JP5754603B2 - 成膜用ターゲットの再生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、チタン、タンタル、ニオブまたはそれらの合金等のレアメタルよりなる成膜用ターゲットの再生方法に関するものである。
レアメタルとは、学術的に明確に定義された言葉ではないが、経済産業省では現在および将来の工業需要を考慮して47元素をレアメタルと定義している。一方、レアアース(以後希土類と記す)は,レアメタルの1種であり,スカンジウム,イットリウムおよびランタノイド系列の合計17元素を指している。これらレアメタルは,使用量は少なくても工業生産活動に必要な元素として「産業のビタミン」とも呼ばれてきたが,今日ではさらにその重要性が増し,「産業の生命線」とも呼ばれるようになっている。希土類以外のレアメタルとして、Li、Be、B、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Ga、Ge、Se、Rb、Sr、Zr、Nb、Mo、Pd、In、Sb、Te、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、Pt、Tl、Biが定義されている(非特許文献1参照)。
以下、本発明においては、これら47元素の金属をレアメタルとして定義する。これらのレアメタルは、貴重な資源であり、レアメタルのリサイクルの必要性、重要性が望まれている。これらのレアメタルの中でも、特に、チタン、タンタル、ニオブまたはそれらの合金は、ドライコーテイング技術の成膜用ターゲットして多く用いられている。
ドライコーテイング技術として、PVD(Physical Vapor Deposition、物理的吸着法)及びCVD(Chemical Vapor Deposition、化学的吸着法)があり、PVDによる薄膜形成方式としては、真空スパッタリング法及びイオンプレーティング法がある。
真空スパッタリングとしては、直流スパッタリング、高周波スパッタリング法があるが、これらの方法では、ターゲット金属は、イオンとしてではなく、粒子として蒸発するため、ターゲット金属の蒸発レートが低く、タンタル、チタンのように融点や蒸気圧の異なる材料を組み合わせた合金ターゲット材料では、形成される合金比が一定とならない欠点を有している。
一方、PVD法の代表的手法であるイオンプレーティング法の中には、アークイオンプレーテイング法(AIP法)があり、このAIP法は、アーク放電を利用した特殊なイオンプレーティング法である。このAIP法によれば、高蒸発レートが簡単に得られ、他方式のイオンプレーティング法では困難とされている高融点金属の蒸発や融点や蒸気圧の異なる材料を組み合わせた合金ターゲット材料でも略合金成分比のまま、イオンとして蒸発させることが可能であり、電解用金属電極の下地層の形成に有用な方法である。
レアメタルよりなる成膜用ターゲットは、上記した各種のドライコーテイング技術のいずれの方法にも使用することができるが、ドライコーテイング技術に使用された使用済み成膜用ターゲットは、30%同程度が消費されると、残ったターゲットはそのまま廃棄され、再利用されていない。そのため、このターゲットとしてチタン・タンタル合金を使用した場合、このターゲットは、使用終了時で、製品の70重量%が残存しており、また、その中には特に高価なレアメタルであるタンタルが60重量%残存しているにもかかわらず、従来、その回収、再生技術がなく、産業界において大きな損失であった。
即ち、レアメタルよりなる成膜用ターゲットは、焼結体として使用されるため、ターゲットして使用した後においても、堅牢な構造となっており、これを再利用する手段が見出すことができなかた。
シリーズGSC 低炭素・循環型社会を先導するGSC 「レアメタルのリサイクル」独立行政法人産業技術総合研究所環境管理技術研究部門 田中幹也著
本発明者は、ドライコーテイング技術に使用された使用済みの成膜用ターゲットを水素化処理することにより、水素脆化にとり脆弱化することを見出し、水素化処理により使用済みターゲットの破砕粉の製作に成功した。更に、本発明者は、水素化処理後、破砕した破砕粉を粉体凝結させることなく脱水素処理するための熱処理技術を開発し、更に、粉体凝結することなく脱水素処理された粉末を高温高圧熱処理することにより固化、焼結する焼結技術を見出し、使用済み成膜用ターゲットの再生に成功した。
即ち、本発明は、ドライコーテイング技術に使用された成膜用ターゲットの使用終了時に製品に残存する高価なレアメタルを、使用済みターゲットの水素化反応、脱水素反応による金属粉体の調整技術及び焼結技術を利用して、安価な費用で効率的に回収し、再生する成膜用ターゲットの再生方法を提供することを目的とする。
本発明における第1の課題解決手段は、上記目的を達成するため、
1)使用済みの成膜用ターゲットを水素雰囲気中において加熱処理することにより水素化し、水素化処理物を作成する水素化処理工程と、
2)該水素化処理工程によって作成された水素化処理物を破砕処理し、水素化処理された破砕粉を作成する破砕処理工程と、
3)該水素化処理された破砕粉を減圧又は真空下において熱処理することにより脱水素処理し、脱水素処理された破砕粉を作成する脱水素処理工程と、
4)該脱水素処理された破砕粉を熱処理することにより焼結処理し、焼結粉末を作成する焼結工程と、
よりなることを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明における第2の課題解決手段は、上記目的を達成するため、前記焼結工程が1回の場合の前記脱水素処理工程における熱処理を300℃〜500℃において行うことを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明における第3の解決課題は、上記目的を達成するため、
1)使用済みの成膜用ターゲットを水素雰囲気中において加熱処理することにより水素化し、水素化処理物を作成する水素化処理工程と、
2)該水素化処理工程によって作成された水素化処理物を破砕処理し、水素化処理された破砕粉を作成する破砕処理工程と、
3)該水素化処理された破砕粉を熱処理することにより仮焼結し、固化処理する仮焼結工程と、
4)該仮焼結工程により作成された焼結粉末を減圧又は真空下において熱処理することにより脱水素処理し、脱水素処理された破砕粉を作成する脱水素処理工程と、
5)該脱水素処理された破砕粉を熱処理することにより焼結し、固化処理する焼結工程と、
よりなることを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明における第4の解決課題は、上記目的を達成するため、前記焼結工程を脱水素処理前の仮焼結工程と脱水素処理後の焼結工程の2回する場合における前記脱水素処理工程における熱処理を500℃以上において行うことを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明における第5の解決課題は、上記目的を達成するため、前記脱水素処理された破砕粉を不活性ガス雰囲気中に保持した後大気中に取り出すことにより前記脱水素処理された破砕粉の酸化防止工程を実施することを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明における第6の解決課題は、上記目的を達成するため、前記酸化防止工程をアルゴン雰囲気中で実施することを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明における第7の解決課題は、上記目的を達成するため、前記破砕処理工程により数ミクロン〜150ミクロンの破砕粉を作成することを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明における第8の解決課題は、上記目的を達成するため、前記成膜用ターゲットがチタン、タンタル、ニオブよりなる群より選ばれる少なくとも一つの金属又はその合金であることを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明による第9の解決課題は、上記目的を達成するため、前記水素化処理された破砕粉又は前記脱水素処理された破砕粉に、前記使用済みターゲットと同一の成分よりなる新品のターゲット粉末を混合することを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法を提供することにある。
本発明による成膜用ターゲットの再生方法によれば、使用済みターゲットを水素化処理するだけで、水素脆化により容易に粉体化することができるので、しかる後、減圧、真空下における水素化、更には焼結が容易となり、焼結粉末を容易に再生することができ、安価な費用で容易に効率的に成膜用ターゲットを再生処理することができる。
更に、本発明によれば、水素化処理における破砕処理において、数ミクロン〜150ミクロンの破砕粉を形成し、それ以上微粉にしないことにより、脱水素後大気に触れても酸化しにくくなり、発火を防ぐことができる。
更に、本発明によれば、水素化処理された破砕粉又は脱水素処理された破砕粉に、使用済みターゲットと同一の成分よりなる新品のターゲット粉末を混合し、混合された破砕粉を作成し、該混合された破砕粉を高温高圧において焼結することにより固化処理し、焼結混合粉末を作成することにより、更に高性能で新品に近い性能の成膜用ターゲットを得ることができる。
混合粉末中の新品のターゲット粉末の割合が増加するほど、その性能は向上し、混合粉末中の新品の新規ターゲット粉末の割合は、使用済みターゲット粉末5に対して5以上とすることにより、成膜用ターゲット及び薄膜の品質が向上する。
更に、本発明によれば、前記焼結工程を1回とする場合、前記脱水素処理工程における熱処理を比較的低温の300℃〜500℃において行うことにより、脱水素処理により収縮が起きても、割れる恐れが少なくなる。
更に、本発明によれば、前記焼結工程を2回とする場合、焼結工程が増え、製造コストが高くなるが、前記脱水素処理工程における熱処理を比較的高温の500℃以上において行うことができ、脱水素効率を向上することができ、結果として、成膜用ターゲットの再生効率を向上することができる。
更に、本発明によれば、前記脱水素処理された破砕粉を不活性ガス雰囲気中に一定時間保持することにより降温した後大気中に取り出すことにより前記脱水素処理された破砕粉の酸化防止工程を実施することにより、脱水素粉末は、大気中に露出する前に、温度が下がり、脱水素粉末の酸化が防止され、ひび割れを防ぐことができる。
本発明の一例を示すフローシート。 本発明の他の例を示すフローシート。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一例を示すフローシートである。
本発明は、使用済みの成膜用ターゲットを水素脆化により脆弱化し、破砕粉とし、その後、脱水素、焼結工程により、成膜用ターゲットとして再生する方法に関するものである。
本発明に使用する成膜用ターゲットは、ドライコーテイング技術の成膜用ターゲットとして有用なレアメタル、特に、チタン、タンタル、ニオブ又はそれらの合金をPVD(真空スパッタリング、イオンスパッタリング)、CVD(AIP、イオンプレーテイング)等のドライコーテイング用ターゲットに使用されるものである。
以下、本発明の1例として当該ターゲットとしてTi−Taを使用した場合について説明する。
Ti−Taターゲットは、電極基体の表面にAIP加工によりTi−Ta下地層を形成するときに使用される。そして、使用済みのターゲットは、次のようなサイクル経路で行う。
図1に示すように、先ず、最初に、当該ターゲットを水素雰囲気においてか熱処理することにより水素化する。水素化されたターゲットは、水素脆化により脆くなるため、そのまま破砕処理を行う。破砕処理によりターゲットは、数ミクロン〜150ミクロンの粒径に破砕される。
次いで、この破砕粉を脱水素する。脱水素して再生する経路としては2通りの方法を開発した。
第一の経路は、水素化した破砕粉を減圧又は真空下において熱処理することにより脱水素処理し、脱水素処理された破砕粉を作成し、必要に応じて、脱水素処理された破砕粉に新たなチタン粉及びタンタル粉と混合し、しかる後、高温高圧において焼結することにより固化処理し、焼結工程により焼結粉末を作成する。この第一の経路では、脱水素処理により破砕粉が固化しやすくなるため、脱水素後、再破砕を行わずに処理が可能となるよう、水素処理の処理温度をできる限り低温とすることが必要である。
第二の経路は、図2に示すように、水素化した破砕粉に、必要に応じて、新たなチタン及びタンタルを混合して、一旦低温での仮焼結工程により多孔質状態に固化し、その後、減圧、真空化での熱処理により脱水素する。更に、脱水素後、再度、焼結工程により固化する。この第二の経路では、脱水素処理による粉末の固化を気にする必要がなく、また、脱水素後の粉末の酸化も少なくなるという利点があり、高温での脱水素処理が可能となり、脱水素効率を向上することができる。然るに、2回の焼結工程を必要とするため、再生処理コストは高くなる。
(1)前記水素化処理は、大気圧、500〜700℃の水素雰囲気で行う。処理時間は処理材料の寸法により異なるが、数時間〜数日間程度行うことが好ましい。
(2)破砕処理と粒度の調整
破砕処理は、ボールミルで行う。破砕には、ジルコニアボールを使用し、粒径が90μm以下になるように破砕する。破砕は、数μmレベルまで可能であるが、微粉に破砕すると、脱水素後、大気に触れることにより酸化しやすくなり、場合によっては発火する。そのため、数ミクロン〜150ミクロンの粒径の範囲に収まるように調整する。このことにより、過度の酸化を防止し、再生ターゲットの品質を向上させることができるとともに、再生粉に追加する、新たなチタン粉及びタンタル粉を少なく抑え、再生効率を向上させることができる。
(3)脱水素処理
第一の経路による、脱水素処理は、凝固を防ぐため、できる限り低温で行う。脱水素処理温度としては、300℃〜500℃の範囲で20時間以上行うのが望ましい。このような、温度条件で真空度が20Pa以下になるまで脱水素処理を行う。また、脱水素時の粉末積層厚さは10cm厚さ以下とする。これ以上厚くすることにより、粉末は自重による圧力による焼結が進行し、脱水素終了後に再破砕が実用となる。このように、脱水素処理を比較的低温の300℃〜500℃において行うことにより、脱水素処理により収縮が起きても、割れる恐れが少なくなる。脱水素処理温度が、300℃未満になると、水素ガスが抜けにくくなり、脱水素に要する時間が長くなる。一方、脱水素処理温度が、500℃超になると、脱水素粉末が固まってしまい、粉になりにくくなり、均一な粉末を形成するのが難しくなる。
第二の経路において脱水素処理を行う場合、処理温度をさらに高温にして脱水素効率を上げることが可能である。脱水素温度は、500℃以上とし、同様に真空度が100Pa以下になるまで脱水素を行う。脱水素処理時間は、おおよそ10時間以上とする。第二の経路においては、このように脱水素処理の処理温度を、比較的高温において行うことができ、温度が高くなると、水素ガスが抜けやすくなり、そのため、脱水素効率を向上することができ、結果として、成膜用ターゲットの再生効率を向上することができる。第二の経路において脱水素処理を行う場合、脱水素後、再度、焼結工程により固化するため、脱水素処理による粉末の固化を気にする必要がなく、また、脱水素後の粉末の酸化も少なくなるという利点があり、500℃以上の高温での脱水素処理が可能となり、脱水素効率を向上することができる。
(4)酸化防止工程
第一の経路及び第二の経路における脱水素処理を行った後、脱水素粉末は、100℃以下まで降温し、あるいは、降温せずにそのまま、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中にて24時間保持した後、大気中に取り出すことにより、脱水素粉末の温度が低下し、酸化によるひび割れを防ぐことができる。脱水素処理された破砕粉を高温のまま真空環境から空気中に直接取り出すと、空気中の酸素により酸化され、引いては引火の危険のおそれもある。尚、真空環境において降温することによりある程度酸化防止ができるが、真空中においては、対流による熱伝達がなく、降温所要時間が長くなるため、脱水素粉末は、降温せずに、直接、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中に流入、保持することにより、酸化防止効果だけではなく、高温処理に時間を短縮することが可能となる。使用する不活性ガスとしては、酸素が少量混入している市販窒素ガスよりも、アルゴンガスを使用することが好ましい。
(5)再生粉および新しい粉末との混合方法
再生粉と新しい粉末の混合は、ここで示した再生処理経路では、再生粉5に対して5以上とするとすることが好ましい。これより再生粉を増やし、再生粉のみで製品とすることも可能であるが、再生粉の割合が多くなるにつれて再生粉に由来する酸素量の増加が大きくなり、再生ターゲットの品質低下を招くため、新しい粉末は、適切な割合で混合する。新しい粉末を混合しないと、焼結工程による焼結処理後にターゲットに割れ、欠け、が起こり、ターゲットとして利用ができなくなることがある。
(6)焼結工程
焼結工程としては、通常の固体圧縮焼結法の1種であるホットプレス焼結(HP)による焼結を行うことができる。以下に示す実施例においては、放電プラズマ焼結(SPS)を用いたが、本発明における焼結法である脱水素処理前焼結工程及び脱水素処理後焼結工程としては、放電プラズマ焼結(SPS)のほかその他のホットプレス法等を使用することも可能である。
(7)仮焼結工程
第二の経路による、仮焼結工程は、圧力10MPa、温度700℃〜1200℃、通電時間30分で行う。この温度で固化することにより多孔質な状態となり、脱水素処理が可能となる。また、脱水素処理による収縮が起きても、割れが入ることなく処理することができる。
(8)脱水素処理後の焼結工程によるターゲットの再成形
第1の経路及び第2の経路における脱水素処理後の焼結工程において、破砕粉を脱水素後、新たな製品粉末であるバージン粉と混合した素材、あるいは、一旦焼結処理された後、脱水素した素材を焼結処理することにより成膜用ターゲットとして再生する。再生固化条件は、圧力30〜50MPa、温度1000〜1500℃、通電時間30分で行う。
以下に本発明の成膜用ターゲットの再生方法の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
本実施例は、脱水素後、再生粉と未使用粉を調整してターゲットを再生する第1の経路における例を示したものである。
1)使用ターゲットを、Moヒータの水素雰囲気炉による水素化処理を行った。使用した炉の容積は直径20cm高さ40cmであり、厚さ22mm、直径100mm使用済みTi−Taターゲットを15個一括して水素化処理した。水素圧力は大気圧、700℃、7時間で水素化した。
2)水素化したターゲットを破砕した。破砕はボールミルにより行う。ボールには直径20mmのジルコニアボールを使用し、破砕容器もジルコニア製とした。破砕粉の粒度調整は適宜破砕後、篩によりふるいわけ、残った大寸法粉をさらに破砕するという操作を繰り返すことによって行った。
3)破砕粉をモリブデンヒータ真空炉で脱水素処理した。一回の脱水素処理量を3kgとした。処理温度は500℃とし、気圧が50Pa以下になるまで処理を行った。ここでの条件では、おおよそ20時間程度の処理で圧力は50Pa以下となった。処理後、100℃以下まで降温し、アルゴン雰囲気で24時間保持し、脱水素粉末を大気中へ取り出した。
4)脱水素粉重量5に対して、バージンのチタン粉、タンタル粉の混合粉の重量5を加えてさらに混合した。この粉末を圧力30MPa、温度1350℃、通電時間30分で脱水素処理後焼結工程により焼結した。この場合の電流密度は500A/m2となる。ここでは、住友石炭製の放電プラズマ焼結(SPS)処理装置により、焼結を行った。これらの操作により、直径100mm、厚さ22mm、重さ1.3kgのTi−Ta成膜用ターゲットを再生した。
<実施例2>
本実施例は、脱水素前に破砕分を脱水素処理前焼結工程により焼結し、その後、脱水素、更に脱水素処理後焼結工程を行い、ターゲットを再生する例を示したものである。
1)使用ターゲットを、Moヒータの水素雰囲気炉による水素化処理を行った。使用した炉の容積は直径20cm高さ40cmであり、厚さ22mm、直径100mm使用済みTi−Taターゲットを15個一括して水素化処理した。水素圧力は大気圧、700℃、7時間で水素化した。
2)水素化したターゲットを破砕した。破砕はボールミルにより行う。ボールには直径20mmのジルコニアボールを使用し、破砕容器もジルコニア製とした。破砕粉の粒度調整は適宜破砕後、篩によりふるいわけ、残った大寸法粉をさらに破砕するという操作を繰り返すことによって行った。
3)脱水素粉重量5に対して、バージンのチタン粉、タンタル粉の混合粉を重量5加えて混合した。この粉末を圧力30MPa、温度700℃、通電時間30分でSPS処理した。ここでは、住友石炭SPS処理装置により、焼結を行った。
焼結した混合粉をモリブデンヒータ真空炉で脱水素処理した。一回の脱水素処理量は一個とした。処理温度は700℃とし、気圧が50Pa以下になるまで処理を行った。ここでの条件ではおおよそ10時間程度の処理で圧力は50Pa以下となった。処理後、100℃以下まで降温し、アルゴン雰囲気で10時間保持して大気中へ取り出した。
4)この脱水素した焼結体を圧力30MPa、温度1350℃、通電時間30分でSPS処理した。ここでは、脱水素処理前焼結工程処理と同じく、住友石炭製の放電プラズマ焼結(SPS)処理装置により、脱水素処理後焼結を行った。これらの操作により、直径100mm、厚さ22mm、重さ1.3kgのTi−Ta成膜用ターゲットを再生した。成膜用ターゲットを再生した。
本発明による成膜用ターゲットの再生方法は、使用済みターゲットを水素化処理するだけで、水素脆化により容易に粉体化することができるので、安価な費用で容易に効率的に成膜用ターゲットを再生処理に利用することができる。

Claims (9)

  1. 1)使用済みの成膜用ターゲットを水素雰囲気中において加熱処理することにより水素化し、水素化処理物を作成する水素化処理工程と、
    2)該水素化処理工程によって作成された水素化処理物を破砕処理し、水素化処理された破砕粉を作成する破砕処理工程と、
    3)該水素化処理された破砕粉を減圧又は真空下において熱処理することにより脱水素処理し、脱水素処理された破砕粉を作成する脱水素処理工程と、
    4)該脱水素処理された破砕粉を不活性ガス雰囲気中に保持した後大気中に取り出すことにより、前記脱水素処理された破砕粉の酸化防止処理を行う酸化防止工程と、
    5)該酸化防止工程を実施した後の脱水素処理された破砕粉を熱処理することにより焼結処理し、焼結粉末を作成する焼結工程と、
    よりなることを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法。
  2. 前記脱水素処理工程における熱処理を300℃〜500℃において行うことを特徴とする請求項1に記載の成膜用ターゲットの再生方法。
  3. 1)使用済みの成膜用ターゲットを水素雰囲気中において加熱処理することにより水素化し、水素化処理物を作成する水素化処理工程と、
    2)該水素化処理工程によって作成された水素化処理物を破砕処理し、水素化処理された破砕粉を作成する破砕処理工程と、
    3)該水素化処理された破砕粉を熱処理することにより仮焼結し、固化処理する仮焼結工程と、
    4)該仮焼結工程により作成された焼結粉末を減圧又は真空下において熱処理することにより脱水素処理し、脱水素処理された破砕粉を作成する脱水素処理工程と、
    5)該脱水素処理された破砕粉を熱処理することにより焼結し、固化処理する焼結工程と、
    よりなることを特徴とする成膜用ターゲットの再生方法。
  4. 前記脱水素処理工程における熱処理を500℃以上において行うことを特徴とする請求項3に記載の成膜用ターゲットの再生方法。
  5. 前記脱水素処理された破砕粉を不活性ガス雰囲気中に保持した後大気中に取り出すことにより前記脱水素処理された破砕粉の酸化防止工程を実施することを特徴とする請求項3に記載の成膜用ターゲットの再生方法。
  6. 前記酸化防止工程をアルゴン雰囲気中で実施することを特徴とする請求項5に記載の成膜用ターゲットの再生方法。
  7. 前記破砕処理工程により数ミクロン〜150ミクロンの破砕粉を作成することを特徴とする請求項1又は3に記載の成膜用ターゲットの再生方法。
  8. 前記成膜用ターゲットがチタン、タンタル、ニオブよりなる群より選ばれる少なくとも一つの金属又はその合金であることを特徴とする請求項1又は3に記載の成膜用ターゲットの再生方法。
  9. 前記水素化処理された破砕粉又は前記脱水素処理された破砕粉に、前記使用済みターゲットと同一の成分よりなる新品のターゲット粉末を混合することを特徴とする請求項1又は3に記載の成膜用ターゲットの再生方法。
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