JP5755190B2 - 衝突力推定装置、方法、プログラム、およびそれを備えた機械式駐車システム - Google Patents

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Description

本発明は、衝突力推定装置、方法、プログラム、およびそれを備えた機械式駐車システムに関するものである。
例えば、エレベータ式の機械式駐車装置において、地震により大きな揺れが発生すると駐車室が揺れ、駐車室に格納されている車両が、車両を載置するパレットごとリフト搬送機に逸走し、エレベータの昇降通路を落下して、甚大な被害がもたらされる虞がある。こうした問題に対し、地震の揺れを検出する地震感知器を機械式駐車装置に設けることにより、地震の発生を速やかに検出して駆動装置を停止するとともに、瞬間的にアクチュエータを動作させて、地震が発生した場合であってもロック装置によりパレットの逸走を機械的に抑止する技術が提案されている(下記特許文献1)。
また、下記特許文献2では、横揺れだけでなく縦揺れの地震にも対応するよう、パレットを水平方向の拘束だけでなく上下方向にも拘束し、地震発生時のパレット飛び出しや落下を防止する技術が提案されている。
特開2011−257237号公報 特許第3110303号公報
ところで、機械式駐車装置に設けられるパレットの落下防止装置の強度は、公益社団法人立体駐車場工業会が発行している技術基準に準拠することが推奨されており、駐車室の重量Wと、機械式駐車装置の高さに応じて決定される水平震度Khとの積により求められる設計用水平力Fを落下防止装置の必要強度としている。このように、上記技術基準による設計法では、必要強度を、機械式駐車装置の高さに応じて決定する静的荷重として扱うことで計算を簡易にしていた。
しかしながら、実環境においてパレットは、車両の重量(以下「車重」という)や大きさの異なる車両を載置した実パレット、或いは、車両が載置されない空パレットとなり、かかる重量が異なる場合があるにも関わらず、上記技術基準においては、駐車室の満空状況や車重が考慮されておらず、パレットと落下防止装置との正しい衝突力が推定できず、地震発生時にパレットの落下が防止できないという問題が生じていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、機械式駐車装置のパレットの効率的な落下防止装置を設計できる衝突力推定装置、方法、プログラム、およびそれを備えた機械式駐車システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明は、車両を載置するパレットを搬送装置で駐車室に格納する機械式駐車装置に適用され、前記駐車室における前記パレットの落下を防止する落下防止装置に対する衝突力を推定する衝突力推定装置であって、前記落下防止装置と前記パレットとを含む前記駐車室および前記車両を垂直断面で2次元にモデル化され、前記パレットに載置される前記車両は2質点系モデルとして生成された解析モデルに基づいて、所定の地震波が前記機械式駐車装置に入力された場合における、前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定する推定手段を具備する衝突力推定装置を提供する。
このような構成によれば、車両を載置するパレットを搬送装置で駐車室に格納する機械式駐車装置に適用され、駐車室におけるパレットの落下を防止する落下防止装置に対する衝突力を推定する衝突力推定装置であって、落下防止装置とパレットとを含む駐車室および車両を垂直断面で2次元にモデル化され、車両が2質点系モデルとして生成された解析モデルに基づき、所定の地震波を機械式駐車装置に入力させた場合のパレットと落下防止装置との衝突力が推定される。
このように、車両を2質点系モデルでモデル化するので、衝突力の推定に車重を考慮することができ、パレットと落下防止装置との衝突力を正しく推定することができる。また、2質点系モデルの車重を異ならせることにより、異なる車重に応じた衝突力の推定ができるので、より実環境に合った衝突力が推定でき、パレットの確実な落下防止に繋がる。
上記衝突力推定装置の前記推定手段は、前記パレットと前記落下防止装置との距離を勘案して前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定することが好ましい。
パレットに載置される車両の車重が同じであっても、パレットと落下防止装置との距離に応じて、落下防止装置にかかる衝突力は相違するので、パレットと落下防止装置との距離を勘案できることにより、より実環境に沿った衝突力の推定に繋がる。
上記衝突力推定装置は、実際に計測された前記車両の振動特性をパラメータとして前記解析モデルに設定することが好ましい。
2質点系モデルでモデル化された車両の振動特性をパラメータとして解析モデルを設定することで、実環境に沿った衝突力の推定に繋がる。
上記衝突力推定装置の前記落下防止装置が、付勢力により前記パレットの落下を防ぐばねを有する場合に、前記ばねのばね定数をパラメータとして前記解析モデルに設定することが好ましい。
落下防止装置のパレット落下の防止を左右するばねのばね定数をパラメータとして解析モデルに設定することで、実環境に沿った衝突力の推定に繋がる。
上記衝突力推定装置は、前記機械式駐車装置の高さ条件を含む立駐規模および前記駐車室の満空情報の条件が異なる複数の立駐モデルと、複数の入力地震波とをパラメータとし、時刻歴応答解析に基づいて算出される塔体応答加速度の最大値をもたらした前記入力地震波を、前記所定の地震波として選定する地震波選定手段を具備することが好ましい。
機械式駐車装置内のパレットの高さ、パレットに対する車両の有無、車重に応じて塔体応答加速度が変化することに着目し、広い条件下で算出される塔体応答加速度を比較して、その中から最大値を選定することとしたので、危険側に作用する地震波を選定でき、危険側に考慮した衝突力の推定ができる。立駐規模は、例えば、単基(1機)〜縦列5連基(5機)など、機械式駐車装置の連基数で示される。
本発明は、上記いずれかに記載の衝突力推定装置と、機械式駐車装置とを備えた機械式駐車システムを提供する。
機械式駐車装置に上記衝突力推定装置を備えることにより、パレットの落下防止装置に対する衝突力を外力として推定できるので、パレットの落下を確実に防止させる落下防止装置の設計に役立てられる。また、衝突力推定装置は、既設の機械式駐車装置に対する地震発生時の衝突力の診断装置として用いて良いし、新設する機械式駐車装置に対する地震発生時の衝突力の評価装置として用いても良い。
本発明は、車両を載置するパレットを搬送装置で駐車室に格納する機械式駐車装置に適用され、前記駐車室における前記パレットの落下を防止する落下防止装置の衝突力を推定する衝突力推定方法であって、前記落下防止装置と前記パレットとを含む前記駐車室および前記車両を垂直断面で2次元にモデル化し、前記パレットに載置される前記車両は2質点系モデルとして生成した解析モデルに基づいて、所定の地震波が前記機械式駐車装置に入力された場合における、前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定する衝突力推定方法を提供する。
本発明は、車両を載置するパレットを搬送装置で駐車室に格納する機械式駐車装置に適用され、前記駐車室における前記パレットの落下を防止する落下防止装置の衝突力を推定する衝突力推定プログラムであって、前記落下防止装置と前記パレットとを含む前記駐車室および前記車両を垂直断面で2次元にモデル化され、前記パレットに載置される前記車両は2質点系モデルとして生成された解析モデルに基づいて、所定の地震波が前記機械式駐車装置に入力された場合における、前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定する衝突力推定プログラムを提供する。
本発明によれば、機械式駐車装置のパレットの効率的な落下防止装置を設計できるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る機械式駐車システムの概略図である。 本発明の一実施形態に係る衝突力推定装置の概略構成を示した図である。 本発明の一実施形態に係る衝突力推定装置の機能ブロック図である。 地震波選定部の立駐モデルを説明するための図である。 時刻歴応答解析の解析結果の一例を示した図である。 時刻歴応答解析の解析結果の分布図である。 解析モデル設定部の解析モデルを説明するための図である。 2質点系モデルの運動方程式を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る衝突力推定装置の動作フローである。 加振試験結果と解析モデルに基づく衝突力の推定結果の一例とを比較した図である。
以下に、本発明に係る衝突力推定装置、方法、プログラム、およびそれを備えた機械式駐車システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る衝突力推定装置20を機械式駐車装置10に適用した機械式駐車システム100の概略構成を示している。
機械式駐車装置10は、複数の階を有する構造物内に設置され、車両12を昇降させるリフト搬送機14、リフト搬送機14が昇降する昇降路16に沿って複数の階に配設された格納棚18、及びリフト搬送機14により把持され、入出庫させる車両12を載置するパレット17を備える。
本実施形態では、機械式駐車装置10を90°旋回型の機械式駐車装置として説明するが、旋回角度は90°に限定されず、例えば30°や180°であってもよい。なお、90°旋回型とは、車両12を入出庫させる乗入階(入出庫口)13に車両12を入庫させる向きと格納棚18に格納される向きとが90°異なり、格納棚18に格納する場合に、乗入階13の車両を90°旋回させる方式である。また、本実施形態に係る機械式駐車装置10、乗入階13が1階に設けられるが、乗入階の配設位置は特に限定されない。
図1に示されるように、機械式駐車装置10は、最下階である1階に乗入階13を備え、出入口扉15を介して乗入階13に車両12を入庫させ、乗入階13の上部にある格納棚18に格納させる。また、機械式駐車装置10は、出庫させる車両12を格納棚18から取り出し、出入口扉15を介して乗入階13から出庫させる。
図2は、衝突力推定装置20の電気的構成を示すブロック図である。衝突力推定装置20は、CPU(Central Processing Unit)40、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)42、CPU40による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)44、各種プログラム(例えば、衝突力推定プログラム)及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)46を備えている。
また、HDD46の代わりに、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、フラッシュメモリ、バッテリバックアップ付きのSRAM(Static Random Access Memory)等の記憶素子を用いてもよく、プログラム、利用者情報、及び設定値等のデータの種類に応じて記憶素子を使い分けて記憶させてもよい。
さらに、衝突力推定装置20は、パレット17やリフト搬送機14等を駆動させるためのモータ(不図示)を制御するモータ制御部、及びパレット17やリフト搬送機14等の動作状態を検知するセンサ(不図示)からの信号を受信するセンサ信号受信部50を備えている。
これらCPU40、ROM42、RAM44、HDD46、モータ制御部48、及びセンサ信号受信部50、並びに操作盤28は、システムバス52を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU40は、ROM42、RAM44、及びHDD46へのアクセス、操作盤28に対する操作状態の把握及び画像の表示、モータ制御部48を介したモータの駆動、並びにセンサ信号受信部50を介したパレット17やリフト搬送機14等の動作状態の把握を行うことができる。
次に、上述した衝突力推定装置20が備える各部において実行される処理内容について図3を参照して説明する。なお、図3に示した各部により実現される後述の各種処理は、CPU40がHDD46に記憶されている衝突力推定プログラムをRAM44に読み出して実行することにより実現されるものである。
図3は、衝突力推定装置20が備える機能を展開して示した機能ブロック図である。衝突力推定装置20は、地震波選定部(地震波選定手段)21、解析モデル設定部22、および推定部(推定手段)23を備えている。
地震波選定部21は、機械式駐車装置10の高さ条件を含む立駐規模および駐車室11の満空情報との条件が異なる複数の立駐モデルと、複数の入力地震波とをパラメータとし、時刻歴応答解析に基づいて算出される塔体応答加速度の最大値を所定の地震波として選定する。立駐規模は、例えば、図4に示されるように、単基(1機)、2連基(2機)〜縦列5連基(5機)など機械式駐車装置10の連基数で示す。本実施形態では、立駐規模と駐車室11の満空情報との組み合わせを異ならせた24条件の立駐モデルを時刻歴応答解析で使用する。また、本実施形態に係る時刻歴応答解析は、既知の技術を利用し、塔体(機械式駐車装置10)の固有周期は、0.3〜1秒の範囲を解析の対象とする。
地震波選定部21は、超高層建築物の構造計算に用いられる既往3波(例えば、エルセントロ波、タフト波、八戸波)を極めて稀に発生する地震動であるレベル2地震動(50カイン)に基準化した地震波を入力地震波とする。
なお、本実施形態では、既往3波のエルセントロ波、タフト波、および八戸波をレベル2に基準化したものを入力地震波として使用することとして説明するが、地震波の種類およびレベルはこれに限定されない。
図5は、固有周期が0.3〜1秒の範囲内における、24条件の立駐モデルに対し、既往3波の入力地震波を与えた場合の時刻歴応答解析の解析結果(最大値)の一例、図6は、その分布図を示している。図5に示されるように、本実施形態においては、エルセントロ波が地表面加速度511〔gal〕である場合に最大塔体応答加速度2481〔gal〕、タフト波が地表面加速度497〔gal〕である場合に最大塔体応答加速度2423〔gal〕、八戸波が地表面加速度337〔gal〕である場合に最大塔体応答加速度2086〔gal〕となった。このように、最大塔体応答加速度は、地表面加速度と比較して約5〜6倍に増幅していた。
本実施形態においては、塔体応答加速度の最大値となったのはエルセントロ波であるので、エルセントロ波を所定の地震波として選定することとする。
解析モデル設定部22は、落下防止装置とパレット17とを含む駐車室11および車両12を垂直断面で2次元にモデル化され、パレット17に載置される車両12は2質点系モデルとして生成された解析モデルに対し、実際に車両12に加振試験を行った場合の計測値から得られるパラメータと一致するようなパラメータを設定する。
図7は、駐車室11のパレット17に載置される車両12の地震に対する応答を求めるための2質点(2自由度)系モデルであり、車両12および駐車室11を格納方向に2次元化して生成した解析モデルを示している。また、解析モデルは衝突力推定装置20の外部から入力され、或いは、衝突力推定装置20に予め設定されている。
図7に示されるように、パレット17は、ローラフレーム32に設けられる複数のローラ31によって支持されており、ローラ31をモータ(不図示)により回転させると、ローラ31の回転に伴ってパレット17が移動するような駐車室11としている。
図7に示す2質点系モデルは、車両12の上部(主にキャビン)の質量をm2とし、車ばね定数をk2とし、車減衰係数をc2とし、車両12の下部(主にタイヤ、車軸など)の質量をm1とし、車ばね定数をk1とし、車減衰係数をc1とし、パレット17の質量をm3とし、パレット17と落下防止装置30との間隔をdとし、ローラ31への摩擦力をcf1とする。落下防止装置30が、付勢力によりパレット17の落下を防ぐばねを有している場合における落下防止装置30のばね定数をkとする。ここで、質量m2と質量m1との重量の比率は、m2:m1=6:4とすることが好ましい。
図8には、2質点系モデルが振動した場合の振動モードが示されており、2質点系モデルの運動方程式は、次の(1)式で示される。ここで、Pは外力、mは質量、cは減衰係数、kはばね定数を示す。なお、k11=k1+k2,k12=−k2,k21=−k2,k22=k2とし、C11=C1+C2,C12=−C2,C21=−C2,C22=C2とする。また、xの上部に2つ点を付した記号は、変位x1または変位x2の2回微分すなわち加速度を意味する。同様に、xの上部に1つ点を付した記号は、1回微分すなわち速度を意味している。
Figure 0005755190
また、解析モデルに与えられるパラメータは、実際の加振試験に基づいて計測された落下防止装置30のばね定数、および車両12の振動特性を用いる。解析モデルのパラメータの計測方法の一例を以下に説明する。落下防止装置30に備えられるばねのばね定数を計測する場合においては、落下防止装置30を切り出した部分モデルに対して、荷重試験機等を用いて、ばねの変位と荷重との関係を計測するとともに、落下防止装置30のばね定数と落下防止装置30の耐力とを比較し、計測する。ここで計測されたばね定数が、解析モデルの落下防止装置30のばねのばね定数kとして用いられる。
車両12の振動特性を計測する一例としては、解析モデルを生成する数種類の車種ごとに、自由振動時における車体各部の振動加速度を計測し、その平均値を採用する。ここで計測された振動加速度が、車両12の固有値とされ、車両12の固有値が計測値になるように調整された車ばね定数k1,k2が決定される。また、車減衰定数が設定されることにより、車両12の車減衰係数c1,c2、が決定される。
このように、実際の加振試験により計測された、ばね定数と車両12の振動特性との結果に基づいて解析モデルの各パラメータが与えられるので、解析モデルを用いることにより、高い精度で衝突力を推定できる。
推定部23は、解析モデルに基づいて、所定の地震波が機械式駐車装置に入力された場合における、パレットと落下防止装置との衝突力を推定する。具体的には、推定部23は、上述した(1)式の運動方程式、および実測値に基づいたパラメータ(落下防止装置30のばね定数と車両12の振動特性など)を用いて算出した外力Pを、落下防止装置30にかかると推定される衝突力とする。
また、推定部23は、パレット17と落下防止装置30との距離dを勘案して、パレット17と落下防止装置30との衝突力を推定する。
以下に図9を用い、本実施形態に係る衝突力推定装置の動作フローについて説明する。
既往3波をレベル2地震動に基準化した入力地震波、および機械式駐車装置10の高さと立駐規模と満空状況との異なる条件を組み合わせて生成された24条件の立駐モデルに基づいて、入力地震波ごとに24条件の立駐モデルに対して時刻歴応答解析が行われ、機械式駐車装置の最大塔体応答加速度が算出される(図9のステップSA1)。車両12の質量m1,m2および固有値などに基づき、車両12が、車ばね定数k1,k2、および車減衰係数c1,c2等を含む2質点系モデルでモデル化され、駐車室11が、パレット質量m3および落下防止装置30のばね定数kなどに基づいて、格納方向に垂直断面で2次元にモデル化され、解析モデルが設定される(図9のステップSA2)。
ステップSA1で選定された最大塔体応答加速度となった地震波を所定の地震波とし、ステップSA2で設定された解析モデルに所定の地震波を与えた場合の解析をし、落下防止装置30に対する衝突力を推定する(図9のステップSA3)。落下防止装置30の衝突力の推定結果に基づいて、落下防止装置30の耐震性有無が判断される(図9のステップSA4)。なお、適宜、大型振動台等によって計測された落下防止装置30の耐性試験を行った実測結果と比較し、解析モデルに基づく解析の精度を検証することとしても良い(詳細は後述する)。
以上説明してきたように、本実施形態に係る衝突力推定装置20、方法、プログラム、およびそれを備えた機械式駐車システム100によれば、車両12を2質点系モデルでモデル化するので、衝突力の推定に車重を考慮することができ、パレット17と落下防止装置30との衝突力を正しく推定することができる。また、2質点系モデルの車重を異ならせることにより、異なる車重に応じた衝突力の推定ができるので、その結果、より実環境に合った衝突力が推定でき、パレットの確実な落下防止に繋がる。
また、落下防止装置30に係る衝突力を外力としてシミュレーションにより推定することにより、簡便に、その衝突力に対する耐性を有する落下防止装置30の設計、およびパレットの設計に役立てられる。なお、衝突力推定装置20による衝突力推定の結果、共振が生じると推定された場合には、パレット17や落下防止装置30を補強するなどの対処の提案に役立てることができる。なお、衝突力推定装置20は、既設の機械式駐車装置に対する地震発生時の衝突力の診断装置として用いて良いし、新設する機械式駐車装置に対する地震発生時の衝突力の評価装置として用いても良い。
また、実際に車両12を揺らして試験する大型振動台による加振試験では試験機の能力限界があり、大地震の衝突力を実証できないことがあるが、本発明は解析により衝突力を推定するので、入力地震波を大地震である場合を想定した衝突力の推定ができる。
ここで、図10に、本実施形態で用いた衝突力推定装置20により得られた解析結果(直線表示)と、大型振動台による加振試験の結果(プロット表示)との衝突力を比較した一例を示す。図10は、HR(ハイルーフ)車、軽自動車、空車時(空パレット)の3パターンのパレット状態に対し、複数種類の地震波を与えた場合の衝突力を示している。図10に示されるように、それぞれの結果が、点線で示される許容範囲内に略収まっていた。なお、ここでは図示していないが、パレットの両端にある落下防止装置のどちら側でも同様の結果となった。
これらのことから、本発明で用いる解析モデルは、パレット上の積載条件に関わらず、位相(挙動)、衝突力ともに加振試験を精度よく再現でき、加振試験で実施できないような100%応答波での衝突力の推測にも適用できる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 機械式駐車装置
11 駐車室
20 衝突力推定装置
21 地震波選定部
22 解析モデル設定部
23 推定部
30 落下防止装置
100 機械式駐車システム

Claims (8)

  1. 車両を載置するパレットを搬送装置で駐車室に格納する機械式駐車装置に適用され、前記駐車室における前記パレットの落下を防止する落下防止装置に対する衝突力を推定する衝突力推定装置であって、
    前記落下防止装置と前記パレットとを含む前記駐車室および前記車両を垂直断面で2次元にモデル化され、前記パレットに載置される前記車両は2質点系モデルとして生成された解析モデルに基づいて、所定の地震波が前記機械式駐車装置に入力された場合における、前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定する推定手段を具備する衝突力推定装置。
  2. 前記推定手段は、前記パレットと前記落下防止装置との距離を勘案して前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定する請求項1に記載の衝突力推定装置。
  3. 実際に計測された前記車両の振動特性をパラメータとして前記解析モデルに設定する請求項1または請求項2に記載の衝突力推定装置。
  4. 前記落下防止装置が、付勢力により前記パレットの落下を防ぐばねを有する場合に、
    前記ばねのばね定数をパラメータとして前記解析モデルに設定する請求項1から請求項3のいずれかに記載の衝突力推定装置。
  5. 前記機械式駐車装置の高さ条件を含む立駐規模および前記駐車室の満空情報の条件が異なる複数の立駐モデルと、複数の入力地震波とをパラメータとし、時刻歴応答解析に基づいて算出される塔体応答加速度の最大値をもたらした前記入力地震波を、前記所定の地震波として選定する地震波選定手段を具備する請求項1から請求項4のいずれかに記載の衝突力推定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の衝突力推定装置と、機械式駐車装置とを備えた機械式駐車システム。
  7. 車両を載置するパレットを搬送装置で駐車室に格納する機械式駐車装置に適用され、前記駐車室における前記パレットの落下を防止する落下防止装置の衝突力を推定する衝突力推定方法であって、
    前記落下防止装置と前記パレットとを含む前記駐車室および前記車両を垂直断面で2次元にモデル化し、前記パレットに載置される前記車両は2質点系モデルとして生成した解析モデルに基づいて、所定の地震波が前記機械式駐車装置に入力された場合における、前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定する衝突力推定方法。
  8. 車両を載置するパレットを搬送装置で駐車室に格納する機械式駐車装置に適用され、前記駐車室における前記パレットの落下を防止する落下防止装置の衝突力を推定する衝突力推定プログラムであって、
    前記落下防止装置と前記パレットとを含む前記駐車室および前記車両を垂直断面で2次元にモデル化され、前記パレットに載置される前記車両は2質点系モデルとして生成された解析モデルに基づいて、所定の地震波が前記機械式駐車装置に入力された場合における、前記パレットと前記落下防止装置との衝突力を推定する衝突力推定プログラム。
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