JP6400496B2 - 機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム - Google Patents

機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6400496B2
JP6400496B2 JP2015017487A JP2015017487A JP6400496B2 JP 6400496 B2 JP6400496 B2 JP 6400496B2 JP 2015017487 A JP2015017487 A JP 2015017487A JP 2015017487 A JP2015017487 A JP 2015017487A JP 6400496 B2 JP6400496 B2 JP 6400496B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
mechanical
parking device
mechanical multi
story parking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015017487A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016142589A (ja
Inventor
弘希 戸根
弘希 戸根
猛志 大島
猛志 大島
和也 小笠原
和也 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems Co Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems Co Ltd
Priority to JP2015017487A priority Critical patent/JP6400496B2/ja
Publication of JP2016142589A publication Critical patent/JP2016142589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6400496B2 publication Critical patent/JP6400496B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラムに関するものである。
機械式立体駐車装置には、機械式立体駐車装置そのものがビル等の建築躯体内に組み込まれるものがある。
例えば、特許文献1には、建築躯体のボイド内に設置される実質的に塔状の鉄骨構造体を有した機械式立体駐車装置が開示されている。特許文献1では、建物ボイドに設置された機械式立体駐車装置と建物ボイドの内面との間に配設される水平サポート装置によって、機械式立体駐車装置を建物ボイドの内面で支持させている。
そして、このような機械式立体駐車装置は、地震等の大きな振動に対しては機械式立体駐車装置が建築躯体に追従して振動する。
このため、建築躯体内に組み込まれている機械式立体駐車装置の鉛直荷重が機械式立体駐車装置の内部架構(以下「立駐内部架構」という。)によって支持される場合、立駐内部架構は、主に地震時に建築躯体から加えられる荷重に基づいて設計される。
なお、一般的に、機械式立体駐車装置の設計と建築躯体の設計は異なる事業者によって行われる。すなわち、機械式立体駐車装置の設計は機械式立体駐車装置のメーカーが行い、建築躯体の設計はゼネコンや設計事務所等が行う。
そして、機械式立体駐車装置の設計者は、建築躯体の設計者から地震を想定した水平震度を得、この水平震度に基づいて設計を行う。ここでいう水平震度は、例えば、所定の大きさの地震が発生したと想定した場合における、建築躯体の最大変位量や最大加速度である。
特許第4593646号公報
上記の水平震度には、一例として、2種類の算出方法がある。
第1の算出方法は、建築躯体に対して時刻歴応答解析等の地震解析を行い、水平震度を得る方法である。第1の算出方法では、建築躯体と機械式立体駐車装置とが、同様に振動することを想定している。
しかしながら、実際に振動が生じても、必ずしも建築躯体と機械式立体駐車装置とが同じように振動するとは限らず、振動の状態が異なる場合がある。このため、機械式立体駐車装置の設計に関して、第1の算出方法による水平震度を適用しても、地震の振動を想定した設計をより適切なものとする余地があった。
また、第2の算出方法は、建築躯体と機械式立体駐車装置の両方を質点系モデル(串団子モデルともいう。)等でモデル化して地震解析を行い、水平震度を得る方法である。建築躯体の質点系モデルと機械式立体駐車装置の質点系モデルは、ばねによって接続されることで一体にモデル化された連成解析モデルとされる。なお、質点は重量の大きい床を想定している。
このような、第2の算出方法では、建築躯体と機械式立体駐車装置とがばねを介して接続されているので、建築躯体と機械式立体駐車装置とが同様に振動するものではなく、建築躯体と機械式立体駐車装置とで異なる振動をモデル化できる。
しかしながら、質点系モデルは、例えばビルの様に各階の床が剛(変形しない)と仮定できる「剛床仮定」が成立する場合に用いられるモデルである。一方、機械式立体駐車装置は、立駐内部架構を車両の昇降路や車両(パレット)の格納棚として使用するため、床が無く、剛床仮定が成り立たない構造である。
さらに、機械式立体駐車装置の全体重量に占める車両重量の割合は約6割超である。そして、これらが立駐内部架構の梁の高さレベル(床レベル)以外、すなわち、機械式立体駐車装置において建築躯体と接続されるサポート階以外の高さレベルに点在しているので、機械式立体駐車装置には重量の大きい床という概念そのものが成り立たない。
このため、機械式立体駐車装置の設計に関して、第2の算出方法による水平震度を適用した場合でも、地震の振動を想定した設計をより適切なものとする余地があった。
そこで、立駐内部架構を構成する部材である柱及び梁等に基づく部材モデルと建築躯体の質点系モデルとを一体化した連成解析モデルを用いることが好ましい。すなわち、機械式立体駐車装置を模擬した質点系モデルに代えて機械式立体駐車装置の詳細な構造を模擬した部材モデルを用いて、連成解析モデルとすることが好ましい。
しかしながら、上記連成解析モデルを生成するには、建築躯体と機械式立体駐車装置の設計時期の相違、機械式立体駐車装置の詳細な構造及び技術が他社に漏えいする可能性、さらには詳細な部材モデルを作成するには時間を要し、それを建築躯体の質点系モデルと一体化することの困難性等の問題が生じることとなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、建築躯体内に組み込まれる機械式立体駐車装置に与える振動の影響を簡易に解析可能とする、機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラムは以下の手段を採用する。
本発明の第一態様に係る機械式立体駐車装置の振動応答解析装置は、建築躯体内に組み込まれると共に前記建築躯体から離間しないように、弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析する機械式立体駐車装置の振動応答解析装置であって、前記弾性体を介して前記建築躯体による支持箇所を模擬した複数の支持点が設定されると共に、前記機械式立体駐車装置の内部架構を模擬した部材モデルを記憶する記憶手段と、前記機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を前記支持点に入力し、前記部材モデルの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析手段と、前記時刻歴応答解析手段によって算出された前記立駐振動情報に基づいて、前記内部架構に生じる応力を算出する静解析手段と、を備える。
本構成に係る振動応答解析装置は、建築躯体内に組み込まれる機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析するものである。この振動の影響とは、例えば地震の影響である。
本構成では、機械式立体駐車装置の内部架構をモデル化した部材モデルを用いて振動応答解析が行われる。部材モデルは、弾性体を介して建築躯体による支持箇所を模擬した支持点が設定されると共に、機械式立体駐車装置の内部架構である柱や梁等に基づいて機械式立体駐車装置を模擬したものである。
すなわち、この部材モデルは、質点系モデルのように機械式立体駐車装置を簡略化して模擬したものではなく、機械式立体駐車装置の詳細な構造を模擬したものである。なお、この部材モデルは、記憶手段に予め記憶されている。
ここで、質点系モデルを用いた連成解析モデルでは、建築躯体の振動が機械式立体駐車装置に影響を及ぼすと共に、機械式立体駐車装置の振動が建築躯体にも影響を及ぼすことを模擬できる。一方、本構成は、建築躯体を示す質点系モデルと部材モデルとを一体化させたものでなく、部材モデルのみによって解析を行うものである。
しかしながら、建築躯体と機械式立体駐車装置との重量比は大きく、機械式立体駐車装置の重量が建築躯体の重量に比べて十分に小さいため、機械式立体駐車装置の振動が建築躯体に及ぼす影響は小さい。従って、建築躯体内に組み込まれる機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析する場合には、機械式立体駐車装置のモデルと建築躯体のモデルとを一体化した連成解析モデルを行う必要はないと考えられる。
そして、機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を示す振動情報が部材モデルの複数の支持点に入力され、部材モデルの振動の時間変化を示す立駐応答情報が時刻歴応答解析手段によって算出される。
さらに、静解析手段によって、時刻歴応答解析手段で算出された立駐応答情報に基づいて、機械式立体駐車装置の内部架構に生ずる応力が算出される。そして、静解析手段によって算出された応力は、設計値に対して許容されるものであるか否かが判定される。
以上のように、本構成に係る部材モデルは、質点系モデルに比べて複雑であるものの、本構成は、建築躯体と機械式立体駐車装置を一体化した連成解析モデルを作成する必要はない。そして、本構成は、部材モデルに対して、機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を支持点に入力することで時刻歴応答解析を行い、その結果を用いて機械式立体駐車装置の内部架構に生じる応力を算出するので、建築躯体内に組み込まれる機械式立体駐車装置に与える振動の影響を簡易に解析できる。
上記第一態様では、前記時刻歴応答解析手段が、前記建築躯体から伝播する振動の時間変化を示す第1振動情報を前記支持点に入力すると共に、前記機械式立体駐車装置の基部から伝播する振動の時間変化を示す第2振動情報を前記部材モデルの基部に入力することで、前記立駐振動情報を算出し、前記静解析手段が、前記立駐振動情報から求められる慣性力と共に前記建築躯体の最大変位量を前記部材モデルに入力し、前記内部架構に生じる応力を算出してもよい。
本構成は、時刻歴応答解析手段によって、部材モデルの振動の時間変化を示す立駐応答情報が算出される。時刻歴応答解析手段は、建築躯体から伝播する振動の時間変化を示す第1振動情報を部材モデルの支持点に入力すると共に、基部から伝播する振動の時間変化を示す第2振動情報を部材モデルの基部に入力する。
すなわち、第1振動情報は建築躯体の振動を示しているものであり、部材モデルの支持点に入力されることにより、建築躯体の振動が機械式立体駐車装置に与える影響が模擬される。第1振動情報は、例えば、建築躯体を示す質点系モデルに地震波を入力することによって、建築躯体の階層毎に算出されるものである。また、第2振動情報により示される振動が部材モデルの基部に入力されることにより、地震等の振動が建築躯体の下部構造を介して機械式立体駐車装置に与える影響が模擬される。
そして、機械式立体駐車装置に生じる慣性力が立駐応答情報に基づいて算出され、この慣性力と共に建築躯体の最大変位量が部材モデルに入力されることで、機械式立体駐車装置の内部架構に生じる応力が静解析手段によって算出される。
以上のことから、本構成は、機械式立体駐車装置に与える振動の影響をより精度高く解析できる。
上記第一態様では、前記部材モデルにおいて、前記機械式立体駐車装置に格納する車両を積載するパレットは模擬されず、前記パレットと前記車両の重量が設定されてもよい。
本構成は、機械式立体駐車装置の強度にパレットは寄与しないので、部材モデルにおいてパレットは模擬されない。一方、パレットと車両の重量は振動応答解析において無視できるものではないので、部材モデルにおいてパレットと車両の重量が設定される。
従って、本構成は、部材モデルの簡略化のためにパレットをモデル化しなくても、精度の高い振動応答解析が可能となる。
本発明の第二態様に係る機械式立体駐車装置の振動応答解析方法は、建築躯体内に組み込まれると共に前記建築躯体から離間しないように、弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析する機械式立体駐車装置の振動応答解析方法であって、前記弾性体を介して前記建築躯体による支持箇所を模擬した複数の支持点が設定されると共に、前記機械式立体駐車装置の内部架構を模擬した部材モデルに、前記機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を前記支持点に入力する第1工程と、前記部材モデルの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析を実行する第2工程と、前記立駐振動情報に基づいて、前記内部架構に生じる応力を算出する静解析を実行する第3工程と、を含む。
本発明の第三態様に係る機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラムは、建築躯体内に組み込まれると共に前記建築躯体から離間しないように、弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析する機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラムであって、コンピュータを、前記弾性体を介して前記建築躯体による支持箇所を模擬した複数の支持点が設定されると共に、前記機械式立体駐車装置の内部架構を模擬した部材モデルに、前記機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を前記支持点に入力する入力手段と、前記部材モデルの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析を実行する時刻歴応答解析手段と、前記立駐振動情報に基づいて、前記内部架構に生じる応力を算出する静解析を実行する静解析手段と、して機能させる。
本発明によれば、建築躯体内に組み込まれる機械式立体駐車装置に与える振動の影響を簡易に解析可能とする、という優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る機械式立体駐車装置と、この機械式立体駐車装置が組み込まれる建築躯体とを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る機械式立体駐車装置と建築躯体の縦断面図である。 図2のIII−III線に沿う機械式立体駐車装置の横断面図である。 本発明の実施形態に係る振動応答解析装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る機械式立体駐車装置の部材モデルの全体図である。 本発明の実施形態に係る部材モデルの拡大図である。 本発明の実施形態に係る部材モデルの主柱、梁、ガイド柱の接合状態を示した概念図である。 本発明の実施形態に係る部材モデルにおけるパレット及び車両の重量設定に関する概念図である。 本発明の実施形態に係る部材モデルに対して振動を付与する位置を示した図である。 本発明の実施形態に係る部材モデルに対して振動を付与する位置を示した図である。 本発明の実施形態に係る振動応答解析装置の機能を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る振動応答解析処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る振動応答解析の説明に要する模式図である。 本発明の実施形態に係る部材モデルの横断面図である。 本発明の実施形態に係る振動応答解析によって算出されたX方向における支柱応答加速度及びRF応答加速度を部材モデルの高さ方向にプロットした結果である。 本発明の実施形態に係る振動応答解析によって算出されたY方向における支柱応答加速度及びRF応答加速度を部材モデルの高さ方向にプロットした結果である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態に係る機械式立体駐車装置について説明する。
図1は、本実施形態に係る機械式立体駐車装置1と、この機械式立体駐車装置1が組み込まれるマンションやオフィスビル等の建築躯体2とを示す斜視図である。機械式立体駐車装置1は、鉄骨材料等で構成されたタワー型の駐車装置躯体3を備えており、その内部に多数の車両4を収容することができる。
図2にも示すように、建築躯体2は例えば10階以上の階層を持ち、その内部に、居住室やオフィス室等とは隔離された空洞6が形成されている。この空洞6は、地上階、あるいは地下階から所定の高さまで上下方向に延在している。駐車装置躯体3(内部架構ともいう。)は空洞6の内部に立設されることによって建築躯体2の内部に組み込まれ、建築躯体2によって支持される。
図3にも示すように、駐車装置躯体3は、例えば平面視で四隅に位置して鉛直方向に延びる4本の主柱10(柱梁部材)と、これらの4本の主柱10の間を相互に連結し、上下に多段に架設された水平な梁11,12(柱梁部材)と、対向する梁11の内側に接する共に、梁11の両側の主柱10との間に間隔を空けて位置するように、それぞれ2本ずつ、合計4本設置されたガイド柱13とを備えて構成されている。これらの部材10,11,12,13は、例えばH形鋼によって形成されている。
なお、主柱10と、梁11,12との間の連結部には柔構造(柔接合)が採用されている。例えば、主柱10には水平な連結プレートが溶接されており、この連結プレートに梁11,12がボルト、リベット、溶接等によって固定される、所謂ピン構造となっている。従って、連結プレートが撓むことにより、梁11,12は主柱10に対して上下左右方向に微小な角度で動くことができ、その際には主柱10と梁11,12にモーメントが発生しない。
図3に示すように、梁11,12に囲まれた空間内の両側に、上下方向に多段状にパレット格納棚15が設置されている。このパレット格納棚15はレール状のパレット支持材(ローラフレーム)であり、梁12とガイド柱13とに固定されている。これらのパレット格納棚15に、車両4を積載する鋼板製のパレット16が1枚ずつ出し入れ可能に積載されている。また、図2にも示すように、対向するパレット格納棚15の間に垂直な昇降通路18が設けられ、この中にリフト20(エレベータ状のパレット搬送機)が上下に昇降可能に設けられている。
リフト20は、例えば駐車装置躯体3の上部に設けられた図示しない昇降駆動装置から下方に延びる4組のワイヤロープ21に四隅を吊持され、上記昇降駆動装置が起動することによって昇降通路18内を上下に昇降することができる。リフト20は、例えばその両端に固定されたガイドバー20aが、H型断面を持つガイド柱13に係合することにより、前後・左右方向への動きを規制されながら昇降する。
リフト20には、パレット格納棚15との高さが一致した時に、空荷の、又は車両4が積載されたパレット16を、リフト20からパレット格納棚15に、又はパレット格納棚15からリフト20に、スムーズに受け渡すことができる図示しない受渡機構が搭載されている。
車両入庫時は、リフト20が空のパレット16をパレット格納棚15から取り出して図示しない地上階に搬送し、図示しない入出庫口から車両4が進入してパレット16に載り、乗員が降りて入出庫口が閉じられるとリフト20が上昇して空のパレット格納棚15に車両4が積載されたパレット16を格納する。また、車両出庫時は、車両4が積載されたパレット16をリフト20が地上階に搬送し、入出庫口が開いて車両4が搬出される。
図2及び図3に示すように、駐車装置躯体3は、建築躯体2に設けられた空洞6の内壁部6aとの間に、例えば30cm〜50cm程度の空間Sを有するように構築されている。そして、この空間Sに、弾性圧縮変形が可能な複数の支持部25が、圧縮された状態で、建築躯体2と駐車装置躯体3とに密着するように介装されている。これらの支持部25は、例えば、平面視(図3参照)で駐車装置躯体2の周囲全周(本実施形態では周囲4面)を囲み、且つ側面視(図2参照)で駐車装置躯体2の上下方向複数箇所に位置するように、梁11,12の軸方向延長線上となる主柱10の側面に固定されている。
図2に示すように、各支持部25は、建築躯体2の各階層における床スラブ30の位置に整合するように内壁部6aに当接されるのが構造上望ましいが、床スラブ30の位置に限らず、他の位置(高さ)に支持部25を当接させることも考えられる。また、支持部25は、側面視(図2参照)で駐車装置躯体3の多段に配設された梁11,12の1段おきの高さに設けられているが、必ずしも1段おきでなくてもよい。
このように、建築躯体2の内壁部6aと、駐車装置躯体3との間に形成された空間Sに、弾性圧縮変形が可能な複数の支持部25が圧縮された状態で介装されている。これらの支持部25は、駐車装置躯体3の周囲全周(全面)を囲むように設置されている。これにより、駐車装置躯体3は、その鉛直方向の荷重を主柱10によって支持されながら、水平方向の荷重は支持部25を介して建築躯体2によって支持される。即ち、建築躯体2によって駐車装置躯体3の水平方向の動きが規制されている。なお、支持部25には、例えば、ゴムや軟質樹脂等の弾性材料からなる弾性体が備えられることで、弾性圧縮変形が可能とされている。
以上のように構成された機械式立体駐車装置1は、その駐車装置躯体3が、建築躯体2との間に空間Sを有するように立設され、その鉛直方向の荷重は駐車装置躯体3を構成する主柱10によって支持される。また、水平方向の荷重は、建築躯体2によって支持されるように、支持部25が圧縮された状態で空間Sに介装されている。即ち、駐車装置躯体3は、建築躯体2との間に空間Sを有しながらも、実質的には支持部25を介して建築躯体2に密着した状態となっている。
このように、建築躯体2と駐車装置躯体3とが支持部25を挟んで密着しているため、例えば地震時に建築躯体2が揺れると、駐車装置躯体3は質量比の大きい建築躯体2の動きに強制的に追従して水平方向に変形する。このため、建築躯体2が駐車装置躯体3に対して相対的に揺動することができず、駐車装置躯体3が支持部25を介して建築躯体2と接触した状態が保たれる。したがって、従来の様に防振ゴムが建築躯体2との間で離間し、再接触する際の衝突力が発生することはない。なお、通常時においては、支持部25の弾力により、機械式立体駐車装置1の作動に伴う振動や騒音等が緩衝され、建築躯体2に伝播されることが防止される。
また、駐車装置躯体3は、水平方向を建築躯体2で支持されるために単独で自立する必要がない。したがって、駐車装置躯体3の主柱10の太さを、鉛直方向の荷重により座屈しない程度の太さに設定すればよく、建築躯体2による支持なしに自立できる程の太さにはしなくてもよい。このため、駐車装置躯体3の重量を大幅に軽減し、コストダウンを図るとともに、駐車装置躯体3を支える建築躯体2の負担を軽減することができる。
また、この機械式立体駐車装置1は、その駐車装置躯体3を構成する各柱梁部材10,11,12の連結部にピン接合等の柔構造(柔接合)を採用している。これにより、各柱梁部材10,11,12が、その連結部において互いに微小な角度変位を起こすことが可能になるため、地震時に水平力を受けて駐車装置躯体3が変形した場合に、各柱梁部材10,11,12にモーメントが発生しなくなる(連結部が剛接合であると揺動時に各柱梁部材10,11,12にモーメントが発生してしまう。)。
次に、上述した建築躯体2内に組み込まれると共に建築躯体2から離間しないように、弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置1に対する振動の影響の解析(以下「振動応答解析」という。)について説明する。
なお、振動は、例えば地震に起因するものである。
図4は、機械式立体駐車装置1に対する振動の影響を解析する振動応答解析装置40の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る振動応答解析装置40は、計算処理を行うCPU(Central Processing Unit)41、各種プログラム及び各種データ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)42、CPU41による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)43、各種プログラム及び各種データを記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)44を備えている。
さらに、振動応答解析装置40は、キーボード及びマウス等から構成され、各種操作の入力を受け付ける操作入力部45、各種画像を表示する、例えば液晶ディスプレイ装置等の画像表示部46、通信回線47を介して他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行う外部インタフェース48を備えている。
これらCPU41、ROM42、RAM43、HDD44、操作入力部45、画像表示部46、及び外部インタフェース48は、システムバス49を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU41は、ROM42、RAM43、及びHDD44へのアクセス、操作入力部45に対する操作状態の把握、画像表示部46に対する画像の表示、並びに外部インタフェース48を介した他の情報処理装置等との各種データの送受信等を各々行なうことができる。
本実施形態に係る振動応答解析装置40は、機械式立体駐車装置1の内部架構(以下「立駐内部架構」という。)をモデル化した部材モデル50M(図5から図10参照)をシミュレーションモデルとし、これを用いて振動応答解析を行う。
部材モデル50Mは、弾性体(支持部25)を介して建築躯体2による支持箇所を模擬した支持点25Mが設定されると共に、立駐内部架構を構成する主柱10や梁11(12)等に基づいて機械式立体駐車装置1を模擬している。
すなわち、この部材モデル50Mは、質点系モデルのように機械式立体駐車装置1を簡略化して模擬したものではなく、機械式立体駐車装置1の詳細な構造を模擬したものである。なお、作成された部材モデル50Mは、HDD44に予め記憶される。
次に、図5から図10を参照して、部材モデル50Mの詳細について説明する。図5は部材モデル50Mの全体図であり、図6は図5の領域Aの拡大図であり、図9は図5の領域Bの拡大図であり、図10は図5の領域Cの拡大図である。
部材モデル50Mは、上述した様に立駐内部架構をモデル化しており、主に主柱10M、梁11M、ガイド柱13M、ローラフレームを兼ねたパレット支持材26M、及び支持点25Mによって構成されている。なお、各部材の符号の末尾に付されるMは、モデル化されたものであることを示す。
図7は、部材モデル50Mの主柱10M、梁11M、ガイド柱13Mの接合状態を示した概念図である。
図7に示すように、主柱10Mと梁11Mの接合は、実際の立駐内部架構における主柱10と梁11の接合と同様に、柔構造(ピン接合)をモデル化したものとされる。また、実際の立駐内部架構におけるガイド柱13と梁11の接合は、連結材27を用いて行われる。そこで、ガイド柱13Mと梁11Mの接合は、連結材27に相当する連結材相当梁27Mをガイド柱13Mと梁11Mに接合することでモデル化される。
また、機械式立体駐車装置1の強度には、パレット16は寄与しないものの、振動応答解析においてパレット16と車両4の重量は無視できるものではない。そこで、本実施形態に係る部材モデル50Mは、パレット16は模擬されず、パレット16と車両4の重量が設定される。
図8は、部材モデル50Mにおけるパレット16及び車両4の重量設定に関する概念図である。図8に示すように、部材モデル50Mでは、パレット16を模擬しない替わりに、一例として、パレット支持材26Mの端部(一つのパレット16に対して4か所、点A,B,C,D)にパレット16と車両4の重量を剛結で均等に割り当てる設定が行われる。すなわち、図8の例では、パレット16の重量と車両4の重量との和を4で除算した重量がパレット支持材26Mの端部に各々割り当てられる。
これにより、本実施形態に係る振動応答解析装置40は、部材モデル50Mの簡略化のためにパレット16をモデル化しなくても、精度の高い振動応答解析が可能となる。
また、支持点25Mは、弾性圧縮変形が可能な支持部25を模擬するために、バネ要素によってモデル化される。
さらに、主柱10Mの脚部(基部)は、基礎となるコンクリート等に埋め込まれるアンカーボルトの軸方向の伸びを回転バネ要素によってモデル化される。
図11は、実施形態に係る振動応答解析装置40の機能を示す機能ブロック図である。
振動応答解析装置40が備えるCPU41は、時刻歴応答解析機能(時刻歴応答解析部60)及び静解析機能(静解析部61)を有する。なお、時刻歴応答解析機能及び静解析機能は、HDD44に予め記憶されている振動応答解析プログラムによって実現される。
時刻歴応答解析機能は、機械式立体駐車装置1に振動が与えられた場合における機械式立体駐車装置1の揺れの時間変化を解析するものである。
本実施形態に係る時刻歴応答解析機能は、機械式立体駐車装置1(駐車装置躯体3)に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を複数の支持点25M及び部材モデル50Mの基部に入力し、部材モデル50Mの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する。
このように本実施形態における時刻歴応答解析機能は、部材モデル50Mにおける複数の入力点に対して振動の時間変化を入力することで、部材モデル50Mの振動の時間変化を算出する多点入力解析を行うものである。
なお、振動の時間変化とは、例えば、振動を示す加速度の時間変化であるが、これに限らず、速度や変位量の時間変化を振動の時間変化としてもよい。
静解析機能は、機械式立体駐車装置1が揺れた場合の立駐内部架構の強度を解析するものである。
本実施形態に係る静解析機能は、立駐振動情報に基づいて、立駐内部架構に生じる応力を算出する。
また、HDD44は、部材モデル記憶部62、入力振動情報記憶部63、立駐振動情報記憶部64、及び静解析結果記憶部65を備える。
部材モデル記憶部62は、作成した部材モデル50Mを記憶する。
入力振動情報記憶部63は、部材モデル50Mに入力する振動情報を記憶する。
この振動情報は、建築躯体2から伝播する振動の時間変化を示す建築躯体振動情報、及び機械式立体駐車装置1の基部から伝播する振動(例えば地震波)の時間変化を示す地震波情報である。
なお、地震波情報は、例えば、地震波が発生した場合に建築躯体2の下部構造を介して機械式立体駐車装置1の基部に伝播する振動であり、x方向とy方向とでその振動は異なってもよい。
建築躯体振動情報は、例えば、建築躯体2を示す質点系モデルに地震波情報により示される地震波の振動を入力することで、建築躯体2の階層毎の振動として算出されたものである。また、これと共に、建築躯体2の最大変位量も算出され、建築躯体振動情報に含まれる。なお、建築躯体振動情報は、例えば、建築躯体2を設計する事業者によって別途算出され、予め入力振動情報記憶部63に記憶される。
立駐振動情報記憶部64は、時刻歴応答解析機能によって算出された立駐振動情報を記憶する。
静解析結果記憶部65は、静解析機能による算出結果を記憶する。
ここで、従来の質点系モデルを用いた連成解析モデルによる振動応答解析と本実施形態に係る部材モデル50Mを用いた振動応答解析の相違について説明する。
質点系モデルを用いた連成解析モデルでは、建築躯体2の振動が機械式立体駐車装置1に影響を及ぼすと共に、機械式立体駐車装置1の振動が建築躯体2にも影響を及ぼすことを模擬できる。一方、本実施形態に係る振動応答解析は、建築躯体2を示す質点系モデルと部材モデル50Mとを一体化させたものでなく、部材モデル50Mのみによって解析を行うものである。
しかしながら、建築躯体2と機械式立体駐車装置1との重量比は大きく、機械式立体駐車装置1の重量が建築躯体2の重量に比べて十分に小さいため、機械式立体駐車装置1の振動が建築躯体2に及ぼす影響は小さい。従って、建築躯体2内に組み込まれる機械式立体駐車装置1に対する振動の影響を解析する場合には、機械式立体駐車装置1のモデルと建築躯体2のモデルとを一体化した連成解析モデルを行う必要はないと考えられる。
そして、時刻歴応答解析機能によって、部材モデル50Mの振動の時間変化を示す立駐応答情報が算出され、静解析機能によって、立駐応答情報に基づいて、立駐内部架構に生じる応力が算出される。そして、静解析機能によって算出された応力は、設計値に対して許容されるものであるか否かが判定される。
次に図12に示すフローチャート及び図13に示す模式図を用いて、本実施形態に係る振動応答解析をより具体的に説明する。
図12は、CPU41によって実行される振動応答解析処理(振動応答解析プログラム)の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップ100では、部材モデル50M、建築躯体振動情報、及び地震波情報をHDD44から読み出す。そして、ステップ100では、図9の矢印で示されるように、建築躯体振動情報を部材モデル50Mの支持点25Mに設定(入力)すると共に、図10の矢印で示されるように、地震波情報を部材モデル50Mの基部に設定(入力)する。
なお、図13(A),(B)に示されるように、部材モデル50Mの各支持点25Mには、一例として、建築躯体2の各階層の振動のうち、最も近接する階層の振動が建築躯体振動情報から読み出されて設定される。これにより、建築躯体2の振動が機械式立体駐車装置1に与える影響が模擬される。
また、部材モデル50Mの基部は複数あるものの、一例として、各基部には地震波情報により示される同一の振動が設定される。これにより、地震等の振動が建築躯体2の下部構造を介して機械式立体駐車装置1に与える影響が模擬される。なお、部材モデル50Mの基部に設定される地震波情報は、x方向とy方向とで異なるものとされてもよい。
次のステップ102では、設定した振動情報に基づいて、部材モデル50Mの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析を実行する。
時刻歴応答解析では、部材モデル50Mのパレット格納棚15が設置されている階層毎に振動(応答加速度)の時間変化を算出し、算出結果は立駐振動情報としてHDD44に記憶される。
次のステップ104では、時刻歴応答解析で算出した立駐振動情報から部材モデル50Mの最大加速度を抽出し、抽出した最大加速度から機械式立体駐車装置1に生じる慣性力の最大値(以下「立駐慣性力」という。)を算出する。
次のステップ106では、建築躯体振動情報に含まれる建築躯体2の最大変位量、及びステップ104で算出した立駐慣性力を部材モデル50Mに設定する(図13(C))。
次のステップ108では、設定した建築躯体2の最大変位量及び立駐慣性力に基づいて、立駐内部架構に生じる応力を算出する静解析を実行する(図13(C))。
そして、静解析によって算出された応力が予め定められている許容応力以下であるか否か等を検討することによって、部材モデル50Mの基となった立駐内部架構の設計が適しているか否かが判断される。
次に、図14から図16を参照して、本実施形態に係る振動応答解析の結果の一例を説明する。
図14は、部材モデル50Mの横断面図である。パレット支持材26M(ローラフレーム)が延在する方向をX方向とし、これに直交する方向をY方向とする。なお、X方向にはガイド柱13Mが配置され、このガイド柱13MはX,Y方向に直交するZ方向に延在している。なお、部材モデル50Mの4隅には主柱10MがZ方向に延在している。
図15は、振動応答解析によって算出されたX方向における主柱10Mの応答加速度(以下「支柱応答加速度」という。)及びパレット支持材26Mの応答加速度(以下「RF応答加速度」という。)を、入力された振動の加速度(以下「入力振動」という。)と共に部材モデル50Mの高さ方向(Z方向)にプロットした結果である。
また、図16は、振動応答解析によって算出されたY方向における支柱応答加速度及びRF応答加速度を、入力振動と共に部材モデル50Mの高さ方向にプロットした結果である。
図15,16に示されるように、入力振動はX方向及びY方向で略同様である。
そして、高さ方向における支柱応答加速度及びRF応答加速度の変化態様は、X方向及びY方向で同様であることが分かる。しかしながら、X方向に比べてY方向の方が低層階ほど支柱応答加速度及びRF応答加速度が大きくなっており、振動の影響をより受けることが分かる。特にY方向では、X方向に比べてRF応答加速度が大きい。この理由は、X方向にガイド柱13Mが設けられることによって、X方向の強度がY方向に比べて強くなっているためと考えられる。
このように、本実施形態に係る振動応答解析では、機械式立体駐車装置1のX,Y,Z方向における駐車装置躯体3を構成する各部材の振動の詳細が算出され、各々を比較することでより振動により強い耐震設計が可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る振動応答解析装置40は、建築躯体2内に組み込まれると共に建築躯体2から離間しないように弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置1に対する振動の影響を解析する。振動応答解析装置40に用いる立駐内部架構を模擬した部材モデル50Mは、弾性体を介して建築躯体2による支持箇所を模擬した複数の支持点25Mが設定される。そして、振動応答解析装置40は、機械式立体駐車装置1に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を支持点25Mに入力することで、部材モデル50Mの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析を実行し、立駐振動情報に基づいて、内部架構に生じる応力を算出する静解析を実行する。
このように、本実施形態に係る振動応答解析は、部材モデル50Mに対して、機械式立体駐車装置1に伝播する振動の時間変化を支持点25Mに入力することで時刻歴応答解析を行い、その結果を用いて静解析により立駐内部架構に生じる応力を算出するので、建築躯体2内に組み込まれる機械式立体駐車装置1に与える振動の影響を簡易に解析できる。
また、本実施形態に係る部材モデル50Mは、質点系モデルに比べて複雑であるものの、本実施形態に係る振動応答解析では、建築躯体2と機械式立体駐車装置1を一体化した連成解析モデルを作成する必要はない。
ここで、一般的に、建築躯体2の設計と機械式立体駐車装置1の設計は、異なる時期に異なる事業者によって行われる。このため、連成解析モデルを作成しようとする場合、事業者同士で設計スケジュールの調整や技術内容の情報交換が必要であり、作業性や技術情報の漏えい等の問題が生じていた。
しかしながら、本実施形態に係る振動応答解析では、建築躯体2のモデル化は必要としないので、機械式立体駐車装置1の設計を行う事業者は、建築躯体2から伝播する振動や地震波の情報のみを建築躯体2の設計を行う事業者から得ればよいので、作業性や技術情報の漏えい等の問題が解消される。
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1 機械式立体駐車装置
2 建築躯体
3 駐車装置躯体
4 車両
16 パレット
25 支持部
40 振動応答解析装置
44 HDD
50M 部材モデル
60 時刻歴応答解析部
61 静解析部

Claims (5)

  1. 建築躯体内に組み込まれると共に前記建築躯体から離間しないように、弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析する機械式立体駐車装置の振動応答解析装置であって、
    前記弾性体を介して前記建築躯体による支持箇所を模擬した複数の支持点が設定されると共に、前記機械式立体駐車装置の内部架構を模擬した部材モデルを記憶する記憶手段と、
    前記機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を前記支持点に入力し、前記部材モデルの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析手段と、
    前記時刻歴応答解析手段によって算出された前記立駐振動情報に基づいて、前記内部架構に生じる応力を算出する静解析手段と、
    を備える機械式立体駐車装置の振動応答解析装置。
  2. 前記時刻歴応答解析手段は、前記建築躯体から伝播する振動の時間変化を示す第1振動情報を前記支持点に入力すると共に、前記機械式立体駐車装置の基部から伝播する振動の時間変化を示す第2振動情報を前記部材モデルの基部に入力することで、前記立駐振動情報を算出し、
    前記静解析手段は、前記立駐振動情報から求められる慣性力と共に前記建築躯体の最大変位量を前記部材モデルに入力し、前記内部架構に生じる応力を算出する請求項1記載の機械式立体駐車装置の振動応答解析装置。
  3. 前記部材モデルは、前記機械式立体駐車装置に格納する車両を積載するパレットは模擬されず、前記パレットと前記車両の重量が設定される請求項1又は請求項2記載の機械式立体駐車装置の振動応答解析装置。
  4. 建築躯体内に組み込まれると共に前記建築躯体から離間しないように、弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析する機械式立体駐車装置の振動応答解析方法であって、
    前記弾性体を介して前記建築躯体による支持箇所を模擬した複数の支持点が設定されると共に、前記機械式立体駐車装置の内部架構を模擬した部材モデルに、前記機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を前記支持点に入力する第1工程と、
    前記部材モデルの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析を実行する第2工程と、
    前記立駐振動情報に基づいて、前記内部架構に生じる応力を算出する静解析を実行する第3工程と、
    を含む機械式立体駐車装置の振動応答解析方法。
  5. 建築躯体内に組み込まれると共に前記建築躯体から離間しないように、弾性体を介して支持される機械式立体駐車装置に対する振動の影響を解析する機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラムであって、
    コンピュータを、
    前記弾性体を介して前記建築躯体による支持箇所を模擬した複数の支持点が設定されると共に、前記機械式立体駐車装置の内部架構を模擬した部材モデルに、前記機械式立体駐車装置に伝播する振動の時間変化を示す振動情報を前記支持点に入力する入力手段と、
    前記部材モデルの振動の時間変化を示す立駐振動情報を算出する時刻歴応答解析を実行する時刻歴応答解析手段と、
    前記立駐振動情報に基づいて、前記内部架構に生じる応力を算出する静解析を実行する静解析手段と、
    して機能させるための機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム。
JP2015017487A 2015-01-30 2015-01-30 機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム Active JP6400496B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017487A JP6400496B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015017487A JP6400496B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016142589A JP2016142589A (ja) 2016-08-08
JP6400496B2 true JP6400496B2 (ja) 2018-10-03

Family

ID=56570194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015017487A Active JP6400496B2 (ja) 2015-01-30 2015-01-30 機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6400496B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111289196B (zh) * 2018-12-07 2022-05-17 中车唐山机车车辆有限公司 弹性元件振动传递测试装置及系统
JP7393968B2 (ja) 2020-02-19 2023-12-07 三菱重工業株式会社 評価装置、評価方法及び評価プログラム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3558231B2 (ja) * 1994-10-28 2004-08-25 株式会社フジタ 骨組構造物の応答シミュレーション表示システム
JP5755190B2 (ja) * 2012-07-03 2015-07-29 三菱重工メカトロシステムズ株式会社 衝突力推定装置、方法、プログラム、およびそれを備えた機械式駐車システム
JP5645322B2 (ja) * 2013-03-06 2014-12-24 東芝エレベータ株式会社 Bimシステム及び方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016142589A (ja) 2016-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pant et al. Appropriate viscous damping for nonlinear time‐history analysis of base‐isolated reinforced concrete buildings
Becker et al. Extreme behavior in a triple friction pendulum isolated frame
Wang et al. Real-time dynamic hybrid testing for soil–structure interaction analysis
Hashemi et al. Innovative substructuring technique for hybrid simulation of multistory buildings through collapse
Kreslin et al. Seismic evaluation of an existing complex RC building
Ventura et al. Dynamic characteristics of a base isolated building from ambient vibration measurements and low level earthquake shaking
Lee et al. Real-time substructuring technique for the shaking table test of upper substructures
Falborski et al. Effect of base-connection strength and ductility on the seismic performance of steel moment-resisting frames
Moschen et al. Vertical acceleration demands on column lines of steel moment‐resisting frames
Dal Lago et al. Assessment of a capacity spectrum seismic design approach against cyclic and seismic experiments on full‐scale precast RC structures
Mei et al. Hybrid simulation with online model updating: Application to a reinforced concrete bridge endowed with tall piers
JP6400496B2 (ja) 機械式立体駐車装置の振動応答解析装置、機械式立体駐車装置の振動応答解析方法、及び機械式立体駐車装置の振動応答解析プログラム
Dao et al. Computational simulation of a full-scale, fixed-base, and isolated-base steel moment frame building tested at E-defense
Shen et al. Dynamic characteristics and seismic response of frame–core tube structures, considering soil–structure interactions
JP5016468B2 (ja) 制振建物の設計支援システム
Godbole et al. Pounding of a modular building unit during road transportation
Rahmanishamsi et al. Analytical model to capture the in-plane and out-of-plane seismic behavior of nonstructural partition walls with returns
Lu et al. Discrete element method-based collapse simulation, validation and application to frame structures
JP2011094377A (ja) 建物、建物の制振装置配置方法、ユニット建物、及び建物の制振装置配置プログラム
JP5002376B2 (ja) 設計シミュレーションシステム、設計シミュレーション方法、設計シミュレーションプログラム、及び記録媒体
JP6887821B2 (ja) モデル化方法及び振動応答解析装置
De-la-Colina et al. Experiments to study the effect of foundation rotation on the seismic building torsional, response of a reinforced concrete space frame
Xiang et al. Analytical approach for vertical floor acceleration of regular RC frames under earthquake excitation
Chen et al. Shaking table model test and numerical analysis of a long‐span cantilevered structure
Ramakrishna et al. Experiments on coupled technique for adjacent similar buildings

Legal Events

Date Code Title Description
A625 Written request for application examination (by other person)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A625

Effective date: 20171107

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180725

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180807

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6400496

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150