JP5754103B2 - ビルドアッププリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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ここで、一般的に多層プリント基板で使用されているネガ型のドライフィルムレジストについて説明する。ドライフィルムレジストは露光されると光重合開始剤により、バインダーポリマーとモノマーとをラジカル重合させ、3次元的に架橋させる。露光して3次元的に架橋した部分は疎水性を示し、炭酸ナトリウム水溶液などの弱アルカリ性の液は浸透がないため、炭酸ナトリウム溶液では溶解せず、所望するパターンが形成される。
この原因は、高密度配線化の実現を目的として、銅配線間を狭間隙化するため、ドライフィルムレジストが細くなっても倒れたりしないような高強度の材料設計になっている。例えば、バインダーポリマーをより高分子化したり、光重合性モノマーの増量などの工夫を施している。このため、カルボン酸基の相対含有量が少なくなり、ドライフィルムレジストが剥離液を吸水膨潤する量が小さいため、機械的な歪量が少なくなり、剥離しづらくなってきている。
また一般的に導体配線間の間隙幅15μm以下の狭間隙になると、ドライフィルムレジストのパターン幅と高さのアスペクト比が1以上5未満の高アスペクト比なパターン形成が必要になるため、ドライフィルムレジストの膜厚を薄くしたり、電解銅めっき厚を厚みを薄くするなどして、ドライフィルムレジストの剥離性が低下しないようにしている。しかし、この方法では配線幅が細くなった上に配線高さも低くなってしまい導体としての抵抗値が高くなる問題があった。
前記したように、従来のドライフィルムレジスト厚では、電解銅めっきによって形成された配線と配線の間隔が15μm以下のパターンに形成されたドライフィルムレジストはアルカリによる膨潤剥離が困難であった。
すなわち、前記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、ビルドアッププリント配線基板をセミアディティブ工法によって製造するビルドアッププリント配線基板の製造方法であって、形成したドライフィルムレジストを剥離するドライフィルムレジスト剥離工程の前処理として、当該ドライフィルムレジストを乾燥収縮させることを特徴とする。
次に、請求項2に記載した発明は、前記乾燥収縮の前処理として、360nm以上440nm以下の波長を有する紫外線をドライフィルムレジストに照射することを特徴とする。
次に、請求項3に記載した発明は、前記ドライフィルムレジストを、フリーズドライによって乾燥収縮させることを特徴とする。
このように狭間隙パターンのドライフィルムレジストの剥離性が向上するため、膜厚の薄いドライフィルムレジストに切り替える必要がなく、微細配線になっても従来の配線厚ルールで、電解銅めっき厚が形成できる。
まず、コア層10の片面または両面に、所望のパターン形状を有する配線層としての導電層11を形成する。更に、導電層11が形成されたコア層10の上に、絶縁樹脂を塗布して温度120℃程度において真空ラミネートを行い、さらに高温でポストベークすることで絶縁樹脂層21を形成する(図1(A))。ここでは便宜上、コア層10にスルーホールを図示していないが、必要に応じてコア層10を貫通するスルーホール銅配線を形成してもよい。また、図1は、コア層10の両面に導電層11を形成する例である。
次いで、絶縁樹脂層21に導電層11に達する、例えばφ50μm程度のビアホール22を形成する(図1(B))。
デスミア処理としては、公知のデスミア処理を適用することができる。例えば、市販品であるMLB211(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%、キューポジットZ10容量%を含む膨潤浴に、60〜85℃で1〜15分間浸漬した後、MLB213A(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を10容量%とMLB213B(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を15容量%含むエッチング浴に55℃〜85℃で2〜15分間浸漬処理し、MLB216−2(ロームアンドハース電子材料株式会社製)を20容量%含む中和浴に35℃〜55℃で2〜10分間浸漬する等の公知の方法で適宜実施することができる。
その後、無電解銅めっきにて、約1μm厚の導体パターンのない無電解銅めっき層31を形成する(図1(C))。この無電解銅めっき層31は、従来のセミアディティブ工法におけるシード層と呼ばれる層であり、後の工程において無電解銅めっき層31に給電することにより、無電解銅めっき層31の上に所定のパターンの電解銅めっきを行うためのものである。
ここで、このパターン形状が、後にはんだとの接続点となる接続パッド部が、凹型形状となるように、レジストパターン形状を形成する。ドライフィルムレジスト41としては、例えば、支持体フィルムと保護層で挟まれた厚み25μm程度の感光性樹脂層であり、無電解銅めっき層31へドライフィルムレジスト41の保護層を剥がしながら、支持体フィルムをコア層10と逆側に向けて、ホットロールラミネーターにより、ロール温度120℃程度で基材にラミネートする。その後、ドライフィルムレジスト41の支持体フィルム側に所望のパターンを有するフォトマスクを設置し、フォトマスクの上から露光し、硬化レジストパターンを有するドライフィルムレジスト41を得る。次に、支持体フィルムを剥離して基材をNa2CO3水溶液中に浸漬して現像し、所望のパターンを有するレジストパターン形状を得る(図1(D))。
電解銅めっき層42を形成した後、ドライフィルムレジスト41を剥離する(図1(F))。
続いて、露出している無電解銅めっき層31をエッチング(以後フラッシュエッチングと呼ぶ。)し、予め設計した所望の導体パターンを得る(図1(G))。
(ドライフィルムレジストの剥離)
次に、前記図1(F)の工程における、ドライフィルムレジスト41の剥離について詳細に説明する。
また、熱風乾燥させた後、フリーズドライにて更に乾燥させることも可能である。一方、フリーズドライさせた後に熱風乾燥させる工法は乾燥効率が悪いため、費用がかさむだけである。
また、前記乾燥の前処理として、360nm以上440nm以下の波長を有する紫外線をドライフィルムレジストに照射する。照射する紫外線は、露光に用いられる光の波長の光を含んだ光が好適に用いられる。紫外線照射は、乾燥後に実施することが好ましい。
ドライフィルムレジスト剥離工程の前処理として、360nm以上440nm以下の波長を有する紫外線照射することにより、未架橋のモノマーをより架橋させることで、ドライフィルムレジストをより収縮させ、電解銅めっきとドライフィルムレジストとの境界面で剥離を促し、ドライフィルムレジストの剥離工程での剥離性を向上させる。
ドライフィルムレジスト41を完全架橋させるには、照射する光の露光量としては、少なくとも100mJ/cm2以上必要である。また、微細配線形成などのパターン形成では、より短波長でナローな光源として、i線(365nm)のみで露光されているが、本目的のような未架橋部分を完全架橋するために使用する場合には、高圧水銀ランプなどブロードな波長域(g線(436nm)とh線(405nm)とを含んだ光)を光源を用いることが好ましい。
ピッチ30μmでL/S=15/15μmの導体パターンの製造方法を図1にて説明する。
まず、コア層10に形成された銅配線層11上に、絶縁樹脂としてABF GX−13(商品名、アジノモトファインテクノ(株)製)をラミネート温度120℃で真空ラミネートした後、180℃でポストベークして絶縁樹脂層21を得た(図1(A))。ここでは便宜上、コア層10にスルーホールを図示していないが、必要に応じてコア層を貫通するスルーホール銅配線が形成される。
更に無電解銅めっきにて1μm厚の無電解銅めっき層31を形成した(図1(C))。
更に、ドライフィルムレジスト41として、サンフォート(登録商標)UFG−255(商品名、旭化成エレクトロニクス(株)製)を用いた。これは、支持体フィルムとしてポリエチレンテレフタレートフィルムを、保護層としてポリエチレンフィルムを用いており、感光性樹脂層厚みは25μmである。1μm厚の無電解銅めっき層31へ、ドライフィルムレジスト41の保護層を剥がしながら、ホットロールラミネーター(旭化成(株)製、AL−70)により、ロール温度120℃で基材にラミネートした。エアー圧力は0.3MPaとし、ラミネート速度は1.0m/minとした。
ここで、剥離工程の前処理として、関係湿度25%の乾燥した空気で充満した熱風オーブンに投入し、120℃で乾燥させた。30分処理して、ドライフィルムレジスト41の含水率1%にさせた。
ドライフィルムレジスト41の剥膜液として、3質量%のNaOH水溶液を用意した。50℃、圧力0.2MPaでスプレーをしながら、ビルドアッププリント基板をインラインのスプレー剥膜装置に投入し、60秒スプレーし、レジストパターンを剥離後、水洗乾燥し、ドライフィルムレジスト41の剥離した(図1(F))。
20μm厚の電解銅めっき42の形成工程(図1(E))までは、実施例1と同じ工程で作製し、次いで、剥離工程の前処理として、フリーズドライにて真空乾燥させる。マルチチャンバーを有するフリーズドライ処理装置の1stチャンバーに、ビルドアッププリント基板を投入し、常温で1kPaまで減圧させる。次に1kPaの減圧下でフリーズドライ処理装置の−40℃に設定された2ndチャンバーに搬送し、一気に冷凍させる。次いで2ndチャンバーの10Paまでさらに減圧し、30分保持した後、ドライフィルムレジスト41のフリーズドライを完成させる。
次いで、ドライフィルムレジスト41の剥離工程(図1(F))以降も、実施例1と同じ工程で作製し、所望する配線パターンが形成できた(図1(G))。
基材は、電解銅めっきまで実施例1と同様のものを用いた。
ここで、3重量%のNaOH水溶液をドライフィルムレジスト41の剥膜液として用意した。ついで、基材をインラインのスプレー剥膜装置に投入し、50℃、圧力0.3MPaで300秒までスプレーした。13μm以上の硬化レジストパターン(フォトマスクパターンサイズL/S=27/13μm)は剥離できたが、8μm幅のレジストパターン(フォトマスクパターンサイズL/S=32/8μm)は、銅配線層にドライフィルムレジスト41が挟まったままで、上手く剥離ができなかった。
21 絶縁樹脂層
22 ビア
31 無電解銅めっき層
41 ドライフィルムレジスト
42 電解銅めっき層
Claims (3)
- ビルドアッププリント配線基板をセミアディティブ工法によって製造するビルドアッププリント配線基板の製造方法であって、
形成したドライフィルムレジストを剥離するドライフィルムレジスト剥離工程の前処理として、当該ドライフィルムレジストを乾燥収縮させることを特徴とするビルドアッププリント配線基板の製造方法。 - 前記乾燥収縮の前処理として、360nm以上440nm以下の波長を有する紫外線をドライフィルムレジストに照射することを特徴とする請求項1に記載のビルドアッププリント配線基板の製造方法。
- 前記ドライフィルムレジストを、フリーズドライによって乾燥収縮させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のビルドアッププリント配線基板の製造方法。
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