従って変更されることが見込まれる。
一態様では、ドーパミンD2受容体阻害剤の投与または使用には、3〜20日間、4〜19日間、5〜18日間、6〜17日間、7〜16日間、8〜15日間、または9〜14日間の有効量のドーパミンD2受容体阻害剤の毎日の使用または投与が含まれる。
上述のように、ドーパミン過感受性が誘発された後にドーパミンD2受容体阻害剤の投与または使用を中断してよく、その後、ドーパミン過感受性の誘発が低下し始めるのに十分な時間の後にドーパミンD2受容体阻害剤の投与を再開し、かつ任意で、パーキンソン病の症状を治療するのに有効な期間にわたり投与サイクルの該中断と該再開を繰り返してよい。用量スケジュールの例には、約3日間〜約20日間、適切には約3日間〜約10日間、より適切には約3日間〜約7日間にわたり活性ドーパミンD2受容体阻害剤を投薬する工程、それに続いて、約3日間〜約20日間、適切には約3日間〜約10日間、より適切には約3日間〜約7日間のドーパミンD2受容体阻害剤なしまたは偽薬を投薬する工程、ならびに、必要に応じて活性ドーパミン受容体阻害剤および偽薬のこのサイクルを繰り返す工程が含まれるが、これらに限定されない。
したがって、一態様では、本出願の方法は、
(a)約3日間〜約20日間、適切には約3日間〜約10日間、より適切には約3日間〜約7日間にわたり低用量のドーパミンD2受容体阻害剤を投与した後、約3日間〜約20日間、適切には約3日間〜約10日間、より適切には約3日間〜約7日間にわたりドーパミンD2受容体阻害剤を投与しないか偽薬を投与する工程;ならびに
(b)任意で、パーキンソン病の臨床症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)を繰り返す工程
を含む。
この態様では、「低用量」という用語は、適切には単回用量で、1日あたり約0.005mg〜約0.05mg、約0.01〜約0.050mg、または約0.040mgを意味する。これらの低用量の抗精神病剤と新規の用量スケジュールの組み合わせは、高親和性状態のドーパミンD2受容体の割合の増加を伴う、過感受性の持続をもたらす。この高親和性状態のドーパミンD2受容体の割合の増加の持続によって、内在性ドーパミンに対してシナプス後受容体を感作することを介して、抗パーキンソン病様活性をもたらすことが期待される。
代替的態様では、投薬スケジュールには、約7日間〜約20日間、適切には約7日間〜約10日間にわたる、より多い量のドーパミンD2受容体阻害剤の隔日投与、続いて、約7日間〜約20日間のドーパミンD2受容体阻害剤なしまたは偽薬、ならびに必要に応じて、隔日の活性ドーパミン受容体阻害剤とドーパミンD2受容体阻害剤なしまたは偽薬とのサイクルを繰り返す工程が含まれる。
したがって、別の態様では、本出願の方法は、
(a)約7日間〜約20日間、適切には約7日間〜約10日間にわたり高用量のドーパミンD2受容体阻害剤を隔日投与した後、約7日間〜約20日間、適切には約7日間〜約10日間にわたりドーパミンD2受容体阻害剤を投与しないか偽薬を投与する工程;ならびに
(c)任意で、パーキンソン病の臨床症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)を繰り返す工程
を含む。
この態様では、「高用量」という用語は、適切には単回用量または分割用量で、1日あたり約0.1mg〜約1.0mg、適切には約0.5mgを意味する。「隔日」という用語は、1日おきを意味する。
日数に関する「約」という用語は、+/-1〜5日、適切には+/-3日を意味する。
動物において、ドーパミンD2の増加は、運動活性化作用の指標の1つである活動亢進につながる(P. Seeman et al., PNAS Mar 1, 2005)。
低用量ハロペリドールおよび低用量の他の抗精神病薬は、L-DOPAまたは他のドーパミンD2アゴニストによって引き起こされる精神病の症状の抑制における使用を除いて、パーキンソン病の症状を軽減するのには臨床使用されていない。
本明細書において用いる「受容体過感受性」という用語は、先述のように、内在性ドーパミンまたは別の外因的に投与されたドーパミン受容体アゴニスト医薬によるドーパミンD2受容体の刺激に対する応答の増強を指す。(多くの種類がある)Gタンパク質に連結しているD2受容体は、2つの状態で存在し得る。一方の状態は、例えば、D2受容体に対して1.5nMの解離定数で、受容体アゴニストであるドーパミンに対して高親和性を有し、この状態は高親和性状態、つまりD2と称される。もう一方の状態は、例えば、D2受容体に対しておよそ200〜2000nMの解離定数で、神経伝達物質であるドーパミンに対して低親和性を有し、この状態は低親和性状態、つまりD2と称される。インビトロまたはインビボの局所的条件に応じて、2つの状態は互いに迅速に変換する。高親和性状態は機能的状態と考えられるため(S. R. George et al., Endocrinology 117: 690, 1985)、高親和性状態が低親和性状態に変換するときには必ず「脱感作」の過程が生じる。
一般に用いられるハロペリドールの抗精神病投薬量は1日あたり5〜20mg(経口用量)であるが、本方法は、およそ10〜20日間毎日(経口で)与える、約0.005mg〜約0.5mg、約0.01mg〜約0.1mg、約0.025mg〜約0.05mgの用量を提唱する。投薬は、患者の臨床状態に応じて、持続させてもよく、約1週間中断して約1もしくは2週間後に再開させてもよい。これらの用量および投薬計画は、例示のためであって限定するものではない。
ハロペリドールを含めた受容体阻害剤を、それらの塩、溶媒和物、およびプロドラッグを含めた任意の薬学的に許容される形態で用いてよい。
「薬学的に許容される」という用語は、動物、特にヒトの治療に適合することを意味する。
「薬学的に許容される塩」という用語は、患者の治療に適しているまたは適合する、酸付加塩または塩基付加塩(basic addition salt)を意味する。
本明細書において用いられる「薬学的に許容される酸付加塩」という用語は、任意の塩基化合物の任意の非毒性の有機塩または無機塩を意味する。適切な塩を形成する例示的な無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、およびリン酸、ならびに、オルトリンサン一水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどの金属塩が含まれる。適切な塩を形成する例示的な有機酸には、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、桂皮酸、およびサリチル酸などのモノカルボン酸、ジカルボン酸、およびトリカルボン酸、ならびにp-トルエンスルホン酸およびメタンスルホン酸などのスルホン酸が含まれる。モノ酸塩またはジ酸塩のいずれかが形成され得、そのような塩は、水和形態、溶媒和形態、または実質的に無水形態のいずれかで存在し得る。一般的に、酸付加塩は、水および種々の親水性有機溶媒においてより可溶性であり、一般的にそれらの遊離塩基形態と比較して、より高い融点を示す。適当な塩の選択は、当業者に公知であろう。
本明細書において用いられる「薬学的に許容される塩基付加塩」という用語は、任意の酸性化合物の任意の非毒性の有機塩基付加塩または無機塩基付加塩を意味する。適切な塩を形成する例示的な無機塩基には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、または水酸化バリウムが含まれる。適切な塩を形成する例示的な有機塩基には、メチルアミン、トリメチルアミン、およびピコリンなどの脂肪族、脂環式、もしくは芳香族の有機アミン類、アルキルアンモニア類、またはアンモニアが含まれる。適当な塩の選択は、当業者に公知であろう。
所望の化合物塩の形成は、標準的技術を用いて達成される。例えば、中性化合物を適切な溶媒中で酸または塩基を用いて処理し、形成された塩を濾過、抽出、または他の任意の適切な方法によって単離する。
本明細書において用いられる「溶媒和物」という用語は、適切な溶媒の分子が結晶格子中に組み込まれている化合物または化合物の薬学的に許容される塩を意味する。適切な溶媒は、投与される投薬量において生理学的耐容性を有する。適切な溶媒の例は、エタノール、水などである。水が溶媒である場合、分子は「水和物」と称される。化合物の溶媒和物の形成は、該化合物および該溶媒和物に応じて異なる。一般的に溶媒和物は、適当な溶媒中で化合物を溶解し、冷却または貧溶媒の使用により該溶媒和物を単離することによって、形成される。溶媒和物を、典型的には周囲条件下で乾燥または共沸(azeotroped)する。
本出願は、受容体阻害剤のプロドラッグの使用をその範囲内に含む。一般的に、そのようなプロドラッグは、それが理論上由来する化合物へとインビボで容易に変換可能である化合物の機能的誘導体であると考えられる。プロドラッグは、利用可能なヒドロキシ基またはアミノ基で形成される従来のエステルであってよい。例えば、化合物中の利用可能なOH基またはNH基を、塩基の存在下で、かつ任意で不活性溶媒(例えば、ピリジン中の酸塩化物)中で、活性化酸を用いてアシル化することができる。プロドラッグとして利用されているいくつかの一般的なエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C8-C24)エステル、アシルオキシメチルエステル、カルバメート、およびアミノ酸エステルである。さらなる態様では、プロドラッグは、化合物中のヒドロキシ基が、インビボでヒドロキシ基に変換可能な基としてマスクされているものである。適切なプロドラッグの選択および調製のための従来の手法は、例えば「Design of Prodrugs」ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985に記載されている。
受容体阻害剤は、インビボでの投与に適した生物学的に適合した形態の、ヒト対象への投与のための薬学的組成物へと、適切に製剤化される。
本明細書に記載の組成物を、有効量の活性物質を薬学的に許容されるビヒクルを含む混合物中で組み合わせるというような、対象へ投与し得る薬学的に許容される組成物の調製のための公知の方法によって調製することができる。適切なビヒクルは、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., USA 1985)に記載されている。これに基づき、組成物には、排他的ではないが、1種類または複数種類の薬学的に許容されるビヒクルまたは希釈剤に関連し適切なpHおよび生理学的流体に対して等浸透圧である緩衝液中に含有される、物質の溶液が含まれる。
使用法によれば、記載されている化合物、それらの塩または溶媒和物を、当業者によって理解されるであろう選択される投与経路に応じた種々の形態で患者に投与してよい。本出願の組成物を、例えば経口、非経口、口腔、舌下、経鼻、直腸、パッチ、ポンプ、または経皮投与によって投与してよく、かつそれに応じた薬学的組成物を製剤化してよい。非経口投与には、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、経鼻、肺内、髄腔内、直腸、および局所様式の投与が含まれる。非経口投与は、選択される期間にわたる持続注入によるものであってよい。
本明細書に記載されている化合物を、例えば不活性希釈剤もしくは吸収可能な食用担体とともに経口投与してよく、またはハードゼラチンカプセルもしくはソフトゼラチンカプセルに封入してよく、または圧縮して錠剤としてよく、または食事の食物とともに直接取り込まれてよい。治療的経口投与のために、化合物を、賦形剤と組み合わせてよく、摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁液、シロップ、ウエハーなどの形態で用いてよい。
本明細書に記載されている化合物を、非経口で投与してもよい。溶液を、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合した水中に調製することができる。分散を、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、DMSO、およびアルコールを含むまたは含まないそれらの混合物中に、ならびに油中に調製することもできる。通常の保存および使用条件下で、これらの調製物は、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有する。当業者には、適切な製剤を調製する方法は公知であろう。適切な製剤の選択および調製のための従来の手法および成分は、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences(1990 - 18th edition)および1999年に刊行されたThe United States Pharmacopeia: The National Formulary(USP 24 NF 19)に記載されている。
注射可能な使用に適した薬学的形態には、滅菌水溶液または分散液、および、注射可能な滅菌溶液または分散液の即時調製のための滅菌粉末が含まれる。いかなる場合でも、該形態は滅菌されていなければならず、かつ容易な注入可能性が存在する程度に流体でなければならない。アンプルは好都合な単位投薬形態である。
経鼻投与のための組成物は、エアロゾル、滴剤、ゲル、および粉末として好都合に製剤化されていてよい。エアロゾル製剤は、典型的に、生理学的に許容される水性溶媒または非水溶媒中に活性物質の溶液または微細な懸濁液を含み、かつ通常、噴霧装置を用いた使用のためのカートリッジまたはレフィルの形態をとり得る密封容器中に、滅菌形態で単回または複数回用量の量で提供される。あるいは、密封容器は、単回用量の経鼻吸入器または使用後の破棄が意図される、計量弁を備えたエアロゾルディスペンサーなどの単位分配装置であってよい。投薬形態にエアロゾルディスペンサーが含まれる場合、それは、圧縮空気などの圧縮ガスまたはフルオロクロロ炭化水素などの有機噴射剤であり得る噴射剤を含有する。エアロゾル投与形態は、ポンプ噴霧器の形態もとり得る。
口腔投与または舌下投与に適した組成物には、有効成分が糖、アカシア、トラガカント、またはゼラチンおよびグリセリンなどの担体とともに製剤化されている錠剤、口内錠、およびトローチ剤が含まれる。直腸投与のための組成物は、好都合には、カカオバターなどの従来の坐薬基剤を含有する坐薬の形態である。
局所投与のための組成物は、例えばプロピレングリコール、イソプロピルアルコール、ミネラルオイル、およびグリセリンを含んでよい。局所投与に適した調製物には、塗布薬、ローション、塗布剤(applicant)などの液体または半液体調製物、クリーム、軟膏、もしくはペーストなどの水中油型もしくは油中水型のエマルション;または滴剤などの溶液もしくは懸濁液;または経皮パッチなどの固体放出制御形態が含まれる。上述の成分に加えて、局所用調製物は、希釈剤、緩衝剤、香味剤、結合剤、表面活性剤、増粘剤、潤滑剤、防腐剤、例えばヒドロキシ安息香酸メチル(抗酸化剤を含めた)、乳化剤などの1種類または複数種類の付加的成分を含んでよい。
持続放出または直接放出組成物を、例えばリポソームまたは、活性化合物がマイクロカプセル化、多重コーティングなどによって差次的に分解され得るコーティングで保護されているものに製剤化することができる。本出願の組成物を凍結乾燥させることもでき、例えば注射用製品の調製のために、得られた凍結乾燥物を用いることもできる。
化合物を、単独でまたは上述のように薬学的に許容される担体とともに対象に投与してよく、その割合は、該化合物の溶解度および化学的性質、選択された投与経路、ならびに標準的な薬学的実践によって決定される。
本明細書に記載されている化合物および/または組成物の投薬量は、化合物の薬力学的特性、投与様式、レシピエントの年齢、健康状態、および体重、症状の性質および程度、治療の頻度および実施する場合は同時治療の種類、ならびに治療される対象における化合物のクリアランス速度などの多くの要素に応じて異なってよい。当業者であれば、上記の要素および本出願における開示に基づいて適当な投薬量を決定することができる。
低用量ハロペリドールの経口調製物は、1投薬単位あたり約0.005〜1.0ミリグラム、適切には約0.01〜0.5ミリグラム、より適切には0.025〜0.1ミリグラム、より適切には0.025〜0.05ミリグラムの、本明細書に記載のハロペリドールを含有する、適切には錠剤、カプセル剤、または滴剤として製剤化されていてよい。本明細書に記載の化合物を、必要であれば臨床反応に応じて調整され得る適切な投薬量で最初に投与してよい。
本開示の範囲を理解する際に、本明細書において用いられる「含む」という用語およびその派生語は、記述されている特徴、要素、構成成分、群、整数、および/または工程の存在を特定する制約のない用語であることを意図するものであるが、記述されていない他の特徴、要素、構成成分、群、整数、および/または工程の存在を排除するものではない。前記はまた、「含めた」、「有する」という用語およびそれらの派生語などの類似の意味を有する単語にも適用される。本明細書において用いられる「からなる」という用語およびその派生語は、記述されている特徴、要素、構成成分、群、整数、および/または工程の存在を特定する閉鎖的な用語であることを意図するものであるが、記述されていない他の特徴、要素、構成成分、群、整数、および/または工程の存在は排除する。本明細書において用いられる「から本質的になる」という用語は、記述されている特徴、要素、構成成分、群、整数、および/または工程、ならびに特徴、要素、構成成分、群、整数、および/または工程の基本的かつ新規の特質に対し物質的に影響を及ぼさないものの存在を特定することを意図するものである。
本明細書において用いられる「実質的に」、「約」、および「およそ」などの程度についての用語は、本明細書で特記されない限り、最終結果が大幅に変化しないような、修飾された用語の合理的な量の逸脱を意味する。これらの程度の用語は、この逸脱が、それが修飾する単語の意味を無効にしないと考えられる場合、修飾される用語の少なくとも±5%の逸脱を含むと解釈されるべきである。
実施例1:低用量ハロペリドールのラットへの投与
ヒトにおいて精神病を治療する際のハロペリドールの常用量は、継続ベースで5mg/日〜20mg/日である。これらの治療用量は、ポジトロン放出断層撮影法によって示されるように、ヒトの脳におけるドーパミンD2受容体の60%〜70%を占有することが公知である。ラットでは、ハロペリドール5〜20mg/日のヒト用量は、0.04〜08mg/kgに相当する(S. Kapur, S. C. Vanderspek, B. A. Brownlee, J.N. Nobrega, Antipsychotic dosing in preclinical models is often unrepresentative of the clinical condition: A suggested solution based on in vivo occupancy. J. Pharmacol. Exper. Therap. 305: 625-631, 2003)。
しかしながら、臨床的に用いられるよりもずっと低い0.03mg/kgから最低0.0025mg/kgまでのハロペリドール用量をラットで用いることによって、30%または40%と中程度に上昇したD2受容体のレベルまたは割合がもたらされることは、驚くべき知見であった。そのような動物は、ヒトにおける好奇心の増大および幸福感の増大に類似した、歩行運動の増大および活発な探索を示した。例えば図1のデータは、ラットにおける0.0025mg/kg/日のハロペリドール(腹腔内)によって、4〜5日間でD2受容体の30〜40%の増加が引き起こされたことを示している。具体的には、0.0025mg/kg/日によってD2が5日間で38%増加したことが明らかになり、動物は歩行運動の増大、活発な探索、および良好な毛繕いを示した。
図1のデータは、0.005mg/kgという非常に低用量のハロペリドールが、ほんの3〜5日間でD2受容体をおよそ2倍増加させることを示している。3〜5日目にまたはハロペリドールを中断したら、これらのラットは、自発的に増大した歩行運動と、自分自身の毛繕いがより活発であるという範囲で、幸福感とを示し、かつより自発的に活発になった。これらのデータは、低用量のハロペリドールがラットにおいてD2受容体のレベルを上昇させる効果を有すること、および該アッセイを用いて、動物におけるD2レベルを上昇させる能力について他の剤を評価できることを示している。
実施例2:競合的結合アッセイ
高親和性状態のD2受容体の割合を測定するための方法は、以下のとおりである。(任意の特定の受容体における化合物の競合能を測定するために、一般的方法も用いられる。)
CO2による安楽死後、ラットの脳を直ちに取り出し、線条体を切り出して、使用時まで-80℃で凍結する。線条体を、緩衝液中でテフロンガラス製ホモジナイザーを用いて、500rpmでピストン回転させながら、ガラス容器を10回上下させてホモジナイズする(50mM Tris-HCl[20℃でpH7.4]、1mM EDTA、5mM KCl、1.5mM CaCl2、4mM MgCl2;120mM NaClからなる緩衝液1mLあたり4mgの凍結線条体)。ホモジネートは洗浄しない、なぜならD2受容体の30〜50%がこの手法によって消失し得ることが公知であるためである。
PerkinElmer Life Sciences Inc., Boston, MAによって、[3H]ドンペリドンを[フェニル-3H(N)]ドンペリドン(42〜68 Ci/ミリモル)として受託合成し、2nMの最終濃度で用いる。[3H]ドンペリドンに対する解離定数Kdは、ラット線条体におけるドーパミンD2受容体で0.47nMである。
線条体におけるD2受容体の割合を、ドーパミンと2nMの[3H]ドンペリドンとの競合によって以下のように測定する。各インキュベーションチューブ(12×75mm、ガラス)に、以下の順序で、0.5mlの緩衝液(ドーパミンD2受容体への非特異的結合を規定するための最終濃度10μMのS-スルピリドを含むまたは含まない種々の濃度のドーパミンを含有する)、0.25mlの[3H]ドンペリドン、および0.25mlの線条体ホモジネートを入れる。全量1mlを含有するチューブを室温(20℃)で2時間インキュベートし、その後、インキュベーション産物を12ウェルの細胞回収器(Titertek, Skatron, Lier, Norway)および緩衝液にあらかじめ浸したガラス繊維製フィルターマット(Whatman GF/C)を用いて濾過する。インキュベーション産物を濾過した後、フィルターマットを緩衝液(7.5ml緩衝液)で15秒間濯ぐ。フィルターを押し外し、シンチレーション用ポリスチレン製ミニバイアル(7ml、16×54mm;Valley Container Inc., Bridgeport, Conn.)中に置く。ミニバイアルには、各4mlのシンチラント(Research Products International Corp., Mount Prospect, IL)を入れ、6時間後に、Beckman LS5000TAシンチレーションスペクトロメーターにおいて効率55%でトリチウムについてモニターする。2nMの[3H]ドンペリドンの特異的結合を、全結合マイナスS-スルピリド10μMの存在下での該結合として定義する。1〜100nMのドーパミンで高親和性相が生じ、一方で100〜10,000nMのドーパミンで低親和性相が生じる。2相は明瞭かつ一貫して境界を画しており、コンピューター援用分解により高親和性および低親和性の構成成分とする必要がない。さらには、実験間の高親和性相のD2受容体の割合は非常に安定しており、これによりさらにコンピューター援用解析が不要となっている。
Cheng-Prusoff式(Cheng and Prusoff, 1973)を用いて、ドーパミン/[3H]ドンペリドン競合曲線における高親和性構成成分の50%または低親和性構成成分の50%を阻害した濃度(IC50)からドーパミンの解離定数(Ki値)を導き出す。用いたCheng-Prusoff式の形態は、Ki=IC50/(1+C/Kd)(式中、Cはリガンドの最終濃度であり、かつKdは、組織への飽和結合についての独立した実験(すなわち、Scatchardプロット)によって直接決定される、[3H]ドンペリドンの解離定数である)であった。
D2以外の受容体の特性を調査するためにはクローン化受容体を用いるが、受容体の高親和性状態の検討にはラットの脳組織を用いる。
化合物の解離定数Kを、C50%/[1+C*/Kd](式中、C50%はリガンド結合を50%阻害する薬物濃度であり、C*はリガンド濃度であり、Kdは種々のリガンド濃度を用いた別個の実験から得られるリガンドの解離定数である)として通常どおり算出する。
上記で概説したインビトロ法を用いて、ドーパミンD2受容体におけるハロペリドールのKi値は0.7nMであった。
占有されたD2受容体の画分fは、f=C/(C+Ki)(式中、Cは治療された患者における血漿水分または脊髄水分中のハロペリドールの濃度であり、KiはD2受容体におけるハロペリドールの解離定数0.7nMである)によって与えられる。
低用量ハロペリドール、例えばヒトにおいて1日あたり0.001mg/kgを用いる場合、ハロペリドールの血漿水分濃度は、抗精神病作用を引き起こす、通常濃度の100分の1、つまり血漿水分または髄液水分中で1.5nMであると予想される。
したがって、1日あたり0.001mg/kgのハロペリドールの用量において、占有されると予想されるD2受容体の画分は、0.01nM/(0.01nM+0.7nM)すなわち約1.4%であると考えられる。
したがって、各点が表示されているハロペリドール用量を(腹腔内)投与された2匹のラットの平均である図1と一致して、本明細書で提唱する低用量ハロペリドールの使用は、D2受容体のおよそ1%を占有すると考えられ、これは、パーキンソン病様症状を引き起こすには不十分であるがD2過感受性および運動活性化を引き起こすには十分である。縦座標は、[3H]ドンペリドンとのドーパミン競合の方法を用いた、ホモジネートした線条体中の高親和性状態のドーパミンD2受容体の割合を示す。非特異的結合を10μMのS-スルピリドによって規定した。
実施例3:ヒト調査
(機能的D2状態すなわち「高親和性」状態のD2受容体のレベルを増大させるなどのための)極めて低レベルのドーパミンD2受容体遮断によって制御される、低レベルの付加的シナプス後受容体過感受性は、ドーパミンアゴニストの日々の作用を大幅に増強させることによって、パーキンソン病の症状を軽減し得る。したがって、本実施例の目的は、少数の一連のパーキンソン患者においてドーパミンアゴニスト1日用量に極めて低用量のハロペリドールを追加することである。一人のデータは、Marinus尺度(Marinus J, Visser M, Stiggelbout AM, Rabey JM, Martinez-Martin P, Bonuccelli U, Kraus PH, van Hilten JJ. A short scale for the assessment of motor impairments and disabilities in Parkinson's disease: the SPES/SCOPA. J Neurol Neurosurg Psychiatry 75(3):388-395, 2004)を用いて、ジスキネジアの回復を含めた少なくとも30%〜40%の症状低下を示した。
方法:パーキンソン患者1日用量のドーパミンアゴニストに加えた非常に低用量のハロペリドールによる14日間の試行が、該患者の運動兆候を増強させ、かつ該患者の気分症状を改善するかどうかを確認するために、パーキンソン患者を試験した。
包含基準:L-DOPA、Sinemet、ブロモクリプチン、またはプラミペキソールを含めた1日用量のドーパミンアゴニストを服用しているパーキンソン患者。
除外基準:心臓病などのさらなる重大な病気を患っている患者。
ハロペリドール1日用量:午前中にカプセル剤で40マイクログラム。この用量はD2受容体の1〜2%を占有すると予想され、これは、パーキンソン病様症状を増強するには不十分であるが、D2過感受性および運動活性化を引き起こすには十分である。調査プロトコールの概要は、以下のとおりである:
1日目に、患者のパーキンソン病(PD)を評価し、その後、PDに対する該患者の常用医薬に加えて40マイクログラムのハロペリドール(H)を経口投与する。
2日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
3日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
4日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
5日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
6日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
7日目:患者のPDを評価した後、40マイクログラムのH。
8日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
9日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
10日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
11日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
12日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
13日目:評価なしで、40マイクログラムのHの服用のみ。
14日目:患者のPDを評価する。さらなるHはなし。
患者がHによってより硬直する場合はいつでも、Hの投薬を中断する。
今回は偽薬対象は不要であった。各患者の対照は、1日目に評価された自分自身とした。
パーキンソン兆候/症状の査定:Marinus(同書)による短期尺度(SPES/SCOPA尺度)を用いた。試行のベースライン時および終了時に、患者を査定した。試行の終了時に、ベースラインスコアと試行終了時のスコアとの間の統計比較を行った。
結果:
1回目と2回目において、患者の顔の特徴がより元気かつ表情の無さが低減したように見えた。また1回目と2回目において、患者はより自信を持ってより速く歩き、押し倒されないでいることができた。右側肘関節を触診したところ、強剛のわずかな増加(ベースラインでも1回目および2回目のいずれでも、左には強剛なし)。常に存在していた右手の安静時振戦を除いて、1回目または2回目で不随意運動は認められなかった。
総合的結論:特定のマーカーに関して、ベースライン〜1回目および2回目にわずかな改善が観察され、最も顕著だったのは、歩行および患者の全体的症状、すなわちより不活発さが低減したことであった。結果を表1に要約する。
本開示は、好ましい実施例であると現在考えられるものに関して記載したが、本開示は開示された実施例に限定されるものではないと理解すべきである。それどころか、本開示は、添付の特許請求の範囲の精神および範囲内に含まれる種々の修正および同等の変更を包含することを意図する。
すべての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許、または特許出願が、参照によりその全文が組み入れられることを具体的かつ個々に明記されているのと同程度に、参照によりその全文が本明細書に組み入れられる。本明細書における用語が、参照により本明細書に組み入れられる文献において異なって定義されていることが見出された場合、本明細書において提供されている定義が該用語に対する定義とされる。
(表1)パーキンソン病の調査についてのデータ一覧
Figure 0005756105

Claims (20)

  1. パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するための医薬の製造におけるハロペリドールの使用であって、ハロペリドールが、一日当たり約0.005mg〜一日当たり約0.05mgの量で用いられる、使用。
  2. ハロペリドールが、一日当たり約0.01mg〜一日当たり約0.05mgの量で用いられる、請求項1に記載の使用。
  3. ハロペリドールが、一日当たり約0.04mgの量で用いられる、請求項1に記載の使用。
  4. ハロペリドールが、一日当たり約0.025mg〜一日当たり約0.045mgの量で用いられる、請求項1に記載の使用。
  5. ハロペリドールが、約3日間〜約20日間の毎日、前記量で用いられる、請求項1〜4のいずれかに記載の使用。
  6. (a)約3日間〜約20日間にわたりハロペリドールの前記一日量を使用した後、約3日間〜約20日間にわたりハロペリドールを使用しないか偽薬を使用すること;ならびに
    b)任意で、パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)を繰り返すこと
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用。
  7. (a)約3日間〜約10日間にわたりハロペリドールの前記一日量を使用した後、約3日間〜約10日間にわたりハロペリドールを使用しないか偽薬を使用すること;ならびに
    b)任意で、パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)を繰り返すこと
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用。
  8. (a)約3日間〜約7日間にわたりハロペリドールの前記一日量を使用した後、約3日間〜約7日間にわたりハロペリドールを使用しないか偽薬を使用すること;ならびに
    b)任意で、パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)を繰り返すこと
    を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の使用。
  9. パーキンソン病によって引き起こされる前記症状が、寡動、振戦、強剛、バランス不均衡、パーキンソン病様の歩き方、便秘、鬱状態、嚥下障害、過流涎、多汗症、知的能力の消失、不安、脂漏症、精神緩慢、小字症、および小声症の一つまたはそれ以上より選択される、請求項1〜8のいずれか一項記載の使用。
  10. パーキンソン病によって引き起こされる前記症状が知的能力の消失である、請求項9記載の使用。
  11. パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するための、ハロペリドールを含む薬学的組成物であって、該ハロペリドールの量が、約0.005mg〜約0.050mgである、薬学的組成物。
  12. 組成物が、約0.01mg〜約0.05mgのハロペリドールを含む、請求項11に記載の薬学的組成物。
  13. 組成物が、約0.04mgのハロペリドールを含む、請求項11に記載の薬学的組成物。
  14. 組成物が、約0.025mg〜約0.045mgのハロペリドールを含む、請求項11に記載の薬学的組成物。
  15. 組成物が、約3日間〜約20日間、一日当たり、単回で用いられる、請求項11〜14のいずれかに記載の薬学的組成物。
  16. (a)約3日間〜約20日間にわたり前記組成物が使用された後、約3日間〜約20日間にわたりハロペリドールが使用されないか偽薬が使用されること;ならびに
    (b)任意で、パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)が繰り返されること
    を含む、請求項11〜14のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  17. (a)約3日間〜約10日間にわたり前記組成物が使用された後、約3日間〜約10日間にわたりハロペリドールが使用されないか偽薬が使用されること;ならびに
    (b)任意で、パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)が繰り返されること
    を含む、請求項11〜14のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  18. (a)約3日間〜約7日間にわたり前記組成物が使用された後、約3日間〜約7日間にわたりハロペリドールが使用されないか偽薬が使用されること;ならびに
    (b)任意で、パーキンソン病および/またはパーキンソン病によって引き起こされる症状を治療するのに有効な期間にわたり(a)が繰り返されること
    を含む、請求項11〜14のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  19. パーキンソン病によって引き起こされる前記症状が、寡動、振戦、強剛、バランス不均衡、パーキンソン病様の歩き方、便秘、鬱状態、嚥下障害、過流涎、多汗症、知的能力の消失、不安、脂漏症、精神緩慢、小字症、および小声症の一つまたはそれ以上より選択される、請求11〜18のいずれか一項記載の薬学的組成物。
  20. パーキンソン病によって引き起こされる前記症状が知的能力の消失である、請求項19記載の薬学的組成物。
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